『福島第一原発3号機で水素爆発 屋内待避呼びかけ

 東日本大震災で被害を受けた東京電力の福島第一原子力発電所(福島県大熊町)の3号機で14日午前11時ごろ、大きな爆発が起きた。経済産業省原子力安全・保安院によると、水素爆発が起きたことを確認した。保安院は、原子炉が入っている圧力容器、それを覆う鋼鉄製の格納容器のいずれも、損傷した可能性は低いとみている。保安院は、20キロ圏内にいる住民に建物内に避難するよう要請した。東電によると、少なくとも11人が負傷しているという。

 今回の爆発は、12日に1号機で建屋が吹き飛んだ爆発と同種とみられる。枝野幸男官房長官は14日午後0時40分からの記者会見で「格納容器の健全性は維持されていると思われる」とした上で、周辺の放射線量のデータに大きな変化は確認されておらず、「放射性物質が大量に飛び散っている可能性は低い」と述べた。

 同原発で運転中だった1~3号機は地震後、原子炉を冷やす緊急炉心冷却システムが停止。3号機では、炉内の圧力や水位が不安定な状態が続き、燃料棒が一時露出するなどして爆発をしやすい水素が発生していたとみられる。13日午後からは、炉内に海水を注入して冷却を試みていたが、その最中に爆発は起きた。

 12日に1号機で起きた爆発では、損壊は原子炉建屋にとどまり、格納容器と圧力容器に異常は確認されていない。保安院は、今回の爆発も原子炉建屋にとどまっているとみている。

 保安院によると、20キロ圏には、少なくとも約600人の住民がいるとみており、屋内への避難を要請した。

 東電によると、圧力容器、格納容器とも壊れていないことを確認しているという。周辺で中性子線は確認されていないとしている。

 原子炉は、内側から圧力容器、格納容器、原子炉建屋の「壁」で守られている。ただ、圧力容器や、格納容器が壊れると、チェルノブイリ事故に匹敵する重大事故となる。』


『東電 情報収集能力欠如 前代未聞の事態に「確認する」ばかり 

 福島第1原発で14日、再び起きた水素爆発。東京電力本店(東京都千代田区)では、詰め掛けた報道陣の質問に広報担当者が「確認する」と繰り返すばかり。原発の建屋が2度も吹き飛ぶという前代未聞の事態にも、当事者としての情報収集能力が欠如していることをうかがわせた。

 本店1階の報道関係者控室。爆発の詳細について確認を求められた東電担当者は驚いたように「確認させていただく」と一言。現地からの情報が得られていない実態があらわに。担当者は約10分後、再び報道陣の前に姿を現すと「爆発事故が起きた」とだけ告げた。

 しかし、今回の爆発による周囲への影響や原発そのものの安全性について尋ねられると、「分かり次第、報告する」と繰り返すだけだった。』

『国交省も東電に憤る「何度問い合わせても、どこの電気が止まるのか東電から一度も説明がない」

突然の計画停電発表、二転三転する説明。東京電力の対応に、交通機関への影響把握に努める国土交通省鉄道局職員は14日未明、記者団に強い憤りをあらわにした。

 東電の13日の計画発表を受け、鉄道局は鉄道各社の運行予定の把握を進めたが、鉄道会社も対応に苦慮した。「外出や通勤、通学を避けてほしい」と呼び掛けるのが精いっぱいだった。

 同局職員は14日午前中も「必要な輸送力が全く確保されていない」と険しい表情を浮かべた。』

 3号機ではプルトニウムも燃料として使用されているそうだからこれが漏れ出すと大変なことになる.爆発で11人もの方が怪我をしたそうだから,命がけの作業なのだろうが,それでも現場の人たちに頼るしかない.

 現場の人たちが命がけで頑張っているというのに,計画停電のほうは計画自体が二転三転するせいで停電していないのに交通機関に混乱が出ているようだ.これは東電内部の意思決定がしっかりしていないことの表れなのではないだろうか.

