『小沢氏に“言うだけ大番長”危機!反増税ブチ上げても理解されず

 民主党の小沢一郎元代表(69)が、消費税増税に突き進む野田佳彦首相(54)への敵対レベルをアップさせた。読売新聞のインタビュー(21日朝刊掲載)で、増税法案の付則が修正されても反対する姿勢をあらわにしたのだ。今後の党内協議に影響を与えるのは必至だが、世論調査では、小沢氏の言動を7割が「理解できない」としている。小沢氏が政治信念を貫かなければ、「言うだけ大番長」を襲名する局面があるかもしれない。

 民主党執行部は、焦点である法案付則の「追加増税条項」を、「2016年度をめど」から「公布から5年をめど」に修正し、「景気弾力条項」として「経済状況の好転を条件とする」という文言を追加するなど、小沢氏ら反対派に譲歩する姿勢を見せている。

 ところが、小沢氏は挑発的だ。小沢氏に近い鳩山由紀夫前首相らが、付則修正で執行部側と調整していたのに、増税法案について「条項を修正するとか、テクニカルな問題ではない。増税する前に大改革を実施する。自民党政治のまま、官僚機構に乗ったまま大増税では国民が納得しない」と述べ、修正があっても反対することを示唆した。

 鳩山氏はまた、野田首相と小沢氏のトップ会談での決着を模索。小沢氏も従来、「いつでも誰とでも会う」との立場だったが、「党大会への参加も認められていない。会う立場ではない」と首相との会談を拒否した。

 国会での法案採決で造反すれば「除名→離党」は必至だが、小沢氏は「国民に約束したことを忘れた方が出ていくのが普通だ。それに賛同する人たちを引き連れてやればいい。民主党全部を引きずっていくのはかなわない」といい、離党を否定したのだ。

 読売新聞といえば、渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長・主筆と野田首相が近く、消費税増税や民主、自民両党の大連立に賛成する立場とされる。小沢氏としては“敵の土俵”に乗り込んで、「増税断固阻止」「首相会談拒否」「離党拒否、野田一派こそ出ていけ」とアピールしたわけだ。

 同紙は表向き、小沢氏の発言に反発する記事は掲載していないが、同日の投書欄には、「増税反対の小沢氏離党してはどうか」という、元公務員(65)の主張を掲載している。

 国民世論も、小沢氏に追い風ではない。共同通信が19、20日に行った世論調査では、56%が「増税反対」なのに、小沢氏の考えに対しては、67%が「理解できない」と返答。民主党支持層に限ると、小沢言動への拒否感が78・2%に達した。

 混沌とする永田町。小沢氏は、どこまで有言実行を貫けるか。』

 今やマスコミはほとんどが反小沢なので,こういう記事もありだろう.「条項を修正するとか、テクニカルな問題ではない。増税する前に大改革を実施する。自民党政治のまま、官僚機構に乗ったまま大増税では国民が納得しない」というのは私には理解できる.と言うか安易に消費税増税をせずにまず徹底的な政治改革をするというのが民主党のマニフェストだったと思うが私の記憶違いだろうか.

 消費税増税にしても背後には法人税減税が透けて見えるし,マスコミも広告のクライアントである経団連と新聞・雑誌への軽減税率導入を目当てに財務省に同調しているのが見え見えだからまったく厭になります.そして,軽減税率を餌に天下りポストが増えるのでは今までと同じです.富裕層は2%以下しかいないのにたった56%しか「増税反対」の国民がいないなんてそちらの方がどう考えても理解できません.

 情報難民はマスコミに騙されやすいのでしょうが,消費税が増税されれば低所得者ほど生活に大きな影響が出るのだからこんな話を鵜呑みにしたら自分で自分の首を締めるようなものです.もうすぐ小沢氏の裁判の判決が出ますが,決定的な証拠がないままに時間を浪費した挙句の結論がどのようなものになるか私は注目しています.

「小沢氏は、どこまで有言実行を貫けるか。」これはいいセリフだと思います.

 

『大連立打診 空回りする岡田副総理 小沢系の反発で増税法案めぐり一層の混乱も

 「私は誰といつ会ったとか、どんな話をしたのかまったく言わないことにしている」17日の記者会見で、岡田克也副総理は、大連立を打診した自民党幹部との会談について問われたが、かたくなに事実確認を避けた。

 複数の自民党幹部によると、岡田氏は会談で、消費税増税法案と赤字国債発行のための特例公債法案の成立に協力を要請。「どの政権でも両法案の成立は必要だ。政治休戦した方がいい」として、大連立を持ちかけた。だが、会談相手の自民党の川崎二郎元厚生労働相らは「衆院解散が先だ。総選挙をした上で、協力できることがあればやればいい」と断った。

 岡田氏が大連立にこだわるのは、党内で小沢一郎元代表らが消費税増税法案への反発を強め、成立の道筋を描けていないからだ。

 しかし、明らかになった岡田氏の大連立打診は法案成立の足を引っ張りかねない。党の法案事前審査は、小沢系議員らが異論を唱えて紛糾が続く。「小沢系排除」が疑われる大連立打診が伝われば混乱に拍車がかかる。政府が予定する23日の法案の閣議決定がずれ込む可能性も出てきた。

 そもそも政治環境は大連立には厳しくなっている。自民党の谷垣禎一総裁は9月の任期切れを前に、早期の衆院解散を勝ち取らなければならないからだ。会談相手となったある自民党幹部は「仮に法案成立後の解散を約束されても、成立した途端に、民主党にほごにされかねない」と岡田氏の政治的力量に疑問符をつけた。大連立を嫌う公明党が反発するのも確実だ。

 岡田氏は17日の記者会見で「譲り合って合意に達する政治が実現しない限り、既成政党は国民から見放される」と強調したが、会談内容が漏れること自体、野田佳彦首相にとってありがた迷惑だろう。』

 選挙に勝つには小沢氏が必要だったが,利権を壊されてはせっかく政権政党になった旨味が無いから小沢氏を裁判に封じ込め政治的に抹殺ようとしたものの,検察が間抜けだったために消費税増税反対への影響力が再び増してきたのでなり振り構っていられなくなったというところだろうか.

 そもそも大連立という話なら自民党政権末期に自民党から誘いもあっただろうが,総選挙で勝算があった民主党がそれを蹴ったはずなのに今度は民主党から自民党に持ちかけるとは国民を無視したまったくふざけた話だ.今の総理と副総理は密談がお好きなようだが,はっきり言ってそんな政治家は無用である.

 自民党に助けてもらうより,まず党内でどうするかをもう一度議論すべきだろうが,小沢氏が無罪ということになれば民主党に出来る最後のことは執行部を小沢氏側に交代して消費税増税をせずに官僚と徹底的に戦ってもらうか,解散して政権を手放すかのどちらかしか無いのではないだろうか.

 私は,現状での消費税増税には反対だが,これから日本の政治と経済がまったく予想してなかった状況になっていくような気がして心配だ.


『来月から中学武道必修化 柔道の安全確保は?

 四月から中学校で始まる武道必修化を前に、柔道での事故に不安の声が上がっている。これまで頭部損傷による死亡事故が多発、強打しなくても頭を急激に揺さぶられて「加速損傷」が起き、頭の中の血管が切れる事例も報告されており、医師らが注意を呼び掛けている。

 滋賀県愛荘町で二〇〇九年七月、中学一年生の村川康嗣君(12)=当時=が柔道部の練習中に意識不明となり、一カ月後に急性硬膜下血腫で亡くなった。柔道初心者で、上級生との乱取りを続けた後、顧問の教師に投げられた。遺族によると顧問は「頭は打っていません」と説明したという。

 村川君の主治医だった彦根市立病院脳神経外科の金子隆昭医師が開頭したところ、静脈から血が噴き出していた。頭を急激に揺さぶられて起きる「加速損傷」が原因で頭蓋骨と脳の間にずれが生じ、頭の中の血管が切れたと判断した。

 神奈川県のたま日吉台病院脳神経外科の張智為医師も七年前、外傷はないのに頭の中で出血した柔道部の中三男子生徒(15)=当時=の手術を担当。生徒は一命をとりとめたが重い障害が残った。「自分も柔道経験があり、投げ技などによる加速損傷かと思った」と話す。加速損傷はバイクの転倒事故でよく見られるが、頭を打っている場合がほとんど。外傷がないケースは非常に珍しく、柔道が原因と思われる例は初めてだったという。

 この生徒らが横浜市などを相手に起こした民事訴訟で昨年、裁判所は加速損傷と脳障害の因果関係を認定。生徒の母親で「全国柔道事故被害者の会」の小林恵子さん(62)は「今まで柔道事故の裁判は原因が曖昧だった。最近やっと加速損傷が認知され始めた」と話す。

