『「集団自決」に「軍の関与」復活 検定意見を実質修正
沖縄戦の「集団自決」をめぐり、来春から使われる高校日本史の教科書検定で「日本軍の強制」が削除された問題で、渡海文部科学相は26日、教科書会社6社から出されていた訂正申請を承認した。「日本軍が強制した」という直接的な記述は避けつつ、「軍の関与」や「戦中の軍の教育」などによって住民が自決に追い込まれたと記しており、「集団自決が起きたのは、日本軍の行為が主たる原因」と読める内容になった。
一度検定に合格した教科書の記述に沖縄側が激しく反発したことをきっかけに異例の再審議となった。6社中5社は文科省側とやりとりしながら、訂正申請を一度取り下げたうえで、修正して再申請し承認された。文科省は、「軍の強制」を認めなかった検定意見を撤回しなかったものの、内容を事実上修正する結果となった。
渡海氏はこの日の会見で「審議経過も明らかにしており、沖縄の理解をいただきたいと思っている」と語った。一方、9月末に開かれた沖縄県民大会の実行委員長を務めた仲里利信・県議会議長も会見し、「記述の回復がほぼなされ、これまでの検定意見は自動的に消滅したと考えている」と表明した。ただし、県民大会で決議した「検定意見の撤回」が実現しなかったことには不満の声も根強く、28日に実行委員会を開いて、正式な態度表明をするという。
渡海氏は県民大会の直後、「訂正申請があれば真摯(しんし)に対応する」と表明。11月に各社から申請が出されたことを受けて、諮問機関の教科用図書検定調査審議会(検定審)に検討を要請。検定審日本史小委員会は25日に訂正申請を承認する報告をまとめた。
今回の再審議では、「日本軍が強制した」と記した訂正を認めるかどうかが焦点だった。日本史小委は、沖縄戦や軍事史の専門家9人に意見を求めたうえで、(1)集団自決が起きた状況をつくった要因として、軍の関与は主要なもの(2)軍命令で行われたことを示す根拠は確認できていない(3)住民側から見れば、自決せざるを得ないような状況に追い込まれたとも考えられる――という「基本的とらえ方」をまとめた。この方針に沿って、教科書会社に訂正申請の根拠となる資料の提出や説明を求めた。
その結果、三省堂、実教出版、清水書院、第一学習社、東京書籍の5社は訂正申請にあった「自決を強要された」「集団自害と殺し合いを強制した」といった直接的な表現を取り下げ、「日本軍の関与」「米軍の捕虜となることを許さないなど指導」との表現に変えて再申請した。山川出版社は事実関係だけで、背景や要因には触れなかった。
「強制的な状況のもとで」「『強制集団死』とする見方が出されている」といった記述も承認された。文科省は「『強制』や『強要』があれば即不合格になるのではなく、全体の文脈の中で小委が判断した」と説明している。』
教科書の表現がどうであろうと歴史的事実は変わらない.沖縄戦に巻き込まれて異常な状況の中で自決を選ばなければならなかったのは情報不足が決定的な要因だったのは間違いないだろう.本当は自決する必要なんてどこにもなかったのだが,それを判断するのに必要な情報がなかったために誤った情報あるいは操作された情報により間違った決断をせざるを得ない状況になってしまったということだろう.
自分で情報を収集し判断できる能力があれば教科書に何を書かれても別に問題視する必要はないのだが,情報を一方的に受け取ることに慣れてしまうと,ヒトはそれが本当かどうかを疑うことを忘れてしまうようである.
それにしても情けないのは,教育問題で騒いでいる割には文部科学省の検定に対して地方自治体の反応の鈍いことである.沖縄県は当事者なので問題視するのはわかるが,検定に態度を表明しなかった地方自治体はそれでいいのだろうか.教科書は自分のところの子供たちも使うのものなのだが,大人たちは国が与えてくれるものを使うだけでいいと思っているのだろうか.
それでも税収の地方委譲だけは主張しているようだが,もともと国から地方交付税をもらっているうちに考え方そのものが受け取るだけになっていることに気づいていないようである.北海道はソビエト軍が上陸していたら沖縄と同じようなことが起きていたかもしれないのに何も考えていないのだろうか.国からお金をもらい続けているうちに自分で主体的に考えることもできなくなるとはなんとも情けない話ではないか.
沖縄戦の「集団自決」をめぐり、来春から使われる高校日本史の教科書検定で「日本軍の強制」が削除された問題で、渡海文部科学相は26日、教科書会社6社から出されていた訂正申請を承認した。「日本軍が強制した」という直接的な記述は避けつつ、「軍の関与」や「戦中の軍の教育」などによって住民が自決に追い込まれたと記しており、「集団自決が起きたのは、日本軍の行為が主たる原因」と読める内容になった。
一度検定に合格した教科書の記述に沖縄側が激しく反発したことをきっかけに異例の再審議となった。6社中5社は文科省側とやりとりしながら、訂正申請を一度取り下げたうえで、修正して再申請し承認された。文科省は、「軍の強制」を認めなかった検定意見を撤回しなかったものの、内容を事実上修正する結果となった。
渡海氏はこの日の会見で「審議経過も明らかにしており、沖縄の理解をいただきたいと思っている」と語った。一方、9月末に開かれた沖縄県民大会の実行委員長を務めた仲里利信・県議会議長も会見し、「記述の回復がほぼなされ、これまでの検定意見は自動的に消滅したと考えている」と表明した。ただし、県民大会で決議した「検定意見の撤回」が実現しなかったことには不満の声も根強く、28日に実行委員会を開いて、正式な態度表明をするという。
渡海氏は県民大会の直後、「訂正申請があれば真摯(しんし)に対応する」と表明。11月に各社から申請が出されたことを受けて、諮問機関の教科用図書検定調査審議会(検定審)に検討を要請。検定審日本史小委員会は25日に訂正申請を承認する報告をまとめた。
今回の再審議では、「日本軍が強制した」と記した訂正を認めるかどうかが焦点だった。日本史小委は、沖縄戦や軍事史の専門家9人に意見を求めたうえで、(1)集団自決が起きた状況をつくった要因として、軍の関与は主要なもの(2)軍命令で行われたことを示す根拠は確認できていない(3)住民側から見れば、自決せざるを得ないような状況に追い込まれたとも考えられる――という「基本的とらえ方」をまとめた。この方針に沿って、教科書会社に訂正申請の根拠となる資料の提出や説明を求めた。
その結果、三省堂、実教出版、清水書院、第一学習社、東京書籍の5社は訂正申請にあった「自決を強要された」「集団自害と殺し合いを強制した」といった直接的な表現を取り下げ、「日本軍の関与」「米軍の捕虜となることを許さないなど指導」との表現に変えて再申請した。山川出版社は事実関係だけで、背景や要因には触れなかった。
「強制的な状況のもとで」「『強制集団死』とする見方が出されている」といった記述も承認された。文科省は「『強制』や『強要』があれば即不合格になるのではなく、全体の文脈の中で小委が判断した」と説明している。』
教科書の表現がどうであろうと歴史的事実は変わらない.沖縄戦に巻き込まれて異常な状況の中で自決を選ばなければならなかったのは情報不足が決定的な要因だったのは間違いないだろう.本当は自決する必要なんてどこにもなかったのだが,それを判断するのに必要な情報がなかったために誤った情報あるいは操作された情報により間違った決断をせざるを得ない状況になってしまったということだろう.
自分で情報を収集し判断できる能力があれば教科書に何を書かれても別に問題視する必要はないのだが,情報を一方的に受け取ることに慣れてしまうと,ヒトはそれが本当かどうかを疑うことを忘れてしまうようである.
それにしても情けないのは,教育問題で騒いでいる割には文部科学省の検定に対して地方自治体の反応の鈍いことである.沖縄県は当事者なので問題視するのはわかるが,検定に態度を表明しなかった地方自治体はそれでいいのだろうか.教科書は自分のところの子供たちも使うのものなのだが,大人たちは国が与えてくれるものを使うだけでいいと思っているのだろうか.
それでも税収の地方委譲だけは主張しているようだが,もともと国から地方交付税をもらっているうちに考え方そのものが受け取るだけになっていることに気づいていないようである.北海道はソビエト軍が上陸していたら沖縄と同じようなことが起きていたかもしれないのに何も考えていないのだろうか.国からお金をもらい続けているうちに自分で主体的に考えることもできなくなるとはなんとも情けない話ではないか.
日医の面子を保っただけ?
2007年12月26日 医療の問題『08年度診療報酬改定「率は不満も勤務医対策に期待」日医・唐澤会長が緊急会見
日本医師会の唐澤祥人会長は18日に緊急会見を行い、全体で0.82%の引き下げとなった2008年度診療報酬改定に対し、「マイナス改定の流れを押しとどめることができなかったことは大変残念」とする一方、医科本体が0.42%の引き上げとなったことについては「決して十分とは言えないが、勤務医の疲弊、産科・小児科・救急医療の危機が少しでも救われることを期待したい」と勤務医環境などの改善に期待をにじませた。
プラス改定を獲得した背景として、診療報酬の引き上げを目指して署名活動などを展開した自民党議員の尽力に加え、地域医師会の後押しも日医の大きな原動力になったとし、それぞれに感謝の言葉を述べた。
日医は当初、医科の医療費ベースで5.7%のプラス改定を求めていた。最終的にプラス0.42%で決着したことについて唐澤会長は、「これまでずっとマイナス改定を経験してきたので、プラス改定でほっとしたという感じ。われわれが望む主張は、主張として行った。これで満足したということはない」と引き続き医療費の増額を求めていく考えを示した。
勤務医や小児科・産科などへの対応では「少しでも余裕のある診療環境ができればいいと考えている」と述べた。改定率に基づき、今後は中医協で具体的な財源配分が議論されることを踏まえ、「医療を守るための議論の中で今後の方向をしっかり検討していきたい」と述べ、具体的な点数設定に日医の考えを反映させたいとした。
また、今回の改定では「社会保障費の自然増2200億円の削減が非常に大きな障壁だった」と指摘。「骨太方針07」では、機械的に5年間均等に削減するわけではないことが明示されたにもかかわらず、2200億円削減は少しも緩められなかったとして、「医療崩壊の危機を認識していただいていないのではないかと落胆する思い」と嘆いた。
その上で、来年度以降も引き続き歳出削減を強いられないよう、日医として関係方面への働き掛けを強めていく考えを示した。
日医会員に対しては、「今回の結果がどのように受け止められるか、まだ分からない。さまざまな意見が寄せられると思うので、(それを踏まえ)今後の取り組み方や方向を出していきたい」とした。
財源付け替えでは地域医療は疲弊
中医協で診療側と支払い側で意見が割れている診療所の初再診料の対応については、「これから一層、活動しなくてはいけない先生方に対し、削減する方向が正しいかどうか」と引き下げの考えに疑問を投げ掛けた上で、診療所から病院に財源を付け替えるだけではさらに地域医療を疲弊させると批判した。』
5.7%のプラス改定を求めていたのに,その一割にも満たない回答を評価せざるを得ないのは相手に対してではなく自分たちの努力を評価て欲しいということなのだろうか.もっとも厚生労働大臣さえも相手にしない官僚たちが医師会の言うことを聞かなくても別に不思議ではない.
それより本体0.38%増の財源が300億円と言うが,これはちょうど年金特別便にかかる費用と同じで,社会保険庁の不祥事のためにかかる費用はほとんどなんの議論もなく税金が投入されるのに,かたや医療費だと大騒ぎになるとはいったいどういうことなのだろうか.
