1日1-3杯のコーヒーがいいらしい
2006年5月31日 医食同源 コメント (2)『 -- コーヒーが女性の心血管疾患のリスクを低下させる可能性あり --
41,000例以上の閉経後女性を15年間観察した研究は、コーヒーを飲むことによって心血管疾患のリスクが低下することを示唆
Laurie Barclay, MD
Medscape Medical News
Reviewed by Gary D. Vogin, MD
コーヒーを飲むことによって心血管疾患のリスクが低下するという、41,000例以上の女性を15年間追跡調査した研究の結果が、『American Journal of Clinical Nutrition』5月号で報告された。
「コーヒーは、食事に含まれる抗酸化物質の主要供給源である」と、オスロ大学(ノルウェー)のLene Frost Andersen, MDらは述べている。「コーヒーの摂取と、炎症性または酸化ストレスに関連する疾患による死亡のリスクとの関連について、研究が行われたことはなかった」。
Iowa Women’s Health Studyでは、ベースラインにおいて55-69歳であった41,836例の閉経後女性を、最長15年間追跡調査した。今回の解析には、ベースラインの時点で心臓血管疾患、癌、糖尿病、大腸炎、および肝硬変を有した女性を除外した、残りの27,312例の被験者が含まれており、410,235例・年の追跡調査を行い、4,265例が死亡した。主要エンドポイントは、疾患を特定した死亡率であった。
完全に調整したモデルから、コーヒー摂取量と総死亡率との関連と同様に、心血管死のハザード比が、摂取量が1-3杯/日では0.76(95%信頼区間[CI] 0.64-0.91)、4-5杯/日では0.81(95% CI 0.66-0.99)、6杯/日以上では0.87(95% CI 0.69-1.09)であることが明らかになった。他の炎症性疾患による死亡のハザード比は、摂取量が1-3杯/日では0.72(95% CI 0.55-0.93)、4-5杯/日では0.67(95% CI 0.50-0.90)、6杯/日以上では0.68(95% CI 0.49-0.94)であった。
「食事性抗酸化物質の主要供給源であるコーヒーの摂取が、炎症を抑える可能性があり、それによって閉経後女性における心臓血管疾患および他の炎症性疾患のリスクを低下させる可能性がある」と、著者らは述べている。
研究の限界には、逆の因果関係の可能性および残差交絡が含まれる。
「われわれの結果は、1日1-3杯のコーヒーの摂取が、閉経後女性の群におけるすべての死亡ならびに心臓血管疾患および他の炎症性疾患による死亡に対する防御効果を有することと一致する」と著者らは結論づけている。「もしわれわれの観察結果が他の研究で再現され、因果関係が判明すれば、コーヒーは全世界で2番目に広く消費されている飲料であるので、相当大きな意味がある」。
著者らは、関連する財務関係がないことを報告している。
Am J Clin Nutr. 2006;83:1039-1046 』
ビールとコーヒーと女性をこよなく愛する脳外科医としてはいい話である.心臓血管疾患および他の炎症性疾患のリスクを低下させるということは脳血管疾患やアレルギー性疾患にも効果がある可能性があるのではないだろうか.以前にも酸化ストレスによる動脈硬化には効果があるような話があったから男性にも効果はあるのだろう.
ところでコーヒーの銘柄で効果は違うのだろうか.どの成分が有効で,どの銘柄にその成分が多いのだろうか.だれか研究しているだろうか.ちなみに私はモカやコナが好きである.
41,000例以上の閉経後女性を15年間観察した研究は、コーヒーを飲むことによって心血管疾患のリスクが低下することを示唆
Laurie Barclay, MD
Medscape Medical News
Reviewed by Gary D. Vogin, MD
コーヒーを飲むことによって心血管疾患のリスクが低下するという、41,000例以上の女性を15年間追跡調査した研究の結果が、『American Journal of Clinical Nutrition』5月号で報告された。
「コーヒーは、食事に含まれる抗酸化物質の主要供給源である」と、オスロ大学(ノルウェー)のLene Frost Andersen, MDらは述べている。「コーヒーの摂取と、炎症性または酸化ストレスに関連する疾患による死亡のリスクとの関連について、研究が行われたことはなかった」。
Iowa Women’s Health Studyでは、ベースラインにおいて55-69歳であった41,836例の閉経後女性を、最長15年間追跡調査した。今回の解析には、ベースラインの時点で心臓血管疾患、癌、糖尿病、大腸炎、および肝硬変を有した女性を除外した、残りの27,312例の被験者が含まれており、410,235例・年の追跡調査を行い、4,265例が死亡した。主要エンドポイントは、疾患を特定した死亡率であった。
完全に調整したモデルから、コーヒー摂取量と総死亡率との関連と同様に、心血管死のハザード比が、摂取量が1-3杯/日では0.76(95%信頼区間[CI] 0.64-0.91)、4-5杯/日では0.81(95% CI 0.66-0.99)、6杯/日以上では0.87(95% CI 0.69-1.09)であることが明らかになった。他の炎症性疾患による死亡のハザード比は、摂取量が1-3杯/日では0.72(95% CI 0.55-0.93)、4-5杯/日では0.67(95% CI 0.50-0.90)、6杯/日以上では0.68(95% CI 0.49-0.94)であった。
「食事性抗酸化物質の主要供給源であるコーヒーの摂取が、炎症を抑える可能性があり、それによって閉経後女性における心臓血管疾患および他の炎症性疾患のリスクを低下させる可能性がある」と、著者らは述べている。
研究の限界には、逆の因果関係の可能性および残差交絡が含まれる。
「われわれの結果は、1日1-3杯のコーヒーの摂取が、閉経後女性の群におけるすべての死亡ならびに心臓血管疾患および他の炎症性疾患による死亡に対する防御効果を有することと一致する」と著者らは結論づけている。「もしわれわれの観察結果が他の研究で再現され、因果関係が判明すれば、コーヒーは全世界で2番目に広く消費されている飲料であるので、相当大きな意味がある」。
著者らは、関連する財務関係がないことを報告している。
Am J Clin Nutr. 2006;83:1039-1046 』
ビールとコーヒーと女性をこよなく愛する脳外科医としてはいい話である.心臓血管疾患および他の炎症性疾患のリスクを低下させるということは脳血管疾患やアレルギー性疾患にも効果がある可能性があるのではないだろうか.以前にも酸化ストレスによる動脈硬化には効果があるような話があったから男性にも効果はあるのだろう.
ところでコーヒーの銘柄で効果は違うのだろうか.どの成分が有効で,どの銘柄にその成分が多いのだろうか.だれか研究しているだろうか.ちなみに私はモカやコナが好きである.
緑茶で認知障害のリスクが低下?
2006年2月23日 医食同源 コメント (6)『 -- 緑茶が脳に対して驚くべき効果を発揮する可能性 --
1日2杯以上飲めば頭の冴えを保つのに役立つという試験結果
Miranda Hitti WebMD Medical News Reviewed by Brunilda Nazario, MD
緑茶をよく飲む高齢者は飲まない人に比べて頭が冴えている可能性がある。
この知見は『American Journal of Clinical Nutrition』2月1日号に掲載された日本の試験に基づいている。
この試験は、年齢70歳以上の日本人約1,000人を対象としたものであった。被験者は、記憶、見当識、命令遂行能力、注意からなる意識状態の試験を受け、また緑茶等の飲料をどの程度の頻度で飲むかを研究者に申告した。
上記の試験スコアに基づいた場合、緑茶を最も多く飲むと申告した群では、認知障害を示す割合が最も低かったと栗山進一, MD, PhDらは記述している。
栗山博士は、東北大学医学部(日本、仙台)社会医学講座公衆衛生学分野に勤務している。
どのくらいの緑茶が有効か?
