この先,どうなることやら
2008年12月19日 医療の問題 コメント (1)『臨床研修1年に短縮を提示 2010年度の導入目指す 医師不足で厚労、文科両省
医師不足の一因とも指摘されている医師の臨床研修制度について、厚生労働省と文部科学省は18日までに、現行2年の研修期間を実質1年に短縮するなど現場で働く医師を確保する見直し案をまとめ、厚労・文科合同の専門家検討会に提示した。検討会はこうした方向で議論し、年度内にも結論を出す。早ければ2010年度からの導入を目指す。
現行では、医師免許取得後2年間で7つの診療科の研修が必須だが、見直し案では、1年で内科や救急などの基本となる診療科の研修を終了、後半1年は将来専門とする診療科に特化させ、現場で診療も担わせる。
また、診療科ごとの偏在を招かないよう、小児科や産科など医師不足が著しい科でも一定の研修医を確保できるよう対応を検討する。地域偏在解消については、募集定員に地域ごとの上限を設けたり、地域医療の研修を一定期間必須にすることを盛り込んだ。
現行の臨床研修制度は04年度に導入。それまで出身大学での研修が通例だったが、導入後は研修先を選べるようになったため、症例の多い都市部の民間病院に希望が集中。研修医を確保しにくくなった大学病院が、派遣していた医師を地方の自治体病院から引き揚げる動きが相次ぎ、地方の医師不足の要因とされた。』
要するに現場の人手不足を臨床研修を短縮して1年分繰り上げた研修医で補おうということなのだろうか.もしそうだとしても効果は1年分しか無いし,臨床研修を終えた新人医師が地域医療に向かうとも思えない.
どこかのアンケートで医学部6年生の7割が「7割,条件が合えば勤務OK」なんて言ったそうだが,研修医になって就職活動をしてみれば条件が合う僻地なんてほとんど皆無だという現実に気づくに違いないのだ.
少なくとも先進国では最低レベルの医療費で最低の労働環境で働いている勤務医の環境を変える事なく,研修制度を机上で書き換えたところで現実が変わる事なんてあり得ないと思うのだがどうだろうか.苦しんでいる患者さんを助けたくない医師はいないと思うが,研修を終えたばかりで大した実力もないのに僻地へ行ったところで下手をすると患者や家族に罵倒されるのがオチというのが現実ではないだろうか.
自治体病院協議会会長が医師の地方勤務義務付けが必要とか発言して,協議会は既に自民党にこの考えを要望しているそうだが,こんなことができると考える事自体に自治体病院の体質的な問題点が透けて見えるのは私だけだろうか.医師は地方の政治家や自治体病院長が住民を喜ばすための道具ではないのだ.医師に来て欲しいのなら,まずこういう他人まかせの甘えた考え方を排して医師が気持ちよく働けるように自治体病院の改革を進めるべきだろう.
卒後研修を大学の医局以外で受けた研修医の就職先がどのようになるのか興味はあるが,少なくとも脳神経外科に人気がでることなんてないだろうから研修制度がどうなったところで仕事にはほとんど影響はないことだろう.こんなに簡単に研修制度が変わるようだと,これから医師を目指す人たちにとっては先がますます不透明になって大変だろうが,現場の医師にとってもそれは同じ事で毎度のことだが厚生労働省のやり方をただ首を傾げて見ていることしかできないのである.
医師不足の一因とも指摘されている医師の臨床研修制度について、厚生労働省と文部科学省は18日までに、現行2年の研修期間を実質1年に短縮するなど現場で働く医師を確保する見直し案をまとめ、厚労・文科合同の専門家検討会に提示した。検討会はこうした方向で議論し、年度内にも結論を出す。早ければ2010年度からの導入を目指す。
現行では、医師免許取得後2年間で7つの診療科の研修が必須だが、見直し案では、1年で内科や救急などの基本となる診療科の研修を終了、後半1年は将来専門とする診療科に特化させ、現場で診療も担わせる。
また、診療科ごとの偏在を招かないよう、小児科や産科など医師不足が著しい科でも一定の研修医を確保できるよう対応を検討する。地域偏在解消については、募集定員に地域ごとの上限を設けたり、地域医療の研修を一定期間必須にすることを盛り込んだ。
現行の臨床研修制度は04年度に導入。それまで出身大学での研修が通例だったが、導入後は研修先を選べるようになったため、症例の多い都市部の民間病院に希望が集中。研修医を確保しにくくなった大学病院が、派遣していた医師を地方の自治体病院から引き揚げる動きが相次ぎ、地方の医師不足の要因とされた。』
要するに現場の人手不足を臨床研修を短縮して1年分繰り上げた研修医で補おうということなのだろうか.もしそうだとしても効果は1年分しか無いし,臨床研修を終えた新人医師が地域医療に向かうとも思えない.
どこかのアンケートで医学部6年生の7割が「7割,条件が合えば勤務OK」なんて言ったそうだが,研修医になって就職活動をしてみれば条件が合う僻地なんてほとんど皆無だという現実に気づくに違いないのだ.
少なくとも先進国では最低レベルの医療費で最低の労働環境で働いている勤務医の環境を変える事なく,研修制度を机上で書き換えたところで現実が変わる事なんてあり得ないと思うのだがどうだろうか.苦しんでいる患者さんを助けたくない医師はいないと思うが,研修を終えたばかりで大した実力もないのに僻地へ行ったところで下手をすると患者や家族に罵倒されるのがオチというのが現実ではないだろうか.
自治体病院協議会会長が医師の地方勤務義務付けが必要とか発言して,協議会は既に自民党にこの考えを要望しているそうだが,こんなことができると考える事自体に自治体病院の体質的な問題点が透けて見えるのは私だけだろうか.医師は地方の政治家や自治体病院長が住民を喜ばすための道具ではないのだ.医師に来て欲しいのなら,まずこういう他人まかせの甘えた考え方を排して医師が気持ちよく働けるように自治体病院の改革を進めるべきだろう.
卒後研修を大学の医局以外で受けた研修医の就職先がどのようになるのか興味はあるが,少なくとも脳神経外科に人気がでることなんてないだろうから研修制度がどうなったところで仕事にはほとんど影響はないことだろう.こんなに簡単に研修制度が変わるようだと,これから医師を目指す人たちにとっては先がますます不透明になって大変だろうが,現場の医師にとってもそれは同じ事で毎度のことだが厚生労働省のやり方をただ首を傾げて見ていることしかできないのである.
ニコンからD3Xという2450万画素のデジカメが19日に発売になるようだ.そのニュースがネット配信された時は,ちょうど,先日SWCで撮ったネガをスキャンしている最中だった.
化学反応で出来た物質の濃度をAD変換してPCに取り込んだものを写真と呼べるかどうかは別として,スキャンすることによって画像の加工が簡単になり,自分の好みに仕上げて手持ちのプリンターで印刷できるのは便利である.
デジカメの場合は,受光素子によって光を電気信号に変えた後にAD変換しメモリーに蓄えたものをPCに転送するのだから同じようなものだが,その過程に一切の物質が介在しない点がフィルムを使う写真とは異なっている.
最近,注目しているのは各フィルムの発色のバランスと,中版フィルムの解像感などである.さらに中版カメラのレンズを開放絞り付近で使ったときのボケ具合にも魅かれている.規則的に配列したデジカメの撮像素子の映像とは異なる銀塩独特の発色や粒状感というものに癒されると言えばわかりやすいだろうか.
フィルムをスキャンするのは時間がかかる作業で生産性は低いし,フィルム代や現像代もかかるので万人向けではないが,写真1枚1枚を拡大して隅々まで丁寧にみる習慣をつけるにはいい方法ではないだろうか.連射もできないので撮影枚数も少ないから,撮影時によく考えて撮るようになるのもいい写真を撮るために役立つのではないだろうか.
D3の2倍程の画素数を持つD3Xにも決して興味がないわけではないが,価格は別にしても今回はすぐにでも欲しいと思わなかった.今は大きなサイズの中版カメラやレンズの中古の方に興味があるのでネット通販で物色していたら,数年前に欲しかったカメラとその交換レンズが格安で出ているのを見つけてしまった.何気に探していたらずっと前に欲しかったカメラが目の前に現れるといういつものパターンだ.
もうこれで最後と言いながら,フィルムカメラをまた増やしてしまった理由を長々と書いてしまったが,この調子だとまだこれからも運命の出会いが続きそうな気がする.
化学反応で出来た物質の濃度をAD変換してPCに取り込んだものを写真と呼べるかどうかは別として,スキャンすることによって画像の加工が簡単になり,自分の好みに仕上げて手持ちのプリンターで印刷できるのは便利である.
デジカメの場合は,受光素子によって光を電気信号に変えた後にAD変換しメモリーに蓄えたものをPCに転送するのだから同じようなものだが,その過程に一切の物質が介在しない点がフィルムを使う写真とは異なっている.
最近,注目しているのは各フィルムの発色のバランスと,中版フィルムの解像感などである.さらに中版カメラのレンズを開放絞り付近で使ったときのボケ具合にも魅かれている.規則的に配列したデジカメの撮像素子の映像とは異なる銀塩独特の発色や粒状感というものに癒されると言えばわかりやすいだろうか.
フィルムをスキャンするのは時間がかかる作業で生産性は低いし,フィルム代や現像代もかかるので万人向けではないが,写真1枚1枚を拡大して隅々まで丁寧にみる習慣をつけるにはいい方法ではないだろうか.連射もできないので撮影枚数も少ないから,撮影時によく考えて撮るようになるのもいい写真を撮るために役立つのではないだろうか.
D3の2倍程の画素数を持つD3Xにも決して興味がないわけではないが,価格は別にしても今回はすぐにでも欲しいと思わなかった.今は大きなサイズの中版カメラやレンズの中古の方に興味があるのでネット通販で物色していたら,数年前に欲しかったカメラとその交換レンズが格安で出ているのを見つけてしまった.何気に探していたらずっと前に欲しかったカメラが目の前に現れるといういつものパターンだ.
もうこれで最後と言いながら,フィルムカメラをまた増やしてしまった理由を長々と書いてしまったが,この調子だとまだこれからも運命の出会いが続きそうな気がする.
現場から追放すればいいのね.
2008年12月5日 社会の問題 コメント (1)『河村官房長官:小中学校での携帯電話、「全面禁止構わない」
河村建夫官房長官は4日の記者会見で、大阪府教委が小・中学校の児童・生徒が学校に携帯電話を持ち込むことを原則禁止したことに関連して「全面禁止して構わないと思う」と述べ、全国でも持ち込み禁止にすべきだとの考えを示した。河村氏は「安全、安心の問題は、別の方法で考えられるのではないか」と指摘した。』
『鳩山総務相:大阪府教委の携帯禁止で「教育現場からの追放正しい」
鳩山邦夫総務相は5日の閣議後会見で、大阪府教委が小・中学校の児童・生徒の学校への携帯電話持ち込みを原則禁止したことについて「教育現場から携帯電話を追放するというのは実に正しい。遅きに失したと言ってもよい」と支持した。総務相は、携帯電話事業を所管している。鳩山氏は「メール人間は会話能力がおかしくなる」と理由を説明した。
文科相も「歓迎」
一方、塩谷立文部科学相も5日の閣議後会見で「個人的には歓迎したい」と述べた。文科省は今年7月、各学校や教委に携帯電話の取り扱いに関するルールを明確化するよう通知しているが、塩谷文科相は「各教委の判断も早急に調べ、国の方向性を明確にしていく」とした。』
「教育現場から追放」するのではなくて,携帯電話を使うマナーやメールやネットのルールや危険性なんかもちゃんと教えるのが教育ではないだろうか.教科書の勉強も大事だろうが,まず社会の常識やルールというものをきちんと教育してもらえないだろうか.
