ガセネタ?
『TDR、4月6日にも一部再開へ 営業時間は短縮

 東日本大震災が起きた11日から休園している国内最大のテーマパーク「東京ディズニーリゾート」(TDR、千葉県浦安市)が、4月6日にも営業を一部再開する。東京電力の計画停電で電力供給が安定しないことから営業を見合わせてきたが、旅行会社の強い要請を踏まえ、営業時間を短くして再開する方向だ。

 運営するオリエンタルランドが方針を固めた。ディズニーランドとディズニーシーを合わせた1日の消費電力量は57万キロワット時と大量で、一般世帯に換算すれば、約5万9千世帯分に相当する。

 通常なら午後10時の閉園時間を午後6時ごろまでに早め、夜間の電力を減らす。昼間も冷暖房を節約することなどで、全体の消費電力の約3割の節電を目指す。できれば、周辺のホテルも同時に営業を再開したい考えだ。

 また、計画停電の長期化をにらみ、園内に大型のガス自家発電機を建設することも検討。TDR全体の消費電力の7割をまかなう計画だ。幹部は「普通なら環境影響調査に時間がかかるが、政府が特例を認めてくれれば半年でつくれる。クリスマスまでには設置したい」と話す。

 年間約2500万人が訪れるTDRは、震災により駐車場で液状化現象が起きるなどの被害を受けた。修復作業は済んでおり、28日からTDR内の商業施設「イクスピアリ」は営業を再開している。』

asahi.com(朝日新聞社)に出たニュースだが,オリエンタルランドから発表されたものではないとの訂正がTwitterで流れていた.

『 東京ディズニーリゾート再開に関する一部報道について

 平成 23 年 3 月 30 日付の一部報道において、東京ディズニーリゾート(東京ディズニー ランド/東京ディズニーシー)の再開に関する記事が掲載されましたが、当社として発表 したものではございません。

当社では、東京ディズニーランド/東京ディズニーシーにつきまして、なるべく早期での 再開を目指しておりますが、再開日や方針等、現段階で決定している事実はございません。 以上 』

 情報のソースはわからないが,私のようにTDRの再開日と部分再開の程度が知りたい人にとっては残念な話だろう.もっとも原発事故の処理がいつ終了するかもわからない状態ではたとえ再開しても放射能汚染が怖くて行く気になれない.少なくとも浦安市民の母親と幼児が疎開しているような状況ではたとえ再開しても観客が少なすぎて採算が採れないのではないだろうか.

 
 
フィルムカメラで撮ろう2
GW690を使ってみるまでは広角モデルであるこのGSW690にはあまり興味はなかったのだが,GW690が思いのほか良かったのとネットの作例を見てこのカメラのレンズに興味を持ってしまったのだった.

もっとも広角と言ってもライカ判の28mmレンズ相当だからそれほど大した画角ではないのだが,6×9判のレンジファインダーでは唯一の広角レンズだし解像度やコントラストが十分なだけでなく歪曲収差が少ないところが非常に気になったのである.

もちろん最近のデジタル一眼レフであれば歪曲収差などはソフトで補正してしまうのであるが,ブローニーフィルムが使えるレンズとしては持っていても損はないように思ったので程度の良い中古を探すようになっていた.

ところが,いざ購入しようと思って探すとなかなか見つからないものである.今回はヤ◯オク,イー◯イ,モ◯オクと色々なところで検索したが,しばらくは何も見つからなかったのである.

しかし,見つかる時は見つかるものでその後またしばらくしてから探してみるとヤ◯オクとモ◯オクにいくつか出品されていたので良さそうな物を選んで入札し無事に落札することができ,あとはカメラの到着を待つだけである.

札幌市内の公園にもまだ雪が残っているが,あと1ヶ月もすれば花見の季節になる.
せっかくだから散歩にはフィルムカメラを持って出かけることにしよう.

雪解け

2011年3月24日 私の写真集
雪解け
いよいよ本格的に雪解けが始まったようだ.私の通勤路の路面からも完全に雪や氷は消えてずいぶんと走りやすくなった.

農家では融雪用に土を畑に撒いているらしい.今まで白一色だった雪野原が急に慌ただしくなったみたいだ.

再生2

2011年3月23日 趣味
再生2
 私が小学生の修学旅行の時に,初めて父親に買ってもらったのはオリンパスのハーフ判のカメラだった.そのうちに父親のカメラを勝手に貰ったことにして写真を撮るようになったのだが,その父親のカメラを思い出しながらネットオークションで昔のカメラを探していたら,ちょっと気になるカメラがあった.

 ずいぶんと古いしライカのような高級カメラでもないせいか,オークションに出ているのは使うにはちょっと問題のあるジャンク品が多かったのだが,その中でも少し使えそうなものを数千円で落札したのだ.

 外装はもちろんファインダーもレンズも汚れているし,モルトプレーンというフィルム室の漏光を防ぐスポンジみたいなものは溶けてベタベタになっていた.電池を入れると露出計は動いているしシャッターもちゃんと切れているようなので,分解清掃とモルトプレーンの張替えを自分でやってみた.

 レンズやファインダーの汚れを落とし,モルトプレーンを全部張替え,外装を金属クリーナーとアルコールで綺麗に拭き上げてちょっとレトロでカッコいいカメラの再生が出来た.あとはフィルムを入れて試写してみるだけだ.ずっと眠っていたカメラはいったいどんな絵を見せてくれるのだろうか.
待ってるよ
当然だろうけど22日以降も営業休止で,再開は未定.

ミッキーたちもまた子供たちが来るのを待っていることだろう.

