『 -- 私物PC使用者に官品支給へ 防衛庁 --
ファイル交換ソフト「ウィニー」を入れた自衛隊員の私物パソコンから業務データが相次いでインターネット上に流出した問題で、防衛庁は7日、職務上必要があるのに官品パソコンが支給されていないすべての隊員に対し、官費でパソコンを支給する方針を固めた。数十億円規模の予算が必要だが、庁として情報保全に万全を期すためには、05年度予算の中から緊急措置としてパソコン購入費用を支出することを決めた。
防衛庁によると、昨年11月の時点で、職場で私物パソコンを使っている隊員は陸海空3自衛隊で約6万7000人(陸6万人、海2000人、空5000人)。背景には、官品支給のパソコンの数が限られているため、業務上必要なのにパソコンが支給されていなかったり、複数の隊員で1台を共用したりして不便を感じている実情がある。
海自護衛艦乗組員の私物パソコンから「秘」を含む大量の業務データが流出した事件を受け、防衛庁は(1)職場での私物パソコンからのファイル交換ソフトの削除(2)私物パソコンからの秘密情報の削除――などについて事務次官通達を出していたが、抜本的な対策のためには「職場からすべての私物パソコンを排除する必要がある」(防衛庁幹部)と判断した。 』
『 -- 警察のパソコン、「ウィニー」使用禁止 警察庁が通達 --
岡山県警などで内部情報が相次いでインターネット上に流出した問題を受けて、警察庁は7日、全国の都道府県警に対し、警察署内などにある公務で使用するパソコンを緊急点検し、情報セキュリティー対策を徹底するように通達した。
通達では、承認のない機器は警察に関する情報を削除したうえで撤去し、パソコンなどを庁舎外に持ち出す場合は警察情報は暗号化するよう求めている。さらに、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」の使用や、無許可でのインターネットへの接続を禁止した。
警察庁によると、全国の警察官の約4割が私物のパソコンを業務で使用しており、ウィニーが導入されていないか個々で点検、警察署長らに報告させる。家族にも情報管理の徹底を説明し、ウイルス対策をするよう求めている。』
「Winny(ウィニー)」の開発者,47氏こと東京大助手金子勇氏を逮捕したのは京都府警だったはずだが,全国の警察官がその後もWinnyの愛用者だったとは皮肉な話である.いつもこの手のニュースを読んで思うのだが,悪いのは私物のパソコンに業務の個人データや機密データをコピーして使うことであって,Winnyを私物のパソコンに入れておくことではない.
マスコミも著作権団体と利害関係があるのか,Winnyを悪者扱いだがこうしたデータの漏えいを起しているのはWinnyで流されているファイルに寄生したコンピュータウィルスという悪意のもとに作られたプログラムであって,Winnyは本来は指定したファイル以外をネットワークに流すようなプログラムではないようだ.だから,マスコミの報道はおそらく意図的なWinny排除へのキャンペーンなのであろう.
そういう視点で見ると自衛隊と警察の対応には明確な差があって面白い.もちろん正しいのは自衛隊のほうで,機密保持のためには私物のパソコンを基地内から撤去するのが正しい選択だろう.警察のようなことを言うなら私物パソコンでインターネットに接続すること自体を禁止せざるを得なくなるだろう.他にもっと新しいファイル共有ソフトだってあるのだから.
ファイル交換ソフト「ウィニー」を入れた自衛隊員の私物パソコンから業務データが相次いでインターネット上に流出した問題で、防衛庁は7日、職務上必要があるのに官品パソコンが支給されていないすべての隊員に対し、官費でパソコンを支給する方針を固めた。数十億円規模の予算が必要だが、庁として情報保全に万全を期すためには、05年度予算の中から緊急措置としてパソコン購入費用を支出することを決めた。
防衛庁によると、昨年11月の時点で、職場で私物パソコンを使っている隊員は陸海空3自衛隊で約6万7000人(陸6万人、海2000人、空5000人)。背景には、官品支給のパソコンの数が限られているため、業務上必要なのにパソコンが支給されていなかったり、複数の隊員で1台を共用したりして不便を感じている実情がある。
海自護衛艦乗組員の私物パソコンから「秘」を含む大量の業務データが流出した事件を受け、防衛庁は(1)職場での私物パソコンからのファイル交換ソフトの削除(2)私物パソコンからの秘密情報の削除――などについて事務次官通達を出していたが、抜本的な対策のためには「職場からすべての私物パソコンを排除する必要がある」(防衛庁幹部)と判断した。 』
『 -- 警察のパソコン、「ウィニー」使用禁止 警察庁が通達 --
岡山県警などで内部情報が相次いでインターネット上に流出した問題を受けて、警察庁は7日、全国の都道府県警に対し、警察署内などにある公務で使用するパソコンを緊急点検し、情報セキュリティー対策を徹底するように通達した。
通達では、承認のない機器は警察に関する情報を削除したうえで撤去し、パソコンなどを庁舎外に持ち出す場合は警察情報は暗号化するよう求めている。さらに、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」の使用や、無許可でのインターネットへの接続を禁止した。
警察庁によると、全国の警察官の約4割が私物のパソコンを業務で使用しており、ウィニーが導入されていないか個々で点検、警察署長らに報告させる。家族にも情報管理の徹底を説明し、ウイルス対策をするよう求めている。』
「Winny(ウィニー)」の開発者,47氏こと東京大助手金子勇氏を逮捕したのは京都府警だったはずだが,全国の警察官がその後もWinnyの愛用者だったとは皮肉な話である.いつもこの手のニュースを読んで思うのだが,悪いのは私物のパソコンに業務の個人データや機密データをコピーして使うことであって,Winnyを私物のパソコンに入れておくことではない.
マスコミも著作権団体と利害関係があるのか,Winnyを悪者扱いだがこうしたデータの漏えいを起しているのはWinnyで流されているファイルに寄生したコンピュータウィルスという悪意のもとに作られたプログラムであって,Winnyは本来は指定したファイル以外をネットワークに流すようなプログラムではないようだ.だから,マスコミの報道はおそらく意図的なWinny排除へのキャンペーンなのであろう.
そういう視点で見ると自衛隊と警察の対応には明確な差があって面白い.もちろん正しいのは自衛隊のほうで,機密保持のためには私物のパソコンを基地内から撤去するのが正しい選択だろう.警察のようなことを言うなら私物パソコンでインターネットに接続すること自体を禁止せざるを得なくなるだろう.他にもっと新しいファイル共有ソフトだってあるのだから.
『 -- 駒大苫小牧高3年生野球部員ら14人、飲酒・喫煙で補導 --
卒業式を終えた野球部の3年生部員10人とバスケットボール部員らが市内の居酒屋で飲酒・喫煙して補導された駒大苫小牧高校
夏の甲子園で連覇を果たし、今春の選抜大会への出場が決まっている駒大苫小牧高校(北海道苫小牧市)の野球部員10人を含む3年生14人が、同市内の居酒屋で飲酒や喫煙をして警察に補導されていたことが2日分かった。同校では昨夏の優勝後にも、当時の野球部長の暴力事件が発覚している。
同校などによると、卒業式があった1日の夜、野球部10人、バスケットボール部4人の3年生ばかり計14人が、市内の居酒屋で飲酒、喫煙するなどしていた。店内で騒いだため、別の客が通報した。野球部員の中には昨夏の優勝時のベンチ入りメンバー5人も含まれていたという。
卒業式後、校内であった野球部父母会主催のお別れ会の後、野球部員らは居酒屋に向かったらしい。補導された部員や保護者らは、学校に対して「大変なことをした」「申し訳ない」などと話しているという。同校では部員らに事情を聴く一方、3日にも臨時職員会議などを開いて対応を協議することにしている。
同校は、昨年夏にも当時の部長が、3年生の部員に2度暴力を振るったことが発覚、部長らが処分されている。
篠原勝昌校長は「道義的な責任は感じている。今後の対応は、最終的に私が判断したい」と話している。
日本高校野球連盟は今回の不祥事について、8日の審議委員会で対応を協議するとしている。』
卒業日までは登録が残っているそうだから,卒業した3年生も当然野球部員として処分され,その影響は今春の選抜大会まで及ぶというのがルールを厳密に適用するということだろう.
卒業式が終わった開放感でやってしまったんだろうが,そんな甘い考えは通用しないということを勉強するいい機会になっただろう.後輩たちには迷惑な話であろうが,やってしまったことはもうなかったことにはできないのである.かわいそうだが学校も残された野球部員もだまって処分を待つしかないだろう.
野球で有名になったことで普段の行動も注目されているのに不祥事を起してしまった責任は彼ら自身がとらなければいけないし,まだ若いんだから甘い考え方を反省する時間も十分あるだろう.だから彼らについては残念ではあるが責めるつもりはない.
むしろ責められるべきは周囲の大人たちであろう.野球部の指導者はもちろん学校の中にだれかがこういう事態を予測して教えておけばこんなことは起こらなかっただろう.また,野球部を応援していた地域の大人たちも注意しなかったのだろうか.この居酒屋で働いていた大人たちは気づかなかったのだろうか.
まあ,大学の新歓コンパがいい例で,実際には高校を卒業したら酒も煙草もやっているのであろうが,それはやっぱりルール違反なのである.問題にならなければいいのだろうが,現実に問題になることも多々あるわけで,甘い考えでいると痛い目に会うということを本人達も周囲の大人も学習したということでいいのかもしれない.
卒業式を終えた野球部の3年生部員10人とバスケットボール部員らが市内の居酒屋で飲酒・喫煙して補導された駒大苫小牧高校
夏の甲子園で連覇を果たし、今春の選抜大会への出場が決まっている駒大苫小牧高校(北海道苫小牧市)の野球部員10人を含む3年生14人が、同市内の居酒屋で飲酒や喫煙をして警察に補導されていたことが2日分かった。同校では昨夏の優勝後にも、当時の野球部長の暴力事件が発覚している。
同校などによると、卒業式があった1日の夜、野球部10人、バスケットボール部4人の3年生ばかり計14人が、市内の居酒屋で飲酒、喫煙するなどしていた。店内で騒いだため、別の客が通報した。野球部員の中には昨夏の優勝時のベンチ入りメンバー5人も含まれていたという。
卒業式後、校内であった野球部父母会主催のお別れ会の後、野球部員らは居酒屋に向かったらしい。補導された部員や保護者らは、学校に対して「大変なことをした」「申し訳ない」などと話しているという。同校では部員らに事情を聴く一方、3日にも臨時職員会議などを開いて対応を協議することにしている。
同校は、昨年夏にも当時の部長が、3年生の部員に2度暴力を振るったことが発覚、部長らが処分されている。
篠原勝昌校長は「道義的な責任は感じている。今後の対応は、最終的に私が判断したい」と話している。
日本高校野球連盟は今回の不祥事について、8日の審議委員会で対応を協議するとしている。』
卒業日までは登録が残っているそうだから,卒業した3年生も当然野球部員として処分され,その影響は今春の選抜大会まで及ぶというのがルールを厳密に適用するということだろう.
卒業式が終わった開放感でやってしまったんだろうが,そんな甘い考えは通用しないということを勉強するいい機会になっただろう.後輩たちには迷惑な話であろうが,やってしまったことはもうなかったことにはできないのである.かわいそうだが学校も残された野球部員もだまって処分を待つしかないだろう.
野球で有名になったことで普段の行動も注目されているのに不祥事を起してしまった責任は彼ら自身がとらなければいけないし,まだ若いんだから甘い考え方を反省する時間も十分あるだろう.だから彼らについては残念ではあるが責めるつもりはない.
むしろ責められるべきは周囲の大人たちであろう.野球部の指導者はもちろん学校の中にだれかがこういう事態を予測して教えておけばこんなことは起こらなかっただろう.また,野球部を応援していた地域の大人たちも注意しなかったのだろうか.この居酒屋で働いていた大人たちは気づかなかったのだろうか.
まあ,大学の新歓コンパがいい例で,実際には高校を卒業したら酒も煙草もやっているのであろうが,それはやっぱりルール違反なのである.問題にならなければいいのだろうが,現実に問題になることも多々あるわけで,甘い考えでいると痛い目に会うということを本人達も周囲の大人も学習したということでいいのかもしれない.
法の下の平等ってなんだっけ
2006年3月2日 社会の問題 コメント (4)『 -- 松本被告の次男の入学拒否 埼玉の私立中 --
オウム真理教元代表・松本智津夫(麻原彰晃)被告(51)=一審死刑、控訴中=の次男が私立中学を受験して合格したが、学校側が入学を拒否していたことが2日分かった。
入学を拒否したのは埼玉県春日部市の春日部共栄中学校。次男の代理人の弁護士によると、合格発表は1月18日。入学金を支払った後の2月7日、学校側から電話で「松本被告の息子とわかったため、入学を辞退してほしい」と言われたという。
学校側は2月11日、代理人の弁護士に対し、学校敷地内への次男の立ち入りを禁ずると通告。その後、「2月19日の入学説明会に来なかったから形式的にも入学資格がない。入学金などを返還するため振込先の口座を教えてほしい」と内容証明郵便を送ってきたという。次男の代理人は「仮処分申請や提訴を含めて対応を検討したい」としている。
松本被告の三女も03年と04年、合格した複数の大学に入学を拒まれた。このうち和光大について、東京地裁は今年2月、「不許可は違法」として損害賠償を命じる判決を出した。三女は別の私立大にも入学を拒否され、学生としての地位保全を求める仮処分を申請。東京地裁がこれを認め、現在はこの大学に通っている。
〈春日部共栄中の矢口秀樹校長の話〉 中学生は互いに影響しあいながら勉強することが大事。保護者も安心して通わせることを求めている。教団の影響下にないとは言い切れない生徒を入学させれば大きな支障が出る恐れがある。本人に罪はないが、現在の教育環境を守りたい。』
あまりに情けないやり方である.生徒を選別するのは学校側の自由なのだろうが,それにしても電話で「松本被告の息子とわかったため、入学を辞退してほしい」と言ったあとに,「2月19日の入学説明会に来なかったから形式的にも入学資格がない。」と付け加えるあたりその理由がなんとも情けない.
学校側も他の保護者からのクレームを恐れたのだろう.教育者としての誇りというものはないのだろう.「本人に罪はないが、現在の教育環境を守りたい。」と言ってみたところで厄介ばらいしたいという本音がみえみえで空々しい.
本当に本人に罪がないと思っているのなら,正しく教育して教団から救済するのが真の教育者なのではないだろうか.これは建前論のように聞こえるかも知れないが,教育が大人の本音と都合で行われたら生徒のほうもばかばかしくて付き合ってられないのではないだろうか.
教育の現場にさえ理想とか高い志というものがないのだから,高校生になる頃には『享楽的で、「人並み」意識が強く、意欲が少ない』つまらない大人みたいになってしまうのも無理はないのかもしれない.
