思い出

2006年8月25日 私の写真集
思い出
 
 
 
 
 
 

今日は久しぶりに天気が良かった.夕焼けもきっときれいだったにちがいないが,会議があったので見ることはできなかった.

それにしても日の入りがずいぶんはやくなったものだ.夏休みに見た夕焼けが遠い思い出のように感じられる.

では,皆さま今週もご苦労様でした.週末はゆっくり休んで夏の疲れを癒しましょう.
『 -- 「子猫を殺している」坂東眞砂子さんのエッセーが波紋 --

 直木賞作家の坂東眞砂子さん(48)=仏領タヒチ島在住=が、自分の飼い猫が産んだ子猫を野良猫対策として殺している、と日本経済新聞に書いたエッセーが波紋を呼んでいる。坂東さんは避妊手術も「生まれてすぐの子猫を殺しても同じことだ」と述べているが、日経に批判や抗議が殺到している。

 エッセーは、日経新聞18日付夕刊「プロムナード」に掲載された「子猫殺し」。坂東さんは猫を3匹飼っているが、子猫が生まれると、自宅隣のがけ下に放り投げているという。「人は他の生き物に対して、避妊手術を行う権利などない。生まれた子を殺す権利もない」と主張。だが、「自分の育ててきた猫の『生』の充実を選び、社会に対する責任として子殺しを選択した」と書いた。

 日経には、23日までに約300件のメールと約60件の電話が寄せられ、「不快だ」「理解に苦しむ」などの抗議が中心だという。日経社長室は「原稿の内容は、筆者の自主性を尊重している」と説明している。』

親猫に避妊手術を行うのと,生まれた子猫を殺すのとどちらが動物愛護の点から非難されるかと言えば子猫を殺す方だというのが一般的な感覚だというだけだろう.こんなことで大騒ぎしても,むしろ作家の思うツボではないだろうか.私はどちらにしても,もともと人間の愛玩のために生存が許されている猫の悲劇は変わらないと思う.

作者はペットとして動物を飼うということに対して一石を投じることで,飼い主にいろんなことを考えてもらいたかったのではないかとも考えられる.とはいっても感情的になって動物愛護なんて言葉を唱える人たちには無駄なことだろう.読んでわかる人だけがわかればいいということかもしれない.

私はこの問題を人間に置き換えたらどうなるかと思う.人間の場合だって,生まれた子供を殺していた時代がわが国にもあった.避妊は女性が自分の意志でできることだからいいとしても,中絶手術は現在だってグレーゾーンで行われているのではないだろうか.猫と人間は同じではないと言うかも知れないが,人間の場合は,生まれればヒトになるわけだから猫よりはるかに深刻な問題であるはずである.

猫の事でこれだけ騒ぐのに,ヒトの中絶手術についてはあまり議論にならないのがどうにも納得いかないのは私だけだろうか.
『 -- 安倍氏「新しい憲法書いていく」…政権構想に盛る意向 --

 安倍官房長官は22日昼、横浜市内で開かれた自民党の再チャレンジ支援議員連盟の会合で講演し、次期政権で憲法を全面改正すべきだとの考えを示したうえ、9月の総裁選に向けた自らの政権構想に憲法の全面改正を盛り込む意向を表明した。

 安倍氏は、「21世紀にふさわしい新しい日本の創造に向け、私たちの手で新しい憲法を作っていく気持ちを持たなければならない。既に自民党は憲法草案を作っており、次のリーダーはこの新しい憲法を政治スケジュールに乗せていくリーダーシップを発揮しなければならない」と述べた。

 また、「新しい憲法を書いていく。その精神こそが新しい時代を作っていくことにつながる」とも強調した。』

国民が望んでいるのは新しい憲法による新しい時代なのだろうか.現在の憲法が完璧だとは思っていないが,戦後60年にわたる平和な日本の礎が終戦当時の反省に基づいてつくられた現憲法であることだけは確かな事実である.新憲法が平和で安定した新しい日本を作るという根拠はどこにあるのだろうか.

皮肉なことに米軍占領下で草案が練られた現憲法が,米国との軍事同盟の新しい時代のために足かせとなっているわけである.自衛隊という名の軍備の拡張を現憲法の解釈を変えながら行ってきたのがもう論理的な限界になったということなのだろう.実際問題として自衛権の解釈以外に現憲法で不都合なことがそれほどあるとは私には思えないのである.

経済的に米国に従属し,アジアにおける米国の防波堤になるべく憲法を改正したところで日本に明るい未来が訪れると考えられるほど楽天的でないのは私だけだろうか.
『 -- 育児で育つ父親の神経回路? 米プリンストン大 --

 「父性」を支える神経回路は、子育てを通じて育まれていく?――。あくまでも霊長類マーモセットの話だが、育児に直面した雄は、神経細胞の構造が変わっていくことを米プリンストン大グループが見つけ、21日付米専門誌ネイチャー・ニューロサイエンスのオンライン版で発表する。

 マーモセットは、雄が育児をすることで知られている。赤ちゃんを背負うなど積極的に育児をし、特に生後1カ月は、雄が生活の7割以上の時間を赤ちゃんと過ごす。

 グループは、育児中の雄と、そうではない雄の脳の領域を比べた。子育て中の雄は、バソプレシンという物質を受けとめるたんぱく質が増えていた。バソプレシンは、「きずな」「情愛」などとかかわりが深い信号を伝える働きがあり、例えばネズミの脳でこのたんぱく質を増やすと、1匹の雌を好み、他の雄を攻撃するようになったという報告がある。マーモセットの観察では、たんぱく質は、子の月数が少ない雄ほど多かった。

 さらに、神経細胞の細胞同士がつながる構造も、密度が高くなる変化が生じることがわかった。父と子のきずなが強まると、子育てにふさわしいきめ細かな神経回路ができていく可能性があることを示しているという。 』

たんぱく質が父性を規定しているということは遺伝的にそのようになっているということなのだろうが,人間ではおそらくそうはなっていないのだろう.遺伝子で規定されているのならもっと父親が子育てをしていてもいいような気がする.

