『全国老人保健施設協会 「考えていたよりはるかに低額」 療養型老健の報酬で川合会長

 全国老人保健施設協会の川合秀治会長は4日の記者懇談会で、療養病床再編で創設する「介護療養型老人保健施設」の施設サービス費の単位数について、「自分たちが考えていたよりはるかに低額。療養型老健の評価を基本とするなら、次期改定に向けた活動は厳しいものになる」と述べ、2009年度改定での既存老健の評価に懸念を示した。

 全老健は同日、患者の平均要介護度4-5の介護療養型医療施設が療養型老健に転換した場合の報酬額の試算結果を発表した。それによると、療養型老健に転換した場合、介護職員配置4対1の施設は1人当たり月額約7万円、同6対1の施設は約3万4000円の減収になると説明。また、「60床、介護職員配置6対1、半数の入所者が要介護4」の場合、転換によって年間約5037万円(約18%)の減収と試算した。
  川合会長は、こうした試算に加え、既存老健と療養型老健の要介護3-5(多床室)の差が56単位にとどまることに触れ、「介護職員の待遇改善を考えると、介護療養型老健の単位数はあまりに低すぎる」と指摘。「老健全体のかさ上げという点から見て、相当厳しいと言わざるを得ない」と苦言を呈した。
  また、療養型老健のターミナルケア加算に対し、「240単位では低い」とする一方で、「既存老健では約3割が看取りを行っている。これが評価されないのは問題がある」と指摘。夜間の看護配置についても、約8割の老健が行っているとした上で、「これでは療養型老健と既存老健がダブルスタンダードとなる」と危機感を示した。』

介護職員の待遇改善が以前から言われているが,一向に改善する気配はない.
もっとも,今回も療養病床再編で創設する「介護療養型老人保健施設」と言うのは,厚生労働省が以前より主張してきた医師と病院の数を減らせば医療費が減るという考え方に基づいたものであるから,介護職員の待遇改善なんか関係ないのだろう.
むしろ「介護療養型老人保健施設」というのは極めてベッド単価を低くした病院の療養病床と考えた方がわかりやすい.ターミナルケア加算にしても病院からみればほとんど意味がない程度だろう,これで療養病床を「介護療養型老人保健施設」に転換する病院があると思っているのだろうか.

厚生労働省がいかに医療現場を無視したことをやっているかを示すいい例がまた一つ増えただけだし,家族に寝たきりの老人がいない一般の人にはきっと何のことだかわからないだろうから驚くに価しないのかもしれない.しかし,そうしている間に老人医療の終末期はとんでもなくおかしな事になってきているのだが,この先いったいどうなっていくのだろうか.

介護施設からのコンビニ受診や要介護老人の置き去り,そして施設入所者の放置なんていうのが頻発しているのにニュースにもならない世の中なんてどうかしていると思うのは私だけだろうか.
MacBookがマイナーチェンジ
CPUの高速化,標準搭載メモリの増量,内蔵HDの大容量化,価格は据え置き.
外観は変わらないのでハードが進歩した分のアップデートでしかないのだが,CPUが速くなったぶん仮想Windowsマシンとしての優位性は高くなった.コンピュータにはもうお金をかける気はないが,Mac OS X LeopardとWindows XP 環境を1台のモバイルPCで持ち歩きたい私には,現時点でもっともコストパフォーマンスが高く気になるマシンになったことは確かである.

買うとすれば2.4GHzのホワイト160Gモデルなのだが,さてキーボードをUSにするかJISにするかが問題だ.MacはもともとUSで使い始めたのでずっとUSを使っているのだが,Windowsは最初の自作機の格安キーボードがJISだったのでJISで使う事に慣れてしまっているのである.ほとんど見かけだけの些細な問題なのだが,買ってから後悔しないようにどっちにするか適当な理由を見つけるのがいつも何かを買うときの最後の楽しみなわけである.

とか何とか言っているようじゃ夏休み前には買ってしまうんだろうな...
もうすぐ春ですね
あともう少しです.
頑張りましょう.
『イージス艦事故:海幕長の更迭検討 防衛省

 衝突事故を受け、防衛省は海上自衛隊のトップである吉川栄治・海上幕僚長を、早ければ3月にも更迭する方向で検討を始めた。事故の重大性に加え、政府内での報告の遅れに対し、責任を明確にする必要があると判断した。

 吉川海幕長は06年8月に横須賀地方総監から就任。イージス艦の情報漏えい事件、給油量取り違えと航泊日誌の誤破棄、さらに、護衛艦「しらね」の火災など不祥事が続いた上に、今回の衝突事件が発生。一定の事故原因の究明や再発防止策の策定、これまでの不祥事の処分などが一段落した後、退任する方向となった。』

『鳩山幹事長:防衛相の問責決議案提出を検討

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は21日午前、「石破茂防衛相は今日すぐにでも辞めるべきだ。(防衛相に対する参院での問責決議案を)必要に応じて出す」と述べ、問責決議案提出を検討する考えを明らかにした。』

 石破防衛相を辞任させ,海上幕僚長を更迭したら防衛省は変われるのだろうか.防衛省の事務方が腐っていることは十分わかったし,海上自衛隊に自己管理能力がないことも周知の事実であったから今回の事故も起こるべくして起こっただけのように思うのだが,トップが責任を取ったからといって自衛隊員のレベルが急に上がるわけではないから問題の解決にはならないだろう.