オウム真理教元代表・松本智津夫(麻原彰晃)被告(51)=一審死刑、控訴中=の次男が私立中学を受験して合格したが、学校側が入学を拒否していたことが2日分かった。
入学を拒否したのは埼玉県春日部市の春日部共栄中学校。次男の代理人の弁護士によると、合格発表は1月18日。入学金を支払った後の2月7日、学校側から電話で「松本被告の息子とわかったため、入学を辞退してほしい」と言われたという。
学校側は2月11日、代理人の弁護士に対し、学校敷地内への次男の立ち入りを禁ずると通告。その後、「2月19日の入学説明会に来なかったから形式的にも入学資格がない。入学金などを返還するため振込先の口座を教えてほしい」と内容証明郵便を送ってきたという。次男の代理人は「仮処分申請や提訴を含めて対応を検討したい」としている。
松本被告の三女も03年と04年、合格した複数の大学に入学を拒まれた。このうち和光大について、東京地裁は今年2月、「不許可は違法」として損害賠償を命じる判決を出した。三女は別の私立大にも入学を拒否され、学生としての地位保全を求める仮処分を申請。東京地裁がこれを認め、現在はこの大学に通っている。
〈春日部共栄中の矢口秀樹校長の話〉 中学生は互いに影響しあいながら勉強することが大事。保護者も安心して通わせることを求めている。教団の影響下にないとは言い切れない生徒を入学させれば大きな支障が出る恐れがある。本人に罪はないが、現在の教育環境を守りたい。』
あまりに情けないやり方である.生徒を選別するのは学校側の自由なのだろうが,それにしても電話で「松本被告の息子とわかったため、入学を辞退してほしい」と言ったあとに,「2月19日の入学説明会に来なかったから形式的にも入学資格がない。」と付け加えるあたりその理由がなんとも情けない.
学校側も他の保護者からのクレームを恐れたのだろう.教育者としての誇りというものはないのだろう.「本人に罪はないが、現在の教育環境を守りたい。」と言ってみたところで厄介ばらいしたいという本音がみえみえで空々しい.
本当に本人に罪がないと思っているのなら,正しく教育して教団から救済するのが真の教育者なのではないだろうか.これは建前論のように聞こえるかも知れないが,教育が大人の本音と都合で行われたら生徒のほうもばかばかしくて付き合ってられないのではないだろうか.
教育の現場にさえ理想とか高い志というものがないのだから,高校生になる頃には『享楽的で、「人並み」意識が強く、意欲が少ない』つまらない大人みたいになってしまうのも無理はないのかもしれない.
『 -- 酒抜き後の出頭を許さず 危険運転致傷罪で男を起訴 --
7人にけがを負わせ逃走、事故翌日に出頭して業務上過失致傷容疑などで逮捕された男を、悪質な飲酒運転だったとして、大阪地検が法定刑の重い危険運転致傷などの罪で起訴していたことが25日、分かった。
業務上過失致傷罪は5年以下の懲役もしくは禁固、罰金50万円以下なのに対し、危険運転致傷罪は15年以下の懲役。同罪が2001年に新設されて以降、事故後にアルコールが抜けるのを待ち出頭するケースが増えており、厳しい姿勢を示した。
起訴されたのは、兵庫県尼崎市のとび職竹内光明被告(36)。淀川署によると、1月30日午後10時25分ごろ、大阪市淀川区の交差点で、酒に酔って車を運転中に対向車4台に衝突して7人に重軽傷を負わせ、車を乗り捨てて逃走。』
以前にも酒を飲んでひき逃げし翌日出頭したというのがあった.この事故での過失とは運転を誤って対向車に衝突したことだけだろう.酒を飲んで運転したことと,現場から逃げたことは故意だろう.
だから,量刑はこの場合,殺人未遂罪が適当だろう.現場にとどまって人命救助にあたれば危険運転致傷罪に情状酌量を加えてもいいかもしれない.救助にあたらず逃走すれば被害者が死亡するかも知れないのに危険運転致傷罪ではまだ甘すぎる.
死ぬかもしれないとわかっていながら逃げたのなら被害者が助かっても殺人未遂罪,被害者が死亡したら殺人罪が適応されるべきだろう.人間のミスは避けられないから過失はみとめるべきであるが,問題は過失を犯したあとの対応であろう.同じ酒を飲んで運転するという間違いを犯したにしても,なんとか助けようとする者と見捨てて逃げた者が同じ量刑になるのはおかしいだろう.
7人にけがを負わせ逃走、事故翌日に出頭して業務上過失致傷容疑などで逮捕された男を、悪質な飲酒運転だったとして、大阪地検が法定刑の重い危険運転致傷などの罪で起訴していたことが25日、分かった。
業務上過失致傷罪は5年以下の懲役もしくは禁固、罰金50万円以下なのに対し、危険運転致傷罪は15年以下の懲役。同罪が2001年に新設されて以降、事故後にアルコールが抜けるのを待ち出頭するケースが増えており、厳しい姿勢を示した。
起訴されたのは、兵庫県尼崎市のとび職竹内光明被告(36)。淀川署によると、1月30日午後10時25分ごろ、大阪市淀川区の交差点で、酒に酔って車を運転中に対向車4台に衝突して7人に重軽傷を負わせ、車を乗り捨てて逃走。』
以前にも酒を飲んでひき逃げし翌日出頭したというのがあった.この事故での過失とは運転を誤って対向車に衝突したことだけだろう.酒を飲んで運転したことと,現場から逃げたことは故意だろう.
だから,量刑はこの場合,殺人未遂罪が適当だろう.現場にとどまって人命救助にあたれば危険運転致傷罪に情状酌量を加えてもいいかもしれない.救助にあたらず逃走すれば被害者が死亡するかも知れないのに危険運転致傷罪ではまだ甘すぎる.
死ぬかもしれないとわかっていながら逃げたのなら被害者が助かっても殺人未遂罪,被害者が死亡したら殺人罪が適応されるべきだろう.人間のミスは避けられないから過失はみとめるべきであるが,問題は過失を犯したあとの対応であろう.同じ酒を飲んで運転するという間違いを犯したにしても,なんとか助けようとする者と見捨てて逃げた者が同じ量刑になるのはおかしいだろう.
『 --「燃える氷」新潟沖に眠る 地下へ柱状100m --
「燃える氷」として、次代の燃料と注目されるメタンハイドレートが新潟県上越市沖の海底に露出し、海底の下約100メートルの地中まで柱状につながっているらしいことを東京大などのグループが見つけ、20日発表した。海底下数百メートルに分布していることが多く、日本周辺で深い場所から海底まで露出しているメタンハイドレートが見つかったのは初めてだ。
メタンハイドレートは、天然ガスの成分のメタン分子を水分子が取り囲み、シャーベット状に固まったもの。深海底下の低温・高圧の場所ででき、火をつけると燃える。東京大、海洋研究開発機構、産業技術総合研究所などが共同で、沖合約30キロ、水深800〜1000メートルを無人潜水艇で調べ、2カ所で採取した。
海底下の電気の流れやすさを調べ、メタンハイドレートは柱状に分布していると推定。地下深部の堆積(たいせき)岩に含まれる有機物が熱で分解され、メタンを発生し、上部に移動したメタンが集積してメタンハイドレートが生成されたらしい。
注目される一方で、メタンは温室効果をもつ。メタンハイドレートが放出するメタンガスで、付近の海水のメタン濃度は数十〜数千倍高かった。グループは、温暖化への影響も探る方針だ。』
『 --「燃える氷」実用化へ 深海資源・メタンハイドレート --
日本近海に100年分の埋蔵量があり、石油代替エネルギーとして期待される「メタンハイドレート」の実用化に向け、経済産業省が本腰を入れ始めた。1月には初めて生産コストの試算をまとめ、今年末にはカナダで抽出実験に乗り出し、採掘技術を確立したうえで、10年後の実用化を目指す。生産コストが高いことがネックだったが、原油価格の急騰で採算ラインに乗る可能性が出てきたとしている。
メタンハイドレートは、メタン分子を水の分子が取り囲んでシャーベット状に固まったもの。氷に似ているが、火を付けると燃えるため、「燃える氷」とも呼ばれる。
穴を掘れば地上に噴き出してくる石油と異なり、固体で深海底に眠るメタンハイドレートは採掘に膨大な費用がかかるため、商業ベースには乗らないとされていた。
ただ、これまで生産コストに関する試算はなかった。このため、経産省が今年1月に初めてシミュレーションをまとめ、メタンハイドレートから抽出したガスの取引価格が1バレル当たり54〜77ドルになることが分かった。
ニューヨーク市場の原油価格は1バレル=60ドル前後で推移している。30ドル程度だった2年前に比べると、メタンハイドレートの価格競争力が増している。液化天然ガス(LNG)も1バレルあたり90ドルという契約例も出てきた。経産省幹部は「今後の価格上昇を考えれば、ついに商業ベースに乗ることが確実になった」と語る。
採掘技術も進んできた。01年のカナダでの実験では氷塊を掘り出すのではなく、掘った穴に温水を注入して解かし、分離したメタンガスを吸い取る「加熱法」による採掘に成功。今年末のカナダでの実験では、加熱法よりもコストが低い新たな「減圧法」を試す。経産省はこの実験を通じて、減圧法の採掘技術を確立したい考えだ。
ただ、日本エネルギー経済研究所の兼清賢介常務理事は「技術的には商業化はまだこれから。世界をリードしている技術の開発を粛々と進めることが肝要だ」と語る。』
エネルギー資源のない日本にとっては石油の高騰は死活問題である.北海道では今年の灯油の高騰が庶民の生活にダメージを与えており政府に備蓄石油の放出を要請したようだ.灯油のみならずガソリンの値上げもわが家の家計には少なからずダメージを与え続けている.
わが国は石油利権の争いとなったイラク戦争に自衛隊を派遣しているが,尖閣諸島問題だって中国とわが国の石油資源をめぐる冷戦と言えるだろう.中国は経済の急成長に伴いエネルギー危機を危惧して必死である.石油資源は世界の貧富の差と争いの原因であるから,石油依存からの脱却は世界平和のために意味のあることだろう.
石油への依存度を下げる代替エネルギーとして有望なメタンハイドレートがわが国の近海で発見されたことは実用化に向けて大きな弾みになるものと期待される.技術的な問題がまだあるようであるが,平和な日本のためには大切な技術であるから早く低コストで安定供給できるように頑張って欲しいと思う.
「燃える氷」として、次代の燃料と注目されるメタンハイドレートが新潟県上越市沖の海底に露出し、海底の下約100メートルの地中まで柱状につながっているらしいことを東京大などのグループが見つけ、20日発表した。海底下数百メートルに分布していることが多く、日本周辺で深い場所から海底まで露出しているメタンハイドレートが見つかったのは初めてだ。
メタンハイドレートは、天然ガスの成分のメタン分子を水分子が取り囲み、シャーベット状に固まったもの。深海底下の低温・高圧の場所ででき、火をつけると燃える。東京大、海洋研究開発機構、産業技術総合研究所などが共同で、沖合約30キロ、水深800〜1000メートルを無人潜水艇で調べ、2カ所で採取した。
海底下の電気の流れやすさを調べ、メタンハイドレートは柱状に分布していると推定。地下深部の堆積(たいせき)岩に含まれる有機物が熱で分解され、メタンを発生し、上部に移動したメタンが集積してメタンハイドレートが生成されたらしい。
注目される一方で、メタンは温室効果をもつ。メタンハイドレートが放出するメタンガスで、付近の海水のメタン濃度は数十〜数千倍高かった。グループは、温暖化への影響も探る方針だ。』
『 --「燃える氷」実用化へ 深海資源・メタンハイドレート --
日本近海に100年分の埋蔵量があり、石油代替エネルギーとして期待される「メタンハイドレート」の実用化に向け、経済産業省が本腰を入れ始めた。1月には初めて生産コストの試算をまとめ、今年末にはカナダで抽出実験に乗り出し、採掘技術を確立したうえで、10年後の実用化を目指す。生産コストが高いことがネックだったが、原油価格の急騰で採算ラインに乗る可能性が出てきたとしている。
メタンハイドレートは、メタン分子を水の分子が取り囲んでシャーベット状に固まったもの。氷に似ているが、火を付けると燃えるため、「燃える氷」とも呼ばれる。
穴を掘れば地上に噴き出してくる石油と異なり、固体で深海底に眠るメタンハイドレートは採掘に膨大な費用がかかるため、商業ベースには乗らないとされていた。
ただ、これまで生産コストに関する試算はなかった。このため、経産省が今年1月に初めてシミュレーションをまとめ、メタンハイドレートから抽出したガスの取引価格が1バレル当たり54〜77ドルになることが分かった。
ニューヨーク市場の原油価格は1バレル=60ドル前後で推移している。30ドル程度だった2年前に比べると、メタンハイドレートの価格競争力が増している。液化天然ガス(LNG)も1バレルあたり90ドルという契約例も出てきた。経産省幹部は「今後の価格上昇を考えれば、ついに商業ベースに乗ることが確実になった」と語る。
採掘技術も進んできた。01年のカナダでの実験では氷塊を掘り出すのではなく、掘った穴に温水を注入して解かし、分離したメタンガスを吸い取る「加熱法」による採掘に成功。今年末のカナダでの実験では、加熱法よりもコストが低い新たな「減圧法」を試す。経産省はこの実験を通じて、減圧法の採掘技術を確立したい考えだ。
ただ、日本エネルギー経済研究所の兼清賢介常務理事は「技術的には商業化はまだこれから。世界をリードしている技術の開発を粛々と進めることが肝要だ」と語る。』
エネルギー資源のない日本にとっては石油の高騰は死活問題である.北海道では今年の灯油の高騰が庶民の生活にダメージを与えており政府に備蓄石油の放出を要請したようだ.灯油のみならずガソリンの値上げもわが家の家計には少なからずダメージを与え続けている.
わが国は石油利権の争いとなったイラク戦争に自衛隊を派遣しているが,尖閣諸島問題だって中国とわが国の石油資源をめぐる冷戦と言えるだろう.中国は経済の急成長に伴いエネルギー危機を危惧して必死である.石油資源は世界の貧富の差と争いの原因であるから,石油依存からの脱却は世界平和のために意味のあることだろう.
石油への依存度を下げる代替エネルギーとして有望なメタンハイドレートがわが国の近海で発見されたことは実用化に向けて大きな弾みになるものと期待される.技術的な問題がまだあるようであるが,平和な日本のためには大切な技術であるから早く低コストで安定供給できるように頑張って欲しいと思う.