 なぜ注目されなかったのか。「誰も事故原因を分析してこなかった結果」。学校でのスポーツ事故を調査している名古屋大学大学院の内田良准教授は指摘する。

 内田准教授が、文部科学省所管の独立行政法人「日本スポーツ振興センター」のスポーツ事故への見舞金支払いデータを基に調べると、二〇一〇年度までの二十八年間で百十四人の中高生が柔道の部活や体育授業で死亡していた。「この実態を文科省は把握してこなかった」と同准教授。

 これに対し文科省は「見舞金はスポーツ振興センターに専門的にお願いしていた。各都道府県からの死亡に関する報告義務は平成二年に廃止された」(スポーツ・青少年局)という。詳細な死因は分析されず、安全対策が取られないまま、四年前に武道必修化が決定した。

 死亡事故の実態を知らなかったのは全日本柔道連盟も同様だ。柔道経験者の医師らで作る同連盟医科学委員会は、二年前に脳神経外科医を迎え、頭部損傷の事故分析を始めたところだ。

 そんな中、文科省は今月九日、都道府県教委に対し、各学校で柔道の授業の指導計画や事故が発生した場合の対応策を再点検するよう要請。準備が整わない場合は、四月からの授業開始を遅らせるよう通知した。中学教員向けの指導の手引に、加速損傷の危険性についても盛り込んだ。

 新学期目前のドタバタ劇。二年前に中学一年生の長男(12)=当時=を頭部の柔道事故で亡くした小川智恵美さん(41)=静岡県沼津市=は「教師も保護者も不安だらけの中、子どもたちにこわごわ柔道をさせることに何の意味があるのか。必修化は中止すべきだ」と主張している。

 武道必修化 学習指導要領の改訂で、4月から中学1、2年の男女全員が武道を学ぶ。自民党政権時代に子どもの体力低下やモラル欠如をただす理由で提唱された。各校は柔道、剣道、相撲の中から選択するが、設備面などから柔道を選ぶケースが多い。年間の授業時間は13時間程度。』

 私は小学生の頃に剣道を習っていたし,高校では柔道と剣道が必修だったが,今では中学で武道どころか体育を必修にするのもどうかと思っている.もちろんスポーツは健康にいいし,適度な運動による刺激は成長期の子供にも必要だとは思うが,そもそも,運動能力は先天的な能力差がはっきりしているし,運動能力と学力には相関なんてないだろうから学校で体育の実技で成績をつける意味なんてないだろう.

 ましてや必修で武道なんて教える必要がどこにあるのだろうか.将来,自衛隊員や警察官になるなら必要かもしれないが,普通の人にとっては護身術にもならないだろう.まさか武道で精神を鍛えるなんていうつもりだったら,それこそ時代錯誤も甚だしい.柔道の指導者にだって非常識な人がいることは今や誰でも知っていることである.武道と精神力ましてやモラルなんて何の相関もないだろう.

 その一方で,格闘技による脳の外傷は深刻な問題である.柔道では受け身があるとは言っても,それさえもちゃんと身につけるには13時間ではとても足りないだろう.誰が言い出したのかは知らないが,くだらない思いつきに付き合わされる教師や生徒もかわいそうだし,授業で頭や体を打撲する度に病院にやってくるのが現実になりそうで,脳外科医としても武道必修化の弊害に付き合わされるのはご免である.

 子どもの体力低下やモラル欠如は確かに問題だが,だからと言って頭部外傷のリスクが高い武道を選択する意味はないと思う.頭の古い人達は問題解決の方法を思いつかなかったり考えるのが面倒になると,何かと精神論で片付けたがるようだがそういう考え方こそ社会のリスクを高めるということにそろそろ気付くべきである.十分な根拠のない安全性を盲信した結果が,今の日本の惨状を招いたということを忘れるべきではないだろう.
 
『ドイツ:日本の「原発ムラ」降伏せず…メディアの関心高く

 福島第1原発事故から1年になったのに合わせ、事故後に主要国でいち早く「脱原発」を決めたドイツでは、日本政府のその後の原発政策にメディアの関心が集まっている。

 シュピーゲル誌は「潤沢な補助金で住民を説得し、原発を再稼働させることはもはやできない」としながらも、「日本はまだ脱原発を公式に宣言していない。産業界とメディアで構成されるGenpatsu Mura(原発村)は降伏していない」と指摘し、「原子力ロビー」の抵抗が強いと伝えた。同誌は事故後、天下りシステムなどの説明も交え、日本で原発支持派が力を持つ理由を継続的に報じている。

 南ドイツ新聞は東京特派員電で「70%の日本人は脱原発を望んでいるが、街に出てデモに参加する人は少ない。むしろ人々はShoganai(しょうがない)と話す」と報じている。

 一方、この1年で結局はドイツの脱原発路線に追随する国が少ない現実にも触れ、ウェルト紙は「ポーランド、ロシア、リトアニアなど近隣国はむしろ原発を新設する方向にある」と指摘。先進工業国としてのドイツの脱原発政策を「現実逃避主義」と批判した。今月の世論調査ではドイツ国民の約8割が「脱原発は正しかった」と回答している。』

『ドイツ:脱原発でも電力輸出超過 再生エネルギー増加で

 東京電力福島第1原発事故後に「脱原発」を決め、国内17基の原発のうち約半数にあたる8基を停止したドイツが昨年、周辺諸国との間で、電力輸入量よりも輸出量が多い輸出超過になっていたことが分かった。脱原発後、いったんは輸入超過に陥ったが、昨年10月に“黒字”に転じた。太陽光や風力などの再生可能エネルギーの増加と、全体のエネルギー消費量を抑える「効率化」が回復の要因だという。厳冬の影響もあり、電力不足の原発大国フランスにも輸出している。

 欧州連合(EU)加盟27カ国など欧州の34カ国の送電事業者で作る「欧州送電事業者ネットワーク」(ENTSO-E、本部ブリュッセル)の統計。冬はエネルギー消費量が最も多いことから、ドイツ政府は「(脱原発決定後の)最初の試練を乗り切った」(レトゲン環境相)としている。

 ドイツは昨年3月の福島第1原発事故後、17基の原発のうち旧式の7基を暫定的に停止し、その後、1基を加えた8基を昨年8月に完全停止した。震災前は周辺国との電力収支が輸出超過だったが、昨年5月に輸入超過に転落した。フランスからの輸入が前年の3割増になるなど昨年9月まで輸入超過の状態が続いた。

 しかし、昨年秋に入ってから好天が続き、太陽光や風力など再生可能エネルギーの発電に有利な条件が整った。また、ドイツ政府が住宅の断熱化などエネルギー効率化を推進したのに加え、原油価格の高騰も手伝って、エネルギー消費量が前年比約5%減になった。このため昨年10~12月の電力収支は輸出超過を回復。11年の通年で約4200ギガワット時の輸出超過になった。

 今年2月に入り、欧州各地で氷点下10度を下回る厳冬になると、電気暖房が全体の3分の1を占めるとされるフランスで原発をフル稼働しても電力が足りなくなった。このため、2月の17日間のうち6日間は電力需要の多い午後7時ごろを中心にドイツからフランスへの輸出超過になり、電力の7割を原発に頼るフランスが脱原発のドイツに依存する事態になった。

 昨年のドイツの発電量に占める原発の割合は約22%から18%弱程度に低下する一方、再生可能エネルギーは約20%に上昇した。さらに、褐炭、石炭、ガスなどが微増しており、原発の目減り分を補っている。

 一方、日本では再生可能エネルギーによる発電量(10年度)は全体の約10%にとどまり、太陽光や風力など水力以外の新しいエネルギーは約1%に過ぎない。』

 ヨーロッパには行ったことがないのでドイツと聞いても私が抱くイメージはカメラや手術顕微鏡といった精密光学機器や近所でよく見かける高級車くらいなのであるが,脱原発と聞いた時には工業立国なのによく決断したものだと驚いた.

 でも,よく考えてみれば省エネルギーや再生可能エネルギーという分野は先進工業国にしか出来ない芸当ということなのだろう.実際,米国も脱原発とは言っていないが新規の原発を現在は作っていないし,すでに原発が増えることを支持しない人は支持する人を上回っているらしい.(ただし,米原子力規制委員会 (NRC) は今年,ジョージア州の原子力発電所における原子炉 2 基の新規建設を承認した.)

 そう考えると中国などの新興国が,建設時のコストが低いと思われる原発建設を推進するのも理解出来るが,放射性廃棄物の処理や廃炉のコストや福島原発のように万一の事故のリスクを考えればそれが明るい未来につながるかどうかはやってみなければわからないことだろう.

 日本も北電の最後の1基が停止すればすべての原発が停止した状態になるようだが,今のところ深刻な事態にはなっていない.これが続けば電気料金も値上げになるのかもしれないが,そうなったらより節電して再生可能エネルギーが増えるのを待つつもりだ.