 トップの責任が重いのは当然だが,これだけで終わるのだったら同じことの繰り返しである.厚生労働省にしても国土交通省にしても同じことで,表面に見える悪いところを削りとるだけは根治できないのが問題なのだが,根治のための方法はいったいだれが考えればいいのだろうか.本当の問題点がわかっている人は現場にいるのだろうが,その人たちの考えを上にあげる仕組みが機能していないのではないだろうか.もっとも,そのような仕組みを持たないのが官僚機構でありその究極が軍隊だとも言えるかもしれないから,そうなるとトップがよほど優秀でないと問題の解決は難しい.

 現場経験がなく知識という有限の情報にたよっているだけのリーダーが増えたのが原因だとしたらリーダーになるための資質と言う点から考え直さなければいけないのだろうが,二世議員やキャリア官僚,そして背広組なんかが幅をきかせているようではやはりダメなんじゃないだろうか.医師はどうなんだと言われれば,大学の教授は外科系でも手術の腕より研究論文重視,おまけに留学は必修みたいな状況が相変わらずだから,結果も予想されたようになっただけということだろう.
Wii Fitで白砂の海岸をランニング
 一度だけ偶然にゴールした白い砂浜にどうやったら行けるのか,ランニングの条件を色々変えて試行錯誤し今朝ようやくゴールしました.島一周のコースを走りながら,他のコースも走れないものかと考えていたのですが,走行条件によって色々なコースがあることがわかりました.

 今回の探索で島の中央部の山の上に湖を見つけたり,風力発電の風車のある丘を登り灯台のある岬にゴールしたりとなかなか楽しめました.

 スキーの上級コースは40秒の壁がなかなか破れず苦戦しています.バランスゲームのボールを落とすゲームは150点が現在の目標です.ジャンプは200mを飛ぶこともできるそうですが,今のところ180mの壁が越えられません.Wii Fitはなかなか奥が深そうです.

 今日はかなり雪が降りましたが,だいぶん日も長くなり春が近いと実感できるようになってきました,3月に入ったら自転車の屋内トレーニングを再開しようかと思っていますが,それまでにWii Fitで体重を12月のレベルに戻すのが課題となっています.

 
『バレンタイン食傷気味? 3割が「あってもなくても」

 今年は国産チョコレートメーカーがバレンタインのキャンペーンを始めて50年。各店舗では14日まで熱心な商戦が続いているが、一方で最近の調査では3割の人が「あってもなくても良い」と答えるなど、バレンタインは食傷気味と感じる人も少なくないようだ。

 「楽天リサーチ」(東京)が1月中旬に全国の男女計1200人を対象に初めて行ったインターネットを使った調査によると、バレンタインで女性が男性にチョコを贈る習慣が「あってもなくても良い」と答えた人が31.8%と「どちらかと言えば必要」(24.9%)を上回り、「どちらかと言えばいらない」も21.8%いた。特に男性では不要派(37.3%)が必要派(29.2%)を大きく上回った。

 女性は「交際相手に贈る」(14.2%)と並んで「自分のために買う」(13.5%)と答えた人も多かった。年々、高級化するチョコ商戦の中で「自分への贈り物」を重視する女性の傾向がくっきりと現れた。「女性が愛を告白する日」という当初のイベント趣旨は大きく様変わりしているようだ。

 横浜市の会社員の女性(29)は「特別な相手がいれば役立つ機会だけど、義理チョコはあげない。私の会社は昨年、社長が『義理チョコお断り』の“おふれ”を出したので、男性も女性も気楽だった」。千葉県習志野市のカフェスタッフの女性(29)も「20歳くらいからは『意味がないし、面倒くさい、何でしないといけないの?』と感じた」と話す。

 北海道文教大教授(食生活論、動物行動学)の荒井三津子さんは「最近は商品がどんどん高額化している一方で、それがどこのいくらの商品かが分かる状態でもあり、みんなしらけてきた。女性たちは他のことで忙しく、イベントとしてはある意味、役割を終えたのでは」と分析する。

 もはや男性陣が今夕、「今年はチョコをもらえなかった……」と嘆くような時代ではなくなったのかも。』

 今年も職場の病院では仕事がらみの義理チョコが配られた.返すのも面倒だし,チョコばかりもらっても処分に困るのでもらってもあまり嬉しくもない義理チョコだが,なぜか年配の先生方にはバレンタインデーはまだまだ人気があるらしいから,職場の女性スタッフの方々もきっと止めたくとも止められないのではないだろうか.

 もらって文句を言う訳ではないが,今年は見知らぬブランド?のチョコが集まった.聞いた事もないベルギーやドイツで作られたチョコでおまけに食べてもあんまり美味しくない.食べ慣れていないせいなのか,それとも品質がいまいちなのか.見かけはそれほど悪くはないが,よく見ると外箱の紙質もグレードがちょっと低いような感じがする.

 ひょっとして,これってジェネリックみたいなものなのだろうか.まあ,チョコなんだから食べてもあまり害はないように思うし,中国製でもないのだから心配ないのだろうが,どうせくれるのだったら余計な事を考えずに安心して食べられる物にして欲しかったような気がする.

 昨年から食べ物にかかわる問題がずいぶんとニュースになっていたので神経質になってしまったのかもしれないが,いくら義理でもジェネリック?のチョコなんて勘弁して欲しいと思うのは私だけだろうか.
『救急搬送:受け入れ拒否14回…男性死亡 千葉・東金

 千葉県東金市で昨年8月、自宅で倒れた男性(56)が心肺停止状態で救急搬送された際、10病院に計14回受け入れを拒否されていたことが分かった。男性は約40分後、公立長生病院(茂原市)に搬送されたが、死亡した。

 山武(さんぶ)郡市広域行政組合消防本部によると、昨年8月23日午後5時ごろ、男性が自宅で倒れているのを家族が見つけ119番通報した。約10分後に救急隊が到着し、計14回にわたって受け入れを打診したが、県立東金病院(東金市)や国保成東病院(山武=さんむ=市)など計10病院に「入院患者に対応中」などと断られたという。』

 確かに事実を伝えているのだろうが,言葉が足りなくて誤解を与える記事である.文章を書いてお金をもらっているなら,もうちょっと言葉の使い方に気をつけるべきだろう.

