『 -- 「当然控訴」と石原都知事 国旗国歌訴訟で  --

 入学式や卒業式での国旗国歌の強制は違憲と判断した東京地裁判決について、石原慎太郎都知事は22日の定例会見で「当然控訴します。あの裁判官は都立高校などの実態、現場を見た方がいい」などと述べた。
 石原知事は「平均的なレベルの高校を見たが、(生徒は)先生の言うことを聞かない。規律を取り戻すため、ひとつの手だてが国旗国歌への敬意だと思う」とした。
 起立斉唱をしなかった教職員は責任を問われるとした都教委の通達は国の学習指導要領に基づき、正当と反論。懲戒処分も「教師が義務を怠ったことになるから当たり前と思う」と述べた』

 日の丸を見上げて君が代を斉唱しただけで,教師や生徒はみんな愛国心にあふれ国旗や国歌に敬意を払っているとみなせるとでも言うのだろうか.なんだかナチスドイツの『ハイル・ヒットラー』みたいで気味が悪いが,こんなことが先生の言うことを聞かない生徒に規律を取り戻す手だてになると信じているとは,なんと単純で短絡的思考の持ち主であろう.

 そういえば安倍晋三・自民党新総裁は,国旗国歌法の成立過程で「義務規定は盛り込むべきだった」と発言しており,「愛国心」を前面に出す教育基本法の改正を推し進めようとしているらしいが,義務を課せば愛国心を教育できると考えている点で都知事と同じである.

 口先や形式だけで「愛国心」教育なんてできるほど簡単ではないということがわかっていないとしか思えない.首相や都知事であれば「都立高校などの実態、現場を見るだけじゃなくて日本全体を良く見て考えてたほうがいい」のではないだろうか.教育委員会の人たちも政治的プロパガンダに肩入れしてないで,もっと教育そのものについての議論をするべきではないだろうか.

 『子は親の鏡』という言葉があるが,人間の子供というものは周囲の大人を見て育つものであるというのは真実だと思う.今の子供たちの問題はすなわち大人の問題である.今の日本の大人に「愛国心」はあるのだろうか.大人の心に国土の自然を大切にし,資源を大切にし,美しい山や川や海を子供に残せる余裕があれば,放っておいても子供は歴史や伝統に敬意を払い,自分の祖国に誇りを持って他国の色々な価値観をも理解できるようにもなるのではないだろうか.

 本来,祖国のために働く政治家が見かけだけの「愛国心」を唱えて,安直に教育に口出しするようなことは「恥」ではないのだろうか.そんなことをしている暇があるなら他にもっとやることがあるのではないだろうか.政治家に知性があるのなら,難波孝一裁判長の判決の「国旗と国歌は強制ではなく、自然のうちに国民に定着させる」にはどうすればよいかをもっと深く考えて欲しいものである.
『 -- 都教委の「強制は違憲」東京地裁が判決 --

 入学式や卒業式で日の丸に向かっての起立や君が代斉唱を強制するのは憲法で保障された思想・良心の自由を侵害するとして、東京都立高の教職員ら約400人が都教育委員会を相手取り、起立や斉唱の義務が存在しないことの確認を求めた訴訟の判決が21日、東京地裁であった。難波孝一裁判長は「強制は違法、違憲」と判断し、起立や斉唱の義務がないことを確認したうえ、一人当たり3万円の慰謝料の支払いを命じる判決を言い渡した。

 都教委は03年10月23日、都立学校の各校長に「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達)」という文書を通達。国旗に向かって起立▽国歌斉唱▽その際のピアノ伴奏▽こうした職務命令に従わない場合に服務上の責任を問われることを教職員に周知??との内容で、これに従わず懲戒処分を受けた教職員らが提訴していた。

 判決では、「国旗掲揚、国歌斉唱に反対する者も少なからずおり、このような主義主張を持つ者の思想・良心の自由も、他者の権利を侵害するなど公共の福祉に反しない限り、憲法上保護に値する権利。起立や斉唱の義務を課すことは思想・良心の自由を侵害する」と判断。

 さらに、「通達や都教委の一連の指導は、教職員に対し、一方的な一定の理論や観念を生徒に教え込むことを強制することに等しく、教育基本法10条1項で定めた『不当な支配』に該当し違法」と指摘した』

 歴史は繰り返すとは言い古された言葉だが,思想・良心の自由というのは民主主義の基本であって,たとえ教育の場であっても国旗掲揚+国歌斉唱=愛国心の証,みたいな思想の強制は誤りであることを,東京都知事以下,都教委の人たちはもういちど学習する必要があるだろう.

 日の丸も君が代も歴史的に見れば,富国強兵へ向けての国民へのプロパガンダの手段とされたイメージが強く,国旗掲揚、国歌斉唱に反対する人たちはそういった天皇陛下を奉りながら戦争へ突入していった時代のネガティブなイメージが払拭できないのではないだろうか.

 教育についていえばわが国が馬鹿げた「ゆとり教育」などというものでうたたねをしている間に高度成長時代の日本の教育を手本にした国々がすでに学力で上回るようになっている.東京都知事を筆頭にした懐古趣味の方々がいつまでも愛国心教育などという形式主義にこだわっているようでは教育現場の再構築は遅々として進まないことだろう.

 今,わが国で教育しなければならないことは個々の価値観を尊重する真の民主主義と個人差をみとめた上での合理的な能力主義である.少子化の時代には,団塊世代のような多数の中からの競争による選抜では多くの優秀な人間を効率的に教育することは不可能であろう.ましてや自分で考え各自の価値観を持つことを否定するような「不当な支配」による教育では日本の未来はお先真っ暗なのではないだろうか.

追加)
『 -- <国旗国歌>小泉首相が違憲判決に疑問 -- 

 小泉首相は21日、入学式や卒業式で日の丸に向かっての起立や君が代斉唱を強制したことを違憲とした判決について「法律以前の問題じゃないでしょうかね。人間として、国旗や国歌に敬意を表すというのは」と述べ、疑問を投げかけた。思想・良心の自由については「裁判でよく判断していただきたい」と述べるにとどめた』

 小泉さんの視点では人は国のために存在するということなのでしょう.私の視点ではもちろん国は人のために存在するものだから,国旗や国歌はいわばアイコンやテーマソングみたいな物で,それ自体に敬意を表する価値はないと思います.アイコンやテーマソングは自分でものを考えない人にはわかりやすいかも知れませんが,いずれにしても愛国心とはちょっと違うと思うのですが,どうでしょうか.

