『奈良の妊婦死亡、遺族請求棄却 大阪地裁「担当医に過失なし」

 奈良県大淀町立大淀病院で出産時に意識不明となり、相次いで転院を断られた後に死亡した高崎実香さん=当時(32)=の夫晋輔さん(27)らが、町と担当医に約8800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は1日、「担当医に過失はなかった」として遺族側の請求を棄却した。

 遺族側は「意識を失った時点で脳内出血を疑い、適切な処置をしていれば救命はできた」と主張していた。

 判決理由で大島真一裁判長は「脳の検査より転送を優先した担当医の判断に過失はない」と指摘、「症状の進行は急激で、担当医が最善の処置をしたとしても救命はできなかった」と判断した。

 判決によると、2006年8月8日未明、分娩のため入院していた大淀病院で意識不明になり、約20の病院から受け入れを断られた後、転送先の大阪府吹田市の病院で男児を出産したが、8日後に脳内出血で死亡した。』

『転院拒否で妊婦死亡、遺族の賠償請求を棄却

 奈良県大淀町立大淀病院で2006年8月、出産時に脳内出血で意識不明となった高崎実香さん(当時32歳)が相次いで転院受け入れを拒否された末、搬送先の病院で死亡した問題で、夫の晋輔さん(27歳)と長男、奏太ちゃん(3)が「主治医の判断ミスで転院が遅れた」として、町と主治医に計約8800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1日、大阪地裁であった。

 大島真一裁判長(島村雅之裁判長代読)は「主治医に過失はなかった」などとして原告側の請求を棄却したが、「人の命の大切さをもう一度考え、救急医療や周産期医療の充実を求めたい」「産科医が一人しかいない『一人医長』問題への対策を期待する」などと異例の付言をした。

 判決によると、実香さんは06年8月8日午前0時過ぎ、同病院で分娩(ぶんべん)中に頭痛を訴えて意識を失い、午前1時40分頃にけいれんを起こした。主治医は午前1時50分から転院先を探し、実香さんは午前6時頃、大阪府吹田市の国立循環器病センターに搬送されたが、奏太ちゃんの出産後に死亡した。』

 判決そのものは妥当なものだが,このケースで救急医療や周産期医療,そして『一人医長』問題まで論ずるのはかなり無理があるし,いまだに「転院拒否で妊婦死亡」という見出しをつけているマスコミに至っては,この事件を一方的な視点から報道して医療崩壊を加速させたことに対する反省などまるで感じられない.「転院拒否」ではなく「受け入れ不能」というのが事実だろう.

 問題はこの判決が出ても主治医の受けた傷はそう簡単には癒えないということと,ましてや救急医療や周産期医療の現場に与えたダメージの回復は簡単ではないということだろう.たとえ被害者意識で固まってしまった家族を救うことができないとしても,このまま救急医療が崩壊していくのだけは食い止めないといけないだろう.

 テレビドラマでもやっていたが,主治医が患者や家族のためと思ってやった事でも,それを理解できずに文句を言うクレーマー家族がいることをこれほど明確に示して医師の心に刻み込んだ事件はないだろう.現場の医師は,どこにでもクレーマー家族が潜んでいて,それを煽るマスコミもいるということを意識しないといけなくなってしまったのだ.

 この事件以前は他の病院での受け入れ不能による救急車からの搬入依頼なんていうのは珍しい事だったのだが,最近はそれもあたり前になってきた.そうして救急患者が集中することにより,今度は自分の病院も満床で受け入れ不能になることが多くなってきた.最近,救急患者受け入れの広域連携事業なんていう話が聞かれるようになったのも救急患者を診ない病院が増えたためらしい.

 患者が医師に不信感を持ちながら持ちながら病院に来るなんていうのは馬鹿げた話だと思うのだが,こんな事が訴訟になるようでは救急当番なんてやってられないという病院が多いのだろう.

 

呑んでます
『 お勧めの「初しぼり」 香坂『鷹山』

 仕込みが行われる冬の大寒の時期にしか飲めません。
 ナンバリングされている、純米の原酒の生酒・・限定品です。
 自信作ですので、是非ご賞味ください。

  香坂醸造(株)』

 以前からデパ地下を通るときに気になっていたのだが,ついに購入.

