『 -- 副作用情報、「医師から説明」27% 製薬業界団体調査 --

 医師に薬を処方してもらった人の7割が副作用について説明してほしいと感じているのに、実際に医師や薬剤師から説明を受けた人は3割にとどまることが、製薬会社の業界団体の調査で分かった。「医師や薬剤師は患者の立場で説明してほしい」と話している。

 調査は、製薬会社でつくる「くすりの適正使用協議会」が、昨年10月に20〜69歳の2000人を対象にファクスを送り、1607人から回答を得た。医師の処方が必要な薬が対象で、大衆薬については聞いていない。

 薬をもらう時に知りたい情報と医師や薬剤師から実際に説明を受けた内容とを比べると、副作用について知りたいと答えた人が70%なのに説明を受けたのは27%。副作用が出た時の対処方法については、25%の人が知りたいと答えたが、説明を受けたのは8%にとどまった。一方、服用方法については、知りたいと答えた人は36%にとどまったのに、79%の人が説明を受けた。

 処方された薬について不安に思ったことがあるかどうか尋ねると、「時々ある」が54%で、「よくある」が5%。合わせると6割が不安を訴えていた。』

 こういう話は患者側のアンケートだけみるといかにも医師は説明していないみたいだが,問題は医師側がどの程度まで意識して話していて,それを患者側が理解しているかにかかっている.医師が説明したつもりであっても,患者側が聞いていないといえばそれまでだ.製薬会社にしても「医師や薬剤師は患者の立場で説明してほしい」とはまったく無責任な話である.

 臨床でよく経験する副作用なら使っている医師はわかっているからちゃんと理解して説明できるし,重篤なものについては必ず説明していると思う.しかし,稀にしか起こらないものや新薬などについては医師も本当のところわからないのが現実だろう.

 可能性の問題で副作用を列挙しても時間の無駄である.処方された薬に不安があるのならちゃんとそのことを医師に伝えて納得してから投与を受けるべきであろう.医師が内服をすすめても承諾されなければ処方はしないだろうし,承諾すればそれ以上の説明に時間を費やしたりはしないだろう.

 何らかの理由で医師に直接たずねることが出来なくとも,薬をもらう所には薬剤師がいる.最近は院外処方薬局でもらう人も多いと思うが,そこでは大抵丁寧に説明してくれる.私も自分のアレルギーの薬をもらいにいったら非常に丁寧に説明されてかえって困ってしまったくらいである.入院中であれば看護師さんに聞けば教えてくれるし,わからなければ医師にそのことを伝えてもらえばいいだろう.

 医師の説明不足ということで「もっとちゃんと説明しろ」というのなら,患者が主治医にそのことをきちんと伝えればいいわけで,それができないというのなら患者と医師との人間関係に問題があるということで,それなら説明以前の問題ではないだろうか.

『 -- ほぼすべての中絶禁止へ サウスダコタ州下院が法案承認 --

 米サウスダコタ州下院は24日、ほぼすべての人工妊娠中絶を禁止する州法制定案を50対18で承認した。AP通信が伝えた。新法制定には知事の署名が必要だが、共和党のラウンズ知事は前向きと伝えられ、7月1日施行の見通し。連邦最高裁の判事構成が変わったことを受け、中絶を合法とした73年の最高裁判決が見直されることを期待しての対応で、他の州議会にも追随する動きがあるという。

 AP通信によると、提案された新法は、母体に生命の危険がある時以外の中絶を禁止する内容。レイプ被害や近親間の妊娠の場合でも中絶はできなくなる。違反して中絶にかかわった医師は最高5年の刑に問われる可能性がある。

 これに対し、女性の「産む、産まない」の選択を支持することから同州で唯一の中絶医院を運営する組織「プランド・ペアレントフッド」は、法律が最高裁決定を無視しているとして無効確認を求める訴えを起こす方針だ。』

 先日の里親制度のニュースのコメントに中絶は胎児を殺すことにほかならないということを強調する意味で殺人という言葉を使ったのだが,女性産婦人科医と思われる方から強い不快感を表明された.その後,中絶にかかわる倫理感ということが頭に少々ひっかかっていた.そのせいかこの二ユースに目が止まったので,また少し考えてみたい.

 米国の場合,中絶問題は大統領選の公約になるほど重要な問題であるらしいが,それはキリスト教によるところが大きい.新法皇ベネディクト16世も昨年のクリスマスミサでクリスマスの栄光の一部が「全ての子供を照らし出す。まだ生まれていない子供たちさえも、照らし出すのだ」と述べ、「全ての」という部分をことさらに強調し、出生前の胎児の命を尊重する立場を改めて示している.

 わが国の場合は宗教的な倫理観から中絶を否定する意見が取り上げられることはないだろう.むしろ最近の傾向としては中絶は女性の権利であるという声が大きい.民主主義は多数決の原理であるから声が大きいと正しいことになるのだろうが.必ずしも真に正しいわけではない.反対意見が多くなれば昨日まで正しかったことが誤りとされることもあるわけである.だから,中絶が善か悪かを論じようなどというつもりはない.ただ,中絶は胎児というヒトを殺すことになるのかどうかが知りたいだけである.

 産婦人科医はどう考えてやっているのだろうか.脳外科医の私には,胎児は母親に生命維持を依存はしているが,母親とは遺伝情報の発現が異なる点でまったく別のヒト個体として扱われるべきものと考えられるのである.そして,中絶とはなんらかの母体側の都合で胎児の生命維持を中止し死に至らしめる行為ではないのだろうか.

 なにか面倒な話になったので,一つの例を考えてみた.今後,バイオテクノロジーがさらに進歩して人工子宮ができたとしよう.妊娠の継続を希望しない母体から取り出された胎児が人工子宮で生命維持できるようになったとする.里親制度もあり生まれてもなんの問題もない社会になっているが,母親が人工子宮での生命維持を希望しなかったとする.さて,あなたなら母親の希望は正当であると言えるであろうか.

 昔の日本では間引きということが行われていた.お産婆さんがお産の家に行ったときに屏風が逆さに置かれていたら,そのお産は死産とされたそうである.昔は中絶を安全に行える技術がなかったから満期産で生まれた児を殺していたのかもしれない.これは今の時代であれば殺人である.

 今後は人工授精でつくった胎児を人工子宮で育て,都合が悪くなったら人工子宮を停止させることもできる時代になるかもしれない.そうなったら胎児の生存権はどうなるのだろうか.そこに倫理観は存在しているのだろうか,未来のことはなってみなければわからないが,将来,胎児に生存権がみとめられたら,現在の中絶はそれこそ殺人以外のなにものでもなくなるのではないだろうか.
 
 
『 -- 酒抜き後の出頭を許さず 危険運転致傷罪で男を起訴 --

 7人にけがを負わせ逃走、事故翌日に出頭して業務上過失致傷容疑などで逮捕された男を、悪質な飲酒運転だったとして、大阪地検が法定刑の重い危険運転致傷などの罪で起訴していたことが25日、分かった。
 業務上過失致傷罪は5年以下の懲役もしくは禁固、罰金50万円以下なのに対し、危険運転致傷罪は15年以下の懲役。同罪が2001年に新設されて以降、事故後にアルコールが抜けるのを待ち出頭するケースが増えており、厳しい姿勢を示した。
 起訴されたのは、兵庫県尼崎市のとび職竹内光明被告(36)。淀川署によると、1月30日午後10時25分ごろ、大阪市淀川区の交差点で、酒に酔って車を運転中に対向車4台に衝突して7人に重軽傷を負わせ、車を乗り捨てて逃走。』

 以前にも酒を飲んでひき逃げし翌日出頭したというのがあった.この事故での過失とは運転を誤って対向車に衝突したことだけだろう.酒を飲んで運転したことと,現場から逃げたことは故意だろう.