補足:その後のニュース)
『 -- 式での起立・斉唱定めた都教委通達は「違憲」 東京地裁 --

 入学式や卒業式で日の丸に向かっての起立や君が代の斉唱を強要するのは不当だとして、東京都立の高校や養護学校などの教職員が都教委などを相手に、起立や斉唱義務がないことの確認などを求めた訴訟の判決が21日、東京地裁であった。難波孝一裁判長は、違反者を処分するとした都教委の通達や職務命令は「少数者の思想・良心の自由を侵害する」として違憲・違法と判断。起立、斉唱義務がないことを確認し、違反者の処分を禁止した。さらに、401人の原告全員に1人3万円の慰謝料を支払うよう都に命じた。都側は控訴する方針。

 教育現場での国旗掲揚や国歌斉唱を巡り、憲法19条が保障する思想・良心の自由の侵害を明確に認めた判決は初めて。同種の訴訟では、処分を争う教諭側が敗訴する例が相次いでいた。

 判決は、都教委の通達などは各校長の裁量を許さない強制的なもので、教育基本法が禁じた「不当な支配」にあたるとし、都教委の指導を全面否定する内容となった。

 問題の通達は03年10月に各校長あてに出された。教職員が国旗に向かって起立し、国歌を斉唱するよう定め、違反すれば、停職を含む懲戒処分の対象とした。

 今回の裁判の特徴は、職務命令や処分が出る前に、起立や斉唱などの義務自体がないことの確認を求めた点だ。都教委は「具体的な権利侵害がない」と門前払いを求めたが、判決は「回復しがたい重大な損害を被る恐れがある」として、訴えは適法と判断した。

 難波裁判長は、日の丸や君が代が皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱として用いられてきた経緯に言及。式典での掲揚や斉唱に反対する主義・主張を持つ人の思想・良心の自由も憲法上保護に値する権利だと述べた。

 通達について「教育の自主性を侵害し、一方的な理論や観念を生徒に教え込むことに等しい」と指摘。国旗掲揚の方法まで指示するなど「必要で合理的な大綱的な基準を逸脱した」として、校長への「不当な支配」にあたるとした。

 その上で、起立や斉唱の強要は思想・良心の自由を保障する憲法19条に違反すると判断。国旗・国歌は自然に定着させるのが国旗・国歌法の趣旨であることにも照らし、教職員への職務命令は違法とした。  』
『 -- 「世界遺産の石」を持ち帰り=フィンランド訪問の小泉首相 --

 フィンランド訪問中の小泉純一郎首相は9日午前(日本時間同日夕)、ヘルシンキ市内のフィンランド湾に浮かぶ島に建設された世界遺産「スオメンリンナ要塞(ようさい)」を視察した。
 同要塞は18世紀後半、当時フィンランドを支配していたスウェーデンがロシアからの防衛拠点として約40年かけて建設。首相は、城壁の前に来ると、地面からこぶし大の白っぽい石を拾い上げ「世界遺産の石だ。持って帰ってもいいかな」と質問。管理責任者が「光栄です」と応じ、首相は「石ころだけどわたしにとっては宝石だ」と満足そうだった。』

 世界遺産とは何かを知らない,あるいは知っていても我慢する事ができないわが国の首相.たかが石ころだけど良識ある人たちのひんしゅくを買うには十分だろう.恥ずかし気もなく遺跡に自分の名前を書いてくる日本人観光客の代表としてこれほどふさわしい首相もいなかったと思う.これこそ職権乱用だろう.厚顔無恥という言葉は知っているのだろうか.

小泉改革というが,改革の結果なにが良くなったのか私にはよくわからない.医療制度改革だけは強きを助け,弱きをくじく内容になったことは私にもわかる.ささいなことであるが,最後の外遊なので油断して馬脚を現したのだろう.

『虎を描きて狗に類す(とらをえがきていぬにるいす):形だけ理想を求めていても、勘違いしていては何も身につかない。』.これこそ小泉首相にふさわしいことばだろう.次期政権はさらにひとまわり器が小さくなるようで,これで一体何が期待できるというのだろうか,
『 -- 「子猫を殺している」坂東眞砂子さんのエッセーが波紋 --

 直木賞作家の坂東眞砂子さん(48)=仏領タヒチ島在住=が、自分の飼い猫が産んだ子猫を野良猫対策として殺している、と日本経済新聞に書いたエッセーが波紋を呼んでいる。坂東さんは避妊手術も「生まれてすぐの子猫を殺しても同じことだ」と述べているが、日経に批判や抗議が殺到している。

 エッセーは、日経新聞18日付夕刊「プロムナード」に掲載された「子猫殺し」。坂東さんは猫を3匹飼っているが、子猫が生まれると、自宅隣のがけ下に放り投げているという。「人は他の生き物に対して、避妊手術を行う権利などない。生まれた子を殺す権利もない」と主張。だが、「自分の育ててきた猫の『生』の充実を選び、社会に対する責任として子殺しを選択した」と書いた。

 日経には、23日までに約300件のメールと約60件の電話が寄せられ、「不快だ」「理解に苦しむ」などの抗議が中心だという。日経社長室は「原稿の内容は、筆者の自主性を尊重している」と説明している。』

親猫に避妊手術を行うのと,生まれた子猫を殺すのとどちらが動物愛護の点から非難されるかと言えば子猫を殺す方だというのが一般的な感覚だというだけだろう.こんなことで大騒ぎしても,むしろ作家の思うツボではないだろうか.私はどちらにしても,もともと人間の愛玩のために生存が許されている猫の悲劇は変わらないと思う.

作者はペットとして動物を飼うということに対して一石を投じることで,飼い主にいろんなことを考えてもらいたかったのではないかとも考えられる.とはいっても感情的になって動物愛護なんて言葉を唱える人たちには無駄なことだろう.読んでわかる人だけがわかればいいということかもしれない.

私はこの問題を人間に置き換えたらどうなるかと思う.人間の場合だって,生まれた子供を殺していた時代がわが国にもあった.避妊は女性が自分の意志でできることだからいいとしても,中絶手術は現在だってグレーゾーンで行われているのではないだろうか.猫と人間は同じではないと言うかも知れないが,人間の場合は,生まれればヒトになるわけだから猫よりはるかに深刻な問題であるはずである.

猫の事でこれだけ騒ぐのに,ヒトの中絶手術についてはあまり議論にならないのがどうにも納得いかないのは私だけだろうか.
『 -- 安倍氏「新しい憲法書いていく」…政権構想に盛る意向 --

 安倍官房長官は22日昼、横浜市内で開かれた自民党の再チャレンジ支援議員連盟の会合で講演し、次期政権で憲法を全面改正すべきだとの考えを示したうえ、9月の総裁選に向けた自らの政権構想に憲法の全面改正を盛り込む意向を表明した。

 安倍氏は、「21世紀にふさわしい新しい日本の創造に向け、私たちの手で新しい憲法を作っていく気持ちを持たなければならない。既に自民党は憲法草案を作っており、次のリーダーはこの新しい憲法を政治スケジュールに乗せていくリーダーシップを発揮しなければならない」と述べた。

 また、「新しい憲法を書いていく。その精神こそが新しい時代を作っていくことにつながる」とも強調した。』

国民が望んでいるのは新しい憲法による新しい時代なのだろうか.現在の憲法が完璧だとは思っていないが,戦後60年にわたる平和な日本の礎が終戦当時の反省に基づいてつくられた現憲法であることだけは確かな事実である.新憲法が平和で安定した新しい日本を作るという根拠はどこにあるのだろうか.

皮肉なことに米軍占領下で草案が練られた現憲法が,米国との軍事同盟の新しい時代のために足かせとなっているわけである.自衛隊という名の軍備の拡張を現憲法の解釈を変えながら行ってきたのがもう論理的な限界になったということなのだろう.実際問題として自衛権の解釈以外に現憲法で不都合なことがそれほどあるとは私には思えないのである.