『 -- 安藤美姫 号泣騒動 --
フィギュアの安藤美姫が21日の本番を前に行われた記者会見の席上、大泣きした。テレビ局の記者が「亡くなったお父さんのために…」というお涙ちょうだいの質問をして泣かせたのが原因。彼女が8歳で父親を事故で亡くしたことは触れないでおこうとの“紳士協定”が報道陣の間で結ばれていたのを、問題の記者は知らなかったらしい。』
『 -- 亡き父への無神経な質問に美姫泣かされた --
トリノ五輪フィギュアスケート女子代表の安藤美姫(18=愛知・中京大中京高)が号泣した。19日、村主章枝(25)荒川静香(24)と臨んだ記者会見で、亡き父に対する質問に泣き出し、会見はそのまま終了した。本番会場で行われた会見直前の公式練習では、18日に続き2日連続で4回転ジャンプに成功させるなど、調子は急上昇中。21日(日本時間22日)の本番前に予想外のハプニングに見舞われたが、自慢の“切り札”で夢のメダルを目指す。
突然のハプニングだった。共同会見も終盤にさしかかり、最後の質問として手を挙げた日本人テレビ記者が、安藤に問い掛けた。「亡くなられたお父さんにどういう誓いを持って滑りたいか」−。
「えぇと…」とつぶやいた言葉が涙声に変わる。声を振り絞り「プライベートなので、そういう質問にはお答えできません…」と必死で答えると、うつむいて大粒の涙をこぼした。隣のキャロル・ヘイス・コーチに頭を、荒川に背中をさすられ、泣きながら会見場を後にした。』
今夜も当直で救急車で搬入になったおばあちゃんを診たあとブログランキングで2位まで上昇したことを確認し一息ついてアクセス元を眺めていると『安藤美姫 父親』でアクセスしている人がたくさんいる.なんのことかと思っていたが,あしあと機能をみていたらコメントがあり事件に気がついたのだった.
「最後の質問として手を挙げた日本人テレビ記者」とあるが,わざわざ最後に質問したのは確信犯にちがいない.記者会見の途中で泣かれたら他社が困るからだろう.知らないふりをして話題づくりのためにこんなことをするとは許せない.こんなマスコミばかりではないとは思うが,こういうことをやった以上ちゃんと謝罪した上で,このテレビ局の上司はそれ相応の処分をするべきだろう.試合前の大事な時期に日本のマスコミがこんなことをする事自体今回の冬季五輪に対するマスコミの姿勢が問われる重大事件だろう.
報道の自由だの,表現の自由だの偉そうなことを言っても,最低限のマナーというものがあることをもっとマスコミは知るべきである.ムハンマド(マホメット)の風刺画でヨーロッパやイスラム諸国では多くの死者まで出る騒ぎになっていることは記憶に新しい.これとてマスコミの姿勢の問題だろう.
インターネットが普及したおかげで,もう新聞やテレビだけがメディアではないのだ.同業者なのでどこのテレビ局か敢えて報道しなかったのだろうが,NHKのように自分たちで自分たちを律せないようであればいずれ淘汰されるということを忘れるべきではないだろう.
フィギュアの安藤美姫が21日の本番を前に行われた記者会見の席上、大泣きした。テレビ局の記者が「亡くなったお父さんのために…」というお涙ちょうだいの質問をして泣かせたのが原因。彼女が8歳で父親を事故で亡くしたことは触れないでおこうとの“紳士協定”が報道陣の間で結ばれていたのを、問題の記者は知らなかったらしい。』
『 -- 亡き父への無神経な質問に美姫泣かされた --
トリノ五輪フィギュアスケート女子代表の安藤美姫(18=愛知・中京大中京高)が号泣した。19日、村主章枝(25)荒川静香(24)と臨んだ記者会見で、亡き父に対する質問に泣き出し、会見はそのまま終了した。本番会場で行われた会見直前の公式練習では、18日に続き2日連続で4回転ジャンプに成功させるなど、調子は急上昇中。21日(日本時間22日)の本番前に予想外のハプニングに見舞われたが、自慢の“切り札”で夢のメダルを目指す。
突然のハプニングだった。共同会見も終盤にさしかかり、最後の質問として手を挙げた日本人テレビ記者が、安藤に問い掛けた。「亡くなられたお父さんにどういう誓いを持って滑りたいか」−。
「えぇと…」とつぶやいた言葉が涙声に変わる。声を振り絞り「プライベートなので、そういう質問にはお答えできません…」と必死で答えると、うつむいて大粒の涙をこぼした。隣のキャロル・ヘイス・コーチに頭を、荒川に背中をさすられ、泣きながら会見場を後にした。』
今夜も当直で救急車で搬入になったおばあちゃんを診たあとブログランキングで2位まで上昇したことを確認し一息ついてアクセス元を眺めていると『安藤美姫 父親』でアクセスしている人がたくさんいる.なんのことかと思っていたが,あしあと機能をみていたらコメントがあり事件に気がついたのだった.
「最後の質問として手を挙げた日本人テレビ記者」とあるが,わざわざ最後に質問したのは確信犯にちがいない.記者会見の途中で泣かれたら他社が困るからだろう.知らないふりをして話題づくりのためにこんなことをするとは許せない.こんなマスコミばかりではないとは思うが,こういうことをやった以上ちゃんと謝罪した上で,このテレビ局の上司はそれ相応の処分をするべきだろう.試合前の大事な時期に日本のマスコミがこんなことをする事自体今回の冬季五輪に対するマスコミの姿勢が問われる重大事件だろう.
報道の自由だの,表現の自由だの偉そうなことを言っても,最低限のマナーというものがあることをもっとマスコミは知るべきである.ムハンマド(マホメット)の風刺画でヨーロッパやイスラム諸国では多くの死者まで出る騒ぎになっていることは記憶に新しい.これとてマスコミの姿勢の問題だろう.
インターネットが普及したおかげで,もう新聞やテレビだけがメディアではないのだ.同業者なのでどこのテレビ局か敢えて報道しなかったのだろうが,NHKのように自分たちで自分たちを律せないようであればいずれ淘汰されるということを忘れるべきではないだろう.
計画殺人に精神鑑定は無意味
2006年2月20日 社会の問題 コメント (1)『 --元塾講師側、責任能力で争う姿勢 小6女児殺害で初公判--
京都府宇治市の学習塾「京進宇治神明校」で昨年12月、塾生の小学6年の堀本紗也乃(さやの)さん(当時12)が刺殺された事件で、殺人と銃刀法違反の罪に問われた同塾の元アルバイト講師萩野裕(ゆう)被告(23)=宇治市寺山台3丁目=の初公判が20日、京都地裁(氷室真裁判長)であった。萩野被告は「間違いありません」と事実関係を認めたが、弁護側は「幻覚及び妄想に支配されており、心神喪失者として無罪とされるべきだ」として、責任能力について争う姿勢を示した。次回以降の公判で萩野被告の精神鑑定を請求する方針。
罪状認否で萩野被告は用意した紙を読み上げ、「私が先に自殺していればこんなことにはならなかったのに、と後悔している。被害者には申し訳ないことをした」と謝罪した。
検察側は冒頭陳述で、萩野被告の動機について「被害者から『きもい』などと言われるようになり、恩を仇(あだ)で返されたと思いこんで不信感と憎しみを持つようになった」と指摘。紗也乃さんの指導担当やテストの監督から外されたことで憎悪の念を募らせた、とした。
包丁2本を購入した後でさらに「確実に殺害するため」としてハンマーも購入。事件の前日に他の生徒を別の教室に誘導させるためのアンケートや張り紙を作っていた経緯を述べ、確固とした殺意に基づく計画的犯行であることを強調した。
これに対し弁護側も冒頭陳述し、萩野被告の幼少の頃について「他人との関係に違和感を持つ子ども」と説明。「03年10月ごろから病院の精神科に通院して抗うつ剤による投薬治療を続けていた」と述べた。
昨年6月ごろから妄想にとらわれ、紗也乃さんになぜ嫌われるのか思い悩むようになるとともに、同11月ごろからは紗也乃さんが剣を持って突き上げてくる幻覚が見えるようになった、と主張。「体を乗っ取られるとの思いで殺害した。うらみがあったわけではない」と述べた。
弁護側は萩野被告の両親や主治医らの証人尋問を請求した。
起訴状によると、萩野被告は05年12月10日午前9時ごろ、同市神明石塚の同塾106教室で、紗也乃さんの首などを包丁(刃渡り約17センチ)で数回刺して殺害したとされる。
検察側は「主治医の話や犯行態様から責任能力には問題がないと判断した」として起訴した。
萩野被告は事件当時、同志社大法学部4年だったが、起訴後の今年1月、退学処分になっている。 』
先日の2園児殺害もそうだが,殺害しようと包丁を用意したということは殺害を計画できるだけの能力があったということで,もうそれだけで責任能力ありと考えるのが一般常識というものだろう.
殺害したことが明らかだから弁護側も裁判の争点を責任能力の有無にして一挙に無罪を勝ち取ろうとするしかないのだろうが,安易なやり方である.この事件の場合は動機も標的も殺害計画も論理的で用意周到であり弁解の余地はまったくないであろう.
弁護士の職業倫理というものはよくわからないが,精神科の通院歴とかうつ病という病歴が免罪符になるわけではないだろうし,それらの言葉を安易に使うことは,他の精神科通院患者さんたちにとっては大変迷惑な話であろうことももっとよく認識してもらいたいと思うのは私だけだろうか.
京都府宇治市の学習塾「京進宇治神明校」で昨年12月、塾生の小学6年の堀本紗也乃(さやの)さん(当時12)が刺殺された事件で、殺人と銃刀法違反の罪に問われた同塾の元アルバイト講師萩野裕(ゆう)被告(23)=宇治市寺山台3丁目=の初公判が20日、京都地裁(氷室真裁判長)であった。萩野被告は「間違いありません」と事実関係を認めたが、弁護側は「幻覚及び妄想に支配されており、心神喪失者として無罪とされるべきだ」として、責任能力について争う姿勢を示した。次回以降の公判で萩野被告の精神鑑定を請求する方針。
罪状認否で萩野被告は用意した紙を読み上げ、「私が先に自殺していればこんなことにはならなかったのに、と後悔している。被害者には申し訳ないことをした」と謝罪した。
検察側は冒頭陳述で、萩野被告の動機について「被害者から『きもい』などと言われるようになり、恩を仇(あだ)で返されたと思いこんで不信感と憎しみを持つようになった」と指摘。紗也乃さんの指導担当やテストの監督から外されたことで憎悪の念を募らせた、とした。
包丁2本を購入した後でさらに「確実に殺害するため」としてハンマーも購入。事件の前日に他の生徒を別の教室に誘導させるためのアンケートや張り紙を作っていた経緯を述べ、確固とした殺意に基づく計画的犯行であることを強調した。
これに対し弁護側も冒頭陳述し、萩野被告の幼少の頃について「他人との関係に違和感を持つ子ども」と説明。「03年10月ごろから病院の精神科に通院して抗うつ剤による投薬治療を続けていた」と述べた。
昨年6月ごろから妄想にとらわれ、紗也乃さんになぜ嫌われるのか思い悩むようになるとともに、同11月ごろからは紗也乃さんが剣を持って突き上げてくる幻覚が見えるようになった、と主張。「体を乗っ取られるとの思いで殺害した。うらみがあったわけではない」と述べた。
弁護側は萩野被告の両親や主治医らの証人尋問を請求した。
起訴状によると、萩野被告は05年12月10日午前9時ごろ、同市神明石塚の同塾106教室で、紗也乃さんの首などを包丁(刃渡り約17センチ)で数回刺して殺害したとされる。
検察側は「主治医の話や犯行態様から責任能力には問題がないと判断した」として起訴した。
萩野被告は事件当時、同志社大法学部4年だったが、起訴後の今年1月、退学処分になっている。 』
先日の2園児殺害もそうだが,殺害しようと包丁を用意したということは殺害を計画できるだけの能力があったということで,もうそれだけで責任能力ありと考えるのが一般常識というものだろう.
殺害したことが明らかだから弁護側も裁判の争点を責任能力の有無にして一挙に無罪を勝ち取ろうとするしかないのだろうが,安易なやり方である.この事件の場合は動機も標的も殺害計画も論理的で用意周到であり弁解の余地はまったくないであろう.
弁護士の職業倫理というものはよくわからないが,精神科の通院歴とかうつ病という病歴が免罪符になるわけではないだろうし,それらの言葉を安易に使うことは,他の精神科通院患者さんたちにとっては大変迷惑な話であろうことももっとよく認識してもらいたいと思うのは私だけだろうか.
『 -- 園児殺害 娘入園以降悩む 鄭容疑者、昨春から顕著に --
滋賀県長浜市の幼稚園児二人が殺害された事件で、殺人などの疑いで逮捕された主婦、鄭永善容疑者(34)が長浜署捜査本部の調べに対し「自分も仲間外れにされていると感じ、周囲や地域になじめなかった」と供述していることが十九日、分かった。しかし、これまで鄭容疑者親子と周囲の間に目立ったトラブルの情報はなく、捜査本部は鄭容疑者が長期間、自分と長女(5つ)が周囲から孤立しているとの思いを一方的に募らせ、犯行に及んだとみている。
調べなどでは、鄭容疑者は、長女が市立神照幼稚園に入園した平成十六年四月以降、周囲に悩みをもらすようになった。さらに保護者同士のグループ送迎が始まった昨年四月以降、その傾向が顕著になり、五月からは一時、長女を個人的に送迎するようになった。
再びグループ送迎に加わった後も、長女がほかの子供と仲良くしていたか気にかけていたという。
また、鄭容疑者は動機について「犯行当日の朝、身近な子供を殺そうと思った」などとも話しているという。
これまでの調べでは「娘がなじめないのは周りの子供が悪いから」と供述。「殺害された二人へは特定の恨みはなかった」と話していた。
捜査本部は日常生活や幼稚園の中で、長女や自分が孤立していると思い込んだ鄭容疑者が、グループ送迎でいつも一緒の園児の殺害を決意したとみている。
一方、幼稚園側や鄭容疑者の周囲からは長女に対するいじめなどの情報はなく、鄭容疑者自身も取り調べの中で長女を案じるようなそぶりはないことなどから、動機面を中心にさらに慎重に調べを進めている。
捜査本部はこの日、鄭容疑者を殺人容疑で大津地検に送検した。検察官の調べや地裁での拘置尋問には淡々と応じたという。』
容疑者の疎外感の原因はなんだったのだろうか.最近の幼児殺害とはちょっと異質なこの事件について少し考えてみよう.やったことの罪の重さを考えれば同情する気にはなれないが,容疑者を殺人という異常な行為にまで追い込んだ疎外感とはどのようなものだったのだろうか.
疎外(そがい)とは『(1)よそよそしくすること。きらってのけものにすること。 「仲間から―される」「―感」.(2)〔(ドイツ) Entfremdung〕ヘーゲルの用語。ある存在が自己の本質を自己本来の存在の外に出すことによって、それが自分とは対立する疎遠な他者となること。』と辞書にある.したがって疎外感を感じるといっても2通りあるのではないだろうか.
ひとつはみんなから仲間はずれにされてように感じることである.もうひとつは自分自身の存在に違和感を感じる,自分が自分でない他人になっているように感じることである.意外と自分の中にある疎外感というのは後者であることも多いのではないだろうか.そういう意味では自分の中の他人にあるとき気がつくことはよくあることで,そういう経験は誰にでもあることだろう.