栗山博士の試験では、1日2杯以上緑茶を飲むことは、認知障害のリスクが最も低いことと相関した。
1杯の緑茶を飲む回数が週3回以下の人と比較した場合、1日2杯以上緑茶を飲む人では試験スコアが認知障害範囲である割合が54%低かった。
これよりも緑茶を飲む回数が低い場合でも結果はそれほど悪くはなく、1杯の緑茶を週4-6回飲む人では、1杯の緑茶を飲む回数が週3回以下の人に比べ認知障害を示す割合が38%低かった。
コーヒー、紅茶、ウーロン茶では同じ結果は認められなかった。緑茶は日本では一般的な飲料である。参加者10人中7に以上が緑茶を1日に2杯以上飲むと報告した。本試験では緑茶が高齢者の頭脳の冴えの原因であることは証明されていない。
研究者らは試験のためにお茶の飲み方を変えるようにはせず、その代わりに認知能力試験のスコアと茶の摂取習慣を調査した。
データは1回のみ収集されたため、参加者の茶の摂取習慣が生涯続いているものかどうか、また試験スコアが経時的に変化したかどうかは不明である。
栗山博士らは、認知障害に関連する因子として糖尿病、喫煙、高年齢等を考慮した。また、身体活動、社会とのつながり、魚および野菜および摂取状況、自己申告による全体的な健康状態など意義がある可能性がある習慣について調整した。
上記のすべての因子について考慮した後でも、依然として高度の緑茶の摂取は認知障害のリスクが低いことに関連があったことを研究者らは示している。
「われわれの知る限り、この試験は、緑茶の摂取とヒトの認知機能との関係を検討した最初の試験である」と栗山博士らは記述している。
緑茶に含まれる天然化合物、特にEGCG(エピガロカテキン-3-ガレート)という化学物質が動物における脳疾患の実験において有望であることが示されていると同博士らは指摘している。
しかし、緑茶に含まれる他の成分が脳に役立っている可能性もあると研究者らは記述している。
例えば、日本人はしばしば緑茶を飲みながら社交する。社交的であることは脳に良いことである可能性があると栗山博士らは指摘している。
さらに、健康な人は緑茶を飲む割合が高いのかもしれないと同博士らは付言している。もしそうであるなら、健康状態がよいので脳も健康である、ということであるかもしれない。
Kuriyama, S. The American Journal of Clinical Nutrition, Feb. 1, 2006; vol 83: pp 355-361.』
健康食品などには全く興味はないので摂取しないし,そもそもアガリスクやイソフラボンのようにあとで有害であることがわかることもあるので効果なんてまったく信用していない.しかし,日常よく摂取する食品や嗜好品には関心を持つようにしている.
煙草は有害なのでやめたし,コーヒー,ビール,赤ワインは以前にも取り上げたように有用なようなので適度に積極的に楽しむようにしている.お茶も好きなのでティーバッグの緑茶,玄米茶などは常備しているし,家では気が向くと抹茶を立てて飲んだりもするほうである.
この報告は,今のところ緑茶を1日に2杯以上飲む習慣と認知障害のリスクの低下の相関が高いというレベルと考えたほうが良さそうであるが,もともとお茶は薬として大陸から日本に伝わったそうだから科学的に薬効が証明されたら面白い.なぜお茶の葉を煎じて飲むようになったのかはわからないが,昔の人は経験的に体に良いということを知ったのだろうか.
先日の赤ワインといい緑茶といい認知障害の予防にはいいようであるが回復するという話はない.認知症を治療する薬はいまのところないし,なってしまうとアリセプトなんか服用しても進行するばかりで回復は不可能であるから,今後もしばらくは予防中心で研究が進んでいくのだろう.
1日2杯以上飲めば頭の冴えを保つのに役立つという試験結果
Miranda Hitti WebMD Medical News Reviewed by Brunilda Nazario, MD
緑茶をよく飲む高齢者は飲まない人に比べて頭が冴えている可能性がある。
この知見は『American Journal of Clinical Nutrition』2月1日号に掲載された日本の試験に基づいている。
この試験は、年齢70歳以上の日本人約1,000人を対象としたものであった。被験者は、記憶、見当識、命令遂行能力、注意からなる意識状態の試験を受け、また緑茶等の飲料をどの程度の頻度で飲むかを研究者に申告した。
上記の試験スコアに基づいた場合、緑茶を最も多く飲むと申告した群では、認知障害を示す割合が最も低かったと栗山進一, MD, PhDらは記述している。
栗山博士は、東北大学医学部(日本、仙台)社会医学講座公衆衛生学分野に勤務している。
どのくらいの緑茶が有効か?
栗山博士の試験では、1日2杯以上緑茶を飲むことは、認知障害のリスクが最も低いことと相関した。
1杯の緑茶を飲む回数が週3回以下の人と比較した場合、1日2杯以上緑茶を飲む人では試験スコアが認知障害範囲である割合が54%低かった。
これよりも緑茶を飲む回数が低い場合でも結果はそれほど悪くはなく、1杯の緑茶を週4-6回飲む人では、1杯の緑茶を飲む回数が週3回以下の人に比べ認知障害を示す割合が38%低かった。
コーヒー、紅茶、ウーロン茶では同じ結果は認められなかった。緑茶は日本では一般的な飲料である。参加者10人中7に以上が緑茶を1日に2杯以上飲むと報告した。本試験では緑茶が高齢者の頭脳の冴えの原因であることは証明されていない。
研究者らは試験のためにお茶の飲み方を変えるようにはせず、その代わりに認知能力試験のスコアと茶の摂取習慣を調査した。
データは1回のみ収集されたため、参加者の茶の摂取習慣が生涯続いているものかどうか、また試験スコアが経時的に変化したかどうかは不明である。
栗山博士らは、認知障害に関連する因子として糖尿病、喫煙、高年齢等を考慮した。また、身体活動、社会とのつながり、魚および野菜および摂取状況、自己申告による全体的な健康状態など意義がある可能性がある習慣について調整した。
上記のすべての因子について考慮した後でも、依然として高度の緑茶の摂取は認知障害のリスクが低いことに関連があったことを研究者らは示している。
「われわれの知る限り、この試験は、緑茶の摂取とヒトの認知機能との関係を検討した最初の試験である」と栗山博士らは記述している。
緑茶に含まれる天然化合物、特にEGCG(エピガロカテキン-3-ガレート)という化学物質が動物における脳疾患の実験において有望であることが示されていると同博士らは指摘している。
しかし、緑茶に含まれる他の成分が脳に役立っている可能性もあると研究者らは記述している。
例えば、日本人はしばしば緑茶を飲みながら社交する。社交的であることは脳に良いことである可能性があると栗山博士らは指摘している。
さらに、健康な人は緑茶を飲む割合が高いのかもしれないと同博士らは付言している。もしそうであるなら、健康状態がよいので脳も健康である、ということであるかもしれない。
Kuriyama, S. The American Journal of Clinical Nutrition, Feb. 1, 2006; vol 83: pp 355-361.』
健康食品などには全く興味はないので摂取しないし,そもそもアガリスクやイソフラボンのようにあとで有害であることがわかることもあるので効果なんてまったく信用していない.しかし,日常よく摂取する食品や嗜好品には関心を持つようにしている.
煙草は有害なのでやめたし,コーヒー,ビール,赤ワインは以前にも取り上げたように有用なようなので適度に積極的に楽しむようにしている.お茶も好きなのでティーバッグの緑茶,玄米茶などは常備しているし,家では気が向くと抹茶を立てて飲んだりもするほうである.
この報告は,今のところ緑茶を1日に2杯以上飲む習慣と認知障害のリスクの低下の相関が高いというレベルと考えたほうが良さそうであるが,もともとお茶は薬として大陸から日本に伝わったそうだから科学的に薬効が証明されたら面白い.なぜお茶の葉を煎じて飲むようになったのかはわからないが,昔の人は経験的に体に良いということを知ったのだろうか.
先日の赤ワインといい緑茶といい認知障害の予防にはいいようであるが回復するという話はない.認知症を治療する薬はいまのところないし,なってしまうとアリセプトなんか服用しても進行するばかりで回復は不可能であるから,今後もしばらくは予防中心で研究が進んでいくのだろう.
