『コーヒー1日3杯で脳腫瘍リスク減?過剰摂取は逆効果も

 日本人でコーヒーを1日3杯以上飲む人は、脳腫瘍(しゅよう)を発症するリスクが低いという研究成果を国立がん研究センターの研究チームがまとめた。コーヒーの成分の一部が発がん抑制に関係している可能性があるという。

 国内10地域に住む40~69歳の男女約10万人に、コーヒーを飲む頻度など習慣を聞き、その後約20年にわたり経過をみたところ、157人が脳腫瘍を発症した。

 研究チームは、コーヒーを1日3杯以上、1~2杯、1杯未満と飲む頻度で3グループに分けて、年齢や喫煙歴などの影響を取り除き、脳腫瘍のリスクを調べた。その結果、1日3杯以上飲む人は、1杯未満の人に比べて、脳腫瘍の発症リスクが53%低かった。

 コーヒーに含まれるクロロゲン酸やトリゴネリンという成分には抗酸化作用などの働きがあり、発症を抑えた可能性があるという。一方、海外では1日7杯以上と過剰に飲むと逆にリスクが高まるとの報告もあり、研究チームは、予防効果が出やすい適量があるとみている。緑茶についても同様に調べたが、関連は見られなかった。

 同センターの澤田典絵室長は「脳腫瘍の症例そのものがあまり多くなく、科学的根拠として確立するには、さらなる研究成果の蓄積が必要」と話している。

 研究成果は、国際対がん連合(UICC)が発行するがん専門誌「インターナショナル・ジャーナル・オブ・キャンサー」(電子版)に掲載された。』

 コーヒーが健康に良いらしいという報告は今までにもたくさんあったが,「1日7杯以上と過剰に飲むと逆にリスクが高まるとの報告」というのは初めて聞いた.

 最近はだいたい1日4〜5杯くらいは飲んでいるが,これくらいがちょうどいいのかもしれない.

参考:

心臓病リスク減などの研究結果

(1)コーヒーを毎日3~4杯飲むと、飲まない人に比べ、心臓病で死ぬリスクが36%減、脳内出血・脳梗塞など脳血管病で43%減、肺炎など呼吸器病で40%減(2015年:東京大学と国立がん研究センター)

(2)コーヒーを毎日2杯飲むと、肝硬変になるリスクが43%減、3杯では57%減、4杯だと65%減(2016年:英サウサンプトン大学)

(3)コーヒーを毎日4~6杯飲むと、子宮体がんになるリスクが25%減、前立腺がんになるリスクが18%減(2012年:米ハーバード大学)

(4)1日3~4杯のコーヒーを飲むと、飲まない人に比べ、糖尿病のリスクが男性で27%減、女性で29%減(2014年:フィンランド国立公衆衛生研究所)

(5)1日4杯以上コーヒーを飲むと、うつ病になるリスクが約10%減(2015年:米国立衛生研究所)。1日2~4杯のコーヒーを飲むと、成人の自殺リスクが約50%減(2015年:米ハーバード大学)

(6)1日に飲むコーヒーの量が多いほど、紫外線シミの発生面積が減少(2011年:お茶の水女子大学)

このほか、パーキンソン病、痛風などに改善効果があるという研究も発表されている。
『加工肉「発がん性ある」 WHO、過剰摂取に警告

 世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(IARC)は26日、ハムやソーセージなどの加工肉を「人に対し発がん性がある」物質に指定した。赤肉も「恐らく発がん性がある」に分類した。加工肉の摂取量が多いほどがんを患う危険性が高いとしており、過剰な食肉摂取のリスクに異例の警告を発した。

 約800の研究論文を踏まえたもので、加工肉の分類は「十分な証拠を基にしたものだ」と強調している。毎日食べた場合、50グラムごとに大腸がんを患う確率が18%上昇すると結論づけた。どのような加工手段が発がん性を高めるかは、明確には特定していない。

 IARCでは「加工肉」は塩分を加えたり、薫製にしたりした食肉を指す。ハムなどのほかにコンビーフやビーフジャーキーも含む。分類はたばこやアスベストと同じ扱いだが、「発がんの危険性が同じとは限らない」とも指摘している。

 哺乳類の肉と定義する「赤肉」については「限られた証拠から」結論を得た。主に大腸がんが多いが、膵臓(すいぞう)がんや前立腺がんとの関係性も確認した。

 IARCは決定が「肉の摂取の制限を求める保健当局の推奨を支持するものだ」と位置付けた。一方、食肉に栄養価があることも認め、評価結果が「各国政府と規制当局がリスクを評価し、危険性と利点のバランスをとった食生活を推奨するのに重要になる」とした。

 WHOの報道官はIARCの発表を受け、「内容を精査する」とコメントした。IARCの評価結果には法的拘束力はなく、近く食肉の摂取に関する勧告などを発する予定もないという。

 食肉とがんについては多くの研究機関が関係を指摘する一方、米国を中心に食肉関連の業界団体などが「生活スタイルなど複合的な要因を配慮していない」などとして反発してきた。』

 海の魚類に含まれる水銀の量が上昇してきているというので,魚の摂取も少なめにするように気をつけようと思っていたら,今度は食肉も大腸癌のリスクが高まるというのだから,ベジタリアンになるしかないようだ.

 私も独身時代は自分で食事を作るのが面倒になるとよく焼肉屋や炉端焼きの店に行ったのだが,今では外食はもう飽きてほとんど自宅で食べるようになった.それでも,酒のつまみにビーフジャーキーを時々買ったりしていたのだが,これも加工肉に含まれるらしい.

 我が国で大腸癌は女性の癌死亡数の第1位で,男性の現在第1位は肺がんだが将来は大腸癌が1位になる勢いで増えているらしい.ハワイの日系人は米国白人よりも大腸癌にかかる人が多いようだが,まさかビーフジャーキーを好んで食べたりしてるわけではないだろう.

 何れにしても胃がんが減り大腸癌が増えているのは食生活の変化と関係があるということなのだろうと思う.少なくとも食生活の上で極端な肉食系の人はあまり健康的とは言えないだろう.


 

『コーヒーの「クロロゲン酸」で肥満解消 マウス実験、運動量とエネルギー消費も増大

食後のコーヒーは理にかなっている?