 だから,量刑はこの場合,殺人未遂罪が適当だろう.現場にとどまって人命救助にあたれば危険運転致傷罪に情状酌量を加えてもいいかもしれない.救助にあたらず逃走すれば被害者が死亡するかも知れないのに危険運転致傷罪ではまだ甘すぎる.

 死ぬかもしれないとわかっていながら逃げたのなら被害者が助かっても殺人未遂罪,被害者が死亡したら殺人罪が適応されるべきだろう.人間のミスは避けられないから過失はみとめるべきであるが,問題は過失を犯したあとの対応であろう.同じ酒を飲んで運転するという間違いを犯したにしても,なんとか助けようとする者と見捨てて逃げた者が同じ量刑になるのはおかしいだろう.
『 -- 産婦人科でも里親制度PR 中絶希望者も念頭、福島県 --

 福島県は24日までに、子育て支援策の一環として県の「里親制度」を産婦人科病院でも積極的にPRし、活用してもらう方針を決めた。県議会に提出している2006年度予算案で、前年度比約2000万円増の約7400万円を計上した。

 里親制度は、実の親による児童虐待などで養育が困難な場合、児童相談所の紹介で別の家庭で子どもを育ててもらう仕組み。県は「産む、産まないは本人の意思だが、望まない妊娠で中絶が不可能なケースもあり、制度を知らないまま親子が苦しんだり、虐待などが起こるのを防ぎたい」としている。

 06年4月からは県内病院の産婦人科に里親制度を紹介するパンフレットを置くほか、児童相談所・相談センターに実の親と里親などの関係を取り持つコーディネーターと、心のケアをする心理嘱託員を新たに配置するとしている。

 福島県によると、乳幼児の場合は施設よりも里親による受け入れが望ましい例が多いとされる。現在151組が里親登録しているが、実際に子どもを受け入れているのは38組にすぎず、受け入れには余裕があるという。』

 先日の産婦人科医師逮捕に対しては福島県の産婦人科医はどのように考えているのだろうか.そして,こんな状況でも患者のために協力を惜しまず里親さがしをするのだろうか.産婦人科にパンフレットを置くなどと言っているが県側が計画しているだけのことなのだろうか.ニュースを読んでもわからないことだらけだ.

 一見すると先日と同じようだが、こちらのニュースには川手晃副知事の「妊娠中絶を考えている人に『産む』という選択肢も提示した上で、できるだけ産んでもらい、社会で子どもを育てようというのが狙いだ。倫理的な問題を指摘する声があるかもしれないが、出生率の低下や中絶の問題は深刻だ」というコメントが書かれていない.人口減で悩む福島県の本音をつい言ってしまったのがまずいと判断されたのだろうか.

 倫理をちらつかせながら人口増をもくろむ県.人工受精と人工中絶で患者ニーズに応える産婦人科開業医,そして公立病院で一人医長で頑張った末に逮捕される産婦人科医.やっぱりどう考えても公立病院の産婦人科は消滅しそうだ.そして,産婦人科領域で一番おいしいのはピルやホルモン補充療法をやってるレディースクリニックだったりするんではないだろうかと思うが,本当のところはどうなんだろうか.
もうすぐ春ですね
 ちょっと気が早いかもしれませんが,日差しが徐々に強くなっていくのがわかります.病院の駐車場の雪もとけてなくなりました.来週はいよいよ3月です.卒業,転勤シーズンですが,最近になってインフルエンザ警報が出ましたのでまだまだ油断できません.夜はまだ寒いので体に気をつけて.週末はゆっくりしたいですね.

日記テーマごとに整理することにして6ヶ月分ほど整理してみました.
『 -- 中絶希望者に里親案内の新制度 福島県が今春から --

 人口減に悩む福島県が、従来の「里親制度」を、人工妊娠中絶を減らし、出生率を高めるための施策として活用していく方針を決めた。新年度から新たに「里親コーディネーター」を配置し、出産を迷う妊婦らにも制度を紹介する。女性の「産む、産まない」の選択権が狭められないかなどの論議も予想されるが、同県は「中絶を考えている人に産んでもらい、社会で子育てを担いたい」としている。

 里親制度は、虐待などで親との同居が難しくなった子どもを一般家庭で育てる仕組み。各都道府県が所管しているが、厚生労働省によると、出産前に制度を紹介するのは異例だ。

 福島県によると、まず産婦人科医に依頼し、出産を迷う妊婦のうち希望者に里親制度など子育て支援策を紹介するパンフレットを配布。問い合わせに応じて児童相談所が詳しく説明し、出産後、実際に子育てが困難な場合には里親を紹介する。里親は、原則18歳まで育てる「養育里親」を想定している。

 県は新年度当初予算に約2000万円を計上、新たに里親コーディネーターと心理嘱託員を4人ずつ雇い、児童相談所に配置する。コーディネーターは親と里親の間をとりもち、心理嘱託員は紹介後も継続して親や里親の心のケアなどを担う。

 福島県の人工妊娠中絶実施率(女性の人口千人あたりの件数)は04年度で15・8。全国平均の10.6を大きく上回った。15〜19歳では17.7とさらに高率だ。一方で県の人口は97年の約213万人をピークに減り続け、今年1月1日の推計で約209万人に。

 里親コーディネーターらの配置は、児童相談所の児童福祉司不足を補うのが目的だったが、予算案を詰める際に中絶実施率の高さを問題視する声が上がり、里親制度の幅広い活用が論議された。

 川手晃副知事は「妊娠中絶を考えている人に『産む』という選択肢も提示した上で、できるだけ産んでもらい、社会で子どもを育てようというのが狙いだ。倫理的な問題を指摘する声があるかもしれないが、出生率の低下や中絶の問題は深刻だ」と話している。』

 まずは2004年11月2日の日記の後半を読んでいただきたい.
http://diarynote.jp/d/41284/20041102.html

 わが国に里親制度が根づくがどうかはわからないが,「妊娠中絶を考えている人に『産む』という選択肢も提示した上で、できるだけ産んでもらい、社会で子どもを育てよう」という主旨は理解できるし,合法的に尊い命が抹殺されてしまう中絶という行為を少しでも減らすのは正しいと思う.

 胎児がどこからヒトになるのかとか,人権はどこから与えられるのかという議論は別にして,生命の連続性ということから考えれば発生したときからヒトはヒトであるはずで,それ以外の生物であるはずはない.

 そう考えれば合法か非合法かは別として正常に分娩されてくる可能性のある胎児を中絶することは殺人にほかならないと思う.それを自分の都合で抹殺するのであれば,行為そのものは児童虐待となんら変わるところはないだろう.

 里親制度は、虐待などで親との同居が難しくなった子どもを一般家庭で育てる仕組みとあるが,まさに中絶も立派な児童虐待であるから同じ制度で対応することは合理的なことだろう.むしろ,出生率の低下や児童虐待が社会問題とされる中で中絶だけが取り上げられないことが奇異に感じられるのは私だけだろうか.

