やっと夏が来たかな?
2006年7月28日 私の写真集 コメント (3)
今朝は自転車で坂を上って大倉山のジャンプ台が見えるあたりまで行ってみた.天気が良くて日差しが強い.やっと夏が来たようだ.
今週は入退院の出入りの多い一週間だった.当直の夜も毎度忙しかったので週末になりちょっと疲労がたまり気味.この週末は夏休みに備えて少し体を休めておくことにしよう.
では,皆さま今週もご苦労様でした.海に行く人も多いと思いますが,離岸流には十分気をつけましょう.
今週は入退院の出入りの多い一週間だった.当直の夜も毎度忙しかったので週末になりちょっと疲労がたまり気味.この週末は夏休みに備えて少し体を休めておくことにしよう.
では,皆さま今週もご苦労様でした.海に行く人も多いと思いますが,離岸流には十分気をつけましょう.
『 -- 年金不正免除、本庁職員が方法伝えた事例 「個人的に」 --
国民年金保険料の不正免除問題について調べている厚生労働省の検証委員会は27日、社会保険庁本庁の組織的な関与はなかったものの、不正拡大に本庁職員が個人的に関与したと疑われる事例があったことを明らかにした。事実関係を確認し、8月3日に最終報告をまとめる。
検証委座長の西川京子政務官は、27日会見し、「長官以下、組織的に指示していた事実はない」としたうえで、本庁職員が不正免除の方法を地方事務局の職員に非公式に伝えた事例などがあったと話した。
本庁の専門官が岐阜社会保険事務局の担当者に埼玉社保局での不正事例を情報提供としてメールで知らせた事例、三重県四日市市役所の職員が三重社保局の不正な免除方法について本庁に指摘していた事例など。ほかにも本庁職員がかつて勤務していた地方事務局の職員との個人的なつながりで情報をやりとりしていた事例があったという。
西川政務官は「個人レベルで情報を入手しても、上司に報告しないなど、組織としてなっていない」として、社保庁全体の統制がとれていないことが不正拡大の一因とする見方を示した。 』
現在の年金給付は,3分の1が税金でまかなわれていて,免除者は一銭も保険料を支払わなくても,将来,給付額の3分の1(税金分)がもらえるらしい.そのため,社会保険庁が見かけの納付率を上げるために行った不正免除のツケは,将来私たちの税金となってはねかえってくるそうだ.年金を目減りさせただけでなく,納税者の負担で自分たちの不手際を隠そうとする役人根性が情けない.
そして,この調査結果である.「社会保険庁本庁の組織的な関与はなかった」なんていうことをいったい誰が信じられるであろうか.あくまでも本庁と地方事務局の職員の個人的な仕業であるということにするあたりが典型的なトカゲのしっぽ切りに見えるのは私だけではないだろう.これほど大規模な不正行為が平然と行われ,結局は職員の個人的責任として詰め腹を切らせて済むのが公務員の世界なのだろうか.まるで時代劇の悪代官みたいで滑稽でさえある.
年金も保険医療も社会保険庁に破綻させられても国民は黙って納税を続けるなんてまったく馬鹿げた話である.納税者としてはっきり言っておこう.「誰の責任であろうと,組織保全のためにこの制度を悪用した社会保険庁などもういらない」のだと.これからは,税金の無駄遣いを防ぐために官庁への国民の監視の目を厳しくするしかないだろう.
国民年金保険料の不正免除問題について調べている厚生労働省の検証委員会は27日、社会保険庁本庁の組織的な関与はなかったものの、不正拡大に本庁職員が個人的に関与したと疑われる事例があったことを明らかにした。事実関係を確認し、8月3日に最終報告をまとめる。
検証委座長の西川京子政務官は、27日会見し、「長官以下、組織的に指示していた事実はない」としたうえで、本庁職員が不正免除の方法を地方事務局の職員に非公式に伝えた事例などがあったと話した。
本庁の専門官が岐阜社会保険事務局の担当者に埼玉社保局での不正事例を情報提供としてメールで知らせた事例、三重県四日市市役所の職員が三重社保局の不正な免除方法について本庁に指摘していた事例など。ほかにも本庁職員がかつて勤務していた地方事務局の職員との個人的なつながりで情報をやりとりしていた事例があったという。
西川政務官は「個人レベルで情報を入手しても、上司に報告しないなど、組織としてなっていない」として、社保庁全体の統制がとれていないことが不正拡大の一因とする見方を示した。 』
現在の年金給付は,3分の1が税金でまかなわれていて,免除者は一銭も保険料を支払わなくても,将来,給付額の3分の1(税金分)がもらえるらしい.そのため,社会保険庁が見かけの納付率を上げるために行った不正免除のツケは,将来私たちの税金となってはねかえってくるそうだ.年金を目減りさせただけでなく,納税者の負担で自分たちの不手際を隠そうとする役人根性が情けない.
そして,この調査結果である.「社会保険庁本庁の組織的な関与はなかった」なんていうことをいったい誰が信じられるであろうか.あくまでも本庁と地方事務局の職員の個人的な仕業であるということにするあたりが典型的なトカゲのしっぽ切りに見えるのは私だけではないだろう.これほど大規模な不正行為が平然と行われ,結局は職員の個人的責任として詰め腹を切らせて済むのが公務員の世界なのだろうか.まるで時代劇の悪代官みたいで滑稽でさえある.
年金も保険医療も社会保険庁に破綻させられても国民は黙って納税を続けるなんてまったく馬鹿げた話である.納税者としてはっきり言っておこう.「誰の責任であろうと,組織保全のためにこの制度を悪用した社会保険庁などもういらない」のだと.これからは,税金の無駄遣いを防ぐために官庁への国民の監視の目を厳しくするしかないだろう.
私よりひとつだけお姉さんの患者さんが今朝退院していった.私のできることはすべてやってあげるつもりで治療した.
何度もお礼を言ってくれるのは嬉しかったけれど,もう励ましの言葉をかける以外に何もしてあげられなくて,うっすらと涙が滲んでいるのを見ているのはつらかった.
なぜ自分だけが何度もつらい目に遭うのかと落ち込んでいるはずなのに笑ってさよならしていった,
手術で再び書けるようになった文字で私の名前と自分の名前を封書に残して...
何度もお礼を言ってくれるのは嬉しかったけれど,もう励ましの言葉をかける以外に何もしてあげられなくて,うっすらと涙が滲んでいるのを見ているのはつらかった.
なぜ自分だけが何度もつらい目に遭うのかと落ち込んでいるはずなのに笑ってさよならしていった,
手術で再び書けるようになった文字で私の名前と自分の名前を封書に残して...
外科医を減らすつもり?