 工業先進国ドイツには出来て日本には出来ないというほどの話ではないだろうから,思い切って脱原発へ舵を切って省エネルギーや再生可能エネルギーで最先端をめざすというのが明るい未来につながるような気がするのだが,原発でおいしい思いをしたい「原発ムラ」の人たちはきっとそうは考えないのだろう.
『人為ミスで原発事故拡大 福島1年、IAEA天野氏
 
国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は10日、東京電力福島第1原発事故から1年を前に共同通信と単独会見し、事故拡大の背景に経済産業省原子力安全・保安院の東京電力に対する監督不足など「数々の人為的ミスがあった」と強調した。

 また、福島事故で世界の人々が原子力発電に「不安を感じたのは間違いない」と述べ、日本での新たな原発建設の可能性についても「国内世論が受け入れるような雰囲気にはないと感じている」と話した。』

 あの日からもう1年が経ったが,未曾有の災害だったというのは理解できても未だに私にはまったく実感がない.あの日は3月第2週目の金曜日だったが,地震を感じたのはちょうど今日のように仕事が暇になった午後だった.

 その後,テレビで今まで見たこともないような物凄い光景を見るにつけこれが東北の太平洋岸で起きている現実だということは理解できたのだが,それでもまったく実感がなく大変なことになったと思うだけだった.

 被害に遭ってしまった方々には申し訳ないが,私が直接影響を受けたのは食料品やガソリンが少し手に入りにくくなったのと,節電に心がけるようになったこと,TDRに行けるかどうかわからなくなったこと,そして僅かばかりの寄付をしたことぐらいだった.今となっては実質的にはほとんど影響がなかったと言っていいようなことばかりだ.

 しかし,その後に続いた原発事故への政府や東電の対応をニュースで知るようになると,何か言いようのない怒りのようなものがこみ上げて来て,その後の物事に対する考え方が大きく変わったような気が最近している.

 それは,自分の言動や行動にはきちんと責任を持たねばいけないとか,重要でないことに時間をかけないとか,リスクマネージメントに関することなどで以前よりもよりシビアに考えるようになったとか,そういうことだ.

 特に,ある分野の専門家と呼ばれる人達は自分の仕事に責任を持たねばならないということを強く感じるようになった.もちろん,普段からそれほど厳密にやらなくとも世の中は回っていくものだという考え方もあるだろうが,国民の安全にかかわるような仕事に携わる人はそれではいけないだろう.

 最近よく使われるのは『そんな政党や政治家を選んだ国民が悪い』という言い方であるが,これとて選挙の時の公約を果たしてくれると信じて投票しているのにそれを反故にするような政党や政治家に大部分の責任はあるのではないだろうか.

 利権まみれなのに安全神話をでっち上げて国策として進めてきた原発も同じようなものだろう.今まで安全と言い続けてきた人達は,国土を放射能汚染にさらした責任を一体どう考えているのだろうか.

 真実があとから見えてくることもよくあるが,「国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は10日、東京電力福島第1原発事故から1年を前に共同通信と単独会見し、事故拡大の背景に経済産業省原子力安全・保安院の東京電力に対する監督不足など「数々の人為的ミスがあった」と強調した。」というのはまさにそういう事だろう.

 いまだに東電の社長は正式に事故の謝罪をしないそうだが,それはすなわち自分たちの人為的ミスをいまだに認めようとしない姿勢の表れなのだろう.交通事故や医療事故で個人のミスには非常に厳しい口調で報道するマスコミも,相手が国や東電となるととたんに歯切れが悪くなるから信用されないのである.

 政治家からマスコミまで社会を動かして国民を守っていく立場の人達がちゃんと責任を持てない国が今の日本である.奇しくも東日本大震災という未曾有の災害がそれを白日のもとに晒すことになった.本当に日本が立ち直るためにはそれぞれの立場で個人が責任感を持って仕事をすることが必要だと思うのだが,ゆとり教育の弊害なのかみんなで固まってお茶を濁すようなのばかりだから先が心配になってくるのだ.

 それぞれの分野の専門家は,専門家ゆえにわかることを公表すべきだし,それをマスコミも正確に一般の人に伝えるべきではないのだろうか.たしか,薬害エイズの時も権威の前に屈して危険性をあえて述べなかった教授達がいたようだし,福島原発の安全性では都合の悪いデータを無視してあえてリスクを低く見積もった専門家がいたようだが,そんなことに迎合した専門家は自分の見識のなさを恥じるべきだろう.
『雪遊びイベント中止に=「放射性物質心配」の声-青森の630キロ無駄に・沖縄
 那覇市と海上自衛隊第5航空群(同市)は21日、23日に予定していた子ども向け雪遊びのイベントを中止すると発表した。雪は同航空群が青森県十和田市から搬送したが、沖縄県に自主避難している父母らから、「放射性物質が含まれているのでは」と懸念する声が相次いだためという。イベントは2004年度から続く恒例行事で、中止は初めてという。
 イベント用の雪は約630キロ。八戸航空基地(青森県八戸市)の訓練に参加した隊員らが16日、十和田市内で集めてP3C哨戒機で運んだ。搬送時と到着時の2回、放射線量を計測した結果、過去の平常値と同じ水準だったという。
 一方、那覇市には2月中旬ごろから、東日本大震災後に自主避難してきた人たちから、会場となる児童館や市に対し、中止を求める声が10件程度寄せられた。市は20日、児童館で説明会を開催。集まった約20人の父母らに対し、放射線量の測定結果を伝え、危険性はないとして開催への理解を求めた。
 しかし、参加者からは「雪に含まれた放射能が溶けて空気中に拡散するのでは」「放射能汚染を避けるため沖縄に避難している。少しでも放射能が測定されているなら中止してほしい」などの声が上がった。』

こういうことを言う人たちはどこにでもいるだろうから無視してもいいような気もするが,こういう人たちに限っていつまでも文句を言い続けるのだろうから雪遊びイベントくらいなら中止するというのも賢明な判断かもしれない.しかし,楽しみにしていた沖縄の人たちにとってはいい迷惑だったことだろう.

搬送時と到着時の2回、放射線量を計測した結果、過去の平常値と同じ水準だったというのだから雪に含まれていたのは天然放射性核種と考えてもいいのだろうが,それまでも気にして「少しでも放射能が測定されているなら中止してほしい」という人が自然放射線のことを知ったらどんな生活をするのか興味深い.

普通に考えれば雪遊びイベントに参加しなければいいだけだと思うのだが,自分たちの勝手な言い分で中止させるとは私にはなんとも理解できない話である.
『2トップ、福島事故で謝罪「言い訳に時間をかけた」「私は文系で…」

 国会が設置した東京電力福島第1原発事故調査委員会(委員長・黒川清元日本学術会議会長)の第4回委員会が15日、国会・衆院別館で開かれ、原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長と経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭前院長が、原子力の安全規制当局として事故を防げなかったことについて陳謝した。

 班目氏は津波や全電源喪失に備える原発の安全指針について「瑕疵(かし)があったと認めざるを得ない。おわびしたい」と謝罪。指針が改善されなかった背景について「低い安全基準を事業者が提案し、規制当局がのんでしまう。国がお墨付きを与えたから安全だとなり、事業者が安全性を向上させる努力をしなくなる悪循環に陥っていた」と言及し、「わが国は(対策を)やらなくてもいいという言い訳に時間をかけ、抵抗があってもやるという意思決定ができにくいシステムになっている」と述べた。

 寺坂氏は平成16年の美浜原発配管破断事故などを挙げ、「(保安院は)安全規制を進めようとしていたが、個別の問題の改善や安全確保に相当な時間や人員をとられた」と釈明した。

 官邸への助言など、事故当時のそれぞれの行動について、班目氏は「1週間以上寝ていないのでほとんど記憶がない。私がいた場所は固定電話が2回線で携帯も通じず、できる助言は限りがあった」と説明。寺坂氏は「私は文系なので、官邸内の対応は理系の次長に任せた」と述べた。

 また、放射性物質の拡散予測システム(SPEEDI)を避難に活用しなかったと政府事故調などで指摘されていることについて、班目氏は「SPEEDIがあればうまく避難できたというのは全くの誤解だ」と反論。寺坂氏は「避難方向など何らかの形で有用な情報になったのではないかという思いはある」と述べ、異なる認識を示した。

 黒川委員長は委員会後の会見で「安全委員会と保安院は安全を担う使命を持っているが、緊急時の備えができておらず、事故がない前提で原子力行政を推進するなど、国民の安全を守る意識が希薄だ」と批判した。』

あれからもう1年近く経っているから遅すぎる気もしないではないが,国民の安全を守る立場にいるはずだった人たちからやっとまともな話を聞けたような気がする.