『2号機燃料棒、一時すべて露出 - 炉心溶融否定できず- 福島第1原発

 東京電力は14日午後7時45分、福島第1原発2号機の冷却水が大幅に減少し、約4メートルある燃料棒がすべて露出したと福島県に通報した。核燃料の一部が溶ける炉心溶融も否定できないとしている。
 東電は午後8時ごろから炉内への海水注入を開始。水位が上がり始め、同8時すぎに燃料棒下端から30センチまで上がった。
 同社は同日夕から海水注入の作業を始めていたが、炉内に海水を入れるためのポンプの燃料が切れていたといい、燃料を入れ作業を再開した。』

『官房長官「炉心溶融の可能性高い」 福島第1原発1~3号機

 枝野幸男官房長官は14日夜の記者会見で、福島第1原子力発電所の1~3号機について「(炉心溶融が)起きている可能性が高いのは3つとも一緒だ」と述べた。「最悪の事態を想定してもチェルノブイリのようなことにはならない」とも語った。』

『福島第1原発2号機の水位、燃料棒上端から2メートルまで回復

 東京電力は14日夜の記者会見で、福島第1原子力の2号機の原子炉内で燃料棒が完全に露出した後の注水作業によって、午後9時21分に水位が燃料棒の上端から3.4メートルのところにあったのが、午後9時34分に上端から約2メートルまで水位が上昇していることを明らかにした。ホウ酸も注入している。燃料棒の一部が露出する状態は続いている。』

 どこまでが本当のことなのか知るすべもないが,炉心溶融が部分的にせよ起きている可能性は高そうだ.「最悪の事態を想定してもチェルノブイリのようなことにはならない」と言うが,最悪の事態とはどういう状態を想定しているのかよくわからない.私が考えうる最悪とは炉心が高温で溶け出して格納容器が破損して放射性物質が大気中に拡散することなのだが,そういう危険性はないのだろうか.

 もし,そういう危険性が絶対にないのだったらその理由を説明してくれれば安心出来るのだが,官房長官は科学者でも技術者でもないだろうし,今までも想定外のことが繰り返されているのであまり信用ならないと思うし,津波で壊れたところは何年かで復旧できるだろうが,放射能で汚染されたらもう取り返しがつかないだろうと心配なのは私だけではないだろう.

ー 続報 ー

『2号機、核燃料が全露出 福島第1原発、炉心の一部溶融か


 東京電力によると、福島第1原発2号機で14日夜、原子炉の水位が急速に低下し、午後6時半ごろから約2時間半にわたり燃料が水面から完全に露出、核分裂反応は収まっているものの空だき状態になった。周辺の放射線量のレベルが上がっており、東電は燃料が溶ける「炉心溶融」が一部で起きたとみている。

 海水を注入し、午後10時には、約4メートルある燃料の半分以上が水に漬かる状態に回復したが、その後再び水位が低下。燃料が全露出した。原子炉圧力容器で蒸気の逃し弁が何らかの理由で閉じてしまい、内部の圧力が高まり、海水を注入できなくなった。東電は閉じた弁を開け、再び水を入れる作業を始めるとしている。

 最初の全露出は、作業員が見回りに出ている間に海水を注入するポンプの燃料が切れ、水位回復作業の遅れにつながっており、経済産業省原子力安全・保安院は「一時的に注入が止まったのはまずかった」としている。

 東電は原子炉格納容器の圧力を下げるため、蒸気を外部へ放出した。

 東電によると、14日午後9時37分、福島第1原発正門前で毎時3130マイクロシーベルトの放射線量を検出した。これまでの最大値の約2倍。

 東電は14日午後、2号機は原子炉に残った熱を冷やす機能が喪失したとして、原子力災害対策特別措置法に基づき国に「緊急事態」を通報。正午には水位が燃料から約3・4メートル上にあったが、炉内に水を注ぐ装置が故障したとみられ、水位が急速に低下した。

 午後4時34分に、2号機の原子炉への海水の注入作業を始めたが、注入が確認できたのは午後8時ごろ。水位低下は続き、一時燃料すべてが露出した。その後の水位回復は一時的だった。

 水を注ぐ装置は、同日午前11時ごろ、隣にある同原発3号機で起きた水素爆発の衝撃で故障した可能性がある。

 1、3号機では、冷却機能を失った後に燃料の一部が溶け、発生した水素が爆発し、原子炉建屋の上部が損壊した。保安院は14日夜、1、3号機への海水注入は続けているが、水位計に変化がみられないと明らかにした。

 また、「緊急事態宣言」が出ていた福島第2原発1、2号機は安定的な「冷温停止」状態となり、緊急事態を脱したと発表した。』

ポンプを監視していた作業員が見回りに行っている間に燃料切れしたなんて,常識的には考えられない大失態だが,こういう間の抜けた危機管理意識が東電の企業体質なのだろうか.

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