『--広島と長崎の原爆投下、57%が支持 米国内世論調査--

 広島と長崎への原爆投下に関する米国内の世論を調べた米ギャラップ社によると、60年前の2都市への原爆投下を57%が「支持する」と答え、「支持しない」は38%だった。同じテーマで聞いた10年前の前回調査と比べて「支持」は2ポイント減り、「不支持」が3ポイント増えた。同社が5日発表した。

 「原爆投下が戦争終結を早め、米国人の命を救ったと思うか?」には、「救った」が80%(前回より6ポイント減)で、「救わなかった」は16%(同9ポイント増)だった。「投下はより多くの日本人の命を救ったか。それとも日本人の犠牲者を増やしたか?」には「救った」が41%(同1ポイント増)で、「犠牲者を増やした」は47%(2ポイント増)だった。

 男性で原爆投下を支持したのは73%、女性は42%だった。共和党支持者のうち73%が投下を支持し、民主党支持者は47%だった。調査は全米の18歳以上の1010人を対象に電話で聞いた。 』

 60年も前のことだし原爆が日本人の犠牲者を増やしたことは事実だろうが、米国人の命を救ったことにはなるのだろうか。私は核を実際に使用するのは広島と長崎で終わりにしなければならないだろうとは思う。今度使った時には犠牲者を増やすばかりの最悪な悪循環の始まりとなるような気がするからだ。

 今や大陸間弾道弾などは持っていることに意味があるのであり使ってしまっては元も子もなくなることは明白である。ミサイル1発で広島の何十倍もの威力のあるのを実際に使えば地球環境が破壊され人類の未来も潰えることだろう。だから、持っていても使うわけにはいかない。

 心配なのは小型化された核兵器がテロリストなどによって使用されることだろう。米国の大都市で核テロが行われても米国人は核兵器が米国人の命を救ったと言い続けることができるのだろうか。実際に米国人が被爆を体験できなければわからないというのであればいずれそういったことも起こるにちがいない。歴史は続いているのであって、また繰り返されるということを忘れるべきではないだろう。

 悲劇を繰り返さないためにも、日本は唯一の被爆国として断固として核兵器の根絶に動くべきであろう。戦争を繰り返してもその悲劇から学べないのであれば人類の未来は決して明るいものではない。人類の持つ核兵器はすでに人類を滅亡させるに十分なだけあるのだから。
『--がんで脳死の米女性出産 820グラムの女児は元気--

 AP通信によると、妊娠早期に脳腫瘍(しゅよう)のため脳死と診断された米バージニア州のスーザン・トレスさん(26)が2日、女児を出産した。

 脳死の女性による出産例はほかにもあるが、トレスさんの場合はがんが既に肺などに転移、子宮に広がる前に胎児が十分に発育できるか時間との闘いになっていたため、内外の注目を集めていた。帝王切開で生まれた女児は体重わずか820グラムだが元気という。トレスさんの状態は不明。

 ワクチン研究者のトレスさんは5月、自宅で突然倒れ呼吸が停止。極めて悪性度の高いがんの一種メラノーマが脳に広がっていた。夫のジェーソンさんは仕事を辞めて妻に付き添い、出産のために人工呼吸器の装着を続けた。

 出産後の赤ちゃんが発育できるぎりぎりの時期とされる妊娠24週が過ぎた2日、手術が行われた。

 集中治療室(ICU)でのケアなど保険適用外の医療費が週に数万ドルかかるため、日本など海外からも含め、これまでに総額40万ドル(約4400万円)の寄付がトレスさんに寄せられた。』

 その後のニュースがなくてどうなったか心配していたのだが,無事に生まれたようだ.メラノーマには脳原発のものと転移性のものとあるのだが,どちらだったのであろうか.

 医療が進歩していることもあるのだろうが,それにしても赤ちゃんの生命力もたいしたものだ.たくさんの寄付が寄せられたのはひとつの命の尊さを知る人がたくさんいたからなのであろう.

