『スピード社水着で日本新ラッシュ 北島も3年ぶり更新
競泳の北京五輪壮行会、ジャパンオープンが6日、東京辰巳国際水泳場で開幕し、世界新を連発している英スピード社製水着「レーザー・レーサー」を着た日本代表が5個の日本新記録を樹立した。日本水泳連盟は10日に代表の着用水着について結論を出すが、どの水着でも着られるようになる可能性が高まった。
壮行会に出場する代表は、欧州遠征中の選手らを除く26人。この日は24選手がレースに臨み、16選手がスピード社製を着た。男子100メートル平泳ぎでアテネ五輪2冠の北島康介(日本コカ・コーラ)が59秒44の日本新、3年ぶりに更新した。女子背泳ぎのメダル候補、中村礼子(東京SC)は100メートルで59秒82の日本記録をマークした。
4月に開催された日本選手権は6日間の開催で、生まれた日本記録は八つだった。代表は現在、五輪に向けて泳ぎ込みを続け万全の体調ではない。選手からは「この時期にこんなタイムが出るなんてびっくり」との声が続出した。
日本水連がミズノなど国内3社と水着提供の契約を結んでいるため、日本代表は五輪では基本的に3社の水着を着ることになっている。ジャパンオープンは8日まである。』
陸上競技でもシューズの性能による差があるそうだが,水着の性能でこれほど差が出るというのは素人の私には驚きだった.しかし,自分の自転車のホイールとタイアを換えたら,それだけで今までより速く走れたのにはもっと驚いた.自転車の場合はタイアとホイールによる空気抵抗が減少したからなのだが,自分で経験してみて改めてその差は大きいということが理解できた次第である.同様のことがプールの水と水着の間にも起きているのだろうから実は大変な問題だったのだ.
自転車はタイアとホイールが無ければ走れないし,水泳だってまさか水着を着ないで泳ぐわけにもいかないから自ずとそれらの性能の差が記録の差となることは避けられない.人間の能力を重視するなら,これらの言わば外的な要因は排除した方がいいという考え方もあるのかもしれないが,記録の更新も大切な事であるから水着の性能で記録が伸びるのであればその性能を向上させるのも当然のことだし,選手が記録の出る水着を着るのも当然のことだろう.
日本水連の契約のために日本代表は五輪では基本的に国内3社の水着を着なければならなくなるのかもしれないが,それで記録が伸びなければかえって国内3社の企業イメージが低下することは間違いないだろう.国内3社にとっては頭が痛い問題だろうが,オリンピックが始まる前にすでに水着の性能で負けているというのも日本の企業として情けないと感じているのは私だけだろうか.
選手の人達も,主役である自分よりも水着に注目が集まるのは気分が良くないだろうが,日頃から自分の極限まで練習を積んでいるのに水着の性能差で負けてしまうのもひどい話なので,オリンピックの本番では契約に関係なく自分の好きな水着が使えるようにしてあげるべきだと思うのだがどうだろうか.
競泳の北京五輪壮行会、ジャパンオープンが6日、東京辰巳国際水泳場で開幕し、世界新を連発している英スピード社製水着「レーザー・レーサー」を着た日本代表が5個の日本新記録を樹立した。日本水泳連盟は10日に代表の着用水着について結論を出すが、どの水着でも着られるようになる可能性が高まった。
壮行会に出場する代表は、欧州遠征中の選手らを除く26人。この日は24選手がレースに臨み、16選手がスピード社製を着た。男子100メートル平泳ぎでアテネ五輪2冠の北島康介(日本コカ・コーラ)が59秒44の日本新、3年ぶりに更新した。女子背泳ぎのメダル候補、中村礼子(東京SC)は100メートルで59秒82の日本記録をマークした。
4月に開催された日本選手権は6日間の開催で、生まれた日本記録は八つだった。代表は現在、五輪に向けて泳ぎ込みを続け万全の体調ではない。選手からは「この時期にこんなタイムが出るなんてびっくり」との声が続出した。
日本水連がミズノなど国内3社と水着提供の契約を結んでいるため、日本代表は五輪では基本的に3社の水着を着ることになっている。ジャパンオープンは8日まである。』
陸上競技でもシューズの性能による差があるそうだが,水着の性能でこれほど差が出るというのは素人の私には驚きだった.しかし,自分の自転車のホイールとタイアを換えたら,それだけで今までより速く走れたのにはもっと驚いた.自転車の場合はタイアとホイールによる空気抵抗が減少したからなのだが,自分で経験してみて改めてその差は大きいということが理解できた次第である.同様のことがプールの水と水着の間にも起きているのだろうから実は大変な問題だったのだ.
自転車はタイアとホイールが無ければ走れないし,水泳だってまさか水着を着ないで泳ぐわけにもいかないから自ずとそれらの性能の差が記録の差となることは避けられない.人間の能力を重視するなら,これらの言わば外的な要因は排除した方がいいという考え方もあるのかもしれないが,記録の更新も大切な事であるから水着の性能で記録が伸びるのであればその性能を向上させるのも当然のことだし,選手が記録の出る水着を着るのも当然のことだろう.
日本水連の契約のために日本代表は五輪では基本的に国内3社の水着を着なければならなくなるのかもしれないが,それで記録が伸びなければかえって国内3社の企業イメージが低下することは間違いないだろう.国内3社にとっては頭が痛い問題だろうが,オリンピックが始まる前にすでに水着の性能で負けているというのも日本の企業として情けないと感じているのは私だけだろうか.
選手の人達も,主役である自分よりも水着に注目が集まるのは気分が良くないだろうが,日頃から自分の極限まで練習を積んでいるのに水着の性能差で負けてしまうのもひどい話なので,オリンピックの本番では契約に関係なく自分の好きな水着が使えるようにしてあげるべきだと思うのだがどうだろうか.
『サマータイムは健康損なう 睡眠学会が反対の声明
日本睡眠学会は5日、地球温暖化対策などとして超党派の議員連盟が導入に向けた法案提出を検討中の「サマータイム制度」について、健康に悪影響を及ぼす恐れがあるとして反対する声明を発表した。声明は、夏季に時計の針を1時間進めるこの制度は、必ずしも省エネにつながらず、医療費の増加など経済的損失をもたらすと指摘している。夏時間への変更後数日から2週間程度は、睡眠の質の低下などが起こる恐れがある。』
私の通常の睡眠時間は5〜6時間であるが,医学生だった頃までは8時間必要で,たとえ試験期間中であってもこれを変えることはできなかった.脳外科医になってから睡眠時間を減らす必要性を感じて2年くらいかかって5時間で熟睡できるようになったものだ.今では通常は早寝早起きでなので私自身には夏時間になって健康に問題が出るとはないだろうと思う.問題があるとすれば早朝に自転車に乗る時間が減る事くらいだ.
だが,夜遅くに帰宅して,会社に行くぎりぎりまで寝ていたいような人にとってはたとえ夏時間の1時間でさえも生活のリズムを変える事は脳の活動に支障を来たし,結果的に健康を損ねることになるだろうことは容易に想像できる.また,作業効率の点でも睡眠の質の低下などが2週間も続いたらその間の仕事のミスも増え,その結果として残業が増えたら夏時間の利点は何一つないことになってしまうことだろう.
それともう一つ忘れていけないことは,日本は先進国のなかではもっとも南側にあり,サマータイムの恩恵をあまり受けられない上に,日本列島は東西にも幅があるので,東京より西の地域ではさらに効果がないだろうということだ.さらに,もしコンピュータシステムの時間設定変更などのために金融機関のオンラインシステムなどが停止でもしたら大混乱になって社会的ストレスがさらに増えることも間違いないだろう.
考えられるリスクがこれほどあるのに夏時間を導入したがるのは何故なのだろうか.きっと,何かと理由をつけてサービス残業をさせ生産性を上げたい経団連と省エネ効果のほどはどうでも環境問題で話題作りをしたい国会議員たちにとっては都合のいい話なのだろう.しかし,肝心の省エネ効果にさえ疑問があるばかりか,国民の健康問題を引き起こしそうな制度の導入には賛成できないのは私だけではないだろう.
日本睡眠学会は5日、地球温暖化対策などとして超党派の議員連盟が導入に向けた法案提出を検討中の「サマータイム制度」について、健康に悪影響を及ぼす恐れがあるとして反対する声明を発表した。声明は、夏季に時計の針を1時間進めるこの制度は、必ずしも省エネにつながらず、医療費の増加など経済的損失をもたらすと指摘している。夏時間への変更後数日から2週間程度は、睡眠の質の低下などが起こる恐れがある。』
私の通常の睡眠時間は5〜6時間であるが,医学生だった頃までは8時間必要で,たとえ試験期間中であってもこれを変えることはできなかった.脳外科医になってから睡眠時間を減らす必要性を感じて2年くらいかかって5時間で熟睡できるようになったものだ.今では通常は早寝早起きでなので私自身には夏時間になって健康に問題が出るとはないだろうと思う.問題があるとすれば早朝に自転車に乗る時間が減る事くらいだ.
だが,夜遅くに帰宅して,会社に行くぎりぎりまで寝ていたいような人にとってはたとえ夏時間の1時間でさえも生活のリズムを変える事は脳の活動に支障を来たし,結果的に健康を損ねることになるだろうことは容易に想像できる.また,作業効率の点でも睡眠の質の低下などが2週間も続いたらその間の仕事のミスも増え,その結果として残業が増えたら夏時間の利点は何一つないことになってしまうことだろう.
それともう一つ忘れていけないことは,日本は先進国のなかではもっとも南側にあり,サマータイムの恩恵をあまり受けられない上に,日本列島は東西にも幅があるので,東京より西の地域ではさらに効果がないだろうということだ.さらに,もしコンピュータシステムの時間設定変更などのために金融機関のオンラインシステムなどが停止でもしたら大混乱になって社会的ストレスがさらに増えることも間違いないだろう.
考えられるリスクがこれほどあるのに夏時間を導入したがるのは何故なのだろうか.きっと,何かと理由をつけてサービス残業をさせ生産性を上げたい経団連と省エネ効果のほどはどうでも環境問題で話題作りをしたい国会議員たちにとっては都合のいい話なのだろう.しかし,肝心の省エネ効果にさえ疑問があるばかりか,国民の健康問題を引き起こしそうな制度の導入には賛成できないのは私だけではないだろう.
行き場を失うのは誰?