早くみんなに笑顔が戻りますように...
『大震災、死亡・不明2万1千人に 「明治三陸」と同規模

 東日本大震災の死者・行方不明者は21日、午後3時現在の警察庁まとめで2万1911人となり、明治以降、国内最悪の津波被害とされている1896年の明治三陸地震(死者数2万1959人)とほぼ同数となった。

 死者は12都道県の8649人、家族が警察に届け出た行方不明者は6県の1万3262人。身元確認を終えた遺体は約4080体で、うち約2990体を遺族に引き渡した。

 一方、東北と関東、甲信越、静岡の1都15県に設けられた約2070カ所の避難所には、原発事故の影響などによる避難も含め、約34万人が身を寄せている。岩手県は同日、沿岸部の集落などの孤立状態がすべて解消したと発表した。

 厚生労働省は、被災地で高齢者を介護する人員が不足しているとして、約5900人の派遣準備を整えた。老人ホームの入所者も、約2万8千人まで他県などの施設で受け入れ可能という。

 地震の発生から11日目となったが、救援物資をめぐる混乱が続いている。約140カ所に1万4千人が避難する仙台市。二十数人が避難する中学校で歯ブラシが600本余った。小学校には冷凍食品が届いたが、停電で電子レンジが使えず、すぐには食べられない状態になっている。』

 色々なところで『明治三陸地震(1896年)』というのを見かけるのでWikipediaで調べてみた.マグニチュードは8.2〜8.5で,地震は震度2〜3程度だったのに地震後の津波が本州の観測史上最高の波高38.2mを記録するなど津波被害が甚大だったらしい.発生間隔は数十年~百数十年くらいと書いてあった.

 もう少し調べてみると『昭和三陸地震(1933年)』というのがありマグニチュードは8.1で,震度5の強い揺れを記録したが、明治三陸地震の時と同じく地震による被害は少なく,地震後に襲来した津波による被害が甚大であったとある.この2つの地震の間隔は37年間,昭和三陸地震から数えて今年は78年目にあたる.

この間には『北海道東方沖地震(1994年)』があり,この時には私は開頭術中で患者さんの頭を両手でおさえながら手術室の床が抜けるのではないかと大いに慌てた経験がある.

 江戸時代にも三陸沖ではマグニチュード8クラスの地震があったようで,記録にあるかぎりでは明治三陸地震の8.5が最大だったのでそれ以上のは起きないことになっていたのだろう.人は物事を自分に都合よく解釈するものなのである.

 今後,災害からの復興が行われるだろうが,昭和三陸地震の教訓から田老に築かれた巨大防潮堤を今回の大津波は乗り越えて町内を襲い,ほぼ全域が壊滅状態となったというのだから津波被害があった地域に再び住むのはどうなのだろうか.

 結果的には,東京電力の自然災害に対する想定があまりにも低くかったとも,原子炉の設計基準ががあまりにも古かったとも言えるだろうが,そういう意味では過去に大きな津波被害のあった地域に多くの人が住んでいたことこそが人的被害を大きくした最大の要因ということだろう.

 これから地震や津波に対する防災計画を立て直すことになるだろうが,自然は今まで考えていた以上に猛威をふるうということを視野に入れて全国的な見直しをしなければならない.その時は,人は物事を自分に都合よく解釈するだけでなく,時間が経つと忘れてしまうものだということに十分気をつける必要があるだろう.



追記:『福島第1原発:周辺の津波 14メートル以上の可能性

 東京電力福島第1原発周辺で、14メートル以上の津波が押し寄せた可能性があることを21日、経済産業省原子力安全・保安院が明らかにした。設計時に想定した津波の高さの3倍近い。東電と保安院は、津波が原発の安全の根幹にかかわる原子炉の冷却機能を喪失させ、今回の事故につながったとみており、他の原発でも再検証が求められるのは必至だ。

 保安院は同日午後の会見で、「津波の高さは一番高い所で(水が)触れたものを見れば分かる。未確認だが、14メートルの高さの駐車場を超えていると聞いた」と説明した。東電が同原発で設計時に想定した津波の高さは約5メートル。津波は浅い海岸付近に来ると波の高さが急激に高くなる特徴があるほか、連続して押し寄せるため、沿岸に到達した津波の高さ以上まで駆け上がる。

 今回、同原発では、3号機を襲った東西方向の揺れの強さが507ガル(ガルは加速度の単位)と、保安院が耐震安全の基準値として認めた数値の1・15倍だったのを除き、揺れはおおむね基準値を下回った。しかし、敷地内にある原発に送電するための鉄塔が倒壊。さらに津波の影響で、原子炉を冷やすための緊急炉心冷却装置(ECCS)を駆動する非常用電源が6号機を除いて使えなくなり、外部からの受電設備も水没して事態を悪化させたとみられる。

 東電は今回の事故を、設計時の想定を超えて炉心の損傷につながるような「過酷事故(シビアアクシデント)」と認めている。保安院によると、東電は複数の対策シナリオを国の指示で02年に作成したが、津波による被害は考慮されていなかった。国の「原子力白書」でもシビアアクシデント発生の可能性について「工学的には考えられないほど低い」などとしていた。』

希望の光? その2
『 福島第1原発:「全プール100度未満」防衛相

 北沢俊美防衛相は20日夜、記者会見し、陸上自衛隊ヘリCH47Jで同日午後行った福島第1原発1~6号機の表面温度計測結果について、使用済み核燃料プールの温度は「すべて100度未満だった」と発表した。「原子力安全・保安院の専門官からは『プールには水が入っている』との指摘があった」と語った。

 防衛省によると、高度約900メートルから赤外線を使い計測。建屋上部が吹き飛ばされ、放水作業が続く3号機は62度と最も高く、1号機58度、4号機42度で、建屋が破壊されていない2、5、6号機(天井部分)は35~24度と低かった。また、プール以外では3号機の原子炉の格納容器上が128度と高かったが、北沢防衛相は「炉心の上なので想定の範囲内というのが専門家の見解だ」と述べた。』

 私が欲しくて探していたのはこういう情報だ.政治家やマスコミ関係者の話はどうも客観性を欠くので実際どうなっているのかよくわからないものが多いが,それに比べると消防隊や自衛隊の情報は私には非常にわかりやすく信頼できる気がする.