   米オハイオ州トレド大学の研究者によると、クロロゲン酸を与えたマウスは、高脂肪食をとっていても肥満やインスリン抵抗性(臓器や筋肉にブドウ糖を取り込めず血糖値が上がりやすい状態)の改善が見られたという。クロロゲン酸はコーヒー豆に豊富に含まれるポリフェノールの一種。

   研究はマウスを2グループにわけ、7週間高脂肪食を与えて飼育し、片方のグループにのみ後半の3週間、毎日クロロゲン酸を0.15ミリグラム与え、与えていないグループと体重や血糖値の状態を比較するというもの。その結果、クロロゲン酸を与えられたグループは与えられていないグループに比べ、体重が平均3グラム減少しており、インスリン抵抗性にも改善が見られ、血糖値が安定した状態になっていた。また、クロロゲン酸を与えられたマウスは、自発的な運動量とエネルギー消費量が増加していたという。

   研究者らは「今回の研究はマウスでのもので、クロロゲン酸が直接血糖値を改善しているのか、何らかの理由でエネルギー消費や運動量を増加させているのかはわからない」としつつ、食事制限や運動療法を継続することができない人の肥満解消に利用できるのではないかとコメントしている。

   発表はオープンアクセスの栄養学誌「Nutrition & Metabolism」オンライン版で、5月22日に掲載された。

参考論文
Chlorogenic acid/chromium supplement rescues diet-induced insulin resistance and obesity in mice.
DOI: 10.1186/s12986-015-0014-5 PMID: 26045713 』

コーヒーは肥満や糖尿病の予防にもいいらしい.

コーヒー

2015年5月7日 医食同源
『コーヒーや緑茶、1日数杯で長寿効果 19年間追跡調査

 コーヒーや緑茶を日常的によく飲んでいる人は、そうでない人に比べて病気などで死亡するリスクが低いとする調査結果を、国立がん研究センターなどの研究チームがまとめた。コーヒーに含まれるポリフェノール、緑茶に含まれるカテキンが血圧を下げ、両方に含まれるカフェインが血管や呼吸器の働きをよくしている可能性があるという。

 全国に住む40~69歳の男女約9万人に対し、コーヒーや緑茶を1日どれくらい飲むかを、ほかの生活習慣などと合わせて質問し、経過を約19年間追った。この間に約1万3千人が亡くなっていた。

 コーヒーや緑茶をよく飲む人は死亡率が低く、コーヒーを1日に3~4杯飲む人ではほとんど飲まない人に比べて、死亡リスクが24%低かった。緑茶は1日1杯未満の人に比べ、1日5杯以上飲む男性で死亡リスクが13%、女性で17%低かった。どちらも、死亡のリスクにかかわる年齢や運動習慣などは影響しないように統計学的に調整した。』

 コーヒーに含まれるポリフェノールや緑茶に含まれるカテキンが健康に良いらしいという話はもう何度もここでも取り上げているが,また一つ良いというデータが積み上げられたと考えていいのだろう.

 しかし,最近の話ではインスタントコーヒーや缶コーヒーは健康には良くないらしい.どうやらそれらには添加物が含まれているようで,それが良くないのではないかと私は思っている.

 もっとも私にとってコーヒーとはコーヒー豆を挽いたものをドリップしたものに限られている.最近は近所のお店で焙煎した豆を200gづつ買ってきて毎回自宅のミルで挽いてペーパーフィルターでドリップして飲んでいる.職場では時間がないのでモンカフェを使い1日3〜4杯は飲んでいる.もちろんミルクも砂糖も使ってはいない.

 そのせいか私の血圧は高校生の頃から120/70のままで,心拍数も安静時は56~60だ.死亡リスクが24%低いというのが自分の場合にはどの程度なのかよくわからないが,やはり健康にはいいようなのでコーヒーと適度な飲酒とサイクリングの習慣だけは今後もずっと続けていこうと思っている.

砂糖

2015年3月5日 医食同源
『WHOが砂糖新指針…炭酸飲料1缶でも超える

 世界保健機関(WHO)は4日、成人が1日に取る砂糖をティースプーン6杯分の25グラム程度に抑えることを奨励する砂糖摂取の新指針を発表した。

 砂糖の取りすぎを抑えることで、肥満や虫歯を防ぎ、慢性疾患の予防にもつなげることが狙い。昨年3月に示した指針案を正式決定した。

 これまでWHOは、食物から取り込む熱量(カロリー)のうち砂糖の割合を10%以下にする目標を掲げてきたが、新指針は5%以下にすることを求めた。これにより成人にとっての適量は、従来の50グラム程度以下から半分に減る。

 たとえば炭酸飲料1缶(350ミリ・リットル)には砂糖が約40グラム含まれ、軽く超える。WHOはケチャップなど加工食品に含まれる砂糖の量にも注意が必要だと強調している。』

 これを実行するのはかなり難しそうだ.明日からはチョコレートを無糖にしなければならないかもしれない.

 と,思っていたらすぐに反論が出たようだ.お菓子を食べているようじゃ,いくらなんでも無理ということだろう.私も当分は努力目標にして,砂糖の摂取に気をつけていくことにしよう.

3月6日追記)
『砂糖新指針、欧米で物議「無理」 専門家ら反論、現行基準すら順守できず

 世界保健機関(WHO)が4日に発表した砂糖の摂取量に関する新ガイドラインが欧米で物議を醸している。WHOではこれまで成人の砂糖摂取量について、1日に摂取する総カロリー量の10%未満が望ましいと定めていたが、今回の新ガイドラインでは、生活習慣病の予防に望ましい水準として、従来の半分の5%未満に厳格化した。ところが5%という数字は砂糖換算だと25グラムでティースプーンわずか6杯分。欧米では缶入りソーダ(340ミリリットル入り)1本がティースプーン10杯分(約40グラム)の砂糖を含んでおり、新ガイドラインだと1缶で1日の摂取量を超過する。そのため専門家から「5%は現実的ではない」といった反論が出ている。

 WHOの栄養部門の責任者、フランチェスコ・ブランカ博士は、新ガイドラインの発表会見で「われわれが砂糖に注目する理由は、それが多くの国々で公衆衛生上の懸念となっている体重増や肥満の増加と大きく関係するためである」と明言。そのうえで、従来通り10%未満を推奨値としながらも、心臓病や糖尿病、ガンといった不健康な食生活と関連する生活習慣病の予防には5%未満がより望ましいとする新ガイドラインを説明した。

 ところがこの5%という数字、実はそう簡単に順守できるものではないのだ。AP通信やロイター通信などによると、欧米では、そもそも10%という数字すら順守できていない国々が目立つ。例えばポルトガルが25%、英国が17%、米国は成人13%、子供だと16%に。米国の13%という数字はティースプーン18杯分で268カロリーにもなる。