「低い安全基準を事業者が提案し、規制当局がのんでしまう。国がお墨付きを与えたから安全だとなり、事業者が安全性を向上させる努力をしなくなる悪循環に陥っていた」

「わが国は(対策を)やらなくてもいいという言い訳に時間をかけ、抵抗があってもやるという意思決定ができにくいシステムになっている」

「安全委員会と保安院は安全を担う使命を持っているが、緊急時の備えができておらず、事故がない前提で原子力行政を推進するなど、国民の安全を守る意識が希薄だ」

SPEEDIががあればうまく避難できたかどうかは確かにわからないが,国民に知らせるより先に米側に知らせていたというのでは誰のための安全確保なのかわからないと言われても仕方がないだろう.

事を荒立てる事が嫌いで,事なかれ主義になり厳しい話はしたくないという考え方になるのはわかるが,その結果として危機感がなくなり危機管理能力が失われた状態というのは怖いから目をつぶるというのと同じで,それでは危険を回避できないのが当たり前である.少なくともそんな考え方の人間はトップには向いていないし,理系とか文系の問題でもないだろう.

その点で,今の政府も何を考えているのか理解できない.国が今にも破綻しそうだといいながら,マニフェストは反古にして政治改革は旧政権と同程度かそれ以下,それで財源確保が増税だけというのでは国民は到底納得できないだろう.上手い事を言って国民を騙して当選したら言う事を変えるような政治家はきっと良心の呵責なんてものは感じないのだろう.

『公務員人件費2割削減は困難の認識…岡田副総理

 岡田副総理は10日の記者会見で、民主党が2009年の衆院選政権公約(マニフェスト)に明記した2013年度までの国家公務員総人件費2割削減について、達成は難しいとの認識を示した。

 岡田氏は「2割と書いたが、これを数で出そうとすると解雇しないといけない。今の公務員制度のもとでは出来ない」と述べた。

 民主党の小沢一郎元代表が消費税率引き上げ関連法案に反対する姿勢を示していることについては、「政党人として党できちんと決めたことには従っていただけると思っている」とけん制した。』

普通に考えれば企業の業績が悪化して人件費を削らなければならなくなったら、給料を下げるか希望退職を募って辞めてもらうしかないだろう.今の日本はまさにそういう状態なのにこの人はいったい何を言っているのだろうかと思う.

そもそもマニフェストに明記しておきながら出来ないなんて、国民に対する背進行為だろう.その上、この不景気に消費税増税なんてありえないし、消費税増税で低所得者救済のために見かけだけお金をばら撒くなんてまともな政治じゃないだろう.

さらにこんな話もあるそうだ.

『野田政権 電波オークション潰し2兆円獲得するチャンス逃す

国民の知らないところで、公共財産である電波を山分けする壮大な「談合」が進められている。

1月27日、電波を所管する総務省3 件は、携帯電話会社1社に割り当てる周波数900Mヘルツ帯の認可申請を締め切った。応募したのは、ソフトバンク、イー・アクセス、NTTドコモ、KDDIの4社。早ければ今月中にも審査は終了し、電波の割り当てを受ける新事業者が公表される見通しだ。

昨年11月、行政刷新会議は提言型政策仕分けで、「900Mヘルツ帯からオークション制度を導入すべき」「オークション収入は一般財源とすべき」と提言した。

これまで日本では、電波を割り当てる事業者を総務省3 件が独断で選定し、その事業者から得る電波利用料を特定財源として自らの自由にしてきた。しかも利用料は諸外国に比べればタダ同然の安さで、役人にも事業者にもオイシイ仕組みだった。一方、電波オークションは、最も高い金額を提示した事業者に電波を割り当てる制度で、売却益を一般財源とすることから新たな税外収入になる。公正な競争原理の促進と国庫収入の増大をもたらす制度として、すでにOECD加盟国の大半が導入している(※)。

今回新たに割り当てられる900Mヘルツ帯は、3.9世代と呼ばれる携帯電話通信に用いられるもので、今年度中にも割り当て予定の700Mヘルツ帯と合わせ、「プラチナバンド」と呼ばれる貴重な帯域だ。だからこそ、行政刷新会議はオークションの導入を求めた。

ところが総務省3 件は、「透明性を図りつつ、割当事業者を決定」(1月19日総務省発表)と宣言し、提言を無視して、従来どおりに事業者を恣意的に選ぶことを決めた。電波オークションはあっさりと潰されたのだ。

行政刷新会議で民間仕分け人を務めた鬼木甫・大阪大学名誉教授(経済学)は、こう憤る。

「電波の市場価格を諸外国のデータを基に試算すると、新たに割り当てられる900Mヘルツ帯だけで4000億~5000億円の価値がある。700Mヘルツ帯も合わせると、両帯域で2兆円を超す価値を持っています。今後入札が予定される帯域にはそこまでの価値がない。今回オークションが実施されなければ、電波オークションを行なう意味そのものを失いかねない」

野田内閣は、オークションを実施していれば2兆円もの収入が見込めた千載一遇のチャンスを、あっさりと手放したことになる。

※米英など多くのOECD諸国では、事業者が電波オークションによって帯域の使用権利を落札した上で、別途、電波利用料を毎年支払う。一方、日本では帯域を使用する権利に対して支払う対価はなく、毎年の電波利用料だけ支払えばよい仕組みになっている。』

ちなみにこの件にはさらに裏があるらしい.

『オークションの見送りは、国庫収入2兆円を失っただけではない。その見返りに、巨額のカネが総務省の天下り法人に転がり込む手筈になっているのだ。

 行政刷新会議に民間仕分け人として参加し、電波オークショシ導入を提唱した山田撃・東洋大学教授が告発する。

「帯域を立ち退く側に、タクシーなどの業務用無線を運営する『財団法人 移動無線センター』という事業者があります。彼ら既存事業者の移行費用は、新しい事業者の携帯電話会社が払うことになっている。さらに引っ越し先の新しい帯域も移動無線センターにはタダで用意されるのです」
 山田教授は、新しい周波数の経済価値を700億円(オークションをした場合の最低落札額)、移行に際しての設備投資額を802億円(総務省電波部が公表する移行費用の算定根拠より)と推計する。つまり移動無線センターは、総務省の「オークション潰し」によって、合計1502億円のコストを払わずに済むということだ。

「移動無線センターは、1500億円の〝隠れ補助金〟を受け取り、そのまま事業を継競できる厚待遇を保証された。なぜ総務省がそこまでするかといえば、ここが天下り先だからです」(山田教授)

 同法人は、理事長が元総務省技術総括審議官。専務理事が旧郵政省の元関東郵政監察局総務監察官、常務理事が元総務省九州総合通信局長と、常勤理事6人のうち3人が総務省OBという典型的な天下り法人だ。

総務省は、たかが審議官クラスの役人3人の老後のために、国民資産2兆円を犠牲にした。

 本誌の取材に対し、移動無線センターと総務省はともに移転費用が免除される点などは認めたものの、「隠れ補助金との認識はない」(移動無線センター)「移行を迅速にするための措置」(総務省電波政策課)と強弁した。』

つまり,官僚の言いなりになって本来は国民の利益となる電波利権を天下り法人のために手放したということなのだろう.

こんなことまでしておきながら消費税増税なんて国民を馬鹿にするのもいいところだ.「今の公務員制度のもとでは出来ない」なんて馬鹿ななことを言ってないで,さっさと法改正でもなんでもして財源を作り出すべきだろう.

もうひとつ言わせてもらうと地上波デジタルの帯域は21Mbpsもあるそうだから,今や国民のお荷物となったNHKのチャンネルを1チャンネル売り払えば,さらに数兆円は簡単に獲得できるだろう.このほうがよほどNHKは国民のためになるのではないだろうか.
『 「エイリアンのよう」=胃ろう患者で発言―自民・石原氏

 自民党の石原伸晃幹事長は6日のBS朝日の番組で、高齢者の終末期医療でおなかの外から直接胃に管をつないで栄養を補給する「胃ろう」を受ける患者に関し、「映画で、寄生したエイリアンが人間を食べて生きているみたい」と述べた。映画「エイリアン」に出てくる地球外生命体を引き合いに出したことで、患者の親族ら関係者の感情を逆なでする発言として批判も出そうだ。
 石原氏は「社会の最下層で身寄りもない人の末期医療を担っている所に行くと、意識が全くない人に管を入れて生かしている。何十人も寝ている部屋を見たとき何を思ったか。エイリアンだ」などと述べた。 』

私から見ると,国民に寄生して人間を食べているように見える政治家のほうがよほどエイリアンなんですが,この人は自分の親がそういう状態になっても同じ事が言えるのでしょうか.

ところで,この話では胃ろうがまるで悪者のように言われていますがそんなことはまったくありません.多少のリスクはありますが,口から食事を摂れなくなった方が,長期間にわたり胃管というチューブを鼻孔から入れられる苦痛を和らげるには大変有効な方法だと私は思います.