 やっと写真を出せる状態になったということなのだろう.かなり希望が持てる状況になってきたのではないかと思うがどうなのだろうか.
『米“放射能パニック”隠蔽政府にヒラリー激怒「信用できない」

 東京電力福島第1原発の事故を受け、米国内で「反日感情」が高まりつつある。東日本大震災直後は同情も多かったが、菅直人政権の原発危機への対応のひどさに、ヒラリー国務長官までが「日本は信用できない」と激怒。米メディアが「今週末にも、太平洋を超えて放射性物質が到達する」と報じたこともあり、西海岸はパニック状態になりつつある。

 「日本の指導者の欠陥が危機感を深める」

 ニューヨーク・タイムズ紙は16日、こんな強烈な見出しで、菅首相が臨機応変の対応力や官僚機構と円滑な協力関係に欠けるため、国家的危機への対処を大幅に弱くしている、と指摘した。

 今週に入り、米政府やメディアは総じて日本に厳しい。悲惨な大震災への同情はどこかに吹き飛んでしまった。

 米国在住のジャーナリストは「ホワイトハウスや議会で連日、日本の原発危機に関する会議や公聴会が開かれているが、『日本政府や東電は情報を隠蔽している』『混乱して無政府状態』といった反応ばかり。かなり緊迫している。これを放置すると、反日感情がさらに高まる」と警告する。

 事故発生直後、米政府は原子炉冷却に関する技術的支援を申し入れた。ところが、原子炉の廃炉を前提とした提案だったため、日本政府は「時期尚早だ」と受け入れなかったという。

 その後も、米政府は外交ルートを通じて、「第1原発は大丈夫なのか?」「本当のことを教えてくれ」と打診したが、日本外務省は首相官邸の指示もあり、「適時適切に対応している」とお役所答弁。ところが、第1原発の危機は日に日に深刻化し、水素爆発や放射性物質漏れが発覚した。

 このためか、ヒラリー国務長官は「日本の情報が混乱していて信用できない」「米国独自の調査で判断する」とテレビのインタビューで強い不快感を強調。在日米大使館は第1原発の半径80キロ以内に住む米国民に避難勧告し、東京の米大使館などに勤務する職員の家族約600人に、自主的な国外退避や日本国内の安全な地域への避難を認めると発表した。

 米メディアも17日朝から「金曜日にも太平洋を超えて米国に放射性物質が到達するから危険」と派手に報じ、欧州やアジアのメディアも「天災が人災に発展」「事実を隠蔽した」などと報道。

 米西海岸はパニック状態で、抗放射能薬が飛ぶように売れて、品不足状態だという。

 現在、ワシントンに滞在している国際関係学研究所の天川由記子所長は「米政府は菅政権に対し『大量の放射能漏れを隠している』との懸念を持っている。菅政権の対応の遅さと甘さは、米国民に『日本人は放射能漏れを起こした厄介者』と思わせかねない」と語る。

 菅政権は、日本を世界の孤児にする気なのか。』


『事故原発は“欠陥品”? 設計担当ら35年ぶり仰天告白

 自衛隊に警視庁機動隊、そして東京消防庁の特殊部隊まで巻き込むことになった空前の原発事故は、実は人災である可能性が浮上している。

 福島第1の原子炉は米ゼネラル・エレクトリック(GE)が開発した。そのGE元社員のデール・ブライデンボー氏はロイター通信の取材に対し、福島第1と同型の原子炉について35年前に安全面での不安を指摘していたと打ち明けたのだ。

 そのうえで同氏は「分析が終わるまで一部の原発は閉鎖されるべきだと思ったが、GE側は応じなかった。そのため、私はGEを辞めた」と、退社した経緯を説明した。

 米ニューヨーク・タイムズも、米原子力委員会の専門家が1972年、この原子炉は水素がたまって爆発した場合、放射能を封じる格納容器が損傷しやすいため、「使用を停止すべき」と指摘した、と報じた。

 今回、事故を起こしたのは「マーク1」という沸騰水型原子炉の一種で、60年代にGEが開発した。中心の燃料棒を圧力容器、さらにその外側をフラスコ状の格納容器で守っている。格納容器が小さく、設備建設費が安く済むため、計104基の原子炉が稼働している米国では同型の炉が23基も稼働している。米国外にも9基あり、計32基が現在も運転中だが、格納容器が小さいゆえに、水素爆発で損傷するリスクが高いというのだ。

 福島第1の原子炉はGEの設計図をもとに、東芝や日立製作所が関わって建設、運転されてきた。設計に携わった東芝の元技術者、小倉志郎氏(69)は16日、外国特派員協会の記者会見で驚きの証言をした。

 「(67年に)設計した当時は、津波は前提になかった。日本で事実上、初の原子炉設計だけに知識に乏しく、耐震設計基準についても判断できなかったと思う」

 小倉氏は福島第1原発の1、2、3、5、6号機の冷却部分などを設計した。その小倉氏によれば、津波の対応はその後、日本独自の設計で織り込まれるようになった。しかし、推定で最大10メートルとされる今回の大津波より「想定規模ははるかに小さかった」。また、地震の規模についても「マグニチュード(M)8・0以上の地震は起きない、と社内で言われた」とし、M9・0の巨大地震は想定外であったことを明かした。

 地震対策は「私の定年が近くなってやっと見直しをしたが、それでも大地震は想定しなかった。責任を感じる」と語っている。

 米メディアの報道と設計者の証言をまとめると、もともと事故時の危険が高い米国発の原発が、津波や地震のリスクを十分に考慮せず建設、運転されてきたことになる。前出のブライデンボー氏は今回の事故について、「マーク1型格納容器が、他の原子炉ほど地震や津波の負担に耐えられないことから(事故が)生じた」と分析している。

 福島第1原発の1号機が運転を開始したのは71年。40年もの間、周囲を巻き込む深刻な事故を起こさなかったのは奇跡だったともいえる。』


 どうやら元はと言えばGE社の基本設計に問題があったようだが,このことについては当然ヒラリー氏は当然ご存知ないということなのだろう.それにしても,広島と長崎に原爆を落とし,現在も核兵器を多数保有している国で大統領選に出馬するほどの方までがこれほど感情的になるとはいかがなものだろうか.