2008年6月4日 医療の問題 コメント (1)『病床削減で救急に影響 高齢者搬送でベッド満杯に
高齢者らが長期入院する療養病床を大幅に削減する国の計画の影響で、現在厳しくなっている救急病院での患者の受け入れ状況がさらに悪化する懸念が出ている。
療養病床が削減され、介護施設や在宅に移った場合、緊急時の対応ができずに高齢者が救急病院に運び込まれるケースが増える。このため受け入れベッド数が足りなくなる恐れがあるためだ。
現在、介護型の療養病床の常勤医師数は入院患者100人に対し3人。これが、療養病床から転換先となる介護療養型老人保健施設になると1人になる。
事実上、夜間は医師が常駐できず、症状が悪化した場合は、救急病院に搬送せざるを得ない。在宅での療養に移った人も同じ事態が起きる。
受け入れ側の救急病院では、高齢患者の増加などでベッドに余裕がない状態。消防庁の調査によると、救急車で運ばれた人のうち、高齢者の割合は2006年時点で45%に上るなど年々、増えている。
帝京大救命救急センター長の坂本哲也(さかもと・てつや)医師は「在宅や介護施設に移す政策が進み、体の弱い高齢者が救急に押し寄せている。症状が落ち着いても、もとの施設にも自宅にも戻れず、そのまま救急病院で診なければならない。このため高齢者でベッドが埋まり、新しい患者を受けられない状況だ」と説明する。
日本療養病床協会の武久洋三(たけひさ・ようぞう)会長は「症状が悪化したときに対応できる療養病床が減れば、さらに搬送が増える。救急でしか診られない患者と、それ以外の患者を診る療養病床とで、役割分担するべきだ」と話している。』
以前に救急外来への介護施設からのコンビニ受診が増えていると書いたが,今後はこれが増えていくのだろう.軽症なら点滴してお引き取り願いたいところだが,施設の付添の人は自分のところで経過をみるのも手間なので入院を希望されることも多い.その結果として満床になってしまい救急車の搬入ができなくなることもある.
今や療養病床に入院できるのは経管栄養や気管切開のために医師や看護師がチューブやカニューレを定期的に交換する必要があるような介護施設では暮らせない人たちだけである.だから,介護施設から受診して入院する人たちは急性期病棟に入院することになるのだが,当然のこととして後期高齢者と呼ばれる人たちが多いので,風邪をこじらせた肺炎だけでも1ヶ月以上もリハビリテーションが必要になることも珍しくはないのである.
数年前まで急性期病床に空きがないために救急搬入されたクモ膜下出血の患者さんに付き添って搬送するような事態になるとは思ってもみなかったが,これが今の救急の現実なのだろう.比較的軽症だが介護施設では対応できない患者さんが急性期病床にあふれ,本当に緊急を要する患者さんが入院できないというのはもうすでに起きていることである.
こんなことも厚労省にとっては想定外だったのだろうが,今更気づいたとしても消えたベッドはもうどうにもならないのである.医師だけでなく病床も足りなくなったのだから,当然の結果として救急医療の崩壊はさらに進むことになるのだろう.
高齢者らが長期入院する療養病床を大幅に削減する国の計画の影響で、現在厳しくなっている救急病院での患者の受け入れ状況がさらに悪化する懸念が出ている。
療養病床が削減され、介護施設や在宅に移った場合、緊急時の対応ができずに高齢者が救急病院に運び込まれるケースが増える。このため受け入れベッド数が足りなくなる恐れがあるためだ。
現在、介護型の療養病床の常勤医師数は入院患者100人に対し3人。これが、療養病床から転換先となる介護療養型老人保健施設になると1人になる。
事実上、夜間は医師が常駐できず、症状が悪化した場合は、救急病院に搬送せざるを得ない。在宅での療養に移った人も同じ事態が起きる。
受け入れ側の救急病院では、高齢患者の増加などでベッドに余裕がない状態。消防庁の調査によると、救急車で運ばれた人のうち、高齢者の割合は2006年時点で45%に上るなど年々、増えている。
帝京大救命救急センター長の坂本哲也(さかもと・てつや)医師は「在宅や介護施設に移す政策が進み、体の弱い高齢者が救急に押し寄せている。症状が落ち着いても、もとの施設にも自宅にも戻れず、そのまま救急病院で診なければならない。このため高齢者でベッドが埋まり、新しい患者を受けられない状況だ」と説明する。
日本療養病床協会の武久洋三(たけひさ・ようぞう)会長は「症状が悪化したときに対応できる療養病床が減れば、さらに搬送が増える。救急でしか診られない患者と、それ以外の患者を診る療養病床とで、役割分担するべきだ」と話している。』
以前に救急外来への介護施設からのコンビニ受診が増えていると書いたが,今後はこれが増えていくのだろう.軽症なら点滴してお引き取り願いたいところだが,施設の付添の人は自分のところで経過をみるのも手間なので入院を希望されることも多い.その結果として満床になってしまい救急車の搬入ができなくなることもある.
今や療養病床に入院できるのは経管栄養や気管切開のために医師や看護師がチューブやカニューレを定期的に交換する必要があるような介護施設では暮らせない人たちだけである.だから,介護施設から受診して入院する人たちは急性期病棟に入院することになるのだが,当然のこととして後期高齢者と呼ばれる人たちが多いので,風邪をこじらせた肺炎だけでも1ヶ月以上もリハビリテーションが必要になることも珍しくはないのである.
数年前まで急性期病床に空きがないために救急搬入されたクモ膜下出血の患者さんに付き添って搬送するような事態になるとは思ってもみなかったが,これが今の救急の現実なのだろう.比較的軽症だが介護施設では対応できない患者さんが急性期病床にあふれ,本当に緊急を要する患者さんが入院できないというのはもうすでに起きていることである.
こんなことも厚労省にとっては想定外だったのだろうが,今更気づいたとしても消えたベッドはもうどうにもならないのである.医師だけでなく病床も足りなくなったのだから,当然の結果として救急医療の崩壊はさらに進むことになるのだろう.
理由は特にないが,海が見たくなることがある.昨夜,ふと思い立ったので今朝はドリームビーチまで走ってきた.風が少し冷たくて白波が立っていたけれど,やっぱり海はいい.
しばらく写真を撮っていると,一人の女性が私の右後方から波打ち際へかけて行った.時間にして5分間くらい沖の方を見ていたかと思うと戻ってきて一人で車に乗り走り去って行った.それを見ていたのはたぶん電柱にとまった鳥と私だけ.
働いてばかりいると視野がだんだん狭くなり,自分と自分の近くのことしか考えなくなってしまうから,時々,山や海へ行って視点や距離感を修正したほうがいいだろう.
時々,私が海を見たくなるのは私の脳がそれを行うためなのかもしれない.
しばらく写真を撮っていると,一人の女性が私の右後方から波打ち際へかけて行った.時間にして5分間くらい沖の方を見ていたかと思うと戻ってきて一人で車に乗り走り去って行った.それを見ていたのはたぶん電柱にとまった鳥と私だけ.
働いてばかりいると視野がだんだん狭くなり,自分と自分の近くのことしか考えなくなってしまうから,時々,山や海へ行って視点や距離感を修正したほうがいいだろう.
時々,私が海を見たくなるのは私の脳がそれを行うためなのかもしれない.
SAHの誤診は業務上過失致死容疑になるようです
2008年5月25日 医療の問題 コメント (4)『くも膜下出血見逃し女性死亡 佐久病院医師を書類送検
県厚生連佐久総合病院(佐久市臼田)で2004年10月、頭痛を訴え受診した佐久市岩村田、主婦小林美幸さん=当時(55)=がくも膜下出血で死亡し、夫の哲さん(59)が医療ミスがあったとして告訴していた問題で、南佐久署は13日、診察した同病院の○○医師を業務上過失致死の疑いで地検佐久支部に書類送検した。
調べによると、○○医師はくも膜下出血の初期段階を疑い、適切な検査と治療をしなければならなかったのに怠った過失により、05年1月12日、同病院で小林さんを死亡させた疑い。同日、告訴状を受理し、捜査をしていた。○○医師は過失を認めているという。
同署などによると、小林さんは04年10月23日、後頭部に急激な痛みを感じ、同病院の救急外来を受診。「肩凝りによる頭痛」と診断され帰宅したが、数時間後に意識不明になって同病院の集中治療室(ICU)に入院し、意識が戻らないまま死亡した。受診時に小林さんはくも膜下出血の恐れを伝えたが、○○医師はCT(コンピューター断層撮影)検査などをしなかったという。○○医師は研修2年目で、当日は土曜日だった。
同病院の夏川周介院長は「結果的には判断ミスだった。今後の経過を見守りたい」としている。
哲さんは「医師はくも膜下出血の症状をよく知らなかったようで憤りを感じる。病院側は示談を申し込んできたが断った。起訴されるか経過を見守りたい」と話した。』(注:書類送検の段階なので○○医師とさせていただきました.)
この記事は医師の掲示板でも先週かなり注目されたらしい.この件に関しては研修医が告訴されたということで2004年12月20日にもコメントしたのだけれども,それから書類送検までに3年以上もかかったのは何故なのだろうか.
病院院長も研修医本人も認めているというのなら思い当たる何らかのミスがあったのは間違いないのかも知れないが,結果的に死亡したから研修医のミスを認めるというのでは,今後の救急医療のためにもならないことだろう.
1.診断能力がまだ不十分な医師の誤診というのはいくらでも起こりうることであって,その責任が全て研修医個人にあるというのは問題にならないのだろうか.病院の救急体制や研修医の指導体制には問題がなかったのだろうか.
2.患者側も診断に不満があれば他の医師の意見を求めることは不可能だったのだろうか.脳神経外科や神経内科の専門医の診察を受けられる病院を受診することはできなかったのだろうか.
などの点についてはどうだったのかなどを知りたいのは私だけだろうか.
県厚生連佐久総合病院(佐久市臼田)で2004年10月、頭痛を訴え受診した佐久市岩村田、主婦小林美幸さん=当時(55)=がくも膜下出血で死亡し、夫の哲さん(59)が医療ミスがあったとして告訴していた問題で、南佐久署は13日、診察した同病院の○○医師を業務上過失致死の疑いで地検佐久支部に書類送検した。
調べによると、○○医師はくも膜下出血の初期段階を疑い、適切な検査と治療をしなければならなかったのに怠った過失により、05年1月12日、同病院で小林さんを死亡させた疑い。同日、告訴状を受理し、捜査をしていた。○○医師は過失を認めているという。
同署などによると、小林さんは04年10月23日、後頭部に急激な痛みを感じ、同病院の救急外来を受診。「肩凝りによる頭痛」と診断され帰宅したが、数時間後に意識不明になって同病院の集中治療室(ICU)に入院し、意識が戻らないまま死亡した。受診時に小林さんはくも膜下出血の恐れを伝えたが、○○医師はCT(コンピューター断層撮影)検査などをしなかったという。○○医師は研修2年目で、当日は土曜日だった。
同病院の夏川周介院長は「結果的には判断ミスだった。今後の経過を見守りたい」としている。
哲さんは「医師はくも膜下出血の症状をよく知らなかったようで憤りを感じる。病院側は示談を申し込んできたが断った。起訴されるか経過を見守りたい」と話した。』(注:書類送検の段階なので○○医師とさせていただきました.)
この記事は医師の掲示板でも先週かなり注目されたらしい.この件に関しては研修医が告訴されたということで2004年12月20日にもコメントしたのだけれども,それから書類送検までに3年以上もかかったのは何故なのだろうか.