人間の場合は大脳皮質が非常に発達したために環境の変化に対して柔軟に対応できるから,遺伝子で規定する必要がないともいえるのではないだろうか.生活環境に応じて父母のどちらもが子育てができるほうがむしろ都合がいいだろう.今ではミルクなども進歩したので母乳でなくても赤ちゃんを育てることができるから,その気になれば父親が家で子育てに専念するなんてこともできるだろう.

私は男性なのでわからないのだが,女性には育児のために生まれつき備わっている機能みたいなものはどれほどあるのだろうか.母性愛などというものは遺伝子で規定されているのだろうか.私は,どうもそうではないような気がする.母性とは,ままごと遊びをしたり,年下の兄妹の面倒をみたりという他の子供たちとのかかわりのなかで子育てのイメージトレーニングを積み重ねた結果なのではないだろうか.

最近は核家族化と少子化が進み,子供たちはテレビゲームなどのメディアで遊ぶことが多くなり他の子供との関わりが少なくなっている.こういったことが,将来の子育てつまり自分の子供との関わり方に影響を与えているということはないのだろうか.もう一歩踏み込んで考えると,生身の人間と触れ合うことが少なくなり,大脳皮質で人間関係のシミュレーションがしにくくなった結果として現実の人間関係に問題を抱える人間が増えているのではないだろうか.

人間の場合はやはり経験を大脳皮質に蓄えて思考回路を形成することがきわめて重要なのだろう.そう考えると,父性愛の形成のためには男性が子供と触れあう機会を女性並に増やさなければならないわけである.社会の一般男性が子育てに理解を示すようにするには独身男性にも小さな子供たちと触れ合う機会つくるべきで,そうすれば少子化対策にもなるのではないだろうか.

8月12日の小旅行記2に「子供や手荷物に平気で体当たりをしていく輩が増えた」と書いたが,このように他人の迷惑になるような人間はこのあたりの経験値が不足しているに違いない.こういったマナーのなっていない大人たちは保育園や小学校でボランティアでもさせて再教育したほうがいいと思うのは私だけだろうか.
『 -- 喫煙率、18府県が数値目標 厚労省も設定を再検討 有識者チームで3案用意 --

 たばこを吸う人の割合(喫煙率)をどの程度減らすかについて、国に先行して具体的な数値目標を設定している都道府県が、4月1日現在で18府県あることが18日、厚生労働省の調査で分かった。

 同省は2000年策定の長期計画「健康日本21」に、成人の喫煙率半減の目標を盛り込もうとしたが業界などの反対で見送った経緯がある。自治体を参考に今後数値目標を導入したい考えで、現在有識者による作業チームを設置。「やめたい人が全員禁煙に成功した場合」など3案を同日、公表、検討を進める。

 同省が都道府県の数値目標導入状況を調べたのは初めて。18府県のほか13都道府県は、数値を掲げずに「減少」などを目標としていた。全く設定していないのは16県だった。

 新潟県は、成人の喫煙率について、2010年までの実行計画で「男性39%、女性5%」を目標としている。2004年調査では男性43・4%、女性8・2%で、禁煙希望者のうち指導で禁煙に成功した人の割合(約2割)から目標値を算出したという。

 茨城県は、2012年までの目標を定めた「総合がん対策推進計画」で「本数を減らしたい、やめたいという人全員が禁煙に成功した場合」を仮定し、男性を03年度の53・8%から20%へ、女性は10・6%から3%にする、としている。

 一方、北海道は「男女とも全国平均以下」、福島は「半減をスローガンに大幅減少」など、具体的数値を掲げず喫煙率の目標を設定している。

 04年国民健康・栄養調査によると、日本の喫煙率は男性43・3%、女性12・0%。厚労省が有識者チームの検討を基に公表した3案は、最も高めの「男性35%以下、女性10%以下」のほか、やめたい人が全員禁煙に成功した場合を想定した「男性30%以下、女性10%以下」や、1997年の喫煙率のおよそ半分に当たる「男性25%以下、女性5%以下」がある。』

診療報酬は容赦なく下げ,健康保険の自己負担率は平気で上げる厚生労働省が,こと喫煙率の半減は業界の反対で見送るとは国民の健康を本気で考えていない証拠である.国民の健康に明らかに有害で,健康保険財政に無駄な負担を生じ,喫煙者と非喫煙者に保険料の不公平を生じる原因ともいえる喫煙を業界の圧力で放置するとは企業のために公害を放置するようなものである.

タバコがちょっと値上げになったようだが,本気で喫煙をやめさせる気があるなら少なくとも一箱1000円以上にはするべきであろう.消費税を特定財源化して社会保障費に当てるくらいなら,喫煙者からもっと税金をとって健康保険料に当てるべきである.煙草がもっと値上げされれば目標値など設定してキャンペーンをする費用などかけることもなく喫煙率は確実に減るだろう.仮に思ったほど減少しなくともその分税収は増加するわけでどちらにしても国民の健康を守り,健康保険料の負担を減らす上でも効果的であろう.

そもそも喫煙は自分の健康だけでなく受動喫煙者の健康を損なう犯罪的行為であるという自覚のない喫煙者が相変わらず多いが問題で,非喫煙者も利用する飲食店や路上や公園も含めた公共施設での喫煙は厳重に取り締まるべきである.アスベストやダイオキシンを大気中にまき散らす者がいたら犯罪になるだろうが,毒性の差こそあれそれと同様な行為を法律で規制しないとはいったいどういうことだろうか.