 他の記事を参考にすると,脳出血で発症し救急隊は心肺停止状態と病院に連絡し,搬入先の病院到着時に死亡を確認されたということらしい.私には,いずれにしても救命すら不可能なように思われるのだが,この記事の書き方だと受け入れを拒否された挙げ句に病院に着いた時には手遅れだったというように感じてしまう人が多いのではないだろうか.

 もし,意図的にそう思われるように書いているのだとしたら,とんでもない話でマスコミとしての姿勢を問われるべきではないのだろうか.確かに救急患者を受け入れ出来ないような事態が頻発している現状は問題であるが,事実をねじ曲げて報道したところで正しい理解は得られないし,医療従事者の反発を買うだけで救急医療の現場にいい影響を与えることはあり得ないだろう.

 現行の国民皆保険制度による医療が崩壊して,持てるものだけに与えられる医療となればそれによって新たなビジネスチャンスを生じて利益を得られると考える人がマスコミの後ろにいるのかもしれないが,社会的にはコストが増大して無駄な消費が増えるだけで地球規模では環境の破壊が進むだけではないだろうか.

 先人がせっかく築いてきた世界で最もコストパフォーマンスの高い医療を破壊するようなマスコミのパフォーマンスに騙されないように,私も含め世間の人は報道の中身をもっとよく見て考える力を養うべきではないだろうか.
Wiiのちょっと変わった使い方
 Wiiを使っている人なら知っていることだが,Wiiでは本体の機能でMiiというキャラクターを作成することが出来る.最近はMii職人を登録して参加するMiiコンテストもあったりして芸能人に似せたMiiもけっこう作っている人がいるようである.

 Miiコンテストをちょっとのぞいて見るために,私も自分用のMii職人をつくってみた.気のせいかちょっと自分に似ているようにも思いせっかくなのでこれをプロフィール用の画像にすることにした.方法はきわめて簡単で,Miiを画面に出してコンデジで撮影するだけ.コツは撮影距離やズームで大きさをうまく調節してモアレによる縞模様を目立たなくすることと,できれば画像処理ソフトで歪みと色調を調整することである.

 これで,訳あって自分の写真が貼れない人でもプロフィール用の画像を簡単に調達できるのである.でも,Miiがあんまり自分に似ていると知人にはきっとバレてしまうのではないだろうか.ちなみに私のは実物よりかなり若くてハンサムです.DiaryNoteにはプロフィール画像を貼るところはないので,ここにアップしてみました.
 
『診療科の偏在、是正必要 福田首相

 福田康夫首相は4日の参院予算委員会で、医師不足問題について「諸外国の中でも医師の数が少ないのは一目瞭然(りょうぜん)だ。医師が(医師不足が深刻なところではない)他の診療科に行ってしまう状況があり、是正しなければいけない」と述べ、診療科ごとの偏在を是正する必要があるとの認識を示した。』

 今頃になって医師不足に気づくようでは,「諸外国の中でも医療費が少ないのは一目瞭然(りょうぜん)だ。国家予算が(不足が深刻なところではない)道路やダムなど公共投資に行ってしまう状況があり、是正しなければいけない。」ということを認識できるようになるまでには医療は完全に崩壊していることだろう.
円山動物園にゾウを
『「花子」の死から1年 ゾウのいない円山動物園 希少動物、コスト高く

 札幌市円山動物園の人気者だったアジアゾウの「花子」(雌)が死んで二十八日で一年。同園には今も「ゾウはいないの?」と、寂しそうに尋ねてくる市民がいる。だが、ゾウはワシントン条約で輸入に制限がある上、札幌市では財政事情の厳しさもあって、新しいゾウの導入は難しい。花子がやって来たのは一九五三年。以来、半世紀以上ゾウは市民に親しまれてきた。同園で再びゾウを飼育すべきか。市は花子の一周忌を機に、市民論議を喚起したい考えだ。

 花子は昨年一月二十八日朝、獣舎の中で静かに息を引き取った。推定六十歳、人間で言えば百歳を超えていた。死因は老衰。大往生だった。

 花子の一生は、円山動物園の歩みとほぼ重なる。戦後の復興期の五一年、同園はオープンした。花子はその二年後、長野県で開かれていた「世界動物博覧会」で同園が購入。以来、巨体に似合わぬ愛らしいしぐさが親しまれ続けた。

 その「アイドル」が不在となってもう一年だ。今でも「一日一回はゾウがいなくて寂しかったという声を聞きます」と、同園前で客待ちするタクシー運転手吉田尚司さん(50)は言う。

 花子の後継のゾウを迎えるのは容易ではない。理由の一つはワシントン条約。ゾウは世界的に絶滅の恐れがあり、国際取引が規制されているためだ。

 さらに、札幌市の台所事情も大きい。日本動物園水族館協会のゾウ管理基準で、種の保存のため、飼育の際は繁殖が期待できる雌雄を一緒に飼わなければならないとされている。このため、獣舎は雄向けの頑丈なものが新たに必要となり、獣舎改修だけでも数億円の費用が必要となる可能性がある。これまでゾウは雌の飼育経験しかない同園にとっては「そうやすやすと支出可能な金額ではない」(同園経営管理課)。

 円山動物園は花子の一周忌に合わせて二十六日から二月二十四日まで、追悼イベント「アジアゾウ『花子』を振り返る」を開催。体高約二メートル、体長約四メートルにおよぶ花子の全身骨格標本を初めて公開する。

 期間中の同二日には上田文雄市長と市内の大学生がゾウの今後を話し合うシンポジウムを開く予定だ。同園は「札幌にゾウが必要かどうか。市民の考えをこれからも聞いていきたい」と話している。』

 獣舎も改築してゾウを入れるとなると10億円ものお金がかかるそうだ.札幌市も財政は厳しいから大人の考えでは無理ということになるのだろう.学生との討論会では賛成と反対が半々だったようだ.