 今度,米国の日系3世の監督が広島・長崎の原爆のドキュメンタリーをつくるそうである.今でも米国の多くの人たちは戦争終結のために原爆は必要であったと信じているそうであるが,一瞬でこの世から消えてしまった何千人もの子供たちのことはどう考えているのだろうか.

 私にとって毎年8月は命の重さについて考える季節である.

懲りない中国

2005年7月13日 その他
『--論文発表は「機密漏えい」 中国、鳥インフルエンザで--

 中国南部の家禽(かきん)を発端にした鳥インフルエンザ(H5N1型)感染拡大の可能性を指摘する論文を英科学誌に発表した香港大の研究者が発表後、中国農業省から論文は「国家機密漏えい」に当たるとする通知を受けていたことが分かった。12日付香港紙、香港経済日報が伝えた。

 通知は論文の内容を否定した上で「法的責任を問う可能性もある」と研究者に警告したという。中国では5月末、当局の許可なくウイルスのサンプルを収集・分析したり、感染情報を公表することを禁じる新条例が施行された。研究者への通知は同条例などが根拠とみられるが、感染情報の迅速な開示が阻害されるとの懸念が高まりそうだ。

 研究者らは7日付英科学誌ネイチャー(電子版)に論文を発表。中国青海省で死んだ渡り鳥から検出したウイルスは中国南部の家禽から伝わったとみられるとし、感染が今後南アジアや欧州に広がる可能性を指摘した。

 中国では2003年に新型肺炎(SARS)感染が広がった当初、当局が「感染隠し」をしていると国内外から批判された。』

 SARSの時に対応のまずさから保健医療レベルの低さを図らずも露呈した中国であったが,あくまでも臭いものには蓋をするような情報操作で「感染隠し」をすれば悪い噂を防げるとでも思っているのだろうか.こんなことをしたところで鳥インフルエンザ(H5N1型)の感染が拡大すればまたもやその保険医療政策のまずさを公表するようなものである.

 うまく隠したつもりでもいずれはバレるのが世の常であると私は思うし,自分だけがうまいことをやっているつもりでもいつかは足元をすくわれるものである.そうでなくとも人生には限りがあるのである.死んだ後にバレたのでは永久に名誉回復は不可能であろう.やはり嘘をついたり人を陥れるようなことをすればいずれは自分に返ってくるということを忘れずにクールに生きるというのが私の理想である.

脳死??

2005年7月8日 その他
『--がんで脳死の米女性出産へ 時間との闘いに支援広がる--
 
 妊娠早期に脳腫瘍(しゅよう)のため脳死と診断された米バージニア州の女性(26)とその家族に、米内外で支援の動きが広がっている。赤ちゃんを出産させようと夫らは人工呼吸器装着の継続を決断したが、がんは既に肺などに転移しており、子宮に広がる前に胎児が十分に発育できるか「時間との闘い」になっているためだ。

 女児とみられる胎児は今のところ元気な様子で、医師団は今月中旬にも人工的に出産させる計画。米メディアの報道で苦渋の選択を知った内外の人々からは、これまでに計30万ドル(約3400万円)の寄付が家族に寄せられたという。

 支援団体や報道によると、女性はワクチン研究者のスーザン・トレスさん。妊娠17週だった5月7日に自宅で突然倒れ、呼吸が停止。当惑する夫ジェーソンさんと2歳の長男に告げられた診断は、極めて悪性度の高いがんの一種メラノーマが脳に広がり、脳死になった-だった。

 脳死が「人の死」と広く認められている米国だが、ジェーソンさんは「妻ならそう望むはず」と妊娠継続を決意。病院は赤ちゃんが母体外で生きられるほどに育つまでを目標に、スーザンさんに集中治療室(ICU)でのケアを続けている。

 米国では、今のところ倫理面の論争には発展していないが、赤ちゃんががんにかかった場合、治療が極めて難しいことを懸念する専門家もいる。』

 これが日本での脳死の診断基準と同じ「脳死」だとしたら極めて珍しいケースということになるがおそらくそうではないのだろう.脳死と診断された成人が一週間以上生存することは極めてまれである.