所構わず我が物顔で携帯を使う大人を減らすには小児期の教育が大切だろうし,携帯を長時間使用して成績が下がっている子供の親にマナーを教えることを期待するのは無理だろう.携帯電話を学校から追放すれば教師にとっては面倒が少なくなるのだろうが,学校で禁止したところで使用時間が減って成績が上がるというものでもないだろう.
そういえば,国会でも携帯でワンセグやメールをみている議員もいたようだし,漢字もろくに読めない会話能力のおかしい首相もいるようだから,どうせなら「国会から携帯電話を追放する」というのもいいのではないだろうか.でも,その前に総選挙で「国民の判断も早急に調べ、国の方向性を明確にしていく」必要があるかもしれない.
河村建夫官房長官は4日の記者会見で、大阪府教委が小・中学校の児童・生徒が学校に携帯電話を持ち込むことを原則禁止したことに関連して「全面禁止して構わないと思う」と述べ、全国でも持ち込み禁止にすべきだとの考えを示した。河村氏は「安全、安心の問題は、別の方法で考えられるのではないか」と指摘した。』
『鳩山総務相:大阪府教委の携帯禁止で「教育現場からの追放正しい」
鳩山邦夫総務相は5日の閣議後会見で、大阪府教委が小・中学校の児童・生徒の学校への携帯電話持ち込みを原則禁止したことについて「教育現場から携帯電話を追放するというのは実に正しい。遅きに失したと言ってもよい」と支持した。総務相は、携帯電話事業を所管している。鳩山氏は「メール人間は会話能力がおかしくなる」と理由を説明した。
文科相も「歓迎」
一方、塩谷立文部科学相も5日の閣議後会見で「個人的には歓迎したい」と述べた。文科省は今年7月、各学校や教委に携帯電話の取り扱いに関するルールを明確化するよう通知しているが、塩谷文科相は「各教委の判断も早急に調べ、国の方向性を明確にしていく」とした。』
「教育現場から追放」するのではなくて,携帯電話を使うマナーやメールやネットのルールや危険性なんかもちゃんと教えるのが教育ではないだろうか.教科書の勉強も大事だろうが,まず社会の常識やルールというものをきちんと教育してもらえないだろうか.
所構わず我が物顔で携帯を使う大人を減らすには小児期の教育が大切だろうし,携帯を長時間使用して成績が下がっている子供の親にマナーを教えることを期待するのは無理だろう.携帯電話を学校から追放すれば教師にとっては面倒が少なくなるのだろうが,学校で禁止したところで使用時間が減って成績が上がるというものでもないだろう.
そういえば,国会でも携帯でワンセグやメールをみている議員もいたようだし,漢字もろくに読めない会話能力のおかしい首相もいるようだから,どうせなら「国会から携帯電話を追放する」というのもいいのではないだろうか.でも,その前に総選挙で「国民の判断も早急に調べ、国の方向性を明確にしていく」必要があるかもしれない.
『医療費発言、首相の資格ない 野党が批判
民主党の菅直人代表代行は27日午後の記者会見で、麻生太郎首相が経済財政諮問会議で「何もしない人の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」と発言したことに関し、「社会保険制度の原理を全く理解していない。首相の資格を有していないと言わざるを得ない」と厳しく批判した。
首相が失言を繰り返すことに対しては「最近は怒りよりも恥ずかしいという言葉があちこちで聞こえてくる。自国の首相を恥ずかしいと国民が思う状態になっている」と指摘した。
共産党の志位和夫委員長も会見で「公的医療保険制度の否定で、到底許されない発言」と非難。首相のこれまでの失言については「国民の常識の世界とは、別の世界で首相は生きていると言わざるを得ない」と述べ、あらためて首相としての資質に疑問を呈した。』
『麻生首相:また放言 不養生な人の医療費、なぜ私が
麻生太郎首相が20日の経済財政諮問会議で、社会保障費の抑制を巡り「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」と発言していたことが26日公開された議事要旨で分かった。高齢者医療費の増大は患者側に原因があると受け取れる発言で、批判も出そうだ。
首相は「67歳、68歳になって同窓会に行くと、よぼよぼしている、医者にやたらにかかっている者がいる」と指摘。「こちらの方がはるかに医療費がかかってない。毎朝歩いたり何かしているからである。私の方が税金は払っている」と述べた。最後に首相は「努力して健康を保った人には何かしてくれるとか、インセンティブ(動機づけ)がないといけない」と語った。』
聞いてるこっちが馬鹿らしくなってくるのだが,いつまでこんな首相に付き合わされるのだろうか.自民党には解散なしにずるずると外に出すのも恥ずかしくなる首相をここのところ続けて指名してきた責任をきっちりとってもらいたいものだ.
それにしても,この放言癖はもうほとんど病気ではないだろうか.そして,またも批判されるとすぐ謝る.素直で悪気はなくて,ただ頭も心もいまだにマンガ少年ということなのだろうか.67歳、68歳でよぼよぼして,医者にやたらにかかっているというのもたしかに健康管理に問題があるのかもしれないが,いくら健康を保ってはいても中身がいつまでもマンガ少年レベルというのも問題だろう.
軽々しく無責任な言葉を喋って庶民派宰相を気取るのが好きなのかもしれないが,高い税金を払っている日本国民としては,首相にはもうちょっと大人としての責任感を感じさせる発言をしてもらいたいものだ.「真面目に税金を払っている人には何かしてくれるとか、インセンティブがないといけない」とこっちが言ってやりたいと思っているのは私だけではないだろう.
民主党の菅直人代表代行は27日午後の記者会見で、麻生太郎首相が経済財政諮問会議で「何もしない人の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」と発言したことに関し、「社会保険制度の原理を全く理解していない。首相の資格を有していないと言わざるを得ない」と厳しく批判した。
首相が失言を繰り返すことに対しては「最近は怒りよりも恥ずかしいという言葉があちこちで聞こえてくる。自国の首相を恥ずかしいと国民が思う状態になっている」と指摘した。
共産党の志位和夫委員長も会見で「公的医療保険制度の否定で、到底許されない発言」と非難。首相のこれまでの失言については「国民の常識の世界とは、別の世界で首相は生きていると言わざるを得ない」と述べ、あらためて首相としての資質に疑問を呈した。』
『麻生首相:また放言 不養生な人の医療費、なぜ私が
麻生太郎首相が20日の経済財政諮問会議で、社会保障費の抑制を巡り「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」と発言していたことが26日公開された議事要旨で分かった。高齢者医療費の増大は患者側に原因があると受け取れる発言で、批判も出そうだ。
首相は「67歳、68歳になって同窓会に行くと、よぼよぼしている、医者にやたらにかかっている者がいる」と指摘。「こちらの方がはるかに医療費がかかってない。毎朝歩いたり何かしているからである。私の方が税金は払っている」と述べた。最後に首相は「努力して健康を保った人には何かしてくれるとか、インセンティブ(動機づけ)がないといけない」と語った。』
聞いてるこっちが馬鹿らしくなってくるのだが,いつまでこんな首相に付き合わされるのだろうか.自民党には解散なしにずるずると外に出すのも恥ずかしくなる首相をここのところ続けて指名してきた責任をきっちりとってもらいたいものだ.
それにしても,この放言癖はもうほとんど病気ではないだろうか.そして,またも批判されるとすぐ謝る.素直で悪気はなくて,ただ頭も心もいまだにマンガ少年ということなのだろうか.67歳、68歳でよぼよぼして,医者にやたらにかかっているというのもたしかに健康管理に問題があるのかもしれないが,いくら健康を保ってはいても中身がいつまでもマンガ少年レベルというのも問題だろう.
軽々しく無責任な言葉を喋って庶民派宰相を気取るのが好きなのかもしれないが,高い税金を払っている日本国民としては,首相にはもうちょっと大人としての責任感を感じさせる発言をしてもらいたいものだ.「真面目に税金を払っている人には何かしてくれるとか、インセンティブがないといけない」とこっちが言ってやりたいと思っているのは私だけではないだろう.
『元次官宅襲撃:小泉容疑者、父への手紙でも「犬の仇討ち」
元厚生事務次官宅連続襲撃事件で、銃刀法違反容疑で逮捕されている小泉毅(たけし)容疑者(46)が22日夜の出頭前、山口県柳井市の実家に送った手紙に「1974年4月5日(金)に、飼い犬の『チロ』が保健所に殺された。その仇(あだ)をとった」などと書いていたことが、警視庁野方署捜査本部関係者の話で分かった。捜査本部は事件との関連を慎重に捜査を進めている。
この手紙は23日夜、実家に着いたが、父親(77)は内容を公開せず、捜査本部が任意提出を受けていた。
捜査本部によると、小泉容疑者は「以前飼っていたペットを保健所に殺され腹が立った」「政治家が悪いと思っていたら、大学に行ってから高級官僚が悪だと分かった」と、次第に、ペットを失った悲しみと怒りが官僚に向かっていた旨を供述しているという。手紙の内容もこの内容に沿ったものだという。
小泉容疑者の父によると、小泉容疑者が小学生のころ、野良犬を餌付けしてかわいがっていたが、人にほえるので父が保健所に依頼して引き取ってもらったことがあった。小泉容疑者は、この犬のことをずっと思い続けていたらしい。
出頭直前、毎日新聞など複数の報道機関に送ったとされるメールにも「今回の決起は34年前、保健所に家族を殺された仇討ちである!」と書かれていた。
捜査幹部は「なぜ、犬のことが殺害事件に発展したか、さらに動機を詰めたい」と話している。』
世の中には何を考えているのかわからない人はたくさんいるが,「34年前に殺されたチロの仇討ち」なんていう動機が理解できたり,ちゃんと説明できる人なんているのだろうか.チロを保健所に連れて行った父親にこんな手紙を書いているというのだからますますわけがわからない.
何を考えているのかわからないから,また精神鑑定でもやることになるのだろうか.それにしても保健所から厚生官僚までの標的の飛躍がもの凄い.こういう飛躍した考え方と社会への不満が結びつくと最近の信じられない殺人事件になるのだろうか.こうなるともう無差別殺人にちかいからテロ型殺人事件ということになるかもしれない.
まったくの個人的な思い込みで見ず知らずの人が殺されてしまう時代になった.個人情報保護とは言ってもどこで誰に標的にされてしまうかわからない.今回の事件で学べることがあるとすれば自分の身は自分で守るしかないということだけだろう.誰が自分にとって危険なのかもわからないのであれば,身の安全を守るためにできることはカモフラージュであろう.さっそく明日からは私も目立たないように行動することにしよう.
元厚生事務次官宅連続襲撃事件で、銃刀法違反容疑で逮捕されている小泉毅(たけし)容疑者(46)が22日夜の出頭前、山口県柳井市の実家に送った手紙に「1974年4月5日(金)に、飼い犬の『チロ』が保健所に殺された。その仇(あだ)をとった」などと書いていたことが、警視庁野方署捜査本部関係者の話で分かった。捜査本部は事件との関連を慎重に捜査を進めている。
この手紙は23日夜、実家に着いたが、父親(77)は内容を公開せず、捜査本部が任意提出を受けていた。
捜査本部によると、小泉容疑者は「以前飼っていたペットを保健所に殺され腹が立った」「政治家が悪いと思っていたら、大学に行ってから高級官僚が悪だと分かった」と、次第に、ペットを失った悲しみと怒りが官僚に向かっていた旨を供述しているという。手紙の内容もこの内容に沿ったものだという。
小泉容疑者の父によると、小泉容疑者が小学生のころ、野良犬を餌付けしてかわいがっていたが、人にほえるので父が保健所に依頼して引き取ってもらったことがあった。小泉容疑者は、この犬のことをずっと思い続けていたらしい。
出頭直前、毎日新聞など複数の報道機関に送ったとされるメールにも「今回の決起は34年前、保健所に家族を殺された仇討ちである!」と書かれていた。
捜査幹部は「なぜ、犬のことが殺害事件に発展したか、さらに動機を詰めたい」と話している。』
世の中には何を考えているのかわからない人はたくさんいるが,「34年前に殺されたチロの仇討ち」なんていう動機が理解できたり,ちゃんと説明できる人なんているのだろうか.チロを保健所に連れて行った父親にこんな手紙を書いているというのだからますますわけがわからない.