鄭容疑者の場合は単純に考えると周囲や地域からの疎外感というようにも思えるが,それならなぜ子供を標的にしたのかがよくわからない.わが子と自分を同化させて仲間はずれにされた(と思い込んだ)ので他の子供を標的にしたのだろうか.だが,これでは残された子供はどうすればいいのだろうか.母親がいなくなり,今後は周囲から仲間はずれにされてしまうのではないだろうかと心配でさえある.
こう考えると疎外感が殺意のはじまりではあっても犯行では結局なんの解決にもなっておらず,動機としてはあまりに非合理的であることがわかる.中国で育ったことになにか関係でもあるのかもしれないが,その辺りのことが捜査でわかるのだろうか.今後も注目してみたいと思う.
滋賀県長浜市の幼稚園児二人が殺害された事件で、殺人などの疑いで逮捕された主婦、鄭永善容疑者(34)が長浜署捜査本部の調べに対し「自分も仲間外れにされていると感じ、周囲や地域になじめなかった」と供述していることが十九日、分かった。しかし、これまで鄭容疑者親子と周囲の間に目立ったトラブルの情報はなく、捜査本部は鄭容疑者が長期間、自分と長女(5つ)が周囲から孤立しているとの思いを一方的に募らせ、犯行に及んだとみている。
調べなどでは、鄭容疑者は、長女が市立神照幼稚園に入園した平成十六年四月以降、周囲に悩みをもらすようになった。さらに保護者同士のグループ送迎が始まった昨年四月以降、その傾向が顕著になり、五月からは一時、長女を個人的に送迎するようになった。
再びグループ送迎に加わった後も、長女がほかの子供と仲良くしていたか気にかけていたという。
また、鄭容疑者は動機について「犯行当日の朝、身近な子供を殺そうと思った」などとも話しているという。
これまでの調べでは「娘がなじめないのは周りの子供が悪いから」と供述。「殺害された二人へは特定の恨みはなかった」と話していた。
捜査本部は日常生活や幼稚園の中で、長女や自分が孤立していると思い込んだ鄭容疑者が、グループ送迎でいつも一緒の園児の殺害を決意したとみている。
一方、幼稚園側や鄭容疑者の周囲からは長女に対するいじめなどの情報はなく、鄭容疑者自身も取り調べの中で長女を案じるようなそぶりはないことなどから、動機面を中心にさらに慎重に調べを進めている。
捜査本部はこの日、鄭容疑者を殺人容疑で大津地検に送検した。検察官の調べや地裁での拘置尋問には淡々と応じたという。』
容疑者の疎外感の原因はなんだったのだろうか.最近の幼児殺害とはちょっと異質なこの事件について少し考えてみよう.やったことの罪の重さを考えれば同情する気にはなれないが,容疑者を殺人という異常な行為にまで追い込んだ疎外感とはどのようなものだったのだろうか.
疎外(そがい)とは『(1)よそよそしくすること。きらってのけものにすること。 「仲間から―される」「―感」.(2)〔(ドイツ) Entfremdung〕ヘーゲルの用語。ある存在が自己の本質を自己本来の存在の外に出すことによって、それが自分とは対立する疎遠な他者となること。』と辞書にある.したがって疎外感を感じるといっても2通りあるのではないだろうか.
ひとつはみんなから仲間はずれにされてように感じることである.もうひとつは自分自身の存在に違和感を感じる,自分が自分でない他人になっているように感じることである.意外と自分の中にある疎外感というのは後者であることも多いのではないだろうか.そういう意味では自分の中の他人にあるとき気がつくことはよくあることで,そういう経験は誰にでもあることだろう.
鄭容疑者の場合は単純に考えると周囲や地域からの疎外感というようにも思えるが,それならなぜ子供を標的にしたのかがよくわからない.わが子と自分を同化させて仲間はずれにされた(と思い込んだ)ので他の子供を標的にしたのだろうか.だが,これでは残された子供はどうすればいいのだろうか.母親がいなくなり,今後は周囲から仲間はずれにされてしまうのではないだろうかと心配でさえある.
こう考えると疎外感が殺意のはじまりではあっても犯行では結局なんの解決にもなっておらず,動機としてはあまりに非合理的であることがわかる.中国で育ったことになにか関係でもあるのかもしれないが,その辺りのことが捜査でわかるのだろうか.今後も注目してみたいと思う.
『 -- 鈴花ちゃん、仮入園認められ初登園 --
息を吸う時に気管がふさがり呼吸しにくくなる病気の東京都東大和市、青木鈴花ちゃん(5)が10日朝、市立向原保育園に初めて登園した。定期的に痰(たん)の吸引が必要なことを理由に、同市から保育園入園を拒否されたが、東京地裁から入園を承諾する仮の義務づけの決定が出て仮入園が認められた。
前日から楽しみにしていたという鈴花ちゃんは、タオルとおたより帳が入った小さなかばんを手に「うれしい。おままごとがしたい」とにっこりした。
父親の繁宜(しげよし)さんが痰や唾液(だえき)の吸引に必要な器具を携えて園まで付き添った。繁宜さんは「初めて市に入園をお願いしてから2年ちょっと。長かったですが、皆さんの力であっという間にいい方向に決まり、感謝しています」。1時間のならし保育を終えると、鈴花ちゃんは「いっぱい友だちがつくれそう」と話した。
鈴花ちゃんの病気は「喉頭(こうとう)軟化症」。市はこれまで鈴花ちゃんが通っていた施設の看護師を臨時に同保育園に配置し、吸引などのケアに当たる。吉野豊子園長は「緊張もありますが、スムーズに鈴花ちゃんが生活を送れるよう安全に配慮して園全体で考えて保育したい」と話した。
市は仮入園を認めたが、「裁判所の決定は我々の主張と隔たりがある」としており、両親との訴訟はまだ続いている。3月10日に第1回口頭弁論が開かれる予定だ。』
昼のニュースで鈴花ちゃんが自分で吸引をしている映像を見た.その笑顔からは保育園に通うのを楽しみにしている様子が伝わってきた.「裁判所の決定は我々の主張と隔たりがある」のところがわからないのでコメントのしようがないが,現実的に対応は可能であると思われることをやろうとしない市の姿勢は批判されるべきであろう.
障害があるからできることに差があるのは仕方がないことである.しかし,できることまでさせてもらえないのは不当な差別である.こういうおかしな差別をなくすのも行政の仕事であろう.障害者の傍に実際に寄り添ってみれば出来ることか出来ないことかは見ればわかるはずである.鈴花ちゃんが元気に通園する姿をみれば市側の『我々の主張』がなんであれ無意味であるような気がするのである.
病気の後遺障害で療養型病床に入院中の人たちを施設に追いやるような厚生労働省の主張も同じようなものだろう.もっとも,患者の家族とのトラブルは追い出した病院の問題になるだろうから,厚生労働省の役人はなにも感じることはないのだろう.決めるのは官僚で,責任は医師まかせ,そして困るのは患者と家族になるとは一体誰のための国民皆保険制なのだろうか.
息を吸う時に気管がふさがり呼吸しにくくなる病気の東京都東大和市、青木鈴花ちゃん(5)が10日朝、市立向原保育園に初めて登園した。定期的に痰(たん)の吸引が必要なことを理由に、同市から保育園入園を拒否されたが、東京地裁から入園を承諾する仮の義務づけの決定が出て仮入園が認められた。
前日から楽しみにしていたという鈴花ちゃんは、タオルとおたより帳が入った小さなかばんを手に「うれしい。おままごとがしたい」とにっこりした。
父親の繁宜(しげよし)さんが痰や唾液(だえき)の吸引に必要な器具を携えて園まで付き添った。繁宜さんは「初めて市に入園をお願いしてから2年ちょっと。長かったですが、皆さんの力であっという間にいい方向に決まり、感謝しています」。1時間のならし保育を終えると、鈴花ちゃんは「いっぱい友だちがつくれそう」と話した。
鈴花ちゃんの病気は「喉頭(こうとう)軟化症」。市はこれまで鈴花ちゃんが通っていた施設の看護師を臨時に同保育園に配置し、吸引などのケアに当たる。吉野豊子園長は「緊張もありますが、スムーズに鈴花ちゃんが生活を送れるよう安全に配慮して園全体で考えて保育したい」と話した。
市は仮入園を認めたが、「裁判所の決定は我々の主張と隔たりがある」としており、両親との訴訟はまだ続いている。3月10日に第1回口頭弁論が開かれる予定だ。』
昼のニュースで鈴花ちゃんが自分で吸引をしている映像を見た.その笑顔からは保育園に通うのを楽しみにしている様子が伝わってきた.「裁判所の決定は我々の主張と隔たりがある」のところがわからないのでコメントのしようがないが,現実的に対応は可能であると思われることをやろうとしない市の姿勢は批判されるべきであろう.
障害があるからできることに差があるのは仕方がないことである.しかし,できることまでさせてもらえないのは不当な差別である.こういうおかしな差別をなくすのも行政の仕事であろう.障害者の傍に実際に寄り添ってみれば出来ることか出来ないことかは見ればわかるはずである.鈴花ちゃんが元気に通園する姿をみれば市側の『我々の主張』がなんであれ無意味であるような気がするのである.
病気の後遺障害で療養型病床に入院中の人たちを施設に追いやるような厚生労働省の主張も同じようなものだろう.もっとも,患者の家族とのトラブルは追い出した病院の問題になるだろうから,厚生労働省の役人はなにも感じることはないのだろう.決めるのは官僚で,責任は医師まかせ,そして困るのは患者と家族になるとは一体誰のための国民皆保険制なのだろうか.
製造物責任をたばこ業界に負わせるべき
2006年2月6日 社会の問題『 --喫煙率に数値目標設定へ 厚労省が〓再挑戦〓 たばこ業界の反対必至--
厚生労働省は5日までに、がんや脳卒中の原因とされるたばこの喫煙率減少に向けた数値目標を新たに設定する方針を固めた。
2000年から国民運動として始まった「健康日本21」で、厚労省は酒類や塩分摂取量の数値目標を設定、たばこも「成人喫煙率と国民1人当たりのたばこ消費量を半減させる」との具体目標を盛り込もうとしたが、たばこ業界を中心に反対が強く、見送られた。
厚労省は、近年の禁煙・分煙化を追い風に、あらためて数値目標が必要と判断。有識者による議論で具体的な数値を決めたい考えだが、同省の〓再挑戦〓に反対の声が上がるのは必至だ。
1990年に60%を超えていた成人男性の喫煙率は2000年には53・5%、5年には45・8%(日本たばこ産業調べ)と漸減したが、20-50代の男性の率はほとんど変わらず、女性の喫煙率はかえって増えていると指摘されている。
生活習慣病対策を検討する厚労省の部会でも「喫煙率を下げなければ病気は減らない」「たばこの大幅値上げか、具体的目標が必要」との意見が出されていた。
たばこ対策では、03年5月に公共施設での受動喫煙防止を定めた健康増進法が施行され、自治体レベルで路上喫煙防止条例が制定されるなどして禁煙・分煙化が進んでいる。昨年2月には「たばこ規制枠組み条約」が発効し、たばこの箱の30%以上の面積を健康被害の警告に充てることなど規制が強化された。』
数値目標をつくっても実効性に薄いことはもうすでに明らかになっている.厚生労働省の意味のないことをあたかも議論しているように見せる茶番劇はもう見飽きた.それよりもたばこによる健康被害を推定することは可能であろうから,煙草業界に健康被害による医療費の損失分を負担してもらえばいいだろう.今やたばこは一種の公害とも考えられるから製造者は責任を負うべきだろう.
明らかに健康に悪い嗜好品が誰にでも手に入るのはよくないし,健康保険料が喫煙者と非喫煙者で同額なのは不公平だろう.不公平感をなくすためにもたばこに健康保険のマイナス分を補填するような高額の課税をして間接的に喫煙者の自己負担分を増額するのがいいのではないだろうか.自分でたばこをやめられない人もそれならやめるきっかけとなるだろう.
またこんな意味のない数値目標を議論してなんの効果も上げられないばかりか,現在入院している患者や家族の意向は調査もしないのにたばこ業界の圧力には簡単に屈するお役所仕事が得意な厚生労働省の予算ももっと削減した方が財政再建のためにはいいだろう.
厚生労働省は5日までに、がんや脳卒中の原因とされるたばこの喫煙率減少に向けた数値目標を新たに設定する方針を固めた。
2000年から国民運動として始まった「健康日本21」で、厚労省は酒類や塩分摂取量の数値目標を設定、たばこも「成人喫煙率と国民1人当たりのたばこ消費量を半減させる」との具体目標を盛り込もうとしたが、たばこ業界を中心に反対が強く、見送られた。
厚労省は、近年の禁煙・分煙化を追い風に、あらためて数値目標が必要と判断。有識者による議論で具体的な数値を決めたい考えだが、同省の〓再挑戦〓に反対の声が上がるのは必至だ。
1990年に60%を超えていた成人男性の喫煙率は2000年には53・5%、5年には45・8%(日本たばこ産業調べ)と漸減したが、20-50代の男性の率はほとんど変わらず、女性の喫煙率はかえって増えていると指摘されている。
生活習慣病対策を検討する厚労省の部会でも「喫煙率を下げなければ病気は減らない」「たばこの大幅値上げか、具体的目標が必要」との意見が出されていた。
たばこ対策では、03年5月に公共施設での受動喫煙防止を定めた健康増進法が施行され、自治体レベルで路上喫煙防止条例が制定されるなどして禁煙・分煙化が進んでいる。昨年2月には「たばこ規制枠組み条約」が発効し、たばこの箱の30%以上の面積を健康被害の警告に充てることなど規制が強化された。』
数値目標をつくっても実効性に薄いことはもうすでに明らかになっている.厚生労働省の意味のないことをあたかも議論しているように見せる茶番劇はもう見飽きた.それよりもたばこによる健康被害を推定することは可能であろうから,煙草業界に健康被害による医療費の損失分を負担してもらえばいいだろう.今やたばこは一種の公害とも考えられるから製造者は責任を負うべきだろう.
明らかに健康に悪い嗜好品が誰にでも手に入るのはよくないし,健康保険料が喫煙者と非喫煙者で同額なのは不公平だろう.不公平感をなくすためにもたばこに健康保険のマイナス分を補填するような高額の課税をして間接的に喫煙者の自己負担分を増額するのがいいのではないだろうか.自分でたばこをやめられない人もそれならやめるきっかけとなるだろう.
またこんな意味のない数値目標を議論してなんの効果も上げられないばかりか,現在入院している患者や家族の意向は調査もしないのにたばこ業界の圧力には簡単に屈するお役所仕事が得意な厚生労働省の予算ももっと削減した方が財政再建のためにはいいだろう.