『 -- 赤ワイン成分が老化を遅らせる可能性 --
resveratrolが寿命を延ばし、老化関連疾患を抑える可能性
Jennifer Warner WebMD Medical News Reviewed by Louise Chang, MD
グラス1杯の赤ワインは食事に華を添えるだけではなく、人生を楽しむ時間をさらに増やしてくれるという。
新規の研究において、ぜん虫およびミバエでの延命効果が以前に証明されている赤ワイン成分が、脊椎動物(魚類、またヒトも含まれる可能性がある)の寿命も延ばす可能性が示されている。
研究者らによると、ブドウ、特に赤ワインに含まれる有機成分resveratrolを短寿命の魚の毎日のエサに加えたところ、寿命が延長し、老化に関連する記憶などの障害の発現が遅くなった。
resveratrolはポリフェノールと呼ばれる抗酸化物質群の一種であり、赤ワインに含まれる。この物質は、抗炎症作用および抗癌作用をもつことが報告されており、幅広い医薬分野での利用について現在研究されている。
赤ワインによる寿命延長
resveratrolが酵母、ミバエ、ぜん虫など、非常に短命な種の寿命を延長することが以前の研究で示されているが、マウスといった寿命の長い多くの種において大規模な一生涯におよぶ研究を実施するには、多額の費用がかかりすぎる、と研究者らは述べている。
研究者らはresveratrolの作用について、捕獲状態での寿命が3カ月間しかない小型の魚1種類を用いて検討した。本研究は『Current Biology』2月7日号に掲載されている。
本研究の結果では、魚の毎日のエサに赤ワイン成分resveratrolを添加すると、期待寿命が延長し、記憶および筋肉に関する老化関連障害の進行が遅くなった。
通常のエサを与えた魚に比較すると、低用量のresveratrolを与えた魚では平均33%、高用量を与えた魚では50%以上生存期間が延長したことを研究者らは認めている。
resveratrolは、まったく異なる数種類の動物群で一貫して寿命延長効果を示した最初の化合物であり、ヒトにおける老化関連疾患の予防薬を開発する上で足がかりとなることが示唆される、と研究者らは述べている。
Valenzano, D. Current Biology, Feb. 7, 2006; vol 16: pp 296-300. News release, Cell Press.』
ビールも好きだがワイン特に赤ワインが私は好きなほうで,1ヶ月に1本くらいは飲んでいる.アルコールが脳梗塞や心筋梗塞などの虚血性血管障害のリスクを下げることは以前にも書いた.中でもビールが動脈硬化の予防にいいらしいのでこれが毎日ビールを飲む根拠になっている.
酒が好きな私にとって赤ワイン成分resveratrolが記憶および筋肉に関する老化関連障害の進行を遅らせ寿命延長効果を示した最初の化合物であるというニュースは赤ワインを飲む論理的根拠を与えてくれるたいへんよい知らせとなった.
これからは最初にビール,次に赤ワイン,そして最後はウィスキーか焼酎でという具合にいこうかと思うが,アルコールの総量をどうやって抑えるかそれが問題だ.
resveratrolが寿命を延ばし、老化関連疾患を抑える可能性
Jennifer Warner WebMD Medical News Reviewed by Louise Chang, MD
グラス1杯の赤ワインは食事に華を添えるだけではなく、人生を楽しむ時間をさらに増やしてくれるという。
新規の研究において、ぜん虫およびミバエでの延命効果が以前に証明されている赤ワイン成分が、脊椎動物(魚類、またヒトも含まれる可能性がある)の寿命も延ばす可能性が示されている。
研究者らによると、ブドウ、特に赤ワインに含まれる有機成分resveratrolを短寿命の魚の毎日のエサに加えたところ、寿命が延長し、老化に関連する記憶などの障害の発現が遅くなった。
resveratrolはポリフェノールと呼ばれる抗酸化物質群の一種であり、赤ワインに含まれる。この物質は、抗炎症作用および抗癌作用をもつことが報告されており、幅広い医薬分野での利用について現在研究されている。
赤ワインによる寿命延長
resveratrolが酵母、ミバエ、ぜん虫など、非常に短命な種の寿命を延長することが以前の研究で示されているが、マウスといった寿命の長い多くの種において大規模な一生涯におよぶ研究を実施するには、多額の費用がかかりすぎる、と研究者らは述べている。
研究者らはresveratrolの作用について、捕獲状態での寿命が3カ月間しかない小型の魚1種類を用いて検討した。本研究は『Current Biology』2月7日号に掲載されている。
本研究の結果では、魚の毎日のエサに赤ワイン成分resveratrolを添加すると、期待寿命が延長し、記憶および筋肉に関する老化関連障害の進行が遅くなった。
通常のエサを与えた魚に比較すると、低用量のresveratrolを与えた魚では平均33%、高用量を与えた魚では50%以上生存期間が延長したことを研究者らは認めている。
resveratrolは、まったく異なる数種類の動物群で一貫して寿命延長効果を示した最初の化合物であり、ヒトにおける老化関連疾患の予防薬を開発する上で足がかりとなることが示唆される、と研究者らは述べている。
Valenzano, D. Current Biology, Feb. 7, 2006; vol 16: pp 296-300. News release, Cell Press.』
ビールも好きだがワイン特に赤ワインが私は好きなほうで,1ヶ月に1本くらいは飲んでいる.アルコールが脳梗塞や心筋梗塞などの虚血性血管障害のリスクを下げることは以前にも書いた.中でもビールが動脈硬化の予防にいいらしいのでこれが毎日ビールを飲む根拠になっている.
酒が好きな私にとって赤ワイン成分resveratrolが記憶および筋肉に関する老化関連障害の進行を遅らせ寿命延長効果を示した最初の化合物であるというニュースは赤ワインを飲む論理的根拠を与えてくれるたいへんよい知らせとなった.
これからは最初にビール,次に赤ワイン,そして最後はウィスキーか焼酎でという具合にいこうかと思うが,アルコールの総量をどうやって抑えるかそれが問題だ.
『オリーブ油に鎮痛作用 がんのリスクも低減?
新鮮なオリーブ油に、抗炎症薬イブプロフェンと同様の鎮痛作用を持つ物質が含まれていることを米ペンシルベニア大などの研究チームが突き止め、1日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
研究チームは「物質の含有量が少ないので、油を食べても頭痛には効果がないが、長期にわたって摂取すれば、イブプロフェンと同じようながんのリスク低減や、血栓をできにくくするなどの効果が得られるかもしれない」としている。
チームは、搾りたてのエキストラバージンオリーブ油を口にすると感じるのどの刺激が、風邪薬などに含まれているイブプロフェンをのんだ際に感じる刺激と似ている点に着目。油に含まれる特定の物質が刺激の原因であることを突き止め、「オレオカンタール」と名付けた。
オレオカンタールの化学構造はイブプロフェンとは全く異なるが、イブプロフェンと同様の仕組みで、炎症の発生に関与している酵素の働きを阻害する作用があることが分かったという。
チームによると、オリーブ油50グラムに含まれるオレオカンタールが、通常成人が鎮痛剤として1日に服用するイブプロフェンの約10%の量に当たるという。』
オリーブオイルと聞いてポパイを連想するのはちょっと古すぎるかもしれないが,私はオリーブオイルは大好きである.料理で使う油としてはエキストラバージンオイルとゴマ油だけである.香りが大変良いのと悪玉コレステロールを下げる効果があるからというのがその理由である.
このオリーブオイルにがんのリスク低減や、血栓をできにくくするなどの効果があるとしたらなんだか得をしたような気分である.さっそくスパゲティでも作って食べようか...
私がつくるスパゲッティでお勧めはぺペロンチーノである.つくり方は簡単.鷹の爪とにんにくのスライスをオリーブオイルで炒めたところへちょっと固ゆでのバリラのスパゲティーを入れて水気が飛ぶまで炒めるだけ.
なぜ一番かというとビールにこれが最高に合うからなのだ.おまけに消化吸収も速い.さらに健康にいいとなればまさに一石二鳥である.