何を考えているのかわからないから,また精神鑑定でもやることになるのだろうか.それにしても保健所から厚生官僚までの標的の飛躍がもの凄い.こういう飛躍した考え方と社会への不満が結びつくと最近の信じられない殺人事件になるのだろうか.こうなるともう無差別殺人にちかいからテロ型殺人事件ということになるかもしれない.
まったくの個人的な思い込みで見ず知らずの人が殺されてしまう時代になった.個人情報保護とは言ってもどこで誰に標的にされてしまうかわからない.今回の事件で学べることがあるとすれば自分の身は自分で守るしかないということだけだろう.誰が自分にとって危険なのかもわからないのであれば,身の安全を守るためにできることはカモフラージュであろう.さっそく明日からは私も目立たないように行動することにしよう.
『「次官殺した」と男出頭 銃刀法違反容疑で逮捕へ
22日午後9時20分ごろ、東京都千代田区霞が関の警視庁本部に、男が「次官を刺した」と車で出頭した。警視庁によると、男は血の付いたナイフとスニーカーを持っていたという。
警視庁は男を麹町署に同行、銃刀法違反の疑いで逮捕する方針。元厚生次官ら連続殺傷事件との関連について、慎重に調べている。男は46歳で「コイズミ・ツヨシ」と名乗り「昔、保健所にペットを殺され腹が立った」などと話しているという。
男は連続殺傷事件の犯人の目撃情報と同じ身長165センチで、さいたま市の住民票を所持していた。サバイバルナイフ8本を所持し、うち2本に血が付いていた。車は川越ナンバーの軽乗用車で後部座席には段ボール箱があった。レンタカーだった。
連続殺傷事件は18日午前発覚。さいたま市南区の元次官山口剛彦さん(66)宅で、山口さんと妻美知子さん(61)が玄関で胸などを複数回刺され死亡しているのが見つかった。同日午後6時半ごろには、東京都中野区の元次官吉原健二さん(76)宅玄関で、吉原さんの妻靖子さん(72)が宅配便を装った男に胸を刺され重傷となった。
吉原さんは1988-90年、山口さんは96-99年に旧厚生省の事務次官を務めた。警察庁は元同省幹部を狙った連続テロの可能性があるとみて、全国の警察本部に関係者の警備強化を指示していた。』
真犯人かどうかは吉原靖子さんの証言を待つしかないが,動機が小学生の頃にペットを殺された恨みというのはどうにも信じられない話だ.そもそも保健所というのは厚労省ではなくて地方自治体の管轄だったような気がする.
事務次官という厚労省の実質トップ経験者が狙われたということで,まず考えられるのは厚労省の年金事業の不祥事に関する口封じではないかということだ.将来的に民衆党政権になったときには,歴代厚労省幹部に対して国会による訴追が行われるという話もあるようだから,その時に重要な証人となる事務次官の口を封じることは厚労省に指示を出した誰かにとっては重要なことだったに違いない.
それにしてもあまりにも準備周到で,一般人が知りえない個人情報を犯人が知りえたことも不思議である.真犯人として自首するために証拠の品がきちんと揃っているというのも出来すぎのような気がする.これで事件が解決するとしたらあまりに安易な結末で何かおかしな感じがするのは私だけだろうか.
22日午後9時20分ごろ、東京都千代田区霞が関の警視庁本部に、男が「次官を刺した」と車で出頭した。警視庁によると、男は血の付いたナイフとスニーカーを持っていたという。
警視庁は男を麹町署に同行、銃刀法違反の疑いで逮捕する方針。元厚生次官ら連続殺傷事件との関連について、慎重に調べている。男は46歳で「コイズミ・ツヨシ」と名乗り「昔、保健所にペットを殺され腹が立った」などと話しているという。
男は連続殺傷事件の犯人の目撃情報と同じ身長165センチで、さいたま市の住民票を所持していた。サバイバルナイフ8本を所持し、うち2本に血が付いていた。車は川越ナンバーの軽乗用車で後部座席には段ボール箱があった。レンタカーだった。
連続殺傷事件は18日午前発覚。さいたま市南区の元次官山口剛彦さん(66)宅で、山口さんと妻美知子さん(61)が玄関で胸などを複数回刺され死亡しているのが見つかった。同日午後6時半ごろには、東京都中野区の元次官吉原健二さん(76)宅玄関で、吉原さんの妻靖子さん(72)が宅配便を装った男に胸を刺され重傷となった。
吉原さんは1988-90年、山口さんは96-99年に旧厚生省の事務次官を務めた。警察庁は元同省幹部を狙った連続テロの可能性があるとみて、全国の警察本部に関係者の警備強化を指示していた。』
真犯人かどうかは吉原靖子さんの証言を待つしかないが,動機が小学生の頃にペットを殺された恨みというのはどうにも信じられない話だ.そもそも保健所というのは厚労省ではなくて地方自治体の管轄だったような気がする.
事務次官という厚労省の実質トップ経験者が狙われたということで,まず考えられるのは厚労省の年金事業の不祥事に関する口封じではないかということだ.将来的に民衆党政権になったときには,歴代厚労省幹部に対して国会による訴追が行われるという話もあるようだから,その時に重要な証人となる事務次官の口を封じることは厚労省に指示を出した誰かにとっては重要なことだったに違いない.
それにしてもあまりにも準備周到で,一般人が知りえない個人情報を犯人が知りえたことも不思議である.真犯人として自首するために証拠の品がきちんと揃っているというのも出来すぎのような気がする.これで事件が解決するとしたらあまりに安易な結末で何かおかしな感じがするのは私だけだろうか.
そういう方をどうするか?
2008年11月19日 社会の問題『「医師、社会常識欠落している人が多い」首相が問題発言
麻生首相は19日午後、首相官邸で開かれた全国知事会議で、地方の医師確保策に関連し、「自分で病院を経営しているから言うわけではないが、医師の確保は大変だ。もっとも社会常識が、かなり欠落している人が多い。とにかくものすごく価値観が違う。そういう方をどうするか、という話を真剣にやらないと……」と述べた。
首相はこの後、首相官邸で記者団に対し、自身の発言について、「まともなお医者さんが不快な思いをしたというのであれば、申し訳ない」と陳謝した。
首相の発言に対し、日本医師会の中川俊男常任理事は19日の記者会見で、「信じられない。首相がそんなことを言うとは思えない。これから事実確認をしたい」と述べた。民主党の鳩山幹事長は19日、都内で記者団に対し、「首相の方こそ、社会的常識が欠落している。認識不足だ」と批判した。公明党幹部も同日、記者団に「首相なんだから、発言にはもう少し気をつけてほしい」と不快感を示した。』
『「医者は常識ない」発言
——今日、知事会議の方で。
「知事会議、はい。知事会議って新聞記者いたんじゃねえの」
——ええ。そのなかで、文脈として「医者にはもっとも社会常識が欠落している人が多い」ととれる発言があったのですが。
「ああ、そう」
——その真意をおうかがいしたいのですが。
「お医者さんってのは、なったのおれの友達にもたくさんいるんだけど、あのー、なんとなく、そう言った意味で、なんとなく、ちょっと全然、話とか意見が全然おれとは波長が合わないやつが多いなと。友達多いせいか、そう思ってまして、うちも医者がいっぱいいますから、そう思っていて、何て言ったんだって? ちょっと今覚えてねえけど」
——「医者にはもっとも社会常識が欠落している人が多い」ととれる発言。
「そういう意味ではまったくありません。だから、そういった意味で、なんてーの、まともなお医者さんが不快な思いしたっていうんであれば、それは申し訳ありません、そりゃ」』
この人にとっては,「なんとなく、ちょっと全然、話とか意見が全然おれとは波長が合わないやつ」が社会常識がかなり欠落している人ということになるらしい.自分とものすごく価値観が違う人が社会常識の欠落している人だと首相が言うのだったら,ほとんどの国民が自分は社会常識が欠落していると思わねばならなくなるだろう.なにせ,この人は国民の支持なしに首相の座に居座り,2兆円もの公金を無責任にバラまくことができる人なのである.医師に限らずそんな価値観がわかる人が一体どこにいるのだろうか.
ところで,この発言が地方の医師確保のために何か意味があるのだろうか.医学生の7割は、医師不足地域での勤務も条件次第でOKとアンケートで答えたようだが,その条件というのは「処遇・待遇(給与)がよい」(67%)、「居住環境が整備されている」「自分と交代できる医師がいる」(以上、58%)と待遇面が目立ったそうだ.まあ,当たり前の話である.医学生に限らず条件が合えば地方で勤務してもいいという医師は本当はたくさんいるに違いない.
問題は,政府が医療費削減ばかりを考えて,医師の労働環境の改善をまともに考えもしなかったことだろう.厚生労働省も国民を欺く不正行為は別として,医療行政に関しては政府の手先にすぎず,結果として医師や病院の負担を増すような施策ばかりを行って医師の不信や不満を増大させ続けてきたことも問題である.こういった行政側の無策を棚にあげて医師のモラルや社会常識のせいにするのは国民の非難を医師に向けさせるためのデモンストレーションなのだろうか.
現内閣は国民のために実効性のある政策は一つとして出来ないのに,問題発言ばかりが目立つような気がするのは私だけだろうか.先日も二階経産相が失言で発言撤回したばかりだというのに,今度は首相自らまた同じ間違いを繰り返しているのである.「何て言ったんだって? ちょっと今覚えてねえけど」,「なんてーの、まともなお医者さんが不快な思いしたっていうんであれば、それは申し訳ありません、そりゃ」なんて言ってトボケたら忘れてくれるような,首相と価値観を同じくする医師なんているわけないに決まってるんじゃないでしょうか.
地方の医師確保も大事だが,『こういう方をどうするか』という話を国民が真剣にやらないと……
麻生首相は19日午後、首相官邸で開かれた全国知事会議で、地方の医師確保策に関連し、「自分で病院を経営しているから言うわけではないが、医師の確保は大変だ。もっとも社会常識が、かなり欠落している人が多い。とにかくものすごく価値観が違う。そういう方をどうするか、という話を真剣にやらないと……」と述べた。
首相はこの後、首相官邸で記者団に対し、自身の発言について、「まともなお医者さんが不快な思いをしたというのであれば、申し訳ない」と陳謝した。
首相の発言に対し、日本医師会の中川俊男常任理事は19日の記者会見で、「信じられない。首相がそんなことを言うとは思えない。これから事実確認をしたい」と述べた。民主党の鳩山幹事長は19日、都内で記者団に対し、「首相の方こそ、社会的常識が欠落している。認識不足だ」と批判した。公明党幹部も同日、記者団に「首相なんだから、発言にはもう少し気をつけてほしい」と不快感を示した。』
『「医者は常識ない」発言
——今日、知事会議の方で。
「知事会議、はい。知事会議って新聞記者いたんじゃねえの」
——ええ。そのなかで、文脈として「医者にはもっとも社会常識が欠落している人が多い」ととれる発言があったのですが。
「ああ、そう」
——その真意をおうかがいしたいのですが。
「お医者さんってのは、なったのおれの友達にもたくさんいるんだけど、あのー、なんとなく、そう言った意味で、なんとなく、ちょっと全然、話とか意見が全然おれとは波長が合わないやつが多いなと。友達多いせいか、そう思ってまして、うちも医者がいっぱいいますから、そう思っていて、何て言ったんだって? ちょっと今覚えてねえけど」
——「医者にはもっとも社会常識が欠落している人が多い」ととれる発言。
「そういう意味ではまったくありません。だから、そういった意味で、なんてーの、まともなお医者さんが不快な思いしたっていうんであれば、それは申し訳ありません、そりゃ」』
この人にとっては,「なんとなく、ちょっと全然、話とか意見が全然おれとは波長が合わないやつ」が社会常識がかなり欠落している人ということになるらしい.自分とものすごく価値観が違う人が社会常識の欠落している人だと首相が言うのだったら,ほとんどの国民が自分は社会常識が欠落していると思わねばならなくなるだろう.なにせ,この人は国民の支持なしに首相の座に居座り,2兆円もの公金を無責任にバラまくことができる人なのである.医師に限らずそんな価値観がわかる人が一体どこにいるのだろうか.