 「倫理的な問題を指摘する声があるかもしれない」とあるが,自然に生まれてくる者が親の都合で抹殺されるのを救うことが倫理的に問題になることがあるのだろうか.少なくとも人工授精したり,臓器を移植したりすることに比べれば倫理的ハードルは低いのではないだろうか.

『 -- イスラム教徒を襲撃、風刺画巡り報復? ナイジェリア --

 ナイジェリア南部の都市オニッシャで22日、イスラム教徒に対する大規模な襲撃事件があり、AFP通信によると数十人が死亡した。同通信の記者が現地でイスラム教徒とみられる19人の遺体を確認したほか、さらに15人が死亡したとの目撃情報も得たという。同国ではイスラム教預言者ムハンマドの風刺漫画をきっかけに、イスラム教徒がキリスト教徒を襲撃する事件が相次ぎ、多数の死者が出ている。今回はキリスト教徒による報復とみられ、これをきっかけに両教徒の衝突がさらに激しくなるおそれもある。 』

 ムハンマドの風刺画一枚でキリスト教徒を襲撃し,今度はその報復だそうである.その一方でイスラム教徒にもいろいろあるようだ.ナイジェリアのイスラム教徒は何派なんだろうか.

『 -- スンニ・シーア両派の衝突激化、65人死亡 イラク厳戒 --

 イラクで、中部サーマッラにあるイスラム教シーア派の聖地アスカリ廟(びょう)が爆破された事件を機に始まったシーア、スンニ両派の衝突が拡大、ロイター通信によると、22日の事件直後から23日正午過ぎまでに全土で65人が死亡した。また、これらの死者とは別に首都南西部で57人の死体がまとまって見つかったとの情報もあり、死者数は120人を超える恐れがある。政府は夜間外出禁止令を拡大し、治安要員の休暇取り消しを命令、厳戒態勢に入った。

 タラバニ大統領は23日、クルド人勢力を含む各派を私邸に招き、対応を協議したが、スンニ派のイラク合意戦線はモスクへの襲撃に抗議してボイコットした。

 22日にはシーア派最高権威のシスターニ師が声明で平和的な抗議行動を呼びかけたが、バグダッドでは夜に入って再び襲撃が発生した。覆面をした男たちが、多数のスンニ派モスクを小型ロケット砲や小銃で襲撃した。 バグダッドだけで銃殺された50人近い死者が確認された。大半がスンニ派とみられる。

 スンニ派のイスラム宗教者委員会アルクベイシ師は23日午後、襲撃された同派モスクは全土で168カ所にのぼり、宗教指導者10人が殺害されたと述べ、シーア派を強く非難した。一方、バクバでは、シーア派とみられる警官12人が爆弾で殺害された。 また、サーマッラでは23日、爆破事件の取材をしていた衛星テレビ局アルアラビアのイラク人女性記者とスタッフ計3人が拉致され、直後に殺害された。』

 世界遺産の遺跡なんかのビデオをみるのは好きなほうだが,世界史はさっぱりなのでイスラム教どころかキリスト教の歴史もまったくわからない.でも,どうせ人間のやることだから同じような宗教対立による殺戮[サツリク]の歴史なんていうものがきっとあるのだろうとは思う.

 人類はじまって以来というと100万年位前からだろうが,有史以来というと今年は西暦2006年で,西暦はキリスト教のスケールであることくらいは知っている.これを日本流に変換すると皇歴=西暦+660年,平成=西暦-1988年だそうである.西暦より皇歴が長いと言ってもこの660年分日本が世界をリードしていると思える事など何かあるのだろうか.

 いや,もしあるとすれば宗教感の無さというところがひょっとすると一歩進んでいるのかもしれない.自慢ではなく日本史もさっぱりだったが,聖徳太子の頃には仏教も政治と密接に結びついていたことくらいは知っている.一向一揆や天草の乱のように宗教が政治的弾圧の理由になったこともあった.現代の日本で宗教を理由に差別されたりすることはあるだろうか.

 私自身も宗教にはあまり興味はない.しかし,ヒトが生きていくうえで信仰心とか哲学というものは必要だと思っている.そういったものが倫理感とか礼儀のもとになると思う.そして,現代の日本人にはそれが欠けてきていると感じるのだが,宗教による殺人なんてものを聞くと信仰心があまり強いのも考えもののようだ.

 昔から和洋折衷とか神仏習合というように宗教のみならず生活様式もいいとこどりが得意なのが日本人の精神的進化の過程で獲得されたものと考えれば,それが660年分の価値ということになるのかもしれない.

★先日はたくさんのコメントどうもありがとうございました.
『 -- 緑茶が脳に対して驚くべき効果を発揮する可能性 --

 1日2杯以上飲めば頭の冴えを保つのに役立つという試験結果

 Miranda Hitti WebMD Medical News Reviewed by Brunilda Nazario, MD

 緑茶をよく飲む高齢者は飲まない人に比べて頭が冴えている可能性がある。

この知見は『American Journal of Clinical Nutrition』2月1日号に掲載された日本の試験に基づいている。

この試験は、年齢70歳以上の日本人約1,000人を対象としたものであった。被験者は、記憶、見当識、命令遂行能力、注意からなる意識状態の試験を受け、また緑茶等の飲料をどの程度の頻度で飲むかを研究者に申告した。

上記の試験スコアに基づいた場合、緑茶を最も多く飲むと申告した群では、認知障害を示す割合が最も低かったと栗山進一, MD, PhDらは記述している。

栗山博士は、東北大学医学部(日本、仙台)社会医学講座公衆衛生学分野に勤務している。

どのくらいの緑茶が有効か?

栗山博士の試験では、1日2杯以上緑茶を飲むことは、認知障害のリスクが最も低いことと相関した。

1杯の緑茶を飲む回数が週3回以下の人と比較した場合、1日2杯以上緑茶を飲む人では試験スコアが認知障害範囲である割合が54%低かった。

これよりも緑茶を飲む回数が低い場合でも結果はそれほど悪くはなく、1杯の緑茶を週4-6回飲む人では、1杯の緑茶を飲む回数が週3回以下の人に比べ認知障害を示す割合が38%低かった。

コーヒー、紅茶、ウーロン茶では同じ結果は認められなかった。緑茶は日本では一般的な飲料である。参加者10人中7に以上が緑茶を1日に2杯以上飲むと報告した。本試験では緑茶が高齢者の頭脳の冴えの原因であることは証明されていない。

研究者らは試験のためにお茶の飲み方を変えるようにはせず、その代わりに認知能力試験のスコアと茶の摂取習慣を調査した。

データは1回のみ収集されたため、参加者の茶の摂取習慣が生涯続いているものかどうか、また試験スコアが経時的に変化したかどうかは不明である。

栗山博士らは、認知障害に関連する因子として糖尿病、喫煙、高年齢等を考慮した。また、身体活動、社会とのつながり、魚および野菜および摂取状況、自己申告による全体的な健康状態など意義がある可能性がある習慣について調整した。

上記のすべての因子について考慮した後でも、依然として高度の緑茶の摂取は認知障害のリスクが低いことに関連があったことを研究者らは示している。

「われわれの知る限り、この試験は、緑茶の摂取とヒトの認知機能との関係を検討した最初の試験である」と栗山博士らは記述している。

緑茶に含まれる天然化合物、特にEGCG(エピガロカテキン-3-ガレート)という化学物質が動物における脳疾患の実験において有望であることが示されていると同博士らは指摘している。

しかし、緑茶に含まれる他の成分が脳に役立っている可能性もあると研究者らは記述している。

例えば、日本人はしばしば緑茶を飲みながら社交する。社交的であることは脳に良いことである可能性があると栗山博士らは指摘している。

さらに、健康な人は緑茶を飲む割合が高いのかもしれないと同博士らは付言している。もしそうであるなら、健康状態がよいので脳も健康である、ということであるかもしれない。
Kuriyama, S. The American Journal of Clinical Nutrition, Feb. 1, 2006; vol 83: pp 355-361.』

 健康食品などには全く興味はないので摂取しないし,そもそもアガリスクやイソフラボンのようにあとで有害であることがわかることもあるので効果なんてまったく信用していない.しかし,日常よく摂取する食品や嗜好品には関心を持つようにしている.