それにこの程度で勤務医環境が改善されることなどあり得ない.勤務医の拘束時間や給与がたとえ1%改善されたって有り難がる医師はいないだろうし,実際にはどちらもまったく変わることはないだろう.夜中にコンビニ気分で受診する患者の相手までさせられている医療者にすれば,馬鹿にされたような気がしてますますやる気が失せていくことだろう.
日本医師会の唐澤祥人会長は18日に緊急会見を行い、全体で0.82%の引き下げとなった2008年度診療報酬改定に対し、「マイナス改定の流れを押しとどめることができなかったことは大変残念」とする一方、医科本体が0.42%の引き上げとなったことについては「決して十分とは言えないが、勤務医の疲弊、産科・小児科・救急医療の危機が少しでも救われることを期待したい」と勤務医環境などの改善に期待をにじませた。
プラス改定を獲得した背景として、診療報酬の引き上げを目指して署名活動などを展開した自民党議員の尽力に加え、地域医師会の後押しも日医の大きな原動力になったとし、それぞれに感謝の言葉を述べた。
日医は当初、医科の医療費ベースで5.7%のプラス改定を求めていた。最終的にプラス0.42%で決着したことについて唐澤会長は、「これまでずっとマイナス改定を経験してきたので、プラス改定でほっとしたという感じ。われわれが望む主張は、主張として行った。これで満足したということはない」と引き続き医療費の増額を求めていく考えを示した。
勤務医や小児科・産科などへの対応では「少しでも余裕のある診療環境ができればいいと考えている」と述べた。改定率に基づき、今後は中医協で具体的な財源配分が議論されることを踏まえ、「医療を守るための議論の中で今後の方向をしっかり検討していきたい」と述べ、具体的な点数設定に日医の考えを反映させたいとした。
また、今回の改定では「社会保障費の自然増2200億円の削減が非常に大きな障壁だった」と指摘。「骨太方針07」では、機械的に5年間均等に削減するわけではないことが明示されたにもかかわらず、2200億円削減は少しも緩められなかったとして、「医療崩壊の危機を認識していただいていないのではないかと落胆する思い」と嘆いた。
その上で、来年度以降も引き続き歳出削減を強いられないよう、日医として関係方面への働き掛けを強めていく考えを示した。
日医会員に対しては、「今回の結果がどのように受け止められるか、まだ分からない。さまざまな意見が寄せられると思うので、(それを踏まえ)今後の取り組み方や方向を出していきたい」とした。
財源付け替えでは地域医療は疲弊
中医協で診療側と支払い側で意見が割れている診療所の初再診料の対応については、「これから一層、活動しなくてはいけない先生方に対し、削減する方向が正しいかどうか」と引き下げの考えに疑問を投げ掛けた上で、診療所から病院に財源を付け替えるだけではさらに地域医療を疲弊させると批判した。』
5.7%のプラス改定を求めていたのに,その一割にも満たない回答を評価せざるを得ないのは相手に対してではなく自分たちの努力を評価て欲しいということなのだろうか.もっとも厚生労働大臣さえも相手にしない官僚たちが医師会の言うことを聞かなくても別に不思議ではない.
それより本体0.38%増の財源が300億円と言うが,これはちょうど年金特別便にかかる費用と同じで,社会保険庁の不祥事のためにかかる費用はほとんどなんの議論もなく税金が投入されるのに,かたや医療費だと大騒ぎになるとはいったいどういうことなのだろうか.
それにこの程度で勤務医環境が改善されることなどあり得ない.勤務医の拘束時間や給与がたとえ1%改善されたって有り難がる医師はいないだろうし,実際にはどちらもまったく変わることはないだろう.夜中にコンビニ気分で受診する患者の相手までさせられている医療者にすれば,馬鹿にされたような気がしてますますやる気が失せていくことだろう.
『暗い所で本「目悪くなる」 医学的根拠ない、と米チーム
「暗いところで本を読むと目が悪くなる」「毛をかみそりでそると濃くなる」など、米国で一般によく信じられている体に関する言い伝えについて、医学的な裏付けがないばかりか、誤りのものもあるとする研究を米インディアナ大のチームがまとめた。22日発行の英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」クリスマス特別号に論文が掲載された。
体に関する言い伝えと医学的な妥当性(米インディアナ大チームによる)
米国で医療関係者にも信じている人がいるという言い伝えを七つ選び、文献データベースやインターネットの検索で医学的な裏付けを示す研究があるかどうかを調べた。
その結果、七つとも医学的な裏付けは見つからず、80年近く前の研究ですでに否定されているものもあったという。
論文は結びで「このような言い伝えを信じるだけなら実害はないが、根拠のない治療法を勧めることは実害をもたらす可能性がある」と、科学的根拠に基づく医療の重要さを指摘している。
携帯電話の医療機器への影響について、日本の総務省は06年、実験の上で「心臓ペースメーカーからは22センチ程度以上離す」などとした現行指針が妥当と結論している。』
こういう迷信じみた話を信じる人は意外と多いような気がするのだが,医師の中にもこれに類する事を臨床の現場で患者さんにすすめたり自分でやっていたりする人がいるのだから困ったものだ.
大先輩の先生方はもうしょうがないので放っておくとして,若い先生にどうしてそんなことをするのかと聞いても実はどこかの先輩に教えてもらったからとか,何となくそういうものだと思ってという具合にあまり考えないでやっていることが多い.
意味のないことをやれば時間や資源の無駄だし,場合によっては有害なことさえあるのだから,自分のやっていることの必然性というものを常に考えながら仕事をする習慣を身につけたほうがいいだろう.
だが,頭では理解できても一度身についた行動パターンはなかなか変えられないもののようだ.やはり最初に教えてくれた人の影響は大きいようで,いい師にめぐり遭えた人は幸せかもしれないが,ものまねをしているだけでは師を超えることはできないし,反面教師からはダメなことを気づかされることは多くとも,良い方法を学ぶ事はできないだろう.
つまり,「迷信にとらわれない」ということは,言い換えれば,他人の言うことを妄信したり,現状に満足したりせずに,「自分で真理を追究する」ということに他ならないのではないだろうか.
「暗いところで本を読むと目が悪くなる」「毛をかみそりでそると濃くなる」など、米国で一般によく信じられている体に関する言い伝えについて、医学的な裏付けがないばかりか、誤りのものもあるとする研究を米インディアナ大のチームがまとめた。22日発行の英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」クリスマス特別号に論文が掲載された。
体に関する言い伝えと医学的な妥当性(米インディアナ大チームによる)
米国で医療関係者にも信じている人がいるという言い伝えを七つ選び、文献データベースやインターネットの検索で医学的な裏付けを示す研究があるかどうかを調べた。
その結果、七つとも医学的な裏付けは見つからず、80年近く前の研究ですでに否定されているものもあったという。
論文は結びで「このような言い伝えを信じるだけなら実害はないが、根拠のない治療法を勧めることは実害をもたらす可能性がある」と、科学的根拠に基づく医療の重要さを指摘している。
携帯電話の医療機器への影響について、日本の総務省は06年、実験の上で「心臓ペースメーカーからは22センチ程度以上離す」などとした現行指針が妥当と結論している。』
こういう迷信じみた話を信じる人は意外と多いような気がするのだが,医師の中にもこれに類する事を臨床の現場で患者さんにすすめたり自分でやっていたりする人がいるのだから困ったものだ.
大先輩の先生方はもうしょうがないので放っておくとして,若い先生にどうしてそんなことをするのかと聞いても実はどこかの先輩に教えてもらったからとか,何となくそういうものだと思ってという具合にあまり考えないでやっていることが多い.
意味のないことをやれば時間や資源の無駄だし,場合によっては有害なことさえあるのだから,自分のやっていることの必然性というものを常に考えながら仕事をする習慣を身につけたほうがいいだろう.
だが,頭では理解できても一度身についた行動パターンはなかなか変えられないもののようだ.やはり最初に教えてくれた人の影響は大きいようで,いい師にめぐり遭えた人は幸せかもしれないが,ものまねをしているだけでは師を超えることはできないし,反面教師からはダメなことを気づかされることは多くとも,良い方法を学ぶ事はできないだろう.
つまり,「迷信にとらわれない」ということは,言い換えれば,他人の言うことを妄信したり,現状に満足したりせずに,「自分で真理を追究する」ということに他ならないのではないだろうか.
クジラだけが特別扱い?
2007年12月22日 社会の問題 コメント (1)『英首相「受け入れがたい残忍行為」と捕鯨批判
英国の環境・食糧・農村省は21日、「クジラを守る〜国境を越えた責任」と題した冊子を作り、日本政府がザトウクジラの調査捕鯨を見合わせることを発表した数時間後にホームページに掲載した。ブラウン首相は序文で「捕鯨は受け入れがたいほど残忍で、経済上でも必要性のない行為だ」と厳しい表現で批判している。
冊子は、捕鯨を続けるノルウェーやアイスランドとともに日本を名指しで批判。「日本は87年から国際捕鯨委員会(IWC)の禁止協定で調査捕鯨を認めているという抜け穴を悪用している」と指弾している。また、ホエールウオッチングなどでの観光収入は世界の90カ国・地域で年間10億ドル(約1140億円)にのぼり、捕鯨がこうした経済的な恩恵を奪っている、と記した。』
欧米人はクジラに食料としてよりも観光資源としての価値を見い出しているということなのだろう.
私はホエールウオッチングもいいが,以前に父島で捕鯨船の人に食べさせてもらった尾の身と言われるお刺身の味が忘れられない.しかし,今マグロがブームの中国人が尾の身の味を知ったら大変なことになりそうだから保護しておいたほうがいいとも思う.
ブラウン首相は動物愛好家なのかもしれないが,どんな動物でも過剰な保護は自然のバランスを崩すだろうから,クジラが増えすぎれば魚が減って食糧難になるという話も本当かもしれない.餌不足によりトドなど他の野生動物が減るのはかまわないのだろうか.もちろん人間も例外ではないが.
地球温暖化の次は食料危機なんだろうから経済的な視点と言うなら鯨も水産資源の一部として考えるべきだと思うのだが,今の世界は先進国の都合で動いているのでクジラは特別扱いされているだけなのだろう.
日本も鯨を食料として考えるなら鮭のように人工的に繁殖したものだけを捕鯨するなどの技術を開発すればいいような気がするのだが,すでに研究中なのだろうか.
英国の環境・食糧・農村省は21日、「クジラを守る〜国境を越えた責任」と題した冊子を作り、日本政府がザトウクジラの調査捕鯨を見合わせることを発表した数時間後にホームページに掲載した。ブラウン首相は序文で「捕鯨は受け入れがたいほど残忍で、経済上でも必要性のない行為だ」と厳しい表現で批判している。
冊子は、捕鯨を続けるノルウェーやアイスランドとともに日本を名指しで批判。「日本は87年から国際捕鯨委員会(IWC)の禁止協定で調査捕鯨を認めているという抜け穴を悪用している」と指弾している。また、ホエールウオッチングなどでの観光収入は世界の90カ国・地域で年間10億ドル(約1140億円)にのぼり、捕鯨がこうした経済的な恩恵を奪っている、と記した。』
欧米人はクジラに食料としてよりも観光資源としての価値を見い出しているということなのだろう.
私はホエールウオッチングもいいが,以前に父島で捕鯨船の人に食べさせてもらった尾の身と言われるお刺身の味が忘れられない.しかし,今マグロがブームの中国人が尾の身の味を知ったら大変なことになりそうだから保護しておいたほうがいいとも思う.