経済的に米国に従属し,アジアにおける米国の防波堤になるべく憲法を改正したところで日本に明るい未来が訪れると考えられるほど楽天的でないのは私だけだろうか.
『 -- 喫煙率、18府県が数値目標 厚労省も設定を再検討 有識者チームで3案用意 --

 たばこを吸う人の割合(喫煙率)をどの程度減らすかについて、国に先行して具体的な数値目標を設定している都道府県が、4月1日現在で18府県あることが18日、厚生労働省の調査で分かった。

 同省は2000年策定の長期計画「健康日本21」に、成人の喫煙率半減の目標を盛り込もうとしたが業界などの反対で見送った経緯がある。自治体を参考に今後数値目標を導入したい考えで、現在有識者による作業チームを設置。「やめたい人が全員禁煙に成功した場合」など3案を同日、公表、検討を進める。

 同省が都道府県の数値目標導入状況を調べたのは初めて。18府県のほか13都道府県は、数値を掲げずに「減少」などを目標としていた。全く設定していないのは16県だった。

 新潟県は、成人の喫煙率について、2010年までの実行計画で「男性39%、女性5%」を目標としている。2004年調査では男性43・4%、女性8・2%で、禁煙希望者のうち指導で禁煙に成功した人の割合(約2割)から目標値を算出したという。

 茨城県は、2012年までの目標を定めた「総合がん対策推進計画」で「本数を減らしたい、やめたいという人全員が禁煙に成功した場合」を仮定し、男性を03年度の53・8%から20%へ、女性は10・6%から3%にする、としている。

 一方、北海道は「男女とも全国平均以下」、福島は「半減をスローガンに大幅減少」など、具体的数値を掲げず喫煙率の目標を設定している。

 04年国民健康・栄養調査によると、日本の喫煙率は男性43・3%、女性12・0%。厚労省が有識者チームの検討を基に公表した3案は、最も高めの「男性35%以下、女性10%以下」のほか、やめたい人が全員禁煙に成功した場合を想定した「男性30%以下、女性10%以下」や、1997年の喫煙率のおよそ半分に当たる「男性25%以下、女性5%以下」がある。』

診療報酬は容赦なく下げ,健康保険の自己負担率は平気で上げる厚生労働省が,こと喫煙率の半減は業界の反対で見送るとは国民の健康を本気で考えていない証拠である.国民の健康に明らかに有害で,健康保険財政に無駄な負担を生じ,喫煙者と非喫煙者に保険料の不公平を生じる原因ともいえる喫煙を業界の圧力で放置するとは企業のために公害を放置するようなものである.

タバコがちょっと値上げになったようだが,本気で喫煙をやめさせる気があるなら少なくとも一箱1000円以上にはするべきであろう.消費税を特定財源化して社会保障費に当てるくらいなら,喫煙者からもっと税金をとって健康保険料に当てるべきである.煙草がもっと値上げされれば目標値など設定してキャンペーンをする費用などかけることもなく喫煙率は確実に減るだろう.仮に思ったほど減少しなくともその分税収は増加するわけでどちらにしても国民の健康を守り,健康保険料の負担を減らす上でも効果的であろう.

そもそも喫煙は自分の健康だけでなく受動喫煙者の健康を損なう犯罪的行為であるという自覚のない喫煙者が相変わらず多いが問題で,非喫煙者も利用する飲食店や路上や公園も含めた公共施設での喫煙は厳重に取り締まるべきである.アスベストやダイオキシンを大気中にまき散らす者がいたら犯罪になるだろうが,毒性の差こそあれそれと同様な行為を法律で規制しないとはいったいどういうことだろうか.

『たばこを吸うと、猛毒ダイオキシンが大量に体内に入った時と同じ反応が細胞内で起こる??。こんな報告を、山梨大医学工学総合研究部の北村正敬教授(分子情報伝達学)らが、米学術誌「キャンサー・リサーチ」15日号に発表する。

 ダイオキシンはヒトの体内に入ると、細胞にある受容体(カギ穴)にカギが入るように結びついて細胞を活性化させ、毒性を発揮する。国は健康に影響しない1日の摂取量を、体重1キロ当たり4ピコグラム(ピコは1兆分の1)と示している。

 北村さんらは、たばこの煙とこのダイオキシンの受容体とのかかわりに着目。市販されているたばこ1本分の煙を溶かした液体を使い、マウスの細胞の反応を調べた。国の基準の164〜656倍のダイオキシンが受容体に結びついた状態にあたる活性がみられ、タール量が多いと活性も高くなる傾向が出た。

 さらに、受容体に結合すると血中に特殊な酵素が出るように遺伝子を操作したマウスに、たばこの煙を吸わせると、24時間後に酵素の量が約5倍に増えた。

 北村さんは「たばことかかわっていると見られる発がんや妊娠異常などはダイオキシンの健康被害と似ており、同じメカニズムが関与している可能性がある」と話す。 』

またわが国では男性の喫煙率は横ばいだが,女性の喫煙率が上昇しているのも問題である.母体や胎児への影響も当然あるはずで,特に脳などの神経系でニューロンの発達異常などは直接に画像では見えないが,環境ホルモンなどのように性格異常や精神異常の原因になるだろうから少子化とともに社会的な影響が懸念される.レストランなどでも子供の前で平気で喫煙する親をみかけるが,無知とは恐ろしいものである.

厚生労働省の人たちは喫煙が健康に悪いことは当然わかっているとは思うが,過去の薬害訴訟から学んだことは何もないのであろうか.自治体が先行したので有識者による作業チームをつくり仕事をしているふりをしたところで,実効性はないだろう.彼らに国民の健康を守る気が本当にあるのだったらもうちょっとマシな仕事をしてもらいたいものだ.AIDSの蔓延をみてもわかるように保健行政の誤りによる犠牲者は戦争を上回る可能性さえあるということがきっとわかっていないのだろう.国民の命を守れない厚生労働省はやはり外務省と同じ穴のムジナである.こんな官庁のために高い税金を取られるのだから,ずいぶんと馬鹿にされているということを国民もそろそろ自覚したほうがいいと思うのは私だけだろうか.
『 -- ビザなし、人道支援は予定通り実施 漁船員死亡事件 --

 北海道根室市のカニかご漁船第31吉進(きっしん)丸が北方四島海域でロシア連邦保安庁国境警備局に銃撃・拿捕(だほ)され、1人が死亡した事件で、今年度予定されている北方四島とのビザなし交流事業と人道支援事業を予定通り継続する意向を外務省が根室市に16日夜に伝えていたことがわかった。根室市は「事業を継続する状況にはない」などとして同省などに文書で中止を要請していた。

 外務省ロシア課は「ビザなし交流や人道支援はそもそも領土問題の解決に寄与するという目的から行っており有益なものだ」としている。根室市の幹部は「国の方針に従うしかないが、人命を失った地元の気持ちもくみ取ってほしい」と話している。 』

今必要なことは,速やかに遺体を遺族のもとに返してもらうことと,漁船がどこでどのように操業していたかという事実確認であろう.人命が失われたのは大変に残念なことであるが,今後のことを考えれば感情論で過剰に反応してビザなし交流や人道支援といった地域交流の機会を失うのは得策ではないだろう.

ソ連時代から貝殻島付近はだ捕や銃撃事件が起きている海域であり,最近はロシアがカニ資源の保護のために態度を変えてきていることはわかっていたはずである.今年7月にも北海道は北方領土周辺で操業する漁協に対して警告文書を配付していたようだが,根室市や漁協はどのように受け取っていたのだろうか.ロシア側から警告があったために北海道がこのような対応をしたようだが,銃撃されるという危機意識はなかったのだろうか.

最近のロシアの情勢が変化してきていることに対する危機感がなかったのだとしたら,なんとも情けない話である.大韓航空機撃墜事件というのを忘れてしまったのだろうか.もっとも,わかっていて危険を冒してまでも密漁に出たというのなら話は別である.所詮ニュースでは本当のことはわからないのだが,撃たれてから怒ったってはじまらないのである.