 煙草は有害なのでやめたし,コーヒー,ビール,赤ワインは以前にも取り上げたように有用なようなので適度に積極的に楽しむようにしている.お茶も好きなのでティーバッグの緑茶,玄米茶などは常備しているし,家では気が向くと抹茶を立てて飲んだりもするほうである.

 この報告は,今のところ緑茶を1日に2杯以上飲む習慣と認知障害のリスクの低下の相関が高いというレベルと考えたほうが良さそうであるが,もともとお茶は薬として大陸から日本に伝わったそうだから科学的に薬効が証明されたら面白い.なぜお茶の葉を煎じて飲むようになったのかはわからないが,昔の人は経験的に体に良いということを知ったのだろうか.

 先日の赤ワインといい緑茶といい認知障害の予防にはいいようであるが回復するという話はない.認知症を治療する薬はいまのところないし,なってしまうとアリセプトなんか服用しても進行するばかりで回復は不可能であるから,今後もしばらくは予防中心で研究が進んでいくのだろう.
 
『 -- 大学の小児科医が激減 3年前の半数 救急医療の現場へ影響も --

 ことし4月から大学の医局や関連病院で小児科医になる医師の数が、3年前の半数近くに激減していることが21日、日本小児科学会の調査で分かった。

 この傾向が続くと、多くの大学が市中の病院から医師を医局に引き上げざるを得なくなり、病院の小児科医が不足。「たらい回し」と批判の多い特に小児救急の現場の崩壊がさらに進む恐れがあるという。

 調査は、医学部のある全国の106大学を対象に実施。これまでに83大学から回答を得た。

 大学病院や関連の病院で新たに小児科医になった医師は2002年は394人、03年は502人だった。この中で04年、医師免許取得後に指導を受けながら診療経験を2年間積む新臨床研修制度がスタート。新制度を終えた医師が初めて進路を決める06年は03年の約55%の276人にとどまった。

 一方、全国の小児科がある約1000の医療施設を対象とした調査で、研修前に小児科志望だったのにその後ほかの科に変更した人は223人だった。多くは内科や外科に移った。反対にほかの科から小児科に変更した人は70人で、地域医療の現場でも小児科離れが進んでいることを裏付けている。

 学会は「小児科医が不足しているために勤務が過酷になり、さらに小児科離れが進むという悪循環に陥りつつある」と分析。「地域医療だけでなく子どもの難病の研究などへも影響しかねない。職場を離れている女性医師の活用や、診療報酬制度の見直しも含めて小児科医を確保する必要がある」としている。』

 小児科学会はかなりの危機感を持っているのだろう.産婦人科学会はやらないのだろうか.脳外科専門医は多すぎるという声も依然あるようだから脳外科学会はたぶんやらないだろう.

 ただ,これは調査の対象が大学病院とその関連病院だけのようだから本当は研修医全体を対象にしなければ正確なことは言えないだろう.研修先の小児科が人的にも治療内容も充実したものであれば小児科を希望する研修医も当然いるはずである.しかし,大学病院とその関連施設で45%も希望者が減っているということは,今後,地方の公立病院の小児科は閉鎖が相次ぐことになることは間違いないだろう.

 ところで診療科はどうやって決めるのだろうか.私の場合は大学の脳外科医局に入った理由は1.ヒトの中枢神経系に興味があった.2.講義を聞いてみて教授がよかった.3.外科系に進みたかった.4.大学院で研究してみたかった.という順番の単純な理由である.

 親が医者でもない医学生だった私にとっては純粋に自分の好きな道を選んだつもりだった.もちろん1年目は後悔の毎日であり,私が病棟でボロボロになっている姿を見て2年程は部活の後輩が入局しなかったくらいである.

 現在は研修医制度があるのでもっと現場を良く見て考える時間があるのだろうか.だが,昔と違って情報も時間もあるとなれば純粋にというか何も考えずに診療科を選んでしまうことはなくなるだろう.こうなると診療科の選択は「学問的な興味」よりは「やりがい」があるかどうかということになってしまうのではないだろうか.

 ここで言う「やりがい」には当然,知的欲求を満たすということもあるが,むしろ楽でお金になるとか,自分の時間が持てるとか,都会で働ける,なんてことが選択の基準になることもあるだろう.だが,私は医師の「やりがい」で最も大きなものは『患者さんに喜ばれる』ということではないかと思うのである.

 確かに過重労働は医師の寿命を縮めるだけでなく,患者のリスクを高めるものであるから早急に改善する必要があるだろうし,なり手が少ない診療科の報酬を上げるのもいいだろう.だが,それ以上に病院にかかる患者側にも医師がやめたくなる理由があるということにそろそろ気がついてもいいのではないだろうか.
『 -- 公的医療機関に協力義務 小児科などの医師確保で --

 厚生労働省は20日、人手不足の小児科、産科、へき地、救急医療などの医師確保策について、2007年度から公立病院などの公的医療機関に協力義務を課す方針を都道府県の医政関係主管課長会議に示した。

 今回の医療制度改革に伴う医療法改正案で、都道府県による「医療対策協議会」の開催を明文化。病院や大学、社会医療法人などの関係者が参加し、小児科などの医師確保に向け「都道府県を中心に、実効性ある施策を講じる」と位置付けた。

 都道府県は地域で不足している診療科などの医師確保策を医療計画の重点項目とするほか、公的医療機関は協力義務を負い、医師や看護師も「協議会の結果を踏まえ、都道府県に協力する」努力義務が生じる。

 協議会はこれまでも、厚労省などの通知に従い、ほとんどの都道府県に設置されていたが、「取り組みがまちまちで、差が大きかった」(同省)という。

 医師確保策では、医療保険から医療機関や調剤薬局に支払われる診療報酬の06年度改定で小児科などが引き上げられるほか、医師の就労を支援する補助金制度なども新設される。』

 仕事がら拘束時間が多い医師であれば,それ以外で拘束されることを最も嫌うのは当然であるのだが,もともと診療報酬,応召義務とただでさえ不自由な思いをさせられた上に最近では刑事訴訟だ逮捕だと精神的に医師は追い込まれる一方なのである.

 なのに,今度は公的医療機関に協力義務ときた.目的が人手不足の小児科、産科、へき地、救急医療などの医師確保というのだから机上の空論も極まった感がある.いったいどこの公的医療機関に余剰な小児科医や産科医がいるのであろうか.