おなじみの「為せばなる為さねばならぬ何事も 為らぬは人の為さぬ成りけり」とは米沢十代藩主上杉鷹山公が三十五歳の時に詠んだ壁書だそうです.

 ちょうど特産品市が特設会場で開催されていたので,鮭の生寿司と王子サーモンを買ってきて肴にしました.味のほうは甘口で軽くて魚にとてもよく合いそうです.お寿司やお刺し身があったら最高でしょう.

 とても気に入ったので今週末にまた買いに行こうかと思っています.今度は肴に鮭のルイベも探してみようかな.


医師の心が折れたから医療が崩壊したのでは?
『ネットで医師暴走、医療被害者に暴言・中傷

 医療事故の被害者や支援者への個人攻撃、品位のない中傷、カルテの無断転載など、インターネット上で発信する医師たちの“暴走”が目立ち、遺族が精神的な二次被害を受ける例も相次いでいる。

 状況を憂慮した日本医師会(日医)の生命倫理懇談会(座長、高久史麿・日本医学会会長)は2月、こうしたネット上の加害行為を「専門職として不適切だ」と、強く戒める報告書をまとめた。

 ネット上の攻撃的発言は数年前から激しくなった。

 2006年に奈良県の妊婦が19病院に転院を断られた末、搬送先で死亡した問題では、カルテの内容が医師専用掲示板に勝手に書き込まれ、医師らの公開ブログにも転載された。警察が捜査を始めると、書いた医師が遺族に謝罪した。同じ掲示板に「脳出血を生じた母体も助かって当然、と思っている夫に妻を妊娠させる資格はない」と投稿した横浜市の医師は、侮辱罪で略式命令を受けた。

 同じ年に産婦人科医が逮捕された福島県立大野病院の出産事故(無罪確定)では、遺族の自宅を調べるよう呼びかける書き込みや、「2人目はだめだと言われていたのに産んだ」と亡くなった妊婦を非難する言葉が掲示板やブログに出た。

 この事故について冷静な検証を求める発言をした金沢大医学部の講師は、2ちゃんねる掲示板で「日本の全(すべ)ての医師の敵。日本中の医師からリンチを浴びながら生きて行くだろう。命を大事にしろよ」と脅迫され、医師専用掲示板では「こういう万年講師が掃きだめにいる」と書かれた。

 割りばしがのどに刺さって男児が死亡した事故では、診察した東京・杏林大病院の医師の無罪が08年に確定した後、「医療崩壊を招いた死神ファミリー」「被害者面して医師を恐喝、ついでに責任転嫁しようと騒いだ」などと両親を非難する書き込みが相次いだ。

 ほかにも、遺族らを「モンスター」「自称被害者のクレーマー」などと呼んだり、「責任をなすりつけた上で病院から金をせしめたいのかな」などと、おとしめる投稿は今も多い。

 誰でも書けるネット上の百科事典「ウィキペディア」では、市民団体の活動が、医療崩壊の原因の一つとして記述されている。

 奈良の遺族は「『産科医療を崩壊させた』という中傷も相次ぎ、深く傷ついた」、割りばし事故の母親は「発言することが恐ろしくなった」という。

 日医の懇談会は「高度情報化社会における生命倫理」の報告書で、ネット上の言動について「特に医療被害者、家族、医療機関の内部告発者、政策に携わる公務員、報道記者などへの個人攻撃は、医師の社会的信頼を損なう」と強調した。

 匿名の掲示板でも、違法性があれば投稿者の情報は開示され、刑事・民事の責任を問われる、と安易な書き込みに注意を喚起。「専門職である医師は実名での情報発信が望ましい」とし、医師専用の掲示板は原則実名の運営に改めるべきだとした。ウィキペディアの記事の一方的書き換えも「荒らし」の一種だと断じ、公人でない個人の記事を作るのも慎むべきだとした。

 報告の内容は、日医が定めた「医師の職業倫理指針」に盛り込まれる可能性もある。その場合、違反すると再教育の対象になりうる。』

 開業医の利益を守ることが大切な医師会のこの見解は,クレーマー患者の矛先が医師会へ向くのをかわすのには効果的かもしれないが,同時に,匿名性を否定することによって勤務医による医師会への批判も押さえ込もうという意図はないのだろうか.