外務省も厚生労働省と並ぶ仕事ぶりの官庁だそうだが,せめて自国民の生命が脅かされるような事態になる前に,もっと精度の高い情報を集めて先を読んだ対応をしてもらいたいと思うのは私だけだろうか.
『 -- 新たな不正、16万件以上判明=あの手この手でずさん処理−社保庁 --

 社会保険庁は3日、国民年金保険料の不正免除のほかに、納付率を引き上げる目的で長期未納者を行方不明扱いにする「不在者登録処理」など、新たな不正事案が16万件以上あることを明らかにした。国民年金法の定める理由に当てはまらないケースでも資格喪失の処理を行うなど、ずさんな処理の「あの手この手」が浮き彫りになった。
 不在者登録処理は、連絡が取れない長期未納者や外国人の未納者を不正に行方不明とみなし、「不在扱い」とするやり方で、30県(132事務所、10万4777件)で行われており、うち埼玉、三重、高知では事務局長が承知していたという。』

真相を徹底的に究明して,関係職員全員を懲戒免職にし,社会保険庁を解体しても余分な税金は払いたくないと思うのは私だけだろうか.
『 -- 埼玉プール事故、管理会社など捜索へ --

 埼玉県ふじみ野市の市営プールで、同県所沢市の市立小手指小2年戸丸瑛梨香さん(7)が死亡した事故で、埼玉県警は、ふじみ野市や市が管理運営業務を委託していた会社など数カ所を、近く業務上過失致死容疑で強制捜査する方針を固めた。

 捜査当局は、プールを管理する市教委や、管理運営の委託契約を結んでいた「太陽管財」(さいたま市北区)、同社と下請け契約を結び、実際に管理運営業務をしていた「京明プランニング」(同市見沼区)を捜索するとみられる。

 調べでは、瑛梨香さんは7月31日午後1時40分ごろ、流水プールの側面の吸水口をふさぐさくが外れていたため、吸い込まれて死亡した。県警は外れたさくが針金で留められていたうえ、アルバイト監視員が吸水口の危険性を認識していなかったことなどが事故につながったとみて、立件を目指す方針だ。

 一方、市職員がプールの点検、確認業務をしていたにもかかわらず、流水プールのさくにボルトがなかったり、針金で留めたりしていたことを見逃していたことが分かった。市の池本敏雄教育次長は2日、「申し訳ない」と述べた。県警は市の管理に問題がなかったかどうかも調べる。

 市教委によると、今季のプール開園前の7月5、7日、管理業者が水を抜いて、ポンプやプール側面を清掃・点検した。市の報告書には清掃したのは「太陽管財」と書かれているが、業務を事実上丸投げされていた「京明プランニング」の可能性もあるという。

 清掃には市職員も立ち会ったが、プールの床面に降りて、点検することはなかった。プールサイドからの点検では、さくにボルトがなかったり、針金で留めたりしていたことは分からなかったという。

 プールが開園した同15日以降も、市職員は2日に1度、プールを訪れていたが、管理業務が適切かどうかを、管理責任者に聞いたり、ざっと見回ったりしただけで、細かくチェックすることはなかったという。

 市の入札記録によると、太陽管財は01年以降、6年連続で委託契約を結んでいた。同社の斉藤敏雄社長は1日の記者会見で、「ここ5、6年は協力会社に任せていた」と話しており、市や県警はいつから京明社に丸投げしていたかなどを調べている。 』

この事故に関わった大人たちには子供がいないのだろうか.もしいたとしてもきっと仕事が忙しくて子供とプールに行くことなんかない人たちに違いない.そして,そのずさんな仕事の結果がこの事故である.子供がいるならどこがいけないのか自分の子供たちに教えてもらうのがいいだろう.

それにしても六本木ヒルズの事故とよく似ていると思うのは私だけだろうか.
この2年間はいったいなんだったのだろうか.
http://diarynote.jp/d/41284/20040403.html
『 -- <家庭教育>日本の父が子供と一緒の時間は6カ国中5番目 --

 日本の父親が平日に子どもと過ごす平均時間は3.1時間で、タイや米国など6カ国のうち韓国に次いで低いことが、国立女性教育会館の実施した「家庭教育に関する国際比較調査」で分かった。母親は7.6時間と6カ国中最長で、子どもとの接触時間の父母の差は4.5時間で最大。食事の世話をする父親の割合も10.1%で各国中最も低く、家事や育児が母親に偏りがちな傾向が鮮明に浮かんだ。
 調査は12歳以下の子どもと同居する日本、韓国、タイ、米国、フランス、スウェーデン各国の親約1000人ずつを対象に昨年3〜6月に面接して行った。
 日本女性学習財団がほぼ同じ内容について94年に実施した調査(フランスの代わりに英国が対象)では、日本の父親が平日に子どもと過ごす時間は3.3時間で6カ国中最低で、今回さらに0.2時間減った。韓国が今回2.8時間だったため最下位は免れたが、5.9時間と最も長いタイのほぼ半分程度だ。
 94年に比べ、「子どもと接する時間が短い」と悩む父親は27.6%から41.3%に増えており、同会館は「子どもにもっと接したいのにできないという意識の表れ」と受け止めている。
 また、子どもを狙った犯罪の続発や生活苦を反映してか、子育ての悩みや問題点として「子どもの身の安全」を挙げる親が33.8%から46.9%に増加。経済的援助を求める親も31.0%から48.5%に増えた。
 しつけの面では5歳で「行儀よく食事ができる」割合が日本69.3%、韓国70.8%で、9割前後の他の4カ国に及ばなかった。「日常のあいさつができる」割合も日本は83.0%で最も低かった。15歳で「マナーを守ることができる」も9割台の各国に比べ日本は85.8%と最も低く、同会館は「全体的にしつけの達成度や子どもの自立が低い傾向が見られる」と分析している。』

「子供を見れば親がわかる」と言いますが,しつけやマナーの達成度がわが国が最低ということは親もおそらく同じだということでしょう.敗戦でわが国が失ったのは日本人の心であると誰かが言っていましたが,まさしくそれを裏付けるデータなのでしょう.

このデータで日本の子育ての実態が明らかですが,子育てを母親に依存しているようではやはり少子化問題は解決されないでしょう,少子化対策をわずかばかりの補助金で解決しようというのも知恵がなさすぎます.補助金目当てに子供を生んで放置するような親が増えたらどうするのでしょうか.問題は,母親が安心して子供を預けて働けたり,夫婦で子育するゆとりを持って働ける環境なんだと思います.

しかし,少子化対策と労働環境改善といえば厚生労働省なんでしょうけど,やっぱりここがちゃんと仕事してないのが問題なのではないでしょうか.戦後の経済復興優先は必要だったのかもしれないけれど,物だけ増えてもぜんぜん暮らしが豊かになった気がしないのは私だけでしょうか.