ブラウン首相は動物愛好家なのかもしれないが,どんな動物でも過剰な保護は自然のバランスを崩すだろうから,クジラが増えすぎれば魚が減って食糧難になるという話も本当かもしれない.餌不足によりトドなど他の野生動物が減るのはかまわないのだろうか.もちろん人間も例外ではないが.
地球温暖化の次は食料危機なんだろうから経済的な視点と言うなら鯨も水産資源の一部として考えるべきだと思うのだが,今の世界は先進国の都合で動いているのでクジラは特別扱いされているだけなのだろう.
日本も鯨を食料として考えるなら鮭のように人工的に繁殖したものだけを捕鯨するなどの技術を開発すればいいような気がするのだが,すでに研究中なのだろうか.
2007年最後の私的流行
2007年12月20日 その他今年も残すところ10日あまりとなった.ちょっと振り返ると今年,私的にもっとも流行したのは自転車でありダイエットということだったろう.我ながらよく走ったものだと思う.走行距離はおそらく3000kmほどにはなるのではないだろうか.おかげで体重も10kg近く少なくなり,体脂肪率もBMIも内蔵脂肪も標準値内に収まった.まったく体というものは正直なものである.
そして,最近私がはまっているものはと言えば,それはWii FitとPodcastである.
寒くてとても我慢できないような時や,疲れて寝過ごして時間がなくなりサイクルトレーナーで走れない時は居間のテレビの前でWii Fitというのが最近の日課になっている.お気に入りはヨガとバランスゲームである.筋力と持久力は自転車で十分なので,Wii Fitは体のバランスの調整用というわけだ.だが,今考えているのはハートレートモニタを装着してWii Fitでランニングなど持久力系の運動をすることである.自転車の走行距離の不足分をこれで補おうと思っているのだが,実験はこれからである.
もうひとつはPodcastだが,新しい車になって運転が退屈になったので車で聞く事が多い.iTune Storeで探せばわかるが,たくさんのジャンルがあり運転しながら聞くには音楽より眠くならない点もいい.ただしビデオのプログラムはわき見運転になるのでおすすめできない.まだiPodを持っていなくとも,PCのiTuneでPodcastのプログラムは視聴できるので興味があるひとはまずiTuneで試してみるのがいいと思う.
余談だが,iPhoneが来年には日本でも発売になるようだ.きっとNTTのPCデータ通信定額制と同時期に発売されるのではないかと思うのだが,P905iがなかなか良さそうなのでiPhoneも日本上陸の際にはワンセグにも対応してもらいたものだ.そうすればiTune music+Podcast+ワンセグで最強のマルチメディア・プレイヤー内蔵携帯電話となり購入動機も増すのだが,Apple社の方,是非ご検討をお願いします.
そして,最近私がはまっているものはと言えば,それはWii FitとPodcastである.
寒くてとても我慢できないような時や,疲れて寝過ごして時間がなくなりサイクルトレーナーで走れない時は居間のテレビの前でWii Fitというのが最近の日課になっている.お気に入りはヨガとバランスゲームである.筋力と持久力は自転車で十分なので,Wii Fitは体のバランスの調整用というわけだ.だが,今考えているのはハートレートモニタを装着してWii Fitでランニングなど持久力系の運動をすることである.自転車の走行距離の不足分をこれで補おうと思っているのだが,実験はこれからである.
もうひとつはPodcastだが,新しい車になって運転が退屈になったので車で聞く事が多い.iTune Storeで探せばわかるが,たくさんのジャンルがあり運転しながら聞くには音楽より眠くならない点もいい.ただしビデオのプログラムはわき見運転になるのでおすすめできない.まだiPodを持っていなくとも,PCのiTuneでPodcastのプログラムは視聴できるので興味があるひとはまずiTuneで試してみるのがいいと思う.
余談だが,iPhoneが来年には日本でも発売になるようだ.きっとNTTのPCデータ通信定額制と同時期に発売されるのではないかと思うのだが,P905iがなかなか良さそうなのでiPhoneも日本上陸の際にはワンセグにも対応してもらいたものだ.そうすればiTune music+Podcast+ワンセグで最強のマルチメディア・プレイヤー内蔵携帯電話となり購入動機も増すのだが,Apple社の方,是非ご検討をお願いします.
iPodは初代の5Gbyteのクリックホイールの時に発売と同時に購入し使っていたのだが,3年ほど車載で使用してハードディスクが壊れたので交換はしなかった.新しいモデルが発売されると買い足すので昨日届いたiPod Classisで6台目になる.
最近,自分のお気に入りのものが事故や寿命で次々と壊れ,修理や買い替えが多いのだが,お気に入りの写真と音楽を入れ持ち歩いているiPodをちょっと車載で使ったら機嫌を損ねたのかバッテリーが上がり充電不能になってしまった.
iPodの分解は初代からやっているので,さっそく中を開けてみたところMADE IN CHINAとModel:616-0206と書かれた電池は簡単に交換できそうだったので,モデルNo.A1099のiPodに適した電池をさっそくネット通販で探したところ4000円程で売っているところがあったので購入した.
交換は簡単に終わりさっそくMacにつないで充電し作業は無事終了したが,ちょうど昨日届いたiPod Classicのシルバーが車の内装色とマッチするのでこちらを車載にすることにした.第4世代iPodは厚さが16mm程で20GBなのだが,新しい方は80GBなのに厚さが10mm程で液晶も2.5inchになっているのには少し驚いた.
iPodの車載のために今回はBelkin Tune Base FM IIというのを買ってみた.第3世代以前のiPodではちょっと問題があるみたいだが,iPod Classicとの相性は良くトランスミッターの出力は少し弱いみたいだが,センターコンソールで使う分には音質もまあまあで,そのクールな周波数表示が大変気に入っている.
あとは80GBもの容量にどんな曲やビデオクリップのデータを入れるかを考えるだけだが.どなたか郊外をちょっとドライブするのにおすすめのアルバムがあったら教えていただけないでしょうか.
最近,自分のお気に入りのものが事故や寿命で次々と壊れ,修理や買い替えが多いのだが,お気に入りの写真と音楽を入れ持ち歩いているiPodをちょっと車載で使ったら機嫌を損ねたのかバッテリーが上がり充電不能になってしまった.
iPodの分解は初代からやっているので,さっそく中を開けてみたところMADE IN CHINAとModel:616-0206と書かれた電池は簡単に交換できそうだったので,モデルNo.A1099のiPodに適した電池をさっそくネット通販で探したところ4000円程で売っているところがあったので購入した.
交換は簡単に終わりさっそくMacにつないで充電し作業は無事終了したが,ちょうど昨日届いたiPod Classicのシルバーが車の内装色とマッチするのでこちらを車載にすることにした.第4世代iPodは厚さが16mm程で20GBなのだが,新しい方は80GBなのに厚さが10mm程で液晶も2.5inchになっているのには少し驚いた.
iPodの車載のために今回はBelkin Tune Base FM IIというのを買ってみた.第3世代以前のiPodではちょっと問題があるみたいだが,iPod Classicとの相性は良くトランスミッターの出力は少し弱いみたいだが,センターコンソールで使う分には音質もまあまあで,そのクールな周波数表示が大変気に入っている.
あとは80GBもの容量にどんな曲やビデオクリップのデータを入れるかを考えるだけだが.どなたか郊外をちょっとドライブするのにおすすめのアルバムがあったら教えていただけないでしょうか.
『Wii』でダイエット その2 (Wii Fit 購入)
2007年12月3日 その他Wiiを手に入れたばかりの頃,同じタイトルで書いたのだが,今回Wii Fitを購入してみた.今回Wiiに接続されるのは体重センサーで,これで体の重心位置の測定もできるようだ.面白いと思ったのは,毎日の体重管理はCD-ROMを入れておかなくともWiiメニューからできることで,毎回CD-ROMを入れ直さなくていいのは便利だ.
まだ,全部のトレーニングをやってはいないのだが,普段まったく運動をしないような人には多少のダイエット効果はあるかもしれない.しかし,以前に予想した血圧計や心拍センサーは付属していないので血圧管理や心拍トレーニングはできない.ゲームなのだから適切な運動強度の設定まではできないのは仕方がないということなのだろう.
しかし,体重の変化を自動でグラフ化してくれるのは便利なので,私はさっそく今朝から利用させてもらっている.でも,せめて体脂肪計もつけてくれたらもっと良かったのだが,これがヒットしたらバージョンアップ版では心拍数モニターと体脂肪計をぜひ一緒にセットしてもらいものだが,任天堂さんには宜しくご検討をお願いしたい.
まだ,全部のトレーニングをやってはいないのだが,普段まったく運動をしないような人には多少のダイエット効果はあるかもしれない.しかし,以前に予想した血圧計や心拍センサーは付属していないので血圧管理や心拍トレーニングはできない.ゲームなのだから適切な運動強度の設定まではできないのは仕方がないということなのだろう.
しかし,体重の変化を自動でグラフ化してくれるのは便利なので,私はさっそく今朝から利用させてもらっている.でも,せめて体脂肪計もつけてくれたらもっと良かったのだが,これがヒットしたらバージョンアップ版では心拍数モニターと体脂肪計をぜひ一緒にセットしてもらいものだが,任天堂さんには宜しくご検討をお願いしたい.
人が死んでも責任はとらない
2007年12月1日 医療の問題 コメント (1)『薬害肝炎リスト放置、厚労省責任「問えぬ」 最終報告
血液製剤フィブリノゲンでC型肝炎に感染した可能性がある患者418人のリストが放置された問題で、厚生労働省の調査プロジェクトチーム(PT)は30日、患者に告知しなかった5年前の同省や職員の対応について「責任は問えない」とする最終報告をまとめた。専門家会議が当時、広く肝炎患者に検査を呼びかける提言をしたことなどを根拠としたが、薬害C型肝炎訴訟の原告団からは批判の声が上がった。
418人リストの患者のその後の病状などを調べる追跡調査は、同日設置された肝炎専門医らでつくる検討会が、実施する。
PTは、厚労省職員や元職員47人のほか、肝炎の専門医や製剤を投与した産科医、薬害C型肝炎訴訟の原告、製造販売元の田辺三菱製薬の担当者から聞き取り調査した。
報告書は、リストが提出された02年当時に関係した職員は全員が「患者への告知は議論しなかった」と証言。「告知に行政が介入すべきでない」と述べた職員もいた。
これに対して報告書は、自覚症状がないまま進行する肝炎の特性を踏まえて「国は患者の視点に立って告知に配慮してしかるべきで、反省すべきだ」と述べ、「肝炎で苦しんでいる人々に思いを致すべきだという批判を組織全体として重く受け止める」とした。
ただ、責任論については、「告知が国に義務づけられていない」などとして、「国に具体的な責任があるとまでは言い切れなかった」と結論づけた。
田辺三菱製薬が197人の実名を把握していたのに、厚労省はそのほとんどを把握していなかったことについては、02年当時、職員3人が同社を立ち入り検査して資料を調べたものの、同社の製法処理と副作用の関係を調べることなどが目的だったため、「患者情報も含まれていたことに意識が及ばなかった」のが理由だったという。
一方、舛添厚労相が10月16日の国会答弁で存在を否定した実名入り資料が、その3日後に地下倉庫から「発見」された問題では、資料が04年7月、職員間の引き継ぎなく倉庫に移されていたことがわかった。文書管理不備の観点から週明けに職員を処分するという。PTの責任者、西川京子副大臣は会見で「職員に隠蔽(いんぺい)の意図はなかったが、文書管理は極めてずさんだった」と述べた。』
「告知に行政が介入すべきでない」.厚生労働省の職員の意識なんてこんなものなんだろう.誰も直接患者に告知せよなどと言っている訳ではないのに.お得意の医療機関へ告知の指導をするだけ,もしくは血液製剤の投与を受けた患者さんにマスコミを通じて医療機関に確認するよう知らせるだけでも結果はまったく違っていたはずである.