『たばこを吸うと、猛毒ダイオキシンが大量に体内に入った時と同じ反応が細胞内で起こる??。こんな報告を、山梨大医学工学総合研究部の北村正敬教授(分子情報伝達学)らが、米学術誌「キャンサー・リサーチ」15日号に発表する。

 ダイオキシンはヒトの体内に入ると、細胞にある受容体(カギ穴)にカギが入るように結びついて細胞を活性化させ、毒性を発揮する。国は健康に影響しない1日の摂取量を、体重1キロ当たり4ピコグラム(ピコは1兆分の1)と示している。

 北村さんらは、たばこの煙とこのダイオキシンの受容体とのかかわりに着目。市販されているたばこ1本分の煙を溶かした液体を使い、マウスの細胞の反応を調べた。国の基準の164〜656倍のダイオキシンが受容体に結びついた状態にあたる活性がみられ、タール量が多いと活性も高くなる傾向が出た。

 さらに、受容体に結合すると血中に特殊な酵素が出るように遺伝子を操作したマウスに、たばこの煙を吸わせると、24時間後に酵素の量が約5倍に増えた。

 北村さんは「たばことかかわっていると見られる発がんや妊娠異常などはダイオキシンの健康被害と似ており、同じメカニズムが関与している可能性がある」と話す。 』

またわが国では男性の喫煙率は横ばいだが,女性の喫煙率が上昇しているのも問題である.母体や胎児への影響も当然あるはずで,特に脳などの神経系でニューロンの発達異常などは直接に画像では見えないが,環境ホルモンなどのように性格異常や精神異常の原因になるだろうから少子化とともに社会的な影響が懸念される.レストランなどでも子供の前で平気で喫煙する親をみかけるが,無知とは恐ろしいものである.

厚生労働省の人たちは喫煙が健康に悪いことは当然わかっているとは思うが,過去の薬害訴訟から学んだことは何もないのであろうか.自治体が先行したので有識者による作業チームをつくり仕事をしているふりをしたところで,実効性はないだろう.彼らに国民の健康を守る気が本当にあるのだったらもうちょっとマシな仕事をしてもらいたいものだ.AIDSの蔓延をみてもわかるように保健行政の誤りによる犠牲者は戦争を上回る可能性さえあるということがきっとわかっていないのだろう.国民の命を守れない厚生労働省はやはり外務省と同じ穴のムジナである.こんな官庁のために高い税金を取られるのだから,ずいぶんと馬鹿にされているということを国民もそろそろ自覚したほうがいいと思うのは私だけだろうか.
夏の終わり
高校野球をテレビで観戦中.もちろん駒苫の優勝を期待して応援している.外は雨が止んで少し天気も良くなって来たが,風は夏の終わりを知らせているようだ.今朝はその風にのって赤とんぼが車の前をまるで先導するかのように飛んでいた.(写真は銀ヤンマ?です.クリックすると拡大されます.)

秋になってしまうのかと思うと暑かったあの日がもう懐かしい.

では,皆さま今週もご苦労様でした.夏風邪がはやっているようですが,まだまだ暑く湿度も高いので食中毒にも注意しましょう.

駒苫が勝ちました!明日の決勝が楽しみです.

それから23万ヒット達成御礼申し上げます.ペコリ
『 -- ビザなし、人道支援は予定通り実施 漁船員死亡事件 --

 北海道根室市のカニかご漁船第31吉進(きっしん)丸が北方四島海域でロシア連邦保安庁国境警備局に銃撃・拿捕(だほ)され、1人が死亡した事件で、今年度予定されている北方四島とのビザなし交流事業と人道支援事業を予定通り継続する意向を外務省が根室市に16日夜に伝えていたことがわかった。根室市は「事業を継続する状況にはない」などとして同省などに文書で中止を要請していた。

 外務省ロシア課は「ビザなし交流や人道支援はそもそも領土問題の解決に寄与するという目的から行っており有益なものだ」としている。根室市の幹部は「国の方針に従うしかないが、人命を失った地元の気持ちもくみ取ってほしい」と話している。 』

今必要なことは,速やかに遺体を遺族のもとに返してもらうことと,漁船がどこでどのように操業していたかという事実確認であろう.人命が失われたのは大変に残念なことであるが,今後のことを考えれば感情論で過剰に反応してビザなし交流や人道支援といった地域交流の機会を失うのは得策ではないだろう.

ソ連時代から貝殻島付近はだ捕や銃撃事件が起きている海域であり,最近はロシアがカニ資源の保護のために態度を変えてきていることはわかっていたはずである.今年7月にも北海道は北方領土周辺で操業する漁協に対して警告文書を配付していたようだが,根室市や漁協はどのように受け取っていたのだろうか.ロシア側から警告があったために北海道がこのような対応をしたようだが,銃撃されるという危機意識はなかったのだろうか.

最近のロシアの情勢が変化してきていることに対する危機感がなかったのだとしたら,なんとも情けない話である.大韓航空機撃墜事件というのを忘れてしまったのだろうか.もっとも,わかっていて危険を冒してまでも密漁に出たというのなら話は別である.所詮ニュースでは本当のことはわからないのだが,撃たれてから怒ったってはじまらないのである.

外務省も厚生労働省と並ぶ仕事ぶりの官庁だそうだが,せめて自国民の生命が脅かされるような事態になる前に,もっと精度の高い情報を集めて先を読んだ対応をしてもらいたいと思うのは私だけだろうか.
『 -- 「なぜ首相参拝がいけない?」 靖国に若者たち --

 終戦記念日。小泉首相の参拝で揺れた靖国神社は15日、若い世代の姿が目立った。戦争、戦死、天皇、国家、追悼、戦犯……。重い言葉を連想させる場所はこの日、いつもとは違う表情を見せた。

 午前7時45分。小泉首相が本殿で参拝をしていた時、拝殿前の参道に集まった参拝客の多くは、片手を高く上げた若者たちだった。手にしているのはカメラ付き携帯電話かデジタルカメラだ。