自然が破壊され,人の心が失われ,国民の借金が増え続ける国のどこが先進国なんでしょうか.このデータは「子供をみれば国の豊かさがわかる」ということを示しているのでしょう.少子化問題も数の側面だけでなく質も論じるべきだと思います.そういう考え方をしないかぎり犯罪や事故など子供をめぐる悲惨な事件が絶えることはないと思います.
『 -- 靖国「遊就館」の戦犯遺書、旧厚生省が収集依頼 --

 靖国神社にある戦争博物館「遊就館」の展示品収集にからみ、旧厚生省が61年6月、都道府県に対し、BC級戦犯として死亡した人の遺書や顔写真などを出品するよう遺族へのあっせんを依頼していたことが29日、朝日新聞社が入手した同省の文書でわかった。戦後に廃止された遊就館が61年4月に「宝物遺品館」として一部復活した時期に、靖国神社からの要望を受けて対応していた。一宗教法人への国の便宜供与の一端が浮かび上がった。

 この文書は、厚生省援護局復員課が都道府県の担当課あてに出した61年6月27日付通知「復員第1051号」。「戦争裁判関係死没者の遺書等を靖国神社宝物遺品館に陳列するため出品のあっせんについて(依頼)」との表題がついている。戦争裁判関係死没者とは、連合国の戦争裁判で捕虜虐待など「通例の戦争犯罪」に問われたBC級戦犯を指すとみられる。

 巣鴨刑務所に収容されたBC級戦犯については、58年12月に全員が刑期満了となった。翌59年、靖国神社は処刑されるなどしたBC級戦犯計825人を合祀(ごうし)。遊就館には「祭神」となった戦没者の遺書が収集されており、神社側が合祀を終えたBC級戦犯の遺書を集めるために国に依頼した可能性がある。

 通知は、管内に居住する遺族に出品依頼の趣旨を伝え、出品希望者がいた場合には都道府県を通じて、または直接神社に送るよう指示している。

 通知に付けられた「出品要領」は、遺書について(1)亡くなる直前に直筆で書かれたもの(2)内容は父母や妻子にあてたものか、裁判内容について訴えたもの??と内容を限定。なるべく死亡時に近い本人の写真1枚を付けるよう指定した。これ以外は「靖国神社と協議のうえ決定する」とした。

 遊就館は1882年2月に開館。陸軍省管轄の国立の軍事博物館だったが、敗戦で閉鎖され、46年末に施設や陳列品は靖国神社の管理下に置かれた。61年4月の春の例大祭から宝物遺品館として一部復活し、一般公開を開始。86年7月に正式に再開し、02年7月、創立130年記念事業の一環で新館を増設して展示を改めた。戦没者の遺品や歴史資料、古今の武器類など収蔵品は約10万点に及ぶという。

 最近の展示の特徴は、太平洋戦争を「大東亜戦争」と呼び、戦争の性格を「自衛のための戦争」と位置づけていることにある。』

 昭和天皇が合祀に反対していたのに,靖国神社が戦争犯罪者を奉るのは何故なのだろうか.しかも,太平洋戦争を「大東亜戦争」と呼び、戦争の性格を「自衛のための戦争」として展示を行うとなるとますます意味がわからない.信教と思想の自由は認めてもよいが,こうなってくると靖国神社は神道の宗教団体ではなく戦争を肯定する政治思想を持つ団体ということになるのではないだろうか.もしそうなら宗教を隠れ蓑にするようなことはやめるべきだろう.

 旧厚生省については毎度のことであるが,自分達の立場がわかっていないとしか言いようがない.これが,今の厚生労働省の前身なのだから,後は推して知るべしであろう.ライ病,公害病,薬害肝炎,薬害エイズ,年金破綻,保健医療破綻,一連の不祥事は旧厚生労働省からの省庁としての自覚の無さからきた体質的なものということだろう.やることがスキだらけで,責任感のかけらもないということが明らかだ,

 靖国神社にしても厚生労働省にしても社会的な影響力についての自覚があれば,わざわざ墓穴を掘るようなまねはしないのだろうが,いったい何を考えているのか私には理解できない.天皇家が参拝しない神社や政教分離に反する省庁っていったい何なのであろうか.もっとも,それを是とする総理大臣やその総理大臣を支持する国民がいるということが根本的な問題と言えるのかも知れないが...
『 -- 年金不正免除、本庁職員が方法伝えた事例 「個人的に」 --

 国民年金保険料の不正免除問題について調べている厚生労働省の検証委員会は27日、社会保険庁本庁の組織的な関与はなかったものの、不正拡大に本庁職員が個人的に関与したと疑われる事例があったことを明らかにした。事実関係を確認し、8月3日に最終報告をまとめる。

 検証委座長の西川京子政務官は、27日会見し、「長官以下、組織的に指示していた事実はない」としたうえで、本庁職員が不正免除の方法を地方事務局の職員に非公式に伝えた事例などがあったと話した。

 本庁の専門官が岐阜社会保険事務局の担当者に埼玉社保局での不正事例を情報提供としてメールで知らせた事例、三重県四日市市役所の職員が三重社保局の不正な免除方法について本庁に指摘していた事例など。ほかにも本庁職員がかつて勤務していた地方事務局の職員との個人的なつながりで情報をやりとりしていた事例があったという。

 西川政務官は「個人レベルで情報を入手しても、上司に報告しないなど、組織としてなっていない」として、社保庁全体の統制がとれていないことが不正拡大の一因とする見方を示した。 』

 現在の年金給付は,3分の1が税金でまかなわれていて,免除者は一銭も保険料を支払わなくても,将来,給付額の3分の1(税金分)がもらえるらしい.そのため,社会保険庁が見かけの納付率を上げるために行った不正免除のツケは,将来私たちの税金となってはねかえってくるそうだ.年金を目減りさせただけでなく,納税者の負担で自分たちの不手際を隠そうとする役人根性が情けない.

 そして,この調査結果である.「社会保険庁本庁の組織的な関与はなかった」なんていうことをいったい誰が信じられるであろうか.あくまでも本庁と地方事務局の職員の個人的な仕業であるということにするあたりが典型的なトカゲのしっぽ切りに見えるのは私だけではないだろう.これほど大規模な不正行為が平然と行われ,結局は職員の個人的責任として詰め腹を切らせて済むのが公務員の世界なのだろうか.まるで時代劇の悪代官みたいで滑稽でさえある.

 年金も保険医療も社会保険庁に破綻させられても国民は黙って納税を続けるなんてまったく馬鹿げた話である.納税者としてはっきり言っておこう.「誰の責任であろうと,組織保全のためにこの制度を悪用した社会保険庁などもういらない」のだと.これからは,税金の無駄遣いを防ぐために官庁への国民の監視の目を厳しくするしかないだろう.
 
『 -- トヨタ、米国でプリウスなど40万台リコール --

 トヨタ自動車は19日、米国で販売したハイブリッド乗用車「プリウス」や、ハイブリッド型を含むスポーツ用多目的車(SUV)レクサスRX(日本名ハリアー)など約40万台について、センサーなどに不具合が見つかったとしてリコール(回収・無償修理)を米当局に届け出たことを明らかにした。

 01〜02年型のプリウス8500台と小型乗用車エコー(同プラッツ)2万6200台は、エンジン内のセンサーの不具合で走行中にエンジンが止まる恐れがあることがわかった。04〜06年型のRXはハイブリッド型を含め13万1800台、同じく04〜06年型SUVのハイランダー(同クルーガー)はハイブリッド型を含め23万5700台が、ともに床面のマットの取り付けの不具合で、アクセルやブレーキの操作に支障が出る恐れがある、としている。

 いずれも日本から輸出した車種だという。』

悪い話は続くものだ.今度はハイブリッド車を含めてリコールのようだ.走行中にエンジンが止まったりされたら冬の凍結した路面では何が起こるかわからない.やはり電子部品の多いハイテクな車はちょっとした故障が走行状態に致命的な影響を与えるような気がして信用できない.そうは言っても間もなく走行距離が10万kmになろうというガソリンばか喰いでローテクな愛車も金属疲労で分解したりしないのかちょっと心配になる.器械は信頼性が一番なのはわかっているのだが,何を選べばよいのかは自分で使ってみないことにはわからないのが問題なのだ.
『 -- トヨタ、「リコール必要と判断せず」 熊本県警に反論 --