 ブランカ博士が説明した地域ごとの砂糖摂取量は、新目標が1日あたり25グラムなのに対し、南米130グラム、北米と中米が95グラム、西欧101グラム、中東90グラム。最も低い赤道地帯と南アフリカですら30グラムだ。農畜産業振興機構によると、砂糖とデンプン由来の異性化糖をあわせた日本人の糖類摂取量は66グラムという。

 WHOの推奨する5%だと、欧州では何とか7%を維持するノルウェーとハンガリーさえ基準超えで、順守はほぼ不可能と言っていい。その理由について欧米メディアは、意外な食品が多くの砂糖を含んでいることを挙げる。例えば、サラダ用のフレンチドレッシングには1回分(ティースプーン2杯分)に4グラム、冷凍ピザ1食分に7グラム、健康に良い印象があるヨーグルトでも、人気のギリシャヨーグルト「チョバーニ」(1つ150グラム)は17グラムもの砂糖を含んでいた。この他、シリアルで1カップに9グラム、ピーナツバターで1回分(ティースプーン2杯分)に7グラムと、あらゆる食品に大量の砂糖が使われている。

 そのため、専門家からは、西欧諸国にとってガイドラインは従来の10%が現実的であり、5%は開発途上国を対象とすべきだとの声が上がっている。英キングス・カレッジ・ロンドンで栄養学と食事療法学を教えるトム・サンダース教授はAP通信に「5%を順守するならオレンジジュース(コップ1杯砂糖が24~26グラム)を飲むことすら許されないだろう」と憤慨。

 さらに「欧米など先進国なら甘い飲み物やシリアル、ビール、あめ、クッキーをやめれば10%は困難ではない。ケーキは愛すべき食べ物だが、ごちそうなのだ」と述べ、ぜいたく品や菓子類をやめ、10%をめざす方が現実的との考えを強調した。』


『ゴマや赤ワインの老化予防効果、細胞レベルで確認 京大

 ゴマや赤ワインの成分が、人工的に老化現象を起こした細胞を長生きさせることを京都大の阪井康能教授(分子細胞生物学)らのグループが確かめた。これまでは人での疫学調査などで、老化防止の効果が報告されてきたが、細胞レベルではよくわかっていなかった。英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版にこのほど発表した。

 細胞が老化すると、異常なたんぱく質がたまり、細胞を傷つける酸化ストレスが生じやすくなる。これらが原因で細胞が死に、アルツハイマー病などもこうした仕組みで起きる。

 阪井教授らは、異常なたんぱく質を分解するたんぱく質に着目。ハムスターの細胞でこの働きを抑え、人工的に異常なたんぱく質がたまりやすくして観察したところ、酸化ストレスが上がり、細胞の生存率が4割ほど下がった。一方、抗酸化作用があるとされる赤ワインに多いポリフェノールやゴマ成分のセサミンを与えると、細胞の生存率が1~2割回復した。

 これらの成分は細胞内のエネルギー物質を作り出すミトコンドリアの働きを改善していることがわかった。ミトコンドリアに障害があると酸化ストレスを引き起こす活性酸素が生じやすくなるという。阪井教授は「細胞レベルで酸化ストレスと細胞死の詳しい仕組みがわかれば、アルツハイマー病などの予防法の開発につながる可能性がある」と話している。』

 最近は暑いのでビールを主に飲んでいるが,赤ワインもわりとよく飲むほうだ.そのポロフェノールであるレスベラトロールについては以前も書いたとおりDNAの損傷防止効果があるらしく心臓疾患の発生率を減少させ老化防止に効果があるとされているのは知っていた.

 サントリーから発売されているセサミンというのもいいかもしれないと以前から思ってはいたが,すでにオオツカプラスワンでネーチャーメイドのサプリを買い込んで毎日飲んでいるのでもうこれ以上は増やさないつもりだったのだが,こういう話を聞くと試してみたくなるのだ.

 疑問なのはレスベラトロールとセサミンを併用した場合に細胞の生存率がどうなるのかという点だ.もし相乗効果があるのだったらビールのあとにグラス1杯の赤ワインを追加しなければならないだろう.

 健康のために飲んでいるという大義名分があれば,毎日お酒を楽しめるわけでこういうエビデンスは大歓迎なのだ.

ショック

2014年3月7日 医食同源
『砂糖は1日25gまで…炭酸飲料1缶でアウト

 世界保健機関(WHO)は5日、砂糖の摂取量について、これまでの上限目標をさらに半分にする新指針案を発表した。

 WHOは、砂糖が肥満や虫歯の原因となり、慢性疾患にもつながるとして、2002年に食物から取り込む熱量(カロリー)のうち砂糖の割合を10%以下に抑える目標を設定した。新指針案では、これを5%以下とすることを求めた。これにより成人では、1日に摂取できる砂糖の適量がこれまでの「50グラムまで」から「25グラムまで」に減る。砂糖25グラムは紅茶用スプーン6~7杯。炭酸飲料1缶には砂糖が約40グラム含まれ、軽く超してしまう。

 農林水産省の資料によると日本人1人当たりの砂糖消費は1日45グラム程度で、ほぼ半減しないと新指針案を満たせない。WHOは、今月末まで各国政府などの意見を聞いた上で、正式決定したい考えだ。』

 板チョコ1枚が大体60gでそこに含まれる砂糖の量は20gだそうだ.だからチョコレートの1/3は砂糖だと思えばいいということだろう.そして,私はおそらく医局に置いてあるチョコレートやお菓子類から毎日10g以上は砂糖を摂取しているはずだ.

 他にも,野菜ジュースやスポーツ飲料を飲む事もあり,さらに料理などの食事に含まれる砂糖を考えるとやはり40〜50gは摂取していると思われる.これを半減するとなると,もう平日はお菓子の類を一切口にしない以外は方法がなさそうだ.

 だが,ストレスが溜まるとつい甘いものに手が伸びてしまうのだ.これには以前から自覚があったから一種の砂糖依存症なのだろう.今まで砂糖依存症なんて事は考えた事もなかったが,このニュースを見て砂糖について調べてみたら砂糖の害について色々なことが書かれていた.