 この時代,働き盛りの医師はいつ公立病院を辞めて開業しようかと考えたり,小児科や産科の医師はいつ他の科に変わろうかと思ったりしているのである.そこにこんな義務が生じたら逃げ出したくなるのも当然である.これで2006年度中に公的医療機関からの医師の引き上げが一層加速し多くの公立病院は赤字のまま消えていくのだろう.

 相変わらず厚生労働省の官僚は何を考えているのかと言いたいところだが,これはひょっとすると国民の声を聞いているふりをしながら公的医療機関を整理するつもりなのかもしれない.入院するベッドがなくなれば医療費は削減できると考えているようであるから.

 
『 -- 認知症ホームの47%で違反 総務省が消防法実態調査 --
 全国に約8000ある認知症高齢者のグループホームのうち、防炎カーテンや誘導灯の未設置など何らかの形で消防法に違反する施設(棟数)は46・8%、3866棟に上ることが20日までに、総務省消防庁の調査で分かった。

 大規模な施設に設置が義務付けられているスプリンクラーを備えていない例もあった。消防庁は「施設側が消防法の規定を知らないケースも多く、法令の周知徹底が必要」として、各都道府県に防火対策を指導するよう要請した。

 今年1月、7人の死者を出した長崎県大村市の認知症高齢者グループホームの火災を受けて、全国の7963施設の8259棟を調査した。

 違反が最も多かったのは、消火器や火災報知機などの設置状況を定期的に消防本部に知らせる点検報告で24・4%。カーテンやじゅうたんなど防炎物品の不備も24・3%と多かった。

 ほかに避難誘導灯の未整備が4・0%、延べ床面積300平方メートル以上の施設に義務付けられている自動火災報知機の未設置が2・9%だった。スプリンクラーが義務付けられた原則1000平方メートル以上の施設で未設置は0・2%。

 また大村市の施設では火災発生当時に9人の入所者がいたが、夜間の当直は1人で、避難誘導上での問題も指摘されている。調査では職員数が最も少ない時間帯での職員1人に対する入所者数が10人以上だったのが、11・0%に上った。』

 介護レベル以前に安全設備でこれほど問題があるとはいったいどういうことだろう.もしホテルがこのレベルだったら東横インどころの騒ぎではないだろう.グループホームの開設の認可がどこの省庁の管轄かは知らないが,認知症患者や要介護患者を病院から施設へ移そうとしている厚生労働省はこの現実を知っているのだろうか.

 まさか,縦割り行政で厚生労働省の管轄ではないから関知しないとでも言うのだろうか.こんな施設に自分の大切な家族を安心して入所させることができるだろうか.厚労省は病院の療養病床に代わる療養向きの新しい施設を整備することを提案しているようだが,それ以前に現在ある施設の基準を上げることが急務だろう.

 グループホームや老人保健施設の医療レベルは非常に低いことを痛感する毎日であるが,それ以前に施設の安全基準が守られていないなんてことは考えもしなかったことなので驚いた.厚生労働省の役人たちはいったい何を考えているのだろうか.
『 -- 帝王切開ミスで医師逮捕 胎盤癒着の経験なし --

 福島県大熊町の福島県立大野病院で2004年12月、帝王切開した女性=当時(29)=が死亡した医療ミスで、富岡署は18日、業務上過失致死と医師法違反の疑いで執刀した医師加藤克彦(かとう・かつひこ)容疑者(38)=大熊町下野上清水422ノ22=を逮捕した。

 調べでは、加藤容疑者は04年12月17日、胎盤の癒着で大量出血する可能性を知りながら、十分な検査などをせず帝王切開を執刀、癒着した胎盤を無理にはがし大量出血で福島県楢葉町の女性を死亡させた疑い。

 また女性の死体検案を警察署に届けなかった疑い。

 加藤容疑者は容疑の一部を否認、富岡署は「事故を警察に届けておらず証拠隠滅の恐れがあった」としている。病院側は「手術直後はミスという認識はなく、届けなかった」と話している。

 福島県などによると、加藤容疑者はこれまで胎盤癒着の執刀経験はなく、大野病院で産婦人科医は加藤容疑者だけで、手術にほかの産婦人科医の立ち会いもなかった。

 加藤容疑者は1996年に医師免許を取得し、04年4月から産婦人科医として大野病院に勤務。04年度に大野病院で約200例の出産を手掛けるなど中堅の産婦人科医で帝王切開はうち約40例あった。

 富岡署は病院関係者から当時の経緯などの事情を聴いている。

 福島県は昨年3月に事故を公表。加藤容疑者の判断ミスを認め、遺族に謝罪し、昨年6月に加藤容疑者を減給1カ月の懲戒処分とし、病院長を戒告処分としている。

 富岡署は県の公表で事故を知り、昨年4月に病院を家宅捜索、18日には県病院局などを捜索した。

 大野病院は総合病院で1951年に開設され、病床数は150床。産婦人科に入院している妹の見舞いに来た主婦(34)は「私の出産も加藤先生だった。評判は悪くなかったが、事故後そのまま働いているのはおかしいと思った。妹が帝王切開になったらいやだと思っていた」と話した。』

 胎盤癒着のリスクがわからずここで取り上げなかったのだが,その後も気になるので色々なブログや掲示板を見ていたら大変なことになっているようだ.

 警察は医療ミスを隠ぺいしようとしたから逮捕したというのだろうが,これが医療ミスだという根拠こそ議論されるべきで,カルテや手術記録などの証拠保全をきちんとやればそれで済むことだったのではないだろうか.

 同じ外科系の医師として自分のやっている手術でもこのような事態に陥ることは十分考えられるだけに,患者が死亡すれば即逮捕されると考えなければいけない時代になったのかと思うと暗澹たる気持ちになってしまう.

興味のある方は以下へどうぞ
http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2006/02/post_1b76.html
『 --「燃える氷」新潟沖に眠る 地下へ柱状100m --

 「燃える氷」として、次代の燃料と注目されるメタンハイドレートが新潟県上越市沖の海底に露出し、海底の下約100メートルの地中まで柱状につながっているらしいことを東京大などのグループが見つけ、20日発表した。海底下数百メートルに分布していることが多く、日本周辺で深い場所から海底まで露出しているメタンハイドレートが見つかったのは初めてだ。

 メタンハイドレートは、天然ガスの成分のメタン分子を水分子が取り囲み、シャーベット状に固まったもの。深海底下の低温・高圧の場所ででき、火をつけると燃える。東京大、海洋研究開発機構、産業技術総合研究所などが共同で、沖合約30キロ、水深800〜1000メートルを無人潜水艇で調べ、2カ所で採取した。

 海底下の電気の流れやすさを調べ、メタンハイドレートは柱状に分布していると推定。地下深部の堆積(たいせき)岩に含まれる有機物が熱で分解され、メタンを発生し、上部に移動したメタンが集積してメタンハイドレートが生成されたらしい。

 注目される一方で、メタンは温室効果をもつ。メタンハイドレートが放出するメタンガスで、付近の海水のメタン濃度は数十〜数千倍高かった。グループは、温暖化への影響も探る方針だ。』