 トヨタ自動車のRV車「ハイラックス」のリコール問題で、同社は20日午前、報告書を国土交通省に提出し、04年10月のリコール段階で国内外で82件の不具合情報を把握していたことを明らかにした。だが、96年に強度を上げた部品に変更した際の認識については「(大きな力のかかる)特定の環境で起きており、リコールが必要との判断ではない」と主張。危険性を認識しながらリコールなどを怠り、人身事故を引き起こしたとする熊本県警の立件容疑に真っ向から反論する形となった。

 一方、報告書を提出する際、トヨタの瀧本正民副社長は「世間にご迷惑をかけたことはおわびします」と述べた。

 04年8月に熊本県内で5人が重軽傷を負った事故をめぐり、同県警が今月、当時の同社品質保証部長ら3人を業務上過失傷害容疑で書類送検したのを受けて、国交省が21日までの報告を求めていた。

 同社は、ハンドルの動きを前輪に伝える「リレーロッド」が強度不足だとしてリコールを届けた際、国内で11件の不具合があると報告した。

 しかし、報告書などによると、同社はこの時点で国内46件、国外36件の計82件の不具合情報を把握していた。販売会社から文書で報告される市場技術情報、保証期間内の部品交換件数、利用者からの苦情の合計とされ、件数の届け出件数との食い違いについてトヨタは国交省側に「報告内容の精査が不十分だった」などと説明したという。

 また、95〜96年に社内調査で強度不足を認識し、96年3月、強度を高めた部品に変更。同社にはこの時点までに5件の不具合情報が寄せられていたが、駐車場で止まったままハンドルを操作して部品が折れるなど、限られた環境で起きるものと判断したという。リコールの検討会議を開いたのは04年春だったとされる。 』

ガソリンが高騰しいずれはトヨタのハイブリッドかなと思っていたのだが,コスト削減のために部品の強度が不十分なまま放置されていたというのが事実ならいくら販売台数が多くても私はトヨタの車は買わないだろう.古いモデルの部品をそのまま流用したのが原因と書いてあったが,部品の共用化でこうしたことが起きるのであれば車種が多いというのはあまりいいことではないのかも知れない.

最近話題になっているパロマの湯沸かし器の事故もそうであるが,器械が不具合になるということはそれなりに原因があるからであって頻度が少ないからときちんと原因の究明をしないからいずれ大きな被害がでるのだろう.生命にかかわるような重大な故障は徹底的に原因を究明するという危機管理の意識の問題だと思うのだが,このトヨタ側の説明はいまや世界一の自動車会社のものとは思えないお粗末な言い訳である.
コメントの続きを書こうと思ったら「娘が疎ましく」なったと自供したようなので,真相がわかるのももうすぐと思い削除しました.豪憲君殺害の動機についてはやはり豪憲君の母親が畠山鈴香容疑者を不憫に思いプレゼントしたビデオが仇になったのではないかという気がします.

警察の捜査もこれだけ児童が犯罪に遭ったり,親による虐待が社会問題になっている時代に,最初に親が犯人である可能性をきちんと検証しなかった点が問題でしょう.私も子供の怪我をみたらまず親を疑って可能性を除外するのが今では医師の常識だと思って診療しています.

母親といえば,小児科の救急外来をやればわかることですが,いまどきの35歳前後の母親は非常識な人が多いのに驚きます.子供の体を心配しているのか自分の都合を優先しているのかわからない人が多いのです.また,注意して説明しないと突然激昂するのもこの年代の人たちです.教育が関係しているのでしょうか.

ついでに言うと50代半ばの女性も要注意だと思います.
『 -- 福井総裁、運用益1473万円 報酬の3割返上 --

 日本銀行の福井俊彦総裁は20日、村上ファンドへの投資問題について日銀本店で記者会見し、当初は1000万円だった元本が05年末時点で2231万円に膨らんだ、と発表した。総裁就任後の投資継続は「不適切だった」と認め、報酬月額の3割を半年間返上すると表明したが、「批判を受け止めて職務を全うしたい」と辞任する考えはないことを改めて強調した。日銀から報告を受けた衆院委員会は22日の閉会中審査で、この問題を引き続き取り上げることを決めた。

 福井氏の説明によると、富士通総研理事長時代の99年10月に1000万円を投資。まだ理事長だった01年春に、ファンドの改組でいったん242万円の利益を得た後、元本を現在のファンドに再投資した。現ファンドでの運用益は昨年末時点で1231万円で、運用益は当初からの総額で1473万円になる。福井氏は「巨額にもうかっている感じはない」と13日の国会で答弁していた。

 福井氏は、受け取った242万円に加え、6月末時点での残高から手数料や税金を払った後の全額を、慈善団体などに寄付する意向だ。元本を含めて放棄する理由について「(投資先が)すべて適正であれば、元本まで返す必要はなかったかもしれない」と、自らの資金が村上世彰容疑者によるインサイダー取引に回った可能性を否定できない点を挙げた。

 また、保有している株式は、商船三井など社外取締役だった3社計2万株と、顧問を務めた新日鉄など2社計1万5千株。20日時点での時価合計額は約3400万円になり、福井氏が総裁に就任した03年3月時点と比べて2.5倍に増加。いずれも民間在任中に取得し、総裁就任後の売買はしていないとしたが、透明性を高めるために信託などの措置をとる考えを示した。

 報酬の自主返上は、一連の行為が「内部ルールに違反はしていないものの、国民の信頼を損ねたけじめをつける」ために自ら決断したと述べた。そのうえで「反省すべきは反省し、批判は率直に受け止めて職責を全うする」と、改めて強い意欲を示した。

 さらに、総裁ら政策委員9人に理事、監事を加えた役員の金融取引に関する内部規定を早急に見直すと表明。武藤敏郎副総裁を議長とする検討会議を設置してこの日初会合を開き、外部有識者の意見を聞きながら、外国の中央銀行のルールを参考に決める方針だ。

 日銀は一連の対応でけじめとする考えだが、総裁辞任を求める方針の民主党は22日の衆院財務金融委員会に福井氏を呼び、改めてトップとしての適格性を問う姿勢だ。』

 村上ファンドのやったことはインサイダー取引で証券取引法上の違法行為.福井俊彦総裁の場合は内規にも違反していないが道義的な責任.どっちが悪質なのかは法律上は明らかだ.では,人間としてどちらが良心的なのだろうかという問題になると議論が分かれるのではないだろうか.

 私は本人が総裁就任後の投資継続は「不適切だった」と認め、報酬月額の3割を半年間返上し現ファンドでの運用益を元本を含めて放棄するというペナルティを自らに課した点を評価してあげていいと思う.相田みつをさんが言うところの「あやまりっぷりのいい人間」が福井俊彦総裁で,村上世彰は「べんかいのうまい人間」なのではないでしょうか.どっちでもなくて男として情けないのはやっぱりホ○エ○ンでしょうか.

