『戦略なき10万円支給…ドケチな岸田首相に“失望” 「カネの使い方の下手な人は、儲け方も下手」 筋金入りの「親中派」林外相人事にも落胆

 岸田文雄首相(自民党総裁)は10日、第101代首相に選出され、第2次岸田内閣を発足させた。外相には、知米派ではあるが、政界屈指の「親中派」として知られる林芳正元文科相を起用した。岸田首相は記者会見で、新たな経済対策について数十兆円規模になると説明し、「子育て世帯に年収960万円の所得制限を設け、現金とクーポンを計10万円相当給付」「経済的に困窮している世帯や学生に10万円支給」などを示した。衆院選で勝利した岸田政権だが、その方向性や具体性は明確ではない。中国の軍事的覇権拡大が進み、コロナ禍で打撃を受けた経済再生が求められるなか、大丈夫なのか。ジャーナリストの有本香氏が喝破した。

 「カネの使い方の下手な人は、儲け方も下手」。会社員だった四半世紀前、あるカリスマ経営者から聞いた言葉である。同じことを、カリスマ経営者とは程遠いが、わりに商売上手だった筆者の亡父は「生き金、死に金」という表現でよく語っていた。

 「生き金」とは、相当の価値が出るように有効に使われる金(または使い方)を指し、「死に金」とは、役に立たないところに使う金(の使い方)である。

 いま、畏れながら、この言葉を、岸田首相に謹呈したい。

 「金儲けと一国のかじ取りを一緒にするな」と怒られるかもしれない。しかし、昨夜(10日)の第2次内閣発足を受けた会見は、あまりにもガッカリさせられるものだった。ガッカリのポイントは2点。国家経営の要諦ともいうべき、「カネと人事」である。

 岸田首相は会見で、「コロナ禍で厳しい経済状況にある学生に対しても10万円の緊急給付金を支給する」と表明した。これを報道各社が速報すると、たちまちSNSには失望の声があふれた。岸田首相と自公与党、そして財務省の皆さまは、なぜこうも非効果的な金の配り方(=属性で分断し、チョロチョロ配る案)ばかり考えつくのか。国民を助けるどころか、国民の不安と失望を広げ続けている。

 始まりは先週5日だった。19日に決定するという経済対策について、政府与党が「18歳以下への10万円相当の支給」という公明党案に合意する方向で調整する旨が報じられた。これには、自民党内から批判が噴出した。高市早苗政調会長は「(困窮者救済をうたった)自民党の公約とはまったく違う」と反発した。

 そもそも、「所得制限を設けずに高校3年生以下の子どもへ10万円相当支給」という公明党案は、「未来応援給付」と銘打って同党の衆院選公約に書かれたものだ。コロナ対策という位置づけはおかしい。

 これを丸呑みして「コロナ対策」に見せかけようとしていたなら、筋違いも甚だしい。まさか、「公明党さん、選挙ではお世話になりました。感謝の印」というつもりだったのか。

 筆者は自民党案にも賛成ではない。いまは「景気」を浮揚させ、経済を「成長」軌道へと戻す策を打つときだ。迅速に「使えるカネ」を配り、国民の消費マインドを刺激し、どんどん経済を回す策を打つべきである。具体的には、国債を財源に、最低でも国民一人10万円以上の期間限定金券など配るのが良案だ。「富裕層へのバラマキはよくない」とワイドショーや野党が騒ぐだろうが、経済の分からない者たちの戯言と捨て置けばいい。

 「税金だから無駄遣いはできない」という「分配」発想も、いまは適切ではない。無駄無駄というなら、「困窮者」をどう線引きし、どう配るかの小田原評定を延々やる時間が最も無駄だ。そんな検討をしているうちに、困窮者はさらに困窮し、国民の消費マインドはさらに冷え込む。やたら細かいオペレーションの業者委託にも無駄が生まれやすい。

 「聞く力」発揮いいかげんにして

 第1の「ガッカリ」で思いのほか筆が走ったが、第2は人事。はっきり言えば、外相人事である。

 林氏は「優れた人材」と評判の人だが、他の閣僚ならいざ知らず、外相起用には疑問の声が多い。仕事を始める前から色眼鏡で見るのはフェアでないかもしれないが、林氏が超党派の日中友好議員連盟の会長であり、親子2代の筋金入りの「親中派」であることを考えれば、G7(先進7カ国)が一致して中国に対峙(たいじ)しようという今なぜ? と思う国民が多いのは当然だ。

 そんななか、あたかもバランスを取るかのように、「岸田首相が、安倍晋三元首相を来月上旬、マレーシアに特使として派遣する意向を固めた」と報じられた。保守派の不信感をなだめようとの狙いが透けてみえる。