 「こっちにはこないの」「えー」。首相の参拝が終わると、そのまま参拝せずにきびすを返す若者も少なくなかった。

 Tシャツ、ジーンズ、キャップ、茶髪。見た目は、渋谷や新宿などにいる若者たちの姿と何も変わらない。誰とも口をきかず、1人で足早に参拝する姿も目立つ。

 「どうして首相が靖国神社に参拝してはいけないんですか」。27歳の会社員は、逆に問い返してきた。「国のために命を捨てた人を、国の指導者が追悼するのは当然じゃないですか」

 ダークスーツ、羽織袴(はおりはかま)、ジーンズ……。午前11時過ぎ、大村益次郎の銅像がある一角に、様々な服装をした若者たちが集まった。初対面らしく、自己紹介をして頭を下げている。

 「国を思い、先祖を思う。正しい方法で粛々と靖国参拝する」「参加者の史観、思想信条は問いません」。掲示板サイト「2ちゃんねる」で、前日の未明に集合場所や時間が書き込まれていた。ネット上ではなく、現実社会で集まる「オフ会」。30人を超した。

 初めて顔を合わせた若者たちが、一つの固まりになって移動する。呼びかけ人は「本日は取材はお断りしています」。

 靖国問題を巡る度重なる報道が、若者と神社を結びつけた面もある。

 仙台市の女子高生(16)は連日のニュースが気になり、夏休みの家族旅行の途中に「一度行ってみたい」と母親に頼んで靖国神社に連れてきてもらった。初の参拝は「予想以上に多くの人が来ていてなんか感激したし、戦争で死んだ人に私も追悼の声をかけてあげたいと思った」。

 靖国神社には、国のために戦って命を落とした人たちを顕彰する「遊就館」がある。先の戦争を「自存自衛のための戦い」と位置づける戦争博物館だ。東京都町田市の私立高校に通う3年男子(18)は後輩たち4人と訪れた。仲間内で憲法9条が話題になったことをきっかけに、携帯電話でメールを回してこの日の訪問を決めたという。

 初めての遊就館は、過去に訪ねた広島市の平和記念資料館とは雰囲気が違った。「ここに来て、『戦争って格好いい』って思う人がいたら怖い」

 この朝、東京都府中市の女子大生(22)は友人と午前5時に家を出て、到着殿前で小泉首相を待った。「連日、これだけマスコミで騒ぎになっているので、歴史的な瞬間に立ち会いたいと思って来ました」。参拝について言った。「終戦記念日に公式に参拝するのは、どうかと思う」

    ◇

 靖国神社からほど近い千鳥ケ淵戦没者墓苑(東京都千代田区)には、約35万人の無名戦没者の遺骨が眠る。献花が続く午前11時25分、小泉首相が姿を見せた。

 拍手と批判の声が交じるなか、元会社役員太田康一郎さん(79)は「(靖国参拝は)よくやってくれた。戦争は賛美しないが、友たちの犠牲の上に、今の平和がある。それを忘れてはいけない」と話した。

 首相がかつて足を運び、涙した鹿児島県知覧町の知覧特攻平和会館。太平洋戦争末期に戦死した特攻隊員を慰霊し、遺書などを展示する。妻ら家族10人と訪れていた佐賀市の森永俊吾さん(86)は首相に苦言を呈した。「やめてほしい。日を変えるとかした方がよかったのではないか」

 広島県呉市の大和ミュージアム(市海事歴史科学館)の入館者は昨年4月のオープン後、すでに約217万人を記録。大和の乗組員の遺書の展示もあるが、人気の的は戦艦大和の10分の1の模型だ。

 家族で大阪から見物に来た稲田雅巳さん(19)は「最後の参拝を妥協してほしくなかった」と首相を支持。一方、広島市の大学生上田裕子さん(19)は「アジアの感情を考えれば、次の首相は参拝しないで」と訴えた。

 被爆で亡くなった姉2人の冥福を祈った広島市西区の主婦(62)は「A級戦犯は原爆が使われた戦争に責任がある人々。行ってほしくなかった」という。従軍中のけがで帰還中に被爆した広島市中区の三浦実さん(86)は「本当に複雑」と言った。「靖国で会おう」と言って亡くなった戦友を思えば、首相に参拝してほしい。でも、原爆でひどい目にあわされたのは誰のせいかと考えると思いは乱れる。だからこそ、「国民や周辺国に複雑な思いがあるのに、すべて自分の『心の問題』と片づけるのはあまりに乱暴」に思えた。

 24万人余の戦没者らの名が刻まれた沖縄県糸満市の「平和の礎(いしじ)」にいた奥間功さん(72)も複雑な気持ちだった。「外国を刺激してまで行く必要があるのか。でも、戦争で命を落とした多くの人がまつられている靖国に参るのも当然だ」

 礎に伯父の名がある沖縄市の男性(63)は首相支持派だ。それでも「犠牲者と戦犯を分離する方が、首相も他の人も行きやすい」と思っている。 』

「国のために命を捨てた人を、国の指導者が追悼するのは当然じゃないですか」とは一見正論のようであるが,世の中にはいろんな考え方がある.首相が参拝することでアジアの国々の中には日本が過去の過ちを正当化しようとしていると危惧する人たちもいる.それに誰も命を捨てたわけでもないだろう.おそらく誰もが脱出できない状況で仕方なく死んだのだろうし,合祀され追悼されても死んだ人がありがたがるわけもない.そこにあるのは生き残っている者の自己満足だけである.

私は,小泉首相は目立ちたがり屋なだけだと思っているから,終戦記念日の靖国参拝はもっとも簡単に存在感を示せる最期の政治的パフォーマンスというただそれだけの行為だったのだろうと思う.反響が大きければそれだけ効果的であるというだけである.個人の心の問題と言ったそうであるが,一国の首相というにはあまりに心が小さいというべきだろう.

靖国神社や護国神社にかぎらず人類の歴史は宗教を利用した戦争の繰り返しであることを忘れるべきではない.だからこそ政教分離が憲法に書かれているはずなのだが,首相が公私混同したのをいい機会として靖国神社の国営化論まで飛び出すとは本末転倒ではないだろうか.歴史は繰り返すというが,これでは60年続いた平和もそろそろ危うくなってきたと思わざるを得ない.