新鮮なオリーブ油に、抗炎症薬イブプロフェンと同様の鎮痛作用を持つ物質が含まれていることを米ペンシルベニア大などの研究チームが突き止め、1日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
研究チームは「物質の含有量が少ないので、油を食べても頭痛には効果がないが、長期にわたって摂取すれば、イブプロフェンと同じようながんのリスク低減や、血栓をできにくくするなどの効果が得られるかもしれない」としている。
チームは、搾りたてのエキストラバージンオリーブ油を口にすると感じるのどの刺激が、風邪薬などに含まれているイブプロフェンをのんだ際に感じる刺激と似ている点に着目。油に含まれる特定の物質が刺激の原因であることを突き止め、「オレオカンタール」と名付けた。
オレオカンタールの化学構造はイブプロフェンとは全く異なるが、イブプロフェンと同様の仕組みで、炎症の発生に関与している酵素の働きを阻害する作用があることが分かったという。
チームによると、オリーブ油50グラムに含まれるオレオカンタールが、通常成人が鎮痛剤として1日に服用するイブプロフェンの約10%の量に当たるという。』
オリーブオイルと聞いてポパイを連想するのはちょっと古すぎるかもしれないが,私はオリーブオイルは大好きである.料理で使う油としてはエキストラバージンオイルとゴマ油だけである.香りが大変良いのと悪玉コレステロールを下げる効果があるからというのがその理由である.
このオリーブオイルにがんのリスク低減や、血栓をできにくくするなどの効果があるとしたらなんだか得をしたような気分である.さっそくスパゲティでも作って食べようか...
私がつくるスパゲッティでお勧めはぺペロンチーノである.つくり方は簡単.鷹の爪とにんにくのスライスをオリーブオイルで炒めたところへちょっと固ゆでのバリラのスパゲティーを入れて水気が飛ぶまで炒めるだけ.
なぜ一番かというとビールにこれが最高に合うからなのだ.おまけに消化吸収も速い.さらに健康にいいとなればまさに一石二鳥である.
効果が無ければ詐欺である
2005年8月22日 医食同源『--健康食品、実際の効果は? データベースで1発検索--
アガリクス、メシマコブ、コエンザイムQ10...。ブームになっているさまざまな健康食品について、国立健康・栄養研究所(東京)が22日までに、成分や有効性、安全性などの詳細な情報をデータベース化し、ホームページで公開した。
「免疫力を高める」「ダイエットに効く」とテレビや雑誌で宣伝されるものの、実際の効果についてはあいまいな表示が多く、「宣伝ではない正確な情報を知りたい」という消費者の声に応えるのが目的だ。
データベースは健康食品の素材240種類以上について、把握できる限りの研究論文や実験結果を集め、安全性や有効性を評価している。
例えばアガリクスは「別名はヒメマツタケ。俗に『抗がん効果がある』といわれ、健康食品も数多くみられるが、ヒトでの有効性と安全性は信頼できるデータが見当たらない」。コエンザイムQ10は「うっ血性心不全や高血圧などで有効性が示唆される文献があるが、高血圧の薬との併用は注意を要する」とまとめている。
ほかにも納豆やサフラン、スッポン、サメ軟骨といった食品も掲載し、人気のある健康食品の素材はほとんど網羅した。サフランでは「大量に摂取すると子宮への刺激が強いため、妊婦は大量摂取を避けた方がいい」と警告している。
研究所の梅垣敬三(うめがき・けいぞう)健康影響評価研究室長は「健康食品といっても、食べ過ぎると有害なものもある。効果ばかりに目を向けず、安全性を考える目安にしてほしい」と話している。
ホームページはhttp://hfnet.nih.go.jp/』
薬だろうが健康食品だろうが人体に対する効果が科学的に証明されなければ効果があるように宣伝すること自体が詐欺行為であろう.健康食品ブームのせいなのかテレビ番組の影響なのか外来で健康食品の効果を私に質問する人がいるのだが,私は薬ではないからわからないと答えることにしている.
実のところ私自身は健康食品なんてまったく信じていない.それどころか医薬品でも効果が疑わしいものがたくさんあるというのが私の考えである.本当に効果があるかどうか試したいときには自分で服用してみればわかるものもあるが,健康な人に使っても効果のわからないものもあるから臨床試験といわれるテストが重要になるのだろう.
しかし,ここにも問題があるのだ.かつて脳代謝賦活剤といわれた多種の薬があった.だが,これらの薬は臨床試験で薬効ありとされて医療現場で莫大な量が使用されたにもかかわらず現在まで残ったものはほとんどないのである.実際は効果がなかったし,臨床試験にも問題があったからなのであるが,このようなことが現在そして今後もないとは言えないだろう.
厳重に管理されている医薬品でさえこれなのだから,健康食品の効能など信じる気にはとうていなれないのである.それどころか科学的根拠もなく,たとえあったとしても健康食品自体の安全性の保障もないのに効果だけを宣伝したりするのは医薬品よりはるかに入手しやすいだけに許されるべきではないだろう.
医薬品ではないから厚労省の仕事ではないのかもしれないが,医療効果を宣伝する食品であれば医薬品より厳しい審査をするのが当然であろう.医薬品は病気の人しか使わないが,食品は全国民が口にする可能性があるということを忘れるべきではない.
健康食品による健康被害は最近問題が表面化したアスベストと同じく関係省庁の無策や怠慢から起きていると言えるのではないだろうか.とは言え自分の体は自分で守るという考え方からこのような情報をネットで閲覧できるというのはいいことである.
アガリクス、メシマコブ、コエンザイムQ10...。ブームになっているさまざまな健康食品について、国立健康・栄養研究所(東京)が22日までに、成分や有効性、安全性などの詳細な情報をデータベース化し、ホームページで公開した。
「免疫力を高める」「ダイエットに効く」とテレビや雑誌で宣伝されるものの、実際の効果についてはあいまいな表示が多く、「宣伝ではない正確な情報を知りたい」という消費者の声に応えるのが目的だ。
データベースは健康食品の素材240種類以上について、把握できる限りの研究論文や実験結果を集め、安全性や有効性を評価している。
例えばアガリクスは「別名はヒメマツタケ。俗に『抗がん効果がある』といわれ、健康食品も数多くみられるが、ヒトでの有効性と安全性は信頼できるデータが見当たらない」。コエンザイムQ10は「うっ血性心不全や高血圧などで有効性が示唆される文献があるが、高血圧の薬との併用は注意を要する」とまとめている。
ほかにも納豆やサフラン、スッポン、サメ軟骨といった食品も掲載し、人気のある健康食品の素材はほとんど網羅した。サフランでは「大量に摂取すると子宮への刺激が強いため、妊婦は大量摂取を避けた方がいい」と警告している。
研究所の梅垣敬三(うめがき・けいぞう)健康影響評価研究室長は「健康食品といっても、食べ過ぎると有害なものもある。効果ばかりに目を向けず、安全性を考える目安にしてほしい」と話している。
ホームページはhttp://hfnet.nih.go.jp/』
薬だろうが健康食品だろうが人体に対する効果が科学的に証明されなければ効果があるように宣伝すること自体が詐欺行為であろう.健康食品ブームのせいなのかテレビ番組の影響なのか外来で健康食品の効果を私に質問する人がいるのだが,私は薬ではないからわからないと答えることにしている.
実のところ私自身は健康食品なんてまったく信じていない.それどころか医薬品でも効果が疑わしいものがたくさんあるというのが私の考えである.本当に効果があるかどうか試したいときには自分で服用してみればわかるものもあるが,健康な人に使っても効果のわからないものもあるから臨床試験といわれるテストが重要になるのだろう.
しかし,ここにも問題があるのだ.かつて脳代謝賦活剤といわれた多種の薬があった.だが,これらの薬は臨床試験で薬効ありとされて医療現場で莫大な量が使用されたにもかかわらず現在まで残ったものはほとんどないのである.実際は効果がなかったし,臨床試験にも問題があったからなのであるが,このようなことが現在そして今後もないとは言えないだろう.
厳重に管理されている医薬品でさえこれなのだから,健康食品の効能など信じる気にはとうていなれないのである.それどころか科学的根拠もなく,たとえあったとしても健康食品自体の安全性の保障もないのに効果だけを宣伝したりするのは医薬品よりはるかに入手しやすいだけに許されるべきではないだろう.
医薬品ではないから厚労省の仕事ではないのかもしれないが,医療効果を宣伝する食品であれば医薬品より厳しい審査をするのが当然であろう.医薬品は病気の人しか使わないが,食品は全国民が口にする可能性があるということを忘れるべきではない.