なんの予備知識もない素人の政治家が思いつくままにこういう発言をすること自体どうかと思いますが,今どきの政治家はこんな人ばかりなので困ったものです.たしかそういうのを二世(ニセ?)議員って呼ぶのだったでしょうか.
『電力需給 政府今夏試算「6%余裕」伏せる

 今夏の電力需給について「全国で約1割の不足に陥る」と公表した昨夏の政府試算について「供給不足にはならない」という別の未公表のシナリオが政府内に存在したことが、分かった。公表した試算は、再生可能エネルギーをほとんど計上しないなど実態を無視した部分が目立つ。現在、原発は54基中49基が停止し、残りの5基も定期検査が控えているため、再稼働がなければ原発ゼロで夏を迎える。関係者からは「供給力を過小評価し、原発再稼働の必要性を強調している」と批判の声が上がっている。

 再生エネ除外、「不足」のみ公表

 公表された試算は、東京電力福島第1原発事故を受け、エネルギー戦略を見直している政府のエネルギー・環境会議が昨年7月にまとめた。過去最高の猛暑だった10年夏の需要と全原発停止という想定で、需要ピーク時に9.2%の供給不足になると試算した。

 この試算とは別に、菅直人首相(当時)が昨年6月下旬、国家戦略室に置いた総理補佐チームに、電力需給の実態把握を指示。経済産業省に対して、発電所ごとの設備容量・稼働可能性、地域ごとの再生可能エネルギーの稼働状況など、試算の根拠データの提出を求め、再試算させた。

 その結果、現在の法律に基づいて電力会社が調達できる再生可能エネルギー容量は759万キロワット(原発約7基分)あったのに、公表された試算は供給ゼロだった。また、一部火力発電所で定期検査による稼働停止時期を猛暑の8月に設定したり、大口契約者への格安電気料金と引き換えに需給逼迫(ひっぱく)時の利用削減を義務づける「需給調整契約」による削減見込みもゼロとしていた。夜間の余剰電力を昼間に利用する「揚水発電」の供給力も低めに設定されていた。

 再生可能エネルギーによる電力供給などを盛り込むシナリオで計算し直すと、電力使用制限令を発動しなくても最大6.0%の余裕があった。再試算は昨年8月にまとまり、菅首相に報告されたが、公開されなかった。

 国家戦略室で同会議を担当する日下部聡・内閣審議官は「国の政策を決定する過程で、後になって『足りませんでした』とは言えない。慎重に堅い数値をまとめた。供給不足を導く意図はなく、昨年11月に公表した対応策で、再生可能エネルギーや火力発電の増強を必要な取り組みに挙げた」と説明する。一方、国家戦略室の総理補佐チームで再試算に携わった梶山恵司・富士通総研主任研究員は「電力会社の言い分をまとめた極端な前提に基づく試算。その数字が、原発再稼働を容認する政治家らの発言にもつながった。再試算は菅政権末期の混乱で公表できなかったのではないか」と問題視している。』

 こうなるとほとんど詐欺みたいなものだ.危機感を煽って原発の必要性を訴えていたのが本当だったら,もう誰も経済産業省や電力会社の言うことなんて信じないだろう.そして,理由はどうあれ電気料金を値上げした挙句に電力供給不足になったら電力会社を許す人はいないだろう.安全神話や身内によるやらせ説明会などで情報操作を行なってきたのだから身から出た錆とも言えるが,これから原発再稼働への国民の目はますます厳しいものになるのだろう.
『最悪シナリオを封印 菅政権「なかったことに」  大量放出1年と想定  民間原発事故調が追及

 東京電力福島第1原発事故で作業員全員が退避せざるを得なくなった場合、放射性物質の断続的な大量放出が約1年続くとする「最悪シナリオ」を記した文書が昨年3月下旬、当時の菅直人首相ら一握りの政権幹部に首相執務室で示された後、「なかったこと」として封印され、昨年末まで公文書として扱われていなかったことが21日分かった。複数の政府関係者が明らかにした。

 民間の立場で事故を調べている福島原発事故独立検証委員会(委員長・北沢宏一(きたざわ・こういち)前科学技術振興機構理事長)も、菅氏や当時の首相補佐官だった細野豪志原発事故担当相らの聞き取りを進め経緯を究明。危機時の情報管理として問題があり、情報操作の事実がなかったか追及する方針だ。

 文書は菅氏の要請で内閣府の原子力委員会の近藤駿介(こんどう・しゅんすけ)委員長が作成した昨年3月25日付の「福島第1原子力発電所の不測事態シナリオの素描」。水素爆発で1号機の原子炉格納容器が壊れ、放射線量が上昇して作業員全員が撤退したと想定。注水による冷却ができなくなった2号機、3号機の原子炉や1~4号機の使用済み燃料プールから放射性物質が放出され、強制移転区域は半径170キロ以上、希望者の移転を認める区域が東京都を含む半径250キロに及ぶ可能性があるとしている。

 政府高官の一人は「ものすごい内容だったので、文書はなかったことにした」と言明。別の政府関係者は「文書が示された際、文書の存在自体を秘匿する選択肢が論じられた」と語った。

 最悪シナリオの存在は昨年9月に菅氏が認めたほか、12月に一部内容が報じられたのを受け、初めて内閣府の公文書として扱うことにした。情報公開請求にも応じることに決めたという。

 細野氏は今月6日の会見で「(シナリオ通りになっても)十分に避難する時間があるということだったので、公表することで必要のない心配を及ぼす可能性があり、公表を控えた」と説明した。

 政府の事故調査・検証委員会が昨年12月に公表した中間報告は、この文書に一切触れていない。

 東京電力福島第1原発事故の「最悪シナリオ」が政権中枢のみで閲覧され、最近まで公文書扱いされていなかった。危機の最中に公開できない最高機密でも、公文書として記録しなければ、次代への教訓を残すことはできない。民主的な検証を阻む行為とも言え、許されるものではない。

 民主党は2年半前、政策決定の透明性確保や情報公開の促進を訴えて、国民の信を得たはずだ。日米密約の解明も「開かれた政治」を求める国民の期待に応えるための作業だった。

 しかし、今回明らかになった「最悪シナリオ」をめぐる一連の対応は、そうした国民の期待を裏切る行為だ。

 シナリオ文書を「なかったこと」にしていた事実は、「情報操作」と非難されても仕方なく、虚偽の大量破壊兵器(WMD)情報をかざしながらイラク戦争に突き進んだブッシュ前米政権の大失態をも想起させる。

 民間の立場で調査を進める福島原発事故独立検証委員会が文書の取り扱いをめぐる経緯を調べているのも、そうした民主的な視点に根差しているからだ。ある委員会関係者は「不都合な情報を握りつぶしていたのではないか」と指摘する。

 昨年末に中間報告をまとめた政府の事故調査・検証委員会が「最悪シナリオ」に切り込めていないのも問題だ。政府は民間の事故調査を待つことなく、自らが経緯を明らかにすべきだ。』

 嫌なものは無かったことにしたいのだろうが,「なんと腰の引けた政治家が多いことだろう.」と思っていたら続いて出てきたのが以下の話.

『政府の原災本部 議事録を作らず

 東京電力福島第一原子力発電所の事故を巡って、避難区域や除染の方針など重要な決定を行ってきた政府の「原子力災害対策本部」の議事録が作成されていなかったことが分かりました。専門家は「将来同じ失敗を繰り返さないようにするための財産が失われたという意味で、国民的な損失だと思う」と指摘しています。

 政府の原子力災害対策本部は、総理大臣を本部長とし、経済産業大臣をはじめ全閣僚をメンバーとするもので、原発事故当日の去年3月11日に設けられ、避難区域や除染の基本方針、農作物の出荷制限など原発事故を巡る重要な決定を行ってきました。NHKで、去年11月、それまでに開かれた21回の会議について「議事録や内容をまとめた資料など」の情報公開請求を行ったところ、公開されたのは、議題を記した1回の会議について1ページの「議事次第」だけで、議論の中身を記した議事録は作成されていなかったことが分かりました。NHKの取材に対し、原子力災害対策本部の事務局を務めている原子力安全・保安院の担当者は「業務が忙しく議事録を作成できなかった」と説明しています。公文書管理法は、国民への説明義務を果たすとともに政府の意志決定の過程を検証できるようにするため重要な会議の記録を残すよう定めており、公文書の管理を担当する内閣府は、原子力安全・保安院の担当者から聞き取りを行うなど経緯を調べています。原発事故への対応を巡っては、東京電力と政府が合同で事故対応を検討した「事故対策統合本部」でも主要な会議の議事録が作成されていなかったことが分かっており、内閣府は、この経緯についても調べています。