 確かに,考えてみれば砂糖は人間の体に必須なものではないのだから,もし害があるのだったら出来るだけ摂取を控えるべきなのだろう.こんなことに今まで気づかなかったことに軽いショックを感じた.
『英動物園、サルの餌にバナナ禁止

 ロンドン(CNN) 英イングランド南西部デボン州のペイントン動物園が、サルの餌にバナナを与えるのをやめ、野菜中心の餌に切り替えた。バナナはサルの健康に良くないと判断したという。

 同動物園によると、人間の食用に甘さを強めたバナナは野生のバナナに比べて高カロリーで糖分が多い。そのため糖尿病になる恐れがあるほか虫歯の原因にもなるという。またサルの胃は消化しにくい繊維質の餌を食べるようにできているため、糖分の多いバナナを食べれば胃腸の具合が悪くなることもあるという。

 「甘くてジューシーなバナナは人間には良くても、サルには良くない」「サルといえばバナナと思われがちだが、この2つは良い組み合わせではない」と広報は説明する。

野生に近いバナナを供給してくれる業者は見つからなかったため、バナナの餌は中止することに決め、徐々に量を減らしていった。

 その結果、サルたちには目に見えて変化が現れた。毛皮が厚くなって状態も良くなったほか、タマリンやマーモセットといった小型のサルは攻撃性が薄れて群れが落ち着いたという。バナナを恋しがる様子は見られないと広報は話している。

 各地の動物園では動物たちに運動させようと、刻んで食べやすくした餌を与えるのではなく、餌をあちこちに置いて探させるなどの工夫を凝らすところが増えている。』

 野菜中心の餌にすると毛並みがよくなり,攻撃性がうすれるというのは面白いと思った.そう言えば人間もメタボな人は頭の毛が薄くて攻撃的な性格の人が多いんじゃないだろうか.

 たしかに最近のバナナは不思議なくらい甘いのだが,甘くてジューシーなバナナは実は人間にも良くないのかもしれない.

落とし穴

2013年7月13日 医食同源
『人工甘味料入り飲料で健康リスク増大も 米調査

人工甘味料を使ったダイエット飲料を日常的に消費すれば、普通の清涼飲料水以上に肥満や生活習慣病のリスクが高まる恐れがあるという調査結果が10日の医学誌に発表された。

米パデュー大学の研究チームは、ダイエットソーダの消費と健康状態との関係について調べた過去5年間の論文などを検証した。

その結果、ダイエットソーダに使われている人工甘味料には、体内や脳内の仕組みを混乱させる作用があることが分かった。ダイエットソーダばかり飲んでいる人が本物の糖分を摂取すると、血糖値や血圧を調整するホルモンが分泌されなくなるという。

人工甘味料はさらに、空腹感を感じさせ、甘いものが食べたくなる衝動も起こさせるといい、普通のソーダよりもダイエットソーダを飲んだ方が太りやすい傾向があることも判明した。

たとえ太らなかったとしても、糖尿病や心疾患、脳卒中を発症する危険は大幅に高まると研究チームは指摘。パデュー大学のスーザン・スウィザーズ教授は「ダイエットソーダは普通のソーダよりも健康にいいという考え方は誤っている」「完全にやめろとは言わないが、日常的に飲むべきものではない」と語った。

これに対して飲料メーカーの業界団体は、「各国の学術機関や規制当局による長年の調査によれば、低カロリーの甘味料は安全で、減量や体重管理などの効果もある」と反論している。』

 肥満の人に食べ物に気をつけるようにお話しても無駄なことが多い.皮下脂肪の量はカロリーの摂取量と消費量のバランスで決まるという当たり前の事が理解できないのか,わかっていても食べずにいられないかのどちらかなのだろう.

 そして,間食や飲み物の話をすると出てくるのが特保飲料である.先日も飲み物は無糖のコーヒーやお茶や水がいいと話したら,特保のコーラを飲んでいるから大丈夫と言っている人がいた.

 そういう人たちにとってこのニュースの話はひょっとすると恐ろしい落とし穴になるかもしれない.以前に食用油として初めて特定保健用食品に認定された花王の「エコナ」があったが,発がん性との関連で販売が自粛されたこともあるから,特保と言えども必ずしも安全とは限らないだろう.

 自然にある安全な食品だけを適量摂取するようにし,定期的な運動でカロリーを消費し体重をコントロールするのがやはり一番なのだろうが,最近は安全な食品を見極めるのも難しいからどこに落とし穴があるかわからない.

 リスクを下げるためには色々な物をバランスよく食べるくらいしか思いつかないのだが,当直の時はいつも同じ物ばかり食べていたりするからいい事ではないのだろう.それでなくとも当直はストレスが溜まって食欲が旺盛になるから注意しよう.
コーヒーは脳卒中にも効く
『緑茶、コーヒーで脳卒中リスク減=8万人追跡調査―循環器病センター

 緑茶やコーヒーをよく飲む人ほど脳卒中になるリスクが軽減されるとの調査結果を、国立循環器病研究センターなどがまとめ、米医学誌「ストローク」(電子版)に発表した。

 調査は1995年と98年に、岩手、新潟、長野、高知、長崎、沖縄県などにある九つの保健所管内の45~74歳の男女約8万2000人を対象に実施。緑茶および缶コーヒーを除くコーヒーの摂取頻度のアンケート調査を行い、2007年末まで追跡調査したところ、うち3425人が脳卒中を発症していた。

 緑茶の摂取頻度で発症リスクを比較したところ、頻度の最も少ない「飲まない」人に比べ、最も多い「毎日4杯以上」の人は20%、「毎日2、3杯」の人は14%リスクが低かった。

 コーヒーでは、「飲まない」人に比べ、頻度の最も多い「毎日2杯以上」で19%、次いで「毎日1杯」で20%、「週3~6日」で11%、それぞれリスクが減った。

 また、緑茶もコーヒーも両方飲まない人と比べると、緑茶を毎日2杯以上飲むか、コーヒーを毎日1杯以上飲むと、脳卒中のリスクがそれぞれ約3割低下した。 

 同研究センター予防健診部の小久保喜弘医長は「あくまで推察だが、緑茶カテキンは抗凝固作用などで血管を保護し、コーヒーは血管の詰まりの危険因子である高血糖を下げるといわれるクロロゲン酸がリスク軽減に関与しているのかもしれない」と話している。』

 以前にも「コーヒーの摂取によって男性または女性におけるあらゆる原因による死亡のリスクが上昇することはなく、心血管系疾患死亡のリスクが低下する可能性がある」という記事をここで引用した事がある.
http://nougekai.diarynote.jp/200806280910130000/

 「男女とも、年齢、喫煙、他のCVDおよび癌のリスクファクターについての調整後、コーヒー摂取の各区分を通してあらゆる原因による死亡の相対リスクは、コーヒー摂取が増加するにつれて低下した。摂取量が1ヵ月に1杯未満の場合と比べて、1日に6杯以上の摂取では、男性において20%、女性において17%のリスク低下と関連があった。」とういうし,ほかにもコーヒーを1日に1杯以上飲む人が肝臓がんになる危険性は、全く飲まない人の6割程度っていう話がある.