2006年7月26日 医療の問題 コメント (4)『-- 診療報酬:医師の技量で格差 「競争原理」検討へ----中医協 --
厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は今月末から、医師の技能に応じて診療報酬にランクをつける検討を始める。手術のうまい医師の収入をアップさせる競争原理の導入で、個々の能力を高めるのが狙い。次期診療報酬改定(08年度)での導入を目指すが、医師側には能力評価への拒否反応が強く、どのように、どこまで差をつけられるかなどが課題になる。
医療技術を診療報酬で評価するため、従来は手術件数の多い医療機関に報酬を上乗せしていたが、「手術件数と治療成績の因果関係が不明」として、06年度の改定でいったん廃止された。このため、中医協は31日「手術に係る施設基準等調査分科会」を設置し、医療機関の手術数と成績に関するデータをそろえて検証をスタートさせる。
これを機に、「技術をもつ医師は個人としても評価されるべきだ」という考えの厚労省は、医療機関の手術数だけでなく、医師個人の手術数と治療成績の関係も分科会で調べることにした。
現行の診療報酬は、医師の技量にかかわらず一律で、これが能力向上を妨げているほか、腕のいい医師に謝礼を払う慣行がなくならず、医療費の不透明さを招いている、との指摘がある。
同省は、初・再診料や手術料に医師の技術次第で差をつけ、最高と最低の医師では、手術料の差が2倍程度となるよう設定したい考えだ。
しかし、評価を受ける医師側には反対論が根強くある。日本医師会は学問的な観点からの評価は容認しているが、腕によって報酬に差をつけることについては「数を稼ぐ目的での手術の乱発もおこりうる。医師に点数までつけるのはどうか」と慎重な姿勢を崩していない。』
手術のうまい医師の収入をアップさせる競争原理の導入で、個々の能力を高めるのが狙いというのは本当だろうか.最高と最低の医師で手術料の差が2倍程度となる設定とはいっても,どうせ以前に施設の手術数でやったのと同様に最高の医師の技術料が今までどおりで,最低の医師を50%減額して診療報酬を減らすのが目的だろう.
http://diarynote.jp/d/41284/20040408.html
仮に最高ランクの医師の技術料がアップしたとしても,経営の厳しい病院ではそれが医師の収入アップにつながることなんて期待できない.健康保険制度下で「競争原理」を導入したら,腕のいい医者は都市部の経営のいい病院に集まり,地方の公立病院の外科医はいなくなることだろう.医師個人の技量で評価するなら経験の足りない若い外科医の手術の機会もさらに減少するのではないだろうか.
結果として都市部と地方の医療格差の拡大と外科医志望の医師のさらなる減少をまねくことが危惧される.中途半端な「競争原理」の導入はむしろ健康保険医療の崩壊を加速させるだけではないだろうか.現場を知らない懲りない人たちのつまらないアイデアが医療をさらに荒廃させていくのだろう.
厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は今月末から、医師の技能に応じて診療報酬にランクをつける検討を始める。手術のうまい医師の収入をアップさせる競争原理の導入で、個々の能力を高めるのが狙い。次期診療報酬改定(08年度)での導入を目指すが、医師側には能力評価への拒否反応が強く、どのように、どこまで差をつけられるかなどが課題になる。
医療技術を診療報酬で評価するため、従来は手術件数の多い医療機関に報酬を上乗せしていたが、「手術件数と治療成績の因果関係が不明」として、06年度の改定でいったん廃止された。このため、中医協は31日「手術に係る施設基準等調査分科会」を設置し、医療機関の手術数と成績に関するデータをそろえて検証をスタートさせる。
これを機に、「技術をもつ医師は個人としても評価されるべきだ」という考えの厚労省は、医療機関の手術数だけでなく、医師個人の手術数と治療成績の関係も分科会で調べることにした。
現行の診療報酬は、医師の技量にかかわらず一律で、これが能力向上を妨げているほか、腕のいい医師に謝礼を払う慣行がなくならず、医療費の不透明さを招いている、との指摘がある。
同省は、初・再診料や手術料に医師の技術次第で差をつけ、最高と最低の医師では、手術料の差が2倍程度となるよう設定したい考えだ。
しかし、評価を受ける医師側には反対論が根強くある。日本医師会は学問的な観点からの評価は容認しているが、腕によって報酬に差をつけることについては「数を稼ぐ目的での手術の乱発もおこりうる。医師に点数までつけるのはどうか」と慎重な姿勢を崩していない。』
手術のうまい医師の収入をアップさせる競争原理の導入で、個々の能力を高めるのが狙いというのは本当だろうか.最高と最低の医師で手術料の差が2倍程度となる設定とはいっても,どうせ以前に施設の手術数でやったのと同様に最高の医師の技術料が今までどおりで,最低の医師を50%減額して診療報酬を減らすのが目的だろう.
http://diarynote.jp/d/41284/20040408.html
仮に最高ランクの医師の技術料がアップしたとしても,経営の厳しい病院ではそれが医師の収入アップにつながることなんて期待できない.健康保険制度下で「競争原理」を導入したら,腕のいい医者は都市部の経営のいい病院に集まり,地方の公立病院の外科医はいなくなることだろう.医師個人の技量で評価するなら経験の足りない若い外科医の手術の機会もさらに減少するのではないだろうか.
結果として都市部と地方の医療格差の拡大と外科医志望の医師のさらなる減少をまねくことが危惧される.中途半端な「競争原理」の導入はむしろ健康保険医療の崩壊を加速させるだけではないだろうか.現場を知らない懲りない人たちのつまらないアイデアが医療をさらに荒廃させていくのだろう.
厚労省得意の責任転嫁?
2006年7月25日 医療の問題 コメント (1)『 -- 日本人の寿命、6年ぶり縮む=女性85.49歳、世界一維持−厚労省 --
日本人の平均寿命は、男性が78.53歳、女性が85.49歳で、男女とも6年ぶりに前年の年齢を下回ったことが25日、厚生労働省がまとめた2005年の簡易生命表でわかった。前年と比べ、男性は0.11歳、女性は0.10歳縮んだ。
女性は1985年以来の21年連続世界一を保ったが、男性は香港、スイスに抜かれ、前年の2位から4位に落ちた。厚労省は「昨年2月から4月にインフルエンザが流行したのが影響した」とみている。 』
以前より言われていたことだが,医療費削減により今後はさらに平均寿命は縮むのだろう.癌,心臓病,脳卒中に続く死因は肺炎である.老人医療費が上がり予防接種や外来受診を控えたのが本当の原因ではないだろうか.インフルエンザが流行した影響というのが厚生労働省の言い逃れだということが今後きっと明らかになることだろう.
日本人の平均寿命は、男性が78.53歳、女性が85.49歳で、男女とも6年ぶりに前年の年齢を下回ったことが25日、厚生労働省がまとめた2005年の簡易生命表でわかった。前年と比べ、男性は0.11歳、女性は0.10歳縮んだ。
女性は1985年以来の21年連続世界一を保ったが、男性は香港、スイスに抜かれ、前年の2位から4位に落ちた。厚労省は「昨年2月から4月にインフルエンザが流行したのが影響した」とみている。 』
以前より言われていたことだが,医療費削減により今後はさらに平均寿命は縮むのだろう.癌,心臓病,脳卒中に続く死因は肺炎である.老人医療費が上がり予防接種や外来受診を控えたのが本当の原因ではないだろうか.インフルエンザが流行した影響というのが厚生労働省の言い逃れだということが今後きっと明らかになることだろう.