 問題にされていると思われる医師専用掲示板の利用規約には,
『第1条(サービスについて)
Doctors Community(以下「掲示板」といいます)は、エムスリー株式会社(以下「弊社」といいます)が、「エムスリーサービス」の会員のうち日本の免許を有する医師および弊社が認める医師のみ(以下「会員」といいます)に提供するサービスのひとつです。

第3条(掲示板の内容に関する著作権の帰属・転載の禁止)
会員は、掲示板に投稿をする場合には、当該投稿に関する著作権(著作権法第27条および第28条に定める権利を含む)を弊社に譲渡したとみなされることに同意するものとします。

会員は、掲示板になされた投稿に関し、弊社の許諾を得ずに、掲示板外に転載し、または第三者に開示しないものとします。』

とあるので,この規約に違反するものがいなければ本来は会員以外の医師が知り得ないことであるし,たとえマスコミが知り得ても掲示板外に転載したり,第三者に開示できないはずなのに,その内容についてニュースになっているのはどういう訳なのだろうか.

 ユーザーが限定されている掲示板で何を発言しても,その掲示板の会員間の問題であって,会員資格のない者が外部でそれについて発言するのはおかしな話である.だから,この記事の中で医師専用掲示板に関する部分は削除されるべきだろう.

 市民団体の活動が,医療崩壊の原因の一つだったりする可能性は否定できないし,奈良の遺族が『産科医療を崩壊させた』とか,割りばし事故の両親が「医療崩壊を招いた死神ファミリー」「被害者面して医師を恐喝、ついでに責任転嫁しようと騒いだ」のが事実かどうかは知らないが,これらの事件に関してマスコミの書いた記事を読んで,心が折れた医師が現場を離れていくことが医療崩壊を招いていることは事実ではないだろうか.

 ネットの使い方にもルールやマナーがあるのは当然のことだが,私的な利用というのも当然あるわけで,利用自体が違法な手段によるのでなければ別に問題はないだろう.

 「医療被害者、家族、医療機関の内部告発者、政策に携わる公務員、報道記者などへの個人攻撃」が違法であれば,それは掲示板の内容を転載したり,個人を中傷する発言をした医師個人の問題で,だからといって「医師専用の掲示板は原則実名の運営に改めるべきだ」というのは論理に飛躍がありすぎるだろう.なぜなら「医療被害者、家族、医療機関の内部告発者、政策に携わる公務員、報道記者」と同様にたとえ「専門職である医師」であっても発言に対する個人攻撃や中傷からは身を守る必要性があるからである.

 医師だから何を言っても許されると思っている人がいないのと同様に,医師も他の職種の人と同様の権利を持っているのである.裁判で有罪となったわけでもないのに実名で報道され,医師として働けなくなった人たちに医師会やマスコミが一体何をしてくれたというのであろうか.自分の身を守るために自由な発言が出来ないというのは一種の言論弾圧にはならないのだろうか.

 この記事のように判決で医師の過失はないとされた事件を引き合いに出しておきながら,いまだに可哀想なのは患者側で悪いのは医師側という立場のマスコミでは被害者意識を持ち続け医師に恨みを持つような一部のモンスター市民には受けるかもしれないが,まじめに働いている医師や地域の病院を信頼している良識ある市民には医療崩壊の片棒をかつぐものとして迷惑がられるだけではないだろうか.

 医療はあくまでも患者があってこそ成り立つものだし,多くの医師は患者の生命を救うという崇高な精神で働いていると思うが,患者から信頼されたり感謝されないだけでなく結果が気にくわなければ刑事訴訟までされるというのでは,産科や救急などの過酷な労働環境でモチベーションを維持することができなくなるのも当然だろう.

 医療ミスではないのに逆恨みする家族や,それに乗じて現場の医師の心を傷つけるような報道をするマスコミこそ“暴走”していると思えるのだがどうだろうか.
もうこれで終わりにします
 春が近づいているのを感じるせいか,何か新しい事をしてみたくなります.そこで,今年こそ古いレンズをデジタル一眼レフに着けて撮ってみようとEOS 5D markIIを購入したばかりなのに,再びそのカメラ屋さんのHPを開けたのが運の尽きでした.