 そして,「コーヒーの摂取によって男性または女性におけるあらゆる原因による死亡のリスクが上昇することはない」というのだから飲めば飲むだけ脳および心血管系のリスクが下がると考えていいのだろう.

 以前も書いたが,私はもともと紅茶党だったのが大学に入って喫茶店でコーヒーを飲むようになり,仕事をするようになってからは1日に何杯もコーヒーを飲むコーヒー党になった.休日でも自宅で1日に少なくとも2杯は飲んでいる.

 医局では手間のかからないモンカフェを買い置きしてもらっているが,休日は近くの宮越屋にコーヒー豆を買いに行って自宅でドリップして飲んでいる.手間がかかるのは厭なのでもっぱら豆はペーパーフィルター用に挽いてもらっていたが,最近は豆だけ買って来て自宅でミルを使うようになった.

 独身時代には生の豆を買って来て自宅で焙煎したこともあった.味も香りも格別なのだが,焙煎の時に出る煙の匂いが強烈なのと手間がかかるのでやめてしまった.今はコーヒーショップが近いので少量だけ購入して味が落ちる前に消費するようにしている.

 私はモカやコナ等どちらかというと苦みのあるコーヒーが好きなのだが,残念ながら家族には評判が良くないので,もっぱらブルーマウンテンブレンドを買っている.もっとも家族は六花亭のケーキがあれば機嫌がいいので週末は近所に散歩がてらケーキとコーヒー豆を買いに行くのが日課のようになっている.

 コーヒーに含まれるクロロゲン酸は糖分の吸収を遅らせ血糖を下げる働きを持つようだからケーキとの相性はいいのではないだろうか.
ボージョレ・ヌーヴォー [2012]
 赤ワインに含まれるレスベラトロールは1939年に北海道帝国大学の高岡道夫により有毒植物バイケイソウ(Veratrum album)から発見され,2006年に「Nature」にてヒトと同じ哺乳類であるマウスの寿命を延長させるとの成果が発表されて大きな注目を集めたそうだ.

 レスベラトロールはサーチュインタンパク質を活性化しサーチュインが活性化するとヒストンが脱アセチル化されてヒストンとDNAが強く結び付いて遺伝子の発現が抑制されDNAが休眠状態に入る.これが結果的んにDNAの損傷防止につながり長寿につながる.ということで赤ワインはフレンチパラドックスの発見以降,心臓疾患の発生率を減少させ老化防止に効果があるとされているようだ.

 まあ,そんなことはどうでもいいが今年もヌーヴォーにあり付くことが出来て幸せである.原料となる仏ボージョレ地方のブドウ,ガメイ種の収穫量は天候不順で例年の半分程度だったにもかかわらず品質は良いそうで,輸入量も日本,米国,ドイツは優遇されて例年よりも4%程多いらしい.

 私は,ボージョレ・ヌーヴォーには研修医の頃に出張先の地方の病院での思い出がある.忙しくて外出できない研修医たちのためにMRが厚岸産の生ガキとボージョレ・ヌーヴォーを医局に持ってきてくれて卒後3年目までの若い医師が集まって盛り上がったことだ.

 実はその時に気がついたのだが,赤ワインと生ガキはあまり相性が良くないのである.刺身もそうなのだが,生の海産物とワインでは海産物の生臭さが増してしまうのである.日本酒にはこれがないのでやはり海の幸には日本酒が一番なのである.

 普段は私は酒を飲む時は酒だけもしくは食事とともになのだが,ワインを飲んでいてどうしても何か食べたい時はチーズにすることが多い.四葉のカマンベールチーズがあればいいのだが,無い時は雪印のさけるチーズや6Pチーズでもいい.何故かはわからないが,チーズと赤ワインほど相性のいい酒とつまみの組み合わせはないと思うのだがどうだろうか.

 肝心の味のほうだが,樹齢25年以上のブドウのみを使用したというこのアルベール・ビショーのボージョレはボジョレーとは思えないまるでビンテージのような深みのある味わいでわずかな渋みの上に新酒らしいフルーティーさが漂う私好みの味わいだ.今,これを書きながらとっても美味しくいただいている.
『ビタミンE過剰摂取で骨減少=ネズミで確認、人の調査必要-慶大など

 マウスやラットにビタミンEを過剰に摂取させる実験を行ったところ、骨が減ってもろくなる骨粗しょう症になったと、慶応大や東京医科歯科大、大阪医科大などの研究チームが4日付の米医学誌ネイチャー・メディシン電子版に発表した。

 ビタミンEは植物油やマーガリン、アーモンドなどに多く含まれるが、通常の食生活で過剰摂取になることはない。しかし、細胞レベルの抗酸化作用が知られ、美容や老化防止に役立つとしてサプリメントの人気が高い。サプリメントを多くのんでいる人の集団で、骨量に影響がないか調べる必要があるという。

 厚生労働省の食事摂取基準では、ビタミンEの大人の目安は1日7ミリグラム程度で、上限は同800ミリグラム。米国では上限が同1000ミリグラム。

 慶応大医学部の竹田秀特任准教授らは、大人の摂取上限量をマウスやラットの体重に合わせて換算し、毎日餌に混ぜて2カ月間与えた。骨は破壊と形成を繰り返して維持されるが、2カ月後には骨を壊す破骨細胞が大きくなって骨量が減り、骨粗しょう症になった。』

以前にもユベラNのことで書いたことがあったが,最近は外来でもサプリのことで質問されることがあり,その時にビタミンEについては過剰摂取を避けるように話をしている.

今度は骨粗しょう症との関連があるという話だが,女性ではビタミンEとビタミンCの配合錠なんかを使っている人は結構多いのではないだろうか.気を付けなければいけないのはサプリを数種類も併用する場合で,複合製剤のものを組み合わせて使い一日所要量を越えてしまうことだろう.

病院で薬をもらうだけでは足りなくて,他に何かと考えた結果がサプリなのかもしれないが,そもそもサプリは食品を補助する程度のものだし,過剰に摂取しても効果がないばかりかむしろ有害になる可能性があるので必要最低限にするべきだろう.




最近見かけた面白いもの
最近見かけた面白いもの
最近見かけた面白いもの
 年末に車での移動の途中に立ち寄った「北海道物産センター夕張店」で私が食べたのが写真の「石炭ラーメン」と「石炭シュークリーム」です.