自分たちに都合のよいことや,医療機関に都合の悪い事にはきわめて自分勝手な決定をして医療行為に介入するのに,自分たちの責任になりそうなことは放置し後回しにするという厚生労働省の体質がこの一件でもよくわかる.人が一生懸命やっている仕事に横から口や手を出しておいて結果が悪くなりそうだとさっと引いて自分では決して責任はとらないという人がどこの職場にもいることだろうが,厚生労働省のお役人達にとってそんなことは常識なのだろう.
薬害エイズ,年金の浪費,医療崩壊促進,年金のずさんな記録,そして肝炎放置と挙げれば枚挙にいとまがないが,社会保険庁の歴代長官のように厚生官僚たちは退職金を満額もらってせっせと天下りしていくのかと思うと真面目に仕事するのがばからしくなるのは私だけではないだろう.もっとも医師の場合は,自分のやったことの責任は自分でとらなければならないから,決して手を抜くようなことはないので私の患者さんは安心して来週も病院に来てください.
血液製剤フィブリノゲンでC型肝炎に感染した可能性がある患者418人のリストが放置された問題で、厚生労働省の調査プロジェクトチーム(PT)は30日、患者に告知しなかった5年前の同省や職員の対応について「責任は問えない」とする最終報告をまとめた。専門家会議が当時、広く肝炎患者に検査を呼びかける提言をしたことなどを根拠としたが、薬害C型肝炎訴訟の原告団からは批判の声が上がった。
418人リストの患者のその後の病状などを調べる追跡調査は、同日設置された肝炎専門医らでつくる検討会が、実施する。
PTは、厚労省職員や元職員47人のほか、肝炎の専門医や製剤を投与した産科医、薬害C型肝炎訴訟の原告、製造販売元の田辺三菱製薬の担当者から聞き取り調査した。
報告書は、リストが提出された02年当時に関係した職員は全員が「患者への告知は議論しなかった」と証言。「告知に行政が介入すべきでない」と述べた職員もいた。
これに対して報告書は、自覚症状がないまま進行する肝炎の特性を踏まえて「国は患者の視点に立って告知に配慮してしかるべきで、反省すべきだ」と述べ、「肝炎で苦しんでいる人々に思いを致すべきだという批判を組織全体として重く受け止める」とした。
ただ、責任論については、「告知が国に義務づけられていない」などとして、「国に具体的な責任があるとまでは言い切れなかった」と結論づけた。
田辺三菱製薬が197人の実名を把握していたのに、厚労省はそのほとんどを把握していなかったことについては、02年当時、職員3人が同社を立ち入り検査して資料を調べたものの、同社の製法処理と副作用の関係を調べることなどが目的だったため、「患者情報も含まれていたことに意識が及ばなかった」のが理由だったという。
一方、舛添厚労相が10月16日の国会答弁で存在を否定した実名入り資料が、その3日後に地下倉庫から「発見」された問題では、資料が04年7月、職員間の引き継ぎなく倉庫に移されていたことがわかった。文書管理不備の観点から週明けに職員を処分するという。PTの責任者、西川京子副大臣は会見で「職員に隠蔽(いんぺい)の意図はなかったが、文書管理は極めてずさんだった」と述べた。』
「告知に行政が介入すべきでない」.厚生労働省の職員の意識なんてこんなものなんだろう.誰も直接患者に告知せよなどと言っている訳ではないのに.お得意の医療機関へ告知の指導をするだけ,もしくは血液製剤の投与を受けた患者さんにマスコミを通じて医療機関に確認するよう知らせるだけでも結果はまったく違っていたはずである.
自分たちに都合のよいことや,医療機関に都合の悪い事にはきわめて自分勝手な決定をして医療行為に介入するのに,自分たちの責任になりそうなことは放置し後回しにするという厚生労働省の体質がこの一件でもよくわかる.人が一生懸命やっている仕事に横から口や手を出しておいて結果が悪くなりそうだとさっと引いて自分では決して責任はとらないという人がどこの職場にもいることだろうが,厚生労働省のお役人達にとってそんなことは常識なのだろう.
薬害エイズ,年金の浪費,医療崩壊促進,年金のずさんな記録,そして肝炎放置と挙げれば枚挙にいとまがないが,社会保険庁の歴代長官のように厚生官僚たちは退職金を満額もらってせっせと天下りしていくのかと思うと真面目に仕事するのがばからしくなるのは私だけではないだろう.もっとも医師の場合は,自分のやったことの責任は自分でとらなければならないから,決して手を抜くようなことはないので私の患者さんは安心して来週も病院に来てください.
『「技術料」上げ要請も 診療報酬改定で中医協 来週にも意見書
来年度の診療報酬改定をめぐり、中央社会保険医療協議会(中医協)は21日、総会を開き本格論議を始めた。最近3回はマイナス改定が続いたが、地域医療や病院勤務医への配慮の必要性について各委員の認識は一致しており、診療報酬のうち医師の技術料である「本体部分」に限り、引き上げを求める可能性も出てきた。
中医協は来週にも意見書を舛添要一厚生労働相に提出する。意見書に拘束力はないが、政府はこれも参考として来年度予算編成前に改定率を決定する。
厚労省は「ある程度上げないと医者のなり手がなくなる」(舛添氏)との立場だが、財務省の意向が反映される財政制度等審議会は建議で3・6%程度の報酬引き下げを求めており、攻防が予想される。
診療報酬は、公的保険から医療機関や薬局に支払われる医療技術やサービス、薬剤などの公定価格。本体部分と薬価・材料部分で構成、ほぼ2年ごとに改定される。
この日の中医協総会では、健康保険組合連合会や日本経団連など支払い側委員は連名で「国民の負担感を勘案すると診療報酬を引き上げる環境にない」との意見書を提出。日本医師会など診療側委員は「大幅な引き上げの実現」を要望した。
支払い側は「医師の人件費は高く経営努力が足りない」としたが、診療側は「度重なるマイナス改定で多くの病院の経営が悪化した」と応じた。
だが、中立的な公益委員の1人、遠藤久夫学習院大教授が「私見」として「賃金と物価は上昇傾向にあり、引き上げるのが妥当だ」と異例の意見を表明。さらに支払い側からも連合代表の委員が「本体の引き上げは必要」と意見を述べた。
-最近の診療報酬改定
最近の診療報酬改定 小泉純一郎元首相の構造改革路線やデフレの影響で、診療報酬は3回連続でマイナス改定。2002年度は2・7%のマイナス、うち医師の技術料である「本体部分」はマイナス1・3%で初の引き下げとなった。04年度に本体は維持されたが薬価引き下げで全体はマイナス1・0%。06年度はマイナス3・16%(本体1・36%、薬価1・8%)と過去最大の下げ幅だった。本体引き上げは2000年度のプラス1・9%以来、実現していない。』
日本経団連などが,「国民の負担感を勘案すると診療報酬を引き上げる環境にない」と言うのはとんでもない話だ.元はと言えば,企業がその利益を労働者ではなく資本家に振り向けるから一般国民の賃金が上がらなくて医療費に対する負担感が上昇しているだけではないだろうか.
その労働者の健康を守るのも企業の社会的な責務だと思うのだが,医療サービスにお金を出し渋りながら医療水準の維持を求め,あげくに病院の経営努力のせいにするとはまったくふざけた話である.民間企業の労働者の所得を公務員なみに引き上げて,健康保険の企業負担分を引き上げれば国民健康保険の収支も改善する事は明らかだろう.それにダメ省庁の官僚たちに比べれば医師の人件費も低すぎるくらいだろう.
国民が一生懸命はたらいて稼いだお金が資本家に吸い上げられ,あげくに国民の社会福祉が後退するのでは,国民の血を吸血鬼に吸わせ続けたあげくに吸血鬼の言いなりになるのと同じ事のように思えるのだが,こんなことをしながら国民のことを考えているようなふりをする日本経団連(会長 御手洗冨士夫 キヤノン会長)にはつくづく嫌気がさすのだが,国民はそうは思わないのだろうか.
この機会に日本経団連についてちょっと勉強してみてはどうでしょう.
”http://ja.wikipedia.org/wiki/日本経済団体連合会”
来年度の診療報酬改定をめぐり、中央社会保険医療協議会(中医協)は21日、総会を開き本格論議を始めた。最近3回はマイナス改定が続いたが、地域医療や病院勤務医への配慮の必要性について各委員の認識は一致しており、診療報酬のうち医師の技術料である「本体部分」に限り、引き上げを求める可能性も出てきた。
中医協は来週にも意見書を舛添要一厚生労働相に提出する。意見書に拘束力はないが、政府はこれも参考として来年度予算編成前に改定率を決定する。
厚労省は「ある程度上げないと医者のなり手がなくなる」(舛添氏)との立場だが、財務省の意向が反映される財政制度等審議会は建議で3・6%程度の報酬引き下げを求めており、攻防が予想される。
診療報酬は、公的保険から医療機関や薬局に支払われる医療技術やサービス、薬剤などの公定価格。本体部分と薬価・材料部分で構成、ほぼ2年ごとに改定される。
この日の中医協総会では、健康保険組合連合会や日本経団連など支払い側委員は連名で「国民の負担感を勘案すると診療報酬を引き上げる環境にない」との意見書を提出。日本医師会など診療側委員は「大幅な引き上げの実現」を要望した。
支払い側は「医師の人件費は高く経営努力が足りない」としたが、診療側は「度重なるマイナス改定で多くの病院の経営が悪化した」と応じた。
だが、中立的な公益委員の1人、遠藤久夫学習院大教授が「私見」として「賃金と物価は上昇傾向にあり、引き上げるのが妥当だ」と異例の意見を表明。さらに支払い側からも連合代表の委員が「本体の引き上げは必要」と意見を述べた。
-最近の診療報酬改定
最近の診療報酬改定 小泉純一郎元首相の構造改革路線やデフレの影響で、診療報酬は3回連続でマイナス改定。2002年度は2・7%のマイナス、うち医師の技術料である「本体部分」はマイナス1・3%で初の引き下げとなった。04年度に本体は維持されたが薬価引き下げで全体はマイナス1・0%。06年度はマイナス3・16%(本体1・36%、薬価1・8%)と過去最大の下げ幅だった。本体引き上げは2000年度のプラス1・9%以来、実現していない。』
日本経団連などが,「国民の負担感を勘案すると診療報酬を引き上げる環境にない」と言うのはとんでもない話だ.元はと言えば,企業がその利益を労働者ではなく資本家に振り向けるから一般国民の賃金が上がらなくて医療費に対する負担感が上昇しているだけではないだろうか.
その労働者の健康を守るのも企業の社会的な責務だと思うのだが,医療サービスにお金を出し渋りながら医療水準の維持を求め,あげくに病院の経営努力のせいにするとはまったくふざけた話である.民間企業の労働者の所得を公務員なみに引き上げて,健康保険の企業負担分を引き上げれば国民健康保険の収支も改善する事は明らかだろう.それにダメ省庁の官僚たちに比べれば医師の人件費も低すぎるくらいだろう.