健康食品による健康被害は最近問題が表面化したアスベストと同じく関係省庁の無策や怠慢から起きていると言えるのではないだろうか.とは言え自分の体は自分で守るという考え方からこのような情報をネットで閲覧できるというのはいいことである.
やっぱりビールは体に良い?
2005年8月12日 医食同源『--ビールに放射線防護効果 染色体異常を40%軽減 放医研と東京理科大が確認--
放射線医学総合研究所(千葉市)は11日、ビールに含まれる「メラトニン」などの成分に、放射線による染色体異常を最大で40%近く減らす効果があることが分かった、と発表した。同研究所が東京理科大と合同研究していた。
同研究所によると「チェルノブイリ原発事故で、被ばく者の放射線障害がアルコール飲料で軽減された」との報告は過去にあったが、放射線防護効果があるビールの成分を特定したのは初めて。将来は、放射線治療に伴う副作用軽減への応用などが期待できる。
研究グループが、ビール大瓶1本(約630ミリリットル)を飲んだ被験者の血液細胞に治療に使う1-6グレイの放射線を照射したところ、飲酒前に比べて異常を起こした細胞の染色体数が最大40%近く減った。
ビールに含まれる成分のうち(1)アルコール分のエタノール(2)甘み成分のグリシンベタイン(3)微量成分のメラトニンとシュードウリジン-を被験者の血液細胞に加えたり、マウスに投与したりしてさまざまな強さの放射線を照射し、同様の効果があることを確認した。
これらの物質は相乗作用で効果が高まるとみられる。グループは今後、メカニズムを詳しく調べ、被ばく後の効果、ほかの臓器細胞での実験を続ける。
安藤興一(あんどう・こういち)グループリーダーは「放射線治療や、宇宙旅行で人が浴びる宇宙放射線の障害を防ぐ方法の開発につなげたい」としている。』
私は酒類はなんでもいただくが,特にビールと赤ワインと泡盛は好きなほうである.だからではないが,閉塞性血管障害の予防にビールがいいという話は毎日ビールを飲むのに都合がいい.
脳外科医に限らず放射線被爆が避けられない医療関係者の被爆からの防御のために適量のビールを患者さんや看護師さんといっしょに検査前に飲むなんていうことができたらまさに夢のような話だが,酒に弱い人は検査どころでなくなるかもしれない.
閉塞性血管障害の場合ではビールの適量は1日500mlくらいだったから,たとえ検査前に1本飲んでもいいことになっても仕事が終わってからは飲めない計算になりこれはこれでちょっと困ったことかもしれない.(検査前に飲めるわけはないか...)
これだけビールが体にいいのだったらビールだけは国民の健康のために1日あたり500ml1缶だけ無税にするなんていうのもいいのではないだろうか.
まあビール好きの戯言だが,とは言いつつも最近はダイエットのためにビールは1日350ml1缶で我慢している.何といってもメタボリックシンドロームは男子で腹囲85cmで要注意だからだ.
幸いにも暑い夏のおかげでダイエット効果は上がってはいるが,夏にビールを我慢しているところへこのニュース.またビールを飲める理由が増えて喜んでいいのかどうか微妙なところである.
放射線医学総合研究所(千葉市)は11日、ビールに含まれる「メラトニン」などの成分に、放射線による染色体異常を最大で40%近く減らす効果があることが分かった、と発表した。同研究所が東京理科大と合同研究していた。
同研究所によると「チェルノブイリ原発事故で、被ばく者の放射線障害がアルコール飲料で軽減された」との報告は過去にあったが、放射線防護効果があるビールの成分を特定したのは初めて。将来は、放射線治療に伴う副作用軽減への応用などが期待できる。
研究グループが、ビール大瓶1本(約630ミリリットル)を飲んだ被験者の血液細胞に治療に使う1-6グレイの放射線を照射したところ、飲酒前に比べて異常を起こした細胞の染色体数が最大40%近く減った。
ビールに含まれる成分のうち(1)アルコール分のエタノール(2)甘み成分のグリシンベタイン(3)微量成分のメラトニンとシュードウリジン-を被験者の血液細胞に加えたり、マウスに投与したりしてさまざまな強さの放射線を照射し、同様の効果があることを確認した。
これらの物質は相乗作用で効果が高まるとみられる。グループは今後、メカニズムを詳しく調べ、被ばく後の効果、ほかの臓器細胞での実験を続ける。
安藤興一(あんどう・こういち)グループリーダーは「放射線治療や、宇宙旅行で人が浴びる宇宙放射線の障害を防ぐ方法の開発につなげたい」としている。』
私は酒類はなんでもいただくが,特にビールと赤ワインと泡盛は好きなほうである.だからではないが,閉塞性血管障害の予防にビールがいいという話は毎日ビールを飲むのに都合がいい.
脳外科医に限らず放射線被爆が避けられない医療関係者の被爆からの防御のために適量のビールを患者さんや看護師さんといっしょに検査前に飲むなんていうことができたらまさに夢のような話だが,酒に弱い人は検査どころでなくなるかもしれない.
閉塞性血管障害の場合ではビールの適量は1日500mlくらいだったから,たとえ検査前に1本飲んでもいいことになっても仕事が終わってからは飲めない計算になりこれはこれでちょっと困ったことかもしれない.(検査前に飲めるわけはないか...)
これだけビールが体にいいのだったらビールだけは国民の健康のために1日あたり500ml1缶だけ無税にするなんていうのもいいのではないだろうか.
まあビール好きの戯言だが,とは言いつつも最近はダイエットのためにビールは1日350ml1缶で我慢している.何といってもメタボリックシンドロームは男子で腹囲85cmで要注意だからだ.
幸いにも暑い夏のおかげでダイエット効果は上がってはいるが,夏にビールを我慢しているところへこのニュース.またビールを飲める理由が増えて喜んでいいのかどうか微妙なところである.
タバコはダメだがコーヒーはいい
2005年6月20日 医食同源『--たばこで老化、DNAまで 1日1箱40年で7・4年分--
喫煙者はたばこを吸わない人に比べ、細胞のDNAレベルでも老化が早い-。ロンドンのセントトーマス病院など英米チームがこんな研究結果を19日までにまとめ、英医学誌ランセットに発表した。
試算では、1日1箱を40年間吸い続けると、吸わない人に比べ細胞が7.4年分、余計に歳をとることになるという。
研究対象は18-72歳の女性1100人余り。白血球の核DNAにある「テロメア」と呼ばれる部分に着目した。テロメアは、ひも状になったDNAの両端でほつれを防ぐ「キャップ」役を果たしている。細胞分裂の度に少しずつ短くなり、若者より高齢者の方がこの部分が短いため、老化の1つの目安にもされている。
「喫煙者」「元喫煙者」「非喫煙者」の3グループでテロメアの長さを比べたところ、非喫煙者が最も長く、元喫煙者はやや短縮、喫煙者はさらに短かった。
全体に、年齢とほぼ比例して短縮していたが、喫煙者は同年齢の平均より余分に短くなっており、喫煙が老化を加速する形になっていた。これを基に、喫煙本数や期間がテロメアに与える影響を試算したところ、1日1箱、40年で7.4年分の老化という数字がはじき出された。』
『--コーヒーの目覚めを解明 睡眠障害治療にも--
コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは、脳の細胞膜上にある特定のタンパク質と結び付いて目覚め作用を起こすことを、大阪バイオサイエンス研究所の裏出良博(うらで・よしひろ)研究部長らが確認、米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス(電子版)に20日、発表した。
睡眠障害の治療や、眠気を防ぐ方法の開発につながるのではないかという。
裏出部長らはマウス実験で、人間のコーヒー1、2、3杯分に相当するカフェインを注射器で投与、睡眠時間を比べた。普通のマウスは投与量が増えるにつれ睡眠時間が短くなったが、遺伝子操作でアデノシンA2A受容体というタンパク質を欠損させたマウスは、投与量による変化はなかった。同様の可能性を指摘されていたアデノシンA1受容体というタンパク質を欠損させたマウスは、普通のマウスと変わりなかった。』
喫煙者は同世代の人よりも脳の血管の老化が10歳分くらい進んでいるような印象があることに気づいてはいたが,40年で7.4年分というのは興味深い数字だ.だが,20年でも5年分以上は進んでいるような印象がある.実際に早い人では40歳前後で脳梗塞になるのだから脳血管の動脈硬化はDNAの老化よりも早いという感じがする.