 こういうニュースは脳死に対する誤解を与えかねないのでなんらかの解説が必要だと思うが,マスコミとはこんなものだろう.報道したことで悪影響があっても責任はとらず,今度はその悪影響を報道のネタにするだけであるからなんともお気楽な商売である.それでもマスコミ関係者は偉いらしく政治家,医療関係者,教師,とならんで入院しても態度の悪い患者の代表でもある.

 それはさておき脳死かどうかは別としてこの胎児にはなんとか無事に生まれてきてもらいたいものだ.人間の生命力みたいなものを感じられるのが産科のいいところだと思うのだが,最近は医療事故を恐れてか不妊症に熱中する医師ばかりが増えているようでなんとなく不自然で不気味な感じがするのは私だけだろうか.

 脳死後の生存期間についてさらなる興味のあるかたは以下を参照してみてはどうでしょうか.

http://www6.plala.or.jp/brainx/chronic_brain_death.htm

年齢制限?

2005年7月8日 その他
『--55歳で医師の道は駄目? 群馬大に入学許可求め提訴--

 群馬大学医学部を受験した東京都目黒区の女性(55)が7日までに「年齢を理由に不合格とされたのは不当」として、大学側に入学許可を求める訴訟を前橋地裁に起こした。

 訴状によると、女性は2月の学力検査を受験。不合格となったため情報開示を求めると、得点が合格者の平均点を10.3点上回っていたことが判明した。面接の情報は明らかにされなかった。

 女性が入試担当者に電話で説明を求めて「卒業時の年齢を考えると問題がある」との非公式の説明を受けたという。

 女性は「年齢を理由に不合格とするのは失当で、合否判定権の乱用があった」と主張。群馬大は「検討中のため、現段階ではコメントできない」としている。』

 得点が合格者の平均点を10.3点上回っていたということは面接で落とされたということになるのであろう.電話で説明を求めて入試担当者に「卒業時の年齢を考えると問題がある」との非公式の説明を受けたとあるが,裁判になれば不合格になった理由を大学側は明らかにせねばならないだろう.個人の能力の差は合否の基準になるだろうが年齢は該当しないだろう.

 このニュースは最初は無視していたのであるが,これに関する医師の反応が様々で非常に面白かった.不合格を是とする側の意見は1.55歳での入学は一人前の医師になるには遅すぎる.2.だから税金の無駄使い.3.若い人にチャンスを与えるべき.というのが多く.大学の対応に疑問の声としては1.年齢で制限するなら願書に明記すべき.2.学問の自由だから年齢は関係ない.というものだった.

 私は55歳の医学生はいてもいいと思うのである.一人前の医師になれる可能性は低いとは思うが,それは本人の考える問題である.入学はひとつのチャンスではあるが,医師国家試験の前にも後にもいろんな関門がまだある.すべてをクリアして初めて一人前の医師だと思う.自分を省みると脳外科専門医になってから大分経った今でも不十分な点を患者さんから学ぶことは多い.臨床医というのは人との関係で成り立つものだからゴールはない.医学も進歩する.だからいつまでやっても道なかばということだろう.

 人生にはかぎりがあるから55歳で始めたら道の残りはすでに半分くらいしかないのかも知れない.裁判で合格し国家試験にも合格したとしたら,その短い時間をどのように有効に使うのか(使えるのか?)に興味があるのは私だけだろうか.

 
『--脳は暴力ゲームを現実として認識--

 独大学での実験によれば、暴力ゲームの戦闘中、脳は現実世界でと同じような反応を示し、感情部分が閉ざされるという。暴力的なテレビゲームをプレイしている人の脳は、その暴力が本物であるかのように反応することが、研究で示された。

 独アーヘン大学のクラウス・マシアック氏は、1日平均2時間テレビゲームをしている18歳から26歳の男性13人の脳のパターンについて調べた。被験者はスキャナに接続された状態で、窮地をくぐり抜けて攻撃者を殺し、人質を救出するゲームをプレイした。暴力が差し迫ってくると脳の認識部分が活性化し、戦闘中は脳の感情部分が閉ざされることが、マシアック氏の研究で分かった。このパターンは、ほかの形で暴力シミュレーション中の脳をスキャンした場合に見られるものと同じだった。