イスラエルとヒズボラあるいは米英とアルカイダの対立も宗教に名を借りた戦争である.民衆を戦争に巻き込むにはこれほどわかりやすい理由はない.先日のニュースでヨルダンの避難民がヒズボラを賞賛している声が流れていた.きっと自分にはイスラエルの爆弾が当たらないとでも思っているのだろう.自分の命は一つで人生のやり直しはきかないということを忘れていないだろうか.

なぜ神や宗教が人間に必要なのかを言い出せばいろんな理由があるだろうが,神の存在というものは所詮は人間の心の中,言い換えれば大脳皮質の中だけのものである.そういう意味では人間の脳の中に構築された仮想世界の中の存在に違いないのだが,神が存在すると信じてしまうと現実には存在しないということも人間の脳には検証不能になるものらしい.

かくして宗教戦争というものは存在しない神のために戦うという不条理なものとなるのだが,靖国で会おうなどというのも信じるかどうかは別にしても現実の世界では無意味なことである.死んでしまえばその人間の脳は活動を停止するわけだから仮想世界の神も消滅してしまい死後の世界など存在しないだろう.

合祀問題にしても戦場で戦闘のために亡くなった人だけでなく戦争裁判で有罪になった人たちまで神格化するなどというルールの変更を行った人間がいるからこそ問題になるのであり,それを分祀するだのできないだの言ったところでもともと人間が勝手に創造した神であればどちらでもいいことなのではないだろうか.

そういう意味では日本人の宗教観に同調してアジアの国々が靖国神社について非難するのもあまり意味がないことだろう.古来より日本では現人神であった天皇が参拝しない靖国神社を神社と呼ぶことさえ私は疑問なのである.靖国神社も護国神社もいわば戦争のために当時の政府により創られたもともと国営の疑似宗教施設である.そんなところに参拝して平和を祈るなんてこと自体ナンセンスなような気がするのは私だけであろうか.
芝生にSSコロンビア号?
 久々に朝の散歩に出てみたらサッポロビールのビアガーデンのあったところにSSコロンビア号が出現していた.Disney Seaにある方はまったく揺れないので船の形をしたビルディングという感じであるが,こちらの方は大きな風船みたいにも見える.

 一体どんなイベントなのかにはあまり興味がないが,もう終わってしまった今年の夏休みの残照として1枚撮ってみた.

小旅行記2

2006年8月12日 その他
結果的に毎年通っているので,この国内最大級のアミューズメントパークについて私が気がついたちょっとした変化を書いておこう.

まずホテルについてである.ここ3年は直営Mなのだが,予約するのが遅くて今回は直営Aになったのだが,サービスカウンターとベルキャプテンの連携が悪かったりアメニティグッズなどの補充がケチくさいのが気になるほど全体にサービスの質が昨年まで利用したMより少し落ちる感じがした.もっとはっきり言うと若い従業員の中に質の悪いのがちょっと混じっている感じ.これがMとAの差なのか,それとも最近の傾向なのだろうか.

もうひとつ気になったのが警備体制.英国でのテロ未遂の報道があった朝から手荷物チェックが2度になったのだが,相変わらずカバンの一番大きい開口部を開けさせちょっと覗く程度.私なんか最終日でPCを持ち歩いていたのにノーチェックで通過できてしまったのだが,こんな警備でいいのだろうか.もっともアラブ系の人だけチェックするわけにもいかないのだろうが.

利用客のことで気になったのは,子供や手荷物に平気で体当たりをしていく輩が増えたことである.それが変なおじさんやおばさんだけなら以前と変わらないのだが,割と若く見える女性や老人に多くなった.本当に若い人や今回目立った中国系外国人にはそういうことをする人は皆無だった.日本は経済的な格差だけでなく精神的な格差も広がったようである.

アトラクションやショーも3年前と比べてまったく変わってないものが多く,それはそれで頑張って見て廻る必要がなくて以前よりスケジュールに余裕ができたが,わざわざ来るにはちょっと物足りない感じもした今回一番見応えがあったのは期間限定のミュージカルだった.今回も感じたことだが,食事についてはやっぱり最低で,食事そのものの質もそうだが,割と料金の高いレストランでのサービスの悪さには辟易した.ショーの時間なども考えてもう少し時間に無駄を生じないサービスをして欲しいものである.

こうやって書いてみると営業コストの低下と従業員の質の低下がリンクして以前よりサービスの質が低下していることがうかがわれる.もちろん利用客の質の低下もサービス業としては問題である.ところで,このパターンは今の医療業界にもそのまま当てはまるような気がするのだが,リゾートに行ってまでこんなことを考えているのは私だけだろうか.
夏休みということでちょっとした国内旅行に行ってきました.子供が夏風邪にかかったのか38.7℃の発熱と吐き気で食事が摂れなくなり仕方なく点滴してもらうため病院にかかることにしました.

前日の夕方から熱が出て,翌日の午前中は様子をみたので午後に受診しようと思ってホテルのサービスカウンターに電話したら,タクシーで30分ほどの開業小児科医はどこも午後は3時からの外来診療でした.それで,これまた仕方なく午後1時30分から外来があるというホテルからタクシーで10分の某有名大学の付属病院に行ましたが,これが古典的な大学病院だったので驚きました.

まず,新患受付の若い女性の新規カルテづくりが遅いのです.大きな病院の新患受付なのに働いているのは新人らしい彼女一人だけなので次々と電話や人がきて作業が中断するのです.まわりのベテランと思われる女性たちは決して自分の仕事の手を休めません.こんな調子でカルテが出来るまでに保険証を渡してから15分ほど待たされました.