動脈硬化は非可逆的であると考えられるので禁煙により改善するとは考えにくいが,それでも癌や肺気腫などの予防には有効であろうから禁煙は早ければ早いほどいいだろう.
ところで最近はレストランなどでも禁煙席があるのだが,禁煙席の方が入り口に近くてなんとなく騒々しかったりして厭な思いをすることもある.禁煙社会を目指すなら非喫煙者のほうが優遇されてしかるべきだと思うのだがどうだろうか.喫煙者と非喫煙者の健康保険料が同じなのも喫煙者が優遇されているように思う.喫煙者の煙に厭な思いをした人ならわかってもらえるだろう.
ところで,煙草は百害あって一利なしだがコーヒーのほうはいろいろ薬理的に有効な作用があるようで面白い.コーヒーとビールの好きな私にとってはうれしい限りである.
喫煙者はたばこを吸わない人に比べ、細胞のDNAレベルでも老化が早い-。ロンドンのセントトーマス病院など英米チームがこんな研究結果を19日までにまとめ、英医学誌ランセットに発表した。
試算では、1日1箱を40年間吸い続けると、吸わない人に比べ細胞が7.4年分、余計に歳をとることになるという。
研究対象は18-72歳の女性1100人余り。白血球の核DNAにある「テロメア」と呼ばれる部分に着目した。テロメアは、ひも状になったDNAの両端でほつれを防ぐ「キャップ」役を果たしている。細胞分裂の度に少しずつ短くなり、若者より高齢者の方がこの部分が短いため、老化の1つの目安にもされている。
「喫煙者」「元喫煙者」「非喫煙者」の3グループでテロメアの長さを比べたところ、非喫煙者が最も長く、元喫煙者はやや短縮、喫煙者はさらに短かった。
全体に、年齢とほぼ比例して短縮していたが、喫煙者は同年齢の平均より余分に短くなっており、喫煙が老化を加速する形になっていた。これを基に、喫煙本数や期間がテロメアに与える影響を試算したところ、1日1箱、40年で7.4年分の老化という数字がはじき出された。』
『--コーヒーの目覚めを解明 睡眠障害治療にも--
コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは、脳の細胞膜上にある特定のタンパク質と結び付いて目覚め作用を起こすことを、大阪バイオサイエンス研究所の裏出良博(うらで・よしひろ)研究部長らが確認、米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス(電子版)に20日、発表した。
睡眠障害の治療や、眠気を防ぐ方法の開発につながるのではないかという。
裏出部長らはマウス実験で、人間のコーヒー1、2、3杯分に相当するカフェインを注射器で投与、睡眠時間を比べた。普通のマウスは投与量が増えるにつれ睡眠時間が短くなったが、遺伝子操作でアデノシンA2A受容体というタンパク質を欠損させたマウスは、投与量による変化はなかった。同様の可能性を指摘されていたアデノシンA1受容体というタンパク質を欠損させたマウスは、普通のマウスと変わりなかった。』
喫煙者は同世代の人よりも脳の血管の老化が10歳分くらい進んでいるような印象があることに気づいてはいたが,40年で7.4年分というのは興味深い数字だ.だが,20年でも5年分以上は進んでいるような印象がある.実際に早い人では40歳前後で脳梗塞になるのだから脳血管の動脈硬化はDNAの老化よりも早いという感じがする.
動脈硬化は非可逆的であると考えられるので禁煙により改善するとは考えにくいが,それでも癌や肺気腫などの予防には有効であろうから禁煙は早ければ早いほどいいだろう.
ところで最近はレストランなどでも禁煙席があるのだが,禁煙席の方が入り口に近くてなんとなく騒々しかったりして厭な思いをすることもある.禁煙社会を目指すなら非喫煙者のほうが優遇されてしかるべきだと思うのだがどうだろうか.喫煙者と非喫煙者の健康保険料が同じなのも喫煙者が優遇されているように思う.喫煙者の煙に厭な思いをした人ならわかってもらえるだろう.
ところで,煙草は百害あって一利なしだがコーヒーのほうはいろいろ薬理的に有効な作用があるようで面白い.コーヒーとビールの好きな私にとってはうれしい限りである.
『--ビール原料がピロリ無毒化 ホップのポリフェノール--
千葉大大学院医学研究院の野田公俊(のだ・まさとし)教授(病原分子制御学)とアサヒビールの研究チームは17日、ビールの原料ホップに含まれる「ホップポリフェノール」という物質が、胃がんなどに関与しているとされるヘリコバクターピロリ菌の毒素を無毒化することを確認した、と発表した。菌ではなく毒素に作用するため、抗生物質が効かなくなった耐性菌にも有効で、予防や治療に使う薬などの開発につながると期待される。4月に東京で開かれる日本細菌学会で発表する。
この物質はホップの先端に含まれている。味を整えるため一部の飲料に使われるが、通常は捨てる部分だという。ピロリ菌の毒素「VacA」は、胃の細胞内に液体の入った泡状の空胞を作り細胞を破壊する。研究チームはマウスにホップポリフェノールを経口投与する実験で、この物質がVacAと結合。毒素の分子構造を変化させて細胞を壊さなくすることを確認した。
野田教授らは、ホップポリフェノールが病原性大腸菌O157のベロ毒素を、リンゴに含まれるポリフェノールがコレラ毒素を無毒化することも突き止めている。アサヒビール広報部は「将来はこの物質を配合した食品で、消化器の病気を予防する方法を確立したい」としている。』
閉塞性脳血管障害や虚血性心疾患の予防に酒類の中でもビールが特にいいらしい.それを根拠に毎日ビールを1缶程度は楽しんでいるのだが,そんな私にとってはうまい話である.ピロリ菌の毒素を無毒化するということは胃潰瘍や胃癌の予防にもなるということなのだろうか.
一部の飲料に使われるが、通常は捨てる部分というのがちょっと気になる点だが,まあ,これでビールを飲む理由がちょっとでも増えるのなら大歓迎である.
千葉大大学院医学研究院の野田公俊(のだ・まさとし)教授(病原分子制御学)とアサヒビールの研究チームは17日、ビールの原料ホップに含まれる「ホップポリフェノール」という物質が、胃がんなどに関与しているとされるヘリコバクターピロリ菌の毒素を無毒化することを確認した、と発表した。菌ではなく毒素に作用するため、抗生物質が効かなくなった耐性菌にも有効で、予防や治療に使う薬などの開発につながると期待される。4月に東京で開かれる日本細菌学会で発表する。
この物質はホップの先端に含まれている。味を整えるため一部の飲料に使われるが、通常は捨てる部分だという。ピロリ菌の毒素「VacA」は、胃の細胞内に液体の入った泡状の空胞を作り細胞を破壊する。研究チームはマウスにホップポリフェノールを経口投与する実験で、この物質がVacAと結合。毒素の分子構造を変化させて細胞を壊さなくすることを確認した。
野田教授らは、ホップポリフェノールが病原性大腸菌O157のベロ毒素を、リンゴに含まれるポリフェノールがコレラ毒素を無毒化することも突き止めている。アサヒビール広報部は「将来はこの物質を配合した食品で、消化器の病気を予防する方法を確立したい」としている。』
閉塞性脳血管障害や虚血性心疾患の予防に酒類の中でもビールが特にいいらしい.それを根拠に毎日ビールを1缶程度は楽しんでいるのだが,そんな私にとってはうまい話である.ピロリ菌の毒素を無毒化するということは胃潰瘍や胃癌の予防にもなるということなのだろうか.
一部の飲料に使われるが、通常は捨てる部分というのがちょっと気になる点だが,まあ,これでビールを飲む理由がちょっとでも増えるのなら大歓迎である.