病院院長も研修医本人も認めているというのなら思い当たる何らかのミスがあったのは間違いないのかも知れないが,結果的に死亡したから研修医のミスを認めるというのでは,今後の救急医療のためにもならないことだろう.
1.診断能力がまだ不十分な医師の誤診というのはいくらでも起こりうることであって,その責任が全て研修医個人にあるというのは問題にならないのだろうか.病院の救急体制や研修医の指導体制には問題がなかったのだろうか.
2.患者側も診断に不満があれば他の医師の意見を求めることは不可能だったのだろうか.脳神経外科や神経内科の専門医の診察を受けられる病院を受診することはできなかったのだろうか.
などの点についてはどうだったのかなどを知りたいのは私だけだろうか.
昨年8月にロードサイクルを購入した時からCATEYEのCC-RD200という有線でケイデンスも測定できるサイクロコンピュータを使ってきたのだが,屋内でサイクルトレーナーを使うようになると流れた汗で電極がショートして誤作動するようになっていた.
最近は,その電極付近に錆が浮いてきたためか,外で走っている時も誤作動が頻発するようになった.それを気にして走るとわき見となり危険なため思い切って無線式の機種にすることにした.無線式はセンサーと本体間の配線がなく当然接続のための電極もないので汗や雨に強いような気がしたのだ.
昨日,それが届いたのでさっそく午後から取り付け作業をした.感心したのはセンサー部分が一体化して取り付けも電池交換も簡単になっていることと,以前の積算走行距離を入力できることである.ちょっと残念なのは傾斜計がない点である.心拍数は上位モデルだと計れるが,私はSUUNTO T3を使っているのでこれで十分である.
これで,明朝はまた少し長距離を走ってみようと思っているが,今日は風が強かったのでちょっと心配している.
使用後の追記)
これを使うようになってから何故かSUUNTO T3の心拍モニターがうまく拾えなくなった.故障したかと思い新しいのを購入したがやはりうまく拾えない.ひょっとすると無線が干渉しているのかもしれない.今度は,心拍モニターのついた上位機種の方にしようかと思っている.
最近は,その電極付近に錆が浮いてきたためか,外で走っている時も誤作動が頻発するようになった.それを気にして走るとわき見となり危険なため思い切って無線式の機種にすることにした.無線式はセンサーと本体間の配線がなく当然接続のための電極もないので汗や雨に強いような気がしたのだ.
昨日,それが届いたのでさっそく午後から取り付け作業をした.感心したのはセンサー部分が一体化して取り付けも電池交換も簡単になっていることと,以前の積算走行距離を入力できることである.ちょっと残念なのは傾斜計がない点である.心拍数は上位モデルだと計れるが,私はSUUNTO T3を使っているのでこれで十分である.
これで,明朝はまた少し長距離を走ってみようと思っているが,今日は風が強かったのでちょっと心配している.
使用後の追記)
これを使うようになってから何故かSUUNTO T3の心拍モニターがうまく拾えなくなった.故障したかと思い新しいのを購入したがやはりうまく拾えない.ひょっとすると無線が干渉しているのかもしれない.今度は,心拍モニターのついた上位機種の方にしようかと思っている.
火に油をそそぐつもりか?
2008年5月20日 医療の問題 コメント (3)『ネットで横行、患者中傷 医療事故被害者が標的に 遺族ら実態把握や対策検討 悪質事例は刑事告訴も
医療事故で亡くなった患者や家族らを中傷する内容の書き込みがインターネット上で横行しているとして、事故被害者の遺族らが18日までに、実態把握や防止策の検討に乗り出した。悪質な事例については、刑事告訴も辞さない方針だ。
遺族らは「偏見に満ちた書き込みが、医師専用の掲示板や医師を名乗る人物によるブログに多い。悲しみの中で事故の再発防止を願う患者や遺族の思いを踏みにじる行為で、許し難い」と指摘。
厚生労働省も情報を入手しており、悪質なケースで医師の関与が確認された場合は、医道審議会で行政処分を検討する。
中傷を受けた遺族や支援する弁護士ら約20人は4月、大阪で対策協議会を開催。日弁連人権擁護委員の弁護士も出席した。会場では被害報告が続出し、今後も情報交換を続け、対応を検討することを確認した。
メンバーの1人で高校教諭勝村久司(かつむら・ひさし)さん(46)=京都府=によると、中傷は「事故の責任は医師にはなく、悪いのは患者」といった趣旨が多い。2004年に福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた女性=当時(29)=が死亡した事故で、06年2月に産婦人科医(40)が逮捕された直後から目立ち始めたという。
対策協議会が集めた資料によると、この事故をめぐっては今年1月、医師専用の掲示板に、被害者の家族を攻撃する書き込みがあった。
この掲示板は医師を対象とした会員制。06年10月にも、奈良県内の病院で同年8月に起きた医療事故により死亡した妊婦=当時(32)=の夫への悪質な中傷が載った。県警は書き込んだ医師を特定。奈良区検が侮辱罪でこの医師を略式起訴し、昨年9月に奈良簡裁が科料9000円の略式命令を出した。
掲示板の運営会社(東京)は「奈良の事件後、すべての書き込みをチェックし、不適切と判断したものを削除するなどの対策を取っている」としている。』
福島県立大野病院産科医逮捕事件から学んだことをまとめてみよう.
1.本来,患者が事前に医師を選ぶことができる産科で家族との信頼関係の上で行ったはずの医療行為であっても,結果が悪ければ刑事告訴も辞さない家族がいること.
2.患者さんのために劣悪な労働環境に耐えて働いた実績があっても,警察やマスコミは医師に敬意を払ったりはしてくれないこと.
3.医師専用のはずの掲示板で医師仲間で不満をぶちまけても,それがマスコミを通じて一般社会に流布されてしまうこと.
4.患者が医師の悪口を言うことには寛大な社会も,医師が患者や家族の悪口を言うことは決して許さないであろうこと.
5.医師の高い倫理観や使命感などというものも,今や医師や患者の単なる理想に過ぎなくなり,現実には医療の現場も成果主義になったということ.
あの事件以来,いつ自分が業務上過失致死で逮捕されるかと心配している医師も多いと思われるが,その不安や不満のはけ口となっている医師専用掲示板での発言に対しても刑事告訴も辞さない方針なのだとしたら,溜まったストレスはいったいどこへ向かうのだろうか.
患者も医師もお互いの立場を理解してあげることが必要だと思うのだが,この調子ではそれも無理みたいな感じがする.それとも誰かが患者と医師の対立を煽って医療費抑制あるいは医療崩壊をすすめようとでもしているのだろうか.
なんだかよくわからないが,とりあえず8月20日の判決を待つことにしよう.
医療事故で亡くなった患者や家族らを中傷する内容の書き込みがインターネット上で横行しているとして、事故被害者の遺族らが18日までに、実態把握や防止策の検討に乗り出した。悪質な事例については、刑事告訴も辞さない方針だ。
遺族らは「偏見に満ちた書き込みが、医師専用の掲示板や医師を名乗る人物によるブログに多い。悲しみの中で事故の再発防止を願う患者や遺族の思いを踏みにじる行為で、許し難い」と指摘。
厚生労働省も情報を入手しており、悪質なケースで医師の関与が確認された場合は、医道審議会で行政処分を検討する。
中傷を受けた遺族や支援する弁護士ら約20人は4月、大阪で対策協議会を開催。日弁連人権擁護委員の弁護士も出席した。会場では被害報告が続出し、今後も情報交換を続け、対応を検討することを確認した。
メンバーの1人で高校教諭勝村久司(かつむら・ひさし)さん(46)=京都府=によると、中傷は「事故の責任は医師にはなく、悪いのは患者」といった趣旨が多い。2004年に福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた女性=当時(29)=が死亡した事故で、06年2月に産婦人科医(40)が逮捕された直後から目立ち始めたという。
対策協議会が集めた資料によると、この事故をめぐっては今年1月、医師専用の掲示板に、被害者の家族を攻撃する書き込みがあった。
この掲示板は医師を対象とした会員制。06年10月にも、奈良県内の病院で同年8月に起きた医療事故により死亡した妊婦=当時(32)=の夫への悪質な中傷が載った。県警は書き込んだ医師を特定。奈良区検が侮辱罪でこの医師を略式起訴し、昨年9月に奈良簡裁が科料9000円の略式命令を出した。
掲示板の運営会社(東京)は「奈良の事件後、すべての書き込みをチェックし、不適切と判断したものを削除するなどの対策を取っている」としている。』
福島県立大野病院産科医逮捕事件から学んだことをまとめてみよう.
1.本来,患者が事前に医師を選ぶことができる産科で家族との信頼関係の上で行ったはずの医療行為であっても,結果が悪ければ刑事告訴も辞さない家族がいること.
2.患者さんのために劣悪な労働環境に耐えて働いた実績があっても,警察やマスコミは医師に敬意を払ったりはしてくれないこと.
3.医師専用のはずの掲示板で医師仲間で不満をぶちまけても,それがマスコミを通じて一般社会に流布されてしまうこと.
4.患者が医師の悪口を言うことには寛大な社会も,医師が患者や家族の悪口を言うことは決して許さないであろうこと.
5.医師の高い倫理観や使命感などというものも,今や医師や患者の単なる理想に過ぎなくなり,現実には医療の現場も成果主義になったということ.
あの事件以来,いつ自分が業務上過失致死で逮捕されるかと心配している医師も多いと思われるが,その不安や不満のはけ口となっている医師専用掲示板での発言に対しても刑事告訴も辞さない方針なのだとしたら,溜まったストレスはいったいどこへ向かうのだろうか.
患者も医師もお互いの立場を理解してあげることが必要だと思うのだが,この調子ではそれも無理みたいな感じがする.それとも誰かが患者と医師の対立を煽って医療費抑制あるいは医療崩壊をすすめようとでもしているのだろうか.
なんだかよくわからないが,とりあえず8月20日の判決を待つことにしよう.
本日50万ヒットとなりました.
2008年5月19日 私の写真集 コメント (3)
最近は,明るい話題もなく天気も悪くなってきたので,せめて50万ヒット達成で盛り上げましょうか.
いつもブログを読んだり写真を見てくださる皆様,本当にどうもありがとうございます.これからもよろしくお願い申し上げます.
いつもブログを読んだり写真を見てくださる皆様,本当にどうもありがとうございます.これからもよろしくお願い申し上げます.
もっと暖かくなって欲しいね
2008年5月16日 私の写真集
昨日よりも少し暖かくなったが,まだまだ夜も朝も暖房が必要である.たとえ気温が低くてもどうすることもできない.夏が来るのを待つしかない.
何の因果か知らないが世界では自然の力が猛威をふるい不幸な出来事が続いている.これも起こるのはしょうがないのだが,問題は人の力でなんとかできる事さえもちゃんとやらないことだろう.