 これは、テレビゲームが「このパターンに反応するよう脳を訓練している」ことを示すものだとマシアック氏。この研究はカナダの会合で発表され、New Scientist誌に掲載された。

 ただ、暴力的なビデオが人を攻撃的にするかどうかを証明するのは難しいと同誌は指摘。実際、暴力ゲームをプレイする人の方が攻撃的であることは研究で示されているが、ゲームのせいでそうなったのかどうかという疑問は解けていない。』

 ネットワークゲームで自分のキャラを殺された人が相手の人間を本当に殺してしまったというニュースを最近どこかで読んだ.そういうのはオタクなゲーマー(共にすでに死語?)の仕業と思い込んで読み流してしまったが,冒頭のような研究結果があるとなるとネットワークの世界に没頭している人たちには注意が必要だろう.

 特に最近では中国でのネットワークゲームの開発がすごい勢いで進んでいるらしい.中国人というとニュースで最近過激な行動が目立つような気がするのだが,中国のネットワークゲーム人口は韓国の総人口の半分に匹敵するというから,その多数が暴力ゲームをやってるなんていうのを想像すると薄気味悪くなる.

 中国に限らず日本も最近では子供が親を計画的に殺したりするようで,これももしかしてテレビゲームの影響だったりと考えたたりすると殺人や戦闘シミュレーション型のゲームは成人指定あるいは販売禁止なんていうことになるかもしれない.

 かく言う私もファミコン以前からテレビゲームをやっていたし,シューティング型のものも好きだった.最近はパソコンで眼が疲れてしまいゲームはほとんどやっていなかった.ところが,つい先日PSPを手に入れてIntelligent LicenceというPQ測定ゲームをやってみたらなかなか面白くてマイブーム(これも死語?)になっている.

 
『--ホロコースト、若年層の半数不正解 ドイツ人の認識調査--

 ドイツの公共放送などが戦後60周年に合わせ、ドイツ人の「歴史認識」を調べるアンケートをした。ナチスの犯罪などについて、若い層ほど正解率が下がった。かぎ十字の使用などナチスを連想させるものを法律で禁じてきたドイツだが、歴史教育のあり方や記憶の風化を懸念する声も上がっている。

 公共放送ZDFと全国紙ウェルトが3月、18歳以上のドイツ人1087人を対象に面接調査し、4〜5月に発表した。「ホロコーストとは何か」との問いには、82%が「(ユダヤ人)大量虐殺」と正しく回答した。正解率は年齢別に60歳以上86%、50歳代93%、40歳代87%だったが、30歳代80%、29〜25歳68%と若いほど下がり、24歳以下は51%だった。

 「どの国を最初に攻撃したか」との質問にも、「ポーランド」と正解を答えたのは、60歳以上69%、50歳代67%などに対し、29〜25歳60%、24歳以下は49%だった。「33年1月に起きた出来事は?」も、「ヒトラーを首相に任命」との正答が60歳以上58%、50歳代43%に対し、24歳以下は36%にとどまった。

 ウェルト紙は「若年層の半数がホロコーストを知らないのは驚くべき結果だ。ドイツは永久に記憶しなければならず、記憶の風化が今後の歴史教育の大きな課題となる」としている。結果分析をした独歴史教師会のペーター・ラウツァス会長は「歴史に対する理解は年を取るほど深くなるものだ。教師やメディアなどは正しい歴史認識を示し、きちんと伝えていくことが何より大切だ」としている。』

 歴史は繰り返すというが,戦争による大量殺戮はいつの時代にもあったのだろう.ただ兵器の発達により一度に殺傷できる人数が変わっただけなのだろう.写真やビデオなどの発達により情報量は飛躍的に増えたが,人間の脳はおそらくここ数千年でほとんど進化していないだろうからいくら大量の情報があっても理解するスピードは変わりようがないだろう.