『--コーヒー党に肝がん少ない 肝硬変防止の可能性も 東北大が6万人調査--
コーヒーを1日に1杯以上飲む人が肝臓がんになる危険性は、全く飲まない人の6割程度-。東北大の辻一郎(つじ・いちろう)教授(公衆衛生学)らが21日までに、約6万1000人の追跡調査結果をまとめた。大津市で開催の日本疫学会で22日発表する。
辻教授によると、コーヒーに含まれるどんな物質が作用するかはよく分かっていないが、肝硬変の発症リスクを低下させる可能性があるほか、動物実験では成分のクロロゲン酸が肝臓がんの発生を抑制したとする報告もあるという。
1984-97年に、40歳以上の男女を7-9年間追跡調査。計約6万1000人のうち、調査期間中に新たにがんになったのは117人だった。年齢や性別などの要因を考慮して解析した結果、全く飲まない人の危険度を「1」とした場合、1日平均1杯以上飲む人は0.58、1杯未満の人は0.71だった。がん以外の肝臓疾患を経験した人や60歳以上の人、過去に喫煙経験がある人では、こうした傾向が特に強かった。辻教授は「年齢や性別、飲酒状況などで分けて解析しても傾向は変わらなかった。ただし、コーヒーに砂糖などを入れすぎると体に良くないので注意してほしい」としている。』
私がまだ医学生のころコーヒーを一日5杯以上飲むと心筋梗塞になりやすいと循環器内科の講義で聞いたような気がするが,最近はそんなことは信じられていないらしい.
かく言う私も今やコーヒーを1日に2〜4杯は飲んでいる.コナやモカが好きでこれを備前焼のカップで飲むとその苦さがいいのである.
これが肝硬変や肝癌のリスクを減らすとは私にとってはよい話である.酒が脳梗塞や心筋梗塞のリスクを減らし,今度はコーヒーが肝硬変のリスクを減らすのだあれば,どちらも好きな私にとっては好都合である.
だが,調子にのって飲み過ぎるとどちらも胃を痛めるので気をつけなければならない.実はいたずら程度にダビドフの葉巻を吸いたくなることがあるのだが,葉巻の効用については聞いたことがない.残念だがやはりこれだけは密かな楽しみにしておいたほうがよさそうだ.
コーヒーを1日に1杯以上飲む人が肝臓がんになる危険性は、全く飲まない人の6割程度-。東北大の辻一郎(つじ・いちろう)教授(公衆衛生学)らが21日までに、約6万1000人の追跡調査結果をまとめた。大津市で開催の日本疫学会で22日発表する。
辻教授によると、コーヒーに含まれるどんな物質が作用するかはよく分かっていないが、肝硬変の発症リスクを低下させる可能性があるほか、動物実験では成分のクロロゲン酸が肝臓がんの発生を抑制したとする報告もあるという。
1984-97年に、40歳以上の男女を7-9年間追跡調査。計約6万1000人のうち、調査期間中に新たにがんになったのは117人だった。年齢や性別などの要因を考慮して解析した結果、全く飲まない人の危険度を「1」とした場合、1日平均1杯以上飲む人は0.58、1杯未満の人は0.71だった。がん以外の肝臓疾患を経験した人や60歳以上の人、過去に喫煙経験がある人では、こうした傾向が特に強かった。辻教授は「年齢や性別、飲酒状況などで分けて解析しても傾向は変わらなかった。ただし、コーヒーに砂糖などを入れすぎると体に良くないので注意してほしい」としている。』
私がまだ医学生のころコーヒーを一日5杯以上飲むと心筋梗塞になりやすいと循環器内科の講義で聞いたような気がするが,最近はそんなことは信じられていないらしい.
かく言う私も今やコーヒーを1日に2〜4杯は飲んでいる.コナやモカが好きでこれを備前焼のカップで飲むとその苦さがいいのである.
これが肝硬変や肝癌のリスクを減らすとは私にとってはよい話である.酒が脳梗塞や心筋梗塞のリスクを減らし,今度はコーヒーが肝硬変のリスクを減らすのだあれば,どちらも好きな私にとっては好都合である.
だが,調子にのって飲み過ぎるとどちらも胃を痛めるので気をつけなければならない.実はいたずら程度にダビドフの葉巻を吸いたくなることがあるのだが,葉巻の効用については聞いたことがない.残念だがやはりこれだけは密かな楽しみにしておいたほうがよさそうだ.
わかっちゃいるけどやめられない?
2004年12月28日 医食同源『--喫煙で年間483万人死亡 全世界の死因の12% 1位は心臓血管病 米研究グループが調査 --
喫煙が原因で2000年の1年間に死亡したと考えられる30歳以上の人は、全世界で483万人に達し、死因の12%を占めるとの調査結果を、米ハーバード大のマジド・エザッチ博士らの研究グループが25日までにまとめた。
先進国と発展途上国の死者はほぼ同数だが、途上国ではアジアや西太平洋地域に集中。死因となったのはいずれも心臓血管系の病気が1位、途上国では慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)など呼吸器系疾患の割合が高い傾向が見られた。
喫煙による死亡数は従来約500万人とされてきたが、地域や死因別に詳細に推定したのは初めて。研究グループは「地域ごとの喫煙傾向の特徴も踏まえ、途上国などでの対策を強化しなければ、健康被害はさらに深刻になる」と警告している。研究グループは、世界保健機関(WHO)が分けている世界6地域を、先進国と発展途上国、子供の死亡率などで、さらに計14ブロックに細分。喫煙と肺がんに関する研究データなどから、地域ごとに喫煙による死者数を推定した。
合計483万人の死者のうち、女性は2割。途上国では死者の集中地域があり、インドやバングラデシュなど7カ国のブロックと、中国やカンボジアなど22カ国のブロックで、死者がそれぞれ約80万人に達した。
先進国での死因は心臓血管の病気が一番多く約100万人。次いで肺がん(約50万人)、COPD(約30万人)の順だった。
一方、途上国のCOPDの比率は先進国の2倍以上で、他の呼吸器疾患も含め全体の4割を占めた。研究グループは、石炭や動植物由来の燃料で家の中の空気が汚れていると、たばこにより体への影響がより強められる可能性を指摘している。』
『--喫煙男性は飲みすぎに注意 酒量多いとがんの危険増加--
たばこを吸う男性は飲酒量が増えるにつれ、がんになる危険が高くなる-。こんな大規模疫学調査の結果を厚生労働省研究班(主任研究者、津金昌一郎(つがね・しょういちろう)・国立がんセンター予防研究部長)が24日までにまとめた。日本酒で1日平均3合(ビールなら同大瓶3本)以上の人は、「時々飲む」人に比べ危険性が倍以上になるという。研究班は「アルコールをアセトアルデヒドに分解する酵素が、たばこが含む発がん物質も活性化するのではないか」と分析。他の研究結果も考慮し、飲酒は日本酒で1日1合(ビールなら同大瓶1本)程度までにすべきだとしている。
研究班は40-50代の男女約7万3000人を1990年から約10年間追跡。飲酒、喫煙習慣とがんとの関連を調べた。
男性喫煙者の場合、1日の飲酒量が日本酒で平均3合以上、同2-3合の人のがん発生率は、「時々飲む」人に比べそれぞれ2.32倍、1.93倍に達した。非喫煙者ではこうした傾向はなかった。ただ、食道がんや肝臓がんなど、飲酒との関連が強いがん個別では、酒量に応じ発生率は高まった。また、女性は定期的に飲酒する人が少なく、男性のような傾向はみられなかったという。
研究班によると、日本酒1合は焼酎で0.6合、ウイスキーでダブル1杯、ワインでグラス2杯程度に相当する。』
喫煙や多量の飲酒が体に悪いことに異論を唱える人はさすがにもういないのだろうが,禁煙できない人は大勢いるし,自分がそれらの依存症だという病識さえない人もまだたくさんいると思われる.だが,生活習慣病の本当の恐さを知るのは病気になってからというのだから病識がないというのは哀れなものである.「人間は未来を知らされていない」というのはトルストイの民話集の一節だが,仮に生活習慣が原因で病気になることを知らされていたとしてもまだやめられないのが人間のような気がする.