 石炭ラーメンは乾燥岩海苔とちょっと濃い色のスープで石炭の黒さを表現しているようです.味のほうはまあ普通のラーメンです.石炭シュークリームの割引券(当日のみ有効)が付いてきましたが,ラーメンが出てくる前にシュークリームを買ってもらったので意味がありませんでした.

 石炭シュークリームの方は,竹炭がシュー生地に混ぜてありますが,見かけは石炭というよりちょっとコークスっぽいです.食べると気のせいかちょっと苦味がありあまり美味しいとは思いませんでした.むしろ写真奥の石炭ドーナツのほうがちょっと大人向けのブラウニーケーキという感じでいいと思いました.

 最後は近所の「円山クラス」の地下で見つけたAED搭載自販機です.冷たい飲み物を飲んで心臓が止まる人もいるかも知れませんが,こういう人目につきやすく覚えやすいところにAEDがあるのは大変いいことだと思いました.公共施設などの自販機コーナーには是非これを設置するべきではないでしょうか.

 今回の写真はすべてiPhone4で撮りました.
トップ>生活家電>理美容家電
トップ>生活家電>理美容家電
 10年以上も前に買った電動歯ブラシのモーターが弱ってきたのと,こちらもおそらく6年以上は使った電気カミソリの充電池が劣化して1回分も満足に剃れなくなってきたので買い換えることにした.

 電気カミソリは一度ブラウンからフィリップスに換えて失敗したことがあるので,今回はどちらも今までと同じブラウンの新型を買う事にしたのだったが,期待した以上に性能が良かったり,面白かったのでちょっと書いてみる.

 まず,電気カミソリは『ブラウン シリーズ7 760CC』という製品で,感動したのは剃った後に皮膚がまったくピリピリしなかったことである.皮膚が弱くてカミソリ負けするので最初から電気カミソリを愛用しているのだが,肌にやさしいのは剃るのに時間がかかり,切れ味がいいと皮膚がピリピリしてしまうものだった.しかし,これにはまったく文句が出ない.剃る時間も短くなりひげ剃りが楽しくなった.

 次ぎに電動歯ブラシだが,「ブルートゥース搭載」という言葉にひかれて買った『ブラウン デンタプライド スマートガイド』という製品だ.小さな置時計のようなタイマーが同梱されていて,歯ブラシ本体と通信しながらタイマーや動作状態をモニターしてくれる.交換ブラシの種類を認識して動作モードを変えたり交換時期になると教えてくれたりもするらしい.どこを磨いていたのかを忘れて同じところを長時間磨くということがなくなり歯磨きの時間が一定して短くなった.

 デジカメやiPodの新製品にはすぐに飛びつくくせに,毎日使う生活用品には無頓着になっていたようだ.新製品で基本性能や付加機能が向上したおかげで,結果的に朝の忙しい時間がたとえ数分でも節約できたのは大きな収穫だったと思う.1日数分でも1年では十数時間の節約になり,同時に健康管理にも役立つのだからいい買い物だったのではないだろうか.
 
最近のお気に入り
 アルコール0.00%,カロリーオフというので飲んでみたが,ビールテイストと言っても味は第3のビールに近くちょっと酸味がある.でも,アサヒのスーパードライよりはましなくらいで私はこっちの方が気に入ったし,アルコールが入っていないので昼食時や,病院当直でも飲めるのがいい.

 カロリーも100mlあたり55Calと低いし,飲み過ぎる心配もないからダイエットには都合がいい.そして,アルコールを飲まないと翌朝の自転車でスピードの伸びがいいことにも気がついた.当直の日以外はほとんど毎晩お酒を飲んでいたのでそんなことには気がつかなかったらしい.

 かれこれ1週間以上も飲んでいるので,もうすっかり慣れてしまったし,ビールの買い置きは冷蔵庫から消えてしまった.これからもたまには本物のビールも飲みたくなるのかもしれないが,晩酌用には必要がなくなってしまったようだ.

 ただ,問題もある.人気が急上昇しているのか店頭在庫が先週末は少なかったことだ.一応,持ち帰れるだけ買ってはきたのだが,今週末は在庫があるかどうか.今さらビールに戻したくない気もするのでちょっと心配だ.

(この写真はフィルムカメラで撮っています.)

珈琲はやっぱり良いらしい
『 コーヒーの摂取と死亡率上昇との間に関連はない

 『Annals of Internal Medicine』6月17日号に掲載された試験結果によれば、コーヒーの摂取によって男性または女性におけるあらゆる原因による死亡のリスクが上昇することはなく、心血管系疾患死亡のリスクが低下する可能性があるという。

「コーヒーの摂取は、様々な健康に良い効果や悪い効果と関連があるが、死亡率とコーヒー摂取との関連に関するデータは少ない」とハーバード大学公衆衛生学部ブリガム・アンド・ウィメンズ病院およびハーバード大学医学部(マサチューセッツ州ボストン)のEsther Lopez-Garcia, PhDらは記述している。「いくつかの試験で、コーヒーによってある種の癌(肝臓癌、結腸癌、口腔癌、咽頭癌、食道癌等)のリスクが低下する可能性が指摘されている。本試験の目的は、コーヒーの摂取とあらゆる原因による死亡率、心血管系疾患(CVD)死亡率、癌死亡率との関連を評価することであった」

研究者らは、前向き試験であるHealth Professionals Follow-up Study and Nurses’ Health Studyにおいて、男女別のCox比例ハザードモデルを用いて、コーヒー摂取とあらゆる原因による死亡および疾患特異的死亡率との関連を検討した。試験コホートは、開始時にCVDまたは癌の既往歴がない男性41,736例および女性86,214例からなった。

コーヒー摂取は1986年(男性)および1980年(女性)に最初に評価され、その後2004年まで2〜4年ごとに評価された。18年間の追跡調査期間中、男性において6888例(CVD死亡2049例、癌死亡2491例)、女性において11,095例(CVD死亡2368例、癌死亡5011 例)の死亡が実証された。

男女とも、年齢、喫煙、他のCVDおよび癌のリスクファクターについての調整後、コーヒー摂取の各区分を通してあらゆる原因による死亡の相対リスクは、コーヒー摂取が増加するにつれて低下した。摂取量が1ヵ月に1杯未満の場合と比べて、1日に6杯以上の摂取では、男性において20%、女性において17%のリスク低下と関連があった。

この反比例の関連は、カフェインの摂取に関係がなく、主としてCVD死亡リスクの若干の低下に起因した。潜在的交絡因子についての調整後、コーヒー摂取と癌死亡のリスクとの間に統計学的に有意な関連は認められなかった。カフェインレスコーヒーの摂取は、あらゆる原因による死亡およびCVD死亡率の軽微な低下に関連があった。