ところで,この発言が地方の医師確保のために何か意味があるのだろうか.医学生の7割は、医師不足地域での勤務も条件次第でOKとアンケートで答えたようだが,その条件というのは「処遇・待遇(給与)がよい」(67%)、「居住環境が整備されている」「自分と交代できる医師がいる」(以上、58%)と待遇面が目立ったそうだ.まあ,当たり前の話である.医学生に限らず条件が合えば地方で勤務してもいいという医師は本当はたくさんいるに違いない.
問題は,政府が医療費削減ばかりを考えて,医師の労働環境の改善をまともに考えもしなかったことだろう.厚生労働省も国民を欺く不正行為は別として,医療行政に関しては政府の手先にすぎず,結果として医師や病院の負担を増すような施策ばかりを行って医師の不信や不満を増大させ続けてきたことも問題である.こういった行政側の無策を棚にあげて医師のモラルや社会常識のせいにするのは国民の非難を医師に向けさせるためのデモンストレーションなのだろうか.
現内閣は国民のために実効性のある政策は一つとして出来ないのに,問題発言ばかりが目立つような気がするのは私だけだろうか.先日も二階経産相が失言で発言撤回したばかりだというのに,今度は首相自らまた同じ間違いを繰り返しているのである.「何て言ったんだって? ちょっと今覚えてねえけど」,「なんてーの、まともなお医者さんが不快な思いしたっていうんであれば、それは申し訳ありません、そりゃ」なんて言ってトボケたら忘れてくれるような,首相と価値観を同じくする医師なんているわけないに決まってるんじゃないでしょうか.
地方の医師確保も大事だが,『こういう方をどうするか』という話を国民が真剣にやらないと……
「プライドある=お金ある」ってこと?
2008年11月16日 社会の問題『「給付なんていらない人、いっぱいいる」
麻生太郎首相は14日午後(日本時間15日未明)のワシントンでの同行記者団との懇談で、定額給付金について「給付なんておれはいらない、というプライドもある人もいっぱいいる」と指摘した。
首相は「年間何千万円、何億円もらっている人が1万2000円ちょうだいと言うのかね」と強調。所得制限するかどうかの判断を市町村に委ねたことについては「地方分権だから地方で決めたらとの話だ」と説明した。』
国民に愛想を尽かされながらも居座っている総理大臣にプライドと言われても,プライドという言葉の意味が本当にわかっているのかどうか疑わしい.もっとも,この記事の後半を読むと,給付金なんていらないというのは高額所得者と決めつけているようから,この人にとって「プライド」というのはどうやらお金持ちが持っているものらしい.
一方,美しい日本には古来,『恥』と言う言葉があるのをこの人は知っているのだろうか.給付金に限らず,いつまで独り善がりな中身のない首相ごっこを続ければ満足するのだろうか.「プライドのあるお坊ちゃま」の考えることは「プライドのない我々庶民」には見当もつかないのである.
11月19日追記
『松沢成文・神奈川県知事は、福沢諭吉の独立自尊の精神を取り上げ、定額給付金を批判。「不景気になると政府が国民に金をばらまくということをやっていると、国民の自尊心が育たない。お金をもらうことで政府に対する鋭い批判もなくなる。政策理念として極めて問題がある」と指摘し、麻生首相に見解をただした。
一方、麻生首相は「そういった(独立自尊の)意識が神奈川県民にあるとするならば、(所得が)500万円でも(給付金を)取りに来ない人は取りに来ない。5000万円でも欲しい人は欲しい。返す返さないは本人の哲学の問題であり、矜持(きょうじ)の問題なんだと基本的に思っている」と述べた。』
どうやら首相は給付金を取りに来るのは自尊心のない人だと思いながら,お金をばらまくつもりのようですね.これでは給付金を受け取る人間を辱めることになるのではないでしょうか.給付金も元は税金なのにまったく国民を馬鹿にした話です.とても常識のある知的な人間のやることではないような気がします.
麻生太郎首相は14日午後(日本時間15日未明)のワシントンでの同行記者団との懇談で、定額給付金について「給付なんておれはいらない、というプライドもある人もいっぱいいる」と指摘した。
首相は「年間何千万円、何億円もらっている人が1万2000円ちょうだいと言うのかね」と強調。所得制限するかどうかの判断を市町村に委ねたことについては「地方分権だから地方で決めたらとの話だ」と説明した。』
国民に愛想を尽かされながらも居座っている総理大臣にプライドと言われても,プライドという言葉の意味が本当にわかっているのかどうか疑わしい.もっとも,この記事の後半を読むと,給付金なんていらないというのは高額所得者と決めつけているようから,この人にとって「プライド」というのはどうやらお金持ちが持っているものらしい.
一方,美しい日本には古来,『恥』と言う言葉があるのをこの人は知っているのだろうか.給付金に限らず,いつまで独り善がりな中身のない首相ごっこを続ければ満足するのだろうか.「プライドのあるお坊ちゃま」の考えることは「プライドのない我々庶民」には見当もつかないのである.
11月19日追記
『松沢成文・神奈川県知事は、福沢諭吉の独立自尊の精神を取り上げ、定額給付金を批判。「不景気になると政府が国民に金をばらまくということをやっていると、国民の自尊心が育たない。お金をもらうことで政府に対する鋭い批判もなくなる。政策理念として極めて問題がある」と指摘し、麻生首相に見解をただした。
一方、麻生首相は「そういった(独立自尊の)意識が神奈川県民にあるとするならば、(所得が)500万円でも(給付金を)取りに来ない人は取りに来ない。5000万円でも欲しい人は欲しい。返す返さないは本人の哲学の問題であり、矜持(きょうじ)の問題なんだと基本的に思っている」と述べた。』
どうやら首相は給付金を取りに来るのは自尊心のない人だと思いながら,お金をばらまくつもりのようですね.これでは給付金を受け取る人間を辱めることになるのではないでしょうか.給付金も元は税金なのにまったく国民を馬鹿にした話です.とても常識のある知的な人間のやることではないような気がします.
モラルなんてよく言えたものだ
2008年11月14日 社会の問題『二階経産相も失言で、発言撤回
東京都内で脳内出血の妊婦が相次いで救急搬送を拒否された問題で、二階俊博経済産業相が「医者のモラルの問題」と発言したことから、医師などの団体から抗議が相次いだ。二階経産相は13日、謝罪した上で発言を撤回した。
発言は10日、二階経産相が舛添要一厚生労働相とともに、病院の情報伝達システム開発を両省で強力して行うことを表明した際に飛び出した。
二階経産相は搬送拒否の問題に触れ、「医者のモラルの問題だ。相当の決意を持ってなったのだろうから、忙しいだの、人が足りないだのということは言い訳に過ぎない」と、発言した。
これに対し、全国医師連盟が「産科救急の問題は、基本的に人員や施設の不足に起因」とした上で、「発言でモチベーションが下がり、さらに離職する産科医が増える」と抗議声明を発表。他にも2つの市民団体から抗議の声が挙がった。
13日の参院厚労委員会でも足立信也議員(民主)が発言の真意を質問したところ、二階経産相は「発言が医療に携わるみなさまに誤解を与えたことをおわび申し上げ、発言を撤回する」という回答を寄せた。』
国民に愛想を尽かされながら居座っている内閣の閣僚にモラルうんぬん言われるとは産科救急医もずいぶんと馬鹿にされたものだ.撤回したなどと言っても,本人は未だに医療崩壊の原因が医師のモラルの低下にあると考えているに違いない.これではせっかく救急医療の現場に踏みとどまっている医師ももうつきあっていられないということになるだろう.救急医療の最後の砦からの逃散も再び加速するに違いない.
医療現場の実情や医師の気持ちなどまるでわかってないのに,大臣ともあろう者が思い込みで発言した挙げ句,非難されるとすぐに撤回するとは大人として恥ずかしくないのだろうか.この程度の理解しかないから医療情報システムを導入すれば問題が解決するなどと考えることができるのだろう.まったく問題の本質がわかっていないのに医師を非難して反感を買い,我田引水よろしく自分の利権を得ようとする輩こそ政治家としてのモラルを問われるべきではないだろうか.
東京都内で脳内出血の妊婦が相次いで救急搬送を拒否された問題で、二階俊博経済産業相が「医者のモラルの問題」と発言したことから、医師などの団体から抗議が相次いだ。二階経産相は13日、謝罪した上で発言を撤回した。
発言は10日、二階経産相が舛添要一厚生労働相とともに、病院の情報伝達システム開発を両省で強力して行うことを表明した際に飛び出した。
二階経産相は搬送拒否の問題に触れ、「医者のモラルの問題だ。相当の決意を持ってなったのだろうから、忙しいだの、人が足りないだのということは言い訳に過ぎない」と、発言した。
これに対し、全国医師連盟が「産科救急の問題は、基本的に人員や施設の不足に起因」とした上で、「発言でモチベーションが下がり、さらに離職する産科医が増える」と抗議声明を発表。他にも2つの市民団体から抗議の声が挙がった。
13日の参院厚労委員会でも足立信也議員(民主)が発言の真意を質問したところ、二階経産相は「発言が医療に携わるみなさまに誤解を与えたことをおわび申し上げ、発言を撤回する」という回答を寄せた。』
国民に愛想を尽かされながら居座っている内閣の閣僚にモラルうんぬん言われるとは産科救急医もずいぶんと馬鹿にされたものだ.撤回したなどと言っても,本人は未だに医療崩壊の原因が医師のモラルの低下にあると考えているに違いない.これではせっかく救急医療の現場に踏みとどまっている医師ももうつきあっていられないということになるだろう.救急医療の最後の砦からの逃散も再び加速するに違いない.
医療現場の実情や医師の気持ちなどまるでわかってないのに,大臣ともあろう者が思い込みで発言した挙げ句,非難されるとすぐに撤回するとは大人として恥ずかしくないのだろうか.この程度の理解しかないから医療情報システムを導入すれば問題が解決するなどと考えることができるのだろう.まったく問題の本質がわかっていないのに医師を非難して反感を買い,我田引水よろしく自分の利権を得ようとする輩こそ政治家としてのモラルを問われるべきではないだろうか.
教育再生懇は懐古趣味?
2008年11月13日 社会の問題『「小学生には携帯持たせない」政府の教育再生懇が提言案
政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾長)の携帯電話問題ワーキンググループは12日、子どもの有害情報対策として「小学生が携帯電話を持つことがないようにする」ことを盛り込んだ提言案をまとめた。年末に麻生首相に提出する。
中学3年生の63%、小学6年生の32%が携帯電話を持っているという文科省の調査結果を踏まえ、特に小学生が携帯を持たないようにする取り組みを重視。携帯電話がなくても困らないようにNTTに公衆電話の増設を求める。
非常連絡のため子どもに携帯電話を持たせたいとの親の声にも配慮。通話機能などに限定された子ども向け機種を無償貸与する案を検討することも盛り込んだ。』
携帯電話を持っている小・中学生には教育上の特別な問題があるという確たる証拠でもあるのだろうか.特に小学生には中学生よりも不都合が多いのであろうか.この調子ではそのうち小学生の携帯ゲームもPCの使用も禁止にしなくてはならなくなることだろう.きちんとした科学的根拠もなく道具の使用を禁止したり,新しいテクノロジーから子供たちを意図的に遠ざけるのは人間の脳の進歩を妨げるだけのような気がするのは私だけだろうか.