 公文書の管理や情報公開制度に詳しい名古屋大学大学院の春名幹男特任教授は「政府の重要な立場にあった人たちは、記録を残さないと責任を果たしたことにはならない。今回は、自分たちの失策がそのまま記録されると困るので、あえて記録を残さなかったと思われてもしかたない。将来同じ失敗を繰り返さないようにするための財産が失われたという意味で、国民的な損失だと思う」と指摘しています。』

 自分たちに都合の悪いことや国民に知らせたくないことは無かったことにするという政府の方針がまたしても明らかになったわけである.問題に正面から立ち向かわないだけでなく,自分たちのやったことも記録せずに無かったことにしてしまうという無責任さ.真面目にやる気のない政治家はとっと消えて欲しいものだ.この国の政治は腐り切っているみたいだが,代わりもすぐにはみつかりそうもないから日本はこのまま沈没するのを待つしかないのだろうかと心配になうのは私だけだろうか.
『拡散予測、米軍に提供 事故直後に文科省

 東京電力福島第1原発事故直後の昨年3月14日、放射性物質の拡散状況を予測する緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による試算結果を、文部科学省が外務省を通じて米軍に提供していたことが16日、分かった。

 SPEEDIを運用する原子力安全委員会が拡散の試算結果を公表したのは3月23日。公表の遅れによって住民避難に生かせず、無用な被ばくを招いたと批判されているが、事故後の早い段階で米軍や米政府には試算内容が伝わっていた。』

 今更ながらこの国の官僚たちはどっちを向いて仕事をしているのだろうと思う.きっと,国民は馬鹿で長生きする必要なんてないと思っているのだろう.

 国民の税金で食べている文部省と厚労省と外務省そして経済産業省の人達は一体何を考えているのだろうか.インサイダー取引などの裏ビジネスで忙しいから,そんなことはどうでもいいのだろうか.

 事故後に米国政府関係機関が放射能汚染に対して速やかかつ厳重な対策を講じたのも実はこの情報があったからなのではないだろうか.情報があれば適切に避難できた人達にとっては実に悔しい話だろう.

 そして,こういう重要なことがあまり大きく取り上げられないのにもきっと理由があるのだろう.こうなると政府やマスコミの言うことなんか信じていたらどうなるかわかったものではないという話になってくる.まったく酷い話だ.政治家は日の丸だ国歌だという前にやることがあるのではないだろうか.
『日本の「軽」規格廃止を…TPPで米自動車3社

 米自動車大手3社(ビッグスリー)で組織する米自動車政策会議(AAPC)は、日本の自動車市場の閉鎖性を理由に「現時点では反対」と表明し、参入障壁となっている軽自動車規格については、「廃止すべきだ」と主張した。

 今年秋の大統領選を控え、大きな雇用を生んでいるビッグスリーの政治に対する影響力は大きい。月内にも始まるとみられる日米の事前協議で自動車分野は大きな焦点で、交渉は難航が予想される。

 AAPCは、日本独自の軽自動車規格について、「市場の30%を占めているが、もはや合理的な政策ではない」と批判した。日本の技術基準や、認証制度などの規制も参入の障害になっており、透明性が必要としている。1990年代後半からの日本政府の円安誘導政策も、米国車に不利になっていると指摘した。』

米国は日本でしか売れない軽自動車なんか作りたくないから文句を言っているだけなのだろうが,私は別の理由で軽自動車規格は廃止すべきだと思っている.一つは安全面からの理由で,もう一つは税制面からの理由である.

軽自動車の衝突安全性も新基準になってからは良くなったのだろうが,事故で病院へ運ばれて来る人をみれば軽乗用車が不利なことは明らかなように思う.車同士の衝突事故ではまず間違いなく軽自動車に乗っていた人の方が重症である.相手が軽傷なのにもかかわらず軽自動車の人が致命的な重症だったりするから現実にはかなり大きな差があると思われる.経済的な有利さと引き換えに命懸けになる程度の安全性というのではおかしいだろう.

一方で,軽自動車と普通車は同じルールで同じ道路を走っているのに税金が五倍も違うというのもおかしな話だ.普通車が特に贅沢品というわけでもないのにこれほど税金が違うのは不公平ではないだろうか.税金が安いのと引き換えに低い安全基準に甘んじなければいけない軽自動車と日常的に使う必要性があるのに軽自動車に比べて異常に高い税金を払わせられる普通車.私にはどちらも不合理にみえる.

だから軽自動車はもうやめて普通車の税金を下げるのがいいように私には思われる.その上で,燃費の悪い車と必要以上にスピードの出る車は環境税やプレミアム税みたいなもので税金を高くすればいいのではないだろうか.もっとも,最近の若い人たちは車なんか買わなくなっているようだからすでにどうでもいい話なのかもしれない.



『原子力業界が安全委24人に寄付 計8500万円

 東京電力福島第一原子力発電所の事故時、中立的な立場で国や電力事業者を指導する権限を持つ内閣府原子力安全委員会の安全委員と非常勤の審査委員だった89人のうち、班目(まだらめ)春樹委員長を含む3割近くの24人が2010年度までの5年間に、原子力関連の企業・業界団体から計約8500万円の寄付を受けていた。朝日新聞の調べで分かった。

 うち11人は原発メーカーや、審査対象となる電力会社・核燃料製造会社からも受け取っていた。

 原子力業界では企業と研究者の間で共同・受託研究も多く、資金面で様々なつながりがあるとされる。中でも寄付は使途の報告義務がなく、研究者が扱いやすい金銭支援だ。安全委の委員へのその詳細が明らかになるのは初めて。委員らは影響を否定している。』

本当に出鱈目(でたらめ)な原子力安全委員会だ.審査対象の企業から金銭授受をしておきながら委員会での発言に影響はないなんて言っても,誰がそんな話を信じる事ができるだろうか.正月早々まったくお目出度たい人達だ.
『生活保護受給者囲い込みの病院「彼らは上客」

 全額が公費から支出される生活保護受給者の医療費を巡り、日課のように受診を繰り返す「頻回通院者」の存在が明らかになった。

 「暇だから」「親切にしてもらえる」。病院通いを続ける理由を、彼らはそんな風に漏らす。そして医療機関側も、車での送迎など手厚いサービスで、取りはぐれのない“上客”の囲い込みに懸命だ。

5年前から毎日

 12月中旬の朝、大阪市西成区の診療所。玄関のシャッターが開くと同時に、中年男性たちが次々と吸い込まれていった。診察を終えた十数人に聞くと、全員が受給者。半数以上は週4日以上通っているという。

 「5年前から毎日、点滴とマッサージに来ている」という男性の病名は、「腰痛」。「足の関節が痛む」と連日、電気マッサージに通う別の60歳代の男性は「先生が優しいし、マッサージも気持ちいい。どうせタダやし」と満足そうに言う。

 厚生労働省の調査で判明した同市の頻回通院者は、全国最多の4179人で、全体の2割以上を占める。

 診療所の患者は高齢者が多いが、一見健康そうな働き盛り世代の姿も目立つ。

 40歳代の男性は腰の持病のため連日、「簡単なリハビリ」に通っているという。本来はケースワーカーから働き口を探すよう求められる年齢だが、「医者が書類に『就労不能』と書いてくれるから何も言われない」。男性はそう話し、「元気そうに見えるやろけど病人やで」と付け加えると、自転車で勢いよく走り去った。

「はやってナンボ」

 同区内の別の診療所前では、男性受給者たちが次々とワゴン車から降りてきた。診療所側が早朝から自宅を回り、診察後は送ってくれるサービス。ロビーからはニシキゴイが泳ぐ庭園が望め、院内にはリクライニングシートが並ぶ点滴ルームや多数の運動器具を備えたリハビリルームがそろう。

 その近くに最近開院した診療所は年中無休の触れ込み。開院当初、「生活保護取扱」と書いたのぼりを立て、芸能人の名を使ったビラやカイロを通行人に配る客引きを展開し、市保健所から注意を受けたという。

 「受給者をターゲットにした診療所が、ここ数年増えている」。同区の医療関係者はそう話す。

 「彼らは主要顧客」。ある診療所を経営する男性医師は、こう言い切った。数年前の開院当初は患者が集まらず、知人のブローカーに受給者の紹介を依頼。以後、頻回通院者が増え、赤字経営を脱却したという。

 「治療より経営優先。はやってナンボ」。医師はそう言う一方、こんな表現で過剰診療を否定した。「患者が自主的に来るから診ているだけ。『毎日来い』とは言っていない」』

『生活保護者、公費負担で高頻度通院…厚労省調査

 医療費が全額公費負担される生活保護受給者について、2009年度の受診状況を厚生労働省が調査したところ、2日に1回以上の高頻度で3か月以上続けて通院した「頻回通院者」が全国で1万8217人に上ることがわかった。

 うち3874人については、自治体が必要以上の受診にあたる「過剰受診」と判断。通院頻度を抑えるよう受給者を指導したが、改善はその約3割の1279人にとどまっているという。

 同省によると、全国の一般外来患者の月平均通院日数は約1日で、65歳以上の高齢者でも3日程度にとどまっている。

 しかし、同省が同じ傷病名で同一診療科(歯科を除く)を月15日以上、3か月以上連続で受診した人について、09年度分の診療報酬明細書(レセプト)の分析を各自治体に依頼、データを集計したところ、生活保護受給者の多くに整形外科や内科の診療所に頻回通院したケースがあったことが判明。自治体はさらに該当受給者の診療内容などを点検し、全体の約2割の3874人を「過剰」と判定した。

 都道府県別では、大阪府が6025人(過剰受診者856人)と最多で、以下、東京都が1920人(同478人)、福岡県が1374人(同469人)など。』

働けるのに働かないだけでなく,医療費と医療資源を無駄遣いする生保患者にはうんざりするが ,それを囲い込んで収入源とする診療所があるなんておかしな話だ.