次に小児科受付にカルテを出しましたが,待ち時間がどれほどあるのかわかりません.専門外来は進んでいるようですが,一般外来の患者らしき人はほとんどいないようなのに1時間経っても呼ばれません.結局,12時30分に病院に来て診察室に入ったのは14時45分でした.実際に一般外来がいつ始まったのかは私にはわかりませんでした.

小児科医は代診とありましたので,きっと大学院生の男性医師か何かだったのでしょう.接遇という言葉も知らなさそうなぶっきらぼうな態度で診断はウィルス性胃腸炎でした.おまけとして子供の具合が悪いなら明日にでも帰宅したほうが良いというありがたいお言葉をいただき妻が検討してみますと言うと,吐き気止めの坐薬と点滴をしていただけるということでした.ちょっと癪にさわったので私はナウゼリン坐薬とアンヒバ坐薬は多めに欲しいと言ったのですが,彼はアンヒバ100mg1回2本と処方箋に書いてくれましたのでどうしたものか困りました.病院前の多くの院外処方薬局には200mgのアンヒバの在庫がないのでしょうか.

帰ろうにも飛行機は満席だろうし,体調不良の子供を抱えて空港でキャンセル待ちなどできないなと思い妻に話すと,ばかな母親に見えたのかしらねと笑っていました.妻は,最初から帰る気などなく相槌を打っただけのようでようでしたが,ひょっとしたら余計な一言で私以上にカチンときたのは妻の方ではと思うとちょっと背筋が寒くなりました.まあ,大学院生が急に外来の手伝いをやらされたのならやる気がないのもわかりますが...

当然のことながら紹介状など持ってないので2000円を余分にとられ,5時30分頃にホテルにもどりました.見知らぬ土地で有名大学付属病院の小児科にかかり色々勉強になりましたが,ホテルの人が大学病院は待たされますよと2回も言っていたのはこういうことかと部屋にもどってから思いました.

幸いにも子供はヴィーンD500ml1本を点滴されただけで元気になり,ナウゼリン坐薬で吐き気も止まって夕食も摂れるようになりました.ただ,右手背に皮下出血ができました.聞くところによると点滴してくれた研修医らしき女医さんが1回目は失敗したようです.でも,子供は誰でも失敗することはあるからいいんだと言っていました.点滴してくれた先生には感謝していたようで私も嬉しく思いました.

国内最大級のテーマパークですから子供が病気になることも多いだろうにたくさんのホテル群の中に内科の診療所もないのがよく考えると不思議でした.テーマパークの中に診療所でもあったら便利だろうし,もし内科医か小児科医だったらテーマパークの診療所ならちょっとやってみたいなと思うのは私だけでしょうか.
いつかはハワイで散歩写真
夏休みといえばハワイにいく人も多いのだろうが,私はもう何年も行っていない.毎年,候補にあがるのだが何かの理由で却下されてしまうのだ.今年も他に予定が入って日程的に厳しくなったのと,子供の希望優先でやはり却下となった.

行っても特に何かをしたいというわけでもないのだが,なかなか行けないとなると南の島というのは行きたくなるものだ.せめてコダクロームがまだ残っているうちにハワイで散歩写真を撮りたいものだ.

では,皆さま今週もご苦労様でした.天気が良くて気温が上がると熱射病や脱水による脳梗塞のリスクが高まります.週末はスケジュールに余裕を持ち水分補給などに気をつけて安全に休日を楽しんでください.
『 -- 新たな不正、16万件以上判明=あの手この手でずさん処理−社保庁 --

 社会保険庁は3日、国民年金保険料の不正免除のほかに、納付率を引き上げる目的で長期未納者を行方不明扱いにする「不在者登録処理」など、新たな不正事案が16万件以上あることを明らかにした。国民年金法の定める理由に当てはまらないケースでも資格喪失の処理を行うなど、ずさんな処理の「あの手この手」が浮き彫りになった。
 不在者登録処理は、連絡が取れない長期未納者や外国人の未納者を不正に行方不明とみなし、「不在扱い」とするやり方で、30県(132事務所、10万4777件)で行われており、うち埼玉、三重、高知では事務局長が承知していたという。』

真相を徹底的に究明して,関係職員全員を懲戒免職にし,社会保険庁を解体しても余分な税金は払いたくないと思うのは私だけだろうか.
『 -- 医療費 --    

 病気やけがの治療で医療機関に支払われた医療費の総額は、国民医療費と呼ばれ、患者負担も含む。2003年度は31兆5000億円で過去最高。内訳は保険料が50%、国と地方自治体が34%、患者負担は16%。経済協力開発機構(OECD)によると、各国で医療費の定義に差があるものの、GDPに占める医療費の割合(03年)は、日本は8・0%。先進7カ国の中で一番高いのは米国で15・2%。ドイツ(10・9%)、フランス(10・4%)なども高い。日本は英国(7・9%)と並んで低い水準。』

皆保険制度と現在の医療水準を維持したいならせめて医療費のGDPに占める比率は10%と法律で定めてもらいたいと思うのは私だけだろうか.
それとも2007年問題もあるから医療費を下げて医療水準を下げれば一石二鳥とでも考えているのだろうか.
『 -- 埼玉プール事故、管理会社など捜索へ --

 埼玉県ふじみ野市の市営プールで、同県所沢市の市立小手指小2年戸丸瑛梨香さん(7)が死亡した事故で、埼玉県警は、ふじみ野市や市が管理運営業務を委託していた会社など数カ所を、近く業務上過失致死容疑で強制捜査する方針を固めた。

 捜査当局は、プールを管理する市教委や、管理運営の委託契約を結んでいた「太陽管財」(さいたま市北区)、同社と下請け契約を結び、実際に管理運営業務をしていた「京明プランニング」(同市見沼区)を捜索するとみられる。

 調べでは、瑛梨香さんは7月31日午後1時40分ごろ、流水プールの側面の吸水口をふさぐさくが外れていたため、吸い込まれて死亡した。県警は外れたさくが針金で留められていたうえ、アルバイト監視員が吸水口の危険性を認識していなかったことなどが事故につながったとみて、立件を目指す方針だ。