 本人がちゃんと反省しているのだったら総裁辞任を求める方針の民主党も勢いづいてやぶ蛇にならないように気をつけたほうがいいと思うのですが...  
『 -- 「文化庁の体制、無責任」 高松塚壁画損傷で調査委 --

 奈良県明日香村の高松塚古墳(特別史跡、7世紀末〜8世紀初め)で、防護服未着用の工事によってカビの大量発生を招いたとされる問題や国宝壁画の損傷事故について、文化庁の調査委員会(委員長=石澤良昭・上智大学長)が、背景に「庁内の無責任体制」や「担当課の連携不足」があったとする報告書案をまとめたことが14日、関係者の話でわかった。壁画の劣化原因はこれまで地球温暖化などとされてきたが、報告書案は同庁の体質自体を問題視し、劣化が「人災」であることを強く示唆している。

 調査委は15日、東京都内で9回目の会合を開いて報告書案を調整し、今月下旬にも最終会合で成案をまとめる予定。今のところ調査委には、当時の関係者個人の責任問題に強く踏み込む考えはないが、文部科学相は調査委の結論を待って関係者の処分を検討する考えを示しており、報告書完成まで曲折も予想される。

 複数の関係者によると、報告書案は(1)庁内の「無責任体制」や「思考停止的」姿勢が適切な対応を遅らせ、カビの大量発生を招いた(2)事故などを積極的に公表する努力をしなかった(3)特別史跡の墳丘を記念物課、国宝壁画を美術学芸課がそれぞれ管理する「縦割り」が、連携不足を招いた??などと指摘した。

 また02年1月、電気スタンドの接触で損傷するなどした壁画を泥で補修した問題について、美術学芸課の主任文化財調査官(当時)が主導的役割を果たしたと認定。特定の個人に権限が集中していた点を問題視し、現場の専門家に頼った管理体制の甘さを指摘した。

 損傷事故を部課長レベルの協議で非公表と決めたことについて、「隠蔽(いんぺい)する自覚さえなかった」とし、それ自体が隠蔽体質などと批判した。』

 小学校の通知表の「愛国心」の評価項目には「我が国の歴史・政治・国際社会に関心をもち、意欲的に調べることを通して国を愛する心情をもつ」とあるようだが,我が国の歴史的文化遺産を調査する文化庁がこの程度ではまず文部科学省の公務員に愛国心教育をする必要がありそうだ.

 文部科学省に限らず日本銀行の福井俊彦総裁が村上ファンドに1000万円を投資していた問題なども同様である.国家の中枢にいる者が私利私欲のためと思われても仕方がない行為を平然と行うことは国民への背信行為で国を愛しているとは思えない.国家とは国民があってこそ成り立つものなのである,相変わらず年金や医療で国民を窮地に追い込むようなことを続けている厚生労働省の職員には特に愛国心教育が必要だろう.

 
『 -- サポーターら殴り合い、数人けが 山梨の観戦会場 --

 13日午前0時ごろ、サッカーW杯ドイツ大会の日本対豪州戦を観戦する山梨県韮崎市本町4丁目のパブリックビューイング会場で、サポーターの若者10人ほどが殴り合う騒ぎがあり、数人が軽いけがを負った。山梨県警韮崎署は、暴行の疑いもあるとみて、関係者から事情を聴いている。

 同署によると、市営総合運動場体育館での試合観戦後、一部の若者が「日本が負けたのににやにやしている」などと因縁をつけ、もみ合いになったという。

 同夜のパブリックビューイングでは、約400人のサポーターが観戦した。韮崎市は、日本代表の中田英寿選手の母校・韮崎高校がある。 』

『 -- 療養病床削減の影響懸念 参院が地方公聴会 --

 参院厚生労働委員会は12日、高齢者の負担増や入院日数の短縮で医療給付費の抑制を図る医療制度改革関連法案について、北海道千歳市で地方公聴会を開いた。高齢者が長期入院する療養病床の削減による影響を懸念する意見が相次ぎ、受け皿づくりの必要性が指摘された。

 苫小牧東病院の橋本洋一(はしもと・よういち)理事長は「病院経営に大きな打撃を与えるだけでなく、淘汰(とうた)される病院の続出も予想される」と懸念を表明。北海道勤労者医療協会の堀毛清史(ほりけ・きよし)副理事長は「地域医療そのものが崩壊しかねない」と述べ、同法案の廃案を訴えた。

 一方、北海道医師会の山本直也(やまもと・なおや)常任理事は「次の世代のために、このつらさを耐えなければならない」と法案に一定の理解を示した。北海道奈井江町の北良治(きた・りょうじ)町長は「家庭の事情などで入院し続ける社会的入院が多いのも現実だが、この人たちが安心して移行できる受け皿づくりが必要だ」との認識を示した。

 同法案について、13日の委員会で採決するよう求めている与党側に、野党側は「審議が不十分だ」として反発しているが、与党側は同日の質疑終了後に採決する方針だ。』

 W杯の初戦は負けたようだ.ドーハの悲劇以来サッカーは観ていない.日本が負けてがっかりするのが厭だからだ.そもそも自分が出場しているわけでもないのに一喜一憂してもしょうがない.しかし,サポーターほどではないにせよ今週はテレビでサッカー観戦に興じる人は多いのだろう.テレビを観るだけで日頃のストレスが解消されるならそれはそれで結構なことだ.だが,たとえ日本が負けてもそのウサばらしを他の観客にするのはやめてもらいたいものだ.

 ところで,国民の関心がサッカーに向いている間に医療制度改革関連法案というまれにみる悪法がロクな議論もされないままに成立しようとしている.サッカー観戦に興じている若者にわかるはずもないだろうが,それがどんなに自分たちにとって負担の大きいものかは彼らの親が病気になった時にいやというほど思い知ることになるのだろう.

 ここでもまた知らぬが仏なのだが,その時になって病院や医師にウサばらしされるのではないかと心配になるのは私だけだろうか.今の日本は知らない者がバカを見るような社会になっているということに気づいて冷静に考えれば,こんなものはマスコミの猫だましだということくらいわかるのではないだろうか.小泉首相を筆頭に政府や官僚そしてマスコミまでもが一体になってお人好しな国民をだましているような気がするのは私だけだろうか.
『 -- シンドラー社は説明拒否、住民怒り エレベーター事故 --

 都立高校2年の男子生徒(16)が東京都港区の公共住宅のエレベーターに挟まれて死亡した事故で、事故機を製造したシンドラーエレベータ(東京都江東区)が住民説明会への出席を拒否し続けている。区長からの要請にも応えず、6日夜の説明会にも姿を現さなかった。

 「なぜ、呼べないのか」「製造会社がいないのでは、説明を聞いても仕方がない」。集まった住民約100人から怒りの声があがり続けた。

 5日夜、午後7時から3時間半に及んだ住民説明会。住宅を管理する区住宅公社や区の幹部、保守・点検を委託された会社の担当者が並んだが、シンドラーの関係者の姿はなかった。

 開始から1時間半。「職員でだめなら、区長が直接電話してほしい」「どうしても説明を聞きたい」という住民からの再三の要望で、武井雅昭区長が途中退席。同社の担当者を相手に携帯電話で出席を求めたが、答えは「現在進んでいる捜査に支障をきたす理由がある」だった。住民や報道各社にも同じ言葉を繰り返している。

 港区の山田憲司・街づくり支援部長は「住民からも怒りの声があがっている。非常に残念」。区は要請を続けているが、6日夜の説明会にも出席はなかった。

 3日の発生の当夜、土曜ということもあり、区は同社と連絡が取れなかった。4日になって連絡が取れたが、面会要請は断られた。区幹部は「諭しても、反応をいただけない」という。