 しかし,子供のためにゾウはやっぱり必要だと私は思う.陸上で最も大きくて最も力のある動物はゾウだからと言ったら笑われるだろうか.単純なようだが,とても大きくて,それが生きているということが子供たちに与えるものはお金にはかえられないと思うし,生きることの大切さを忘れているような大人たちにも何かを与えてくれるような気がするのだが,ゾウを入れるいい方法はないものだろうか.
 
『再診料下げに応援なし 産科診療所や選挙に配慮

 厚生労働省が目指した開業医(診療所)の再診料引き下げが見送られたのは、産科や小児科などを含め診療所全体に対し、一律に影響が出るという指摘のほか、開業医を中心とする日本医師会と選挙で敵対しては不利になるという与党議員心理が働いたことなどがある。

 衆院解散・総選挙に備え、与党は日医を敵に回せば集票が減るなど選挙を戦えないという立場から、与党への働き掛けを強めた日医と歩調を合わせた。この結果「厚労省の応援団は皆無だった」(厚労省幹部)という。

 このほか、軟こうや湿布の張り付けなど軽い処置の初・再診料の定額化が決まり、これが実質的に再診料20円程度の引き下げに相当。さらに日医が、今回の診療報酬改定で"闘いの象徴"としていた再診料の引き下げを阻止するため、当初は反対していた再診料の上乗せ部分である外来管理加算の引き下げを認めたため、厚労省は旗を降ろさざるを得なかった。

 一方、病院の再診料引き上げについては、支払い側である健康保険組合連合会に対する配慮だ。「開業医の再診料下げが困難なら病院への再診料引き上げで格差が少し埋まり説明もつく。病院への再診料のアップは財源的にも大したことがない」(同幹部)ことから、急きょ決まった』

『開業医再診料維持 格差是正効果は疑問 中医協案、抜け道多く

 08年度診療報酬改定の焦点となっていた開業医と勤務医の格差是正策は、開業医の再診料減額を見送る代わりに、「外来管理加算」を縮小する案などで決着した。厚生労働省は「名を捨て実を取った」と言う。しかし、一般に「勤務医より裕福」とされる開業医から勤務医への所得移転がどこまで実現するのかは、疑問が残る。(2面参照)

 厚労省は、夜間や休日に診療する開業医の報酬を手厚くする一方で、再診料は引き下げ、時間外診療をしない開業医を淘汰(とうた)する考えだった。不足が著しい勤務医が安易に開業に走ることに歯止めをかける狙いもあった。しかし、開業医の影響が強い日本医師会(日医)は猛反発した。

 日医は「何でも反対」でなく、身を切らせて骨を断つ作戦に出て成功した。医師の技術料の増額改定分(1000億円強)を、早くから「全額勤務医対策に回してもよい」と提案。軽度の治療に対する報酬廃止案も受け入れた。その代わり再診料については「基本給にあたる」(幹部)として、与党も味方につけて譲らない構えを崩さなかった。

 厚労省によると、今回の代替案でも、再診料引き下げによって開業医(約9万カ所)から賄う想定だった四百数十億円の財源を確保できるという。しかし外来管理加算適用を「5分以上相談に乗った場合」に限るなどという案には抜け道も多い。再診料の減額と同じ効果が出るか、疑わしい案と言えそうだ。

 約1500億円の勤務医対策費により、300床の病院で年間5000万円の収入増になるという。ただこれは、机上の計算に過ぎない。想定した費用が賄えなければ、今回の妥協に批判が集まるのは避けられない。』

開業医(診療所)の再診料引き下げが見送られたと報じられたが,どうせこんなことだろうと思っていたらやっぱりそうだったのかという感じで毎度のことながらあきれる話だ.

もっとも再診料引き下げが現実になったとしたらクリニックの先生たちは困るだろうが,病院勤務医はそれで給料が上がるわけでもないし,医師数が急に増えるわけでもないから別に嬉しくもなんともないだろう.

結果的に1500億円の勤務医対策費などは病院にとって多少の経営改善にはなるかもしれないが,所詮,焼け石に水である.勤務医にとっては良い影響など何もないことだろう.いつものことながらなんとも虚しい結末である.

現場の医師のことなど考えず机上の空論で医療に介入し続けてきた厚生労働省に勤務医の気持ちなど理解できるはずもないから,期待などしていないが,もし本当に格差を是正するのだったら,まず労働時間の適正化から手をつけてもらえないだろうか.特に病院当直業務と救急外来での時間外勤務の区別などは厳密に指導してもらいたいものだ.

これなら余分な医療費はかからないし,厚生労働省は現在も医師が余っていると言い続けているのだからそれぐらいのことは当然出来るのではないだろうか.もっとも,勤務医の数が足りていなければ救急患者の受け入れはさらに困難を増すだろうが,それこそが行政による真の医療改革というものではないだろうか.
『副作用、合併症で医学論文急減 医療事故調査委の発足見通し、医師ら処分恐れ萎縮?