『 --「燃える氷」実用化へ 深海資源・メタンハイドレート --

 日本近海に100年分の埋蔵量があり、石油代替エネルギーとして期待される「メタンハイドレート」の実用化に向け、経済産業省が本腰を入れ始めた。1月には初めて生産コストの試算をまとめ、今年末にはカナダで抽出実験に乗り出し、採掘技術を確立したうえで、10年後の実用化を目指す。生産コストが高いことがネックだったが、原油価格の急騰で採算ラインに乗る可能性が出てきたとしている。

 メタンハイドレートは、メタン分子を水の分子が取り囲んでシャーベット状に固まったもの。氷に似ているが、火を付けると燃えるため、「燃える氷」とも呼ばれる。

 穴を掘れば地上に噴き出してくる石油と異なり、固体で深海底に眠るメタンハイドレートは採掘に膨大な費用がかかるため、商業ベースには乗らないとされていた。

 ただ、これまで生産コストに関する試算はなかった。このため、経産省が今年1月に初めてシミュレーションをまとめ、メタンハイドレートから抽出したガスの取引価格が1バレル当たり54〜77ドルになることが分かった。

 ニューヨーク市場の原油価格は1バレル=60ドル前後で推移している。30ドル程度だった2年前に比べると、メタンハイドレートの価格競争力が増している。液化天然ガス(LNG)も1バレルあたり90ドルという契約例も出てきた。経産省幹部は「今後の価格上昇を考えれば、ついに商業ベースに乗ることが確実になった」と語る。

 採掘技術も進んできた。01年のカナダでの実験では氷塊を掘り出すのではなく、掘った穴に温水を注入して解かし、分離したメタンガスを吸い取る「加熱法」による採掘に成功。今年末のカナダでの実験では、加熱法よりもコストが低い新たな「減圧法」を試す。経産省はこの実験を通じて、減圧法の採掘技術を確立したい考えだ。

 ただ、日本エネルギー経済研究所の兼清賢介常務理事は「技術的には商業化はまだこれから。世界をリードしている技術の開発を粛々と進めることが肝要だ」と語る。』

 エネルギー資源のない日本にとっては石油の高騰は死活問題である.北海道では今年の灯油の高騰が庶民の生活にダメージを与えており政府に備蓄石油の放出を要請したようだ.灯油のみならずガソリンの値上げもわが家の家計には少なからずダメージを与え続けている.

 わが国は石油利権の争いとなったイラク戦争に自衛隊を派遣しているが,尖閣諸島問題だって中国とわが国の石油資源をめぐる冷戦と言えるだろう.中国は経済の急成長に伴いエネルギー危機を危惧して必死である.石油資源は世界の貧富の差と争いの原因であるから,石油依存からの脱却は世界平和のために意味のあることだろう.

 石油への依存度を下げる代替エネルギーとして有望なメタンハイドレートがわが国の近海で発見されたことは実用化に向けて大きな弾みになるものと期待される.技術的な問題がまだあるようであるが,平和な日本のためには大切な技術であるから早く低コストで安定供給できるように頑張って欲しいと思う.

『 -- 安藤美姫 号泣騒動 --

 フィギュアの安藤美姫が21日の本番を前に行われた記者会見の席上、大泣きした。テレビ局の記者が「亡くなったお父さんのために…」というお涙ちょうだいの質問をして泣かせたのが原因。彼女が8歳で父親を事故で亡くしたことは触れないでおこうとの“紳士協定”が報道陣の間で結ばれていたのを、問題の記者は知らなかったらしい。』

『 -- 亡き父への無神経な質問に美姫泣かされた --
トリノ五輪フィギュアスケート女子代表の安藤美姫(18=愛知・中京大中京高)が号泣した。19日、村主章枝(25)荒川静香(24)と臨んだ記者会見で、亡き父に対する質問に泣き出し、会見はそのまま終了した。本番会場で行われた会見直前の公式練習では、18日に続き2日連続で4回転ジャンプに成功させるなど、調子は急上昇中。21日(日本時間22日)の本番前に予想外のハプニングに見舞われたが、自慢の“切り札”で夢のメダルを目指す。

 突然のハプニングだった。共同会見も終盤にさしかかり、最後の質問として手を挙げた日本人テレビ記者が、安藤に問い掛けた。「亡くなられたお父さんにどういう誓いを持って滑りたいか」−。

 「えぇと…」とつぶやいた言葉が涙声に変わる。声を振り絞り「プライベートなので、そういう質問にはお答えできません…」と必死で答えると、うつむいて大粒の涙をこぼした。隣のキャロル・ヘイス・コーチに頭を、荒川に背中をさすられ、泣きながら会見場を後にした。』

 今夜も当直で救急車で搬入になったおばあちゃんを診たあとブログランキングで2位まで上昇したことを確認し一息ついてアクセス元を眺めていると『安藤美姫 父親』でアクセスしている人がたくさんいる.なんのことかと思っていたが,あしあと機能をみていたらコメントがあり事件に気がついたのだった.

 「最後の質問として手を挙げた日本人テレビ記者」とあるが,わざわざ最後に質問したのは確信犯にちがいない.記者会見の途中で泣かれたら他社が困るからだろう.知らないふりをして話題づくりのためにこんなことをするとは許せない.こんなマスコミばかりではないとは思うが,こういうことをやった以上ちゃんと謝罪した上で,このテレビ局の上司はそれ相応の処分をするべきだろう.試合前の大事な時期に日本のマスコミがこんなことをする事自体今回の冬季五輪に対するマスコミの姿勢が問われる重大事件だろう.

 報道の自由だの,表現の自由だの偉そうなことを言っても,最低限のマナーというものがあることをもっとマスコミは知るべきである.ムハンマド(マホメット)の風刺画でヨーロッパやイスラム諸国では多くの死者まで出る騒ぎになっていることは記憶に新しい.これとてマスコミの姿勢の問題だろう.

 インターネットが普及したおかげで,もう新聞やテレビだけがメディアではないのだ.同業者なのでどこのテレビ局か敢えて報道しなかったのだろうが,NHKのように自分たちで自分たちを律せないようであればいずれ淘汰されるということを忘れるべきではないだろう.

 
『 --元塾講師側、責任能力で争う姿勢 小6女児殺害で初公判--

 京都府宇治市の学習塾「京進宇治神明校」で昨年12月、塾生の小学6年の堀本紗也乃(さやの)さん(当時12)が刺殺された事件で、殺人と銃刀法違反の罪に問われた同塾の元アルバイト講師萩野裕(ゆう)被告(23)=宇治市寺山台3丁目=の初公判が20日、京都地裁(氷室真裁判長)であった。萩野被告は「間違いありません」と事実関係を認めたが、弁護側は「幻覚及び妄想に支配されており、心神喪失者として無罪とされるべきだ」として、責任能力について争う姿勢を示した。次回以降の公判で萩野被告の精神鑑定を請求する方針。

 罪状認否で萩野被告は用意した紙を読み上げ、「私が先に自殺していればこんなことにはならなかったのに、と後悔している。被害者には申し訳ないことをした」と謝罪した。

 検察側は冒頭陳述で、萩野被告の動機について「被害者から『きもい』などと言われるようになり、恩を仇(あだ)で返されたと思いこんで不信感と憎しみを持つようになった」と指摘。紗也乃さんの指導担当やテストの監督から外されたことで憎悪の念を募らせた、とした。