携帯端末は今後おそらくPCにとって替わる情報通信機器になっていくと思われるのだが,ますます重要になる情報端末の正しい利用法を教えることなく子供達をインターネットから遠ざけていったい何をどう教育するつもりなのだろうか.教育再生懇の識者の方々は当然インターネット誕生以前に生まれた人たちなのだろうが,今の子供達は生まれた時にはインターネットも携帯もPCもすでにあった世代なのである.大人たちに都合が悪いからといって,すでにあるものを消し去って自分たちの子供の頃と同じように育てようというところにすでに無理があるだろう.
いまだに教育再生懇の識者の方々の脳に懐古趣味的な「美しい国」なんていう考えがあるのだったら一度リセットボタンを押してもらって,今の子供たちの視点で『未来の新しい日本』をどう作ってもらいたいかを考えるべき時ではないだろうか.
政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾長)の携帯電話問題ワーキンググループは12日、子どもの有害情報対策として「小学生が携帯電話を持つことがないようにする」ことを盛り込んだ提言案をまとめた。年末に麻生首相に提出する。
中学3年生の63%、小学6年生の32%が携帯電話を持っているという文科省の調査結果を踏まえ、特に小学生が携帯を持たないようにする取り組みを重視。携帯電話がなくても困らないようにNTTに公衆電話の増設を求める。
非常連絡のため子どもに携帯電話を持たせたいとの親の声にも配慮。通話機能などに限定された子ども向け機種を無償貸与する案を検討することも盛り込んだ。』
携帯電話を持っている小・中学生には教育上の特別な問題があるという確たる証拠でもあるのだろうか.特に小学生には中学生よりも不都合が多いのであろうか.この調子ではそのうち小学生の携帯ゲームもPCの使用も禁止にしなくてはならなくなることだろう.きちんとした科学的根拠もなく道具の使用を禁止したり,新しいテクノロジーから子供たちを意図的に遠ざけるのは人間の脳の進歩を妨げるだけのような気がするのは私だけだろうか.
携帯端末は今後おそらくPCにとって替わる情報通信機器になっていくと思われるのだが,ますます重要になる情報端末の正しい利用法を教えることなく子供達をインターネットから遠ざけていったい何をどう教育するつもりなのだろうか.教育再生懇の識者の方々は当然インターネット誕生以前に生まれた人たちなのだろうが,今の子供達は生まれた時にはインターネットも携帯もPCもすでにあった世代なのである.大人たちに都合が悪いからといって,すでにあるものを消し去って自分たちの子供の頃と同じように育てようというところにすでに無理があるだろう.
いまだに教育再生懇の識者の方々の脳に懐古趣味的な「美しい国」なんていう考えがあるのだったら一度リセットボタンを押してもらって,今の子供たちの視点で『未来の新しい日本』をどう作ってもらいたいかを考えるべき時ではないだろうか.
最近の私のお気に入り
2008年11月11日 その他
先日,久しぶりに訪れた帯広で見つけたのが『モール温泉ビール』.以前から十勝ビールのブラウンエールは好きだったのだが,名前に引かれて飲んでみたらなかなか味わい深くて一度で好きになってしまった.モール温泉の源泉が入っているらしいが,ぜんぜん温泉の匂いなんかもなくてとても上品で麦芽の旨味とホップの苦みが効いた豊かな味である.例えて言うと『琥珀エビス』に似た感じだが,瓶ビールな分だけ炭酸が軽くて泡も細かいような感じがする.ビール党の人にはおすすめ.
もう一つのおすすめは,iTune8.0の『Genius』という新機能.当初はデータベースの構築が進んでいなかったのかあまりうまく機能しなかったのだが,最近は曲を再生中に『Geneus』ボタンを押すとその曲をベースにしてライブラリ内の同じテイストの曲からプレイリストを自動的に作成してくれるようになった.この機能を使うと自分のライブラリに埋もれて普段あまり聞かなかったような曲を自動的に選んでくれるし,今までのようにランダム再生するよりも自然なつながりのプレイリストにしてくれるので,気に入ったプレイリストができたらそのまま保存すればいいのである.プレイリストの曲数を25,50,75,100曲から選べるのも便利だ.
昨年の今頃は色々なポッドキャストで楽しんでいたものだが,これからクリスマスやスキーシーズンに備えて『Genius』にお気に入りのプレイリストを自分のライブラリから選んでもらうのも面白そうである.ボタンのワンクリックで同じ曲をベースにしても毎回異なったプレイリストができるのと,ほとんど死蔵していた自分のライブラリの曲が有効活用できるような気がする点がとても気に入っている.
もう一つのおすすめは,iTune8.0の『Genius』という新機能.当初はデータベースの構築が進んでいなかったのかあまりうまく機能しなかったのだが,最近は曲を再生中に『Geneus』ボタンを押すとその曲をベースにしてライブラリ内の同じテイストの曲からプレイリストを自動的に作成してくれるようになった.この機能を使うと自分のライブラリに埋もれて普段あまり聞かなかったような曲を自動的に選んでくれるし,今までのようにランダム再生するよりも自然なつながりのプレイリストにしてくれるので,気に入ったプレイリストができたらそのまま保存すればいいのである.プレイリストの曲数を25,50,75,100曲から選べるのも便利だ.
昨年の今頃は色々なポッドキャストで楽しんでいたものだが,これからクリスマスやスキーシーズンに備えて『Genius』にお気に入りのプレイリストを自分のライブラリから選んでもらうのも面白そうである.ボタンのワンクリックで同じ曲をベースにしても毎回異なったプレイリストができるのと,ほとんど死蔵していた自分のライブラリの曲が有効活用できるような気がする点がとても気に入っている.
お金の使い道は自由です.
2008年11月10日 社会の問題 コメント (1)『定額給付金、所得制限設けず 首相
麻生太郎首相は10日夜、総額2兆円の定額給付金について、支給対象への所得制限を事実上、設けない考えを表明した。首相は高額所得者に辞退を促す方式を排除しないとしながらも、具体的な基準については「本人の意識の問題だ」とも指摘。政府は明確な線引きをせず、受け取るかどうかの判断は各世帯に委ね、制度上は全世帯への支給を可能にする方向だ。
政府・与党は首相の意向に沿った案を軸に11日に結論を出す方針。首相は10日夜、高額所得者に辞退を促す基準について「5000万円もらっても高額所得じゃないという人もいれば、500万円もらっても(給付金は)いらないという人もいる」と述べ、受け取る側の判断に任せる考えを示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
首相は所得制限が難しい理由として「所得制限すれば、その人が(所得が)いくらあるかというのを確認しなくちゃいけないから法律もいる」と語り、法改正などに時間がかかると指摘。そのうえで「『(給付金を)いらない』という方がいらっしゃるんだったら、それで結構だ」と強調。』
定額給付金の元はと言えば公明党がこだわった定額減税だったような気がするが,それだと納税者しかメリットが無いしすぐに経済効果が出ないから手早く金券を全世帯に配布するということになったのではなかったろうか.そして,それがいつの間にか高額所得者には配布しないという話になっていたのだが,所得の確認作業のための手続きが面倒で時間もかかるので麻生首相はあきらめたということだろうか.
それとも,生活保護をもらってパチンコに毎日通う人がいる世の中にこの給付金の使い道を年収と関連付けて考えること自体が無意味だということにやっと気がついたのだろうか.
まあ,もらってしまえば何に使おうとその人の自由というのがお金だから,それこそ給付金の意味は「本人の意識の問題だ」なのである.政府がくれるというものを拒む人はおそらく誰もいないだろうが,もし辞退するくらいだったらもらったお金を寄附するなんていうのがいいのではないだろうか.世界にはあなたより恵まれない人はいくらでもいるし,小額とはいえ自分の意志で公金の使い道を決定できる唯一のチャンスなのだから.
麻生太郎首相は10日夜、総額2兆円の定額給付金について、支給対象への所得制限を事実上、設けない考えを表明した。首相は高額所得者に辞退を促す方式を排除しないとしながらも、具体的な基準については「本人の意識の問題だ」とも指摘。政府は明確な線引きをせず、受け取るかどうかの判断は各世帯に委ね、制度上は全世帯への支給を可能にする方向だ。
政府・与党は首相の意向に沿った案を軸に11日に結論を出す方針。首相は10日夜、高額所得者に辞退を促す基準について「5000万円もらっても高額所得じゃないという人もいれば、500万円もらっても(給付金は)いらないという人もいる」と述べ、受け取る側の判断に任せる考えを示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
首相は所得制限が難しい理由として「所得制限すれば、その人が(所得が)いくらあるかというのを確認しなくちゃいけないから法律もいる」と語り、法改正などに時間がかかると指摘。そのうえで「『(給付金を)いらない』という方がいらっしゃるんだったら、それで結構だ」と強調。』
定額給付金の元はと言えば公明党がこだわった定額減税だったような気がするが,それだと納税者しかメリットが無いしすぐに経済効果が出ないから手早く金券を全世帯に配布するということになったのではなかったろうか.そして,それがいつの間にか高額所得者には配布しないという話になっていたのだが,所得の確認作業のための手続きが面倒で時間もかかるので麻生首相はあきらめたということだろうか.
それとも,生活保護をもらってパチンコに毎日通う人がいる世の中にこの給付金の使い道を年収と関連付けて考えること自体が無意味だということにやっと気がついたのだろうか.
まあ,もらってしまえば何に使おうとその人の自由というのがお金だから,それこそ給付金の意味は「本人の意識の問題だ」なのである.政府がくれるというものを拒む人はおそらく誰もいないだろうが,もし辞退するくらいだったらもらったお金を寄附するなんていうのがいいのではないだろうか.世界にはあなたより恵まれない人はいくらでもいるし,小額とはいえ自分の意志で公金の使い道を決定できる唯一のチャンスなのだから.
休日に空き時間ができたので,すかさずフィルムカメラを持って散歩写真を撮りに出た.公園からの帰り道にあった花屋さんの軒下には秋がまだ売れ残っていた.
デジタルカメラで撮ったシャープでリアルな映像に慣れてしまうと,フィルムカメラで撮った写真は不思議と現実感がないような気がして面白いものです.
時間があればフィルムで撮っておきたい物がたくさんあるのですが,散歩写真のための時間などというものはつくれないものですね.
デジタルカメラで撮ったシャープでリアルな映像に慣れてしまうと,フィルムカメラで撮った写真は不思議と現実感がないような気がして面白いものです.
時間があればフィルムで撮っておきたい物がたくさんあるのですが,散歩写真のための時間などというものはつくれないものですね.
ひき逃げ犯は捕まったが
2008年11月5日 社会の問題『大阪・キタひき逃げ逮捕、22歳男は飲酒・無免許運転
大阪市北区梅田の交差点で先月21日未明、堺市東区の会社員鈴木源太郎さん(30)が車にはねられ、約3キロ引きずられて死亡したひき逃げ事件で、大阪府警交通捜査課の曽根崎署捜査本部は5日午前、住所不定、元建築会社従業員でホストの吉田圭吾容疑者(22)を殺人、自動車運転過失傷害、道路交通法違反(無免許運転)の容疑で逮捕した。吉田容疑者は免許失効中で、「酒を飲んで無免許運転していたので警察に捕まると困ると思い逃げた。殺してしまったことに間違いありません」と容疑を認めている。
発表によると、吉田容疑者は10月21日午前4時19分頃、大阪市北区梅田の国道176号交差点で、無免許運転中、横断していた鈴木さんをはねたうえ、車の底部に巻き込んだまま3キロ逃走、引きずったことによる外傷性ショックで鈴木さんを殺害した疑い。
供述によると、吉田容疑者は同交差点で信号待ちしていたが、発進直後、目の前にいた鈴木さんに衝突したという。吉田容疑者は、「人が倒れ、車が乗り上げたのがわかった。引きずったまま走れば死んでしまうことぐらいはわかっていたが、とにかくその場から逃げ去りたかった」と言っている。
府警は、鈴木さんを引きずっていることを認識しながら「死んでも構わない」と逃走を続けたとして、殺人容疑を適用した。同乗者はいなかったとみている。
事件の目撃情報などから府警は犯行車両を「黒いワゴン車」とみて捜査。今月1日、大阪市此花区内の民間駐車場でトヨタ・イプサムを発見、押収。車底部に事故によるものとみられる傷や血痕、繊維片が見つかった。所有者の建築会社経営者から事情を聞いたところ、この車を業務用として日常的に使っていた吉田容疑者が、事件直後に「会社を辞める」と手紙を残し、所在不明となっていることが判明、行方を捜していた。大阪・ミナミでホストをしていることがわかり、周辺を調べていた捜査員が5日未明、ミナミのラーメン店にいる吉田容疑者を発見し、府警本部に任意同行、事情を聞いていた。』
犯人が捕まったところで死んでしまった人が戻るわけではないが,遺族の方にとって僅かな慰めにはなるのだろうか.無免許(1年間の免許取り消し処分中)で車を運転するだけでもとんでもない事だが,さらに飲酒,人身事故,ひき逃げと罪を重ねて破滅への道を走り続けたのは自分だけは逃げられるつもりだったのだろうか.