建築費用を自分の懐に入れて校舎の強度が足りないなんて言うのは犯罪行為だろうが,他国が救援物資を送っても届かないとか,72時間以内の救助が必要なのに緊急派遣を断わるなんていうのは一体どうなっているのだろうか.
まあ,わが国も他国の政治体制の事を言っている場合ではない.自然災害などなくても毎日の生活に困る人たちがこれから増えていくことになるのだろうから.
何の因果か知らないが世界では自然の力が猛威をふるい不幸な出来事が続いている.これも起こるのはしょうがないのだが,問題は人の力でなんとかできる事さえもちゃんとやらないことだろう.
建築費用を自分の懐に入れて校舎の強度が足りないなんて言うのは犯罪行為だろうが,他国が救援物資を送っても届かないとか,72時間以内の救助が必要なのに緊急派遣を断わるなんていうのは一体どうなっているのだろうか.
まあ,わが国も他国の政治体制の事を言っている場合ではない.自然災害などなくても毎日の生活に困る人たちがこれから増えていくことになるのだろうから.
財政再建(=弱者切り捨て)市場主義だろ?
2008年5月15日 医療の問題 コメント (2)『「軽度」外すと2兆円超減 介護保険給付で財務省試算
財務省は13日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)に、介護保険制度の対象から要介護度が「軽度」の人を外すと、介護給付にかかる費用が年約2兆900億円減少するとの試算を提示した。国と地方の財政負担が減少し、1人当たりの保険料も年約1万5000円安くなる。
介護保険をめぐっては、昨年末から厚生労働省の審議会が制度改正に向けた議論を始めた。財務省は保険対象者の絞り込みなどで財政負担を抑えたい考えだが、「軽度」の切り捨てに反発も出そうだ。
介護保険の給付費は、税金と保険料で半分ずつ賄う。試算によると、ドイツと同様に「軽度」の介護が必要な人を対象外とすると、国庫負担を約6100億円、地方負担を約5800億円いずれも減らせる。
節約できる保険料の総額は、65歳以上の高齢者が約4000億円、40歳以上65歳未満で約6500億円。
「軽度」のうち掃除や調理などの生活援助しか利用していない人を対象から外した場合は、国と地方の負担が約300億円ずつ減り、保険料は1人当たり年約800円安くなるにとどまる。』
大蔵省から厚労省保険局出向を経て財務省を退官した方が,「抑制策は限界に来ている。薬漬けなど削るところがないわけではない。しかし、削減したとしても、小児科や産科など手厚くすべき所もある。国際水準で日本の医療費の対GDP比は低く、増やしてもいいぐらいだ。これ以上やると、ただでさえ崩壊している医療がさらに壊れてしまう」,「財務省は財政再建至上主義だが、政治家などからも指摘が相次いでおり、そろそろ限界だという認識はあるのではないか」と言ったらしいが,このニュースをみるかぎりそんなことはなさそうだ.
これからも医療や介護の環境は悪化の一途をたどるような気がするが,厚労省も財務省には頭が上がらないみたいだから,恨むんなら財務省を恨めということなのかもしれない.もっとも,まだ若くて健康な人たちは状況を把握することもできていないだろうから,気がついたときにはすでに手遅れになっていることだろう.
財務省は13日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)に、介護保険制度の対象から要介護度が「軽度」の人を外すと、介護給付にかかる費用が年約2兆900億円減少するとの試算を提示した。国と地方の財政負担が減少し、1人当たりの保険料も年約1万5000円安くなる。
介護保険をめぐっては、昨年末から厚生労働省の審議会が制度改正に向けた議論を始めた。財務省は保険対象者の絞り込みなどで財政負担を抑えたい考えだが、「軽度」の切り捨てに反発も出そうだ。
介護保険の給付費は、税金と保険料で半分ずつ賄う。試算によると、ドイツと同様に「軽度」の介護が必要な人を対象外とすると、国庫負担を約6100億円、地方負担を約5800億円いずれも減らせる。
節約できる保険料の総額は、65歳以上の高齢者が約4000億円、40歳以上65歳未満で約6500億円。
「軽度」のうち掃除や調理などの生活援助しか利用していない人を対象から外した場合は、国と地方の負担が約300億円ずつ減り、保険料は1人当たり年約800円安くなるにとどまる。』
大蔵省から厚労省保険局出向を経て財務省を退官した方が,「抑制策は限界に来ている。薬漬けなど削るところがないわけではない。しかし、削減したとしても、小児科や産科など手厚くすべき所もある。国際水準で日本の医療費の対GDP比は低く、増やしてもいいぐらいだ。これ以上やると、ただでさえ崩壊している医療がさらに壊れてしまう」,「財務省は財政再建至上主義だが、政治家などからも指摘が相次いでおり、そろそろ限界だという認識はあるのではないか」と言ったらしいが,このニュースをみるかぎりそんなことはなさそうだ.
これからも医療や介護の環境は悪化の一途をたどるような気がするが,厚労省も財務省には頭が上がらないみたいだから,恨むんなら財務省を恨めということなのかもしれない.もっとも,まだ若くて健康な人たちは状況を把握することもできていないだろうから,気がついたときにはすでに手遅れになっていることだろう.
今朝は天気がよいので河川敷のサイクリングロードを朝日を浴びながら走ったのだが,風が強かったので体感温度も低くなり,「行きはよいよい,帰りはこわい」だった.
帰り道に一息つきながら大通公園を通りかかったらライラックがもう咲いていたので何枚か撮った.
札幌の木でもあるライラック(lilac)とは英語で,リラ(lilas)とはフランス語の名前だそうである.あまり聞かないが,ムラサキハシドイ(紫丁香花)とも呼ばれるらしい.花言葉は友情・青春の思い出・純潔・初恋などとある.
リラ冷えや 睡眠剤は まだ効きて 榛谷美枝子(はんがいみえこ)
調べてみたところ,『「リラ冷え」とは,昭和35年(1960年)に詠まれたこの句がもとで札幌で生まれた「季語」で,札幌駅から大通公園に歩いてゆき,リラの花が咲いているのを見上げたとき,なんとなく寒いような気がしたので「リラ冷えや」という言葉が「すっと出た」そうである.その後,昭和46年(1971年),当時38歳の作家渡辺淳一が『リラ冷えの街』を著わし,この言葉は世の中に広まった.』とあった.
子供の頃から慣れ親しんだ花に,こんな背景があったとは今日まで知らなかった.
帰り道に一息つきながら大通公園を通りかかったらライラックがもう咲いていたので何枚か撮った.
札幌の木でもあるライラック(lilac)とは英語で,リラ(lilas)とはフランス語の名前だそうである.あまり聞かないが,ムラサキハシドイ(紫丁香花)とも呼ばれるらしい.花言葉は友情・青春の思い出・純潔・初恋などとある.
リラ冷えや 睡眠剤は まだ効きて 榛谷美枝子(はんがいみえこ)
調べてみたところ,『「リラ冷え」とは,昭和35年(1960年)に詠まれたこの句がもとで札幌で生まれた「季語」で,札幌駅から大通公園に歩いてゆき,リラの花が咲いているのを見上げたとき,なんとなく寒いような気がしたので「リラ冷えや」という言葉が「すっと出た」そうである.その後,昭和46年(1971年),当時38歳の作家渡辺淳一が『リラ冷えの街』を著わし,この言葉は世の中に広まった.』とあった.
子供の頃から慣れ親しんだ花に,こんな背景があったとは今日まで知らなかった.
Ground Level
2008年5月12日 私の写真集
学会の帰り道.胡錦濤国家主席の宿泊先となったホテルの海岸側を歩いてランドマークタワーに向かって歩く.ここが本来の地面だったところなのだろうが,まるで地下を歩いているような感じがする.道路が高いところにできて,いつもその上を歩いていると人間は地面の上を走っていた時のことを忘れてしまうのだろう.
iPodに課金はおかしくないか?
2008年5月8日 社会の問題『iPodにも補償金を――文化庁が案提示
文化庁長官の諮問機関・文化審議会著作権分科会の「私的録音録画小委員会」の今期第2回会合が5月8日に開かれた。文化庁は、iPodやHDDレコーダーなど「記録媒体を内蔵した一体型機器」を、録音録画補償金の課金対象とする制度改正案を提示。電子情報技術産業協会(JEITA)の委員などが「補償金の課金対象が際限なく拡大するのでは」などと懸念を述べ、議論が紛糾した。
文化庁の案は「DRMによってコンテンツの複製回数を完全にコントロールできれば、補償金は不要になる」とし、著作権法30条2項に定めた補償金制度を順次縮小していく――という前提に立ちながらも、「当面の経過的措置」として「音楽CDからの録音や、デジタル放送の録画については補償金でカバーすることを検討すべき」としている。
従来、補償金が課金されていたのは、MDレコーダー、DVDレコーダー、MD、DVD−RWなど、録画・録音機器とメディアが別々になっている「分離型専用機器」「専用記録媒体」だったが、案ではこれに加え、iPodなど「携帯用オーディオレコーダー」や、HDDレコーダーなど「録音録画を主たる用途としている機器のうち、記録媒体を内蔵した一体型のもの」を課金対象に加えることを提案している。
PCなど汎用機器は課金対象外。「録音録画機能を含めて複数の機能がある機器で、どの機能が主要な機能といえないものは、対象とすべきでない」とした。
この案については、JEITA常務理事の長谷川英一委員が「補償金制度が際限なく拡大するというふうにもとらえられ、制度の縮小・廃止に向けた道筋が見えない」などとし、文化庁に対して、補償金縮小の道筋を具体的に示すよう求めた。』
『iPodなど著作権料課金案、メーカー側難色
文化庁は8日、iPodなどの携帯音楽プレーヤーと、テレビ番組を録画するハードディスク内蔵型レコーダーに「著作権料」の一種を課金する制度改正案を文化審議会に提案した。3人のメーカー側委員からは「改正案をこのまま受け入れることは非常に難しい」などと改正案に難色を示す意見が相次いだ。結論は今月29日に開かれる次回会合に持ち越された。
「著作権料」の一種とは、私的録音録画補償金のこと。著作権法に基づく制度で、デジタル機器を使って家庭内で音楽やテレビ番組などを複製する行為に対して課金するもので、すでにMDレコーダーやDVDレコーダーには課金されている。
文化庁の改正案は、この補償金を携帯音楽プレーヤーと、テレビ番組を録画するハードディスク内蔵型レコーダーに、新たに賦課するという内容。金額は慎重に検討する方針だが、1台数百円前後と想定される。
文化庁の改正案は、この問題を検討してきた同審議会の私的録音録画小委員会に提案された。20人の委員のうちメーカー以外の委員をのぞく他の委員からは、消費者側委員も含めて「一定の評価をしている」「現実的な案」などと改正案を支持する意見が相次いだ。』
iPodはもともとiTunesと連携して使う物であり,PCが無ければほとんど使い物にならない.iTunesStoreで曲を購入するにも,自分のCDの曲をコピーするにもiPodで聞くにはiTunesがインストールされたPCが必ず必要だからiPodはPCの周辺機器ではあるが録音録画のための機器ではない.