 シンドラーは現場検証には立ち会っている。6日の生徒の告別式には、ケン・スミス社長が姿を見せた。

 この住宅では、事故機を含めた2基の双方がシンドラー製。事故機でない方は、委託業者が点検した上で5日に運転を再開したが、住民からは「製造元から説明を受けるまでは、怖くて乗れない」という声もあがる。90世帯のうち約半数の住民は階段で昇降しているという。』

『 -- 救出直後に急上昇、最上階を超え激突 エレベーター事故 --

 東京都港区の公共住宅「シティハイツ竹芝」(23階建て)で、都立高校2年の市川大輔(ひろすけ)さん(16)がエレベーターに挟まれ死亡した事故で、市川さんが救出された直後、エレベーターが急上昇し、本来の停止位置から最上階を超えて天井寸前の衝突止めに激しくぶつかって止まっていたことが、警視庁の調べで分かった。同住宅のエレベーター2基では、約3年間で41件ものトラブルが起きていた。

 同庁はブレーキを制御する装置の不具合が事故につながった可能性があるとみて、6日も専門家の立ち会いのもとで現場検証を続けている。

 捜査1課の調べでは、エレベーターは滑車に通したロープで箱部分をつるし、もう一方の端のおもりとでバランスをとる構造。安全を確保するために、各階にあるブレーキパッドと、ドアが閉じないと稼働しないための安全装置が連動しており、乗降中に動き出さないよう屋上にある機械室で制御している。

 ところが、12階の天井部分に挟まれていた市川さんが救出された際、作業員が電源を切ったにもかかわらずエレベーターは急上昇し、最上階の停止位置を超えて天井寸前に達していた。衝撃で8本あるワイヤのうち3本が滑車から外れたという。エレベーター管理会社によるとこうした急上昇は「突き上げ」と呼ばれ、発生はきわめて少ないという。

 事故当時、同じエレベーターには女性(57)が同乗していたが、急上昇する前に13階から救助されていたため無事だった。

 同住宅を管理する港区住宅公社が過去のトラブルについて調べたところ、03年4月以降、エレベーター2基で計41件に上ることが分かった。公社は4日の会見で「不具合は19件」としていたが、その後の調査で新たに報告が寄せられたという。公社はエレベーターが稼働し始めた98年までさかのぼって調査を進めており、トラブル件数はさらに増える可能性もある。

 警視庁は制御装置の不具合が事故につながった可能性があるとみて、過去のトラブルを詳細に分析し、事故原因の特定を進めている。 』

 以前からエレベーターに一人で乗る時に時々思っていたことがある.それは映画のようにケーブルが切れて落下することと乗り降りする時にそれが起こったらどうなるかということである.だが,エレベーターは落下を感知すると自動的にブレーキがかかるという話は聞いたことがあったのでなんとかなるだろうくらいに思っていた.

 だが,今回は落下ではなく上昇だったのでブレーキは働かなかったのだろうか.私は医療事故事故防止委員会で「考えられる事故は起こる」とよく言っているのだけれども,まさかエレベーターでこんな事故が本当に起きるとは思わなかった.こんな事故が起きることを予想できた人はまずいないだろうが,考えてみれば起こる可能性はある事故なわけだから製造者側の責任は逃れられないだろう.

 シンドラー社は外資系の会社で競争落札で業者を決定する官公庁に納入されていることが多いようだから自分が毎日使っているエレベーターが同社のものだったらさぞかし気持ちが悪いことだろう.実は私も今朝確認したら国産有名ブランドだったので少し安心している.

 事故の犠牲となった高校生も同乗していた女性も突然のことで何がなんだかわからなかっただろうが,考えてみれば予期せぬ事故というのは誰にでも起こり得るわけである.生と死はいつも紙一重で存在しているが,いつ自分が死ぬかはわからないということにまた気づかされた.『人間には未来を知る力は与えられていない』ということである.
『 -- やはり「死亡率高い」 北海道の医師分析 --

 高血圧、高血糖、高コレステロールより、死につながりやすいのはたばこで、受動喫煙でもアスベストやディーゼル排ガスを上回る被害が出ている――。北海道・深川市立病院の松崎道幸医師(呼吸器内科)が、6日までの世界禁煙週間に東京都内で開かれている日本呼吸器学会で、こう訴える。国内外の各種調査を分析した結果で「禁煙こそが最も重要な病気予防策だ」という。
 松崎医師は、茨城県などが実施した調査に着目した。40歳から79歳までの健診受診者約9万8000人を、93年から03年まで追跡し、検査値や生活習慣と死因を調べた結果、喫煙者の死亡率は、吸わない人に比べて男性で1.6倍、女性で1.9倍だった。これに対し、高血圧や高血糖患者の死亡率は、正常な人と比べてそれぞれ、1.3倍から1.5倍だった。肥満や高コレステロールでは、死亡率は正常な人と変わらなかった。
 特に「現役世代」ともいえる64歳以下の男性では、喫煙者の死亡率は吸わない人の2.1倍に達した。松崎医師は「男性全体の死亡の24%は禁煙していれば防げたと考えられる。たばこが男性の早死にの最大の原因だ」と指摘する。
 一方、喫煙者と同居し受動喫煙を受ける人の年間死亡率は、受けない人に比べ、1.15から1.34倍に高まるとの調査結果が、ニュージーランドと香港で出ている。松崎医師によると、日本に当てはめると、10万人あたり170人から300人程度が、毎年、受動喫煙の影響で死亡することになるという。
 これに比べ、アスベスト(石綿)にさらされる職場で働いた人では、死亡増は年間10万人あたり約100人、東京都心でディーゼル排ガスを吸って暮らす人は同約6人と推定されるという。
 松崎医師は「血圧や血糖が高いと健診で“要治療”とされるが、もっと死亡率が高い喫煙は放置されている。健診で喫煙の有無を調べて、禁煙を強く勧めるシステムが必要だ」と話している。』

 喫煙が悪いことはわかっていてもやめる事ができない人が多い.だから,このニュースを目にしてもやっぱり予防にはならないかもしれない.だが,専門家が悪いものは悪いと言い続けることは大切だろう.

 話として面白い点がこのニュースにはいくつもある.まず,喫煙>高血糖>高血圧の順で死亡率が高いのに,肥満と高コレステロールは死亡率が正常な人と変わらないということ.これは肥満と高コレステロールがあっても他に危険因子が無ければ治療の必要がないということになるのだろうか.

 次に女性の平均寿命が男性より長いのも喫煙の影響かもしれないということ.先進国では男女の喫煙率は共に低下して差がなくなってきているからいずれ男性の寿命も延びるのだろうか.

 それと驚いたのは受動喫煙の害はアスベストをも上回りディーゼル排ガスを吸って暮らす害などそれに比べれば取るに足らないということ.いまだに全面禁煙でない飲食店などいくらでもあるが,食事中に目の前でアスベストをまき散らすのをイメージしたらそれと同等以上の害を他人に与える喫煙はどういう扱いを受けるべきなのかは明らかだろう.

 禁煙パッチで誤魔化していていいのだろうか.本当に国民の健康を考えるなら煙草は発売禁止にするのが理性のある人間のすることだろう.悪いことだとわかっていても止められないのが人間であるが,やったことの始末は自分でするしかないのである.煙草を流通させ税収をあげ,非喫煙者にも同額の健康保険料を負担させ,さらに禁煙パッチも保険適応とする.こんな非合理的な社会でいいのだろうか.

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