国民が一生懸命はたらいて稼いだお金が資本家に吸い上げられ,あげくに国民の社会福祉が後退するのでは,国民の血を吸血鬼に吸わせ続けたあげくに吸血鬼の言いなりになるのと同じ事のように思えるのだが,こんなことをしながら国民のことを考えているようなふりをする日本経団連(会長 御手洗冨士夫 キヤノン会長)にはつくづく嫌気がさすのだが,国民はそうは思わないのだろうか.
この機会に日本経団連についてちょっと勉強してみてはどうでしょう.
”http://ja.wikipedia.org/wiki/日本経済団体連合会”
経験して改めて思うのですが,
人間にはこれから起きる事はわかりません.
こう考えると明日の事が不安になってくるのですが,
それでもやっぱり一日一日を精一杯生きるしかないようです.
人間にはこれから起きる事はわかりません.
こう考えると明日の事が不安になってくるのですが,
それでもやっぱり一日一日を精一杯生きるしかないようです.
何のための成果主義?
2007年11月20日 医療の問題 コメント (3)『 リハビリ診療に成果主義を導入 厚労省方針
厚生労働省は16日の中央社会保険医療協議会(中医協)小委員会で、08年度診療報酬改定で医療の世界に初めて「成果主義」を導入する方針を表明した。08年度は、脳卒中などでリハビリを受ける人が入院する「回復期リハビリ病棟」(約3万6000床)への診療報酬を、病状の改善度合いに応じて加減する意向。11月末の中医協に正式に提示する。』
一生懸命にやっても,なかなか良くならない患者さんのリハビリテーションはコスト面から続けられないようにするわけだ.患者を切り捨てるための成果主義っていったい何なんでしょう.
こんなことまでして医療費を削減する前に,年金問題でさっぱり成果があげられず,馬鹿げた診療報酬改定を連発する厚生労働省の役人達をまず切り捨てて欲しいものですね.
厚生労働省は16日の中央社会保険医療協議会(中医協)小委員会で、08年度診療報酬改定で医療の世界に初めて「成果主義」を導入する方針を表明した。08年度は、脳卒中などでリハビリを受ける人が入院する「回復期リハビリ病棟」(約3万6000床)への診療報酬を、病状の改善度合いに応じて加減する意向。11月末の中医協に正式に提示する。』
一生懸命にやっても,なかなか良くならない患者さんのリハビリテーションはコスト面から続けられないようにするわけだ.患者を切り捨てるための成果主義っていったい何なんでしょう.
こんなことまでして医療費を削減する前に,年金問題でさっぱり成果があげられず,馬鹿げた診療報酬改定を連発する厚生労働省の役人達をまず切り捨てて欲しいものですね.
財界の誘導に乗れば結果は...
2007年11月19日 医療の問題『混合診療「全面解禁を」 来月の答申に盛り込みへ 規制改革会議
政府の規制改革会議(草刈隆郎議長)は15日、保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」の全面解禁について、12月にまとめる第2次答申に重点事項として盛り込む方針を決めた。
混合診療を巡っては、小泉内閣時代の規制改革・民間開放推進会議(当時)が04年に解禁を提言。しかし、厚生労働省は「所得のある人とない人で格差が生じる」などとして、一部の高度先進医療だけに導入を認め、原則として保険給付の対象外にしていた。
これに対して、東京地裁は今月7日、厚労省の判断を違法とし、原告患者に保険給付を受けられる権利を認める判決を出した。
混合診療を原則として禁止する国の政策を違法とする初めての司法判断を受け、規制改革会議は全面解禁を求めることにした。
同会議が15日、患者に行ったヒアリングでも、「混合診療としてたった一つの保険外診療を受けるだけで、診療全体が保険外になるという扱いはおかしい」「保険医療だけでは、死亡率は減らない」などの批判が続出。一定の保険給付を前提とした混合診療の解禁を訴える意見が相次いだ。』
『「混合診療」禁止は違法 全額自己負担に根拠なし 男性がん患者が勝訴 東京地裁が初判断
健康保険法に基づき保険が適用される診療に、適用されない自由診療を加えて受けると、保険適用診療まで含め医療費が全額自己負担となるのは違法として、がん患者の男性が訴えた訴訟で、東京地裁は7日、男性勝訴の判決を言い渡した。
国は保険診療と自由診療を併用する「混合診療」を原則禁止しているが、定塚誠(じょうづか・まこと)裁判長は、この政策を「法的根拠はない」として違法とする初の判断を示し、男性に保険適用診療分の受給権があると認めた。
混合診療をめぐっては、がん患者らが「保険対象外の抗がん剤などを使えば自己負担が膨大になる」と解禁を求める声も多い一方、「高所得層だけが良い医療を受けられるようになり国民皆保険制度の崩壊につながる」との懸念も強く、判決はこうした議論や医療現場に大きな影響を与えそうだ。
原告は、神奈川県藤沢市の団体職員清郷伸人(きよさと・のぶひと)さん(60)で、弁護士を付けず1人で裁判を続けてきた。
国側は「保険診療に自由診療が加わった場合は、不可分一体の1つの新たな医療行為とみるべきだ」と主張したが、判決は「一体と解釈すべきという法的根拠を見いだせない。法は診療行為ごとに、適用診療かどうかを判断する仕組みを採用している」と退けた。
混合診療の原則禁止について「医療の平等を保障する必要性や、解禁すれば患者の負担が増大する恐れがあり合理的」との国の指摘に対しては、「今回の訴訟の問題は、いかなる法的根拠によって、自由診療と併用すると、保険適用診療の受給もできなくなると解釈できるのかという点。混合診療全体の在り方の問題とは次元が異なる」と判断した。
判決などによると、清郷さんは2001年9月から、神奈川県立がんセンターで腎臓がん治療のため、保険適用のインターフェロン治療に加え、適用対象外の「活性化自己リンパ球移入療法」を併用していた。』
結論から言うと,医学的に有効性が確立されていない先端的医療や社会的なコンセンサスの得られていないものについては自費で,それ以外は健康保険という2本立てでいいのではないだろうか.裁判所の混合診療全体の在り方の問題とは次元が異なるという判断は正しいと思う.
こういう特殊な事例について拡大解釈し,混合診療「全面解禁を」というような政府の規制改革会議は信用できない.もともと彼らのねらいは病院という特殊な事業体によって独占されている医療という市場に自分たちが参入し,利益を得ようというところにあるのは明らかである.保険料の不払いを平気でやってきた人たちに医療への参入を許せばどういうことになるのかは考えるまでもないだろう.
必要なのは我が国の医療水準に見合った医療費の増額であって,そのために公費の負担をどこから捻出するかが問題なのである.4年前に私が書いた介護保険のその後をみればわかるように,現場で働く医師としては混合診療を全面解禁したらまさに「命の沙汰も金次第」という恐ろしいことになると思うのだが,国民はそんな状況を望んでいるのだろうか.
-
当ブログをはじめて今日でちょうど4年になりましたが,私のまわりの医療環境は一向に改善する気配がありません.家族からも見捨てられ行き場を失った人が一人寂しく死んでいくのを看取るのは虚しいものです.介護保険があっても病院のベッドを減らすのは「死ぬなら病院の外で死ね」と言っているようなものだと思います.
それに加えて混合診療を全面解禁することは,おそらく「金の切れ目が治療の切れ目」「任意保険のない者は病院に来るな」ということになるのだと思います.お金に目がくらんだ人たちの言うことを聞いてもきっとろくな事にはならないと思います.
政府の規制改革会議(草刈隆郎議長)は15日、保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」の全面解禁について、12月にまとめる第2次答申に重点事項として盛り込む方針を決めた。
混合診療を巡っては、小泉内閣時代の規制改革・民間開放推進会議(当時)が04年に解禁を提言。しかし、厚生労働省は「所得のある人とない人で格差が生じる」などとして、一部の高度先進医療だけに導入を認め、原則として保険給付の対象外にしていた。
これに対して、東京地裁は今月7日、厚労省の判断を違法とし、原告患者に保険給付を受けられる権利を認める判決を出した。
混合診療を原則として禁止する国の政策を違法とする初めての司法判断を受け、規制改革会議は全面解禁を求めることにした。
同会議が15日、患者に行ったヒアリングでも、「混合診療としてたった一つの保険外診療を受けるだけで、診療全体が保険外になるという扱いはおかしい」「保険医療だけでは、死亡率は減らない」などの批判が続出。一定の保険給付を前提とした混合診療の解禁を訴える意見が相次いだ。』
『「混合診療」禁止は違法 全額自己負担に根拠なし 男性がん患者が勝訴 東京地裁が初判断
健康保険法に基づき保険が適用される診療に、適用されない自由診療を加えて受けると、保険適用診療まで含め医療費が全額自己負担となるのは違法として、がん患者の男性が訴えた訴訟で、東京地裁は7日、男性勝訴の判決を言い渡した。
国は保険診療と自由診療を併用する「混合診療」を原則禁止しているが、定塚誠(じょうづか・まこと)裁判長は、この政策を「法的根拠はない」として違法とする初の判断を示し、男性に保険適用診療分の受給権があると認めた。
混合診療をめぐっては、がん患者らが「保険対象外の抗がん剤などを使えば自己負担が膨大になる」と解禁を求める声も多い一方、「高所得層だけが良い医療を受けられるようになり国民皆保険制度の崩壊につながる」との懸念も強く、判決はこうした議論や医療現場に大きな影響を与えそうだ。
原告は、神奈川県藤沢市の団体職員清郷伸人(きよさと・のぶひと)さん(60)で、弁護士を付けず1人で裁判を続けてきた。
国側は「保険診療に自由診療が加わった場合は、不可分一体の1つの新たな医療行為とみるべきだ」と主張したが、判決は「一体と解釈すべきという法的根拠を見いだせない。法は診療行為ごとに、適用診療かどうかを判断する仕組みを採用している」と退けた。
混合診療の原則禁止について「医療の平等を保障する必要性や、解禁すれば患者の負担が増大する恐れがあり合理的」との国の指摘に対しては、「今回の訴訟の問題は、いかなる法的根拠によって、自由診療と併用すると、保険適用診療の受給もできなくなると解釈できるのかという点。混合診療全体の在り方の問題とは次元が異なる」と判断した。
判決などによると、清郷さんは2001年9月から、神奈川県立がんセンターで腎臓がん治療のため、保険適用のインターフェロン治療に加え、適用対象外の「活性化自己リンパ球移入療法」を併用していた。』
結論から言うと,医学的に有効性が確立されていない先端的医療や社会的なコンセンサスの得られていないものについては自費で,それ以外は健康保険という2本立てでいいのではないだろうか.裁判所の混合診療全体の在り方の問題とは次元が異なるという判断は正しいと思う.
こういう特殊な事例について拡大解釈し,混合診療「全面解禁を」というような政府の規制改革会議は信用できない.もともと彼らのねらいは病院という特殊な事業体によって独占されている医療という市場に自分たちが参入し,利益を得ようというところにあるのは明らかである.保険料の不払いを平気でやってきた人たちに医療への参入を許せばどういうことになるのかは考えるまでもないだろう.
必要なのは我が国の医療水準に見合った医療費の増額であって,そのために公費の負担をどこから捻出するかが問題なのである.4年前に私が書いた介護保険のその後をみればわかるように,現場で働く医師としては混合診療を全面解禁したらまさに「命の沙汰も金次第」という恐ろしいことになると思うのだが,国民はそんな状況を望んでいるのだろうか.