本試験の主な制限は、コーヒーの推定摂取量が自己申告に基づいたことである。コホートは、医療専門家に制限されたため、一般化は制限される。

「男女とも定期的なコーヒー摂取と死亡率上昇との関連は認められなかった」と本試験の著者らは記述している。「コーヒー摂取があらゆる原因による死亡およびCVD死亡に対してある程度の良い効果を及ぼす可能性はさらに検討する必要がある。… われわれのデータから、この関連はコーヒーに含まれるカフェイン以外の成分によるものであることが示唆される」

Ann Intern Med. 2008;148:904-914.』

 哲学者のイマヌエル・カント(Immanuel Kant, 1724-1804)は紅茶党でコーヒーの油は体に悪いと信じていたそうだが,死亡率が上昇しないということは少なくとも体に悪い事はないらしい.もっとも,コーヒーを飲むと胃の具合が悪くなる人というのは確かにいるみたいなので飲んだ方がいいと積極的に言うほどのこともないだろう.

 思い出してみると.若い頃はラジオの深夜放送を聞きながら毎晩のように紅茶を飲んでいたものだが,大学に入って喫茶店で時間を潰すようになってからコーヒーをよく飲むようになったような気がする.煙草は国家試験の勉強が本格的になった頃から吸いはじめ,大学院卒業までは毎日一箱くらい吸っていたような気がするが,臨床に戻るのをきっかけに昼間は吸わなくなり,10年くらい前からはまったく吸っていない.

 ストレスが多い現代社会で健康を保つには,体に悪い事は避けるのが賢明なことは誰でもわかっているのだろうが,それを実行する事ができない心の弱さを持っているのがまあ普通の人間なのだろうと思えるようになったのは,私が年をとったからなのだろうか.
『大腸がん:発症率低い男性はビタミンB6摂取、女性はコーヒー3杯以上----厚労省調査

 ◇厚労省が大規模調査
 大腸がんと生活習慣の関係が、国立がんセンターや群馬大などでつくる厚生労働省研究班の大規模調査で明らかになった。男性はビタミンB6摂取、女性は1日3杯以上のコーヒーで発症の危険性が下がり、適度な日光浴は男女とも直腸がん予防につながる可能性があるという。

 研究班は9府県の40-69歳の男女約9万6000人を調査。コーヒーを1日3杯以上飲む女性は、ほとんど飲まない女性に比べ、大腸がんになる危険性が約3割低かった。粘膜を越えて進行する結腸がん(結腸浸潤がん)に限ると、3杯以上の女性は飲まない女性より56%も低い。男性では、関連は見られなかった。

 一方、男性では、魚やナッツに含まれるビタミンB6が効果を示した。同様の男女約8万人を調査。1日当たりのB6摂取量で男性を4グループに分け、大腸がんとの関係を比べた。

 その結果、最も摂取量が少ないグループは、他のグループより危険性が30-40%高かった。週に日本酒約7合(エタノール換算で150グラム)以上飲む男性でも、B6摂取は効果があった。女性ではB6との関連は見られなかった。

 また、男女約4万人を対象に、体内のビタミンDの貯蔵量別に4グループに分け、直腸がんとの関係を調べたところ、最も少ないグループは最も多いグループに比べ、男性で約4.6倍、女性で約2.7倍も直腸がんになりやすかった。ビタミンDは紫外線によって体内で多く合成されるため、適度な日光浴が、直腸がん予防につながる可能性があるとみられる。』

 目的は癌予防ではないですが,私はコーヒーを1日3杯は飲んでいます.ビタミンB6はサプリメントでほぼ毎日摂取し,週に4日は早朝に自転車に乗って日光浴しています.最近は,体脂肪率を下げるためにビールは350ml1缶にしています.
 
『 母のガムが子の虫歯予防 岡山大が実験、菌減少

 母親が妊娠中からキシリトール入りガムをかむと、子どもへの虫歯菌感染が減少するとの実験結果を岡山大大学院の仲井雪絵(なかい・ゆきえ)助教(小児歯科)が13日までにまとめた。

 約50人の女性に妊娠6カ月から出産後9カ月まで1日平均3個のガムをかんでもらった。すると、口の中で虫歯の原因となるミュータンス菌が、女性自身で減少。1歳半の時点で菌に感染した子どもは、ガムをかまなかった場合の半分になるなどの効果があった。

 仲井助教は「子どもが菌に感染するのは、母親が食べ物をかみ与えたり、はしを共有したりするのが原因。歯が生えてくる生後6カ月ごろまでに母親の持つ菌を減らすことが大事だ」と指摘。キシリトール入りガムは比較的簡単に感染を防ぐ方法だとしている。』

 10年ぶりに歯科に行ったら,親知らずが虫歯になっていると言われた.いつでも抜歯できると言われたので少し様子を見ようかと思っていたら,まもなく冷たいものを食べるとしみるようになった.その歯の相方は学生時代に抜いたので咬み合わせには関係ないのですぐに抜くことにした.そして本日抜歯した.

 以前,相方の親知らずの時は抜歯がものすごく痛かったのでちょっと覚悟していったのだが,全く痛くなかった.前回は大学病院だったのが災いしたのかもしれないが,むしろ今回が上手な歯科医だったのだろうと思うことにした.こうして私の歯は虫歯もない健康な状態にもどった.歯周病にもなっていなかったようだから,これで当分は大丈夫だろうと思うけれども,やはり歯の定期検診も必要だと痛感した.