著作権料はiTuneStoreで購入したものは既に払っているわけだし,著作権料を払って自分で購入したCDをPCで再生するのも,コピーしてiTunesやiPodで聞くのもそれは再生手段の問題であって購入者の自由ではないだろうか.
もちろん他人のCDをコピーすれば,著作権料は払っていないわけだから確かに問題だろうし,どんなコピープロテクトでも完全なものなどはないから「DRMによってコンテンツの複製回数を完全にコントロールできれば、補償金は不要になる」というのも理想論にすぎないだろう.しかし,だからといってiPod利用者に一律に私的録音録画補償金を負担させるというのはやはりおかしな話だ.
著作権者側は「Culture First」を唱えて経済・流通至上主義がいけないと言うが,いくら創作物であっても市場に流通すれば商品にすぎないわけで,著作権者の利益を保護するために,iPodの利用者に無条件に課金するというのではそれもまた経済至上主義になるのではないだろうか.
コピーを恐れて著作権料を上げたいならいくらでも商品の値段を上げればいいのである.高くても本当に良い物は売れるし,安くても駄目な物は売れない.それに,本物が高くて買えなければコピー商品が出回るのはメディアコンテンツだけではないだろう.
機器に上乗せして,あらかじめ取れるところから取っておくようなやり方をするよりも,コピーではなく本物を手に入れたいと思うような作品を,多くの人が手に入れやすい価格で大量に流通させることこそ大衆文化の原点だと私は思うのだがどうだろうか.
文化庁長官の諮問機関・文化審議会著作権分科会の「私的録音録画小委員会」の今期第2回会合が5月8日に開かれた。文化庁は、iPodやHDDレコーダーなど「記録媒体を内蔵した一体型機器」を、録音録画補償金の課金対象とする制度改正案を提示。電子情報技術産業協会(JEITA)の委員などが「補償金の課金対象が際限なく拡大するのでは」などと懸念を述べ、議論が紛糾した。
文化庁の案は「DRMによってコンテンツの複製回数を完全にコントロールできれば、補償金は不要になる」とし、著作権法30条2項に定めた補償金制度を順次縮小していく――という前提に立ちながらも、「当面の経過的措置」として「音楽CDからの録音や、デジタル放送の録画については補償金でカバーすることを検討すべき」としている。
従来、補償金が課金されていたのは、MDレコーダー、DVDレコーダー、MD、DVD−RWなど、録画・録音機器とメディアが別々になっている「分離型専用機器」「専用記録媒体」だったが、案ではこれに加え、iPodなど「携帯用オーディオレコーダー」や、HDDレコーダーなど「録音録画を主たる用途としている機器のうち、記録媒体を内蔵した一体型のもの」を課金対象に加えることを提案している。
PCなど汎用機器は課金対象外。「録音録画機能を含めて複数の機能がある機器で、どの機能が主要な機能といえないものは、対象とすべきでない」とした。
この案については、JEITA常務理事の長谷川英一委員が「補償金制度が際限なく拡大するというふうにもとらえられ、制度の縮小・廃止に向けた道筋が見えない」などとし、文化庁に対して、補償金縮小の道筋を具体的に示すよう求めた。』
『iPodなど著作権料課金案、メーカー側難色
文化庁は8日、iPodなどの携帯音楽プレーヤーと、テレビ番組を録画するハードディスク内蔵型レコーダーに「著作権料」の一種を課金する制度改正案を文化審議会に提案した。3人のメーカー側委員からは「改正案をこのまま受け入れることは非常に難しい」などと改正案に難色を示す意見が相次いだ。結論は今月29日に開かれる次回会合に持ち越された。
「著作権料」の一種とは、私的録音録画補償金のこと。著作権法に基づく制度で、デジタル機器を使って家庭内で音楽やテレビ番組などを複製する行為に対して課金するもので、すでにMDレコーダーやDVDレコーダーには課金されている。
文化庁の改正案は、この補償金を携帯音楽プレーヤーと、テレビ番組を録画するハードディスク内蔵型レコーダーに、新たに賦課するという内容。金額は慎重に検討する方針だが、1台数百円前後と想定される。
文化庁の改正案は、この問題を検討してきた同審議会の私的録音録画小委員会に提案された。20人の委員のうちメーカー以外の委員をのぞく他の委員からは、消費者側委員も含めて「一定の評価をしている」「現実的な案」などと改正案を支持する意見が相次いだ。』
iPodはもともとiTunesと連携して使う物であり,PCが無ければほとんど使い物にならない.iTunesStoreで曲を購入するにも,自分のCDの曲をコピーするにもiPodで聞くにはiTunesがインストールされたPCが必ず必要だからiPodはPCの周辺機器ではあるが録音録画のための機器ではない.
著作権料はiTuneStoreで購入したものは既に払っているわけだし,著作権料を払って自分で購入したCDをPCで再生するのも,コピーしてiTunesやiPodで聞くのもそれは再生手段の問題であって購入者の自由ではないだろうか.
もちろん他人のCDをコピーすれば,著作権料は払っていないわけだから確かに問題だろうし,どんなコピープロテクトでも完全なものなどはないから「DRMによってコンテンツの複製回数を完全にコントロールできれば、補償金は不要になる」というのも理想論にすぎないだろう.しかし,だからといってiPod利用者に一律に私的録音録画補償金を負担させるというのはやはりおかしな話だ.
著作権者側は「Culture First」を唱えて経済・流通至上主義がいけないと言うが,いくら創作物であっても市場に流通すれば商品にすぎないわけで,著作権者の利益を保護するために,iPodの利用者に無条件に課金するというのではそれもまた経済至上主義になるのではないだろうか.
コピーを恐れて著作権料を上げたいならいくらでも商品の値段を上げればいいのである.高くても本当に良い物は売れるし,安くても駄目な物は売れない.それに,本物が高くて買えなければコピー商品が出回るのはメディアコンテンツだけではないだろう.
機器に上乗せして,あらかじめ取れるところから取っておくようなやり方をするよりも,コピーではなく本物を手に入れたいと思うような作品を,多くの人が手に入れやすい価格で大量に流通させることこそ大衆文化の原点だと私は思うのだがどうだろうか.
2005年12月17日以来,主に娘の成長を記録し続けてきてくれた私のメイン機材のひとつであるニコンD200が本日を持って引退することとなった.約2年半にわたって1度も故障することなく働いてくれたおかげで,たくさんの貴重な瞬間を撮ることができた.デジタル時代になって技術の進歩が早いために,カメラの買い替え周期も早くなっているが,2年半というのは私としては長かったほうだと思う.
私は,何でも気に入った物を長く使いたいと思っているのだが,D200の気に入った点の第一はおそらくいつでも確実に撮れるという信頼性だった.そして,画像が柔らかくてちょっと赤味がかっているのも主な用途が家族のスナップ写真なので結構気に入っていた点である.今となっては画質はそれなりなのであるが,D300が出て半年も買い替える気にならなかったのはやはり気に入った点が多かったからだと思う.
それでも,D3を使い始めてその圧倒的な高画質と機能に慣れてくるとD200との差異が次第に気になるようになってきた,その点,新機種のD300はD3とは操作や色調などの部分で共通部分が多いのできっと違和感が少ないだろうし,D300はMB-D10と併用することで,ほとんど運動会専用機材だったD2Hと同等の高速連射性能となり,かつ画質の点では大きく上回ると思われるので,月末に運動会を控えて突然の新機種導入となったわけである.
D200を下取りに出すかどうかは大変に迷ったのだが,結局,バックアップ機として手元に残すことにした.D2Hについで2台目の私の永久保存版デジタル一眼レフとなった.きっと疲れが溜まっているだろうから,夏休みにはオーバーホール旅行をプレゼントしようかと思っている.
私は,何でも気に入った物を長く使いたいと思っているのだが,D200の気に入った点の第一はおそらくいつでも確実に撮れるという信頼性だった.そして,画像が柔らかくてちょっと赤味がかっているのも主な用途が家族のスナップ写真なので結構気に入っていた点である.今となっては画質はそれなりなのであるが,D300が出て半年も買い替える気にならなかったのはやはり気に入った点が多かったからだと思う.
それでも,D3を使い始めてその圧倒的な高画質と機能に慣れてくるとD200との差異が次第に気になるようになってきた,その点,新機種のD300はD3とは操作や色調などの部分で共通部分が多いのできっと違和感が少ないだろうし,D300はMB-D10と併用することで,ほとんど運動会専用機材だったD2Hと同等の高速連射性能となり,かつ画質の点では大きく上回ると思われるので,月末に運動会を控えて突然の新機種導入となったわけである.
D200を下取りに出すかどうかは大変に迷ったのだが,結局,バックアップ機として手元に残すことにした.D2Hについで2台目の私の永久保存版デジタル一眼レフとなった.きっと疲れが溜まっているだろうから,夏休みにはオーバーホール旅行をプレゼントしようかと思っている.
『生活保護者に安価薬 「違反者」割り出し徹底
◇自治体「どう説明を…」
生活保護受給者に対してジェネリック(後発)医薬品の使用を事実上強制する通知を厚生労働省が自治体に出していることが明らかになった。背景に医療費抑制を迫られる“国の懐事情”があり、通知書でも「後発医薬品は安く」「医療保険財政の改善の観点から」など、お金にかかわる文言が並ぶ。一方、指導に従わない生活保護者を割り出すため、薬局に1枚100円の手数料を払ってまで処方せんを入手するとしており、なりふり構わぬ様子がうかがえる。
4月1日に始まった後期高齢者(長寿)医療制度に続き、生活保護者に限定した医療費抑制策は「弱者切り捨て」との批判を呼びそうだ。
通知は後発薬について「一般的に開発費用が安く抑えられることから先発医薬品に比べて薬価が低く(中略)患者負担の軽減や医療保険財政の改善の観点から使用促進を進めている」と説明。生活保護者については「患者負担が発生しないことから、後発医薬品を選択するインセンティブ(動機付け)が働きにくいため、必要最小限の保障を行う生活保護法の趣旨目的にかんがみ、後発薬の使用を求める」としている。
通知によると、都道府県や政令市などが所管する福祉事務所は、診療報酬明細書(レセプト)の抽出を行ってまで、生活保護者が後発薬を使っているか確認しなければならない。そのために、調剤薬局に1枚100円の手数料を支払い、先発薬を使っている生活保護者の処方せんの写しを提出させることまで規定していた。先発薬の使用を指示した医師に対しては「特段の理由なく(受給者が)後発薬を忌避したことが理由でないかについて確認」することも盛り込んだ。
国は後発薬の使用を生活保護者だけでなく国民全体に呼びかけているが、窓口で3割負担をする患者は調剤薬局などと相談して先発薬を選ぶこともできる。しかし生活保護者は「医学的理由がない」と判断されれば、保護の停止や打ち切りにつながりかねず事実上、選択権が奪われた形だ。ある自治体の担当者は「停止や打ち切りにつながることを、どういう形で受給者に説明するか慎重に検討したい」と戸惑った様子で話す。』
生活保護者には生存権はあっても,選択権はないというのが厚生労働省の本音で,やはり医療費削減最優先ということなのだろう.「後期高齢者不要制度」と同じく切り捨てられても文句の言えない弱い立場の物人たちを標的にしたようなやり方は今さらながら非常に不愉快でコメントを書く気にもなれなかったのだが,今度は,
『「手当打ち切り」撤回、都道府県に厚労省通知 ジェネリック医薬品、使用指示問題
生活保護受給者は安価なジェネリック(後発)医薬品を使うよう、厚生労働省が自治体に指導を指示していた問題で、厚労省は30日午後、従わない場合の手当打ち切りなどの対応を撤回する通知を都道府県などに出す。舛添要一厚労相が閣議後会見で明らかにした。
後発医薬品の普及は、国が医療費削減策の一環として取り組んでおり、厚労省は今月1日付で▽先発薬を使い続ける生活保護受給者には口頭や文書で指導する▽指導に従わなければ保護の一時停止や打ち切りを検討する--などの通知を出した。これに対し「患者の選択権を奪う」との批判が上がった。
新たな通知は、後発品は国民全員で使用を進めていくとの趣旨を受給者に説明するとし、強制措置の検討は盛り込まない。舛添厚労相は通知について「役人言葉で書かれており国民の目線に立っていなかった」と不備を認めた。』
この記事を見て,相変わらずのやり方に怒りと失望を感じたのは私だけだろうか.徹底的に年金生活者や障害者そして生活保護者という弱者を標的に医療費削減を進めながらも,うまく批判をかわすために世間の反応をみては言い方だけを和らげるというやり方である.もはや,「役人言葉で書かれており国民の目線に立っていなかった」などという問題ではなく,腐った役人根性の底にある考え方にこそ問題があると言うべきではないだろうか.