 その日に登録されたばかり中古品の中に,まるで私のために用意されたかのような方眼スクリーンが装着された美品のNikon F6がバーゲン価格で載ってるのを発見しました.とりあえずカートに入れましたが,EOSを発注して1週間も経っていなかったので少し考え込んでいると妻が何かと話しかけてくるので,つい先を急いで発注してしまいました.

 このカメラは発売になった時に,わざわざヨドバシカメラまで行って実機を触ってみたり,解説書を買ってきて読んでみたほど気になる存在でしたが,当時はデジタル一眼レフの機材を次々に買っていた頃だったのでもう買う事はないと思っていたものです.

 ところが,実は最近になりこのカメラが再び気になり出していました.その理由はNikon D3用に買った最新のレンズを是非フィルムでも使ってみたいということです.持っているフィルム一眼レフの中でNikonのAFレンズが使えるのはF5だけなのですが,ちょっと使うにも単3電池が8本も必要で不便なのです.

 F6があれば便利なのにと思いながらも,新品だとEOS 5D markIIよりもはるかに値段が高いので買う気になれなかったのです.中古品もなかなか出てこないし,出ても状態がいい物はすぐに売れてしまうのでほとんどあきらめていました.

 でも,方眼スクリーンが装着された美品のNikon F6があるなんて,何か見えない力が作用したように思いました.心を穏やかにして,静かに待っていたら夢がかなったみたいで,思わず「やっぱり運命だな.」とPCに向かって呟いてしまったのですが,妻には聞こえなかったようです.

 思えば今までにも何度か運命の出会いがありましたが,フィルムカメラを買うのはもうこれで終わりにしようと思っています.
輸入品は海外の通販で
輸入品は海外の通販で
輸入品は海外の通販で
 先日,ネットで自転車のハンドルを探していたら格安なところを見つけた.日本語で表示されていたが,URLはWWW.○○○○.co.uk でどうも英国の通販サイトらしい.でも,国内の自転車通販サイトの6割くらいの値段なので試しに買ってみる事にした.

 以前にも国内未発売の自転車用のSkinsをニュージーランドのサイトへ発注したり,カメラ用品をニューヨークの店に発注していたが,英国の通販サイトなのに日本語表記なのにはちょっと驚いた.

 よく見ると表示言語を換えるボタンがあり英語,スペイン語,フランス語,日本語で表示できるようだ.通貨のほうはもっと多くて10種類で決済できるらしい.

 ハンドルとステムを注文して,決済はPayPalにした.そうするとPayPalの登録住所に配送してくれるようだ.配送準備が完了したというメールが昨日の夜には来ていたのでいったい何日位で届くのかを楽しみにしている.

 Pinarello FP3 carbonなんかも売っていたが,日本で買うより10万円位安いみたいだ.こうしてみると輸入品の値段は相変わらずかなり高めに設定されているようだから,ネットで探して海外の通販サイトで買う方がいいように思う.

  欲しい物を探しながら買う時間はないし,近くでは手に入らない物もあるので,ほとんどの物をネット通販で買っているが幸いトラブルになった事はない.オークションで予想外にひどいものを買わされてしまったことも一度位はあるが,それでも期待以上の物が手に入ったり,格安で買えたりすることがあるので面白くてやめられないのだ.

 

 
ライカRレンズの改造
 手持ちのライカRレンズをフルサイズデジタル一眼レフで使うために購入したEOS 5D mark IIだが,その際に問題となるのは19mmと28mmの2本の広角レンズだった.

 28mmF2.8(ROM)は撮影距離2m位までは普通に使えるがそれより無限遠側ではミラーがレンズ後端に引っかかり戻らなくなるし,19mmF2.8(ROM)に至っては距離に関係なくミラーがはね上がる時にレンズ後端に引っかかるので画像が半分くらいしか写らない.インターネット上にはEOS 5D mark II での情報は少ないが,ネット上にある5Dの旧モデルの場合とほぼ同じ問題のようである.