休日の朝の非日常的な何かを探して-その2-
2006年7月24日 私の写真集 コメント (3)
日常的な景色も休日の早朝であるだけでずいぶんと違って見えるものである.日曜の朝の天気も薄曇りであまりすっきりしなかった.すすきの方面から歩いてきて大通公園でたむろしていた若者たちはあれから一体どこへ行ったのだろうか.
医師免許にも地域格差をつくってどうする?
2006年7月22日 医療の問題 コメント (5)『 -- 県により大学定員増も 医師不足問題で川崎厚労相 --
地方の医師不足が指摘されている問題で、川崎二郎(かわさき・じろう)厚生労働相は21日の閣議後会見で「人口200万人を超える県で大学が1つ、入学定数が100人しかないところでは(医師不足を)解決し得ない問題があるのではないか」と述べ、地域によっては大学医学部の入学定数を増やすことも検討していく考えを示した。
川崎厚労相は人口100万内外の県では、入学時に地域枠を設定し、卒業後に地元での医療に貢献してもらうことで、医師の需要は満たされると指摘。将来的には全国の医師数が30万人を超えると予測されているため「長期的には医師が足りないという話にはならない」とした。
同省の検討会は19日まとめた最終報告案で、大学医学部の定員増について「(卒業生の)地域定着策の実施を前提として定員の暫定的な調整を検討すべきだ」との意見を付記している。』
入学時に地域枠を設定するということは地方出身者を優遇して合格させるということで,まず大学のレベルが下がるということだ.そして地域枠で合格したら卒業後に地元での医療に貢献してもらうということは地域限定の医師免許をもらえるということだ.
それでも医師が地元にきてくれれば住民はありがたいのだろうか.そうして人手不足で財政難の地域に縛られて働くことを強制されても医師になりたい者がいるのだろうか.こんなことをして医師が増えても医療の地域格差は改善するとは思えない.地方の住民や医師志望者をずいぶんとバカにした話のように聞こえるのは私だけだろうか.
医師免許は自動車免許にたとえるとわかりやすいかもしれない.仕事だからと古い車で田舎の狭い崖の上のでこぼこ道をひとりで走り続けたいひとはいるだろうか.医師はプロドライバーである.料金は全国一律で,当直は労働時間にもならず過重労働である.どんなに疲れても乗車拒否はできず,おまけに事故を起せば警察に逮捕されマスコミの餌食となる.どこにいても我慢しなければならないならせめて都会のきれいな車で,渋滞はしても崖から転落の心配がない広い道をみんなで我慢しながら走ったほうがましだと思うのは私だけだろうか.
これが現状なのに,さらに,地方に自動車学校をつくり,地元出身者には免許をあげるかわりに田舎の道しか走ってはいけないというような川崎厚労相が医療行政のトップだというのだから頭がまともな医師はあきれて失望するしかないのである.
地方の医師不足が指摘されている問題で、川崎二郎(かわさき・じろう)厚生労働相は21日の閣議後会見で「人口200万人を超える県で大学が1つ、入学定数が100人しかないところでは(医師不足を)解決し得ない問題があるのではないか」と述べ、地域によっては大学医学部の入学定数を増やすことも検討していく考えを示した。
川崎厚労相は人口100万内外の県では、入学時に地域枠を設定し、卒業後に地元での医療に貢献してもらうことで、医師の需要は満たされると指摘。将来的には全国の医師数が30万人を超えると予測されているため「長期的には医師が足りないという話にはならない」とした。
同省の検討会は19日まとめた最終報告案で、大学医学部の定員増について「(卒業生の)地域定着策の実施を前提として定員の暫定的な調整を検討すべきだ」との意見を付記している。』
入学時に地域枠を設定するということは地方出身者を優遇して合格させるということで,まず大学のレベルが下がるということだ.そして地域枠で合格したら卒業後に地元での医療に貢献してもらうということは地域限定の医師免許をもらえるということだ.
それでも医師が地元にきてくれれば住民はありがたいのだろうか.そうして人手不足で財政難の地域に縛られて働くことを強制されても医師になりたい者がいるのだろうか.こんなことをして医師が増えても医療の地域格差は改善するとは思えない.地方の住民や医師志望者をずいぶんとバカにした話のように聞こえるのは私だけだろうか.
医師免許は自動車免許にたとえるとわかりやすいかもしれない.仕事だからと古い車で田舎の狭い崖の上のでこぼこ道をひとりで走り続けたいひとはいるだろうか.医師はプロドライバーである.料金は全国一律で,当直は労働時間にもならず過重労働である.どんなに疲れても乗車拒否はできず,おまけに事故を起せば警察に逮捕されマスコミの餌食となる.どこにいても我慢しなければならないならせめて都会のきれいな車で,渋滞はしても崖から転落の心配がない広い道をみんなで我慢しながら走ったほうがましだと思うのは私だけだろうか.
これが現状なのに,さらに,地方に自動車学校をつくり,地元出身者には免許をあげるかわりに田舎の道しか走ってはいけないというような川崎厚労相が医療行政のトップだというのだから頭がまともな医師はあきれて失望するしかないのである.
大通公園のビヤガーデンは本日オープンするが,予想最高気温は24℃に過ぎないから,ちょっと風が吹いたら飲んでるうちに体が冷え切ってしまうだろう.来週後半はもう少し暑くなってくれるだろうか.7月10日の写真の大きなジョッキは会場中央のDJブース上のディスプレイになってました.
世界のトヨタ?パート2
2006年7月20日 社会の問題 コメント (2)『 -- トヨタ、米国でプリウスなど40万台リコール --
トヨタ自動車は19日、米国で販売したハイブリッド乗用車「プリウス」や、ハイブリッド型を含むスポーツ用多目的車(SUV)レクサスRX(日本名ハリアー)など約40万台について、センサーなどに不具合が見つかったとしてリコール(回収・無償修理)を米当局に届け出たことを明らかにした。
01〜02年型のプリウス8500台と小型乗用車エコー(同プラッツ)2万6200台は、エンジン内のセンサーの不具合で走行中にエンジンが止まる恐れがあることがわかった。04〜06年型のRXはハイブリッド型を含め13万1800台、同じく04〜06年型SUVのハイランダー(同クルーガー)はハイブリッド型を含め23万5700台が、ともに床面のマットの取り付けの不具合で、アクセルやブレーキの操作に支障が出る恐れがある、としている。
いずれも日本から輸出した車種だという。』
悪い話は続くものだ.今度はハイブリッド車を含めてリコールのようだ.走行中にエンジンが止まったりされたら冬の凍結した路面では何が起こるかわからない.やはり電子部品の多いハイテクな車はちょっとした故障が走行状態に致命的な影響を与えるような気がして信用できない.そうは言っても間もなく走行距離が10万kmになろうというガソリンばか喰いでローテクな愛車も金属疲労で分解したりしないのかちょっと心配になる.器械は信頼性が一番なのはわかっているのだが,何を選べばよいのかは自分で使ってみないことにはわからないのが問題なのだ.