 オバマ氏が大統領で良かったと思う.
『消防放水「命中を確信」 涙の隊長、家族に陳謝

 「非常に難しく危険な任務だった。国民の期待をある程度達成でき、充実感でほっとしている」——。東京電力福島第一原発の冷却作戦で、10時間以上の「連続放水」を成功させた東京消防庁の派遣隊員の一部が19日夜、帰京した。佐藤康雄総隊長(58)ら3人が東京都内で記者会見し、心境を語った。

 会見したのは、災害救助のスペシャリストである「ハイパーレスキュー」の冨岡豊彦隊長(47)と高山幸夫隊長(54)。

 冨岡隊長は「大変だったことは」と問われると、「隊員です」と言って10秒ほど沈黙。涙を浮かべ、声を震わせながら、「隊員は非常に士気が高く、みんな一生懸命やってくれた。残された家族ですね。本当に申し訳ない。この場を借りておわびとお礼を申し上げたい」と言った。

 高山隊長は18日、職場から直接現地に向かった。妻に「安心して待っていて」とメールで伝えると、「信じて待っています」と返信があったという。

 佐藤総隊長も妻にメールで出動を伝えた。「日本の救世主になってください」が返事だった。

 高山隊長は今回の任務を「目に見えない敵との闘い」と振り返った。注意したのは放射線量。「隊員たちが常に測定しながら安全を確認し、アピールしてくれた。仲間のバックアップがあったから任務を達成できた」と話した。

 会見では、作戦の具体的な中身も明かされた。

 佐藤総隊長によると、派遣隊は本人が承諾した隊員から選抜された。

 原発に入ったのは18日午後5時5分。作戦は当初、車から出ずに車両でホースを延ばす予定だった。8分で設置できる計算だった。だが、海岸付近はがれきだらけ。車が走れそうなルートだと2.6キロあり、ホースが足りない。

 一度本部に戻り、安全な方法を再検討した上で午後11時半に原発に戻った。最終的には、途中まで車で延ばし、最後の約350メートルは隊員が車外に出て、巻いたホースを手で延ばし、取水のために海まで届かせた。

 ポンプで吸い上げた海水を放つ「屈折放水塔車」を止めたのは、2号機と3号機の真ん中で建物まで約2メートルの至近距離。目標とした、使用済み核燃料が貯蔵された3号機のプールまでは50メートルだった。いつでも退避できるようにマイクロバスを用意し、「特殊災害対策車」も待機した。

 翌19日の午前0時半、「白煙の方に向かって」3号機への放水が始まった。

 放水現場の放射線量は毎時60ミリシーベルトだったが、放水後はゼロ近くに。「命中している」と確信したという。』

 妻と娘は「ハイパーレスキュー」と聞いて『レスキューフォース』というテレビ番組を連想したようだったが,1分間に30トンもの送水ができる「ハイパーボンバー」は確かにレスキューフォースの装備みたいに私にも思えた.

 しかし,どんなに装備が素晴らしくともそれを使うのは人間である.隊員がホースを手で延ばし海まで届かせなければハイパーボンバーも使えなかったと知るとやっぱり最後は人手なのだということあらためて感じた.

 この隊長さんたちの話を読んで,事故発生から被爆の危険と戦いながら決死の放水作業にあたってくれた「日本の救世主」さんたちのおかげで少し希望が出てきたように感じた.あとは東電の人たちが頑張って一連の冷却装置類の再起動に成功すれば安定した状態に持ち込めることだろう.

 なんとかこの最大の危機を乗り越えて日本が再生できるよう祈りたい.

 

野球バカ

2011年3月19日 スポーツ
『巨人が開幕延期を検討へ 球団幹部「重く受け止めている」

 巨人の球団幹部は19日、文部科学省が日本野球機構(NPB)に東京電力、東北電力管内で電力需要に鑑みナイターを行わないよう要請したことを受け「重く受け止めている。こだわれない状況」と述べ、25日のセ・リーグ公式戦開幕の延期を検討する姿勢を示した。

 また「各球団と対応を協議している。連休中には方向性を出したい」と、21日までにリーグとして結論を出したいとの意向を明らかにした。パ・リーグが開幕を4月12日に延期する一方、セは巨人が主導的な役割を果たし、予定通り今月25日に開幕することを決めていた。開幕戦は東京ドームで巨人―横浜、神宮球場でヤクルト―阪神がともにナイターで組まれている。

 文科省が東京電力、東北電力管内での試合開催自体も自粛するよう求めていることについては「(球場変更は)現実的に難しい。可能なときに、徹底的に節電してできないか、検討している」と話した。』

『1万人も危ない?巨人開幕チケット、払い戻し続出

 25日からの巨人の開幕カード3連戦(対横浜=東京ドーム)で、チケット払い戻しの問い合わせが相次いでいることが18日、分かった。さらにネットオークションにも多数のチケットが流出。17日に決まったセ・リーグ強行開幕が大きな波紋を呼んでいる。

 通常行われないチケットの払い戻しは、球団の配慮だ。チケット販売を扱う球団の営業企画部は「被災されている方や交通手段のない方など事情をくんでいる。特別に対応させていただいている」と説明。ヤクルトなども行っている特例措置だが、問題はそれだけではなかった。ある大手ネットオークションでは、開幕カード3連戦のチケットが大量出品されている状態。背景には安全面の不安と、計画停電実施中に5万~6万キロワットアワー(kwh)を消費する東京ドームでの開催への違和感がありそうだ。この日は、球団事務所の電話が鳴り続けた。球団関係者は「回線がパンク状態。1、2割は肯定の意見もあったけど、それ以外は逆」とし、開幕戦には「1万人来るかどうか…」と頭を抱えた。決断に伴う痛みで済むのか。逆風は強くなるばかりだ。』

 普通〇〇バカという言い方をするときは,寝食を忘れるほど〇〇に熱中することを言うのだが,この記事を読むと巨人の球団幹部は自分たちが食べることばかりを考えているのではないかと思われてもしょうがないだろう.

「(球場変更は)現実的に難しい。可能なときに、徹底的に節電してできないか、検討している」ってどういうことなのだろうか.まさか,住民や他の企業が節電してナイター試合の開催に協力してくれるなんていう都合のいいことを考えているのだろうか.

 確かに緊張が続くなかで息抜きが必要なのは理解できるが,ライフラインも確保できないのにナイターゲームなんて順序が違うのではないだろうか.それとも日本国民はみんな野球が好きだから寝食を忘れて巨人の野球を応援してくれるバカだとでも思っているのだろうか.