 色々調べてみても,この問題を解決するにはミラーを削るかレンズ後端を削るしかないようである.レンズは高価なのでミラーを削るという意見もあるが,作業としてはレンズを削るほうが簡単そうなのと,レンズを削っても描写には影響がなさそうなのでレンズを削ることにした.貴重なRレンズよりEOSのミラーを削るほうが本当はいいのだろうが,たとえEOSを買い換えてもRレンズは手放さないつもりだから許されるだろう.

 工具類は週末に行くスーパーの隣にあるHomacで全て調達した.ホビールーター R-1という乾電池式のハンドドリルとこれに合う2.35mmのダイアモンドビットのセット,そして12mm幅のマスキングテープ1本,それに削って剥き出しになった地金をつや消し黒に塗るためにアサヒペンのcolor paletteというマーカーペンを買って来た.手持ちの平型金工ヤスリも切削面を平坦にするのに使用した.

 28mmレンズの方はレンズ後端上部を約半周にわたって1mmほど切削することによって無限遠まで問題なく使えるようになった.19mmの方はレンズ後端上部を中心に2/3周ほどレンズが固定されている部分がヘリコイドでせり上がってくる高さまで切削したが,今度はレンズが固定されている金属部分がミラーに干渉するらしく撮影距離2m位までしか普通に使えるようにはならなかった.

 レンズが固定されている金属部分を削るのは結構たいへんだったが,レンズに傷をつけないようにしながら根気よく削り続け4時間ほどで無事に作業を終えた.手術に使うハイスピードドリルに比べれば低回転でトルクもないので時間はかかるが,金工ヤスリよりはずっと楽で安全に作業を進めることができたのが良かった.ただし,削りくずは非常に微細なのでヘリコイドの溝に入り込まないように注意が必要である.

 レンズ2本で計6時間ほどの作業だったが,これで無事に無限遠までファインダーでピントを合わせて撮影できるようになった.今までこの2本のレンズはどちらかと言えばあまり使わなかったのであるが,せっかく苦労して改造したのだから今後は積極的にEOSで使ってみようと思っている.特に19mmの方は今まで使いこなせていなかったのでデジタルカメラで使うことでどんな写真になるのか楽しみだ.

 この記事を読んで自分でやってみようと思う人もいるかもしれないが,改造しなくてもライブビューモードでなら問題なく使えるし,もし改造するにしても貴重なRレンズを壊さないようにくれぐれも注意して自己責任でやっていただきたい.
 ライカRレンズは無事に使えるようになったので,今度はコンタックスSLR(通称ヤシコン)レンズを付けてみたところマクロプラナーとプラナーの100mmとゾナー180mmのレンズ後端の突起がミラーボックスに引っ掛かることが判明した.

 しかし,ライカRに比べれば,これらの突起は幅3mm,厚さは1mmもないので切削は容易である.それも0.5~0.7mm程も削れば十分なようだ.例の乾電池式のハンドドリルでちょっと削るだけで何の問題もなくEOS 5D markIIで使えるようになった.

 広角レンズは18mmF4はどうやっても駄目なようだが,既に手放してしまったので確認できない.21mmF2.8,28mmF2,35mmF1.4,50mmF1.4,85mmF1.4はいずれも問題なかった.45mmF2.8と135mmF2.8も既に手元になく確認できない.Ariaとセットだった28-70mmのズームも問題なく使用できた.

 今頃になって25mmF2.8は手元に残しておいても良かったような気もするが,ZMマウントの25mmF2.8があるので今さら買い戻す気にはなれない.というわけで25mmはライカMデジタルでの楽しみにとっておくことにしたが,M9は見送ることにしたからM10が出ないなんてことにならないように祈るしかない.