生保よりも低い賃金でまともに働いている人や,救急医療で疲弊している医師からみたら,こんなことがまかり通るなんて許せない話である.

病気のふりをする生保患者とそれに加担する診療所はちゃんと摘発してしかるべき罰則を与えるべきだろう.
『東電の初動「誤り」、冷却の空白招く…事故調

 東京電力福島第一原子力発電所事故に関する政府の事故調査・検証委員会(委員長=畑村洋太郎・東大名誉教授)は26日、事故対応の問題点やその背景を分析した中間報告を発表した。

 東電の初動を巡っては1、3号機の緊急冷却装置の操作について「誤った措置」などと批判し、東電が官邸の意向を踏まえて3号機の注水手順を変え、冷却の空白が生じていたことも明らかにした。背景としては、津波対策を含め幅広く原発の安全を考える視点が欠けていたと指摘した。

 報告書によると、1号機では3月11日、緊急冷却装置「非常用復水器」が津波による電源喪失で停止したが、吉田昌郎所長(56)(当時)や本店幹部らは正常に冷却していると誤認したまま、8時間以上気付かなかった。これが、対応の遅れにつながり、格納容器の圧力を抜く「ベント」や原子炉への注水が始まったのは翌日だった。

 3号機では13日未明、緊急冷却装置「高圧注水系」を手動停止したが、別の注水手段への切り替えに失敗、冷却できなくなった。中間報告では手動停止を「誤った措置」と断定し、7時間近い注水中断を「極めて遺憾」と批判した。

 官邸では当時、3号機の代替注水について「海水を入れると廃炉につながる」との意見が出ていた。現場では海水注入の準備が整っていたが、官邸に派遣されていた東電社員から「淡水の方がいいとの意見がある」と聞いた吉田所長は、淡水ラインに切り替える作業を指示。だが、淡水は13日午前9時25分の注水開始から約3時間で枯渇し、海水ラインに戻す際に52分間、冷却が中断した。

 報告書は1、3号機とも、注水が早期にできていれば、放射性物質の放出量を減らせた可能性があるとした。

 一方、被害の拡大を食い止められなかった背景については、国や電力会社の過酷事故対策が、機械の故障や人的ミスを想定するばかりで、津波など自然災害に目を向けてこなかったと総括した。原発事故が他の災害と同時に起きる「複合災害」の視点も欠けていたと指摘した。

 政府の対応については、官邸内で情報が分散し連携が不足したことや、経済産業省原子力安全・保安院の危機管理能力の欠如を問題視した。来年4月発足する原子力安全庁(仮称)について「責任を持って危機対処の任にあたる自覚を強く持ち、体制整備を図る必要がある」と提言した。』

『保安検査官逃げ回り・東電は子会社任せ…事故調

 原発の監視を担う原子力安全・保安院の原子力保安検査官や、事故対応の責任を担う東電が、役割を十分に果たせなかった実態も、中間報告で明らかにされた。

 報告書によると、東電の事故対応を指導監督する立場の検査官は3月12日早朝、4人全員が現場を立ち去り、約5キロ離れた対策拠点のオフサイトセンターに戻っていた。放射線量の上昇により、屋外の防災車の搭載電話が使えなくなったのが理由とするが、中間報告は「東電の回線など他の手段で状況報告は可能だった」とみている。

 13日朝には、海江田経済産業相から炉心への注水状況を監視するよう指示を受け、検査官4人が原発に入った。だが、対策本部のある免震重要棟の一室に閉じこもり、東電社員から資料を受け取るだけだった。14日午前11時過ぎには、3号機が水素爆発を起こしたため、身の危険を感じ、同日午後5時頃、上司の明確な了解がないまま同センターに引き揚げた。

 菅首相が東電本店に乗り込み、東電社員に「逃げてみたって逃げ切れないぞ」とまくしたてたのは翌15日早朝。その前に検査官らは退避を終えていた。事故調関係者は「検査官は職責を果たさず逃げ回っていたも同然だ」と批判する。

 一方、原子炉の冷却で重要な役割を果たしたのが東電の子会社だったことも分かった。

 吉田昌郎所長(56)は3月11日夕、全電源喪失の事態を受け、1、2号機への消防車による炉内注水を検討するよう指示した。だが、消防車の活用はマニュアルになく、同原発の「発電班」「技術班」などはどこも自分の担当と考えなかった。

 同日深夜、1号機の危機的状況が分かり、12日未明、消防車による注水を準備した。しかし、消防車を操作できる東電社員はおらず、下請けの子会社に頼らざるを得なかった。東電社員の「自衛消防隊」もあったが、ホースの敷設なども当初は子会社社員だけで行った。

 放射線量が高まる中、子会社は一時、作業に難色を示したが、東電の強い要請に応じた。2、3号機でも注水作業を担い、3号機建屋の水素爆発では3人が負傷した。(肩書は当時)』

 地震や津波の発生を防ぐことはできないし,家や建物が流されても被害はその地域に限局的であるから,被害者が天災だと思うならそれであきらめるしかないし,対策としてはそこに住まないようにするくらいだろう.

 しかし,原子力発電所の事故については話がまったく違うと思うし,対応の仕方によっては被害を最小に食い止めることができたとなればこれは人災というしかないだろう.起きる可能性があったことを敢えて想定外としてきた人達の責任は非常に重いし,自分の責任を放棄して現場から逃げた人達の責任も追求されるべきだろう.

 東電というと私は小笠原の父島行きの船で乗り合わせた東電の部長とか言う傲慢で鼻持ちならない男のことを思い出してしまう.あんな人間が集まって安全神話をでっち上げて国民の目を欺いてきた挙句にこんな失態を繰り返したのかと思うと,今年一番に気分が悪くな話だが,私は厭なことはすぐに忘れてしまうので,その不快さをあとで思い出せるように書いておこう.
『真珠湾攻撃70年 フーバー元大統領が批判

 ハーバート・フーバー第31代米大統領(1874~1964年)が、日本軍による真珠湾攻撃の際の大統領だったフランクリン・ルーズベルト(第32代、1882~1945年)について、「対ドイツ参戦の口実として、日本を対米戦争に追い込む陰謀を図った『狂気の男』」と批判していたことが分かった。

 米歴史家のジョージ・ナッシュ氏が、これまで非公開だったフーバーのメモなどを基に著した「FREEDOM BETRAYED(裏切られた自由)」で明らかにした。

 真珠湾攻撃に関しては、ルーズベルトが対独戦に参戦する口実を作るため、攻撃を事前に察知しながら放置。ドイツと同盟国だった日本を対米戦に引きずり込もうとした-などとする“陰謀説”が日米の研究者の間で浮かんでは消えてきたが、米大統領経験者が“陰謀説”に言及していたことが判明したのは初めて。

 ナッシュ氏の著書によると、フーバーは第33代大統領のトルーマンの指示で戦後の日本などを視察。46年に訪日し、東京で連合国軍総司令部(GHQ)のマッカーサー元帥と会談した。その際、フーバーはマッカーサーに対し、日本との戦争は「対独戦に参戦する口実を欲しがっていた『狂気の男』の願望だった」と指摘。在米日本資産の凍結など41年7月の経済制裁は「対独戦に参戦するため、日本を破滅的な戦争に引きずり込もうとしたものだ」と語ったという。

 マッカーサーも、「ルーズベルトは41年夏に日本側が模索した近衛文麿首相との日米首脳会談を行い、戦争回避の努力をすべきだった」と批判していた。

 著書ではフーバーが「米国から日本への食糧供給がなければ、ナチスの強制収容所並みかそれ以下になるだろう」とマッカーサーに食糧支援の必要性を説いていたことも詳細につづられており、フーバーの対日関与の功績に光を当てるものにもなっている。

 ナッシュ氏は「この著書が、今でも米国の英雄とされているルーズベルト大統領への歴史評価を見直すきっかけになってほしい」と話している。』

 日本は米国に対ドイツ参戦の口実として戦争に引きずりこまれ,終戦への口実として原爆の人体実験をされたということになるのだろうか.考えるだけでも実に恐ろしい話だ.一部の賢い人たちはわかっていても流れを止められなかったのだろう.