 セ・リーグは誰かの一言で予定通りの開幕を決定したそうだが,結果的に野球ファンから見放され,しぶしぶ延期するとは情け無さ過ぎる.いつまでも国技だと驕り続けた挙句に土俵から転落した相撲とともに球界首脳ももう少し謙虚になったほうがいいだろう.
『首相、谷垣氏に入閣要請…大連立と同じと拒否

 菅首相(民主党代表)が東日本巨大地震と東京電力福島第一原子力発電所での事故を受け、自民党の谷垣総裁に原発問題担当相としての入閣を要請していたことが18日、明らかになった。

 谷垣氏側は拒否した。

 これに関連し、民主党の岡田幹事長は同日、国会内で開いた「各党・政府震災対策合同会議」で、閣僚の3人増員を柱とする内閣法改正を提案した。3ポストは原発問題担当と復興担当、被災者支援担当が念頭にあるとみられ、野党側も大半は増員には賛成する方向だ。

 谷垣氏への入閣要請は、首相周辺から関係者を通じて自民党幹部に伝えられた。谷垣氏側は「入閣は大連立と同じで、責任の所在が不明確になるだけだ」として拒否した。

 これを受け、首相は与党から新ポストへの起用を目指す意向だ。仙谷由人官房副長官や国民新党の亀井代表らの名前が取りざたされている。

 岡田氏は合同会議で、副大臣、政務官、首相補佐官を増やすことも提案した。』


 責任の一端は過去の自民党政権にもあるように思うのだが,そんな昔の話はあとでゆっくり議論してもいいだろう.今は,誰の責任かなどと言っている場合ではなく,

1.福島第一原発の事故処理
2.救援物資の輸送とライフラインの確保
3.行方不明者の捜索と被災地の復興

を同時展開でやらねばいけないのだから,人手が必要な時なのである.現場では避難した人や患者が死んだり,まさに命がけの作業をしている時なのだよ.

それなのに,「入閣は大連立と同じで、責任の所在が不明確になるだけだ」として拒否したって!?

なぜ,『そういうことなら微力ながら私が手を貸しましょう』くらいのことが言えないのだろうか.

米国,ロシア,中国の首脳の対応をみて感じるところはないのだろうか.

何がサイクリストだよ.自転車乗りだって言うから少しは期待してたんだけどなあ.あなたの人間としての度量の狭さを感じましたよ.あーあ,やっぱり自民党もダメかな.ほんと最近の政治家たちには失望させられっぱなしだなあ.


『阪神と違う…神戸救助隊、救出も遺体発見もゼロ

 阪神大震災を超える死者・行方不明者を出し、戦後最悪の災禍となった東日本巨大地震。被災地での捜索はいまも難航している。

 大津波で壊滅した宮城県南三陸町では、阪神大震災で救助にあたった神戸市消防局の隊員らが救助活動を続けているが、生存者の救出、遺体の発見はゼロ。巨大津波が家屋をのみ込み、不明者がどこに流されたか見当もつかないからだ。

 「行方不明者がいると聞いても、住んでいた家がなかなか見つからない」。約8000人の安否が確認できない同町で活動する救助隊の井上雅文隊長(55)は苦渋の表情を浮かべる。

 神戸市からは消防局特別高度救助隊の第1陣6人が地震後に現地入り。現在、活動しているのは15日に現地入りした第2陣6人。いずれも、阪神大震災で救助活動に携わったベテランぞろいで、兵庫県内自治体が派遣した緊急消防援助隊兵庫県隊の中核だ。

 「70歳代の女性が行方不明になっている」との情報で、救助隊が16日午後に出動したのは、湾の奥に面した町中心部の志津川地区。

 一面が津波に洗われ、壊れた家やがれきが泥の中に広がる。女性の家はどこにも見あたらない。

 ようやく見つけた家は800メートルも山側に押し流されていた。1階はつぶれ、がれきを取り除きながら、2階の床板を剥がしたところで日没となり、この日の捜索は打ち切られた。

 救助隊は、がれきに埋もれた人の声を電磁波で探知する「地中音響探知機」や、がれきの下の呼吸を感知して生存確認できる「二酸化炭素探査装置」を特別装備している。ピンポイントでがれきの下の生存者を見つけ出す最新機材だが、今回は出番がほとんどない。

 現場は津波で押し流された建物ががれきとなって山積している。救助隊は「捜索範囲が広すぎる。機材を使う場面にすら遭遇しない」と、市消防局に報告する。

 阪神大震災では、家屋が倒壊したり全焼したりしても、被災者はその場で発見されることがほとんどだった。どこを捜せばいいのか、はっきりしていた。

 井上隊長は「家を見つけても、被災者が流されている可能性もある。壊れた家の下に住民がいた阪神大震災とはまったく違う」と、活動の難しさを語った。

 市消防局の担当者も「倒壊家屋からの救助が求められた阪神大震災と、津波被害の現場では勝手が違う。積雪といった厳しい気候条件も重なった。隊員は懸命に活動しているのだが……」と悔しがった。

 一方、地震発生直後から仙台市内の行方不明者の捜索活動を行っている同市消防局。数百人の遺体が発見され、行方不明者も多数いる仙台市若林区を管轄する若林消防署の担当者は「余震の度に津波を警戒し、その度に作業を中断しなければならない」と嘆く。

 ある隊員は「まだ気が張っているが、捜索が長引けば、不調を訴える隊員も出てくるだろう」と心配していた。』


『死因、9割が溺死…地震より津波の被害鮮明に

 東日本巨大地震で千葉大の岩瀬博太郎教授(法医学)が岩手県陸前高田市の死者126人の死因を調べたところ、9割が津波による溺死だったことがわかった。

 死因の8割が建物倒壊による圧死・窒息死だった1995年の阪神大震災と対照的で、地震そのものよりも、その後の津波が被害を広げた実態が浮き彫りになった。

 同市内で13~16日に遺体の検視にあたった岩瀬教授によると、犠牲者の9割は死亡した後に骨折したとみられることなどから、溺死と判断した。

 屋外で見つかった約90人のうち、4割程度が肋骨や首、手足を骨折していた。時速30~40キロ以上の車にはねられたような強い衝撃ており、激しい津波で流された木材や家屋、車などにぶつかったとみられるという。

 また、高齢者を中心に約50人がシャツや上着、ジャンパーなど7~8枚を重ね着。印鑑や保険証、写真アルバムを入れたリュック、非常食のチョコレートを持った人もいた。岩瀬教授は「逃げ遅れたのではなく、避難準備をしていたにもかかわらず、想定を超える津波に巻き込まれたのではないか」とみる。』

 時速30~40キロ以上の車にはねられたような強い衝撃を受けるというのですから,今まで誰も経験したことのない凄まじい破壊力だったということがわかります.あらためて犠牲者の方々のご冥福をお祈りします.