 治療の副作用や合併症に関する医学論文の数が昨年後半から急激に減少したことが、東京大医科学研究所の上(かみ)昌広客員准教授(医療ガバナンス論)らのグループの調査で分かった。このうち、診療中に起きた個別の事例を取り上げた「症例報告」はゼロに近づいた。グループは、厚生労働省が検討する医療事故調査委員会の発足後、行政処分や刑事責任の追及につながることを医師が恐れて萎縮(いしゅく)し、発表を控えたためと推測している。

 グループは国内の医学論文のデータベースを使い、06年1月-07年10月に出された副作用や合併症に関する論文を探し、総論文数に対する割合を調べた。

 毎月、1万-4万件前後の医学論文が発表され、一昨年から昨年前半までは合併症の論文が13-17%あった。しかし、昨夏ごろから急減し、10月には約2%になった。副作用の論文も以前は4-6%あったが、昨年10月には約2%に減った。

 特に、副作用の症例報告は、以前は1%前後あったが、昨年10月にはゼロになった。合併症の症例報告も、以前は5-9%あったが、昨年10月には0・1%しかなかった。

 厚労省は昨年10月、診療中の予期せぬ死亡事故の原因を究明するために創設する医療事故調査委員会の第2次試案を公表した。死亡事故届け出を医療機関に義務付け、調査報告書は行政処分や刑事責任追及にも活用する場合もあることを盛り込んだ。10年度をめどに発足を目指している。

 上客員准教授は「医学が発展せず、国民の被害は大きい。リスクの高い診療科からの医師離れも促す。調査報告書は行政処分や刑事責任追及に使われないようにすべきだ」と訴えている。』

『大野病院医療事故:「責任を取ってほしい」 遺族3人が意見陳述--地裁公判 /福島

 県立大野病院で04年、帝王切開手術中に女性(当時29歳)が死亡した医療事故で、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた同病院の産婦人科医、加藤克彦被告(40)の第12回公判が25日、福島地裁(鈴木信行裁判長)であり、遺族3人が意見陳述。女性の夫(34)は「言い訳や責任転嫁せず、何をミスしたかを真正面から受け止め、責任を取ってほしい」と加藤被告に訴えた。

 夫は意見陳述で、今回の出産を「天国から地獄だった」と振り返った。術後の説明が「納得できる内容ではなかった」とし、「なぜ妻が死んだのか疑問に思う。自分の行動・言動に責任を持つのは大人の人間として当然のことだ」と話した。

 女性の父親(57)は「加藤先生の行為は許せない」と語り、女性の弟(31)は「明るく元気な姉に会いたい」と無念さをにじませた。加藤被告は、終始うつむき加減だった。

 また地裁は、弁護側が任意性を争っていた捜査段階の供述調書20通や、加藤被告の処置を妥当とした弁護側依頼の周産期医療専門家3人の鑑定意見書などを証拠採用した。この日で証拠調べが終わり、3月21日に検察側の論告求刑、5月16日に弁護側が最終弁論し、結審する予定。判決は夏ごろになる見通し。』

医学的な問題があるかどうかにかかわらず,患者さんが亡くなると医療事故として報道され,刑事責任を追及され,揚げ句に家族に恨まれ土下座までさせられるのでは手術して死亡する可能性のある患者さんはお断りするという風潮が強まるのは避けられないということだろう.

そして,医療事故調査委員会の発足でその流れは決定的になってしまうのではないかと多くの医師が考えているらしい.この調子では産科だけでなく外科系全般さらには内科救急にも悪影響が及ぶことは避けられないのではないだろうか.

医療事故調査委員会がどのようなものになるのかも心配であるが,私としてはまず加藤先生の裁判の判決に注目したいと思う.学会までを巻き込んだこの裁判で万が一にでも有罪にでもなろうことなら医療現場に与える影響は深刻なものになることは間違いないだろう.

もっとも,この裁判に危機感を持っているのは訴訟リスクを感じながら働いている現場の医師だけで,その影響が自分や自分の家族にふりかかると本気で思っている国民はほとんどいないのだろうから医療崩壊は今後も減速することはないだろう.
『HIV陽性、102人に 献血時の検査で日赤集計

2007年に献血した人のうち、エイズウイルス(HIV)抗体検査で陽性となった人は102人に上り、初めて100人を超えたことが23日、日赤の集計(速報値)で分かった。献血者10万人当たりの陽性者も2.065人と過去最多だった。

同日開かれた厚生労働省血液事業部会運営委員会に報告された。

通常の抗体検査では陰性だったが、日赤の高感度ウイルス検査で陽性と判明したケースが6人含まれていた。

厚労省はHIV検査目的で献血する人が増えているとみて「HIVの検査結果は原則として献血者本人には通知しない。検査目的の献血は控えてほしい」(血液対策課)と呼び掛けている。

集計によると、07年の献血者は計493万9548人と過去最少を更新。一方、HIV抗体検査で陽性となったのは06年の87人から15人増の102人で、過去最多だった04年の92人を上回った。

都道府県別では大阪が最多の26人で、次いで東京が17人、千葉が6人だった。

献血時のHIV検査は1986年から実施。感染防止が目的のため結果は本人に通知していないが、通知を受けられると誤解した人の検査目的の献血が数年前から問題となっている。』

HIV検査目的で献血するのは当然のことながら身に覚えがあるからなのだろうが,それにより不幸にも検査すり抜けによる感染例もいずれ報告されることだろう.他のSTDと同様にAIDSも蔓延するときがやってくるに違いない.

間違いを犯す人たちは,その時は自分だけは大丈夫だと思い込めるのだろうが,やはり人間だから後で不安にでもなるのだろうか.仮にその人が感染していなかったとしても同じことを考える他の人が感染していれば献血による感染は広がると考えないのだろうか.