などと,私がここで憤っていても世の中の多くの人は「そんなの関係ない」と思っているのかもしれないが,本当はいつ自分が病気になってもおかしくないし,生活保護者になるかもしれないのである.携帯電話の新機種の情報を検索するのも結構だが,もうちょっと自分の将来にかかわってくる医療の問題にも興味を持ってもらいたいものである.
◇自治体「どう説明を…」
生活保護受給者に対してジェネリック(後発)医薬品の使用を事実上強制する通知を厚生労働省が自治体に出していることが明らかになった。背景に医療費抑制を迫られる“国の懐事情”があり、通知書でも「後発医薬品は安く」「医療保険財政の改善の観点から」など、お金にかかわる文言が並ぶ。一方、指導に従わない生活保護者を割り出すため、薬局に1枚100円の手数料を払ってまで処方せんを入手するとしており、なりふり構わぬ様子がうかがえる。
4月1日に始まった後期高齢者(長寿)医療制度に続き、生活保護者に限定した医療費抑制策は「弱者切り捨て」との批判を呼びそうだ。
通知は後発薬について「一般的に開発費用が安く抑えられることから先発医薬品に比べて薬価が低く(中略)患者負担の軽減や医療保険財政の改善の観点から使用促進を進めている」と説明。生活保護者については「患者負担が発生しないことから、後発医薬品を選択するインセンティブ(動機付け)が働きにくいため、必要最小限の保障を行う生活保護法の趣旨目的にかんがみ、後発薬の使用を求める」としている。
通知によると、都道府県や政令市などが所管する福祉事務所は、診療報酬明細書(レセプト)の抽出を行ってまで、生活保護者が後発薬を使っているか確認しなければならない。そのために、調剤薬局に1枚100円の手数料を支払い、先発薬を使っている生活保護者の処方せんの写しを提出させることまで規定していた。先発薬の使用を指示した医師に対しては「特段の理由なく(受給者が)後発薬を忌避したことが理由でないかについて確認」することも盛り込んだ。
国は後発薬の使用を生活保護者だけでなく国民全体に呼びかけているが、窓口で3割負担をする患者は調剤薬局などと相談して先発薬を選ぶこともできる。しかし生活保護者は「医学的理由がない」と判断されれば、保護の停止や打ち切りにつながりかねず事実上、選択権が奪われた形だ。ある自治体の担当者は「停止や打ち切りにつながることを、どういう形で受給者に説明するか慎重に検討したい」と戸惑った様子で話す。』
生活保護者には生存権はあっても,選択権はないというのが厚生労働省の本音で,やはり医療費削減最優先ということなのだろう.「後期高齢者不要制度」と同じく切り捨てられても文句の言えない弱い立場の物人たちを標的にしたようなやり方は今さらながら非常に不愉快でコメントを書く気にもなれなかったのだが,今度は,
『「手当打ち切り」撤回、都道府県に厚労省通知 ジェネリック医薬品、使用指示問題
生活保護受給者は安価なジェネリック(後発)医薬品を使うよう、厚生労働省が自治体に指導を指示していた問題で、厚労省は30日午後、従わない場合の手当打ち切りなどの対応を撤回する通知を都道府県などに出す。舛添要一厚労相が閣議後会見で明らかにした。
後発医薬品の普及は、国が医療費削減策の一環として取り組んでおり、厚労省は今月1日付で▽先発薬を使い続ける生活保護受給者には口頭や文書で指導する▽指導に従わなければ保護の一時停止や打ち切りを検討する--などの通知を出した。これに対し「患者の選択権を奪う」との批判が上がった。
新たな通知は、後発品は国民全員で使用を進めていくとの趣旨を受給者に説明するとし、強制措置の検討は盛り込まない。舛添厚労相は通知について「役人言葉で書かれており国民の目線に立っていなかった」と不備を認めた。』
この記事を見て,相変わらずのやり方に怒りと失望を感じたのは私だけだろうか.徹底的に年金生活者や障害者そして生活保護者という弱者を標的に医療費削減を進めながらも,うまく批判をかわすために世間の反応をみては言い方だけを和らげるというやり方である.もはや,「役人言葉で書かれており国民の目線に立っていなかった」などという問題ではなく,腐った役人根性の底にある考え方にこそ問題があると言うべきではないだろうか.
などと,私がここで憤っていても世の中の多くの人は「そんなの関係ない」と思っているのかもしれないが,本当はいつ自分が病気になってもおかしくないし,生活保護者になるかもしれないのである.携帯電話の新機種の情報を検索するのも結構だが,もうちょっと自分の将来にかかわってくる医療の問題にも興味を持ってもらいたいものである.
なぜ暫定税率再可決に固執するのか?
2008年4月30日 社会の問題『租税特措法 民主が街頭演説「やるべきは衆院解散」
ガソリン税などの暫定税率を復活させる租税特別措置法改正案の再可決を目前に控えた29日、民主党は街頭演説会や党国会議員による緊急集会を開き、30日の再可決に対する激しい批判を展開した。衆院山口2区補選での勝利で得た世論の支持を追い風に、政府・与党との対決色を一層強める構え。30日の衆院本会議開会阻止に向け、徹底抗戦することも検討している。
東京・有楽町の街頭で開かれた演説会では、「ガソリン値下げ25円」と書かれたのぼりを立て、党国会議員が「値上げでゴールデンウイークは台無しだ」と訴えたビラを通行人に配り、菅直人代表代行ら9人が次々と街宣車に上った。
菅氏は聴衆約300人を前に「補選では国民を代表した意思が示された」と強調し、「無駄遣いを続ける国土交通省は放蕩(ほうとう)息子のようなものだ」などと批判。「明日やるべきは再可決ではなく衆院解散だ」と気勢を上げ、満場の拍手を浴びた。
また、29日夕には党本部で「ガソリン値上げ阻止特別行動隊」の緊急総会を開催。衆参若手議員を中心に、菅氏や仙谷由人元政調会長ら約90人が参加した。山岡賢次国対委員長は「再可決は国民の利益と意思に反している。許してはならない」と呼び掛けた。
民主党は30日午前、両院議員総会を国会内で開催し、再可決阻止に向けた一致結束を確認する。鳩山由紀夫幹事長が共産、社民、国民新の3党と共に与党側に再可決をしないように申し入れ、応じなければ、河野洋平衆院議長を本会議場に入れないようにするなど徹底抗戦する構えだ。』
私はおそらく無党派層に属するのだろうと思うが,自民党が暫定税率廃止で取りはぐれる2兆6000億円をなんとか取り返そうとする理由は単に党としての意地かそれとも地方で票集めのためにばらまく資金を国土交通省の税金泥棒と山分けするためなのではないかと思っている.
一説によると,米国では年初に15兆円もの減税を発表したが,日本の経済規模がアメリカの3分の1とすると,これは日本における5兆円の減税に相当し,暫定税率廃止は,その半分でしかなく,2兆6000億円とはきわめて軽い景気対策程度の金額らしい.
しかも,政府が円高を放置してきたことで,暫定税率廃止どころではない遥かに大きなマイナスを日本政府は被ったそうだ.為替レートが1ドル=115円だった頃に持っていた少なくとも70兆円の米国債が,先月の円高ドル安で一時は100円を割り込むほどになり,この間のドル安で日本政府は保有する米国債に6〜7兆円もの為替差損を出したことになるらしい.
暫定税率廃止でもめている間に,2兆6000億円の2年分以上にも当たる巨額損失が知らん顔されていたような状況にもかかわらず,政府・与党が必死になって暫定税率再可決に向けて徹底抗戦しているのは,暫定税率再可決には国の財政事情以外の理由があるに他ならないからではないだろうか.
結局,国民は道路財源不足などというもっともな理由に納得させられながら,無駄な道路をつくり,環境破壊をすすめ,国交省の職員に無駄なお小遣いを与え,さらには地方軽視の官僚の増長をすすめてきたことになるのではないだろうか.そして,米国債を大量に買い込んで米国の好景気を支えてきたあげくにサブプライムローン問題による円高で大損をさせられるというおまけ付きなのである.
これだけ,いいかげんな経営をすれば企業であれば経営陣は総入れ換えになるのは当り前になるし,金を無駄使いした社員は懲罰ものだと思うのだが,我が国では内閣総辞職も国家公務員の減給もないらしい.その上,国民からそっぽを向かれた暫定税率に固執し,大局を見誤るような政府にはもう期待するものは残っていないのは私だけではないだろう.
私は別に民主党が政権を取るべきだと言うつもりなんてないが,国会が国民の代表の場というのであれば,衆院山口2区補選で大敗した以上は,まず「やるべきは衆院解散」で今の民意を問う必要があるのではないかと思うのだがどうだろうか.