 一方、市職員がプールの点検、確認業務をしていたにもかかわらず、流水プールのさくにボルトがなかったり、針金で留めたりしていたことを見逃していたことが分かった。市の池本敏雄教育次長は2日、「申し訳ない」と述べた。県警は市の管理に問題がなかったかどうかも調べる。

 市教委によると、今季のプール開園前の7月5、7日、管理業者が水を抜いて、ポンプやプール側面を清掃・点検した。市の報告書には清掃したのは「太陽管財」と書かれているが、業務を事実上丸投げされていた「京明プランニング」の可能性もあるという。

 清掃には市職員も立ち会ったが、プールの床面に降りて、点検することはなかった。プールサイドからの点検では、さくにボルトがなかったり、針金で留めたりしていたことは分からなかったという。

 プールが開園した同15日以降も、市職員は2日に1度、プールを訪れていたが、管理業務が適切かどうかを、管理責任者に聞いたり、ざっと見回ったりしただけで、細かくチェックすることはなかったという。

 市の入札記録によると、太陽管財は01年以降、6年連続で委託契約を結んでいた。同社の斉藤敏雄社長は1日の記者会見で、「ここ5、6年は協力会社に任せていた」と話しており、市や県警はいつから京明社に丸投げしていたかなどを調べている。 』

この事故に関わった大人たちには子供がいないのだろうか.もしいたとしてもきっと仕事が忙しくて子供とプールに行くことなんかない人たちに違いない.そして,そのずさんな仕事の結果がこの事故である.子供がいるならどこがいけないのか自分の子供たちに教えてもらうのがいいだろう.

それにしても六本木ヒルズの事故とよく似ていると思うのは私だけだろうか.
この2年間はいったいなんだったのだろうか.
http://diarynote.jp/d/41284/20040403.html
カルガモの雛も野生動物だった
朝の散歩で行った公園にカルガモの親子がいた.4羽の雛鳥が餌を採っているのか水辺の泥や草の根をつつきながら横に広がり移動していた.親鳥はその後方から餌を採るでもなくただ雛を見守り,辺りを警戒しているようだった.

水辺の石の上にみみずがどこからか出てきたと思ったら,1羽の雛鳥が一瞬の動作でそれを飲み込んだ.かわいいというイメージだったカルガモだが,その瞬間に鳥類が恐竜の末裔であることを思い出した.
『 -- <家庭教育>日本の父が子供と一緒の時間は6カ国中5番目 --

 日本の父親が平日に子どもと過ごす平均時間は3.1時間で、タイや米国など6カ国のうち韓国に次いで低いことが、国立女性教育会館の実施した「家庭教育に関する国際比較調査」で分かった。母親は7.6時間と6カ国中最長で、子どもとの接触時間の父母の差は4.5時間で最大。食事の世話をする父親の割合も10.1%で各国中最も低く、家事や育児が母親に偏りがちな傾向が鮮明に浮かんだ。
 調査は12歳以下の子どもと同居する日本、韓国、タイ、米国、フランス、スウェーデン各国の親約1000人ずつを対象に昨年3〜6月に面接して行った。
 日本女性学習財団がほぼ同じ内容について94年に実施した調査(フランスの代わりに英国が対象)では、日本の父親が平日に子どもと過ごす時間は3.3時間で6カ国中最低で、今回さらに0.2時間減った。韓国が今回2.8時間だったため最下位は免れたが、5.9時間と最も長いタイのほぼ半分程度だ。
 94年に比べ、「子どもと接する時間が短い」と悩む父親は27.6%から41.3%に増えており、同会館は「子どもにもっと接したいのにできないという意識の表れ」と受け止めている。
 また、子どもを狙った犯罪の続発や生活苦を反映してか、子育ての悩みや問題点として「子どもの身の安全」を挙げる親が33.8%から46.9%に増加。経済的援助を求める親も31.0%から48.5%に増えた。
 しつけの面では5歳で「行儀よく食事ができる」割合が日本69.3%、韓国70.8%で、9割前後の他の4カ国に及ばなかった。「日常のあいさつができる」割合も日本は83.0%で最も低かった。15歳で「マナーを守ることができる」も9割台の各国に比べ日本は85.8%と最も低く、同会館は「全体的にしつけの達成度や子どもの自立が低い傾向が見られる」と分析している。』

「子供を見れば親がわかる」と言いますが,しつけやマナーの達成度がわが国が最低ということは親もおそらく同じだということでしょう.敗戦でわが国が失ったのは日本人の心であると誰かが言っていましたが,まさしくそれを裏付けるデータなのでしょう.

このデータで日本の子育ての実態が明らかですが,子育てを母親に依存しているようではやはり少子化問題は解決されないでしょう,少子化対策をわずかばかりの補助金で解決しようというのも知恵がなさすぎます.補助金目当てに子供を生んで放置するような親が増えたらどうするのでしょうか.問題は,母親が安心して子供を預けて働けたり,夫婦で子育するゆとりを持って働ける環境なんだと思います.

しかし,少子化対策と労働環境改善といえば厚生労働省なんでしょうけど,やっぱりここがちゃんと仕事してないのが問題なのではないでしょうか.戦後の経済復興優先は必要だったのかもしれないけれど,物だけ増えてもぜんぜん暮らしが豊かになった気がしないのは私だけでしょうか.