いや,むしろ間違いを犯すような人だからこそ自分のことしか考えないのだろう.だから,軽症患者であふれた救急病院が本当の救急患者の受け入れができないなんてことになったりするのだろう.彼らは,自分が本当の救急患者にならなければ救急病院の存在意義なんてきっとわからないに違いない.もっとも気づいたときには搬送先が見つからず手遅れということになるかもしれないが.

コンビニ患者がやって来ると,一応は応召義務があるから結局は診なければならないし,厭な顔してあとで苦情を言われるのもつまらないから,愛想良く対応する勤務医がほとんどだろう.しかし,自称であれ本当であれ救急患者対応中とか軽症患者ばかりでも病院が満床だったりすれば救急車はきっぱりとお断りする救急病院はこれからも増えていくのではないだろうか.

医療費削減,医者たたき,医療事故の刑事訴訟などの社会的な問題だけでなく,患者個人やその家族も自制を欠いた理不尽な要求を続ければどういう結果になるのかということを考えるべき時が来ているのではないかと思うのだがどうだろうか.
 
『福田首相、ガソリン税率維持を強調 衆院代表質問

 福田首相の施政方針演説に対する各党代表質問が21日、衆院本会議で始まった。首相はガソリン税の暫定税率延長問題について「道路整備など必要な対策を実施するために財源確保が必要だ」と述べ、暫定税率を維持する考えを改めて強調。「(衆参の)ねじれ状況でも予算や税制、法制定を着実に実施し、国民生活に影響がないようにするのは政治の責任だ」と述べ、参院第1党の民主党に協力を求めた。

 首相は税率維持の理由について「橋の維持や補修、緊急病院への交通の利便性確保、都市部の渋滞緩和など、必要な対策は進めていかなくてはならない」と説明。「地球温暖化対策で欧州主要国がガソリン税を引き上げている状況で、これに逆行することは国際的な理解が得られない」とも述べ、税率維持が環境対策にもつながるとの考えを強調した。民主党の古川元久氏に対する答弁。

 冒頭質問に立った民主党の鳩山由紀夫幹事長が早期の解散・総選挙を求めたのに対し、首相は「解散より政策を各党と議論し、国民のために最善の結論を得るよう努力することが肝要だ」と述べ、改めて否定した。

 民主党が今国会を「ガソリン国会」と位置づけていることについて、首相は代表質問後、首相官邸で記者団に「不安を駆り立てるような名前だ。そういう名前を聞き、国民の方は安心するだろうか」と述べ、民主党を牽制(けんせい)した。』

前任のお坊ちゃま首相は若かったので理想論に終始したけど,福田首相も政策手法が年相応に古いだけで,発想がお坊ちゃまなのは変わらないようだ.

道路整備なんていう説明は聞き飽きたし,地球温暖化対策を持ち出すとは見当違いも甚だしい.ガソリンは生活必需品であって贅沢品ではないから,値段が高くても消費を減らす訳にはいかないのだ.道路は整備するけどガソリンが高いままでは嬉しくもなんともない.どちらかを選べというなら道路は現状でいいからガソリンが安い方がいいという人が大多数ではないだろうか.そもそも福田首相は普段から自分でガソリン代なんか払っていないだろうからバカ高い税金のせいで国民がどれだけ迷惑しているかなんて理解できないのだろう.

意味不明な説明を聞かされ時間を潰されると興味を失ってしまうがそれこそ福田首相や官僚たちの思うつぼなんだろうな.
 
雪が続いたあとの晴天でスキーには絶好だったのだが,娘の冬休みが終わりとあって忙しいのと疲れるのとでスキーは中止となってしまった.時間が空いたので納戸をかたずけついでに自分の部屋も掃除した.子供の見なくなった古いビデオが段ボールにたまっていたのと新しいのを買って不要になったスキー一式を持って好天の中ちょっとリサイクルショップまで一人でドライブしてきた.

一件目のお店ではスキーは扱っていないのとケースのないビデオは買い取りしないということなので,子供用品を主に扱っている2件目のお店に行ってみた.そこでは、5年以内のビデオとスキーの買い取りをしてもらえたのだが,見積もりの時間に店内を見て歩いて思ったのはプラスチックや化学繊維の製品が多量に在庫されていることだった.

これらは全て石油化学製品なわけで私たちの日常生活用品の大半が石油に依存しているということに今更ながら気づかされた.原油高騰と言っても普段はガソリン代くらいしか実感がわかないのだが,リサイクルショップに隙間なく並べられた洋服や玩具を見ていると石油が無くなる日も近いというのがしみじみ感じられてちょっと不安になったのだった.

ところで,本日のアルバイトの成果はというと全部で690円.大半が売れ残ったビデオの入った段ボール箱をかかえ今の世の中の厳しさを感じながら店を出て帰還の途についたのであった.たぶんガソリン代で半分は消えたように思う.それでも妻には「よくそれだけもらえたね.」と慰められたのだが寒さで頬もこわばって余り笑えなかった.