こういう利己的で馬鹿げた犯罪を予防するには,やはり犯罪が割に合わないという事を事前に理解させるだけの罰を用意して,それでも犯罪を犯すような者には厳罰を与えて再犯や同じような犯罪者の出現を予防するしかないだろう.
ひき逃げ事件は10年前の2倍以上に達しているというのも,飲酒運転での死亡事故などに適用される危険運転致死罪が懲役1年以上20年以下なのに,ひき逃げは10年以下と軽いからとりあえず逃げて飲酒の証拠を隠滅しようとする輩が多いからなのだろうか.それなら,ひき逃げはもとの罪に対して2倍の刑にでもすればいいかもしれない.
このように犯罪者がさらに犯罪を積み重ねて逃れようとするような刑法では,法が犯罪を助長するようなことになるから,さらなる罪を犯すのを思いとどまるように罪と罰とのバランスを取らなければならないのではないだろうか.一方で交通事故というのはある意味で避けられないものなのだから,怪我をした人を救護した場合には幾分か情状酌量されるということを明記するのもいいかもしれない.
この犯人も,もしすぐに車を降りて救護していれば命は助かっていた可能性が高いのに,「引きずったまま走れば死んでしまうことがわかって」いても走り続けたのだからやはり殺人罪が妥当なのだろう.自分で責任を取れない人には,他人が取らせるしかないのだから.
大阪市北区梅田の交差点で先月21日未明、堺市東区の会社員鈴木源太郎さん(30)が車にはねられ、約3キロ引きずられて死亡したひき逃げ事件で、大阪府警交通捜査課の曽根崎署捜査本部は5日午前、住所不定、元建築会社従業員でホストの吉田圭吾容疑者(22)を殺人、自動車運転過失傷害、道路交通法違反(無免許運転)の容疑で逮捕した。吉田容疑者は免許失効中で、「酒を飲んで無免許運転していたので警察に捕まると困ると思い逃げた。殺してしまったことに間違いありません」と容疑を認めている。
発表によると、吉田容疑者は10月21日午前4時19分頃、大阪市北区梅田の国道176号交差点で、無免許運転中、横断していた鈴木さんをはねたうえ、車の底部に巻き込んだまま3キロ逃走、引きずったことによる外傷性ショックで鈴木さんを殺害した疑い。
供述によると、吉田容疑者は同交差点で信号待ちしていたが、発進直後、目の前にいた鈴木さんに衝突したという。吉田容疑者は、「人が倒れ、車が乗り上げたのがわかった。引きずったまま走れば死んでしまうことぐらいはわかっていたが、とにかくその場から逃げ去りたかった」と言っている。
府警は、鈴木さんを引きずっていることを認識しながら「死んでも構わない」と逃走を続けたとして、殺人容疑を適用した。同乗者はいなかったとみている。
事件の目撃情報などから府警は犯行車両を「黒いワゴン車」とみて捜査。今月1日、大阪市此花区内の民間駐車場でトヨタ・イプサムを発見、押収。車底部に事故によるものとみられる傷や血痕、繊維片が見つかった。所有者の建築会社経営者から事情を聞いたところ、この車を業務用として日常的に使っていた吉田容疑者が、事件直後に「会社を辞める」と手紙を残し、所在不明となっていることが判明、行方を捜していた。大阪・ミナミでホストをしていることがわかり、周辺を調べていた捜査員が5日未明、ミナミのラーメン店にいる吉田容疑者を発見し、府警本部に任意同行、事情を聞いていた。』
犯人が捕まったところで死んでしまった人が戻るわけではないが,遺族の方にとって僅かな慰めにはなるのだろうか.無免許(1年間の免許取り消し処分中)で車を運転するだけでもとんでもない事だが,さらに飲酒,人身事故,ひき逃げと罪を重ねて破滅への道を走り続けたのは自分だけは逃げられるつもりだったのだろうか.
こういう利己的で馬鹿げた犯罪を予防するには,やはり犯罪が割に合わないという事を事前に理解させるだけの罰を用意して,それでも犯罪を犯すような者には厳罰を与えて再犯や同じような犯罪者の出現を予防するしかないだろう.
ひき逃げ事件は10年前の2倍以上に達しているというのも,飲酒運転での死亡事故などに適用される危険運転致死罪が懲役1年以上20年以下なのに,ひき逃げは10年以下と軽いからとりあえず逃げて飲酒の証拠を隠滅しようとする輩が多いからなのだろうか.それなら,ひき逃げはもとの罪に対して2倍の刑にでもすればいいかもしれない.
このように犯罪者がさらに犯罪を積み重ねて逃れようとするような刑法では,法が犯罪を助長するようなことになるから,さらなる罪を犯すのを思いとどまるように罪と罰とのバランスを取らなければならないのではないだろうか.一方で交通事故というのはある意味で避けられないものなのだから,怪我をした人を救護した場合には幾分か情状酌量されるということを明記するのもいいかもしれない.
この犯人も,もしすぐに車を降りて救護していれば命は助かっていた可能性が高いのに,「引きずったまま走れば死んでしまうことがわかって」いても走り続けたのだからやはり殺人罪が妥当なのだろう.自分で責任を取れない人には,他人が取らせるしかないのだから.
今シーズンはほとんど終了です.
2008年11月3日 私の写真集
天気はいまいちでしたが,とりあえず道路は乾いているようなので暗くて寒い街に漕ぎだしました.目的地は小樽.今年最後の長距離ツーリングのつもりなので,目標は記録よりも無事に帰還する事です.とは言え,銭函あたりから路面が濡れていてスピードダウンを余儀なくされ,引き返そうかと思いましたが,このままシーズンを終えると来春まで後悔しそうなので行けるところまで行くことにしてスローペースで峠を上がって行きました.
峠の下りでは当然スピードが出てしまうのですが,調子に乗っているとタイヤの接地感がなくなり微妙に滑る感じがしてきます.怖くなって体を起こし,ハンドルをしっかり握って軽くブレーキを当て減速しながらコーナーに入ります.ハイドロプレーン現象がこんなに細い自転車のタイヤでも起きるのでしょうか.
なんとか無事に峠を下り終わると真っ暗な小樽港の海が見えてきます.幸いにも小樽市内の路面は乾いていたので運河沿いの道をスピードを上げて気持ちよく走りました.目的地に着いてもまだ真夜中みたいに暗いので,記念に写真を数枚だけ撮ってすぐに帰路に着きました.
何回も走ったからなのか,体力がついたせいなのか,タイムはいつもより遅いのに呆気なく小樽まで行けました.帰りは行きよりはましなタイムでしたが,それでも往復では今年のベストタイムより15分近く遅いペースでした.暗いのと路面が濡れていたのとで景色を見ることもできませんでしたし,やはりスピードを出すととても寒かったのですが,気分的には十分満足して帰ってきました.
すっかり泥だらけになった自転車はオフシーズン中にゆっくり整備してやるつもりです.
峠の下りでは当然スピードが出てしまうのですが,調子に乗っているとタイヤの接地感がなくなり微妙に滑る感じがしてきます.怖くなって体を起こし,ハンドルをしっかり握って軽くブレーキを当て減速しながらコーナーに入ります.ハイドロプレーン現象がこんなに細い自転車のタイヤでも起きるのでしょうか.
なんとか無事に峠を下り終わると真っ暗な小樽港の海が見えてきます.幸いにも小樽市内の路面は乾いていたので運河沿いの道をスピードを上げて気持ちよく走りました.目的地に着いてもまだ真夜中みたいに暗いので,記念に写真を数枚だけ撮ってすぐに帰路に着きました.
何回も走ったからなのか,体力がついたせいなのか,タイムはいつもより遅いのに呆気なく小樽まで行けました.帰りは行きよりはましなタイムでしたが,それでも往復では今年のベストタイムより15分近く遅いペースでした.暗いのと路面が濡れていたのとで景色を見ることもできませんでしたし,やはりスピードを出すととても寒かったのですが,気分的には十分満足して帰ってきました.
すっかり泥だらけになった自転車はオフシーズン中にゆっくり整備してやるつもりです.
「やっぱ.わかんねぇだろうな〜.」
2008年10月30日 医療の問題 コメント (1)『社説:周産期センター 産科医不足解消は緊急課題だ
24時間態勢でリスクの高い妊婦と新生児のトラブルに対応する「総合周産期母子医療センター」で、産科医不足の現実が明らかになった。東京都内の妊婦が八つの病院に受け入れを断られ脳出血で死亡した問題を受け、厚生労働省が全国75カ所の同センターに緊急調査を行って分かった。
常勤産科医が6人以下だったのは都立墨東病院をはじめ15施設あった。厚労省は当直体制を回すには10人の常勤医が必要とみており、今回と同じことが多くの周産期センターで起きてもおかしくない実態が浮き彫りになった。
緊急調査から産科医不足の厳しい現実がみえてくる。同センターは妊婦や新生児の救急医療に対応するために設置されたはずだ。しかし実際には「最後のとりで」となっていなかった。これでは、安心して子どもを産むことができない。
周産期センターは、国が96年から全国で整備を始めたものだ。だが、調査の結果をみると、制度を作って補助金を出すだけで、施設の運営や医師不足の実態について点検をしてこなかったのではないかと指摘せざるを得ない。国だけではなく、都道府県にも責任はある。地域医療に対する責任をもっているのだから、周産期センターの診療体制を確保し、地域の医療機関とも十分な連携を取り、産科救急患者を確実に受け入れる態勢を整備すべきだ。
産科救急が危機的な状況に陥っている大きな理由は産科医不足だ。医師の全体数は毎年約4000人増えているが、産婦人科・産科医は98年から06年までに1割減少している。過酷な勤務や医療事故による訴訟リスクなどが背景にあり、結婚や子育てなどで一時的に離職する女性医師も多い。
厚労省は医学部定員を増やす方針を決めているが、短期間で医師養成はできない。そこで緊急的な対応策を作って、早急に医師不足を解消する必要がある。具体的な案を挙げてみたい。
まずは女性産科医に復職してもらうための労働条件や環境の整備だ。短時間勤務の導入や病院内に保育所を作ることも必要だ。地域の医師会などとの連携を強化し緊急時には臨機応変に医師派遣を行う仕組み作りを急いでほしい。土日曜、祝日の当直は2人以上が望ましいとされており、これは緊急に手当てすべきだ。
患者の家族やかかりつけ医と周産期センターなど救急病院との情報、連絡体制の再構築も必要だ。大阪府が昨年秋に設置した搬送先の調整に当たるコーディネーターもひとつの手段だ。患者の情報を的確に病院に伝え、受け入れ拒否を起こさないための有効な手だてとなろう。
「妻が死をもって浮き彫りにした問題を、力を合わせて改善してほしい」。墨東病院で死亡した妊婦の夫が記者会見でこう訴えた。重く受け止めたい。』
産科医不足に焦点を当てたのはいいが,何処かの医師掲示板でも見てきたのだろうか,わざわざ具体的な案を挙げているのが傑作だ.読んでいて疑問に感じた点が多かったので書いてみよう.