 最近はミント風味のキシリトールガムを車の運転中や職場のデスクでよく噛んでいる.虫歯菌を減らすにはやはり有効のようだから,自宅の食卓テーブルにも1パック置くことにした.生活習慣病と同様に予防が大切ということだ.
『 -- ウイスキーで糖尿病予防か アルコール抜きラット実験 --

 ウイスキーの成分に糖尿病予防効果があるというラット実験の結果を、サントリーと矢部千尋(やべ・ちひろ)京都府立医大教授らが3日までにまとめた。

 アルコール分は抜いており、たるから染み出たポリフェノール類の効果ではないかという。

 サントリーによると、糖尿病にしたラットの餌に、アルコールなどの揮発成分を除いたウイスキー粉末を0・02%混ぜた。5週間後、通常の餌のラットは空腹時の血糖値が3倍に上昇したが、粉末を混ぜたラットは1.6倍だった。糖尿病と関係が深い血液中の過酸化脂質濃度は、通常の餌だと約2倍になったが、粉末を混ぜたラットはほとんど上がらなかった。

 ブドウ糖を与えると、30分後の血液中のインスリン濃度は、通常の餌のラットの約1.8倍になった。

 サントリーは「適度な飲酒は糖尿病を予防するとの疫学調査結果もあり、適量のウイスキーは予防効果があるのではないか」としている。』

 私は蒸留酒はブランデーとウィスキーと焼酎と泡盛しか飲まない.しかも銘柄もほぼいつも決まっている.ブランデーはレミー・マルタン,ウィスキーはニッカのシングルカスク,焼酎は25度のいいちこ,そして泡盛は与那国島の60度のどなんとなっているのだ.もちろんバブルの頃はいろんなところでいろんなお酒を飲む機会に恵まれたのでおいしいお酒はいっぱい飲んだはずなのだが,自然とこれらに落ち着いてしまった.

 で,ウィスキーの話だが国産ではサントリーのほうが一般的に人気があるらしいが,わたしはニッカウィスキーの余市工場に特別な思い入れがあるのでニッカ党なのである.その昔はキングスランドという銘柄が好きだったのだが,シングルカスクが発売されてからはこちらにしている.そのうちに英国のスコッチウィスキーの品評会か何かで世界一の称号を与えられてからはシングルカスクが絶対的なものとなっている.

 シングルカスクというのは実は一つの銘柄ではなく,ウィスキーの製造年だけでなく樽も個別に管理され瓶詰めされたものの総称である.だから,製造年と樽によってそれぞれ味が違うところが面白い.そうなるといろんな味や香りを試したくなるのが人情である.自分が医師になったばかりの頃や博士号を取得した頃に樽詰めされたものが発売されるとネットで買い込んだりして,夜中に封を切っては味見してちょっとしたタイムカプセル気分を味わえるのである.これが私のウィスキーの楽しみ方である.

 昔の手術の記録や実験データなどは当時愛用していたMacのHDに今でも残っているはずであるが,気がつくと私の脳は仕事以外に毎日どんな生活をしていたのかほとんど憶えていないのである.しかし,ウィスキーを飲みながら当時何をしていたのかぼんやり考えているといつのまにか居眠りしてしまうのだけは当時も今も変わっていないようだ.

 さて本題だが,ウィスキーを飲む人も少なくなっているのだろう.気持ちはわかるが,サントリーのひも付き研究を信じる人なんているのだろうか.真実はどうであれ,私はアルコールを抜いたウィスキー粉末なんて飲む気にはなれないのだが.
『 -- オレンジ果汁によって他の柑橘類の果汁よりも効果的に再発性腎臓結石が予防できる可能性 --
Jennifer Warner
WebMD Medical News

Reviewed By Louise Chang, MD

1日1杯のオレンジ果汁で腎臓結石を予防できる可能性がある。

新しい研究で1日1杯のオレンジ果汁によってレモネード等の他の柑橘類果汁よりも効果的に再発性腎臓結石が予防できる可能性が示されている。

どの柑橘類の果汁でも腎臓結石の生成を予防できると考えられている、と研究者らは述べる。しかし、今回の結果から、この痛みを伴う疾患のリスクが高い人において、すべての柑橘類果汁に同じような予防効果があるとは限らないことが示唆されている。

腎臓結石は尿中のミネラルおよび他の化学物質が非常に濃縮されたときに生成し、時間が経つにつれて結晶同士が結合して石になる。

腎臓結石のある人は再発性結石のリスクが高く、新しい結石の生成を遅らせるために食事とライフスタイルを変えるよう指導される。

クエン酸が腎臓結石の生成を遅らせる

これまでの研究で、クエン酸カリウムのサプリメントは腎臓結石の生成を遅らせうることが示されているが、消化器系の副作用のためこのサプリメントを服用できない人もいる。

このような人にとって、天然のクエン酸が含まれる柑橘類果汁を飲むことがサプリメントの代用となる可能性がある。

クエン酸は、尿中のクエン酸を増やし、尿の酸性度を低下させることによって腎臓結石の形成を予防する。

オレンジ果汁はレモネードよりも効果的

本研究で、研究者らはオレンジ果汁とレモネードの再発性腎臓結石の予防効果を比較した。どちらの果汁にも相当量のクエン酸が含まれる。

志願者13例が3段階の試験に参加した。被験者には腎臓結石の既往歴のある人とない人が含まれた。

被験者は約13オンス(約390mL)の蒸留水、オレンジ果汁、レモネードのいずれかを任意の順序で、1週間にわたり1日3回食事とともに飲用した。次の段階に移行する前に3週間のインターバルをおいた。また被験者は、再発性腎臓結石の予防のため推奨される特別食を摂取した。

結果から、オレンジ果汁によって尿中のクエン酸量が増加し、尿の酸性度が低下し、よって腎臓結石のリスクが低下することが示された。しかし、レモネードで同じ効果は得られなかった。

「オレンジ果汁は腎臓結石症の管理に重要な役割を果たす可能性があり、クエン酸カリウム不耐性の患者にとって1つの選択肢とみなすことができるだろう」と研究者であるテキサス大学サウスウエスタン医療センター(ダラス)の内科助教授であるClarita Odvina, MDはニュースリリースにおいて述べる。

Odvina博士は柑橘類果汁の別の成分が新しい腎臓結石発生のリスク低下における有効性に関係している可能性があると述べる。例えば、オレンジ果汁やグレープフルーツ果汁中のクエン酸はカリウムイオンを伴うのに対し、レモネードやクランベリー果汁中のクエン酸にはプロトンが付随している。Odvina博士はプロトンがこれらの果汁の酸性度低下作用を中和している可能性があると述べる。

この結果は『Clinical Journal of the American Society of Nephrology』に掲載されている。研究者らは、本試験は小規模試験であり、腎臓結石予防におけるオレンジ果汁や他の柑橘類果汁の役割を評価するにはさらなる研究が必要であるとしている。

本試験は米国立衛生研究所(NIH)からの助成金により支援された。

Odivina, C. Clinical Journal of the American Society of Nephrology, Aug. 30, 2006, online edition. News release, UTSW.』

当直の時はビールを飲むわけにはいかないので,必然的にコーヒーやジュースの類いを飲むことになるが,最近のお気に入りは以前に紹介したグレープフルーツジュースである.でも,オレンジジュースも体にいいみたいですね.

私がビールやコーヒーを愛飲する科学的根拠(?)はテーマ医食同源にまとめてあります.

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