もったいないが,残ったビデオはやっぱり燃えないゴミにするしかないのだろうか.
MacBook Air にはがっかりした
『アップル、「超薄型」ノートPC発表 厚さ2センチ弱

 米アップルは15日、ノート型パソコンの新製品「MacBook Air(エア)」を発売する、と発表した。最も厚い中央部の厚さが1.94センチ、最も薄い部分は0.4センチで「超薄型」を売り物にしている。重さは1.36キロ。携帯しやすさや使い勝手の良さを売り込み、パソコン市場での巻き返しを目指す。

 13.3インチの画面で、80ギガバイトのハードディスク・ドライブや小型内蔵カメラを標準装備。カーソルを動かすタッチパッド部分を2本指や3本指でなぞると、写真を拡大したり、ページをめくったりすることができ、同社の携帯電話「iPhone(アイフォン)」に似た操作が特徴だ。

 基本ソフト(OS)は昨年10月に発売した「マックOSX(テン)レパード」で、米マイクロソフトのOSウィンドウズも併用できる。

 アップルのパソコンの販売シェアは米国内で5%程度にとどまり、ウィンドウズ機に大きく水をあけられている。携帯音楽プレーヤー「iPod」などアップル製品の勢いを、パソコン市場にも持ち込む狙いだ。

 日本をはじめ全世界で同日から受注を始め、2週間以内に順次出荷する。価格は1799ドル(日本では税込み22万9800円)。

 また、無線LAN機能がある「iPod touch(タッチ)」で、新たにメール機能やグーグル・マップなどのサービスをつけることも発表した。米国の映画ネット配信サービスで、30日間限定で視聴できる「レンタル販売」を始めることも明らかにした。』

初代のPower Book G4を小さく薄くしたようなデザインはまあいいのだが,性能はMac Bookよりも1割程低く,外部ドライブを含めると価格が2倍というのではよほどのアップルファンでもないと買わないんじゃないだろうか.

Airというキーワードに私は別なことを期待していたのだが,その期待はみごとに裏切られてしまったようだ.私が期待していたのはもっと小型,軽量でiPod touchとMac Bookの中間くらいの製品で,FOMAカードが内蔵できるような物だったのだが,大きさも価格も機能的にも今回のMac Book Airはちょっと期待はずれだっのだ.

このAirというのは徹底的に軽量化したMac Bookという程度の意味だったのだろうか.私が期待していたAirというのはネットワークに自在につながってWebベースでiアプリやiDisk上のデータにアクセスできるようなものなのだが,そのようなMacはまだ時期尚早なのかもしれない.

iPhoneもアップデートしたようだが,まだMac Bookの代わりに使える程でもないし,国内未発売ではどうしようもないのだが,国内発売の際には携帯電話+ワンセグ+Webアプリ+iアプリが使えて価格は5万円以下にして欲しいのだがやはり無理だろうか?
 
発表されたばかりなのに不満ばかり言ってしまったが,デザインは悪くはないし,価格だってPower Book Duoの頃に比べれば格安と言っていいくらいなのだが,今は他にも欲しい物がたくさんあってノートブックにまわすお金はないって話なのだ.
今年の目標なんてものは特にないけれど,一年のはじまりだから私がその行方を注目したい医療現場の問題を列挙してみよう.

1.救急医療について

救急患者の受け入れが不能になっている本当の原因は何か
救急車をタクシーがわりにする不心得者たちはどうするか
夜間救急外来に受診する急病でもない人たちの扱いをどうするか

2.医師不足

国公立病院からの医師の引き上げや立ち去りは止むのか
小児科,産婦人科の医師数は今後増加するのか
上記に関連して僻地医療の崩壊は今後も続くのだろうか
脳神経外科専門医の数は今後どうなるのか

3.日常診療,当直など

今回の診療報酬の改定で医療崩壊は減速するか
勤務医の労働環境は今後改善されるのか
主治医制が導入されれば病院の当直医の仕事は減るのか

思いつくままに書いてみましたが,まだまだ医療業界は真冬で今年も病院の窓から見えるものは猛吹雪ばかりになりそうな気がします.

「日本の医療を良くするために,今医師は何をするべきか」という対談で養老孟司先生が興味深い意見を述べられていました.
興味のある方は以下をどうぞ.(注:残念ながら医師限定サイトです.)
http://www.m3.com/tools/Healthpolicy/chapter3/index.html

御礼

2007年12月30日 その他 コメント (2)
御礼
今年も一年間読んでいただきありがとうございました.
おかげさまでもうじき40万ヒットに届きそうです.

今年の漢字は「偽」だったそうですが,来年もまた次々と嘘が暴かれていくのでしょうか.なんだか負の連鎖みたいで嫌になりますが,嘘がいつまでも続く訳などないですから次々と世間の知るところとなるのも当然の事なのでしょう.

私も来年こそは『嘘つきは泥棒のはじまり』ということを肝に銘じてもっと素直に謙虚にそしてさらに健康的に生きたいと思っています.

では,また来年もよろしくお願いいたします.
それでは,皆様良いお年をお迎えください.
 
『「司法待たずに中国人退去強行」 東京地裁、入管を批判

 留学中にエステ店で働いたとして摘発された中国籍の女性(33)が、国を相手に退去強制の手続きを進めないよう求める訴訟を起こしている最中に、東京入国管理局から強制的に帰国させられていたことが分かった。東京地裁は28日の判決で、「手続きを進める必要はない」と判断したが、本人が不在のため訴えを却下した。地裁は「司法の判断を待たずに違法な手続きが強行されたことは遺憾だ」と同管理局の対応を厳しく批判した。

 判決などによると、女性は00年に来日して04年に大学生となり、通学しながら都内のエステ店で働いていた。「1週間に28時間」まで働くことを許可されていたが、06年に店が入管法違反で摘発された際、それを超えて働いていたとして退去強制処分の対象になった。そのため、提訴して処分に必要となる収容命令の差し止めを求めた。

 判決で定塚誠裁判長は、女性の勤務時間には報酬のない待機時間が多く、実際に接客した時間は最大でも週27.75時間だったと指摘。さらに、女性が待機時間中にも宿題をしていたことや、大学のゼミの出席率が100%だったことなどを挙げ、「エステ店での就労活動が留学の特段の支障にはなっていない」と述べ、帰国させられる理由はないと結論づけた。

 だが、女性は11月16日付で退去強制命令を受け、同22日に帰国させられていた。判決直前の退去強制について、同管理局は「個別案件には答えられない」としている。』

罪を犯したわけでもないのに留学生が判決直前に強制的に帰国させられるとは,行政機関である東京入国管理局に司法を上回るどんな権限が与えられているのであろうか.帰国させてしまえば本人が不在になり訴えが却下されることを計画的に行ったのであれば中国からの留学生に対するいじめにも似た露骨な嫌がらせ行為ではないだろうか.