 包丁2本を購入した後でさらに「確実に殺害するため」としてハンマーも購入。事件の前日に他の生徒を別の教室に誘導させるためのアンケートや張り紙を作っていた経緯を述べ、確固とした殺意に基づく計画的犯行であることを強調した。

 これに対し弁護側も冒頭陳述し、萩野被告の幼少の頃について「他人との関係に違和感を持つ子ども」と説明。「03年10月ごろから病院の精神科に通院して抗うつ剤による投薬治療を続けていた」と述べた。

 昨年6月ごろから妄想にとらわれ、紗也乃さんになぜ嫌われるのか思い悩むようになるとともに、同11月ごろからは紗也乃さんが剣を持って突き上げてくる幻覚が見えるようになった、と主張。「体を乗っ取られるとの思いで殺害した。うらみがあったわけではない」と述べた。

 弁護側は萩野被告の両親や主治医らの証人尋問を請求した。

 起訴状によると、萩野被告は05年12月10日午前9時ごろ、同市神明石塚の同塾106教室で、紗也乃さんの首などを包丁(刃渡り約17センチ)で数回刺して殺害したとされる。

 検察側は「主治医の話や犯行態様から責任能力には問題がないと判断した」として起訴した。

 萩野被告は事件当時、同志社大法学部4年だったが、起訴後の今年1月、退学処分になっている。 』

 先日の2園児殺害もそうだが,殺害しようと包丁を用意したということは殺害を計画できるだけの能力があったということで,もうそれだけで責任能力ありと考えるのが一般常識というものだろう.

 殺害したことが明らかだから弁護側も裁判の争点を責任能力の有無にして一挙に無罪を勝ち取ろうとするしかないのだろうが,安易なやり方である.この事件の場合は動機も標的も殺害計画も論理的で用意周到であり弁解の余地はまったくないであろう.

 弁護士の職業倫理というものはよくわからないが,精神科の通院歴とかうつ病という病歴が免罪符になるわけではないだろうし,それらの言葉を安易に使うことは,他の精神科通院患者さんたちにとっては大変迷惑な話であろうことももっとよく認識してもらいたいと思うのは私だけだろうか.
『 -- 園児殺害 娘入園以降悩む 鄭容疑者、昨春から顕著に --

 滋賀県長浜市の幼稚園児二人が殺害された事件で、殺人などの疑いで逮捕された主婦、鄭永善容疑者(34)が長浜署捜査本部の調べに対し「自分も仲間外れにされていると感じ、周囲や地域になじめなかった」と供述していることが十九日、分かった。しかし、これまで鄭容疑者親子と周囲の間に目立ったトラブルの情報はなく、捜査本部は鄭容疑者が長期間、自分と長女(5つ)が周囲から孤立しているとの思いを一方的に募らせ、犯行に及んだとみている。
 調べなどでは、鄭容疑者は、長女が市立神照幼稚園に入園した平成十六年四月以降、周囲に悩みをもらすようになった。さらに保護者同士のグループ送迎が始まった昨年四月以降、その傾向が顕著になり、五月からは一時、長女を個人的に送迎するようになった。
 再びグループ送迎に加わった後も、長女がほかの子供と仲良くしていたか気にかけていたという。
 また、鄭容疑者は動機について「犯行当日の朝、身近な子供を殺そうと思った」などとも話しているという。
 これまでの調べでは「娘がなじめないのは周りの子供が悪いから」と供述。「殺害された二人へは特定の恨みはなかった」と話していた。
 捜査本部は日常生活や幼稚園の中で、長女や自分が孤立していると思い込んだ鄭容疑者が、グループ送迎でいつも一緒の園児の殺害を決意したとみている。
 一方、幼稚園側や鄭容疑者の周囲からは長女に対するいじめなどの情報はなく、鄭容疑者自身も取り調べの中で長女を案じるようなそぶりはないことなどから、動機面を中心にさらに慎重に調べを進めている。
 捜査本部はこの日、鄭容疑者を殺人容疑で大津地検に送検した。検察官の調べや地裁での拘置尋問には淡々と応じたという。』

 容疑者の疎外感の原因はなんだったのだろうか.最近の幼児殺害とはちょっと異質なこの事件について少し考えてみよう.やったことの罪の重さを考えれば同情する気にはなれないが,容疑者を殺人という異常な行為にまで追い込んだ疎外感とはどのようなものだったのだろうか.

 疎外(そがい)とは『(1)よそよそしくすること。きらってのけものにすること。 「仲間から―される」「―感」.(2)〔(ドイツ) Entfremdung〕ヘーゲルの用語。ある存在が自己の本質を自己本来の存在の外に出すことによって、それが自分とは対立する疎遠な他者となること。』と辞書にある.したがって疎外感を感じるといっても2通りあるのではないだろうか.

 ひとつはみんなから仲間はずれにされてように感じることである.もうひとつは自分自身の存在に違和感を感じる,自分が自分でない他人になっているように感じることである.意外と自分の中にある疎外感というのは後者であることも多いのではないだろうか.そういう意味では自分の中の他人にあるとき気がつくことはよくあることで,そういう経験は誰にでもあることだろう.

 鄭容疑者の場合は単純に考えると周囲や地域からの疎外感というようにも思えるが,それならなぜ子供を標的にしたのかがよくわからない.わが子と自分を同化させて仲間はずれにされた(と思い込んだ)ので他の子供を標的にしたのだろうか.だが,これでは残された子供はどうすればいいのだろうか.母親がいなくなり,今後は周囲から仲間はずれにされてしまうのではないだろうかと心配でさえある.

 こう考えると疎外感が殺意のはじまりではあっても犯行では結局なんの解決にもなっておらず,動機としてはあまりに非合理的であることがわかる.中国で育ったことになにか関係でもあるのかもしれないが,その辺りのことが捜査でわかるのだろうか.今後も注目してみたいと思う.
今日は天気がとても良くて日差しは暖かでもう春のようです.こういう日には散歩写真がいいのですが,珍しく風邪気味で昨日の午後からずっと留守番をしながらWEB surfingしたりビデオを見たりしています.

昨年末頃からだったと思いますが,ひょんなことから人気ブログランキングに登録してみました.結果としてブログランキング側からのアクセスがあり,さらにそこからリンクしてくださる方が増えてアクセス数は一日800から1000近くまで伸びました.当初は1日200ヒットが目標だったのでここまで増えれば十分なのですが,一時は面白くてさらに順位を上げようと本文にランキングのIN数を増やすためのリンクを書き込んだりしていたのです.

ですが,ランキング1位が少し続くとあまり注目されるのがちょっと気恥ずかしくなり本文にリンクを書くのはやめました.それでも上の[HOME]を押してくれる方々のおかげで3位くらいでした.だから,私の駄文の評価はそれぐらいなのだと今では思っています.

ところが,です.昨日ちょっとランキングを見ると6位まで落ちているではありませんか.いままでも土曜日だけは[HOME]を押してもらえるように本文に書いていたせいか土日はランキングが上がり金曜には下がるというパターンでしたが,ここまで落ちたことはなかったので[HOME]を押してくださるようにお願いした次第です.

1位はちょっと...だけど10位以下も厭.これを中流意識というのでしょうか.自分のことながらその行動の滑稽さに気づいて今さらながら赤面しています.人間いくつになっても変わらないものですね.なんでも一番でなければ気がすまない人が割と多いのが医学部だと思いますが,私はどちらかというといつも80%を目指してきたほうでした.

