薬の副作用とは,医薬品の本来の効果と異なる作用で,通常は人体に有害な作用のことを言うが,これと似たようなことを日常生活でも経験することがある.つまり何かをしたことが他のことに影響を与え,予期しなかった結果になることである.

 EOS 5D markIIを購入したことで,ライカRレンズとContax SLRレンズを改造したまでは良かったが,今度はNikonも改造してみたくなりVR70-300mmを見つけてTC-14EIIを改造したところで今春の機材購入は終了するはずだったが,それで話は終わらなかった.

 VR70-300mmはFXで使えるから当然DXでも使えるわけで,試しにD300に着けてみるとD3に着けるよりもバランスがいいし,VR18-200mmの望遠域よりも解像度が高い感じがする.VR18-200mmはD200と同時に購入して以来常用しており1本で大抵のものが撮れるいいレンズなのだが,広角域の歪曲収差と望遠域での解像度の低下はちょっと気になっていたのである.

 もし,VR18-200mmの望遠域を70-300mmに換えるとなると,標準域はVR16-85mmにしたほうが画質はわずかだが向上するし,広角域も広くなる.だが,そうなると12-24mmと被る部分が多くなるから,どうせなら以前から使ってみたかった10-24mmに換えてみたい.という具合にレンズの玉突き状態になってしまった.

 で,結局はVR18-200mmと12-24mmF4を下取りに出して,VR16-85mmと10-24mmを購入することにした.そうするとD300用のレンズは10.5mmFisheye,10-35mmF3.5-4.5,VR16-85mmF3.5-5.6,VR70-300mmF4.5-5.6+TC-14EIIという構成になる.DXのシステムでみれば,12mmから200mmを2本のレンズでカバーしていたのを,3本で10mmから300mmまでに広げるということだ.

 これで写真がどう変わるのかというのが大切なところで,はたしてこれで良かったのかどうかはわからないが,デジタルに関しては余分な機材は持たないことにしているので,すでに発送してしまった2本のレンズに後戻りすることはできない.今は期待と不安の両方を持ちながら新しいレンズが届くのを待つのみだ.

 実は,この話には伏線がある.EOSのキットレンズである24-105mmF4は標準域のズームなのでVR16-85mmを買わない代わりに活用しようと思っていたのだが,実際に使ってみると歪曲収差がけっこう気になったり,EOS 5D markIIのハンドリングが思ったほど良くなかったりしてD300ほど気軽には使えなかったのだ.やはりEOS 5D markIIは風景撮影用と割り切ったほうが良さそうだ.

 頭で考えたことがそのとおりにはならず,実際にやってみると思わぬところにその影響が波及するということは考えてみればよくあることだが,よく忘れてしまうことでもある.薬には副作用情報や経験があるから使う前に考えることができるが,まさかレンズ1本買っただけでこんなに副作用が出るとは思ってもみなかった.

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索