こんなことを見過ごしているような政府には中国の人権政策を批判する資格はないだろうし,日本人に対する中国人の不信感も払拭される事はないだろう.一見ささいなことかもしれないが,国家間の関係も実はこういったささいな人間関係の積み重ねからお互いを信頼するようにしていかなければ改善しないのではないかとも思う.

毎度,社会保険庁ばかりが槍玉にあげられているが,天下りや賄賂もひどいものだが,調べれば他にもまだまだ職務上の権限を傘に横柄で人に対する思いやりの欠けた行為をしている国家公務員があちこちにいそうで空恐ろしい感じさえするのは私だけだろうか.
厚労省による病床削減の犠牲者?
『30病院に拒まれ死亡 大阪の89歳 到着まで2時間

 大阪府富田林市で25日未明、下痢や嘔吐(おうと)など体調不良を訴えて救急搬送された同市内の女性(89)が、府内の計30病院に受け入れを拒否された末、約2時間後に搬送された病院で心肺停止状態となり、翌日夕、死亡していたことがわかった。受け入れを拒んだ病院の多くは「別の患者を処置中で対応できなかった」などと説明している。

 富田林市消防本部などによると、25日午前4時49分、女性の家族が119番通報し、8分後に救急車が自宅に到着。救急救命士が酸素投与などの処置をしながら、同消防本部の通信指令室とともに搬送先を探した。堺市や八尾市、大阪市平野区など周辺9市の市民病院や大学病院などを含む30病院に計35回受け入れを要請したが、いずれも拒否されたという。

 救急車はこの間、富田林市内の国道で待機。女性は車内でも意識があり、最終的に隣接する河内長野市の国立病院機構大阪南医療センターに受け入れが決まったが、その搬送中に体調が急変。同センターに到着した午前6時40分、心肺停止状態に陥った。その後、呼吸が再開するなど、いったん持ち直したが、翌26日夕、出血性ショックで死亡。同消防本部の説明では、女性には高血圧の持病があったが、死因との関係は不明という。

 受け入れを拒否した病院側は「集中治療室に別の重症患者がいて対応できなかった」「ベッドに余裕がなかった」などと理由を説明している。中には、「一度診察したことのある患者しか診ない」と拒否した病院もあったという。同センターも一度は「処置中」を理由に受け入れを断っていた。

 富田林市では23日にも、救急搬送された女性(67)が計14病院に受け入れを拒否されている。同消防本部の溝川秀敏次長は「医師不足と言われる中で日々、対応に苦慮している。救急隊が懸命に処置しながら亡くなったのは残念。医師会などとの連携を強化していきたい」と話している。

 亡くなった女性の家族は28日、「医療体制のあり方を変えてもらわないといけない」と語った。』

医師不足はもう誰もが知ることとなったと思うが,救急病院のベッド数が不足していることはあまり知られていないのではないだろうか.全国規模のデータを見たことはないが,救急病院と言われるところの多くで救急患者を受け入れるための病床が不足しているのではないかと思う.

私のところでは,今年になり高齢者の救急搬送が増えてきているのだが,満床で搬入をお断りするケースもそれにつれて増えているような気がする.

高齢者が増えていることもあるのだろうし,高齢者は回復も遅いので入院期間が延びていることもあるだろうが,一番の問題点は救急患者を収容するためのベッド数が相対的に不足してきているのに増床できないということだろう.

この背景には厚生労働省が医師数を抑制し続けてきただけでなく,病院のベッド数を積極的に削減することで医療費の抑制を図ろうとしていることがあるのではないだろうか.

病院が満員つまりベッドが満床の状態では物理的に患者さんを受け入れることはできない.それならベッドを増やして入院させればいいように一般の人は思うかもしれないが,実は,病院のベッド数が社会保険庁に届け出た数を上回れば診療報酬が減額されるペナルティーがありそんな勝手なことはできないようになっているのである.

今回の診療報酬改定では救急医療や勤務医の環境改善などと調子のいい事を言っているが,現実にはこんなところで現場の足を引っ張り続けたりしているのである.地域の救急病院が地元の患者をすべて受け入れられない問題の裏にはこんな罠が仕掛けられているのである.

マスコミは医師や病院を悪者にしたいのでこんな記事しか書かないのかもしれないが,なぜこれほど多くの病院が満床で受け入れられないのか,本当の理由をもっとよく調べてから報道してもらいたいものだ.事実を報道するだけでなく真実を暴くのが報道機関の役目だと思うのだが,今どきのマスコミに期待するのが無理なのだろうか.

救急隊からの依頼を受けるのもストレスなのだが,それを断るのもまたストレスを感じることである.満床であるがゆえに脳外科医が自分で手術できる患者さんを隣町まで血圧をコントロールしながら搬送するなんてことが実際に起きているのだから,今の日本の医療政策は間違っていると断言してもいいと思うのだが,一般の人は自分が救急搬送を拒否されるまでこんなことになっているとは思いもしないことだろう.

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