 私が受けた教育もこと近代史に関して言えば学年末のあわただしい時期に読み飛ばすように習った記憶があるだけである.なぜか大和時代から戦国時代くらいまではよく憶えているのだが,近代になるほど記憶が薄いのだ.大変恥ずかしい話だが,私の近代世界史の理解はおそらくドイツの青少年以下であることは間違いない.医師であるのに世界史は必須ではないと言ってしまえばそれまでだが,こんなことでいいのだろうかと思うことがある.

 外国語は英語が片言で話せる程度だが,言葉が上手に話せないことより外国の文化や歴史をまったく理解していないことが相手にばれてしまうことの方がよほど恥ずかしいことがある.最近は中国や韓国と歴史問題で摩擦を広げているわが国であるが,中国人や韓国人とちゃんと近代史について話せる人はどれ程いるのだろうか.
『--ウイルスバスター不具合 ユーザー苦情にPC会社悲鳴--

 「ウイルスバスター」によるトラブルは23日、企業や一部官公庁だけでなく、個人ユーザーにも広がり、パソコンメーカーに電話が殺到するなどの影響も出た。このソフトを販売するトレンドマイクロ社は24日未明、テストをしないファイルを配布していたことを明らかにした。ウイルスの侵入を防ぐはずのソフトが招いた混乱に、ユーザーからは「十分検証もしていないファイルを出すなんて信じられない」と怒りの声が上がった。

 「パソコンが起動しない」「画面が白っぽく、動かなくなった」――。 パナソニック」ブランドの松下電器産業やNECなどパソコンメーカーの相談窓口には23日朝から個人ユーザーからの苦情電話などが殺到し、対応に追われた。
 パナソニックの大阪相談窓口センターのパソコン約100台もウイルスバスターを使っていた。午前8時半過ぎ、一斉にシステムトラブルが発生し、直後から電話が始まった。専用電話約50台が一斉に鳴り続け、担当者だけでは対応しきれなくなったという。 担当者の一人は「自分のパソコンは起動しないし、お客様からは電話がかかってくるしで午前中はオフィスがパニックに陥った」と話した。また、NECのパソコン相談センターでも、ユーザーからの苦情は夕方までに約200件にのぼったという。

 都内に住む30代の勤務医の女性は23日朝、パソコンを立ち上げようとしたが、内部の音がうるさく、立ち上がらなかった。
 午前10時すぎ、パソコンメーカーのサポートセンターに電話をかけたが、つながらなかった。
 正午すぎ、秋葉原にあるメーカーのパソコンセンターに持ち込んだ。ハードディスクを初期化することにし、普段使っていた医療辞書ソフトや年賀状のあて名を打ち込んだ住所録ソフトのデータがすべてなくなった。
 ウイルスバスターが原因だと知ったのは、その2時間後だった。
 女性は「テストもしないファイルを配布したのはいい加減で許せない。トレンドマイクロ社は社会的責任と影響を考えていたのか」と憤る。

 トラブル対応に追われた人たちからは「十分検証してから配布してほしい」などの声が上がった。 』

 パソコンのワクチンも安全性を検証しないで使用するとウィルスに感染するよりひどいことになるようだ.起動さえもしなくなったパソコンにパニックになってこの女性のようにハードディスクを初期化してしまった人の被害は補償されるのであろうか.

 WindowsXPのセーフモードで立ち上げて修復ソフトを使えばいいようだが,これがちゃんとできる人はそれほど多くはないだろう.ウィルスバスターのために仕事にならなかった人たちの怒りはPCメーカーに向くのだろうか,それともトレンドマイクロ社に向くのだろうか.

 私は根元的な問題点はWindowsXPにあると考えている.私も必要に迫られて使ってはいるのだが,修正ファイルがあまりにも多いのにはあきれている.インストールした直後からアップデートを山ほどしないと使い物にならないOSなんてWindowsXP以前には見たことがなかった.