 北海道は東北地方太平洋沖地震等に伴う道営住宅への入居の取扱いを3月18日より開始するようです.

詳細はこちらです.
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kn/jtk/akijyukoteikyou


 札幌市でも東北地方太平洋沖地震被災者に対する市営住宅の提供を開始しました.

詳細はこちらです.
http://www.city.sapporo.jp/toshi/jutaku/01osumai/siju/tohokujishin.html



とりあえず,余震や放射能の恐れの少ない北の大地での生活はどうでしょうか.

想定外

2011年3月17日 社会の問題
『元東芝エンジニアの「告白」:設計当時津波は前提になかった

 「東京電力の福島第1原子力発電所を設計した当時は、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の設計のコピーで津波は前提になかった。その後日本で独自の設計をするようになり津波を前提に設計するようになったが、想定規模は今回(推定最大10メートル)よりもはるかに小さかった」

「耐震設計でもマグニチュード(M)8.0以上の地震は起きないことを前提にしていた。今回の地震の規模(M9.0)はこうした前提をはるかに超えていることに驚いている」

 元東芝の原子力事業部門のエンジニアで福島第1原子力発電所1、2、3号原子炉の冷却水系統のプラント設計に携わった小倉志郎氏(69)は2011年3月16日、東京都内でNPO法人原子力資料情報室が開いた記者会見で建設当時の状況をこう説明した。』

『福島原発は日本で事実上初の原子炉設計

 3月11日に起きた東日本大震災で被災した東京電力の福島第一原子力発電所は1971年3月に運転を開始し6基の沸騰水型原子炉を備える。この原子炉はGEが1970年代に製造した沸騰水型原子炉「マーク1」で、その後日本では沸騰水型原子炉は東芝と日立製作所が基本設計を引き継いで独自開発を進めた。

 「福島原発は日本で事実上初の原子炉設計とあって知識に乏しく、耐震設計基準についても判断できなかったと思う。阪神大震災でこの基準でよいか確認したが問題はないという結論だった」。小倉氏はこう指摘した。

 世界最大の104基の原発が稼働している米国ではGEの同型の原子炉23基が運転中で米原子力規制委員会(NRC)は沸騰水型原子炉の専門家を日本に派遣するとともにGEのジェフ・イメルト会長兼最高経営責任者(CEO)は14日、「あらゆる技術支援を顧客である東京電力と日本政府に提供する」と訪問先のインドで記者団に述べた。』

 つまりは,1号機は津波はないという前提で設計された原子炉で,その後も津波はあってもその想定規模は10メートルよりもはるかに小さかったということらしい.

 耐震設計基準についても阪神大震災の時に見直す機会はあったが,結果的には何もなされなかったということなのだろう.

 そこにマグニチュード9.0の大地震が起きたというのだから,まさしく想定外だったと言いたいのだろうが,それで納得出来る国民はいったいどれほどいるのだろうか.

 しかし,地震が起きたら津波がくるかもしれないと思っていても助からなかった人が数万人はいることからみると多くの人にとってはまさに想定外のことだったということなのだろう.

 しかし,今は現実を知ってしまったから今後はこういう考え方をする人はあまりいなくなることだろう.結局,人は経験からしか学べないということだろうか.
もはや打つ手はないのか?
もはや打つ手はないのか?
もはや打つ手はないのか?
18:25 『自衛隊ヘリ 水投下を断念

政府の対策本部からの要請を受けて、福島第一原子力発電所の3号機へ水を投下する準備を進めていた自衛隊のヘリコプターは、上空を飛行中の隊員が受ける放射線量が規定された上限を大幅に超えたことから、16日の作業を断念しました。』


16:16 『3号機 自衛隊ヘリで水投下へ

福島第一原子力発電所の3号機の使用済み燃料を保管しているプールが冷却できない状態になり、水が蒸発して燃料が露出してしまうおそれが出ていることから、自衛隊は、政府の対策本部の要請を受けて、ヘリコプターで上空から大量の水を投下するための作業を始めました。』

16:08 『3号機 自衛隊ヘリで注水準備

福島第一原子力発電所の3号機の使用済み燃料を保管しているプールが冷却できない状態になり、水が蒸発して燃料が露出してしまうおそれが出ていることから、自衛隊は、政府の対策本部の要請を受けて、ヘリコプターで上空から大量の水を投下する作業の準備を始めました。』

 かなり悲観的な状況になってきたが,どうなるのだろうか?今夜は当直だが,原発のことが気になって寝られそうにない.

 ところで,北海道でも米や電池やトイレットペーパーを買い占めている人がいるようです.買い占めた物資を個人的に被災地に贈るつもりなのでしょうか.おそらく正しい情報を収集する能力のない一部のあわれな人達の行動なのでしょうが,まったく馬鹿げたことだと思います.

追記)私はここを読んでいたら思わず涙が出てきました.がんばろう日本!
http://prayforjapan.jp/tweet.html

追記2)写真は16日20時発表の環境放射能測定値(文科省HPよりコピー)です.
以下はそのミラーサイトです.
http://eq.yahoo.co.jp/
ガンバレ日本!
いつもはこんな所で見かけることはないのだが,通勤途中の私の前をキタキツネが横切った.こういう場合,一目散に逃げていき姿が見えなくなるのが普通だが,このキタキツネは立ち止まって振り返り,ジッとこちらを見てからゆっくり立ち去っていった.

『がんばれよ』と言われたような気がした.

誰もが今,自分の出来ることを頑張るしかないのだ.

福島の,東北の,関東の,日本のみんなで頑張りましょう.
日本赤十字社で東北関東大震災義援金の受付が開始されました.
http://www.jrc.or.jp/contribution/l3/Vcms3_00002069.html

1.郵便局・ゆうちょ銀行への振込み
2.クレジットカード・コンビニエンスストア・Pay-easy
  カードはVISA, MasterCard, JCB, AMEX, Diners Clubが使えるようです.

病院にいる私に出来ることはこれくらいしかないので早速カードで手続きしました.
 昨夜11時頃,福島第1原子力発電所2号機で再び原子炉内の燃料棒全体が露出した状態になったそうです.圧力容器内の圧を下げる弁が何らかの理由で閉まりそのため容器内の圧力が上昇して冷却のための海水の注入ができなくなったということです.