 もっとも今ならM9.2が出たら買ってしまいそうだからLeica AGにはじっくり時間をかけてM9の改良をしてから出してもらいたいものだ.
『たん吸引、理学療法士や作業療法士にも解禁へ

 厚生労働省の「チーム医療の推進に関する検討会」(座長・永井良三東京大教授)は19日、医師、看護師のほかは認められていない患者のたん吸引について、リハビリテーションを担う理学療法士や言語聴覚士、作業療法士にも解禁すべきだという報告書をまとめた。同省は4月にも通知を出し合法化する。

 人工呼吸器の管理をする臨床工学技士も含めて四つの医療職が対象になる。同省の統計では、2008年10月1日現在、計約9万8千人が医療機関で働いている。

 呼吸や言葉の訓練や食事の練習などで、たんの吸引が必要な場合があるが、各資格を定めた現行法では、医療行為の明確な規定がない。臨床工学技士は、指針で「吸引の介助」のみが認められてきたが、ほかの資格では「できない」と解釈されていた。

 今回、合法化することで医療サービスの質が向上するだけでなく、人工呼吸器をつけて在宅で療養生活をする小児や高齢者の介護を支える戦力が増えることになる。

 報告書では、介護の現場で大きな課題になっているヘルパーら介護職員による、たんの吸引や、チューブ栄養などの医療行為についても、「早急に検討すべきだ」と明記された。

 さらに、従来よりも高度な医療行為ができる新しい看護職種「特定看護師」の試験的な導入についても認めた。同省では新年度から新たな有識者による検討を始め、試行を経て早ければ、3年をめどに法制化も検討する。

 人工呼吸器をつけたり呼吸機能が弱ったりしている患者は自分でたんを出せない。多い時は1時間に1回は吸引が必要になる。放置すれば窒息や誤嚥性(ごえんせい)肺炎などの危険もある。

 のどにたんの吸引のための管を入れるのは「医療行為」とみなされ、現在は原則として医師、看護師以外は、特例として患者の家族や一定の限られた条件下でしか認められていない。』

 理学療法士,言語聴覚士,作業療法士そして臨床工学技士もそうだが,レントゲン技師にも喀痰吸引を許可するべきだと思う.医療の現場ではリハビリテーション中だけでなくMRIなどの検査中にも喀痰の吸引が必要になることがよくあるからである.

 気管内挿管されていたり気管切開されている場合には喀痰吸引はそれほど難しいことではないから,生命の維持に一番大切な気道確保のための処置は当然みとめられるべきだろう.そう考えると,緊急時には誰でもやるべきであるABRなどと同等の救急処置ではないだろうか.

 一方で,挿管されていなかったり,気管切開されていない場合は吸引管をうまく気管に入れて喀痰吸引するには熟練を要するものであり,たとえ医師や看護師でもうまくできないことも珍しくはないから,理学療法士にできなければいけないというものでもないと思う.

 だから実際には許可されたからといって業務として必ずやらなければいけないというのではなく出来る範囲で対応するという程度でやってもらえばいいだろう.そうすることによってリハビリテーションや検査中にいちいち看護師を呼びに行く手間が省ければ業務が効率的になることだろう.

 特定看護師の件も賛否両論があったようだが,医師でなくても出来ることをパラメディカルが分担してやってくれれば私としては大助かりなのだが他の医師や看護師はどう思うのだろうか.

TC-14EII の改造

2010年3月24日 趣味
TC-14EII の改造
TC-14EII の改造
 EOS 5D markII用のLeica RとContaxのレンズ改造も終わったので,今度はNikonのレンズに関する情報は何かないかとネットで検索していたところ,Ai AF-S Teleconverter TC-14E IIにAF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6Gを装着できるように改造するというのを見つけた.

 娘の運動会の写真は例年AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8GにTC-14E IIを付けて撮ってきた.しかし,それでも望遠側がやや不足気味なのでどうしようかと思っていたところだったが,この70-300mmはそのままではTC-14E IIが装着できないのでろくに検討もしていなかったのだ.

 しかし,よく調べてみるとこのレンズはVR II対応で画質も良さそうなのと,この改造自体が簡単な割に効果は高そうだったのでちょっとやってみることにした.よく利用するネットショップを探すとちょうどうまい具合に新品同様の中古品が当日分で登録されていたので発注し,きのう届いたのでちょっと改造してみた.

 改造にはレンズ側のマウントを削る方法とテレコン側のマウントを削る方法があるのだが,TC-14E II 以外のテレコンでは使えそうにない方法なのと作業が簡単になるのでテレコン側のマウントの突起を削り取ることにした.削りくずが内部に入らないように注意しながら5分ほどで無事に作業を終了した.