人はどこで生きるべきか
2006年1月30日 社会の問題『--ホームレステント、大阪市が2公園で強制撤去--
大阪市は30日、公園整備の妨げになるとして、行政代執行法に基づき、靭(うつぼ)公園(西区)と大阪城公園(中央区)に建てられた野宿者のテントの強制撤去を始めた。市職員約310人、民間会社の警備員350人を動員し、計22テントを取り壊す。このうち、15テントが集まる靭公園では、野宿者や支援者ら約50人が激しく抗議し、市側ともみあいになった。
大阪市内の野宿者は03年の厚生労働省の調査で約6600人。全国の約2万5300人の4分の1を占める。大阪城公園では3〜5月に「全国都市緑化おおさかフェア」が、靭公園では5月に「世界バラ会議」が開かれるため、市は昨年10月から、両公園で暮らす野宿者に市の施設への入居を勧めてきた。
しかし、20人以上が「施設は不自由だ」などとして応じなかったため、今月18日から強制排除に向けた手続きを始め、24日に最後通告に当たる代執行令書を交付していた。
靭公園では午前8時、市職員が「行政代執行」の開始を宣言、作業区域からの退去を求めた。野宿者側は鉄パイプで骨組みした団結小屋の周辺に人垣をつくるなどして抵抗。市側は約200人で団結小屋を取り囲み、周辺のテントから撤去を始めている。
もみあいの中で、野宿者1人が頭を打ち、救急車で病院に運ばれた。大阪府警は警官120人を公園周辺に配置し、警戒している。
野宿者側は今月、2度にわたり撤去の差し止めを大阪地裁に申し立てたが、いずれも棄却された。一方、市内の別の公園に住む野宿者が、テント生活をしている公園を「住所」と認めるよう求めた行政訴訟で、大阪地裁が今月27日、訴えを認める判決を出した。これを受け、強制排除の対象となった2公園の計9人が区役所に住民登録を届け出たが、「判決が確定していない」として、扱いは保留となっている。 』
イベントのための公園整備の妨げというのはあくまでも大義名分でこれに乗じてホームレステントを一掃しようとする意図があまりにも見えすぎなので反発を招いたのであろう事はだれにでもわかることである.今まで何度も説得や話し合いをしたのであればこのような事態にはなっていなかったのではないだろうか.
こういった社会にとって重要な問題をなかば強引な方法でかたずけて「全国都市緑化おおさか○○」「世界○○」とやったとしてもそれではたとえ大阪でもただお祭り騒ぎが好きなバカな自治体にしか見えない.もっとも公務員に名目だけの無駄な手当てを払い続けていた自治体にいきなり体質を改善せよというのは無理なことだろうが,もうすこしやり方を考えた方がいいだろう.
ところで,公園にテントを張って生活することはいけないことなのであろうか.「施設は不自由だ」という理由で入居を断った人たちは本当に公園のテントの方が快適なのだろうか.私には長期のテント生活はできそうにないが,キャンピングカーで自分の好きなところに行って暮らせるとしたらやってみたいような気もする.
毎日公園のテントで暮らし,そこから仕事に行ってまたテントに戻るというのは考えてみればもっともシンプルで自由な生活のようにも思えてくる.社会にはいろいろなルールがあることはわかるが,本来は地球はみんなのもので誰でも好きなところに住む権利があると考えれば,テント生活者がどこにでも住んでいいようにも思うのはいけないことなのだろうか.もちろん,それで他人の生活を脅かすのであれば話は別だろうが.
基本的人権を尊重するのであれば,テントに生活したい人のために「おおさかテント村」でも作ってあげたらそれこそ一大イベントとして注目されることであろう.全国の4分の1といわずすべてのホームレスを集めれば大阪市の株も少しは上がるのではないだろうか.
大阪市は30日、公園整備の妨げになるとして、行政代執行法に基づき、靭(うつぼ)公園(西区)と大阪城公園(中央区)に建てられた野宿者のテントの強制撤去を始めた。市職員約310人、民間会社の警備員350人を動員し、計22テントを取り壊す。このうち、15テントが集まる靭公園では、野宿者や支援者ら約50人が激しく抗議し、市側ともみあいになった。
大阪市内の野宿者は03年の厚生労働省の調査で約6600人。全国の約2万5300人の4分の1を占める。大阪城公園では3〜5月に「全国都市緑化おおさかフェア」が、靭公園では5月に「世界バラ会議」が開かれるため、市は昨年10月から、両公園で暮らす野宿者に市の施設への入居を勧めてきた。
しかし、20人以上が「施設は不自由だ」などとして応じなかったため、今月18日から強制排除に向けた手続きを始め、24日に最後通告に当たる代執行令書を交付していた。
靭公園では午前8時、市職員が「行政代執行」の開始を宣言、作業区域からの退去を求めた。野宿者側は鉄パイプで骨組みした団結小屋の周辺に人垣をつくるなどして抵抗。市側は約200人で団結小屋を取り囲み、周辺のテントから撤去を始めている。
もみあいの中で、野宿者1人が頭を打ち、救急車で病院に運ばれた。大阪府警は警官120人を公園周辺に配置し、警戒している。
野宿者側は今月、2度にわたり撤去の差し止めを大阪地裁に申し立てたが、いずれも棄却された。一方、市内の別の公園に住む野宿者が、テント生活をしている公園を「住所」と認めるよう求めた行政訴訟で、大阪地裁が今月27日、訴えを認める判決を出した。これを受け、強制排除の対象となった2公園の計9人が区役所に住民登録を届け出たが、「判決が確定していない」として、扱いは保留となっている。 』
イベントのための公園整備の妨げというのはあくまでも大義名分でこれに乗じてホームレステントを一掃しようとする意図があまりにも見えすぎなので反発を招いたのであろう事はだれにでもわかることである.今まで何度も説得や話し合いをしたのであればこのような事態にはなっていなかったのではないだろうか.
こういった社会にとって重要な問題をなかば強引な方法でかたずけて「全国都市緑化おおさか○○」「世界○○」とやったとしてもそれではたとえ大阪でもただお祭り騒ぎが好きなバカな自治体にしか見えない.もっとも公務員に名目だけの無駄な手当てを払い続けていた自治体にいきなり体質を改善せよというのは無理なことだろうが,もうすこしやり方を考えた方がいいだろう.
ところで,公園にテントを張って生活することはいけないことなのであろうか.「施設は不自由だ」という理由で入居を断った人たちは本当に公園のテントの方が快適なのだろうか.私には長期のテント生活はできそうにないが,キャンピングカーで自分の好きなところに行って暮らせるとしたらやってみたいような気もする.
毎日公園のテントで暮らし,そこから仕事に行ってまたテントに戻るというのは考えてみればもっともシンプルで自由な生活のようにも思えてくる.社会にはいろいろなルールがあることはわかるが,本来は地球はみんなのもので誰でも好きなところに住む権利があると考えれば,テント生活者がどこにでも住んでいいようにも思うのはいけないことなのだろうか.もちろん,それで他人の生活を脅かすのであれば話は別だろうが.
基本的人権を尊重するのであれば,テントに生活したい人のために「おおさかテント村」でも作ってあげたらそれこそ一大イベントとして注目されることであろう.全国の4分の1といわずすべてのホームレスを集めれば大阪市の株も少しは上がるのではないだろうか.
『--のど病気の女児拒否は違法 市に保育園受け入れ義務
父親「春が来た」と笑顔--
のどの病気に対応できないことを理由に入園を拒否したのは不当として、東京都東大和市の青木鈴花(あおき・すずか)ちゃん(5)と両親が、同市に認可保育園への入園を仮に義務付けることを求めた申し立てで、東京地裁は26日までに申し立てを認める決定をした。市は入園を認める方針。
決定を受けて、鈴花ちゃんらが会見。父親の繁宜(しげよし)さん(40)に「保育園に行ったら何がしたい」と聞かれ、鈴花ちゃんは「積み木で遊ぶ」と笑顔で話した。繁宜さんも「一足早くわが家に春が来た。一日でも早く入園させたい」と喜んだ。
仮の義務付けは裁判所が緊急性のある処分を行政側に義務付けることができる制度で、2005年施行の改正行政事件訴訟法に盛り込まれた。
決定理由で菅野博之(かんの・ひろゆき)裁判長は「障害は成長につれて改善されている。普通の保育園での保育は可能」と判断。入園を認めなかった市の処分は違法とした。
鈴花ちゃんは気管の病気のため、のどに気管チューブを装着し、定期的にたんを吸引する必要がある。たんの吸引は自分でできるため、認可保育園への入園を希望したが、市は吸引が医療行為に該当し、対応できないとして、昨年、2回にわたり入園を断った。
鈴花ちゃんは03年6月から障害のある子供が通う療育施設に通っており、来春には小学校に通う予定。』
医療業界用語で「サクション」と言っている喀痰の吸引除去は口腔(こうくう)や鼻腔(びくう)経由で気管内の喀痰を吸引するには確かに技術を要する.しかし,気管切開され気管チューブが装着されていればそれほど難しいものではなく何回か指導を受ければ家族でも可能なものだと思う.
在宅介護の現場でも以前は医師や看護師または家族しかできなかったが,現在では規制が緩和され介護スタッフもできるようになっているはずである.だから,普通の保育園でもこれくらいのことは可能と考えるのは妥当なことだと思う.
ただ,勘違いしてはいけないと思うこともある.喀痰の吸引ができるということと何かトラブルが起きたときに対応できるかということは別だということを保育園と親の双方がちゃんと理解しているかということである.たとえば気管チューブが抜けてしまった時にはどうするのであろうか.万が一のことを考えると保育園にも医療スタッフが必要だろう.
財政危機がすべての原因なのかはわからないが,最近,社会的な弱者への風当たりが強くなっているような気がする.勝ち組,負け組という言葉で煽られているが,よく考えればほとんどの人は負け組なのではないだろうか.勝ち組になろうと不正まで働いて躍起になっても所詮人間に変わりはないのである.自分がいつ障害を持つ身になっても安心な「やさしい社会」をつくるのが大切なのではないだろうか.
父親「春が来た」と笑顔--
のどの病気に対応できないことを理由に入園を拒否したのは不当として、東京都東大和市の青木鈴花(あおき・すずか)ちゃん(5)と両親が、同市に認可保育園への入園を仮に義務付けることを求めた申し立てで、東京地裁は26日までに申し立てを認める決定をした。市は入園を認める方針。
決定を受けて、鈴花ちゃんらが会見。父親の繁宜(しげよし)さん(40)に「保育園に行ったら何がしたい」と聞かれ、鈴花ちゃんは「積み木で遊ぶ」と笑顔で話した。繁宜さんも「一足早くわが家に春が来た。一日でも早く入園させたい」と喜んだ。
仮の義務付けは裁判所が緊急性のある処分を行政側に義務付けることができる制度で、2005年施行の改正行政事件訴訟法に盛り込まれた。
決定理由で菅野博之(かんの・ひろゆき)裁判長は「障害は成長につれて改善されている。普通の保育園での保育は可能」と判断。入園を認めなかった市の処分は違法とした。
鈴花ちゃんは気管の病気のため、のどに気管チューブを装着し、定期的にたんを吸引する必要がある。たんの吸引は自分でできるため、認可保育園への入園を希望したが、市は吸引が医療行為に該当し、対応できないとして、昨年、2回にわたり入園を断った。
鈴花ちゃんは03年6月から障害のある子供が通う療育施設に通っており、来春には小学校に通う予定。』
医療業界用語で「サクション」と言っている喀痰の吸引除去は口腔(こうくう)や鼻腔(びくう)経由で気管内の喀痰を吸引するには確かに技術を要する.しかし,気管切開され気管チューブが装着されていればそれほど難しいものではなく何回か指導を受ければ家族でも可能なものだと思う.
在宅介護の現場でも以前は医師や看護師または家族しかできなかったが,現在では規制が緩和され介護スタッフもできるようになっているはずである.だから,普通の保育園でもこれくらいのことは可能と考えるのは妥当なことだと思う.
ただ,勘違いしてはいけないと思うこともある.喀痰の吸引ができるということと何かトラブルが起きたときに対応できるかということは別だということを保育園と親の双方がちゃんと理解しているかということである.たとえば気管チューブが抜けてしまった時にはどうするのであろうか.万が一のことを考えると保育園にも医療スタッフが必要だろう.
財政危機がすべての原因なのかはわからないが,最近,社会的な弱者への風当たりが強くなっているような気がする.勝ち組,負け組という言葉で煽られているが,よく考えればほとんどの人は負け組なのではないだろうか.勝ち組になろうと不正まで働いて躍起になっても所詮人間に変わりはないのである.自分がいつ障害を持つ身になっても安心な「やさしい社会」をつくるのが大切なのではないだろうか.
『--「不具合ゼロと思っていた」 大学入試センターが会見--
大学入試センターは21日午後10時過ぎから記者会見を開いた。
松浦功事業部長は「ICプレーヤーの不具合の申し出はゼロだと思っていた。こんなにあるとは」と話した。原因については「わからない」としたうえで、「メーカーの全数チェックや受験生による動作確認を繰り返したのにICプレーヤーの不良が起こり、大変遺憾です」と述べた。
松浦部長によると、受験生から不具合の申し出があってもその場で、本当に故障しているのかどうか監督者が確認することはなく、すべて再テストを受けさせるよう指示していたという。 』
『--リスニング、トラブルで436人再テスト センター試験--
50万人を超える受験生が挑んだ大学入試センター試験は21日、1日目の日程を終えた。初めて実施した英語のリスニングテストでは、全国の試験会場で、ICプレーヤーの不具合などによって聞き取れないトラブルが相次いだ。トラブルに遭った受験生に対しては再テストが実施された。大学入試センターの22日午前1時半現在のまとめによると、448人が再テストを申し出てうち436人が実際に受けたことが確認された。センターは「予想を超えるトラブルだ」としており、原因の分析を急ぐ。
リスニングテストは、1日目の午後、80分の筆記試験(200点)の後に実施された。各受験生に再生専用のICプレーヤーが配布され、イヤホンを通じて問題を聞き取る形式。受験生には、ICプレーヤーを配布してすぐに「確認音声」が流れるかなどのチェックをさせた後で、試験進行について説明し、計30分をかける。その後に30分間の解答時間を設けている。配点は50点。受験者は49万2596人だった。受験生は両耳にイヤホンをつけ、再生専用ICプレーヤーで問題文と設問を聞き取る。
不具合が起きた場合、受験生は黙って手を挙げて申し出る。監督者はその時点で何問目まで解答したかを確認する。再テストは、新しい解答用紙を使い、不具合が起きた問題以降だけを解答することができる。
大学入試センターによると、再テストが実施された会場は北海道から九州まで全国にわたる。448人の再テスト対象者のうち、4試験場で辞退したかどうかの確認がとれておらず、これを経て最終確定する。トラブルの原因で最も多いのは、「機器の不具合」によるものだという。センターは、トラブルのあったICプレーヤーはすべて回収し、メーカーに分析させる。
記者会見したセンターの松浦功事業部長によると、昨年に実施した試行テストの際には、約3万5000人の受験に対して故障は18台だった。今回は、その故障率を上回る予想外の結果となったが、松浦部長は「改良して来年度も同じシステムで実施する」と述べた。
仙台市青葉区の東北大川内北キャンパスの会場では、7人が、雑音が出て音量を調整しても消えないなどのトラブルを訴え、再テストを受けた。
宇都宮市の宇都宮大学では、プレーヤーを床に誤って落とし、壊してしまった2人やプレーヤーが不調だった3人が再テストを受けた。』
本気で「不具合ゼロと思っていた」とは思えない.試行テストで約3万5000人の受験に対して故障は18台だったのだから,50万人なら250台という計算だが,どう見ても安物の機械のようだから数が多くなれば点検から試験までの期間が長くなり故障率が上がっても別に不思議ではないだろう.だから安全係数を2倍とすれば500台までは故障しても想定内と言うのが本当のところだろう.