 鉄道や製薬、食品、マスコミなどで被害が出たようだが,病院でもきっとかなりの被害が出たことだろう.個人情報保護を本気で考えるなら,仕事で使うPCのOSくらい自国で開発していないとそのうちとんでもないことになるような気がするのは私だけだろうか.
『--オオクチバス、指定第1陣規制リストに 先送りから一転--

 国内生態系に影響を及ぼす「特定外来生物」の指定作業で焦点になっていたブラックバスの一種オオクチバスについて、環境省は21日、指定に関する議論を半年間先送りする方針を転換し、6月の外来生物法施行時から適用される、指定第1陣のリストに盛り込むことを決めた。小池環境相が先送りを認めない考えを表明し、担当部局に再検討を促したことで事態が急転した。31日に開かれる哺乳(ほにゅう)類なども合わせた指定の全体会合で、決定する見通し。
 21日午後の指定に関する魚類専門家会合で、小野寺浩・同省自然環境局長は「環境相から『まず指定せよ』との指示があり、それを前提に物事を考えたい」と発言。環境省がとりまとめ、19日のオオクチバスの専門家グループ会合で了承された「半年をめどに指定に向けた検討を進める」とする報告案を、白紙に戻す考えを明らかにした。
 指定されると、釣り自体が禁止されるわけではないが、適切な管理のため輸入、移動、飼育、放流などが規制される。
 魚類専門家会合では、4人の委員が「生態系への被害は明らかで、一刻も早く指定すべきだ」「釣り人が法律を周知する期間として、(法施行までの)半年は妥当な線だ」などと発言。ブラックバスの別種、コクチバスやブルーギルなど3種を候補とする魚類の特定外来生物リストを決めた。オオクチバスについてはこのリストに入れず、多紀保彦座長(自然環境研究センター理事長)が「指定を求める声が強くあった」との付帯意見を31日の全体会合に報告し、判断を仰ぐことになった。
 小池環境相は21日の閣議後の記者会見で、「外来生物法の一番の目玉がオオクチバス。指定回避は先送りと批判されても仕方がない」と表明、担当部局に再検討を促した。

 小野寺局長は「釣り人の協力は重要なので粘り強く理解を求めていくしかない」としている。これに対し、指定反対の中心になってきた釣り業界関係者らの団体「日本釣振興会」は、「オオクチバス会合で合意された結論を大臣一人の考えで覆すならゆゆしき事態。事実なら厳重に抗議する」とのコメントを発表した。』

「日本釣振興会」なんて初めて聞いた団体だが,そもそもは養殖目的か釣りを楽しむ目的で安易に外来種を放流したのが問題なのだろう.釣り具を売る方にしてみれば誰でもが釣りを楽しめてどこでも釣れれば売り上げが伸びるわけだ.法的規制がなければ繁殖力が強くて当りの強い外来種をばらまくのも当然だ.

私のように釣りに興味のない人間は最初からこの種の議論には無関心だ.だが,知らないうちにそこいらの川や湖から在来種が消えていくというのでは納得できない.河川や湖は公共の財産であるはずで,そこを利害関係だけで好き勝手に変えられるのはあまり面白い話ではない.

小泉首相にはじまり小池環境相が先送りを認めない考えを表明したことによってこの問題が広く世間に知られるところとなり議論されることはいいことだろう.「オオクチバス会合で合意された結論を大臣一人の考えで覆すならゆゆしき事態。事実なら厳重に抗議する」とあるが,そんな利害関係者だけの会合で勝手に合意して自然破壊をすすめるのならゆゆしき事態であり一般国民としては断固抗議したいところである.

今夜も当直

2003年11月18日 その他
 WEBLOGをサーバーに立ち上げようと思っていたら思わず居眠りをして時間がなくなりGoogleで参考資料を探してたらここに日記をつくるほうが楽だということになった.

 医療をめぐる最近の問題があまりに多いのでそれらについて医療の現場から脳神経外科医として感じる点を勝手に書いてみたくなった.

 読んでいただける方にはあくまで一個人の意見としてとらえていただきたい.

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