 時間が経つと真実が見えて来るということはよくあることが歳を取るとわかってくる.嘘はいずれはバレるということだ.今の日本を見ていると国民はどれだけ騙されてきたかが良くわかる.これも一種の情弱だろう.なんとも情けない話だ.
『東海大・菅野、まさかの強行指名に涙 父は強い不信感…日本ハム1位

 プロ野球のドラフト会議が27日、東京都内のホテルで行われ、最速157キロ右腕、菅野は巨人と日本ハムから1位指名され、日本ハムが交渉権を獲得した。巨人は昨年12月から1位指名を表明していたが、単独指名はならず、抽選に敗れた。菅野は伯父である原辰徳監督(53)が指揮を執る巨人入りの夢を抱いていた。会見では笑顔はなく、胴上げなども急きょ、中止となった。原監督は「くじを引く状況にならないと信じていた。非常に残念」と言葉を絞り出した。

 驚きと悔しさが入り交じっていた。菅野は会見中、目を潤ませた。交渉権を獲得したのは、プロを志すきっかけをくれた伯父・原監督が率いる巨人ではなく、指名を予想もしていなかった日本ハムだった。

 神奈川・平塚市の東海大での指名後会見。菅野は“意中の球団”への思いを問われると言葉に詰まった。「小さい頃から巨人でプレーできればいいな、と。夢が現実となることを思い描いていたが…。でも、その、何と言ったらいいのか分からない」とショックを隠せなかった。

 相模原市内の実家も、静寂に包まれた。祖父の原貢・東海大野球部顧問(76)、父・隆志さん(49)、原監督の妹にあたる母・詠美さん(48)ら一家が勢ぞろい。テレビ中継に見入ったが、日本ハムが交渉権を獲得すると沈黙した。「4月から指名を決めていたということでしたが、事前に指名あいさつは一切なかった。1位指名は光栄です。競合入札もルールにのっとってのことと理解しています。ただ、道義的にこうしたやり方は許されるのでしょうか。残念で仕方がありません」と隆志さんは強い不信感を口にした。貢さんも「事前に話がないなんて。そりゃないよ」と憤った。

 相思相愛の巨人入りはならず、東海大で会見後に予定されていたナインによる胴上げや、写真撮影は中止。日本ハム入団への現時点の意思について菅野は「さっきの出来事なので、両親と相談してまた決めたいと思います」と明言を避けた。

 昨年12月14日。巨人は過去最速でドラフト1位指名を表明し、誠意を見せてきた。「早々と、1位の表明をしていただいた。その評価に恥じないプレーをしようとここまでやって来ました」。巨人への思いと、原監督の甥という“宿命”が右腕を大きく成長させてきた。しかし、伯父さんとの共闘はかなわなかった。

 「(ドラフト会議の)10月27日という日を夢見て、ここまでやってきました。どんな結果であれ…」。そう言うと約10秒間沈黙した後、言葉を絞り出した。「無事に終わり、ホッとしています。強い体に生んでくれた両親に感謝したいです」。28日には日本ハムの岩井スカウト、大渕スカウトディレクターらが東海大を訪れる予定だが、菅野や横井監督に面会できるかは未定。31日には、明治神宮大会の出場権のかかる関東地区大学選手権が始まる。まずは、大学日本一へ向け、集中する。』

 選手が希望の球団に入れないのがニュースになるようなプロ野球だからマスゴミにとってはいいネタになったことだろう.

 巨人以外の球団が事前に挨拶に行っていたとしても快く指名を受け入れるつもりがあったとは思えない.もし他球団が事前に挨拶にいけば裏で巨人側がどんな手を打って来るかという不信感もあるだろうし,突然獲得の意志を表明して意表をつくというのもありというのがプロスポーツの世界だろう.

 抽選で指名権を獲得するまで沈黙を守った日ハムにスポーツマンシップを感じ,事前に挨拶なんかして期待感を抱かせた巨人に不快感を感じるのは私だけだろうか.むしろ今後は,交渉権を得るまでは選手側との一切の接触を禁じるくらいが,公明正大なドラフトのあり方ではないだろうか.

 菅野選手にとっては言わばプロへの入団試験になるのだろうが,過去の選手のように巨人に入るために時間を無駄にしたりせずに日ハムでダルビッシュ選手を越えることを目標にしてもらいたいものだ.
 
『ロシア爆撃機2機、14時間にわたり日本列島1周

日本の野田佳彦首相が就任して1週間も経たないうちに、ロシア爆撃機と中国軍用機が同じ日に日本列島周辺を飛行したことが明らかになった。

朝日新聞は「8日、ロシア軍爆撃機2機が14時間にわたり日本列島を1周し、中国軍情報収集機は東中国海(東シナ海)の日中間境界線を侵犯した」と伝えた。日本メディアは「ロシア、中国ともに野田政権の外交路線を試している」と分析した。

ロシア軍の長距離爆撃機TU-95は8日午前6時ごろ、対馬の東側から日本領空に接近、九州西部と沖縄島南部を通り、日本列島に沿って太平洋上空を北上した。特に、野田首相が東京電力の福島第1原発を視察する時間に合わせて福島県上空を飛行した。日ロ間の領土紛争地域であるクリル列島(北方領土)付近上空では空中給油機IL78と合流し、空中給油を受けた。TU-95は北方4島のうちクナシル島(国後島)付近の上空から対馬まで南下し、またクナシル島まで北上する飛行訓練を終えて午後8時ごろ、ロシアに戻った。

ロシア軍爆撃機が日本列島周辺上空を完全に一周したのは今回が初めて。この日、日本航空自衛隊も万一の事態に備えて戦闘機を緊急発進させ、一時緊張が高まったりもした。日本防衛省のある関係者は「前代未聞の露骨な挑発であり、今後の動向も予測できない」と非難した。藤村修官房長官も「ロシア軍の訓練領域がここまで日本領空に近いのは異例」と懸念を表した。

ロシア軍が列島周辺を飛行訓練した日、中国軍Y8情報収集機1機も東中国海に沿って南下し、日中間の境界線を越えた。Y8は領有権紛争地域である尖閣諸島(中国名・釣魚島)の北側100-150キロまで接近した。領空は侵犯しなかったが、自衛隊戦闘機が緊急発進して対応した。先月中旬にも中国軍用機が両国間の境界線を越え、日本海上自衛隊の情報収集機を後方から追跡したことが6日確認された。

産経新聞は「昨年9月に尖閣諸島をめぐる両国の葛藤後、中国戦闘機が随時、日本領空に接近している」と伝えた。』

 思慮の足りない経済産業相がつまらない発言でマスコミを賑わし,政治家たちが子供並みの揚げ足取りをやってる間に,ロシアや中国は虎視眈々と我が国の存在を脅かす準備をしているかもしれないということだ.

 福島の人達は自分の住処を奪われたことでそこにしか目が行かない状況になるのもわかるが,今回は知事を恫喝するようなことをしたわけでもないし,これ以上誰に替わってもそう能力に違いはないのだろうから,この際,多少のことには目をつむって言葉で犯した間違いは,行動で正してもらえばいいのではないだろうか.

『北電、国のシンポでも社員動員 メールで呼び掛け

 北海道電力は31日、泊原発3号機(泊村)のプルサーマル計画をめぐって、2008年8月に開かれた経済産業省主催のシンポジウムでも社員に参加を要請するメールを送っていたと明らかにした。北電では、同年10月に道などが主催したシンポで、社員に参加と推進意見の表明を求める「やらせ」メールを送っていたことが26日に判明したばかり。

 北電は、経産省が指示したことし7月の調査では、国主催のシンポでは動員はなかったと報告していた。社員の動員が常態化していたことがうかがわれる。』

 人を信用するかどうかはその人が今言っていることではなく,過去にやってきたことで判断するべきだと私は思っているので,こういった事実が明らかになると今後は北電が何を言っても信じるわけにはいかないと思う.

 高橋知事は経産省出身だそうだが,今回の北電の再稼働については試験運転の名のもとに稼働し続けた既成事実をなし崩しに認可した感じが強いし,その後にこういった「やらせ」問題が出てくるあたりはどうにも芝居じみている.

 こんなコンプライアンスの低い企業に原発のように高度な安全性が要求される施設をこれからも預けるなんて心配だから,プルサーマルどころか泊原発もいずれ廃棄する方向にしてもらわないと気が休まらないだろう.

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