トヨタ自動車は19日、米国で販売したハイブリッド乗用車「プリウス」や、ハイブリッド型を含むスポーツ用多目的車(SUV)レクサスRX(日本名ハリアー)など約40万台について、センサーなどに不具合が見つかったとしてリコール(回収・無償修理)を米当局に届け出たことを明らかにした。
01〜02年型のプリウス8500台と小型乗用車エコー(同プラッツ)2万6200台は、エンジン内のセンサーの不具合で走行中にエンジンが止まる恐れがあることがわかった。04〜06年型のRXはハイブリッド型を含め13万1800台、同じく04〜06年型SUVのハイランダー(同クルーガー)はハイブリッド型を含め23万5700台が、ともに床面のマットの取り付けの不具合で、アクセルやブレーキの操作に支障が出る恐れがある、としている。
いずれも日本から輸出した車種だという。』
悪い話は続くものだ.今度はハイブリッド車を含めてリコールのようだ.走行中にエンジンが止まったりされたら冬の凍結した路面では何が起こるかわからない.やはり電子部品の多いハイテクな車はちょっとした故障が走行状態に致命的な影響を与えるような気がして信用できない.そうは言っても間もなく走行距離が10万kmになろうというガソリンばか喰いでローテクな愛車も金属疲労で分解したりしないのかちょっと心配になる.器械は信頼性が一番なのはわかっているのだが,何を選べばよいのかは自分で使ってみないことにはわからないのが問題なのだ.
『 -- トヨタ、「リコール必要と判断せず」 熊本県警に反論 --
トヨタ自動車のRV車「ハイラックス」のリコール問題で、同社は20日午前、報告書を国土交通省に提出し、04年10月のリコール段階で国内外で82件の不具合情報を把握していたことを明らかにした。だが、96年に強度を上げた部品に変更した際の認識については「(大きな力のかかる)特定の環境で起きており、リコールが必要との判断ではない」と主張。危険性を認識しながらリコールなどを怠り、人身事故を引き起こしたとする熊本県警の立件容疑に真っ向から反論する形となった。
一方、報告書を提出する際、トヨタの瀧本正民副社長は「世間にご迷惑をかけたことはおわびします」と述べた。
04年8月に熊本県内で5人が重軽傷を負った事故をめぐり、同県警が今月、当時の同社品質保証部長ら3人を業務上過失傷害容疑で書類送検したのを受けて、国交省が21日までの報告を求めていた。
同社は、ハンドルの動きを前輪に伝える「リレーロッド」が強度不足だとしてリコールを届けた際、国内で11件の不具合があると報告した。
しかし、報告書などによると、同社はこの時点で国内46件、国外36件の計82件の不具合情報を把握していた。販売会社から文書で報告される市場技術情報、保証期間内の部品交換件数、利用者からの苦情の合計とされ、件数の届け出件数との食い違いについてトヨタは国交省側に「報告内容の精査が不十分だった」などと説明したという。
また、95〜96年に社内調査で強度不足を認識し、96年3月、強度を高めた部品に変更。同社にはこの時点までに5件の不具合情報が寄せられていたが、駐車場で止まったままハンドルを操作して部品が折れるなど、限られた環境で起きるものと判断したという。リコールの検討会議を開いたのは04年春だったとされる。 』
ガソリンが高騰しいずれはトヨタのハイブリッドかなと思っていたのだが,コスト削減のために部品の強度が不十分なまま放置されていたというのが事実ならいくら販売台数が多くても私はトヨタの車は買わないだろう.古いモデルの部品をそのまま流用したのが原因と書いてあったが,部品の共用化でこうしたことが起きるのであれば車種が多いというのはあまりいいことではないのかも知れない.
最近話題になっているパロマの湯沸かし器の事故もそうであるが,器械が不具合になるということはそれなりに原因があるからであって頻度が少ないからときちんと原因の究明をしないからいずれ大きな被害がでるのだろう.生命にかかわるような重大な故障は徹底的に原因を究明するという危機管理の意識の問題だと思うのだが,このトヨタ側の説明はいまや世界一の自動車会社のものとは思えないお粗末な言い訳である.
トヨタ自動車のRV車「ハイラックス」のリコール問題で、同社は20日午前、報告書を国土交通省に提出し、04年10月のリコール段階で国内外で82件の不具合情報を把握していたことを明らかにした。だが、96年に強度を上げた部品に変更した際の認識については「(大きな力のかかる)特定の環境で起きており、リコールが必要との判断ではない」と主張。危険性を認識しながらリコールなどを怠り、人身事故を引き起こしたとする熊本県警の立件容疑に真っ向から反論する形となった。
一方、報告書を提出する際、トヨタの瀧本正民副社長は「世間にご迷惑をかけたことはおわびします」と述べた。
04年8月に熊本県内で5人が重軽傷を負った事故をめぐり、同県警が今月、当時の同社品質保証部長ら3人を業務上過失傷害容疑で書類送検したのを受けて、国交省が21日までの報告を求めていた。
同社は、ハンドルの動きを前輪に伝える「リレーロッド」が強度不足だとしてリコールを届けた際、国内で11件の不具合があると報告した。
しかし、報告書などによると、同社はこの時点で国内46件、国外36件の計82件の不具合情報を把握していた。販売会社から文書で報告される市場技術情報、保証期間内の部品交換件数、利用者からの苦情の合計とされ、件数の届け出件数との食い違いについてトヨタは国交省側に「報告内容の精査が不十分だった」などと説明したという。
また、95〜96年に社内調査で強度不足を認識し、96年3月、強度を高めた部品に変更。同社にはこの時点までに5件の不具合情報が寄せられていたが、駐車場で止まったままハンドルを操作して部品が折れるなど、限られた環境で起きるものと判断したという。リコールの検討会議を開いたのは04年春だったとされる。 』
ガソリンが高騰しいずれはトヨタのハイブリッドかなと思っていたのだが,コスト削減のために部品の強度が不十分なまま放置されていたというのが事実ならいくら販売台数が多くても私はトヨタの車は買わないだろう.古いモデルの部品をそのまま流用したのが原因と書いてあったが,部品の共用化でこうしたことが起きるのであれば車種が多いというのはあまりいいことではないのかも知れない.
最近話題になっているパロマの湯沸かし器の事故もそうであるが,器械が不具合になるということはそれなりに原因があるからであって頻度が少ないからときちんと原因の究明をしないからいずれ大きな被害がでるのだろう.生命にかかわるような重大な故障は徹底的に原因を究明するという危機管理の意識の問題だと思うのだが,このトヨタ側の説明はいまや世界一の自動車会社のものとは思えないお粗末な言い訳である.
休日の朝の非日常的な何かを探して
2006年7月19日 私の写真集 コメント (2)
病院で働いていると,世の中のことはニュースで知るくらいしかわからなくなる.平日は病院での当直と自宅との往復で終わり,休日には家族とどこかへ遊びに行きスーパーでの1週間分の買い出しで終わるのが日常でそれなりに満足している.
だが,世間の人はどんな毎日を過ごしているのだろうかと時々気になる.私の生活が普通だとは思っていないが,そもそも普通の生活とはどんなものかと聞かれて答えられる人はいるのだろうか.
そういう訳でもないが.非日常的な何かを探して休日に早朝の街を自転車で走り廻るのが最近は面白い.