こんな機械に頼ってまでヒアリングの試験をしないと英語の実力はわからないのだろうか.せっかくヒアリングの能力が高くても機械がこわれて動揺し実力を出せなかった受験生はいなかったのだろうか.2日目への影響を最小限にするためにこの機械を使う試験は最後にするのがいいかもしれない.
入試はできるかぎり平等に行われるのが当然で,学生も入試センターの人も理想主義でいいのかもしれないが,現実には運も実力の内というか,人との出会いも含めすべてが不確定なものの上に成り立っているのである.いろいろなリスクを考えながらもトラブルに遭遇しても冷静に対応する.結局この当たり前のことを繰り返すしか生き残る方法はないのだろう.
大学入試センターは21日午後10時過ぎから記者会見を開いた。
松浦功事業部長は「ICプレーヤーの不具合の申し出はゼロだと思っていた。こんなにあるとは」と話した。原因については「わからない」としたうえで、「メーカーの全数チェックや受験生による動作確認を繰り返したのにICプレーヤーの不良が起こり、大変遺憾です」と述べた。
松浦部長によると、受験生から不具合の申し出があってもその場で、本当に故障しているのかどうか監督者が確認することはなく、すべて再テストを受けさせるよう指示していたという。 』
『--リスニング、トラブルで436人再テスト センター試験--
50万人を超える受験生が挑んだ大学入試センター試験は21日、1日目の日程を終えた。初めて実施した英語のリスニングテストでは、全国の試験会場で、ICプレーヤーの不具合などによって聞き取れないトラブルが相次いだ。トラブルに遭った受験生に対しては再テストが実施された。大学入試センターの22日午前1時半現在のまとめによると、448人が再テストを申し出てうち436人が実際に受けたことが確認された。センターは「予想を超えるトラブルだ」としており、原因の分析を急ぐ。
リスニングテストは、1日目の午後、80分の筆記試験(200点)の後に実施された。各受験生に再生専用のICプレーヤーが配布され、イヤホンを通じて問題を聞き取る形式。受験生には、ICプレーヤーを配布してすぐに「確認音声」が流れるかなどのチェックをさせた後で、試験進行について説明し、計30分をかける。その後に30分間の解答時間を設けている。配点は50点。受験者は49万2596人だった。受験生は両耳にイヤホンをつけ、再生専用ICプレーヤーで問題文と設問を聞き取る。
不具合が起きた場合、受験生は黙って手を挙げて申し出る。監督者はその時点で何問目まで解答したかを確認する。再テストは、新しい解答用紙を使い、不具合が起きた問題以降だけを解答することができる。
大学入試センターによると、再テストが実施された会場は北海道から九州まで全国にわたる。448人の再テスト対象者のうち、4試験場で辞退したかどうかの確認がとれておらず、これを経て最終確定する。トラブルの原因で最も多いのは、「機器の不具合」によるものだという。センターは、トラブルのあったICプレーヤーはすべて回収し、メーカーに分析させる。
記者会見したセンターの松浦功事業部長によると、昨年に実施した試行テストの際には、約3万5000人の受験に対して故障は18台だった。今回は、その故障率を上回る予想外の結果となったが、松浦部長は「改良して来年度も同じシステムで実施する」と述べた。
仙台市青葉区の東北大川内北キャンパスの会場では、7人が、雑音が出て音量を調整しても消えないなどのトラブルを訴え、再テストを受けた。
宇都宮市の宇都宮大学では、プレーヤーを床に誤って落とし、壊してしまった2人やプレーヤーが不調だった3人が再テストを受けた。』
本気で「不具合ゼロと思っていた」とは思えない.試行テストで約3万5000人の受験に対して故障は18台だったのだから,50万人なら250台という計算だが,どう見ても安物の機械のようだから数が多くなれば点検から試験までの期間が長くなり故障率が上がっても別に不思議ではないだろう.だから安全係数を2倍とすれば500台までは故障しても想定内と言うのが本当のところだろう.
こんな機械に頼ってまでヒアリングの試験をしないと英語の実力はわからないのだろうか.せっかくヒアリングの能力が高くても機械がこわれて動揺し実力を出せなかった受験生はいなかったのだろうか.2日目への影響を最小限にするためにこの機械を使う試験は最後にするのがいいかもしれない.
入試はできるかぎり平等に行われるのが当然で,学生も入試センターの人も理想主義でいいのかもしれないが,現実には運も実力の内というか,人との出会いも含めすべてが不確定なものの上に成り立っているのである.いろいろなリスクを考えながらもトラブルに遭遇しても冷静に対応する.結局この当たり前のことを繰り返すしか生き残る方法はないのだろう.
『--石原都知事「首都高より橋の移転を」 日本橋の景観問題--
東京の名所「日本橋」を覆い隠している首都高速道路について、東京都の石原慎太郎知事は20日の記者会見で、「つまらん金かけるより、日本橋をどこか近くの川に移したらいい」と語り、首都高移設を唱えた小泉首相の提案をひっくり返すアイデアを披露した。
現在の日本橋の景観については「ナンセンスで非常に野蛮な街の造形」としながら、「首都高を造り直すとか、ビルの中を通すとかは大変。あの場所になくても、あの橋そのものがあればいい」と断言。東海道などの起点として栄えた橋の移転を大胆に主張し、「こういう発想をするのが小説家なんだよ」と小泉首相との違いを強調した。
日本橋を覆う高速道路の高架は、64年の東京五輪開催を控えて整備されたもので、小泉首相は昨年末、景観を損ねているとして「日本橋の上を思い切って空に向かって広げてみよう」と主張。発言を受けた国土交通省は、都が五輪招致を目指す2016年をめどに、首都高移設の検討を進めている。 』
首都高を移転すると5000ー6000億円かかるらしいが,こういうお金は無駄使いにならないらしい.4月からの診療報酬改定ではマスコミも加担して大騒ぎしたが,その減額分はおそらく全部で8000億円程度である.医療より日本橋の景観が大事なのだろうか.
医学部の教授(最近は助教授や関連病院の部長も?)も退官が近くなると業績集という自費出版本を出したり退官記念講演会やパーティーまでやってもらったりするものだ.きっと小泉首相も行政改革をこれだけやったんだから名前が残る事業を企画したかったのだろう.でも,福祉をこれだけ後退させてあげくにまた公共事業とはやっぱり懐古趣味なのだろうか.
だが,東京で歴史的な景観が守れるのは皇居の中くらいだろうに,日本橋の上の空を広げることになんの意味があるのだろうか.むしろ日本中で自然や景観を損ねた高度経済成長の歴史的象徴としてそのままの形で残すほうが意味があると思うのは私だけだろうか.
見栄えをよくするだけなら一種の偽装である.財政再建も聞こえはいいが,骨太とはいいながらも首相が体裁にこだわり国民からは見えない骨格には手をつけていなかったとしたら大地震がこなくともいずれ潰れるものは潰れるだけだろう.
東京の名所「日本橋」を覆い隠している首都高速道路について、東京都の石原慎太郎知事は20日の記者会見で、「つまらん金かけるより、日本橋をどこか近くの川に移したらいい」と語り、首都高移設を唱えた小泉首相の提案をひっくり返すアイデアを披露した。
現在の日本橋の景観については「ナンセンスで非常に野蛮な街の造形」としながら、「首都高を造り直すとか、ビルの中を通すとかは大変。あの場所になくても、あの橋そのものがあればいい」と断言。東海道などの起点として栄えた橋の移転を大胆に主張し、「こういう発想をするのが小説家なんだよ」と小泉首相との違いを強調した。
日本橋を覆う高速道路の高架は、64年の東京五輪開催を控えて整備されたもので、小泉首相は昨年末、景観を損ねているとして「日本橋の上を思い切って空に向かって広げてみよう」と主張。発言を受けた国土交通省は、都が五輪招致を目指す2016年をめどに、首都高移設の検討を進めている。 』
首都高を移転すると5000ー6000億円かかるらしいが,こういうお金は無駄使いにならないらしい.4月からの診療報酬改定ではマスコミも加担して大騒ぎしたが,その減額分はおそらく全部で8000億円程度である.医療より日本橋の景観が大事なのだろうか.
医学部の教授(最近は助教授や関連病院の部長も?)も退官が近くなると業績集という自費出版本を出したり退官記念講演会やパーティーまでやってもらったりするものだ.きっと小泉首相も行政改革をこれだけやったんだから名前が残る事業を企画したかったのだろう.でも,福祉をこれだけ後退させてあげくにまた公共事業とはやっぱり懐古趣味なのだろうか.
だが,東京で歴史的な景観が守れるのは皇居の中くらいだろうに,日本橋の上の空を広げることになんの意味があるのだろうか.むしろ日本中で自然や景観を損ねた高度経済成長の歴史的象徴としてそのままの形で残すほうが意味があると思うのは私だけだろうか.
見栄えをよくするだけなら一種の偽装である.財政再建も聞こえはいいが,骨太とはいいながらも首相が体裁にこだわり国民からは見えない骨格には手をつけていなかったとしたら大地震がこなくともいずれ潰れるものは潰れるだけだろう.
『--「犯行ごとに計画性」最高裁指摘 宮崎被告の判決理由で--
17日、連続幼女誘拐殺人事件で殺人などの罪に問われた宮崎勤被告(43)の死刑を支持する判決を言い渡した最高裁第三小法廷(藤田宙靖(ときやす)裁判長)は、判決理由で「被告は犯行を重ねるたびに計画性を強めた」と指摘した。殺害態様の冷酷さや残忍さに触れ、「遺族らの被害感情が非常に厳しいのも当然で、刑事責任は極めて重い」と述べた。
事件そのものは小児性愛や猟奇的行動、家族のあり方など今日の同種事件にもつながるさまざまな問題をはらんでいたが、宮崎被告の行動の根底に何があったのかなど、再発防止につながる事実の解明は16年にわたった裁判でも進まなかった。
この間、最大の争点となった宮崎被告の責任能力については、精神鑑定が3通りに分かれ、最高裁の判断が注目された。しかし、第三小法廷は下級審の判断を「正当として是認できる」と述べただけで、判断理由についての具体的な説明はなかった。
他方、判決理由で第三小法廷は、宮崎被告の犯行について「主たる動機は性的欲求と、死体などを撮影して自分だけのビデオテープを持ちたいという収集欲に基づく自己中心的なものだ」と位置づけた。殺害の態様については「人を疑うことを知らない被害者を巧妙に誘い、抵抗するすべもない幼い女児の首を力いっぱい絞め続けるなど冷酷で残忍」と述べた。被害者宅に遺骨や犯行声明を送りつけたことに触れ、「社会に与えた衝撃は甚大」と指摘した。
死刑選択という結論については「被告が先天性の腕の障害に悩んでいたことや、母親が遺族に慰謝の一部として送金していることなど被告のために酌むことができる情状を十分考慮しても、一、二審判決が死刑としたことは是認せざるをえない」と説明した。
判決は藤田裁判長と浜田邦夫、上田豊三、堀籠幸男の各裁判官全員一致の意見だった。』
反省の無いあるいはする能力のない被告にとって責任能力を議論することになんの意味があるのだろうか.正しい判断ができる能力が責任能力とイコールだとしたら,犯罪者はすべて責任能力がないことになるし,計画性があることが責任能力であるなら自分より弱いものを狙った犯罪者すべてに責任能力を求めることができることになるのではないだろうか.
犯罪心理学は人間の異常な心理を解き明かす方法として興味深いものかも知れないが,最近の事件を見ても犯罪の抑止力としての有効性には疑問が残る.この被告の精神鑑定でも意見が3通りに別れたとあるように精神鑑定というものの普遍性にも疑問が残っただけで,科学的に妥当な意見を根拠とするのでなければ被害者の遺族が納得できないだろう.
死刑の判決を下すのに16年もの歳月を要したのは精神鑑定にこだわったからなのだろうが,私には無駄な時間のように思えてならない.結局,被告の人権に考慮するあまり費やしたということなのだろうが,これだけ拘束時間があれば正常な人間でも精神に異常を来したり健康を害するのに十分だろう.
オウム真理教の教祖も精神に異常があってこれ以上裁判を続けることはできないと弁護側が言っているようだが,精神に異常を来せば罪が許されるというものではないだろうし,それが裁判に時間をかけすぎたことによるものであれば,被害者の遺族の怒りは持って行き場のないものになり,結局は救済されるのは加害者だけということになるのではないだろうか.
17日、連続幼女誘拐殺人事件で殺人などの罪に問われた宮崎勤被告(43)の死刑を支持する判決を言い渡した最高裁第三小法廷(藤田宙靖(ときやす)裁判長)は、判決理由で「被告は犯行を重ねるたびに計画性を強めた」と指摘した。殺害態様の冷酷さや残忍さに触れ、「遺族らの被害感情が非常に厳しいのも当然で、刑事責任は極めて重い」と述べた。
事件そのものは小児性愛や猟奇的行動、家族のあり方など今日の同種事件にもつながるさまざまな問題をはらんでいたが、宮崎被告の行動の根底に何があったのかなど、再発防止につながる事実の解明は16年にわたった裁判でも進まなかった。
この間、最大の争点となった宮崎被告の責任能力については、精神鑑定が3通りに分かれ、最高裁の判断が注目された。しかし、第三小法廷は下級審の判断を「正当として是認できる」と述べただけで、判断理由についての具体的な説明はなかった。
他方、判決理由で第三小法廷は、宮崎被告の犯行について「主たる動機は性的欲求と、死体などを撮影して自分だけのビデオテープを持ちたいという収集欲に基づく自己中心的なものだ」と位置づけた。殺害の態様については「人を疑うことを知らない被害者を巧妙に誘い、抵抗するすべもない幼い女児の首を力いっぱい絞め続けるなど冷酷で残忍」と述べた。被害者宅に遺骨や犯行声明を送りつけたことに触れ、「社会に与えた衝撃は甚大」と指摘した。
死刑選択という結論については「被告が先天性の腕の障害に悩んでいたことや、母親が遺族に慰謝の一部として送金していることなど被告のために酌むことができる情状を十分考慮しても、一、二審判決が死刑としたことは是認せざるをえない」と説明した。
判決は藤田裁判長と浜田邦夫、上田豊三、堀籠幸男の各裁判官全員一致の意見だった。』
反省の無いあるいはする能力のない被告にとって責任能力を議論することになんの意味があるのだろうか.正しい判断ができる能力が責任能力とイコールだとしたら,犯罪者はすべて責任能力がないことになるし,計画性があることが責任能力であるなら自分より弱いものを狙った犯罪者すべてに責任能力を求めることができることになるのではないだろうか.