自然が破壊され,人の心が失われ,国民の借金が増え続ける国のどこが先進国なんでしょうか.このデータは「子供をみれば国の豊かさがわかる」ということを示しているのでしょう.少子化問題も数の側面だけでなく質も論じるべきだと思います.そういう考え方をしないかぎり犯罪や事故など子供をめぐる悲惨な事件が絶えることはないと思います.
『 -- 医療ミス:枚方市民病院のミスを認定 1億5900万円賠償命令 --

 くも膜下出血で左の手足に重い運動障害を負った大阪府枚方市の男性(32)が、医療ミスが原因だとして、枚方市民病院を運営する同市に2億1343万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、大阪地裁であった。角隆博裁判長は「髄膜炎と診断し、くも膜下出血を見落とした」と担当医の過失を認め、同市に1億5908万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は02年1月19日、頭痛や発熱などを訴えて同病院を受診。担当の内科医が髄膜炎と診て治療した結果、いったん症状が改善し、2月2日に退院した。ところが、男性は同9日、自宅で意識をなくし、脳動脈瘤(りゅう)が再破裂したことによる重いくも膜下出血と分かった。』

くも膜下出血の見落としというのは出血量が少なくて,強い頭痛の訴えもないような場合には起こり易いのだろう.このケースでは頭痛と発熱があったので髄膜炎を疑い髄液検査もやっていたようで,その結果を誤診した可能性を裁判では指摘されているようだ.脳神経外科の専門医であれば少しでも脳動脈瘤破裂が疑われるような状況であればまず見落とさないだろうから,この内科医にはかわいそうだが控訴しても勝ち目はないだろう.

それにしても1億5900万円とは死亡事故なみの額であるが,日本脳神経外科学会の医師賠償責任保険は1事故1億円までである.最近の医療事故の賠償金は1億2000万〜1億5000万円となってきているのだから保険金も1事故2億円にしてもらいたいものだ.自動車事故の対人損害賠償だって2億円になっているくらいだから保険料が倍になってもそろそろ増額してもらいたいと思うのは私だけだろうか.
遅れてやってきた夏
やっと梅雨明け宣言が出ましたが,この週末は気温も上がり夏らしい天気になってきました.このまま夏らしい日が続いてくれると夏休み気分も盛り上がるのでしょうがどうなることでしょうか.遅れて来た今年の夏は,8月末まで気温の高い日が続くらしいのですが,夏休みが長くなるわけもないので,子供の夏休みが終わったら早く涼しくなって欲しいなどと勝手なことを考えています.
『 -- 靖国「遊就館」の戦犯遺書、旧厚生省が収集依頼 --

 靖国神社にある戦争博物館「遊就館」の展示品収集にからみ、旧厚生省が61年6月、都道府県に対し、BC級戦犯として死亡した人の遺書や顔写真などを出品するよう遺族へのあっせんを依頼していたことが29日、朝日新聞社が入手した同省の文書でわかった。戦後に廃止された遊就館が61年4月に「宝物遺品館」として一部復活した時期に、靖国神社からの要望を受けて対応していた。一宗教法人への国の便宜供与の一端が浮かび上がった。

 この文書は、厚生省援護局復員課が都道府県の担当課あてに出した61年6月27日付通知「復員第1051号」。「戦争裁判関係死没者の遺書等を靖国神社宝物遺品館に陳列するため出品のあっせんについて(依頼)」との表題がついている。戦争裁判関係死没者とは、連合国の戦争裁判で捕虜虐待など「通例の戦争犯罪」に問われたBC級戦犯を指すとみられる。

 巣鴨刑務所に収容されたBC級戦犯については、58年12月に全員が刑期満了となった。翌59年、靖国神社は処刑されるなどしたBC級戦犯計825人を合祀(ごうし)。遊就館には「祭神」となった戦没者の遺書が収集されており、神社側が合祀を終えたBC級戦犯の遺書を集めるために国に依頼した可能性がある。

 通知は、管内に居住する遺族に出品依頼の趣旨を伝え、出品希望者がいた場合には都道府県を通じて、または直接神社に送るよう指示している。

 通知に付けられた「出品要領」は、遺書について(1)亡くなる直前に直筆で書かれたもの(2)内容は父母や妻子にあてたものか、裁判内容について訴えたもの??と内容を限定。なるべく死亡時に近い本人の写真1枚を付けるよう指定した。これ以外は「靖国神社と協議のうえ決定する」とした。

 遊就館は1882年2月に開館。陸軍省管轄の国立の軍事博物館だったが、敗戦で閉鎖され、46年末に施設や陳列品は靖国神社の管理下に置かれた。61年4月の春の例大祭から宝物遺品館として一部復活し、一般公開を開始。86年7月に正式に再開し、02年7月、創立130年記念事業の一環で新館を増設して展示を改めた。戦没者の遺品や歴史資料、古今の武器類など収蔵品は約10万点に及ぶという。

 最近の展示の特徴は、太平洋戦争を「大東亜戦争」と呼び、戦争の性格を「自衛のための戦争」と位置づけていることにある。』

 昭和天皇が合祀に反対していたのに,靖国神社が戦争犯罪者を奉るのは何故なのだろうか.しかも,太平洋戦争を「大東亜戦争」と呼び、戦争の性格を「自衛のための戦争」として展示を行うとなるとますます意味がわからない.信教と思想の自由は認めてもよいが,こうなってくると靖国神社は神道の宗教団体ではなく戦争を肯定する政治思想を持つ団体ということになるのではないだろうか.もしそうなら宗教を隠れ蓑にするようなことはやめるべきだろう.

 旧厚生省については毎度のことであるが,自分達の立場がわかっていないとしか言いようがない.これが,今の厚生労働省の前身なのだから,後は推して知るべしであろう.ライ病,公害病,薬害肝炎,薬害エイズ,年金破綻,保健医療破綻,一連の不祥事は旧厚生労働省からの省庁としての自覚の無さからきた体質的なものということだろう.やることがスキだらけで,責任感のかけらもないということが明らかだ,

 靖国神社にしても厚生労働省にしても社会的な影響力についての自覚があれば,わざわざ墓穴を掘るようなまねはしないのだろうが,いったい何を考えているのか私には理解できない.天皇家が参拝しない神社や政教分離に反する省庁っていったい何なのであろうか.もっとも,それを是とする総理大臣やその総理大臣を支持する国民がいるということが根本的な問題と言えるのかも知れないが...

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