だが,世間の人はどんな毎日を過ごしているのだろうかと時々気になる.私の生活が普通だとは思っていないが,そもそも普通の生活とはどんなものかと聞かれて答えられる人はいるのだろうか.
そういう訳でもないが.非日常的な何かを探して休日に早朝の街を自転車で走り廻るのが最近は面白い.
子供より自分が大切な母親たち
2006年7月17日 社会の問題 コメント (7)コメントの続きを書こうと思ったら「娘が疎ましく」なったと自供したようなので,真相がわかるのももうすぐと思い削除しました.豪憲君殺害の動機についてはやはり豪憲君の母親が畠山鈴香容疑者を不憫に思いプレゼントしたビデオが仇になったのではないかという気がします.
警察の捜査もこれだけ児童が犯罪に遭ったり,親による虐待が社会問題になっている時代に,最初に親が犯人である可能性をきちんと検証しなかった点が問題でしょう.私も子供の怪我をみたらまず親を疑って可能性を除外するのが今では医師の常識だと思って診療しています.
母親といえば,小児科の救急外来をやればわかることですが,いまどきの35歳前後の母親は非常識な人が多いのに驚きます.子供の体を心配しているのか自分の都合を優先しているのかわからない人が多いのです.また,注意して説明しないと突然激昂するのもこの年代の人たちです.教育が関係しているのでしょうか.
ついでに言うと50代半ばの女性も要注意だと思います.
警察の捜査もこれだけ児童が犯罪に遭ったり,親による虐待が社会問題になっている時代に,最初に親が犯人である可能性をきちんと検証しなかった点が問題でしょう.私も子供の怪我をみたらまず親を疑って可能性を除外するのが今では医師の常識だと思って診療しています.
母親といえば,小児科の救急外来をやればわかることですが,いまどきの35歳前後の母親は非常識な人が多いのに驚きます.子供の体を心配しているのか自分の都合を優先しているのかわからない人が多いのです.また,注意して説明しないと突然激昂するのもこの年代の人たちです.教育が関係しているのでしょうか.
ついでに言うと50代半ばの女性も要注意だと思います.
ラベンダーの季節がやって来た
2006年7月14日 私の写真集 コメント (3)
ようやく天気が回復し気温も上がってきたのだが,雨が降った後なので湿度が高くて昨夜は寝苦しかった.今週も無事に終わると言いたいところだが,今日はこれから破裂動脈瘤の手術が入っている.今日も気温は上がりそうだから,こういう日はエアコンの効いた術場で手術をしているほうが病棟や外来で汗だくになるよりは楽である.本当は手術を無事に終えて夕日を見ながらビールなんていうのがいいのだが,会議もあるので我慢するしかないのが残念だ.
では,皆さま今週もご苦労様でした.そろそろ富良野のラベンダーやお花畑の花も咲いているのだろうかと気になる季節になりました.週末の天気は微妙ですが良ければちょっと遠くへドライブしてみたいものですね.
では,皆さま今週もご苦労様でした.そろそろ富良野のラベンダーやお花畑の花も咲いているのだろうかと気になる季節になりました.週末の天気は微妙ですが良ければちょっと遠くへドライブしてみたいものですね.
交通事故による脳脊髄液減少症の診断基準は?
2006年7月13日 医療の問題 コメント (1)『 -- 「特定疾患に認めて」 脳脊髄液減少症の全国組織 --
交通事故などに遭った後、頭痛やしびれを引き起こす脳脊髄(せきずい)液減少症の患者栂紀久代(とが・きくよ)さん(54)=大阪市=の呼び掛けで、全国の患者を支援する会「サン・クラブ」がこのほど発足した。
全国から趣旨に賛同する人が集まり、会員数は既に患者200人を含む1000人に。同会は会員を中心に患者の症状や生活への影響について8月末までに実態調査をする予定で、栂さんは「一人一人の声を国に届けることで、特定疾患として認めてもらいたい」と話している。
栂さんは1980年に鳥取県で交通事故に遭った。頭痛や体のしびれや耳鳴りに悩まされてきたが、病院では「仮病」と言われたり、「うつ病」と診断されたりした。自ら医師を探し出し、脳脊髄液減少症と診断されるまで23年かかった。
脳脊髄液減少症は脳と脊髄を覆う脳脊髄液が漏れ、液に浮かんでいる脳の位置がずれることで、頭や首、手足の痛み、記憶力低下や不眠などを引き起こす。同会によると、全国で約5000人が治療を受けているとされるが、患者数の実態は把握されていない。
腰椎(ようつい)に注射した血液の凝固作用で漏れを止める「ブラッドパッチ」という治療法があるが、厚生労働省は「学会からの要望がない」などとして健康保険の適用を認めていない。近年、重い後遺症として交通事故との因果関係を認める判決が相次いでいる。』
先日,徳島県議会が「脳脊髄(せきずい)液減少症(低髄液圧症候群)」の実態調査や治療法確立などを求める意見書を採択し小泉首相らへ提出するそうだ.裁判で後遺症として交通事故との因果関係を認めているのは知っていたが,交通事故による脳脊髄液減少症の病態については私も経験がなく文献を読んでもよく理解できない点も多い.
問題なのは,確定診断に至る診断法や診断基準などが確立されていないことや学会レベルでの認知が低いことだろう.つまり,医療者側の診断や治療の方法論が一般診療レベルに達していない状況で,患者,マスコミ,司法で病名がひとり歩きしているような感じがするのである.
患者さんのニーズがかなり強いことはこうした患者団体が存在することからもわかる.ただ,現状では特定疾患とするにしてもそれ以前にこの病態についてもっと調査研究する必要があると思うが,行政に問題提起するという点では十分意味がある行動だろう.現に,厚生労働省は「学会からの要望がない」などとして「ブラッドパッチ」に健康保険の適用を認めていないとあるが,これなどは例によって責任を医師に押し付けているだけである.
今のところ自称「脳脊髄液減少症」の患者さんが外来で声を荒げて診断書を要求するなどという事態にはなっていないが,テレビを見て自分がこの病気だと信じて疑わない人は他の疾患でもよくいるのである.厚生労働省が得意の研究班でもつくってこの病態の診断法と診断基準を早急に公示してもらいたい脳外科医はたぶん私だけではないだろう.