まず,女性産科医の復職のための労働条件や環境の整備とあるが,労働条件や環境の整備は女性医師を含む全ての勤務医に必要なことである.最も劣悪な環境に置かれているのが国公立病院の女性産科医だと言いたいのならそうかもしれないが,当直の代休は当然として,男性医師にも短時間勤務の導入や育児休暇を与えるくらいでないといけないのではないだろうか.赤字の国公立病院では事務職の給与を民間並みに引き下げてでも医師の給与を民間並に上げなければ集まるのは研修医くらいだろう.
地域の医師会などとの連携を強化し緊急時には臨機応変に医師派遣を行うなんていうのは,どこかに医師を待機させておくということなのだろうか,それとも土日曜,祝日は開業医がオンコールで駆けつけるということなのだろうか,どっちにしても無償奉仕させるつもりなのだとしたら不可能な話だろう.患者は24時間受診してコンビニ並みのサービスを要求するのに,代休もなしに土日曜,祝日の当直を誰かに負担させるなんていう考え方は医療界全体としてもう止めるべき時期に来ているのではないだろうか.
大阪府のコーディネーターというのはうまく機能しているのだろうか.だが,たとえコーディネーターがいたとしても医師の手が足りない場合やベッドが満床状態では物理的に受け入れが不可能だろう.今回のケースでは,コーディネーターがいればもっと早く病院に到着できたのだろうかという点から検証するべきだろう.
勤務医の労働条件や環境の改善を指導する立場の厚生労働省が,まじめに取り組まないから当直で救急患者も診なければならない医師は心身ともに疲弊するのだ.
事務職員が多すぎて人件費がかかりすぎ,そのしわ寄せで現場で働いている人の給与が低いのだとしたら働きたい人はいるだろうか.当直なのに昼間より難易度の高い仕事をやらされたあげく,当直の方が日勤より時給が低いとしたら当直で働きたい人はいるだろうか.こう言えば勤務医の労働環境がわかってもらえるだろうか.
奈良の事件ではマスコミと家族の発言,福島の事件は病院と市の対応のまずさが原因になり産科救急の崩壊を加速させたように思う.今回は夫のコメントが注目を集めたが,マスコミは相変わらずわけもわからず騒いでいるだけで,肝心の厚労省は調査はしても本質的な問題が自分のところにあることは認めないだろうから根本的に改善されるはずもない.このマスコミのように机上の空論を並べ立て,表面的な解決策を並べても結局のところ何も変わらないのではないだろうか.
24時間態勢でリスクの高い妊婦と新生児のトラブルに対応する「総合周産期母子医療センター」で、産科医不足の現実が明らかになった。東京都内の妊婦が八つの病院に受け入れを断られ脳出血で死亡した問題を受け、厚生労働省が全国75カ所の同センターに緊急調査を行って分かった。
常勤産科医が6人以下だったのは都立墨東病院をはじめ15施設あった。厚労省は当直体制を回すには10人の常勤医が必要とみており、今回と同じことが多くの周産期センターで起きてもおかしくない実態が浮き彫りになった。
緊急調査から産科医不足の厳しい現実がみえてくる。同センターは妊婦や新生児の救急医療に対応するために設置されたはずだ。しかし実際には「最後のとりで」となっていなかった。これでは、安心して子どもを産むことができない。
周産期センターは、国が96年から全国で整備を始めたものだ。だが、調査の結果をみると、制度を作って補助金を出すだけで、施設の運営や医師不足の実態について点検をしてこなかったのではないかと指摘せざるを得ない。国だけではなく、都道府県にも責任はある。地域医療に対する責任をもっているのだから、周産期センターの診療体制を確保し、地域の医療機関とも十分な連携を取り、産科救急患者を確実に受け入れる態勢を整備すべきだ。
産科救急が危機的な状況に陥っている大きな理由は産科医不足だ。医師の全体数は毎年約4000人増えているが、産婦人科・産科医は98年から06年までに1割減少している。過酷な勤務や医療事故による訴訟リスクなどが背景にあり、結婚や子育てなどで一時的に離職する女性医師も多い。
厚労省は医学部定員を増やす方針を決めているが、短期間で医師養成はできない。そこで緊急的な対応策を作って、早急に医師不足を解消する必要がある。具体的な案を挙げてみたい。
まずは女性産科医に復職してもらうための労働条件や環境の整備だ。短時間勤務の導入や病院内に保育所を作ることも必要だ。地域の医師会などとの連携を強化し緊急時には臨機応変に医師派遣を行う仕組み作りを急いでほしい。土日曜、祝日の当直は2人以上が望ましいとされており、これは緊急に手当てすべきだ。
患者の家族やかかりつけ医と周産期センターなど救急病院との情報、連絡体制の再構築も必要だ。大阪府が昨年秋に設置した搬送先の調整に当たるコーディネーターもひとつの手段だ。患者の情報を的確に病院に伝え、受け入れ拒否を起こさないための有効な手だてとなろう。
「妻が死をもって浮き彫りにした問題を、力を合わせて改善してほしい」。墨東病院で死亡した妊婦の夫が記者会見でこう訴えた。重く受け止めたい。』
産科医不足に焦点を当てたのはいいが,何処かの医師掲示板でも見てきたのだろうか,わざわざ具体的な案を挙げているのが傑作だ.読んでいて疑問に感じた点が多かったので書いてみよう.
まず,女性産科医の復職のための労働条件や環境の整備とあるが,労働条件や環境の整備は女性医師を含む全ての勤務医に必要なことである.最も劣悪な環境に置かれているのが国公立病院の女性産科医だと言いたいのならそうかもしれないが,当直の代休は当然として,男性医師にも短時間勤務の導入や育児休暇を与えるくらいでないといけないのではないだろうか.赤字の国公立病院では事務職の給与を民間並みに引き下げてでも医師の給与を民間並に上げなければ集まるのは研修医くらいだろう.
地域の医師会などとの連携を強化し緊急時には臨機応変に医師派遣を行うなんていうのは,どこかに医師を待機させておくということなのだろうか,それとも土日曜,祝日は開業医がオンコールで駆けつけるということなのだろうか,どっちにしても無償奉仕させるつもりなのだとしたら不可能な話だろう.患者は24時間受診してコンビニ並みのサービスを要求するのに,代休もなしに土日曜,祝日の当直を誰かに負担させるなんていう考え方は医療界全体としてもう止めるべき時期に来ているのではないだろうか.
大阪府のコーディネーターというのはうまく機能しているのだろうか.だが,たとえコーディネーターがいたとしても医師の手が足りない場合やベッドが満床状態では物理的に受け入れが不可能だろう.今回のケースでは,コーディネーターがいればもっと早く病院に到着できたのだろうかという点から検証するべきだろう.
勤務医の労働条件や環境の改善を指導する立場の厚生労働省が,まじめに取り組まないから当直で救急患者も診なければならない医師は心身ともに疲弊するのだ.
事務職員が多すぎて人件費がかかりすぎ,そのしわ寄せで現場で働いている人の給与が低いのだとしたら働きたい人はいるだろうか.当直なのに昼間より難易度の高い仕事をやらされたあげく,当直の方が日勤より時給が低いとしたら当直で働きたい人はいるだろうか.こう言えば勤務医の労働環境がわかってもらえるだろうか.
奈良の事件ではマスコミと家族の発言,福島の事件は病院と市の対応のまずさが原因になり産科救急の崩壊を加速させたように思う.今回は夫のコメントが注目を集めたが,マスコミは相変わらずわけもわからず騒いでいるだけで,肝心の厚労省は調査はしても本質的な問題が自分のところにあることは認めないだろうから根本的に改善されるはずもない.このマスコミのように机上の空論を並べ立て,表面的な解決策を並べても結局のところ何も変わらないのではないだろうか.
医師は助けてあげたいに決まっている
2008年10月28日 医療の問題 コメント (4)『妻の死 無駄にしないで 死亡妊婦の夫会見
脳内出血を起こした東京都内の妊婦(36)が都立墨東病院をはじめ計八カ所の医療機関に受け入れを断られ、三日後に死亡した問題で、妊婦の会社員の夫(36)=都内在住=が二十七日、東京・霞が関の厚生労働省で記者会見し「妻が死をもって浮き彫りにしてくれた問題を、都や国などが力を合わせて改善してほしい。妻の死を無駄にしないでほしい」などと、時折、涙を浮かべながら産科をめぐる救急医療の改善を訴えた。
現在の心境について「生と死が同時に起こって混乱している。最も悲しいのは子供の顔を見るのを楽しみにしていた母親が、子供の顔を見ることができず、子供も母親の顔が分からずに、二人が会えなくなってしまったこと」と語った。
夫は、かかりつけ医が連絡を取った病院から次々と受け入れを拒否されるのを隣で聞きながら「なぜこんな文明や医療が発展した都会で、こんなに死にそうに痛がっている人を誰も助けてくれないんだろうというやりきれない気持ちでいっぱいになった」という。
最終的に妊婦を受け入れた墨東病院側が「脳内出血という認識はなかった」とした点をめぐり、夫は「かかりつけ医は頭痛が尋常じゃないと伝えていた」としながらも「私は誰も責める気はない。墨東病院の当直医の方が傷ついて、病院を辞めて産科医が減ったら意味がない。産科医としての人生をまっとうし、絶対に辞めないでほしい」と訴えた。』
東京大学附属病院が加わって8カ所の医療機関ということになった.医師の逃散の全ての原因は研修医制度と救急医療を当直医の善意に任せきりにしてきた厚生労働省にあると思うのだが,舛添厚生労働大臣にはその自覚があるのだろうか,お膝元の都内で起こった問題だけに墨東病院に視察に行ったり,厚労省に報告が2週間以上もこなかったことに憤っているようだが,奈良や福島の事件のことは知らなかったとでも言うのだろうか,それとも地方での事件だから特別な対応は必要ないとでも考えていたのだろうか.
残念ながら夫のコメントも「「なぜこんな文明や医療が発展した都会で...」と都会だから助かって当然と考えているようにも聞こえるから,所詮,現場の医師の気持ちなどわかってもらえないということだろう.都会だろうが田舎だろうが救急患者の搬入を受け入れる医師は誰だって自分にできることなら患者を助けたいと思っているに決まっているのだ.だが,そう思っても,それが簡単には出来ない状況になっているからこそ搬入を断ることになったり,救急医療から撤退する病院が増えるのだろう.この一言は地方都市で救急をやっている医師のモチベーションを低下させるに十分だし,たとえ都市の大病院でも入院できなければ無いも同然ということである.
厚生労働省も医師不足を認めざるを得なくなったくらいだから,原因を医師不足にするのは簡単でわかりやすい話だが,もっと問題なのは救急医療に携わる医師のモチベーションの低下だろう.墨東病院側が受け入れ拒否の理由を,「脳内出血という認識はなかった」というのもおかしな話で,総合周産期母子医療センターとして受け入れ可能な体制だったかどうかが問われるべきで,当直の研修医が脳出血を疑っていたかどうかなんていうのは本質的な問題ではないだろう.
都から総合周産期母子医療センターの認定を受けている全9施設のうち墨東病院のみが問題発生後も土日1人当直体制を続行せざるを得ず,問題発覚後も問題発生時の当直医と同じ研修年数の別の研修医が当直しているそうだが,ちょっと信じられない話である.病院側の診療体制によって起きた問題を,当直の研修医の判断の問題にすり替えてマスコミの餌食にしてしまうような病院で今後も研修を続ける研修医はいったいどう思っているのだろうか.こんな目にあってもまだ,産科医として救急をやっていく勇気が残っているなら話を聞いてみたいものである.