 D3とD300に装着しさっそく夜間蛍光灯下の室内というレンズには厳しい条件で試し撮りをしてみた.AFの合焦は目盛読みで70mmから200mm位まではやや遅くなるものの何とか使えそうだが,300mmでは殆ど合焦ができなかった.コントラストが高い被写体だと合焦するようなので,明るい屋外などであれば十分使えそうだ.もちろんマニュアルでは何の問題もなく画質も手ぶれ補正も18-200mmなどに比べても遜色はないと思われた.

 フィルムカメラだとテレコンで焦点距離が伸びても暗くて使えないという問題があったのだが,最近のデジカメは高感度でも画質がたいへんいいのでこのような使い方でも十分実用になる.むしろ重量的なメリットでハンドリングが良くなっていままでとは違った写真が撮れる可能性が高くなったのではないだろうか.

 今年の運動会は18-200mmとTC-14E II付きの70-300mmの2本で撮ってみようと思う.70-200mmは,非常に画質が向上したと評判のVR II搭載の新型がすでに発売されていて値段が徐々に下がってきているので秋の発表会までには買い替えることになるだろう.
 薬の副作用とは,医薬品の本来の効果と異なる作用で,通常は人体に有害な作用のことを言うが,これと似たようなことを日常生活でも経験することがある.つまり何かをしたことが他のことに影響を与え,予期しなかった結果になることである.

 EOS 5D markIIを購入したことで,ライカRレンズとContax SLRレンズを改造したまでは良かったが,今度はNikonも改造してみたくなりVR70-300mmを見つけてTC-14EIIを改造したところで今春の機材購入は終了するはずだったが,それで話は終わらなかった.

 VR70-300mmはFXで使えるから当然DXでも使えるわけで,試しにD300に着けてみるとD3に着けるよりもバランスがいいし,VR18-200mmの望遠域よりも解像度が高い感じがする.VR18-200mmはD200と同時に購入して以来常用しており1本で大抵のものが撮れるいいレンズなのだが,広角域の歪曲収差と望遠域での解像度の低下はちょっと気になっていたのである.

 もし,VR18-200mmの望遠域を70-300mmに換えるとなると,標準域はVR16-85mmにしたほうが画質はわずかだが向上するし,広角域も広くなる.だが,そうなると12-24mmと被る部分が多くなるから,どうせなら以前から使ってみたかった10-24mmに換えてみたい.という具合にレンズの玉突き状態になってしまった.

 で,結局はVR18-200mmと12-24mmF4を下取りに出して,VR16-85mmと10-24mmを購入することにした.そうするとD300用のレンズは10.5mmFisheye,10-35mmF3.5-4.5,VR16-85mmF3.5-5.6,VR70-300mmF4.5-5.6+TC-14EIIという構成になる.DXのシステムでみれば,12mmから200mmを2本のレンズでカバーしていたのを,3本で10mmから300mmまでに広げるということだ.

 これで写真がどう変わるのかというのが大切なところで,はたしてこれで良かったのかどうかはわからないが,デジタルに関しては余分な機材は持たないことにしているので,すでに発送してしまった2本のレンズに後戻りすることはできない.今は期待と不安の両方を持ちながら新しいレンズが届くのを待つのみだ.

 実は,この話には伏線がある.EOSのキットレンズである24-105mmF4は標準域のズームなのでVR16-85mmを買わない代わりに活用しようと思っていたのだが,実際に使ってみると歪曲収差がけっこう気になったり,EOS 5D markIIのハンドリングが思ったほど良くなかったりしてD300ほど気軽には使えなかったのだ.やはりEOS 5D markIIは風景撮影用と割り切ったほうが良さそうだ.

 頭で考えたことがそのとおりにはならず,実際にやってみると思わぬところにその影響が波及するということは考えてみればよくあることだが,よく忘れてしまうことでもある.薬には副作用情報や経験があるから使う前に考えることができるが,まさかレンズ1本買っただけでこんなに副作用が出るとは思ってもみなかった.

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