私は試験の時はいつも試験範囲の90%の勉強をしてその90%が得点になるつまり0.9X0.9=81%というのを目標にしていました.100%を目指すのではなく,残りの20%を完璧にするために使うエネルギーでほかの事をするというのが私のやり方でした.

腹八分目という言葉があります.人間は心も体も健康が一番です.自分自身に必要以上のプレッシャーをかけるのは体によくないことだと思います.というわけで,風邪で体調不良の時はなんにもしないでボーっとするというのが私の健康法です.

話が横道にそれてしまいましたが,現在ランキングの1位,2位は楽天ブログとライブドアブログの方なので,シンプルイズベストのダイアリーノートのために今週はまた1位への返り咲きを狙おうかと考えています.

いつもまじめ医療系ブログを目指しているのですが,ちょっと今日は風邪のためか内容がくだけてしまいました.メールアドレスを公開したほうがいいのかどうかも最近ちょっと考えています.すっかり長くなってしまい申し訳ありません.これからもどうぞよろしくお願いします.

そうそう[HOME]↑のクリックもよろしくお願いします.
雪解け
リスが昨秋にせっせとため込んでいたものが雪解けで見えてしまったのだろうか.こういうかわいい隠しものを見つけるのは楽しいものだ.

今週はコメントもはばかられるような痛ましい園児殺害があった.

明日のことを考えると暗くなることも多い世の中ではありますが,皆さま今週もご苦労さまでした.
最近低迷中のBlogランキングのためHOME↑のクリックもよろしくお願いします.
できればコメントのほうもよろしくお願いいたします.
『-- 24時間往診で在宅医療推進 条件厳しいと参入難しく --

 今回の診療報酬改定では、在宅医療の推進が柱の1つとなっているが、その中心的役割を果たすのが「在宅療養支援診療所」。24時間往診に応じ、自宅のほか特別養護老人ホームや有料老人ホームなどへも出向き、高齢患者の療養生活を支え、最期をみとる。

 緊急往診や在宅ターミナルケアなどの診療報酬を他の医療機関より高く設定するが、24時間往診のほか、受け持つ患者の容体が急激に悪化した時などに緊急入院を受け入れてくれる病院や介護保険のケアマネジャーと連携していることなどが条件だ。

 現在は8割が病院など医療機関で亡くなっているが、直前1カ月の1人当たり医療費は約112万円。厚生労働省は年間の終末期医療費(2002年度)を約9000億円と推計している。療養支援診療所は、高齢者が家族や身近な地域で在宅医療を選べる態勢を整え、結果的には医療費の抑制につなげる狙いがある。

 ただ今回の支援診療所の条件である病院との連携について「病院は入院日数の短縮を迫られており、いつ退院するのか見通しがつきにくい在宅療養患者の受け入れに慎重だ」と、心配する声も。

 医師や看護師らと日本在宅医療研究会を設立した多摩大統合リスクマネジメント研究所の真野俊樹教授は「条件が厳しすぎると参入が難しくなる。病院の外来を外に出した格好の門前診療所や入院用ベッドがある診療所しかできないのなら在宅医療の拡大にはつながらない」と懸念している。』

 療養型病床を削減すればその分健康保険料が削減され,医師も小児科,産婦人科,救急での医師不足も改善されると言っていたはずなのに.より効率が悪く手間のかかる在宅診療のために「在宅療養支援診療所」なんてつくれるのだろうか.現状でも病院の在宅支援部門は診療単価が低くて不採算部門であるはずである.支払いを介護保険にしたら単価が上がるということは国民の負担が増えることにほかならない.

 支援診療所の条件に病院との連携をいわれても確かに入院日数の上で足かせになりやすい在宅療養患者の入院にはかかわりたくないのが病院の本音だろう.現時点で療養型入院の診療報酬体系がどのように変わるのかも見えていないうちに在宅患者の受け入れを決定するのは病院にとってリスクが大きすぎるのである.

 仮に善意から受け入れを決めても診療報酬上でのメリットがなければ不採算となるだろう.帳尻を合わせるために終末期延命治療をやる病院が現れることも考えられる.家族にしても病院から追い出されて在宅療養にしてもいずれ介護量が増えて自宅では見られなくなる現実に直面することが今後増えることは間違いない.厚生労働省の言う医療費の抑制とは結局は国民の負担増にほかならないのである.
『 -- 4回転にトライしたい  女子フィギュアの安藤が会見 --

 トリノ五輪に出場する女子フィギュアスケートの安藤美姫(愛知・中京大中京高)が15日、直前合宿地のイタリア・クールマイヨールで練習を公開し、その後記者会見を開いた。骨折していた右足の指も完治したという安藤は「4回転にトライしたい」と、女子ではまだ安藤自身しか成功したことのない大技に大舞台で挑戦することを約束。「誰にも負けない笑顔で楽しく滑り切って、それでメダルが取れたら一番」と語った。

 安藤は13日、練習拠点の米国・クリーブランドからクールマイヨールに入った。この地はトリノよりも標高が1000メートルほど高いとあって、練習でも「あまりジャンプはやらないで、体ならし程度」だという。フリーの曲は「マイ・ファニー・バレンタイン」から「蝶々夫人」に変更。「より良いものに変えたので自信を持ってできる」と話した。

 公開された練習では、曲を止めてキャロル・ジェンキンス・コーチに何度もアドバイスを求める場面が見られた。軽快に3回転ジャンプを跳び、コンビネーションジャンプやスピンもミスなく決めていた。』

 安藤美姫選手は「長野オリンピックの荒川静香選手にあこがれてここまできた」そうである.そして「自分の夢の舞台であるオリンピックで4回転をとぶのが自分にとって一番」で「たとえ失敗してもその私を見て次の子供たちがあこがれてくれれば」と直前合宿地でのインタビューで語っていた.

 試合直前のこの時期に演技内容を発表すると審判への影響など賛否両論あるのだろう.自分が4回転をとばなければメダルに届かないという背水の陣でのぞむ決意の表明ともとれる.テレビの解説のおじさんたちは冷静に状況を分析して有利不利を述べていた.まあ,それがあのおじさんたちの仕事なのだろうが...

 私には,安藤美姫選手が子供たちに「4回転をとぶ自分の姿をみて」というメッセージを心から伝えたいように見えたので,とても好感がもてた.なんでも勝ち負けや損得でものを考える余裕のない大人たちをみていては夢もなくなるし,自分の子供にはそんな大人にはなってもらいたくない.

 安藤美姫選手はまた札幌オリンピックのジャネット・リン選手のような笑顔で滑れるようにビデオを取り寄せて見ていたそうだ.1972年の札幌オリンピックの時は私も小学生だった.そのころから医師になろうとぼんやり思っていたような気もするが,その頃の夢がなんだったのかもう思い出せない.

 大人になると子供の頃の夢なんて忘れてしまうものなのかもしれないが,安藤美姫選手には夢の舞台で最高の自分を子供たちに是非見せてあげてほしいと思う.

(ジャネット・リン選手はフィギュアの演技中にしりもちをついて銀メダルになりましたが,とってもすてきな笑顔は私も憶えていました.真駒内の選手村の自室の壁に口紅で「Love and Peace」と書いたというエピソードもあります.)

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