犯罪心理学は人間の異常な心理を解き明かす方法として興味深いものかも知れないが,最近の事件を見ても犯罪の抑止力としての有効性には疑問が残る.この被告の精神鑑定でも意見が3通りに別れたとあるように精神鑑定というものの普遍性にも疑問が残っただけで,科学的に妥当な意見を根拠とするのでなければ被害者の遺族が納得できないだろう.
死刑の判決を下すのに16年もの歳月を要したのは精神鑑定にこだわったからなのだろうが,私には無駄な時間のように思えてならない.結局,被告の人権に考慮するあまり費やしたということなのだろうが,これだけ拘束時間があれば正常な人間でも精神に異常を来したり健康を害するのに十分だろう.
オウム真理教の教祖も精神に異常があってこれ以上裁判を続けることはできないと弁護側が言っているようだが,精神に異常を来せば罪が許されるというものではないだろうし,それが裁判に時間をかけすぎたことによるものであれば,被害者の遺族の怒りは持って行き場のないものになり,結局は救済されるのは加害者だけということになるのではないだろうか.
姉妹刺殺事件で逮捕された山地悠紀夫容疑者(22)とJR下関駅に放火した福田九右衛門容疑者(77)の共通点は無職と再犯であることである.
犯罪者の精神構造を病気と定義するならば再犯は病気が治っていないということになるのだろうか.これを治すためにまた刑務所に入れるのであれば犠牲者は犯罪者の病気を治すために犠牲になったということにならないだろうか.
犯罪者と犠牲者の人権に差はないのだろうが,死んでしまった犠牲者にはもう人権はないのである.殺人鬼や放火魔を更生させようと使う社会的資源と再犯による犠牲者の命は私には無駄に思えるが,そこまでして犯罪者の人権は守らなければならないものなのだろうか.
お金がなくて健康保険も使えない人が増えているそうだから,そのうち医療費が払えないから罪を犯して刑務所で治療を受けようという者が現れるような気がしてならない.外国人の犯罪者も増えている.それでもまだパリの暴動よりはましだと言っていられるのはいつまでだろうか.
犯罪者の精神構造を病気と定義するならば再犯は病気が治っていないということになるのだろうか.これを治すためにまた刑務所に入れるのであれば犠牲者は犯罪者の病気を治すために犠牲になったということにならないだろうか.
犯罪者と犠牲者の人権に差はないのだろうが,死んでしまった犠牲者にはもう人権はないのである.殺人鬼や放火魔を更生させようと使う社会的資源と再犯による犠牲者の命は私には無駄に思えるが,そこまでして犯罪者の人権は守らなければならないものなのだろうか.
お金がなくて健康保険も使えない人が増えているそうだから,そのうち医療費が払えないから罪を犯して刑務所で治療を受けようという者が現れるような気がしてならない.外国人の犯罪者も増えている.それでもまだパリの暴動よりはましだと言っていられるのはいつまでだろうか.
『--著者全員が論文撤回に同意 ES細胞、決定来週以降に--
ソウル大が完全な捏造(ねつぞう)と判定した黄禹錫(ファン・ウソク)教授らの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)論文について、掲載した米科学誌サイエンスは4日、25人の著者全員が論文の撤回に同意したと明らかにした。
同誌は来週にも発表されるソウル大調査委員会の最終報告の内容を反映させる形で正式決定するとしている。同誌スポークスマンは「著者による撤回か、編集部判断とするかなど撤回の形式についても、調査結果を受けての判断になる」と述べた。
論文は、患者の皮膚細胞を基にしたクローン胚から、患者とDNAが同じ計11個のES細胞をつくったとする内容。昨年5月にサイエンス誌に掲載され、拒絶反応のない再生医療が現実味を増したと高く評価された。
しかし共同研究者が疑惑を暴露。ソウル大調査委は昨年末、同論文を完全な捏造と結論付けた。同教授は「写真の誤り」を理由に論文撤回を申し出たが、ES細胞の作成技術はあるとし、証拠となる細胞が何者かに「すり替えられた」と主張している。』
わが国が耐震データの捏造事件で大騒ぎしている頃にお隣の韓国では国辱だと大騒ぎになったデータの捏造事件である.コンピュータソフトと科学雑誌の差はあるが,どちらも信憑性の高い(と思われている)ものだっただけに騙されたと気づくのが遅かったということだろう.これも一種の権威主義なのだろうが,自分で検証できなければ権威を信用するしかないから一般人にはどちらもまったく理解できなくとも仕方がない.
最近は成果主義とかでインパクトの高い論文とならねば研究費ももらえないのであるから研究者も大変である.つまり研究を続けるためにはいい論文を書かねばならない.とは言ってもそれには都合のいいデータが必要である.では,いいデータが出なければどうするのか.研究を続けるためあるいは生活のためになんとかいいデータにしようとするあまり捏造になってしまうのだろうか.これではどこかの元建築士と同じであろう.
私は科学的真実とか倫理とか安全とかが重要な問題に関してコストという圧力をかければ今後も同じような問題が起きるだろうと思う.優秀な人が十分に時間とコストをかければ必ずしもいい結果が出るわけでもないだろうが,コストを圧縮して結果を急ぐあまり間違ったものが世の中に流れるようではリスクは増大するばかりで結果的に安全のためのコストは増大してしまうと思うのだがどうだろうか.
ソウル大が完全な捏造(ねつぞう)と判定した黄禹錫(ファン・ウソク)教授らの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)論文について、掲載した米科学誌サイエンスは4日、25人の著者全員が論文の撤回に同意したと明らかにした。
同誌は来週にも発表されるソウル大調査委員会の最終報告の内容を反映させる形で正式決定するとしている。同誌スポークスマンは「著者による撤回か、編集部判断とするかなど撤回の形式についても、調査結果を受けての判断になる」と述べた。
論文は、患者の皮膚細胞を基にしたクローン胚から、患者とDNAが同じ計11個のES細胞をつくったとする内容。昨年5月にサイエンス誌に掲載され、拒絶反応のない再生医療が現実味を増したと高く評価された。
しかし共同研究者が疑惑を暴露。ソウル大調査委は昨年末、同論文を完全な捏造と結論付けた。同教授は「写真の誤り」を理由に論文撤回を申し出たが、ES細胞の作成技術はあるとし、証拠となる細胞が何者かに「すり替えられた」と主張している。』
わが国が耐震データの捏造事件で大騒ぎしている頃にお隣の韓国では国辱だと大騒ぎになったデータの捏造事件である.コンピュータソフトと科学雑誌の差はあるが,どちらも信憑性の高い(と思われている)ものだっただけに騙されたと気づくのが遅かったということだろう.これも一種の権威主義なのだろうが,自分で検証できなければ権威を信用するしかないから一般人にはどちらもまったく理解できなくとも仕方がない.
最近は成果主義とかでインパクトの高い論文とならねば研究費ももらえないのであるから研究者も大変である.つまり研究を続けるためにはいい論文を書かねばならない.とは言ってもそれには都合のいいデータが必要である.では,いいデータが出なければどうするのか.研究を続けるためあるいは生活のためになんとかいいデータにしようとするあまり捏造になってしまうのだろうか.これではどこかの元建築士と同じであろう.
私は科学的真実とか倫理とか安全とかが重要な問題に関してコストという圧力をかければ今後も同じような問題が起きるだろうと思う.優秀な人が十分に時間とコストをかければ必ずしもいい結果が出るわけでもないだろうが,コストを圧縮して結果を急ぐあまり間違ったものが世の中に流れるようではリスクは増大するばかりで結果的に安全のためのコストは増大してしまうと思うのだがどうだろうか.
新年あけまして...
2006年1月3日 社会の問題
『--所得500万円未満の世帯増加 厚労省調査--
厚生労働省の国民生活基礎調査によると、低所得世帯の割合が年々増加している。500万円未満の世帯が増える一方、500万円以上の世帯は減少。データからは「富める人は一部だけ」という方向へ向かいつつあるように見える。
OECD(経済協力開発機構)が発表する加盟各国の貧困率(所得が全国民の所得の中央値の半分以下の人の割合)で見ると、日本は80年代半ばの11.9%から00年には15.3%に上昇。メキシコやアメリカなどに次いで5番目の高さで、世界でも格差の大きな国ということになる。
「貯蓄ゼロ」の世帯も増えている。87年には3.3%だったが、その後は上昇を続けた。03年には21.8%に達し、4世帯に1世帯近くになった。05年版生活白書は、若年層で貯蓄ゼロが増えているとして「増大する無業者はとても貯蓄まで手が回らない姿がうかがえる」と分析している。』
2006年はどんな1年になるのであろうか.景気は回復してきているというが,低所得者層が増え国民健康保険料が払えず患者になることもできない人たちがいるそうだ.
『--「無保険者」30万世帯以上--
国民健康保険料の長期滞納を理由に、医療費の全額自己負担を求められる資格証明書を市町村から交付され、保険証を使えない「無保険者」が04年度、全国で30万世帯以上に達したことが、毎日新聞の全国調査で分かった。資格証明書は滞納対策とされ、交付数は00年度の3倍に増えたが、滞納世帯数は逆に上昇。どの自治体も同じように国保財政が悪化する中、交付数に大きな格差も出ている。国民皆保険制度の根幹が揺らいでいる。
調査は47都道府県と14政令市を対象に実施。保険料滞納世帯数や、資格証明書交付世帯数などを尋ねた。
04年度は全国で計30万6020世帯に資格証明書が交付され、00年度の9万6849世帯から3倍以上に増えた。05年度も数字を回答した33都道府県で比較すると、04年度より5%増えている。
自治体間の格差も大きい。政令市で最も交付数が多い横浜市は04年度、70万世帯中3万1592世帯に交付しており、「国保料の減額申請などの相談に来ない限り、生活困窮などの特別な事情はないとみなす」と説明する。一方、名古屋市は43万世帯中15世帯にしか交付していない。両市とも医療給付費の11%程度を一般会計からの繰り入れでまかなっているが、対応は分かれている。
国は00年度から、自治体に対して資格証明書の交付を義務づけた。しかし、全国の加入世帯に占める滞納世帯の割合は、00年度の17.5%から04年度には18.8%と増加。滞納対策としての効果を尋ねたところ、36都府県と13政令市が「ある」と答えたが、10道県1政令市が「効果が分からない」と疑問を示した。「収納率(徴収できた保険料の割合)が低下した自治体もある」(香川県)、「納付意欲の減退、態度の硬化を招く」(鳥取県)などの理由だった。
厚生労働省国民健康保険課は「資格証明書の交付は滞納を抑制するという一定の効果は得られている。(交付基準の自治体間格差は)自治体が個々の事情に応じて対応しているだけで問題はない」と話している。』
さらに年金生活者にとってもこれからは大変な未来が待っているかもしれない.生活費の安い海外で年金生活をする「年金移民」という人たちがいるそうだ.
医師にとっても今年はさらに厳しい年になりそうだ.ITや株式という虚業で勝った人たちが勝ち続けるような社会がいいとは私にはとても思えないのだが,これからどうなっていくのだろうか.
何年ぶりかの4連休で気力も体力も回復し,ついでに体重まで回復してしまったのが情けないが,明日からまた毎日を充実したものにするべく頑張りたいと思います.
今年もよろしくお願いします.
厚生労働省の国民生活基礎調査によると、低所得世帯の割合が年々増加している。500万円未満の世帯が増える一方、500万円以上の世帯は減少。データからは「富める人は一部だけ」という方向へ向かいつつあるように見える。
OECD(経済協力開発機構)が発表する加盟各国の貧困率(所得が全国民の所得の中央値の半分以下の人の割合)で見ると、日本は80年代半ばの11.9%から00年には15.3%に上昇。メキシコやアメリカなどに次いで5番目の高さで、世界でも格差の大きな国ということになる。
「貯蓄ゼロ」の世帯も増えている。87年には3.3%だったが、その後は上昇を続けた。03年には21.8%に達し、4世帯に1世帯近くになった。05年版生活白書は、若年層で貯蓄ゼロが増えているとして「増大する無業者はとても貯蓄まで手が回らない姿がうかがえる」と分析している。』
2006年はどんな1年になるのであろうか.景気は回復してきているというが,低所得者層が増え国民健康保険料が払えず患者になることもできない人たちがいるそうだ.
『--「無保険者」30万世帯以上--
国民健康保険料の長期滞納を理由に、医療費の全額自己負担を求められる資格証明書を市町村から交付され、保険証を使えない「無保険者」が04年度、全国で30万世帯以上に達したことが、毎日新聞の全国調査で分かった。資格証明書は滞納対策とされ、交付数は00年度の3倍に増えたが、滞納世帯数は逆に上昇。どの自治体も同じように国保財政が悪化する中、交付数に大きな格差も出ている。国民皆保険制度の根幹が揺らいでいる。
調査は47都道府県と14政令市を対象に実施。保険料滞納世帯数や、資格証明書交付世帯数などを尋ねた。
04年度は全国で計30万6020世帯に資格証明書が交付され、00年度の9万6849世帯から3倍以上に増えた。05年度も数字を回答した33都道府県で比較すると、04年度より5%増えている。
自治体間の格差も大きい。政令市で最も交付数が多い横浜市は04年度、70万世帯中3万1592世帯に交付しており、「国保料の減額申請などの相談に来ない限り、生活困窮などの特別な事情はないとみなす」と説明する。一方、名古屋市は43万世帯中15世帯にしか交付していない。両市とも医療給付費の11%程度を一般会計からの繰り入れでまかなっているが、対応は分かれている。
国は00年度から、自治体に対して資格証明書の交付を義務づけた。しかし、全国の加入世帯に占める滞納世帯の割合は、00年度の17.5%から04年度には18.8%と増加。滞納対策としての効果を尋ねたところ、36都府県と13政令市が「ある」と答えたが、10道県1政令市が「効果が分からない」と疑問を示した。「収納率(徴収できた保険料の割合)が低下した自治体もある」(香川県)、「納付意欲の減退、態度の硬化を招く」(鳥取県)などの理由だった。
厚生労働省国民健康保険課は「資格証明書の交付は滞納を抑制するという一定の効果は得られている。(交付基準の自治体間格差は)自治体が個々の事情に応じて対応しているだけで問題はない」と話している。』
さらに年金生活者にとってもこれからは大変な未来が待っているかもしれない.生活費の安い海外で年金生活をする「年金移民」という人たちがいるそうだ.
医師にとっても今年はさらに厳しい年になりそうだ.ITや株式という虚業で勝った人たちが勝ち続けるような社会がいいとは私にはとても思えないのだが,これからどうなっていくのだろうか.