交通事故などに遭った後、頭痛やしびれを引き起こす脳脊髄(せきずい)液減少症の患者栂紀久代(とが・きくよ)さん(54)=大阪市=の呼び掛けで、全国の患者を支援する会「サン・クラブ」がこのほど発足した。
全国から趣旨に賛同する人が集まり、会員数は既に患者200人を含む1000人に。同会は会員を中心に患者の症状や生活への影響について8月末までに実態調査をする予定で、栂さんは「一人一人の声を国に届けることで、特定疾患として認めてもらいたい」と話している。
栂さんは1980年に鳥取県で交通事故に遭った。頭痛や体のしびれや耳鳴りに悩まされてきたが、病院では「仮病」と言われたり、「うつ病」と診断されたりした。自ら医師を探し出し、脳脊髄液減少症と診断されるまで23年かかった。
脳脊髄液減少症は脳と脊髄を覆う脳脊髄液が漏れ、液に浮かんでいる脳の位置がずれることで、頭や首、手足の痛み、記憶力低下や不眠などを引き起こす。同会によると、全国で約5000人が治療を受けているとされるが、患者数の実態は把握されていない。
腰椎(ようつい)に注射した血液の凝固作用で漏れを止める「ブラッドパッチ」という治療法があるが、厚生労働省は「学会からの要望がない」などとして健康保険の適用を認めていない。近年、重い後遺症として交通事故との因果関係を認める判決が相次いでいる。』
先日,徳島県議会が「脳脊髄(せきずい)液減少症(低髄液圧症候群)」の実態調査や治療法確立などを求める意見書を採択し小泉首相らへ提出するそうだ.裁判で後遺症として交通事故との因果関係を認めているのは知っていたが,交通事故による脳脊髄液減少症の病態については私も経験がなく文献を読んでもよく理解できない点も多い.
問題なのは,確定診断に至る診断法や診断基準などが確立されていないことや学会レベルでの認知が低いことだろう.つまり,医療者側の診断や治療の方法論が一般診療レベルに達していない状況で,患者,マスコミ,司法で病名がひとり歩きしているような感じがするのである.
患者さんのニーズがかなり強いことはこうした患者団体が存在することからもわかる.ただ,現状では特定疾患とするにしてもそれ以前にこの病態についてもっと調査研究する必要があると思うが,行政に問題提起するという点では十分意味がある行動だろう.現に,厚生労働省は「学会からの要望がない」などとして「ブラッドパッチ」に健康保険の適用を認めていないとあるが,これなどは例によって責任を医師に押し付けているだけである.
今のところ自称「脳脊髄液減少症」の患者さんが外来で声を荒げて診断書を要求するなどという事態にはなっていないが,テレビを見て自分がこの病気だと信じて疑わない人は他の疾患でもよくいるのである.厚生労働省が得意の研究班でもつくってこの病態の診断法と診断基準を早急に公示してもらいたい脳外科医はたぶん私だけではないだろう.
からっと晴れた夏空はどこに
2006年7月12日 私の写真集 コメント (1)
暑いことは暑いのだが,天気が悪くて蒸し暑い.梅雨なんてものは経験したことがないからわからないが,聞くところによると防湿庫に入れておかないとカメラのレンズにカビが生えるそうだから人の体にも影響があるかもしれない.来週末にはビヤガーデンも始まるというのにこの天気.まあ,病院にいるあいだは関係ないか...
大学院生はいまだに奴隷生活か
2006年7月11日 医療の問題 コメント (4)『 -- 「過重労働」で事故死 医師の両親が鳥取大提訴 --
徹夜勤務明けに交通事故で死亡したのは、過重労働による極度の睡眠不足や過労が原因として、死亡した鳥取大医学部大学院生で医師だった男性=当時(33)=の両親が7日までに、鳥取大に約1億4700万円の損害賠償を求める訴訟を鳥取地裁に起こした。
訴状によると、男性は2003年3月、鳥取大病院でほぼ24時間徹夜で勤務した後、そのまま派遣先の病院へ乗用車で出勤中、大型トラックと衝突し死亡した。
男性は恒常的に長時間労働をし、事故前の3カ月は1日3時間以下の睡眠しか取れず、直前の1カ月は時間外労働が計約250時間にも及んだという。
両親は「病院が過重な労働に従事させたのは、明らかな安全配慮義務違反だ」と訴えている。
大学側は「訴状の内容を検討し、誠実に対応したい」としている。』
大学病院の医局特に外科系は昔から体育会系である.1年目は上の先生の言いなりでどんな命令でも聞かなければならなかったし,反抗すれば仕事をさせてもらえないのだった.大学院生も論文のために研究をし,上の先生の研究も手伝うのは当たり前だとしても,さらに病棟の当直をやらされたり大学病院の外来を手伝わなくてはならない理由はなんであろうか.しかも大学院生は学生だから無給で手伝うというのも変である.最近は当直料はもらえるようだが,大学で当直するより市中病院の当直料の方が何倍も高いのが当たり前である.生活のためなら市中病院で当直させるべきであろう.
大学院生は学位のために卒業後のお礼奉公といわれる地方巡業のほかに学生時代からこういった大学のスタッフのために働かなければならない義務を負わされてきたのだが,医局という言葉がなくなってもこういう慣習はなくなっていないのだろう.学費を払っているのに賦役もあるというのはおかしなことのように思えるのだが,大学院の先生たちは博士号のための大学での研究と,大学病院の先生方のお手伝いと,生活のための市中病院でのアルバイトで過重労働気味の毎日をじっと耐えているのだろう.
これでは私が大学院生の頃と何も変わってはいない.研修医の待遇は非常に改善されたようだが,これとて診療科を決めた時にそこが産婦人科や小児科やメジャー外科系のような人手不足の科であれば待っているのは過酷な労働なのである.睡眠不足で病棟カンファレンスや患者さんと話している最中に居眠りしても死亡事故になどならないが,病院間の移動中に居眠り運転で事故を起せば自分だけでなく他人をも死亡事故に巻き込む可能性は高いだろう.
大学病院の研修医不足による病院スタッフの仕事量増大のしわ寄せがより立場の弱い大学院生にまわっているとしたらまったくひどい話である.大学院生が自分から訴えることのできないことにつけ込むようなことを医局がしていないかどうかを大学側は監督する責任があるのではないだろうか.大学院生は授業料を払っている学生であるということを大学側は忘れるべきでないだろう.
徹夜勤務明けに交通事故で死亡したのは、過重労働による極度の睡眠不足や過労が原因として、死亡した鳥取大医学部大学院生で医師だった男性=当時(33)=の両親が7日までに、鳥取大に約1億4700万円の損害賠償を求める訴訟を鳥取地裁に起こした。
訴状によると、男性は2003年3月、鳥取大病院でほぼ24時間徹夜で勤務した後、そのまま派遣先の病院へ乗用車で出勤中、大型トラックと衝突し死亡した。
男性は恒常的に長時間労働をし、事故前の3カ月は1日3時間以下の睡眠しか取れず、直前の1カ月は時間外労働が計約250時間にも及んだという。
両親は「病院が過重な労働に従事させたのは、明らかな安全配慮義務違反だ」と訴えている。
大学側は「訴状の内容を検討し、誠実に対応したい」としている。』
大学病院の医局特に外科系は昔から体育会系である.1年目は上の先生の言いなりでどんな命令でも聞かなければならなかったし,反抗すれば仕事をさせてもらえないのだった.大学院生も論文のために研究をし,上の先生の研究も手伝うのは当たり前だとしても,さらに病棟の当直をやらされたり大学病院の外来を手伝わなくてはならない理由はなんであろうか.しかも大学院生は学生だから無給で手伝うというのも変である.最近は当直料はもらえるようだが,大学で当直するより市中病院の当直料の方が何倍も高いのが当たり前である.生活のためなら市中病院で当直させるべきであろう.