 これは非常にまずいことになったのではないかと思います.このままの状態が続くと燃料棒の温度が上昇し炉心溶融につながるということです.

 本当に大丈夫なのでしょうか?心配です.

ー 以下は続報 ー

『東日本大震災:福島第1原発2号機、燃料棒が再び完全露出

 東京電力は14日、東日本大震災で被災した福島第1原発2号機で原子炉の水位が低下し、長さが約4メートルある燃料棒が2時間以上にわたり、水面から完全に露出する「空だき状態」になったと発表した。その後、燃料棒は半分まで水中に入ったが、炉内の圧力が高くなり水が入らず、午後11時過ぎに再び完全露出した。続く重大トラブルに、東電や経済産業省原子力安全・保安院は対応に追われている』

『福島第一原発2号機で爆発音 付近の放射線量急上昇

 経済産業省原子力安全・保安院によると、東京電力から「福島第一原発の2号機で15日午前6時14分ごろ、爆発音があった」と報告があった、と発表した。格納容器のサプレッションプール(圧力抑制室)が損傷している恐れがあるという。

 東電は、注水作業に直接関わらない作業員や社員を、原発の外に退避させることを明らかにした。

 保安院によると、福島第一原発の正門では午前7時時点で、毎時965マイクロシーベルトの放射線を観測したという。この量は、「自然界で1年間で浴びる放射線の半分ぐらいを、1時間で浴びる量」と説明している。だが、午前8時31分には、同じ場所で、毎時8217マイクロシーベルトまで上昇している。

 午前8時31分現在の第一原発正門での風向きは北東から南西に向け1.5メートル。』

『北茨城で放射線量上昇 茨城県が発表

 茨城県は15日未明、福島との県境の北茨城市で測定している大気中の放射線量が午前0時20分から上昇を始めた、と発表した。午前5時50分には1時間あたり5575ナノグレイに達した。県原子力安全対策課によると、この値は胸部レントゲン1回で浴びる放射線量5万ナノグレイの約10分1にあたり、健康に影響はないとみられるという。

 値は上昇と下降を繰り返している。県は、東京電力福島第一原発の爆発で放出された放射性物質が風で運ばれてきた可能性が高いとみており、「今後の見通しは全く分からない」としている。』

*北茨城市は福島第一原子力発電所から約80km南南西にあり,東京まで約1/3の距離の地点です.

『福島・茨城で放射線の値が上昇 福島原発爆発が原因か

 福島第一原発の事故で飛散したとみられる放射性物質が15日午前、風に乗って全国各地で観測されている。福島県いわき市では通常の400倍ほどの放射線量を観測。また、茨城県北茨城市や神奈川県横須賀市などでも通常よりも高い値を観測している。ただ、各県はすぐに健康に影響を与えるものではないとしている。

 いわき市では、15日午前4時に2万3720ナノグレイを測定。この値の線量を1日浴びた場合の人の被曝量は胃のレントゲン検査で受ける量に相当。県生活環境部は「ただちに健康に影響を及ぼすものではない。冷静な対応をお願いする」と呼びかけた。

 茨城県北茨城市では午前0時20分から上昇。午前5時50分には1時間あたり5575ナノグレイに達した。値は上昇と下降を繰り返している。15日午前中は北東の風が吹いており、原発の南西側に向かって風が吹いている。県は14日起きた福島第一原発などの爆発で放出された放射性物質が風で運ばれてきたとみている。

 神奈川県横須賀市では同日午前10時10分、212.8ナノグレイを観測。午前4時よりも8.5倍上昇。県危機管理対策課は「原発の事故との関係はわからない」という。

 グレイとは物が放射線を吸収する量を表し、放射線を人体が浴びたかの影響はシーベルトで表す。放射線の種類によって換算の係数が異なるため、単純に比較はできない。』
『2号機燃料棒、一時すべて露出 - 炉心溶融否定できず- 福島第1原発

 東京電力は14日午後7時45分、福島第1原発2号機の冷却水が大幅に減少し、約4メートルある燃料棒がすべて露出したと福島県に通報した。核燃料の一部が溶ける炉心溶融も否定できないとしている。
 東電は午後8時ごろから炉内への海水注入を開始。水位が上がり始め、同8時すぎに燃料棒下端から30センチまで上がった。
 同社は同日夕から海水注入の作業を始めていたが、炉内に海水を入れるためのポンプの燃料が切れていたといい、燃料を入れ作業を再開した。』

『官房長官「炉心溶融の可能性高い」 福島第1原発1~3号機

 枝野幸男官房長官は14日夜の記者会見で、福島第1原子力発電所の1~3号機について「(炉心溶融が)起きている可能性が高いのは3つとも一緒だ」と述べた。「最悪の事態を想定してもチェルノブイリのようなことにはならない」とも語った。』

『福島第1原発2号機の水位、燃料棒上端から2メートルまで回復

 東京電力は14日夜の記者会見で、福島第1原子力の2号機の原子炉内で燃料棒が完全に露出した後の注水作業によって、午後9時21分に水位が燃料棒の上端から3.4メートルのところにあったのが、午後9時34分に上端から約2メートルまで水位が上昇していることを明らかにした。ホウ酸も注入している。燃料棒の一部が露出する状態は続いている。』

 どこまでが本当のことなのか知るすべもないが,炉心溶融が部分的にせよ起きている可能性は高そうだ.「最悪の事態を想定してもチェルノブイリのようなことにはならない」と言うが,最悪の事態とはどういう状態を想定しているのかよくわからない.私が考えうる最悪とは炉心が高温で溶け出して格納容器が破損して放射性物質が大気中に拡散することなのだが,そういう危険性はないのだろうか.

 もし,そういう危険性が絶対にないのだったらその理由を説明してくれれば安心出来るのだが,官房長官は科学者でも技術者でもないだろうし,今までも想定外のことが繰り返されているのであまり信用ならないと思うし,津波で壊れたところは何年かで復旧できるだろうが,放射能で汚染されたらもう取り返しがつかないだろうと心配なのは私だけではないだろう.