スマトラ沖大地震では現時点で2万人以上が亡くなったようだ.被害に遭った人々には誠にお気の毒であるが,台風,地震,津波,火山噴火などの自然現象に対しては人間はまだほとんど無力だということを毎度思い知らされているだけだ.地球は人間の存在に関係なくその姿を変え続けているということなのだろう.とは言えプーケットに余暇に行った人々にとってはまさに天国から地獄だっただろう.
地球の歴史からみれば人間はほんの一瞬の存在にすぎないが,これほどまでに人間が増えて地球環境に変化を与えればそのうち人間自身の手で地球環境を激変させることになるかも知れない.それは人類が地球史上最も繁栄した生物である証になるのかも知れないが,自ら造り出した環境に適応して絶滅をまぬがれることができるのだろうか.
開発による環境破壊もある意味で喫煙と同じようなものに思える.悪いのはわかっているがやめられない.もうすぐ2004年も終わりである.明日の事も知ることのできない我が身ではあるが,来年はいったいどんな1年になるのであろうか.
喫煙が原因で2000年の1年間に死亡したと考えられる30歳以上の人は、全世界で483万人に達し、死因の12%を占めるとの調査結果を、米ハーバード大のマジド・エザッチ博士らの研究グループが25日までにまとめた。
先進国と発展途上国の死者はほぼ同数だが、途上国ではアジアや西太平洋地域に集中。死因となったのはいずれも心臓血管系の病気が1位、途上国では慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)など呼吸器系疾患の割合が高い傾向が見られた。
喫煙による死亡数は従来約500万人とされてきたが、地域や死因別に詳細に推定したのは初めて。研究グループは「地域ごとの喫煙傾向の特徴も踏まえ、途上国などでの対策を強化しなければ、健康被害はさらに深刻になる」と警告している。研究グループは、世界保健機関(WHO)が分けている世界6地域を、先進国と発展途上国、子供の死亡率などで、さらに計14ブロックに細分。喫煙と肺がんに関する研究データなどから、地域ごとに喫煙による死者数を推定した。
合計483万人の死者のうち、女性は2割。途上国では死者の集中地域があり、インドやバングラデシュなど7カ国のブロックと、中国やカンボジアなど22カ国のブロックで、死者がそれぞれ約80万人に達した。
先進国での死因は心臓血管の病気が一番多く約100万人。次いで肺がん(約50万人)、COPD(約30万人)の順だった。
一方、途上国のCOPDの比率は先進国の2倍以上で、他の呼吸器疾患も含め全体の4割を占めた。研究グループは、石炭や動植物由来の燃料で家の中の空気が汚れていると、たばこにより体への影響がより強められる可能性を指摘している。』
『--喫煙男性は飲みすぎに注意 酒量多いとがんの危険増加--
たばこを吸う男性は飲酒量が増えるにつれ、がんになる危険が高くなる-。こんな大規模疫学調査の結果を厚生労働省研究班(主任研究者、津金昌一郎(つがね・しょういちろう)・国立がんセンター予防研究部長)が24日までにまとめた。日本酒で1日平均3合(ビールなら同大瓶3本)以上の人は、「時々飲む」人に比べ危険性が倍以上になるという。研究班は「アルコールをアセトアルデヒドに分解する酵素が、たばこが含む発がん物質も活性化するのではないか」と分析。他の研究結果も考慮し、飲酒は日本酒で1日1合(ビールなら同大瓶1本)程度までにすべきだとしている。
研究班は40-50代の男女約7万3000人を1990年から約10年間追跡。飲酒、喫煙習慣とがんとの関連を調べた。
男性喫煙者の場合、1日の飲酒量が日本酒で平均3合以上、同2-3合の人のがん発生率は、「時々飲む」人に比べそれぞれ2.32倍、1.93倍に達した。非喫煙者ではこうした傾向はなかった。ただ、食道がんや肝臓がんなど、飲酒との関連が強いがん個別では、酒量に応じ発生率は高まった。また、女性は定期的に飲酒する人が少なく、男性のような傾向はみられなかったという。
研究班によると、日本酒1合は焼酎で0.6合、ウイスキーでダブル1杯、ワインでグラス2杯程度に相当する。』
喫煙や多量の飲酒が体に悪いことに異論を唱える人はさすがにもういないのだろうが,禁煙できない人は大勢いるし,自分がそれらの依存症だという病識さえない人もまだたくさんいると思われる.だが,生活習慣病の本当の恐さを知るのは病気になってからというのだから病識がないというのは哀れなものである.「人間は未来を知らされていない」というのはトルストイの民話集の一節だが,仮に生活習慣が原因で病気になることを知らされていたとしてもまだやめられないのが人間のような気がする.
スマトラ沖大地震では現時点で2万人以上が亡くなったようだ.被害に遭った人々には誠にお気の毒であるが,台風,地震,津波,火山噴火などの自然現象に対しては人間はまだほとんど無力だということを毎度思い知らされているだけだ.地球は人間の存在に関係なくその姿を変え続けているということなのだろう.とは言えプーケットに余暇に行った人々にとってはまさに天国から地獄だっただろう.
地球の歴史からみれば人間はほんの一瞬の存在にすぎないが,これほどまでに人間が増えて地球環境に変化を与えればそのうち人間自身の手で地球環境を激変させることになるかも知れない.それは人類が地球史上最も繁栄した生物である証になるのかも知れないが,自ら造り出した環境に適応して絶滅をまぬがれることができるのだろうか.
開発による環境破壊もある意味で喫煙と同じようなものに思える.悪いのはわかっているがやめられない.もうすぐ2004年も終わりである.明日の事も知ることのできない我が身ではあるが,来年はいったいどんな1年になるのであろうか.
『資生堂は23日、キリンビールとの共同研究で、ビールの原料であるホップから抽出した成分に色素細胞を増やす効果を見つけたと発表した。色素細胞は皮膚と同様に毛髪に色を付ける働きがあり、年内にもホップの成分を配合した育毛料を発売するという。
資生堂によると、頭皮の色素細胞の増殖が老化などで正常に機能しなくなると、髪の色素が欠落し白髪になる。そこで、ホップの成分を調べたところ、この細胞を活性化させる効果を世界で初めて見つけたという。ただ、ホップ成分が白髪を予防する効果は多数の人を対象にした臨床試験で確認されておらず、発売する育毛料は薬事法上の理由で白髪の予防効果をうたわないという。』
以前よりアルコールによる虚血性心疾患のリスクの減少がいわれているが,同様の効果は脳血管にもあると考えられえる.それを理由に毎日350〜500mlのビールを飲んでいるのだが,このニュースはさらなる大義名分を私に与えてくれるものでありがたい.
発泡酒にもホップは入っているので効果はあるのかもしれないが,どうにもビール並においしい発泡酒が出てこないので私は相変わらずビールなのだ.もともとサッポロ黒ラベルが好きだったのだが数年前からサントリーのMALTSがメインになっている.
今年は特に暑い夏なのでビールを飲む機会は多くなるかもしれない.ただ,飲みすぎると脳出血のリスクが高くなるので血圧が高い人は特に注意をしたほうがいいだろう.
資生堂によると、頭皮の色素細胞の増殖が老化などで正常に機能しなくなると、髪の色素が欠落し白髪になる。そこで、ホップの成分を調べたところ、この細胞を活性化させる効果を世界で初めて見つけたという。ただ、ホップ成分が白髪を予防する効果は多数の人を対象にした臨床試験で確認されておらず、発売する育毛料は薬事法上の理由で白髪の予防効果をうたわないという。』
以前よりアルコールによる虚血性心疾患のリスクの減少がいわれているが,同様の効果は脳血管にもあると考えられえる.それを理由に毎日350〜500mlのビールを飲んでいるのだが,このニュースはさらなる大義名分を私に与えてくれるものでありがたい.
発泡酒にもホップは入っているので効果はあるのかもしれないが,どうにもビール並においしい発泡酒が出てこないので私は相変わらずビールなのだ.もともとサッポロ黒ラベルが好きだったのだが数年前からサントリーのMALTSがメインになっている.
今年は特に暑い夏なのでビールを飲む機会は多くなるかもしれない.ただ,飲みすぎると脳出血のリスクが高くなるので血圧が高い人は特に注意をしたほうがいいだろう.
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