大学院生は学位のために卒業後のお礼奉公といわれる地方巡業のほかに学生時代からこういった大学のスタッフのために働かなければならない義務を負わされてきたのだが,医局という言葉がなくなってもこういう慣習はなくなっていないのだろう.学費を払っているのに賦役もあるというのはおかしなことのように思えるのだが,大学院の先生たちは博士号のための大学での研究と,大学病院の先生方のお手伝いと,生活のための市中病院でのアルバイトで過重労働気味の毎日をじっと耐えているのだろう.
これでは私が大学院生の頃と何も変わってはいない.研修医の待遇は非常に改善されたようだが,これとて診療科を決めた時にそこが産婦人科や小児科やメジャー外科系のような人手不足の科であれば待っているのは過酷な労働なのである.睡眠不足で病棟カンファレンスや患者さんと話している最中に居眠りしても死亡事故になどならないが,病院間の移動中に居眠り運転で事故を起せば自分だけでなく他人をも死亡事故に巻き込む可能性は高いだろう.
大学病院の研修医不足による病院スタッフの仕事量増大のしわ寄せがより立場の弱い大学院生にまわっているとしたらまったくひどい話である.大学院生が自分から訴えることのできないことにつけ込むようなことを医局がしていないかどうかを大学側は監督する責任があるのではないだろうか.大学院生は授業料を払っている学生であるということを大学側は忘れるべきでないだろう.
日曜日は天気が良かったのであるが,目的のアカゲラの写真も撮れたので登山はやめて自転車で大通公園に向かって走り出した.早朝のまだ5時前だというのに通りに2〜3人の若者が歩道のベンチに座り込んで大声で喋っている.土曜の夜から朝まで遊んでいたということなのだろうか.
大通公園の3丁目付近にいたのは,散歩している観光客とおぼしき老夫婦.テレビ塔をバックに集合写真を撮る最前列の数人が女装した20人ほどの学生たち.公衆トイレ前のベンチに座ったまま半分寝ている若者2人.温泉の評判を大声で話しながら鳩に餌を与えている5人の高齢者グループ.そして,頭から足までをしっかり毛布でくるんでベンチで寝ている男?.etc.
こんな早朝にここで何をやっているのという人が意外に多くて,私としてはアカゲラよりもこちらの人々のほうがかなり興味深かった.個人情報や肖像権の問題があるので写真をBlogには載せられないが,近いうちにまた早朝の週末の街に来てみよう.
大通公園の3丁目付近にいたのは,散歩している観光客とおぼしき老夫婦.テレビ塔をバックに集合写真を撮る最前列の数人が女装した20人ほどの学生たち.公衆トイレ前のベンチに座ったまま半分寝ている若者2人.温泉の評判を大声で話しながら鳩に餌を与えている5人の高齢者グループ.そして,頭から足までをしっかり毛布でくるんでベンチで寝ている男?.etc.
こんな早朝にここで何をやっているのという人が意外に多くて,私としてはアカゲラよりもこちらの人々のほうがかなり興味深かった.個人情報や肖像権の問題があるので写真をBlogには載せられないが,近いうちにまた早朝の週末の街に来てみよう.
今夜はぐっすり眠れそう
2006年7月7日 私の写真集 コメント (1)
今日はちょっと時間のかかる脳腫瘍の手術でした.8時間はかかりそうだと覚悟してましたが,思ったよりは時間もかからず結果も予想より良かったのでひと安心.心地よい疲れで少しハイになり上機嫌で術後回診と当直をやっています.病院が安静だったら今夜はぐっすり眠れそうです.
では,皆さま今週もご苦労様でした.週末は天気があまり良くないようなので夏風邪などひかぬようご注意ください.
では,皆さま今週もご苦労様でした.週末は天気があまり良くないようなので夏風邪などひかぬようご注意ください.
日数制限の根拠はなんだろう
2006年7月7日 医療の問題 コメント (1)『 -- リハビリに日数制限 撤廃求め44万人署名提出 --
診療報酬改定:リハビリに日数制限 不安訴える患者、撤廃求め44万人署名提出
◇自分の命、守れない
4月の診療報酬改定により医療保険で受けられるリハビリの期間に上限が設けられたのを受け、患者などで作る「リハビリ診療報酬を考える会」はこのほど、上限撤廃を求める約44万4000人の請願署名を厚生労働省に提出した。同省は「限られた予算で急性期に重点を置いた措置。必要かつ適切なリハビリは確保されている」と説明するが、患者らは「リハビリが受けられなくなるのでは」と危機感を募らせる。
「リハビリで寒い冬に低下した機能を取り戻してきたのに。打ち切られたら自分の命を守れない……」。03年5月に脳出血で倒れ左半身にまひが残る大阪市内の女性(49)が、不安そうな表情で話す。女性は3年間のリハビリで、バス停一つ分は歩けるようになり今も週1回病院に通う。
女性の場合、医療保険でまかなえるリハビリ期限は9月末。病院には、それ以降リハビリを受けられるかどうかは分からないと告げられた。同省は、今回の措置に伴い介護保険の利用を勧める。そこで女性が訪問介護ステーションに相談したところ、介護保険でリハビリを受けるめどは立っていないと言われた。鍼灸(しんきゅう)の通院費用も、生活保護だけではねん出が難しく、女性は「私たちの実態を見て」と訴える。
リハビリの上限は、▽呼吸器で90日▽心大血管疾患と骨折などの運動器は150日▽脳血管疾患でも180日----などとなるが、医学的に改善が期待される場合は、規定が除外される。
西宮協立脳神経外科病院の小山哲男・リハビリテーション科医長は「基準があいまいで、保険でできると思って受け入れてできなかったらどうしたらいいのか。リハビリで機能低下を防いでいる例もあるのに」と、ため息をもらす。
日本リハビリテーション医学会などは「時期にかかわらず必要なリハビリが提供できる仕組みを」などとする意見書をまとめる予定だ。』
リハビリの上限が,呼吸器で90日,心大血管疾患と骨折などの運動器は150日,脳血管疾患は180日とあるが,この日数の根拠はいったいなんなのだろうか.病院でのリハビリテーションは改善がそれ以上認められない状態がゴールと考えるから,それぞれの疾患にこれくらいの日数があれば十分という判断なのだろうが,医療費抑制の大義名分のためとはいえずいぶん一方的な話である.
もちろん,それだけではまずいと思ったので「医学的に改善が期待される場合は、規定が除外される」と付け加えたのであろうが,こんな言葉を鵜呑みにするほど医療機関はお人好しではない.おそらく実際の診療報酬請求の際には日数制限だけで一方的に査定され,それを超えたリハビリテーションが病院の赤字となると思われるからである.過去にもこのようにして痛い目をみている医療機関は,厚生労働省は病院の都合など考えないということをよく知っている.
この女性が「私たちの実態を見て」というのもよくわかる.病院で医療保険によるリハビリテーションを自費で受けることは制度的に不可能であるが,介護保険で受けられると言われているリハビリテーションが病院で受けられるものとは違うということが議論から抜け落ちているということが問題である.ちょっと考えればわかることだが,介護保険で病院と同じレベルのリハビリテーションを受けるには病院並みのコストが発生するということである.介護保険では介護レベルを越える費用は自費になるわけだから,当然患者さんの経済的負担は増えるのである.