ー 続報 ー

『2号機、核燃料が全露出 福島第1原発、炉心の一部溶融か


 東京電力によると、福島第1原発2号機で14日夜、原子炉の水位が急速に低下し、午後6時半ごろから約2時間半にわたり燃料が水面から完全に露出、核分裂反応は収まっているものの空だき状態になった。周辺の放射線量のレベルが上がっており、東電は燃料が溶ける「炉心溶融」が一部で起きたとみている。

 海水を注入し、午後10時には、約4メートルある燃料の半分以上が水に漬かる状態に回復したが、その後再び水位が低下。燃料が全露出した。原子炉圧力容器で蒸気の逃し弁が何らかの理由で閉じてしまい、内部の圧力が高まり、海水を注入できなくなった。東電は閉じた弁を開け、再び水を入れる作業を始めるとしている。

 最初の全露出は、作業員が見回りに出ている間に海水を注入するポンプの燃料が切れ、水位回復作業の遅れにつながっており、経済産業省原子力安全・保安院は「一時的に注入が止まったのはまずかった」としている。

 東電は原子炉格納容器の圧力を下げるため、蒸気を外部へ放出した。

 東電によると、14日午後9時37分、福島第1原発正門前で毎時3130マイクロシーベルトの放射線量を検出した。これまでの最大値の約2倍。

 東電は14日午後、2号機は原子炉に残った熱を冷やす機能が喪失したとして、原子力災害対策特別措置法に基づき国に「緊急事態」を通報。正午には水位が燃料から約3・4メートル上にあったが、炉内に水を注ぐ装置が故障したとみられ、水位が急速に低下した。

 午後4時34分に、2号機の原子炉への海水の注入作業を始めたが、注入が確認できたのは午後8時ごろ。水位低下は続き、一時燃料すべてが露出した。その後の水位回復は一時的だった。

 水を注ぐ装置は、同日午前11時ごろ、隣にある同原発3号機で起きた水素爆発の衝撃で故障した可能性がある。

 1、3号機では、冷却機能を失った後に燃料の一部が溶け、発生した水素が爆発し、原子炉建屋の上部が損壊した。保安院は14日夜、1、3号機への海水注入は続けているが、水位計に変化がみられないと明らかにした。

 また、「緊急事態宣言」が出ていた福島第2原発1、2号機は安定的な「冷温停止」状態となり、緊急事態を脱したと発表した。』

ポンプを監視していた作業員が見回りに行っている間に燃料切れしたなんて,常識的には考えられない大失態だが,こういう間の抜けた危機管理意識が東電の企業体質なのだろうか.
『福島第一原発3号機で水素爆発 屋内待避呼びかけ

 東日本大震災で被害を受けた東京電力の福島第一原子力発電所(福島県大熊町)の3号機で14日午前11時ごろ、大きな爆発が起きた。経済産業省原子力安全・保安院によると、水素爆発が起きたことを確認した。保安院は、原子炉が入っている圧力容器、それを覆う鋼鉄製の格納容器のいずれも、損傷した可能性は低いとみている。保安院は、20キロ圏内にいる住民に建物内に避難するよう要請した。東電によると、少なくとも11人が負傷しているという。

 今回の爆発は、12日に1号機で建屋が吹き飛んだ爆発と同種とみられる。枝野幸男官房長官は14日午後0時40分からの記者会見で「格納容器の健全性は維持されていると思われる」とした上で、周辺の放射線量のデータに大きな変化は確認されておらず、「放射性物質が大量に飛び散っている可能性は低い」と述べた。

 同原発で運転中だった1~3号機は地震後、原子炉を冷やす緊急炉心冷却システムが停止。3号機では、炉内の圧力や水位が不安定な状態が続き、燃料棒が一時露出するなどして爆発をしやすい水素が発生していたとみられる。13日午後からは、炉内に海水を注入して冷却を試みていたが、その最中に爆発は起きた。

 12日に1号機で起きた爆発では、損壊は原子炉建屋にとどまり、格納容器と圧力容器に異常は確認されていない。保安院は、今回の爆発も原子炉建屋にとどまっているとみている。

 保安院によると、20キロ圏には、少なくとも約600人の住民がいるとみており、屋内への避難を要請した。

 東電によると、圧力容器、格納容器とも壊れていないことを確認しているという。周辺で中性子線は確認されていないとしている。

 原子炉は、内側から圧力容器、格納容器、原子炉建屋の「壁」で守られている。ただ、圧力容器や、格納容器が壊れると、チェルノブイリ事故に匹敵する重大事故となる。』


『東電 情報収集能力欠如 前代未聞の事態に「確認する」ばかり 

 福島第1原発で14日、再び起きた水素爆発。東京電力本店(東京都千代田区)では、詰め掛けた報道陣の質問に広報担当者が「確認する」と繰り返すばかり。原発の建屋が2度も吹き飛ぶという前代未聞の事態にも、当事者としての情報収集能力が欠如していることをうかがわせた。

 本店1階の報道関係者控室。爆発の詳細について確認を求められた東電担当者は驚いたように「確認させていただく」と一言。現地からの情報が得られていない実態があらわに。担当者は約10分後、再び報道陣の前に姿を現すと「爆発事故が起きた」とだけ告げた。

 しかし、今回の爆発による周囲への影響や原発そのものの安全性について尋ねられると、「分かり次第、報告する」と繰り返すだけだった。』

『国交省も東電に憤る「何度問い合わせても、どこの電気が止まるのか東電から一度も説明がない」

突然の計画停電発表、二転三転する説明。東京電力の対応に、交通機関への影響把握に努める国土交通省鉄道局職員は14日未明、記者団に強い憤りをあらわにした。

 東電の13日の計画発表を受け、鉄道局は鉄道各社の運行予定の把握を進めたが、鉄道会社も対応に苦慮した。「外出や通勤、通学を避けてほしい」と呼び掛けるのが精いっぱいだった。

 同局職員は14日午前中も「必要な輸送力が全く確保されていない」と険しい表情を浮かべた。』

 3号機ではプルトニウムも燃料として使用されているそうだからこれが漏れ出すと大変なことになる.爆発で11人もの方が怪我をしたそうだから,命がけの作業なのだろうが,それでも現場の人たちに頼るしかない.

 現場の人たちが命がけで頑張っているというのに,計画停電のほうは計画自体が二転三転するせいで停電していないのに交通機関に混乱が出ているようだ.これは東電内部の意思決定がしっかりしていないことの表れなのではないだろうか.

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