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当ブログをはじめて今日でちょうど4年になりましたが,私のまわりの医療環境は一向に改善する気配がありません.家族からも見捨てられ行き場を失った人が一人寂しく死んでいくのを看取るのは虚しいものです.介護保険があっても病院のベッドを減らすのは「死ぬなら病院の外で死ね」と言っているようなものだと思います.
それに加えて混合診療を全面解禁することは,おそらく「金の切れ目が治療の切れ目」「任意保険のない者は病院に来るな」ということになるのだと思います.お金に目がくらんだ人たちの言うことを聞いてもきっとろくな事にはならないと思います.
Podcastでお勉強
2007年11月17日 その他暇な夜だったので,MacのiTuneのファイルを整理して,久しぶりにiTune StoreにアクセスしたらPodcastに面白そうなタイトルが並んでいたのでダウンロードしてみた.
新車情報や英語の勉強も面白かったが,東京大学公開講座「グローバリゼイション」というVideo Podcastの中で石黒一憲という先生が世界を熱く語るのが結構面白くまた大変勉強になった.
Windows PCでもiTuneをインストールしてiTune Storeに行けば見られるので興味のある方は一度体験してみてはどうでしょう.
新車情報や英語の勉強も面白かったが,東京大学公開講座「グローバリゼイション」というVideo Podcastの中で石黒一憲という先生が世界を熱く語るのが結構面白くまた大変勉強になった.
Windows PCでもiTuneをインストールしてiTune Storeに行けば見られるので興味のある方は一度体験してみてはどうでしょう.
『「形跡も記憶もない」額賀氏、宴席の同席を改めて否定
防衛省の守屋武昌・前事務次官をめぐる接待問題で、宴席に同席していたと指摘された額賀福志郎財務相は16日の閣議後の記者会見で「可能な限り調査した範囲では形跡もないし、記憶もない」と述べ、宴席の同席について改めて否定した。
守屋氏の証言では、額賀氏は一昨年ごろ、米国防総省のジェームズ・アワー元日本部長の来日の際に東京・神田の料亭で開かれた会合で、軍需専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸容疑者=業務上横領などの容疑で逮捕=と同席したという。
この証言について、額賀氏は「日程を調べたところ、会食した形跡はないし、記憶もない」と語り、同席したこと自体を全面否定。宮崎氏との関係についても「パーティーや勉強会で同席したことはあるかもしれないが、宮崎さんから誘われて接待されたことはない」と強調した。そのうえで「事実関係はきちんと調査はしなければならないと思っている。自分の記憶に従って、しっかりと説明をさせていただきたい」と国会などの場で説明していく考えを示した。
一方、16日の衆院安全保障委員会で防衛省の中江公人官房長は「(額賀氏が防衛庁)長官在任中の05年10月末から12月末の長官車の運行記録を確認したところ、神田へ運行した記録はない」と説明した。川内博史氏(民主党)の質問に答えた。 』
『宮崎元専務、額賀氏と同席、久間氏を接待認める
軍需専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸容疑者(69)=業務上横領容疑などで逮捕=が、額賀福志郎財務相と宴席で同席していたことや、久間章生元防衛相を接待していたことを認めていることが16日、関係者の話でわかった。守屋武昌前防衛事務次官(63)も15日の証人喚問で、同様の証言をしていた。これに対し、額賀財務相は「全く記憶にない。これまで宮崎氏や守屋氏から接待を受けたことはない」などと全面否定している。
関係者によると、宮崎元専務は、額賀氏との同席について、著名な財界人が自分や守屋氏ら約10人を呼んだ席だったと話しており、自分はその費用を負担していないとしているという。
また、久間氏については、これまで宮崎元専務が久間氏と飲食をともにしていたことが判明していたが、これについても元専務は久間氏を接待したことを認めているとされる。ただ、宮崎元専務は、いずれの会合についても、場所や日時を明確にしていないという。 』
逮捕された宮崎氏だけでなく証人喚問で守屋氏も証言しているというのだから政治家の同席は事実だと考えるのが普通だろう.
私は額賀福志郎財務相の記者会見の様子をテレビでみて,この人は嘘をついていると思った.だって目が泳いでいるし時々目のまわりが引きつるのかしきりにまばたきしているのである.大臣ともあろうものが情けない.
政治改革,財政改革はこういう情けない政治家や官僚たちを排除するところからはじめなければやっぱり効果はないんじゃないでしょうか.防衛省のほうはひどいことになっているようだけど,この際だから財務省の官僚達も調べたほうがいいのではないかと思っているのは私だけでしょうか.
防衛省の守屋武昌・前事務次官をめぐる接待問題で、宴席に同席していたと指摘された額賀福志郎財務相は16日の閣議後の記者会見で「可能な限り調査した範囲では形跡もないし、記憶もない」と述べ、宴席の同席について改めて否定した。
守屋氏の証言では、額賀氏は一昨年ごろ、米国防総省のジェームズ・アワー元日本部長の来日の際に東京・神田の料亭で開かれた会合で、軍需専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸容疑者=業務上横領などの容疑で逮捕=と同席したという。
この証言について、額賀氏は「日程を調べたところ、会食した形跡はないし、記憶もない」と語り、同席したこと自体を全面否定。宮崎氏との関係についても「パーティーや勉強会で同席したことはあるかもしれないが、宮崎さんから誘われて接待されたことはない」と強調した。そのうえで「事実関係はきちんと調査はしなければならないと思っている。自分の記憶に従って、しっかりと説明をさせていただきたい」と国会などの場で説明していく考えを示した。
一方、16日の衆院安全保障委員会で防衛省の中江公人官房長は「(額賀氏が防衛庁)長官在任中の05年10月末から12月末の長官車の運行記録を確認したところ、神田へ運行した記録はない」と説明した。川内博史氏(民主党)の質問に答えた。 』
『宮崎元専務、額賀氏と同席、久間氏を接待認める
軍需専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸容疑者(69)=業務上横領容疑などで逮捕=が、額賀福志郎財務相と宴席で同席していたことや、久間章生元防衛相を接待していたことを認めていることが16日、関係者の話でわかった。守屋武昌前防衛事務次官(63)も15日の証人喚問で、同様の証言をしていた。これに対し、額賀財務相は「全く記憶にない。これまで宮崎氏や守屋氏から接待を受けたことはない」などと全面否定している。
関係者によると、宮崎元専務は、額賀氏との同席について、著名な財界人が自分や守屋氏ら約10人を呼んだ席だったと話しており、自分はその費用を負担していないとしているという。
また、久間氏については、これまで宮崎元専務が久間氏と飲食をともにしていたことが判明していたが、これについても元専務は久間氏を接待したことを認めているとされる。ただ、宮崎元専務は、いずれの会合についても、場所や日時を明確にしていないという。 』
逮捕された宮崎氏だけでなく証人喚問で守屋氏も証言しているというのだから政治家の同席は事実だと考えるのが普通だろう.
私は額賀福志郎財務相の記者会見の様子をテレビでみて,この人は嘘をついていると思った.だって目が泳いでいるし時々目のまわりが引きつるのかしきりにまばたきしているのである.大臣ともあろうものが情けない.
政治改革,財政改革はこういう情けない政治家や官僚たちを排除するところからはじめなければやっぱり効果はないんじゃないでしょうか.防衛省のほうはひどいことになっているようだけど,この際だから財務省の官僚達も調べたほうがいいのではないかと思っているのは私だけでしょうか.
ついに日本の医療も米国並に...
2007年11月15日 医療の問題『「病院にほられた」パジャマ姿で猛暑のベンチに 堺の病院・全盲患者放置
「病院に捨てられた」。新金岡豊川総合病院(堺市北区)の職員から、大阪市内の公園に放置された全盲の無職男性患者(63)は、男性を保護した救急隊員らに、こう話したという。病人を保護するはずの病院の信じられない行為。警察の調べに、同病院職員は「近くに病院が見えたから」と公園に放置した理由を説明した。病院側は会見で「あるまじき行為だった」と非を認めたが、医療機関としてモラルが厳しく問われることは必至だ。
大阪市消防局などによると、「匿名の男」から119番があったのは9月21日午後2時23分。「60代男性が倒れている。目が見えない」という内容だった。7分後、同市西成区鶴見橋3の松之宮公園に救急車で駆けつけた西成消防署の救急隊員が見たのは、公園隅のベンチに、ぽつんと座るパジャマ姿の男性と、隣のベンチに置かれた男性の衣装ケース二つ、衣類の入った三つのごみ袋だった。
男性の意識はしっかりしていた。しかし、当日は30度を超す猛暑。顔が少し紅潮していた。隊員は、「捨てられた」という男性の話を信じられなかったが、確認のため病院に電話をしたところ、応対した職員は「(男性患者の)話す通りです」と認めた。男性は37・6度の発熱があり、午後4時18分、近くの病院に搬送。翌日、別の病院に転院したという。
消防は事件の可能性もあるとみて110番通報もした。男性は府警西成署の調べにも「病院にほられた(捨てられた)」と説明したという。
同署は、10月に病院を家宅捜索し、放置にかかわった男性職員から事情を聴いた。30-40代の事務職員2人は「医師の診断で退院可能と分かったが、男性が退院の説得に応じないうえ、引き取りを依頼した前妻からも拒否された」と説明。この公園を選んだのは「近くに病院が(車から)見えたので、ここなら大丈夫と思った」と話したという。
◇「指示してない」院長の次男会見
堺市北区の新金岡豊川総合病院では、体調を崩したという豊川元邦院長に代わり次男の泰樹・薬局長らが会見した。何度も頭を下げたが、「なぜ放置したか分からない。誰も指示していない」と、あくまで現場の職員の判断だったと強調した。一方で「放置するくらいなら、自宅に男性を降ろした方がよかった」とも発言し、患者軽視の姿勢も見え隠れした。
病院側によると、放置することを判断したのは4人のうちの年長者の渉外係の職員(47)。男性の病状は安定し、退院は可能だったが、家族など受け入れ態勢がなく退院できない「社会的入院」で長期の病院暮らしを送っていた。目の不自由な人向けの施設などへの入所を勧めても拒否。他の患者とトラブルを起こして6人部屋を独占し、暴言を恐れて辞めていった看護師もいたという。男性にはいまだ謝罪していないという。』
こんなニュースになるようでは病院や医師を叩きたいマスコミに格好の話題を提供しただけである.職員は病院のために思い余ってこんな非人道的な行動に走ってしまったのかもしれないが,全く無意味などころか診療報酬削減キャンペーンのネタにされ社会的入院なのに退院させられずに我慢している他の病院の足をさらに引っ張るだけである.理由の如何を問わずに軽率な行動には猛省を促すべきだろう.
他のニュースによるとこの患者は7年間も入院していて,2年前に生活保護を切られてから入院費が不払いになったようである.不払いも他の患者とトラブルで6人部屋を独占するのも決して許されることではないが,患者が生保であることをいいことに5年間も社会的入院させ,生活保護からのお金がなくなったら退院可能というのでは患者が納得しないのも無理はない.こう考えると職員だけの問題でなく病院運営の責任者である院長にも責任の一端があると思えてくる.
しかし,世の中にはこうまでしないと生き残れない病院が他にもたくさんあるような気もするのだが,どうなのだろうか.景気が良くなっていると言いながら,財政再建の矛先を社会保障費の削減に向けている財務省の言い分は確実に格差社会の格差を広げ,社会的弱者をさらに弱い立場へ追いつめていくような気がするが,これもやはり米国追従政策ということなのだろうか.