何年ぶりかの4連休で気力も体力も回復し,ついでに体重まで回復してしまったのが情けないが,明日からまた毎日を充実したものにするべく頑張りたいと思います.
今年もよろしくお願いします.
『--「過去に例ない」同志社大が陳謝 京都女児殺害--
「大学130年の歴史として過去に例がない事件。一人一人を大切にしてきた同志社として大変重く受け止めており、慚愧(ざんき)の念に堪えない」
京都の小6女児殺害事件で、10日夕、同志社大で会見した八田英二学長は沈痛な表情で陳謝した。
03年6月の事件後、萩野容疑者が所属する法学部教授会は「反省しており、警備員のけがも軽傷だった。再び教育の機会を与えるべきだ」と退学処分は見送り、10月1日付で1年半の停学処分とした。
ところが停学中、大学側が萩野容疑者と接触したのは、停学が解ける直前の05年3月25日、学生主任の法学部教授2人が萩野容疑者と父親に20分間面会した一度きりだった。「反省の態度を示し、今後の勉学への意欲もあり、特に異常な様子はなかった」(佐藤鉄男法学部長)として復学を認めていた。
佐藤部長は「個人的には今思うと、本人の心の相談をすることがあってもよかった」と語った。 』
最高学府たる大学も今では誰でもといっていいくらい入学できるようになった.それだけ大学の価値も下がっている.さらに少子化で学生集めに躍起になっている私立大学も多い.東大が地方の優秀な学生を集めるために地方で入学試験を受けられるようにするというニュースも聞いた.今や強盗致傷でも学生を退学にしたくないということなのだろうか.
「反省しており、警備員のけがも軽傷だった。再び教育の機会を与えるべきだ」という話を好意的にとれないでもないが,反省しているという判断がどのようになされたかに現実的な問題があるのではないだろうか.泣いて誤ったから反省していると判断したという程度だったとしたら学問ばかりやっている大学の先生方は世の中のことがわかっていないといわれても仕方がないだろう.中途半端な理解や同情など何の役にも立たないのである.悪い意味での加害者への偏重が生んだ悲劇とも言えるだろう.
そう,現代の人間の心とか価値観というものはこれほどまでに多様化し病んでいるということにもっと早く気付くべきであっただろう.私は医師という職業のため好むと好まざるにかかわらず実に色々な人間をみてきたが,最近の患者や家族のものの考え方には驚かされることが多い.そこではもはや私の常識や良識というものは通じない.ただ自分の幸福のみを追求する姿を恥ずかしげもなく晒す人々が思いのほか多いのにはあきれるばかりである.
その人のために良かれと思って配慮してあげたつもりが『恩を仇で返す』ような目に遭って後悔するような経験を何度かすれば人間というものがいくらかはわかるだろう.同志社大学の先生達は130年の歴史で初めてこのようなことに遭って驚きと同時に落胆を経験したに違いない.だが,臨床医であれば年に数回は信じられないような人たちを経験し,このような人間がいることは驚くにはあたらないと思う.
外から見てわからない以上,他人を信頼するかどうするかはその人が何を言ったかでなく何をやってきたかで判断するしかないと思うのだがどうだろうか.
「大学130年の歴史として過去に例がない事件。一人一人を大切にしてきた同志社として大変重く受け止めており、慚愧(ざんき)の念に堪えない」
京都の小6女児殺害事件で、10日夕、同志社大で会見した八田英二学長は沈痛な表情で陳謝した。
03年6月の事件後、萩野容疑者が所属する法学部教授会は「反省しており、警備員のけがも軽傷だった。再び教育の機会を与えるべきだ」と退学処分は見送り、10月1日付で1年半の停学処分とした。
ところが停学中、大学側が萩野容疑者と接触したのは、停学が解ける直前の05年3月25日、学生主任の法学部教授2人が萩野容疑者と父親に20分間面会した一度きりだった。「反省の態度を示し、今後の勉学への意欲もあり、特に異常な様子はなかった」(佐藤鉄男法学部長)として復学を認めていた。
佐藤部長は「個人的には今思うと、本人の心の相談をすることがあってもよかった」と語った。 』
最高学府たる大学も今では誰でもといっていいくらい入学できるようになった.それだけ大学の価値も下がっている.さらに少子化で学生集めに躍起になっている私立大学も多い.東大が地方の優秀な学生を集めるために地方で入学試験を受けられるようにするというニュースも聞いた.今や強盗致傷でも学生を退学にしたくないということなのだろうか.
「反省しており、警備員のけがも軽傷だった。再び教育の機会を与えるべきだ」という話を好意的にとれないでもないが,反省しているという判断がどのようになされたかに現実的な問題があるのではないだろうか.泣いて誤ったから反省していると判断したという程度だったとしたら学問ばかりやっている大学の先生方は世の中のことがわかっていないといわれても仕方がないだろう.中途半端な理解や同情など何の役にも立たないのである.悪い意味での加害者への偏重が生んだ悲劇とも言えるだろう.
そう,現代の人間の心とか価値観というものはこれほどまでに多様化し病んでいるということにもっと早く気付くべきであっただろう.私は医師という職業のため好むと好まざるにかかわらず実に色々な人間をみてきたが,最近の患者や家族のものの考え方には驚かされることが多い.そこではもはや私の常識や良識というものは通じない.ただ自分の幸福のみを追求する姿を恥ずかしげもなく晒す人々が思いのほか多いのにはあきれるばかりである.
その人のために良かれと思って配慮してあげたつもりが『恩を仇で返す』ような目に遭って後悔するような経験を何度かすれば人間というものがいくらかはわかるだろう.同志社大学の先生達は130年の歴史で初めてこのようなことに遭って驚きと同時に落胆を経験したに違いない.だが,臨床医であれば年に数回は信じられないような人たちを経験し,このような人間がいることは驚くにはあたらないと思う.
外から見てわからない以上,他人を信頼するかどうするかはその人が何を言ったかでなく何をやってきたかで判断するしかないと思うのだがどうだろうか.
強盗致傷容疑で現行犯の塾講師?
2005年12月10日 社会の問題『--塾講師、小6女児刺殺の疑い 包丁とハンマー用意 京都--
10日午前9時ごろ、京都府宇治市神明石塚の学習塾「京進宇治神明(しんめい)校」から「生徒を刺した」と110番通報があった。宇治署員が駆けつけると、同市開町、京都府職員の堀本恒秀さん(42)の長女で、同市立神明小学校6年、紗也乃(さやの)さん(12)が首や胸を数カ所刺されて倒れており、病院に運ばれたが間もなく死亡が確認された。府警は現場にいた同塾アルバイト講師の同志社大学生、同市寺山台3丁目、萩野裕(はぎの・ゆう)容疑者(23)が刺したことを認めたため、殺人未遂容疑で現行犯逮捕し、殺人容疑に切り替えて調べている。萩野容疑者は包丁2本とハンマーを用意していたといい、紗也乃さんに対して以前から快く思っていなかったという趣旨の供述をしていることから、府警は計画的な犯行とみている。
調べによると、同塾はビルの2階にあり、紗也乃さんは塾の教室内で刺された。他の塾職員が異常に気付いて教室に行くと内側から施錠されており、ドアをたたくと手を血まみれにした萩野容疑者が出てきたという。府警は萩野容疑者が紗也乃さんを教室に閉じこめ、逃げまどうところを刺したとみている。
教室内は机が散乱し、床に血が落ちていた。萩野容疑者が使った出刃包丁(刃渡り17センチ)などが教室にあり、押収した。
各教室には防犯カメラが設置され、事務室でモニターが見られるようになっていたが、紗也乃さんが刺された教室だけモニターの配線が切断されていたといい、府警は萩野容疑者が事件の発覚を遅らせようと細工した疑いがあるとみている。
調べに対し、萩野容疑者は「口論になって刺した」と供述しているといい、詳しい動機を調べている。萩野容疑者は自分の携帯電話で自ら110番通報したという。
「京進」(本社・京都市下京区)によると、萩野容疑者を03年11月にアルバイト講師として採用。小学生に国語を、中学生に英語を教えていた。紗也乃さんは塾に対し萩野容疑者の授業を受けたくないと伝え、今月から国語の授業を受けていなかった。
宇治神明校ではこの日午前9時から塾生を対象にテストを予定。児童十数人が集まっていた教室に萩野容疑者が姿を現し、「国語に関するアンケートを取りたい」と言って児童を別の教室に移動させた。国語をとっていなかったため教室に1人だけ残った紗也乃さんを刺したらしい。
京都府警によると、萩野容疑者は01年4月に同志社大に入学。03年6月、同大図書館で女子学生のかばんから財布を盗み、見とがめた警備員を殴って負傷させたとして強盗致傷容疑で現行犯逮捕された。
同大によると、この事件で同年10月から今年3月末まで停学にしていた。現在は法学部に在籍しているという。
京進の立木貞昭社長は「信じられないことが起こり、たいへん申し訳ない。講師の倫理教育に取り組んできた矢先なのに。親御さんに何と言っていいかわからない」と声を落とした。 』
こんな男を雇った塾に責任はないのだろうか.京進の立木貞昭社長は「信じられないことが起こり、たいへん申し訳ない。」といっているが,もとが強盗傷害事件を起こしている男だけに再犯の可能性はあっただろう.それを子供相手の塾講師として雇用していたことに私は驚いた.
同志社大学を今年3月末まで停学になり現在は法学部に在籍しているというが,こんな男を法学部に未だに在籍させていた大学にもあきれる.停学中に更生したというつもりかもしれないが,更生したという根拠はどこに求めればよいのだろうか.事件を起こした時点で退学にすべきだったのではないだろうか.塾にしても大学にしても危機管理という面では見通しが甘すぎたのではないだろうか.
傷害とか殺人というものは普通の人間にはなかなかできないものであると私は思っている.医学生時代の解剖学実習のときでさえご遺体と頭ではわかっていても最初はメスで皮膚を切開することをためらった覚えがある.外科医を長いことやっていても包丁で人を刺すなんてできそうもないことだ.こういうことが計画的に出来る人間というのはやはりそれだけで異常であると思う.
最近の一連の事件で学校もその通学路もそして塾も安全でないことがよくわかった.可能性のあることはすべて起きるというだけのことだろうが,これからは『ひとを見たら泥棒と思え』どころか殺人犯と思えという考え方でないと自分の身を守れないということだ.なんともいやな時代になったものだが,被害者になった子供たちの世代はこれからさらにひどい時代に生きていかなければならないのかと思うとなんとも暗い気持ちになってしまう.
10日午前9時ごろ、京都府宇治市神明石塚の学習塾「京進宇治神明(しんめい)校」から「生徒を刺した」と110番通報があった。宇治署員が駆けつけると、同市開町、京都府職員の堀本恒秀さん(42)の長女で、同市立神明小学校6年、紗也乃(さやの)さん(12)が首や胸を数カ所刺されて倒れており、病院に運ばれたが間もなく死亡が確認された。府警は現場にいた同塾アルバイト講師の同志社大学生、同市寺山台3丁目、萩野裕(はぎの・ゆう)容疑者(23)が刺したことを認めたため、殺人未遂容疑で現行犯逮捕し、殺人容疑に切り替えて調べている。萩野容疑者は包丁2本とハンマーを用意していたといい、紗也乃さんに対して以前から快く思っていなかったという趣旨の供述をしていることから、府警は計画的な犯行とみている。
調べによると、同塾はビルの2階にあり、紗也乃さんは塾の教室内で刺された。他の塾職員が異常に気付いて教室に行くと内側から施錠されており、ドアをたたくと手を血まみれにした萩野容疑者が出てきたという。府警は萩野容疑者が紗也乃さんを教室に閉じこめ、逃げまどうところを刺したとみている。
教室内は机が散乱し、床に血が落ちていた。萩野容疑者が使った出刃包丁(刃渡り17センチ)などが教室にあり、押収した。
各教室には防犯カメラが設置され、事務室でモニターが見られるようになっていたが、紗也乃さんが刺された教室だけモニターの配線が切断されていたといい、府警は萩野容疑者が事件の発覚を遅らせようと細工した疑いがあるとみている。
調べに対し、萩野容疑者は「口論になって刺した」と供述しているといい、詳しい動機を調べている。萩野容疑者は自分の携帯電話で自ら110番通報したという。
「京進」(本社・京都市下京区)によると、萩野容疑者を03年11月にアルバイト講師として採用。小学生に国語を、中学生に英語を教えていた。紗也乃さんは塾に対し萩野容疑者の授業を受けたくないと伝え、今月から国語の授業を受けていなかった。
宇治神明校ではこの日午前9時から塾生を対象にテストを予定。児童十数人が集まっていた教室に萩野容疑者が姿を現し、「国語に関するアンケートを取りたい」と言って児童を別の教室に移動させた。国語をとっていなかったため教室に1人だけ残った紗也乃さんを刺したらしい。
京都府警によると、萩野容疑者は01年4月に同志社大に入学。03年6月、同大図書館で女子学生のかばんから財布を盗み、見とがめた警備員を殴って負傷させたとして強盗致傷容疑で現行犯逮捕された。
同大によると、この事件で同年10月から今年3月末まで停学にしていた。現在は法学部に在籍しているという。
京進の立木貞昭社長は「信じられないことが起こり、たいへん申し訳ない。講師の倫理教育に取り組んできた矢先なのに。親御さんに何と言っていいかわからない」と声を落とした。 』
こんな男を雇った塾に責任はないのだろうか.京進の立木貞昭社長は「信じられないことが起こり、たいへん申し訳ない。」といっているが,もとが強盗傷害事件を起こしている男だけに再犯の可能性はあっただろう.それを子供相手の塾講師として雇用していたことに私は驚いた.
同志社大学を今年3月末まで停学になり現在は法学部に在籍しているというが,こんな男を法学部に未だに在籍させていた大学にもあきれる.停学中に更生したというつもりかもしれないが,更生したという根拠はどこに求めればよいのだろうか.事件を起こした時点で退学にすべきだったのではないだろうか.塾にしても大学にしても危機管理という面では見通しが甘すぎたのではないだろうか.
傷害とか殺人というものは普通の人間にはなかなかできないものであると私は思っている.医学生時代の解剖学実習のときでさえご遺体と頭ではわかっていても最初はメスで皮膚を切開することをためらった覚えがある.外科医を長いことやっていても包丁で人を刺すなんてできそうもないことだ.こういうことが計画的に出来る人間というのはやはりそれだけで異常であると思う.
最近の一連の事件で学校もその通学路もそして塾も安全でないことがよくわかった.可能性のあることはすべて起きるというだけのことだろうが,これからは『ひとを見たら泥棒と思え』どころか殺人犯と思えという考え方でないと自分の身を守れないということだ.なんともいやな時代になったものだが,被害者になった子供たちの世代はこれからさらにひどい時代に生きていかなければならないのかと思うとなんとも暗い気持ちになってしまう.