小泉首相は6月22日の経済財政諮問会議で「歳出をどんどん切り詰めていけば『やめてほしい』という声が出てくる。増税してもいいから必要な施策をやってくれ、という状況になるまで、歳出を徹底的にカットしないといけない」と発言していたそうだから,厚生労働省も保険医療費のカットをやめてほしいと言うまで続ける気なのだろうか.診療報酬のルールを作るのはいいが,少なくともルールをそう決めた理由をわかりやすく国民に説明したり,ルールの適用をもっと明確に公示する義務が厚生労働省にはあるのではないだろうか.
診療報酬改定:リハビリに日数制限 不安訴える患者、撤廃求め44万人署名提出
◇自分の命、守れない
4月の診療報酬改定により医療保険で受けられるリハビリの期間に上限が設けられたのを受け、患者などで作る「リハビリ診療報酬を考える会」はこのほど、上限撤廃を求める約44万4000人の請願署名を厚生労働省に提出した。同省は「限られた予算で急性期に重点を置いた措置。必要かつ適切なリハビリは確保されている」と説明するが、患者らは「リハビリが受けられなくなるのでは」と危機感を募らせる。
「リハビリで寒い冬に低下した機能を取り戻してきたのに。打ち切られたら自分の命を守れない……」。03年5月に脳出血で倒れ左半身にまひが残る大阪市内の女性(49)が、不安そうな表情で話す。女性は3年間のリハビリで、バス停一つ分は歩けるようになり今も週1回病院に通う。
女性の場合、医療保険でまかなえるリハビリ期限は9月末。病院には、それ以降リハビリを受けられるかどうかは分からないと告げられた。同省は、今回の措置に伴い介護保険の利用を勧める。そこで女性が訪問介護ステーションに相談したところ、介護保険でリハビリを受けるめどは立っていないと言われた。鍼灸(しんきゅう)の通院費用も、生活保護だけではねん出が難しく、女性は「私たちの実態を見て」と訴える。
リハビリの上限は、▽呼吸器で90日▽心大血管疾患と骨折などの運動器は150日▽脳血管疾患でも180日----などとなるが、医学的に改善が期待される場合は、規定が除外される。
西宮協立脳神経外科病院の小山哲男・リハビリテーション科医長は「基準があいまいで、保険でできると思って受け入れてできなかったらどうしたらいいのか。リハビリで機能低下を防いでいる例もあるのに」と、ため息をもらす。
日本リハビリテーション医学会などは「時期にかかわらず必要なリハビリが提供できる仕組みを」などとする意見書をまとめる予定だ。』
リハビリの上限が,呼吸器で90日,心大血管疾患と骨折などの運動器は150日,脳血管疾患は180日とあるが,この日数の根拠はいったいなんなのだろうか.病院でのリハビリテーションは改善がそれ以上認められない状態がゴールと考えるから,それぞれの疾患にこれくらいの日数があれば十分という判断なのだろうが,医療費抑制の大義名分のためとはいえずいぶん一方的な話である.
もちろん,それだけではまずいと思ったので「医学的に改善が期待される場合は、規定が除外される」と付け加えたのであろうが,こんな言葉を鵜呑みにするほど医療機関はお人好しではない.おそらく実際の診療報酬請求の際には日数制限だけで一方的に査定され,それを超えたリハビリテーションが病院の赤字となると思われるからである.過去にもこのようにして痛い目をみている医療機関は,厚生労働省は病院の都合など考えないということをよく知っている.
この女性が「私たちの実態を見て」というのもよくわかる.病院で医療保険によるリハビリテーションを自費で受けることは制度的に不可能であるが,介護保険で受けられると言われているリハビリテーションが病院で受けられるものとは違うということが議論から抜け落ちているということが問題である.ちょっと考えればわかることだが,介護保険で病院と同じレベルのリハビリテーションを受けるには病院並みのコストが発生するということである.介護保険では介護レベルを越える費用は自費になるわけだから,当然患者さんの経済的負担は増えるのである.
小泉首相は6月22日の経済財政諮問会議で「歳出をどんどん切り詰めていけば『やめてほしい』という声が出てくる。増税してもいいから必要な施策をやってくれ、という状況になるまで、歳出を徹底的にカットしないといけない」と発言していたそうだから,厚生労働省も保険医療費のカットをやめてほしいと言うまで続ける気なのだろうか.診療報酬のルールを作るのはいいが,少なくともルールをそう決めた理由をわかりやすく国民に説明したり,ルールの適用をもっと明確に公示する義務が厚生労働省にはあるのではないだろうか.
森の中での不思議な出来事
2006年7月6日 私の写真集
散歩写真に目標を設定するというのも変な話ですが,いつも登っている山の野鳥の写真が撮りたくて,早朝の散歩を繰り返しています.先日も天気が良さそうだったのでまだうす暗い道を登り以前にエゾアカゲラを見かけたポイントへ急ぎました.その時カメラについていたのはスナップ用のズームレンズだったので,やっとアカゲラと判別できる程度の写真しか撮れませんでした.それ以来,私は望遠ズームにテレコンバータという約3kgの装備をかかえてここに来るようになりました.
ここに来るのはもう3回目だったのですが,そう都合よく野鳥が飛んで来るはずもありません.リスの写真が撮れればまだいいほうで,なんにも撮れなくて近所の花でも撮って帰ろうかと思うこともあるくらいです.この日もそのポイントで待つこと30分.帰る時間が迫ってきました.「キツツキ来てくれないかな.」と思ったその時です.私の後ろの方で「コンコンコン」という音がしました.そおっと後ろを振り返り薄暗い森の中の大きな木の幹を探すとそこに待望のエゾアカゲラがしがみついているではないですか.気持ちを落ち着けながら静かに慎重にシャッターを押し続けました.
平凡な毎日の中でも少しずつでも目標に向かって行動を積み重ねていれば,いつかは想いがかなうものだと思えた早朝の森での出来事でした.まあ,単なる偶然と言ってしまえばそれまでかもしれませんが,運を引き寄せるのも日頃の行い次第だと私は思っています.「運も実力のうち」とはそういうことではないでしょうか.
ここに来るのはもう3回目だったのですが,そう都合よく野鳥が飛んで来るはずもありません.リスの写真が撮れればまだいいほうで,なんにも撮れなくて近所の花でも撮って帰ろうかと思うこともあるくらいです.この日もそのポイントで待つこと30分.帰る時間が迫ってきました.「キツツキ来てくれないかな.」と思ったその時です.私の後ろの方で「コンコンコン」という音がしました.そおっと後ろを振り返り薄暗い森の中の大きな木の幹を探すとそこに待望のエゾアカゲラがしがみついているではないですか.気持ちを落ち着けながら静かに慎重にシャッターを押し続けました.
平凡な毎日の中でも少しずつでも目標に向かって行動を積み重ねていれば,いつかは想いがかなうものだと思えた早朝の森での出来事でした.まあ,単なる偶然と言ってしまえばそれまでかもしれませんが,運を引き寄せるのも日頃の行い次第だと私は思っています.「運も実力のうち」とはそういうことではないでしょうか.