国も自治体も病院まかせにしておきながら医療費は削減するなんていう馬鹿な話がいつまでも通用すると思うのはいいかげん止めるべきだろう.良心的な医師は患者のためならかなりひどい状況でも我慢して自らにストレスをためてしまうのだろうが,これからは医療行政の不手際をもっと声を大にして家族や国民そしてマスコミにアピールする必要があるのだろう.もはや医療現場で黙々と仕事をしているだけでは患者と家族の救済はできない世の中になっているのだから.
こんなことで日本の医療水準を米国並にする必要はないのだが,日本国民も一度経験しないと学べないというのならばそれも仕方がないのかもしれない.ただし,その代償は自分や家族の命で払うことになるということは忘れないほうがいいだろう.もっとも米国では大統領選を前にヒラリー・クリントン上院議員が国民皆保険の導入を掲げ,福祉のあり方をめぐって米国民は重大な選択を迫られているそうだから,いずれは日本でも皆保険制度について国民的議論になることは間違いないのだろう.
「病院に捨てられた」。新金岡豊川総合病院(堺市北区)の職員から、大阪市内の公園に放置された全盲の無職男性患者(63)は、男性を保護した救急隊員らに、こう話したという。病人を保護するはずの病院の信じられない行為。警察の調べに、同病院職員は「近くに病院が見えたから」と公園に放置した理由を説明した。病院側は会見で「あるまじき行為だった」と非を認めたが、医療機関としてモラルが厳しく問われることは必至だ。
大阪市消防局などによると、「匿名の男」から119番があったのは9月21日午後2時23分。「60代男性が倒れている。目が見えない」という内容だった。7分後、同市西成区鶴見橋3の松之宮公園に救急車で駆けつけた西成消防署の救急隊員が見たのは、公園隅のベンチに、ぽつんと座るパジャマ姿の男性と、隣のベンチに置かれた男性の衣装ケース二つ、衣類の入った三つのごみ袋だった。
男性の意識はしっかりしていた。しかし、当日は30度を超す猛暑。顔が少し紅潮していた。隊員は、「捨てられた」という男性の話を信じられなかったが、確認のため病院に電話をしたところ、応対した職員は「(男性患者の)話す通りです」と認めた。男性は37・6度の発熱があり、午後4時18分、近くの病院に搬送。翌日、別の病院に転院したという。
消防は事件の可能性もあるとみて110番通報もした。男性は府警西成署の調べにも「病院にほられた(捨てられた)」と説明したという。
同署は、10月に病院を家宅捜索し、放置にかかわった男性職員から事情を聴いた。30-40代の事務職員2人は「医師の診断で退院可能と分かったが、男性が退院の説得に応じないうえ、引き取りを依頼した前妻からも拒否された」と説明。この公園を選んだのは「近くに病院が(車から)見えたので、ここなら大丈夫と思った」と話したという。
◇「指示してない」院長の次男会見
堺市北区の新金岡豊川総合病院では、体調を崩したという豊川元邦院長に代わり次男の泰樹・薬局長らが会見した。何度も頭を下げたが、「なぜ放置したか分からない。誰も指示していない」と、あくまで現場の職員の判断だったと強調した。一方で「放置するくらいなら、自宅に男性を降ろした方がよかった」とも発言し、患者軽視の姿勢も見え隠れした。
病院側によると、放置することを判断したのは4人のうちの年長者の渉外係の職員(47)。男性の病状は安定し、退院は可能だったが、家族など受け入れ態勢がなく退院できない「社会的入院」で長期の病院暮らしを送っていた。目の不自由な人向けの施設などへの入所を勧めても拒否。他の患者とトラブルを起こして6人部屋を独占し、暴言を恐れて辞めていった看護師もいたという。男性にはいまだ謝罪していないという。』
こんなニュースになるようでは病院や医師を叩きたいマスコミに格好の話題を提供しただけである.職員は病院のために思い余ってこんな非人道的な行動に走ってしまったのかもしれないが,全く無意味などころか診療報酬削減キャンペーンのネタにされ社会的入院なのに退院させられずに我慢している他の病院の足をさらに引っ張るだけである.理由の如何を問わずに軽率な行動には猛省を促すべきだろう.
他のニュースによるとこの患者は7年間も入院していて,2年前に生活保護を切られてから入院費が不払いになったようである.不払いも他の患者とトラブルで6人部屋を独占するのも決して許されることではないが,患者が生保であることをいいことに5年間も社会的入院させ,生活保護からのお金がなくなったら退院可能というのでは患者が納得しないのも無理はない.こう考えると職員だけの問題でなく病院運営の責任者である院長にも責任の一端があると思えてくる.
しかし,世の中にはこうまでしないと生き残れない病院が他にもたくさんあるような気もするのだが,どうなのだろうか.景気が良くなっていると言いながら,財政再建の矛先を社会保障費の削減に向けている財務省の言い分は確実に格差社会の格差を広げ,社会的弱者をさらに弱い立場へ追いつめていくような気がするが,これもやはり米国追従政策ということなのだろうか.
国も自治体も病院まかせにしておきながら医療費は削減するなんていう馬鹿な話がいつまでも通用すると思うのはいいかげん止めるべきだろう.良心的な医師は患者のためならかなりひどい状況でも我慢して自らにストレスをためてしまうのだろうが,これからは医療行政の不手際をもっと声を大にして家族や国民そしてマスコミにアピールする必要があるのだろう.もはや医療現場で黙々と仕事をしているだけでは患者と家族の救済はできない世の中になっているのだから.
こんなことで日本の医療水準を米国並にする必要はないのだが,日本国民も一度経験しないと学べないというのならばそれも仕方がないのかもしれない.ただし,その代償は自分や家族の命で払うことになるということは忘れないほうがいいだろう.もっとも米国では大統領選を前にヒラリー・クリントン上院議員が国民皆保険の導入を掲げ,福祉のあり方をめぐって米国民は重大な選択を迫られているそうだから,いずれは日本でも皆保険制度について国民的議論になることは間違いないのだろう.
これはやり方が違うんじゃないか
2007年11月13日 医療の問題 コメント (3)『 後発薬、患者の選択重視に 処方せん「変更可」原則 調剤率高い薬局に加算も 厚労省方針、薬剤費軽減へ
厚生労働省は9日、後発医薬品の使用促進策として、医師の出す「処方せん」の様式を原則として後発薬に変更できるように見直す方針を固め、中央社会保険医療協議会(中医協)に示した。薬局が後発薬を高い割合で調剤すれば報酬も加算する。2008年度の診療報酬改定に盛り込む。
後発薬の普及が進まない背景には、薬の選定が医師や薬剤師らの意向に左右されがちな実態があるとされるが、促進策は患者の選択権に委ねるよう転換を図る内容。先発医薬品より安価な後発薬のシェアが高まれば、患者の薬剤費の負担が軽減され、医療費が抑制される。
厚労省は12年度までに後発薬の数量シェアを30%まで引き上げる目標を掲げているが、現状は17%止まり。
促進策は、処方せんに06年度新設された医師署名欄で「後発薬に変更可」の場合にサインする様式を逆にして、後発薬に変更するべきでないと判断した場合のみ「変更不可」にサインするよう見直す。銘柄指定が「例外的」となり、患者は薬局窓口で希望すれば、後発薬に替えられる。
医師のサインの手間を省き、後発薬の使用を促す狙い。「後発薬を使いたい」と言いにくかった患者側の障壁も除かれる。
また厚労省は、後発薬分の調剤が30-40%など、一定割合を超えた薬局に報酬を加算する一方、後発薬を含んだ処方せんへの現行の加算をなくす方針。加算廃止分は勤務医の待遇改善などに回す方向とみられる。
このほか、医師から後発薬の銘柄が指定されても、薬剤師は説明の上で患者の同意があれば、医師への照会抜きで別銘柄に変更できるようにして、薬局の在庫管理の負担を軽減。
先発薬から後発薬への切り替えを薬局が初めて試みる際、患者の不安を和らげるために3日-1週間程度、後発薬の「お試し期間」を設けて調剤すれば加算する方針だ。』
患者の選択権などと言えば聞こえはいいが,後発薬分の調剤が一定割合を超えた薬局に報酬を加算するというのなら調剤薬局は変更不可に署名されていなければ当然ジェネリックへの変更を強力におすすめするに違いない.
そして,後発薬を含んだ処方せんへの現行の加算をなくすというのは,もうジェネリックへの変更を医師には期待していないということで,加算廃止分は勤務医の待遇改善などに回すなどというのは口だけに違いない.
デフォルトが処方変更可になるようだから,医師は「先発医薬品を使いたい」と薬局で言いにくくなる患者さんにはその選択を重視して面倒でも変更不可に署名してあげなければならないかもしれません.
以下も参考にどうぞ
http://diarynote.jp/d/41284/20070424.html
厚生労働省は9日、後発医薬品の使用促進策として、医師の出す「処方せん」の様式を原則として後発薬に変更できるように見直す方針を固め、中央社会保険医療協議会(中医協)に示した。薬局が後発薬を高い割合で調剤すれば報酬も加算する。2008年度の診療報酬改定に盛り込む。
後発薬の普及が進まない背景には、薬の選定が医師や薬剤師らの意向に左右されがちな実態があるとされるが、促進策は患者の選択権に委ねるよう転換を図る内容。先発医薬品より安価な後発薬のシェアが高まれば、患者の薬剤費の負担が軽減され、医療費が抑制される。
厚労省は12年度までに後発薬の数量シェアを30%まで引き上げる目標を掲げているが、現状は17%止まり。
促進策は、処方せんに06年度新設された医師署名欄で「後発薬に変更可」の場合にサインする様式を逆にして、後発薬に変更するべきでないと判断した場合のみ「変更不可」にサインするよう見直す。銘柄指定が「例外的」となり、患者は薬局窓口で希望すれば、後発薬に替えられる。
医師のサインの手間を省き、後発薬の使用を促す狙い。「後発薬を使いたい」と言いにくかった患者側の障壁も除かれる。
また厚労省は、後発薬分の調剤が30-40%など、一定割合を超えた薬局に報酬を加算する一方、後発薬を含んだ処方せんへの現行の加算をなくす方針。加算廃止分は勤務医の待遇改善などに回す方向とみられる。
このほか、医師から後発薬の銘柄が指定されても、薬剤師は説明の上で患者の同意があれば、医師への照会抜きで別銘柄に変更できるようにして、薬局の在庫管理の負担を軽減。
先発薬から後発薬への切り替えを薬局が初めて試みる際、患者の不安を和らげるために3日-1週間程度、後発薬の「お試し期間」を設けて調剤すれば加算する方針だ。』
患者の選択権などと言えば聞こえはいいが,後発薬分の調剤が一定割合を超えた薬局に報酬を加算するというのなら調剤薬局は変更不可に署名されていなければ当然ジェネリックへの変更を強力におすすめするに違いない.
そして,後発薬を含んだ処方せんへの現行の加算をなくすというのは,もうジェネリックへの変更を医師には期待していないということで,加算廃止分は勤務医の待遇改善などに回すなどというのは口だけに違いない.
デフォルトが処方変更可になるようだから,医師は「先発医薬品を使いたい」と薬局で言いにくくなる患者さんにはその選択を重視して面倒でも変更不可に署名してあげなければならないかもしれません.