ガソリン税などの暫定税率を復活させる租税特別措置法改正案の再可決を目前に控えた29日、民主党は街頭演説会や党国会議員による緊急集会を開き、30日の再可決に対する激しい批判を展開した。衆院山口2区補選での勝利で得た世論の支持を追い風に、政府・与党との対決色を一層強める構え。30日の衆院本会議開会阻止に向け、徹底抗戦することも検討している。
東京・有楽町の街頭で開かれた演説会では、「ガソリン値下げ25円」と書かれたのぼりを立て、党国会議員が「値上げでゴールデンウイークは台無しだ」と訴えたビラを通行人に配り、菅直人代表代行ら9人が次々と街宣車に上った。
菅氏は聴衆約300人を前に「補選では国民を代表した意思が示された」と強調し、「無駄遣いを続ける国土交通省は放蕩(ほうとう)息子のようなものだ」などと批判。「明日やるべきは再可決ではなく衆院解散だ」と気勢を上げ、満場の拍手を浴びた。
また、29日夕には党本部で「ガソリン値上げ阻止特別行動隊」の緊急総会を開催。衆参若手議員を中心に、菅氏や仙谷由人元政調会長ら約90人が参加した。山岡賢次国対委員長は「再可決は国民の利益と意思に反している。許してはならない」と呼び掛けた。
民主党は30日午前、両院議員総会を国会内で開催し、再可決阻止に向けた一致結束を確認する。鳩山由紀夫幹事長が共産、社民、国民新の3党と共に与党側に再可決をしないように申し入れ、応じなければ、河野洋平衆院議長を本会議場に入れないようにするなど徹底抗戦する構えだ。』
私はおそらく無党派層に属するのだろうと思うが,自民党が暫定税率廃止で取りはぐれる2兆6000億円をなんとか取り返そうとする理由は単に党としての意地かそれとも地方で票集めのためにばらまく資金を国土交通省の税金泥棒と山分けするためなのではないかと思っている.
一説によると,米国では年初に15兆円もの減税を発表したが,日本の経済規模がアメリカの3分の1とすると,これは日本における5兆円の減税に相当し,暫定税率廃止は,その半分でしかなく,2兆6000億円とはきわめて軽い景気対策程度の金額らしい.
しかも,政府が円高を放置してきたことで,暫定税率廃止どころではない遥かに大きなマイナスを日本政府は被ったそうだ.為替レートが1ドル=115円だった頃に持っていた少なくとも70兆円の米国債が,先月の円高ドル安で一時は100円を割り込むほどになり,この間のドル安で日本政府は保有する米国債に6〜7兆円もの為替差損を出したことになるらしい.
暫定税率廃止でもめている間に,2兆6000億円の2年分以上にも当たる巨額損失が知らん顔されていたような状況にもかかわらず,政府・与党が必死になって暫定税率再可決に向けて徹底抗戦しているのは,暫定税率再可決には国の財政事情以外の理由があるに他ならないからではないだろうか.
結局,国民は道路財源不足などというもっともな理由に納得させられながら,無駄な道路をつくり,環境破壊をすすめ,国交省の職員に無駄なお小遣いを与え,さらには地方軽視の官僚の増長をすすめてきたことになるのではないだろうか.そして,米国債を大量に買い込んで米国の好景気を支えてきたあげくにサブプライムローン問題による円高で大損をさせられるというおまけ付きなのである.
これだけ,いいかげんな経営をすれば企業であれば経営陣は総入れ換えになるのは当り前になるし,金を無駄使いした社員は懲罰ものだと思うのだが,我が国では内閣総辞職も国家公務員の減給もないらしい.その上,国民からそっぽを向かれた暫定税率に固執し,大局を見誤るような政府にはもう期待するものは残っていないのは私だけではないだろう.
私は別に民主党が政権を取るべきだと言うつもりなんてないが,国会が国民の代表の場というのであれば,衆院山口2区補選で大敗した以上は,まず「やるべきは衆院解散」で今の民意を問う必要があるのではないかと思うのだがどうだろうか.
『「休みたいなら辞めろ」発言は暴論?正論? ネットで波紋広がる
「休みたいならば辞めればいい」――。そう会見で述べたとされる日本電産の永守重信社長の発言への反響が広がっている。連合会長がメーデーで非難したのに続き、ネットでも永守発言に対して多くの「意見表明」がされた。批判が多いが、なかには「正論を言ってくれた」と支持する声もある。
「会社が儲かればなんでもありなのか?」
連合の高木会長は永守社長の発言を「言語道断」と批判した
永守社長は2008年4月23日の記者会見で「休みたいならば辞めればよい」と発言したと報じられた。
「社員全員が休日返上で働く企業だから成長できるし給料も上がる。たっぷり休んで、結果的に会社が傾いて人員整理するのでは意味がない」
と述べたとされている(asahi.com 2008年04月23日)。
その後、連合(日本労働組合総連合会)の高木剛会長が4月26日のメーデー中央大会で、この発言を「言語道断」と激しく批判。J-CASTニュースが報じたところ、同ニュースやYahoo!ニュース、livedoorニュースなどのコメント欄や個人のブログ、掲示板に、たくさんの読者の意見や感想が書き込まれた。その多くは、永守発言への批判的なコメントだ。
「IT関連で働いています。会社でかなりの残業をやらされて過労死に追い詰められた同僚のことを思い出しました。このような発言は許せないですね。会社が儲かればなんでもありな会社なんですか?」(Yahoo!コメント)
「『休みたいなら辞めろ』って酷い。そりゃ、仕事もろくにしないで休みまくってる人もいるんだろうけど、言い方ってあるでしょ。うちの叔父さんはほぼ休みない状態で働いて髪真っ白になったし(まだ30代)、お父さんは前の会社の社長が無能なせいで働き詰めで欝(うつ)にまでなった」(モバゲータウン日記)
「武田鉄矢の『こら、鉄矢』って曲でお母さんが『休みたいと思えば死ね』なんて言っているけどあれは肉親だから許される事。会社がいくら親近感ある存在だろうがこう言う言語は、反発招くだろうな。と言うものの休みを取りたくてもなかなか出来ない現状だけど」(livedoorコメント)
「だいぶ昔になるけど、ウチの会社でも『年休を取ったら余剰人員と見なす』って言ってた管理職がいた。当然、部下からは嫌われまくりで、定年で辞めるとき、部下は全員無視してお祝いもなにもしなかった」(J-CASTコメント)
「こういう気持ちでなければ中小企業はつぶれてしまう」
このようにそれぞれの体験にもとづく批判が多数寄せられた一方で、数は少ないが、永守社長の発言に賛成する意見もあった。中小企業の経営者としての立場から「休みたくても休めない現実」を訴えるものや、「倒産するよりはマシ」と考える意見など、さまざまだ。
「この発言の何がいけないんでしょう?実際中小企業はこういう気持ちで一致団結してやってなければつぶれますよ。この発言を批判できる人間は公務員かあるいは庶民の生活を知らないゴールデンウィークには高い金払って海外旅行にいける大企業の人間だけですよ」(Yahoo!コメント)
「休み休みって、ただ単にラクしたいだけだろ! 俺は将来、独立する為に今は頑張って働いてるよ。月180時間の残業だぜ。有給を全消化するヤツには仕事で絶対負けない」(Yahoo!コメント)
「日本電産の社長がいるおかげでどれだけ倒産しかけた企業の『正社員』とその家族の人生が豊かなものになっているかを考えて欲しいものだと思います。倒産した社員(=非労働組合員)のためにどれだけ高木委員長が頑張ってきたのか知りませんが、少なくても日本電産の方が税収に結びつく成果を上げてきた以上、批判は慎むべきたと思います」(J-CASTコメント)
「オバマ大統領候補はしっかりと休暇をとっている」
バブル経済末期の約20年前、「24時間、戦えますか?」とビジネスマンを鼓舞するCMが流行した。永守社長の発言はあのリゲインのCMの歌を思い出させるが、週休二日制が定着した今では、「24時間働く」のは時代遅れということなのかもしれない。
ゴールデンウィークが始まり、海外へ旅行に出かける人たちのニュースがテレビで流れる。その一方で、ネットのニュースを見てコメントを書き込む人もいれば、パソコンに向かって仕事をしている人もいる。
同じく、「この連休中も仕事をしている」という弁護士の落合洋司さんはブログで次のように書いている。
「私自身は、社会に出た後、現在に至るまで、この社長発言のような感覚で生きてきている(適度に休んではいますが)ので、言っていることはよくわかりますが、そういった姿勢、やる気というものと、経営管理の立場での在り方というものは、やはり、きちんと区別し切り分けて進めないといけない、ということではないかと思います。
日本人(特に、やり手と呼ばれるような人々)の根底に流れている、こういった感覚が、過労死にもつながるような過重労働を生み、日本各地で様々な不幸を生み出している、という面も、見逃すべきではないでしょう。
先日、ニュースを見ていて、アメリカ大統領候補のオバマ氏が、激しい選挙戦の中、しっかりと休暇をとり家族と何日かを過ごした、ということを知り驚きましたが、そういったことが当然のこととされるような、より成熟した社会を、日本も、そして私自身(連休でも働いている)も、目指さなければならない、ということなのかもしれません」』
「休みたいなら辞めればよい」と言えるのは,こう言っても辞めないという自信があるからなのだろうが,こんなこと言わなくても医療現場ではどんどん辞めていく人が続出して崩壊はまだまだ続いているようだ.
「社員全員が休日返上で働く企業だから成長できるし給料も上がる。たっぷり休んで、結果的に会社が傾いて人員整理するのでは意味がない」というのも,低賃金でコストを抑えることができた会社の製品の市場競争力は高いというあたり前のことで,別に優良な企業という意味ではないと思うのだが,なぜ,わざわざこんなことを言う必要があったのかわからない.
低賃金で品質が同じ物をつくれば生産コストが下がるからと言って,大企業がこれをやったらいったいどうなるのだろうか.大企業はそんなことはやってはいけないが,中小企業はこうしないと生き残れないというのなら「過労死しても構わないから働く」という人だけが辞めずに働いているのが中小企業なのだろうか.だとしたら労働基準法とはいったい何なのだろうか.
医師の労働時間についてもまったくこんな中小企業と同じではないだろうか.医師の使命とはそういうものなんだと勝手に思い込んで働いてきたが,気がつくとそれはまわりの期待に応えていただけで,現場の医師はすでに限界を超えているのにさらなるサービス向上とコスト削減を期待されたあげくに燃え尽きてしまったのではないだろうか.
それでも,こういうことがネットで話題になり,自分の労働環境の悪さを自覚できるようになれば改善の見込みはあるのではないだろうか.病気を治すにはまず自分が病気であることを自覚する必要があるのである.