脳内出血を起こした東京都内の妊婦(36)が都立墨東病院をはじめ計八カ所の医療機関に受け入れを断られ、三日後に死亡した問題で、妊婦の会社員の夫(36)=都内在住=が二十七日、東京・霞が関の厚生労働省で記者会見し「妻が死をもって浮き彫りにしてくれた問題を、都や国などが力を合わせて改善してほしい。妻の死を無駄にしないでほしい」などと、時折、涙を浮かべながら産科をめぐる救急医療の改善を訴えた。
現在の心境について「生と死が同時に起こって混乱している。最も悲しいのは子供の顔を見るのを楽しみにしていた母親が、子供の顔を見ることができず、子供も母親の顔が分からずに、二人が会えなくなってしまったこと」と語った。
夫は、かかりつけ医が連絡を取った病院から次々と受け入れを拒否されるのを隣で聞きながら「なぜこんな文明や医療が発展した都会で、こんなに死にそうに痛がっている人を誰も助けてくれないんだろうというやりきれない気持ちでいっぱいになった」という。
最終的に妊婦を受け入れた墨東病院側が「脳内出血という認識はなかった」とした点をめぐり、夫は「かかりつけ医は頭痛が尋常じゃないと伝えていた」としながらも「私は誰も責める気はない。墨東病院の当直医の方が傷ついて、病院を辞めて産科医が減ったら意味がない。産科医としての人生をまっとうし、絶対に辞めないでほしい」と訴えた。』
東京大学附属病院が加わって8カ所の医療機関ということになった.医師の逃散の全ての原因は研修医制度と救急医療を当直医の善意に任せきりにしてきた厚生労働省にあると思うのだが,舛添厚生労働大臣にはその自覚があるのだろうか,お膝元の都内で起こった問題だけに墨東病院に視察に行ったり,厚労省に報告が2週間以上もこなかったことに憤っているようだが,奈良や福島の事件のことは知らなかったとでも言うのだろうか,それとも地方での事件だから特別な対応は必要ないとでも考えていたのだろうか.
残念ながら夫のコメントも「「なぜこんな文明や医療が発展した都会で...」と都会だから助かって当然と考えているようにも聞こえるから,所詮,現場の医師の気持ちなどわかってもらえないということだろう.都会だろうが田舎だろうが救急患者の搬入を受け入れる医師は誰だって自分にできることなら患者を助けたいと思っているに決まっているのだ.だが,そう思っても,それが簡単には出来ない状況になっているからこそ搬入を断ることになったり,救急医療から撤退する病院が増えるのだろう.この一言は地方都市で救急をやっている医師のモチベーションを低下させるに十分だし,たとえ都市の大病院でも入院できなければ無いも同然ということである.
厚生労働省も医師不足を認めざるを得なくなったくらいだから,原因を医師不足にするのは簡単でわかりやすい話だが,もっと問題なのは救急医療に携わる医師のモチベーションの低下だろう.墨東病院側が受け入れ拒否の理由を,「脳内出血という認識はなかった」というのもおかしな話で,総合周産期母子医療センターとして受け入れ可能な体制だったかどうかが問われるべきで,当直の研修医が脳出血を疑っていたかどうかなんていうのは本質的な問題ではないだろう.
都から総合周産期母子医療センターの認定を受けている全9施設のうち墨東病院のみが問題発生後も土日1人当直体制を続行せざるを得ず,問題発覚後も問題発生時の当直医と同じ研修年数の別の研修医が当直しているそうだが,ちょっと信じられない話である.病院側の診療体制によって起きた問題を,当直の研修医の判断の問題にすり替えてマスコミの餌食にしてしまうような病院で今後も研修を続ける研修医はいったいどう思っているのだろうか.こんな目にあってもまだ,産科医として救急をやっていく勇気が残っているなら話を聞いてみたいものである.
救急は緊急事態じゃないはずだが
2008年10月22日 医療の問題 コメント (3)『脳出血「対応できぬ」7医療機関が拒否、妊婦死亡
脳出血を起こして緊急搬送先を探していた東京都内の妊婦(36)が、七つの医療機関から受け入れを断られ、出産後に死亡していたことが22日、わかった。
いったん受け入れを断り、最終的に対応した都立墨東病院(墨田区江東橋)は、緊急対応が必要な妊婦を受け入れる病院として都の指定を受けていた。都は詳しい経緯を調べている。
都などによると、今月4日午後6時45分ごろ、江東区に住む出産間近の妊婦が頭痛や吐き気などを訴え、同区内のかかりつけの産婦人科医院に運ばれた。医師は、墨東病院に電話で受け入れを要請したが、同院は「当直医が1人しかいないので対応できない」と断った。医師は引き続き、電話で緊急対応が可能な病院を探したが、「空きベッドがない」などの理由で、同院を含め計7病院に受け入れを断られた。
医師は約1時間後、再び墨東病院に要請。同院は別の医師を自宅から呼び出して対応し、同9時30分ごろから帝王切開で出産、同10時ごろから脳出血の手術をしたが、妊婦は3日後に死亡した。赤ちゃんは無事だった。
墨東病院は、母体、胎児、新生児の集中治療に対応できる「総合周産期母子医療センター」として1999年6月に都が指定。
同センターに関する都の基準では、「産科医を24時間体制で2人以上確保することが望ましい」とされている。しかし、同病院では、産婦人科の常勤医が2004年に定員の9人を割ってから、慢性的に不足しており、現在は、4人にまで減っていた。
そんな中、当直も担当していた非常勤産科医が6月末で辞め、7月以降は土日、祝日の当直医を1人に縮小しており、妊婦が搬送された4日は土曜日だった。
都の室井豊・救急災害医療課長は「搬送までの時間と死亡との因果関係は不明だが、もう少し早ければ、命が助かった可能性も否定できない。産科の医療体制が脆弱(ぜいじゃく)だった点は問題で、早急に対策を取りたい」として、受け入れを断った他の病院についても、当時の当直体制など、詳しい事情を聞いている。』
24時間態勢で緊急対応が必要な妊婦を受け入れるとしている病院が別の医師を自宅から呼び出して対応しなければならないなんていうのはおかしな話だ.そんな病院が24時間救急をやっていることが問題で,救急搬送の受け入れを制限せざるを得なかったのは東京都の福祉行政の責任だろう.
とは言っても,産科医が4人しかいなくなったのも補充がきかなくなったのも研修医制度や福島や奈良の訴訟事件などの影響による医師の逃散の結果なのだろうから,東京都内とは言えどもブランド病院との格差がこういうところで顕在化しただけなのだろう.
一人で当直していた医師にすれば,頑張って受け入れて死亡して訴訟を起こされるリスクと,受け入れを頑なに拒否して救急車内で死亡して問題になるリスクとの究極の選択から受け入れの方を選択して応援の医師を呼んだのではないだろうか.それでも,結果として受け入れが1時間遅れ,脳出血の手術の3日後に死亡すればこうしてマスコミのネタになってしまうのである.
聞いた話だが,小児救急でも同じようなことが起きているようで,人手不足で過労気味になると耐えられなくなった若い医師から辞めていくので,最後には残された責任感ある部長医師の負担が増えているようである.こうなると自分が過労死するか患者が死んで訴えられるのを待っているようなものである.本来,救急医療というのは救急病院にしてみれば日常業務であって,緊急事態ではないはずなのに脳出血の妊婦さん一人でこの騒ぎというのは異常ではないだろうか.
医師が少ないからといって当直医が救急医も兼ねるという伝統的な労働基準法違反も一向に改善される気配がないのも,定員割れした病院が救急指定になっているのも元はと言えば厚生労働省のせいなのだが,医師の待遇を改善する気などまったくないだけでなく,未だに本音は医療費削減で,さらに隙あらば医師を強制配置しようなどと考えている輩に医療現場の環境改善を期待するのは無理だろう.
マスコミは簡単に記事になる医者たたきや病院たたきで終わらずに,医師が救急医療から逃げ出そうとしている本当の理由を探してみる気はないのだろうか.
脳出血を起こして緊急搬送先を探していた東京都内の妊婦(36)が、七つの医療機関から受け入れを断られ、出産後に死亡していたことが22日、わかった。
いったん受け入れを断り、最終的に対応した都立墨東病院(墨田区江東橋)は、緊急対応が必要な妊婦を受け入れる病院として都の指定を受けていた。都は詳しい経緯を調べている。
都などによると、今月4日午後6時45分ごろ、江東区に住む出産間近の妊婦が頭痛や吐き気などを訴え、同区内のかかりつけの産婦人科医院に運ばれた。医師は、墨東病院に電話で受け入れを要請したが、同院は「当直医が1人しかいないので対応できない」と断った。医師は引き続き、電話で緊急対応が可能な病院を探したが、「空きベッドがない」などの理由で、同院を含め計7病院に受け入れを断られた。
医師は約1時間後、再び墨東病院に要請。同院は別の医師を自宅から呼び出して対応し、同9時30分ごろから帝王切開で出産、同10時ごろから脳出血の手術をしたが、妊婦は3日後に死亡した。赤ちゃんは無事だった。
墨東病院は、母体、胎児、新生児の集中治療に対応できる「総合周産期母子医療センター」として1999年6月に都が指定。
同センターに関する都の基準では、「産科医を24時間体制で2人以上確保することが望ましい」とされている。しかし、同病院では、産婦人科の常勤医が2004年に定員の9人を割ってから、慢性的に不足しており、現在は、4人にまで減っていた。
そんな中、当直も担当していた非常勤産科医が6月末で辞め、7月以降は土日、祝日の当直医を1人に縮小しており、妊婦が搬送された4日は土曜日だった。
都の室井豊・救急災害医療課長は「搬送までの時間と死亡との因果関係は不明だが、もう少し早ければ、命が助かった可能性も否定できない。産科の医療体制が脆弱(ぜいじゃく)だった点は問題で、早急に対策を取りたい」として、受け入れを断った他の病院についても、当時の当直体制など、詳しい事情を聞いている。』
24時間態勢で緊急対応が必要な妊婦を受け入れるとしている病院が別の医師を自宅から呼び出して対応しなければならないなんていうのはおかしな話だ.そんな病院が24時間救急をやっていることが問題で,救急搬送の受け入れを制限せざるを得なかったのは東京都の福祉行政の責任だろう.
とは言っても,産科医が4人しかいなくなったのも補充がきかなくなったのも研修医制度や福島や奈良の訴訟事件などの影響による医師の逃散の結果なのだろうから,東京都内とは言えどもブランド病院との格差がこういうところで顕在化しただけなのだろう.
一人で当直していた医師にすれば,頑張って受け入れて死亡して訴訟を起こされるリスクと,受け入れを頑なに拒否して救急車内で死亡して問題になるリスクとの究極の選択から受け入れの方を選択して応援の医師を呼んだのではないだろうか.それでも,結果として受け入れが1時間遅れ,脳出血の手術の3日後に死亡すればこうしてマスコミのネタになってしまうのである.
聞いた話だが,小児救急でも同じようなことが起きているようで,人手不足で過労気味になると耐えられなくなった若い医師から辞めていくので,最後には残された責任感ある部長医師の負担が増えているようである.こうなると自分が過労死するか患者が死んで訴えられるのを待っているようなものである.本来,救急医療というのは救急病院にしてみれば日常業務であって,緊急事態ではないはずなのに脳出血の妊婦さん一人でこの騒ぎというのは異常ではないだろうか.
医師が少ないからといって当直医が救急医も兼ねるという伝統的な労働基準法違反も一向に改善される気配がないのも,定員割れした病院が救急指定になっているのも元はと言えば厚生労働省のせいなのだが,医師の待遇を改善する気などまったくないだけでなく,未だに本音は医療費削減で,さらに隙あらば医師を強制配置しようなどと考えている輩に医療現場の環境改善を期待するのは無理だろう.
マスコミは簡単に記事になる医者たたきや病院たたきで終わらずに,医師が救急医療から逃げ出そうとしている本当の理由を探してみる気はないのだろうか.