以下も参考にどうぞ
http://diarynote.jp/d/41284/20070424.html
『 国は医師確保策の強化を 盛岡で北海道東北知事会議
北海道と新潟県、東北6県の知事で構成する北海道東北地方知事会議(会長・寺田典城(てらた・すけしろ)秋田県知事)が8日、盛岡市のホテルで開かれ、医師確保策の強化を国に求めていくことで一致した。
会合では斎藤弘(さいとう・ひろし)山形県知事が「中長期的な確保策だけでなく、短期的な対策も必要」と医師の早期確保の必要性を強調。村井嘉浩(むらい・よしひろ)宮城県知事は「即効性のある対策として、以前のように大学の医局が、医師のたまごの研修先をコントロールすべきではないか」と述べ、臨床研修制度の見直しを求めた。
会合では、自治体病院の機能強化に向けた病院同士のネットワーク化に国の支援を求める緊急提言を採択。来年の北海道東北地方知事会議は、青森県で開くことも決めた。』
臨床研修制度を見直しても研修医はもう医局にはもどってこないだろうし,自治体病院の機能強化をしようにも医師がいないから無理でしょう.今後さらに診療報酬が下がれば自治体病院自体が消滅していくことでしょう.いまさら何を言ってももう手遅れという感じがします.
すべては厚生労働省の思いつきのせいなので国は地方医療崩壊の責任を取るべきなのでしょうが,財務省は医療費削減しか考えていないので補助金も出ないでしょう.病院同士のネットワーク化なんて体のいい人材派遣にすぎないし,立場が弱い研修医を強制的に地方病院で労働させたりすればそのツケはいずれさらに立場の弱い者にまわることになるのでしょう.
北海道と新潟県、東北6県の知事で構成する北海道東北地方知事会議(会長・寺田典城(てらた・すけしろ)秋田県知事)が8日、盛岡市のホテルで開かれ、医師確保策の強化を国に求めていくことで一致した。
会合では斎藤弘(さいとう・ひろし)山形県知事が「中長期的な確保策だけでなく、短期的な対策も必要」と医師の早期確保の必要性を強調。村井嘉浩(むらい・よしひろ)宮城県知事は「即効性のある対策として、以前のように大学の医局が、医師のたまごの研修先をコントロールすべきではないか」と述べ、臨床研修制度の見直しを求めた。
会合では、自治体病院の機能強化に向けた病院同士のネットワーク化に国の支援を求める緊急提言を採択。来年の北海道東北地方知事会議は、青森県で開くことも決めた。』
臨床研修制度を見直しても研修医はもう医局にはもどってこないだろうし,自治体病院の機能強化をしようにも医師がいないから無理でしょう.今後さらに診療報酬が下がれば自治体病院自体が消滅していくことでしょう.いまさら何を言ってももう手遅れという感じがします.
すべては厚生労働省の思いつきのせいなので国は地方医療崩壊の責任を取るべきなのでしょうが,財務省は医療費削減しか考えていないので補助金も出ないでしょう.病院同士のネットワーク化なんて体のいい人材派遣にすぎないし,立場が弱い研修医を強制的に地方病院で労働させたりすればそのツケはいずれさらに立場の弱い者にまわることになるのでしょう.
「不可」のみ署名でもいいが
2007年11月9日 医療の問題『 後発品に変更は1・4% 処方せん様式見直しも
先発医薬品と主成分が同じで安価な後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用状況に関する中央社会保険医療協議会(中医協)の今年の調査で、医師の指示に基づき薬局が後発品に変更したのは、処方せん全体の1・4%にとどまっていることが7日、分かった。
後発品普及は医療費抑制の「切り札」の1つ。昨年度の診療報酬改定で、使用促進のため処方せんに「後発品への変更可」との医師署名欄が新設されたが、昨年の同じ調査の0・98%からわずかしか変化がなく、普及が進んでいない形だ。
厚生労働省は、現行とは逆に「変更不可」の場合のみ署名し、署名がなければ変更できるよう処方せんの様式を見直す方向で検討を始めた。来年度の診療報酬改定に向け、近く中医協に提案するもようだ。
調査は全国の保険薬局1000カ所を無作為抽出し、583カ所が回答。
今年7月に扱った外来の院外処方せん約76万枚のうち、医師が「変更可」に署名したのは17・4%。実際に薬局が後発品に変更したのは、このうち8・2%の約1万1000枚で、処方せん全体の1・4%だった。
後発品への医療現場の意識調査では、医師の11%は「積極的に処方」、69%が「こだわりはない」と答え、否定的な見方は少なかった。一方で薬局は、普及を阻む要因として51%が「患者への説明や多くの銘柄を常備する負担」を挙げており、厚労省は薬局の在庫管理整備などに診療報酬での上乗せを検討する。』
ほとんど普及していない臓器移植カードでも同じようなことをやってましたね.黙っていれば自動的にジェネリックになるというのはいいのかも知れません.ただし.薬局側で変更した場合には副作用に関して医師には責任がないことを処方箋に明記して欲しいですね.医師はどこでどんなジェネリックに変更になったかも知るすべがないのでこれは非常に気持ちが悪いです.現在は,患者さんが希望する薬はいつでもジェネリックに変更してあげていますが,処方箋の中に一つでもジェネリックに変更して欲しくない薬があった場合は変更不可に署名する方式では面倒なことになりそうな気がします.
先発医薬品と主成分が同じで安価な後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用状況に関する中央社会保険医療協議会(中医協)の今年の調査で、医師の指示に基づき薬局が後発品に変更したのは、処方せん全体の1・4%にとどまっていることが7日、分かった。
後発品普及は医療費抑制の「切り札」の1つ。昨年度の診療報酬改定で、使用促進のため処方せんに「後発品への変更可」との医師署名欄が新設されたが、昨年の同じ調査の0・98%からわずかしか変化がなく、普及が進んでいない形だ。
厚生労働省は、現行とは逆に「変更不可」の場合のみ署名し、署名がなければ変更できるよう処方せんの様式を見直す方向で検討を始めた。来年度の診療報酬改定に向け、近く中医協に提案するもようだ。
調査は全国の保険薬局1000カ所を無作為抽出し、583カ所が回答。
今年7月に扱った外来の院外処方せん約76万枚のうち、医師が「変更可」に署名したのは17・4%。実際に薬局が後発品に変更したのは、このうち8・2%の約1万1000枚で、処方せん全体の1・4%だった。
後発品への医療現場の意識調査では、医師の11%は「積極的に処方」、69%が「こだわりはない」と答え、否定的な見方は少なかった。一方で薬局は、普及を阻む要因として51%が「患者への説明や多くの銘柄を常備する負担」を挙げており、厚労省は薬局の在庫管理整備などに診療報酬での上乗せを検討する。』
ほとんど普及していない臓器移植カードでも同じようなことをやってましたね.黙っていれば自動的にジェネリックになるというのはいいのかも知れません.ただし.薬局側で変更した場合には副作用に関して医師には責任がないことを処方箋に明記して欲しいですね.医師はどこでどんなジェネリックに変更になったかも知るすべがないのでこれは非常に気持ちが悪いです.現在は,患者さんが希望する薬はいつでもジェネリックに変更してあげていますが,処方箋の中に一つでもジェネリックに変更して欲しくない薬があった場合は変更不可に署名する方式では面倒なことになりそうな気がします.
4年前から職場で使っているMacのHD交換をしました.
写真右が購入時から内蔵されていたMAXTOR製250GBで,左が日立IBM製500GBです.一見して制御基盤の面積が3分の2程の大きさになっているのがわかります.私が初めて買ったMacの20MB内蔵HDは裏面がすべて基板で覆われていましたから技術の進歩のスピードは凄いものだと思います.
4年前と言うと丁度このブログを書き始めた頃ですが,医療に関しては技術の進歩に驚嘆することよりも診療費抑制政策や医療刑事訴訟など医療の荒廃の加速に失望するようなことばかりが目立つように感じます.財務省や厚生労働省は自分たちの失政,失策のツケを健康保険で埋め合わせるつもりのようですが,そんなことをすれば病院の生き残りゲームになり採算性の低い地方の国公立病院から真っ先に消滅していくことになるのではないかと危惧しています.
11/9追記 ↑に関しては以下のURLに詳しいので興味のある方はどうぞ.
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20071109
診療所の夜間診療を9時まで延長して診療報酬を上乗せしたところで,日中受診できる患者さんがコンビニのように夜間に受診すれば医療費は余計にかかりますし,診療所で満足できない患者さんの希望で夜間に二次救急病院への紹介が増えれば結局はそこの勤務医の仕事は終わらないわけで負担の軽減にもならないと思います.環境の悪化で医療現場は疲弊しているのに,患者さんのサービスへの要求は今後ますますエスカレートするのだとしたら医療費削減のしわ寄せはいったいどこに行くことになるのでしょうか.
過去のことは今まで書いてきた通りですが,これからのことは私にはわかりません.しかし,医療の質を考える以前に病院の存続を考えなければならないような状況になったらもう病院の存在意義がなくなるような気がするのですが賢明な国民の皆様はいったいどのように考えていらっしゃるのでしょうか.
写真右が購入時から内蔵されていたMAXTOR製250GBで,左が日立IBM製500GBです.一見して制御基盤の面積が3分の2程の大きさになっているのがわかります.私が初めて買ったMacの20MB内蔵HDは裏面がすべて基板で覆われていましたから技術の進歩のスピードは凄いものだと思います.
4年前と言うと丁度このブログを書き始めた頃ですが,医療に関しては技術の進歩に驚嘆することよりも診療費抑制政策や医療刑事訴訟など医療の荒廃の加速に失望するようなことばかりが目立つように感じます.財務省や厚生労働省は自分たちの失政,失策のツケを健康保険で埋め合わせるつもりのようですが,そんなことをすれば病院の生き残りゲームになり採算性の低い地方の国公立病院から真っ先に消滅していくことになるのではないかと危惧しています.
11/9追記 ↑に関しては以下のURLに詳しいので興味のある方はどうぞ.
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20071109
診療所の夜間診療を9時まで延長して診療報酬を上乗せしたところで,日中受診できる患者さんがコンビニのように夜間に受診すれば医療費は余計にかかりますし,診療所で満足できない患者さんの希望で夜間に二次救急病院への紹介が増えれば結局はそこの勤務医の仕事は終わらないわけで負担の軽減にもならないと思います.環境の悪化で医療現場は疲弊しているのに,患者さんのサービスへの要求は今後ますますエスカレートするのだとしたら医療費削減のしわ寄せはいったいどこに行くことになるのでしょうか.
過去のことは今まで書いてきた通りですが,これからのことは私にはわかりません.しかし,医療の質を考える以前に病院の存続を考えなければならないような状況になったらもう病院の存在意義がなくなるような気がするのですが賢明な国民の皆様はいったいどのように考えていらっしゃるのでしょうか.
始めましてココです.
2007年11月4日 私の写真集 コメント (3)
昨日より円山動物園に登場したレッサーパンダのココです.
とてもかわいいので人気者になると思います.
旭山動物園ばかりが人気ですが,円山動物園も施設や展示の更新で再生を図っているようです.動物園は好きな場所なので新しい動物が増えたり,展示内容が更新されるのは嬉しいのですが,あまりに混み合って付近が騒々しくなるのは近くの住民としてはあまり嬉しくないので程々でいいと思っています.
とてもかわいいので人気者になると思います.
旭山動物園ばかりが人気ですが,円山動物園も施設や展示の更新で再生を図っているようです.動物園は好きな場所なので新しい動物が増えたり,展示内容が更新されるのは嬉しいのですが,あまりに混み合って付近が騒々しくなるのは近くの住民としてはあまり嬉しくないので程々でいいと思っています.