「休みたいならば辞めればいい」――。そう会見で述べたとされる日本電産の永守重信社長の発言への反響が広がっている。連合会長がメーデーで非難したのに続き、ネットでも永守発言に対して多くの「意見表明」がされた。批判が多いが、なかには「正論を言ってくれた」と支持する声もある。
「会社が儲かればなんでもありなのか?」
連合の高木会長は永守社長の発言を「言語道断」と批判した
永守社長は2008年4月23日の記者会見で「休みたいならば辞めればよい」と発言したと報じられた。
「社員全員が休日返上で働く企業だから成長できるし給料も上がる。たっぷり休んで、結果的に会社が傾いて人員整理するのでは意味がない」
と述べたとされている(asahi.com 2008年04月23日)。
その後、連合(日本労働組合総連合会)の高木剛会長が4月26日のメーデー中央大会で、この発言を「言語道断」と激しく批判。J-CASTニュースが報じたところ、同ニュースやYahoo!ニュース、livedoorニュースなどのコメント欄や個人のブログ、掲示板に、たくさんの読者の意見や感想が書き込まれた。その多くは、永守発言への批判的なコメントだ。
「IT関連で働いています。会社でかなりの残業をやらされて過労死に追い詰められた同僚のことを思い出しました。このような発言は許せないですね。会社が儲かればなんでもありな会社なんですか?」(Yahoo!コメント)
「『休みたいなら辞めろ』って酷い。そりゃ、仕事もろくにしないで休みまくってる人もいるんだろうけど、言い方ってあるでしょ。うちの叔父さんはほぼ休みない状態で働いて髪真っ白になったし(まだ30代)、お父さんは前の会社の社長が無能なせいで働き詰めで欝(うつ)にまでなった」(モバゲータウン日記)
「武田鉄矢の『こら、鉄矢』って曲でお母さんが『休みたいと思えば死ね』なんて言っているけどあれは肉親だから許される事。会社がいくら親近感ある存在だろうがこう言う言語は、反発招くだろうな。と言うものの休みを取りたくてもなかなか出来ない現状だけど」(livedoorコメント)
「だいぶ昔になるけど、ウチの会社でも『年休を取ったら余剰人員と見なす』って言ってた管理職がいた。当然、部下からは嫌われまくりで、定年で辞めるとき、部下は全員無視してお祝いもなにもしなかった」(J-CASTコメント)
「こういう気持ちでなければ中小企業はつぶれてしまう」
このようにそれぞれの体験にもとづく批判が多数寄せられた一方で、数は少ないが、永守社長の発言に賛成する意見もあった。中小企業の経営者としての立場から「休みたくても休めない現実」を訴えるものや、「倒産するよりはマシ」と考える意見など、さまざまだ。
「この発言の何がいけないんでしょう?実際中小企業はこういう気持ちで一致団結してやってなければつぶれますよ。この発言を批判できる人間は公務員かあるいは庶民の生活を知らないゴールデンウィークには高い金払って海外旅行にいける大企業の人間だけですよ」(Yahoo!コメント)
「休み休みって、ただ単にラクしたいだけだろ! 俺は将来、独立する為に今は頑張って働いてるよ。月180時間の残業だぜ。有給を全消化するヤツには仕事で絶対負けない」(Yahoo!コメント)
「日本電産の社長がいるおかげでどれだけ倒産しかけた企業の『正社員』とその家族の人生が豊かなものになっているかを考えて欲しいものだと思います。倒産した社員(=非労働組合員)のためにどれだけ高木委員長が頑張ってきたのか知りませんが、少なくても日本電産の方が税収に結びつく成果を上げてきた以上、批判は慎むべきたと思います」(J-CASTコメント)
「オバマ大統領候補はしっかりと休暇をとっている」
バブル経済末期の約20年前、「24時間、戦えますか?」とビジネスマンを鼓舞するCMが流行した。永守社長の発言はあのリゲインのCMの歌を思い出させるが、週休二日制が定着した今では、「24時間働く」のは時代遅れということなのかもしれない。
ゴールデンウィークが始まり、海外へ旅行に出かける人たちのニュースがテレビで流れる。その一方で、ネットのニュースを見てコメントを書き込む人もいれば、パソコンに向かって仕事をしている人もいる。
同じく、「この連休中も仕事をしている」という弁護士の落合洋司さんはブログで次のように書いている。
「私自身は、社会に出た後、現在に至るまで、この社長発言のような感覚で生きてきている(適度に休んではいますが)ので、言っていることはよくわかりますが、そういった姿勢、やる気というものと、経営管理の立場での在り方というものは、やはり、きちんと区別し切り分けて進めないといけない、ということではないかと思います。
日本人(特に、やり手と呼ばれるような人々)の根底に流れている、こういった感覚が、過労死にもつながるような過重労働を生み、日本各地で様々な不幸を生み出している、という面も、見逃すべきではないでしょう。
先日、ニュースを見ていて、アメリカ大統領候補のオバマ氏が、激しい選挙戦の中、しっかりと休暇をとり家族と何日かを過ごした、ということを知り驚きましたが、そういったことが当然のこととされるような、より成熟した社会を、日本も、そして私自身(連休でも働いている)も、目指さなければならない、ということなのかもしれません」』
「休みたいなら辞めればよい」と言えるのは,こう言っても辞めないという自信があるからなのだろうが,こんなこと言わなくても医療現場ではどんどん辞めていく人が続出して崩壊はまだまだ続いているようだ.
「社員全員が休日返上で働く企業だから成長できるし給料も上がる。たっぷり休んで、結果的に会社が傾いて人員整理するのでは意味がない」というのも,低賃金でコストを抑えることができた会社の製品の市場競争力は高いというあたり前のことで,別に優良な企業という意味ではないと思うのだが,なぜ,わざわざこんなことを言う必要があったのかわからない.
低賃金で品質が同じ物をつくれば生産コストが下がるからと言って,大企業がこれをやったらいったいどうなるのだろうか.大企業はそんなことはやってはいけないが,中小企業はこうしないと生き残れないというのなら「過労死しても構わないから働く」という人だけが辞めずに働いているのが中小企業なのだろうか.だとしたら労働基準法とはいったい何なのだろうか.
医師の労働時間についてもまったくこんな中小企業と同じではないだろうか.医師の使命とはそういうものなんだと勝手に思い込んで働いてきたが,気がつくとそれはまわりの期待に応えていただけで,現場の医師はすでに限界を超えているのにさらなるサービス向上とコスト削減を期待されたあげくに燃え尽きてしまったのではないだろうか.
それでも,こういうことがネットで話題になり,自分の労働環境の悪さを自覚できるようになれば改善の見込みはあるのではないだろうか.病気を治すにはまず自分が病気であることを自覚する必要があるのである.
朝の散歩の帰り道にちょっと公園に立ち寄ってみたら青いシートがあちらこちらに敷かれていた.今朝はちょっと冷え込んだが,お花見係の人たちは早朝から競うようにシートを並べただろうか.
昼になれば気温も上がるだろうが,たとえあまり暖かくなくてもきれいな桜の木の下で,酔って騒いでゴミをちらかしながら例年のように盛り上がるのだろう.
カラス達もそのことを憶えているのか,早朝からいつになく沢山のカラスが集まってきていたが,あれはひょっとすると偵察にやってきた宴会係りなのかもしれない.
昼になれば気温も上がるだろうが,たとえあまり暖かくなくてもきれいな桜の木の下で,酔って騒いでゴミをちらかしながら例年のように盛り上がるのだろう.
カラス達もそのことを憶えているのか,早朝からいつになく沢山のカラスが集まってきていたが,あれはひょっとすると偵察にやってきた宴会係りなのかもしれない.
『五輪代表がスピード社製の水着試着…「速く泳げる」
東京・国立スポーツ科学センターで強化合宿中の競泳北京五輪代表のうち数人が24日までに、世界記録の続出で注目されているスピード社製の水着を着て泳ぎを試した。
04年アテネ五輪で男子平泳ぎ2冠の北島康介(日本コカ・コーラ)らを指導する平井伯昌コーチによると、選手からは「今までと次元が違う水着」「足が沈みにくい感じ」などの感想が挙がり、「速く泳げる」という意見が大半を占めた。
練習用の水着とスピード社製とでタイムも比較。ある女子選手は25メートルで0.5秒速くなり、他の男子選手はけ伸びで0.7秒タイムが縮まったという。
日本水泳連盟は、代表選手の水着を国内メーカー3社と契約しており、日本選手は五輪でスピード社製の水着を使えない。平井コーチは「記録との因果関係は証明できないが、外国選手がスピード社の水着ばかりになると、選手は精神的に不安になると思う」として、国内3社に対して「さらなる改良をお願いしたい」と語った。
スピード社が今年2月に新水着を発表して以降、この水着を着用した選手が長水路で延べ18個の世界記録をマーク。国際水泳連盟が調査を示唆したが、今月5日に「問題はない」との見解を示している。』
契約があって日本代表選手はスピード社の水着は使えないそうだ.こうなったら3社合同研究チームでもつくって3ヶ月でスピード社製の水着を上回る性能のものをつくるしかないだろう。
ホンダF1や日の丸ジャンプ隊のようにスピード社より優れた日本製の水着が完成して圧倒的に金メダルが採れれば,きっと水着の新国際ルールが出来ることだろうが,過去の例を見ても米国やヨーロッパが勝っているうちは新ルールなんてできないに違いない.彼らにとっての伝統的ルールとは彼らが勝つためものなのだろうから.
ここはなんとしても3社の技術者の方々に頑張っていただいて,ハイテク日本の底力を見せてもらいたいと思うのは私だけだろうか.
東京・国立スポーツ科学センターで強化合宿中の競泳北京五輪代表のうち数人が24日までに、世界記録の続出で注目されているスピード社製の水着を着て泳ぎを試した。
04年アテネ五輪で男子平泳ぎ2冠の北島康介(日本コカ・コーラ)らを指導する平井伯昌コーチによると、選手からは「今までと次元が違う水着」「足が沈みにくい感じ」などの感想が挙がり、「速く泳げる」という意見が大半を占めた。
練習用の水着とスピード社製とでタイムも比較。ある女子選手は25メートルで0.5秒速くなり、他の男子選手はけ伸びで0.7秒タイムが縮まったという。
日本水泳連盟は、代表選手の水着を国内メーカー3社と契約しており、日本選手は五輪でスピード社製の水着を使えない。平井コーチは「記録との因果関係は証明できないが、外国選手がスピード社の水着ばかりになると、選手は精神的に不安になると思う」として、国内3社に対して「さらなる改良をお願いしたい」と語った。
スピード社が今年2月に新水着を発表して以降、この水着を着用した選手が長水路で延べ18個の世界記録をマーク。国際水泳連盟が調査を示唆したが、今月5日に「問題はない」との見解を示している。』
契約があって日本代表選手はスピード社の水着は使えないそうだ.こうなったら3社合同研究チームでもつくって3ヶ月でスピード社製の水着を上回る性能のものをつくるしかないだろう。
ホンダF1や日の丸ジャンプ隊のようにスピード社より優れた日本製の水着が完成して圧倒的に金メダルが採れれば,きっと水着の新国際ルールが出来ることだろうが,過去の例を見ても米国やヨーロッパが勝っているうちは新ルールなんてできないに違いない.彼らにとっての伝統的ルールとは彼らが勝つためものなのだろうから.
ここはなんとしても3社の技術者の方々に頑張っていただいて,ハイテク日本の底力を見せてもらいたいと思うのは私だけだろうか.