 カネの使い方も人事も、適材適所は当然として、内外に「何を目指すか」を知らせるアナウンス効果が大事だ。その点、初日の岸田采配には憂いが深くなる。

 岸田首相におかれては、公明党と親中派への「聞く力」発揮はいいかげんにしてもらいたいものである。』

『中国共産党をもう助けるな 論説委員長・乾正人

 新年早々、くだらぬ話で恐縮だが、私はかなり濃厚な「親中派」だった。

 40年前、大学受験で選択した外国語は中国語だった。NHKラジオの中国語講座を熱心に聞き、元共産党員が先生をしていた市民講座に通った成果を誇示したいという若気の至りからである(英語が苦手だったからでもあるが)。

 当時、そんなばかげたことをした高校生はほとんどいなかったが、市民講座で配られた質素なテキストに載っていた「赤脚医生(最低限の医療知識で農村を巡回した医者。文化大革命時に毛沢東が奨励した)」の話は、今でも覚えている。

私は「親中派」だった

 いずれ中国は米国と肩を並べる大国になり、中国語をマスターすれば何かと得だ、という打算もあったが、幼稚な高校生の夢想をはるかに上回るスピードで中国は発展した。自由と民主主義とは無縁のディストピア(理想郷と対極の世界)になろうとは、想像だにしなかったが。

 夢想から目覚めさせてくれたのは、平成元年6月4日に起きた天安門事件である。中国共産党は、軍を出動させ、自由を求める市民や学生に容赦なく銃弾を撃ち込み、鎮圧した。犠牲者数はいまだ正確にはわかっていない。私は当時、就任間もない宇野宗佑首相の番記者として、一挙手一投足を追っていたが、事件について何も発信しない彼に大いに失望した。「この人は総理大臣に向いていない」と日記に書いた。


 それどころか、事件当日に外務省は、西側諸国が共同して制裁措置をとることに反対する文書を作成していたことが、先月公表された外交文書で明らかになった。7月に開かれたアルシュ・サミットでも日本は一貫して制裁を緩やかにしようと立ち回っていた実態も明確になった。

 ベルリンの壁が崩壊した後、東側諸国が次々とソ連のくびきから離れ、ソ連共産党の一党独裁が終焉(しゅうえん)を迎えてから今年で30年。

 天安門事件を引き金として中国共産党による一党独裁体制が崩れていたとしても、何の不思議もなかった。そんな瀕死(ひんし)の共産党を救ったのが、日本だったのである。

 「中国を孤立化させてはいけない」を大義名分に、いちはやく経済協力を再開したのも日本だった。

歴史は繰り返すのか

 日本は戦時中も中国共産党を救っている。生前、毛沢東は訪中した日本の要人が「日本軍が中国を侵略して申し訳なかった」と判で押したように謝ったのに対し、いつもこのように答えたという。

 「申し訳ないことはない。日本軍国主義は中国に大きな利益をもたらした。皇軍がいなければ、われわれは政権を奪えなかった」

 少し説明が必要だろう。蒋介石率いる国民党軍に敗走し、延安まで落ちのびた毛沢東が息を吹き返したのは、日本軍が昭和12年に国民党軍と全面戦争に突入し、蒋介石が国共合作に踏み切らざるを得なかったからだ。敗走に次ぐ敗走で2万5千人まで減っていた共産党軍は、8年後の終戦時には120万人にまで膨れあがり、後の国共内戦に打ち勝ったのである。ことに共産党軍に引き渡された日本軍の近代兵器が勝敗の帰趨(きすう)を左右したとの説もある。つまり、戦時中は軍部が、戦後は外務省が「中国共産党を助けた」のである。

 新型コロナウイルスによって世界は一変したが、中国・武漢で最初の感染爆発が起きた際、当局による情報隠蔽(いんぺい)が、パンデミック(世界的大流行)の引き金を引いたことを忘れてはならない。

 すべての個人情報を国家が管理し、自由を求める「危険人物」を容赦なく監獄や収容所にぶち込む。チベットやウイグルでの弾圧が、香港でも公然と行われ始めた現実から日本政府も国会も目を背けている。

 いま再び、中国は西側諸国の「反中同盟」を切り崩そうと日本を懐柔しようとしている。手始めが、習近平国家主席の国賓来日実現だ。

 日本は、瀕死の中国共産党を2度助けた。3度目は、絶対にあってはならない。もし習近平来日に賛成する政治家や官僚がいれば、それはまさしく「国賊」である。「親中派」の私が書くのだから間違いない。』

いやはや、本当にやることがケチくさいし、空気も読めないみたいで嫌になる。もっとも、それでも選挙では野党連合に勝利したのだから、自公で何をやろうがもう誰にも止められないから、生活に困った人はそのまま放置されるのだろう。

中国共産党もロシアも自由主義世界にとっては脅威なのだが、目先の金のことしか考えられず、先のことは考えられない政府ではそのうち戦争に巻き込まれていくんじゃないかと心配になる。

その時に、中国共産党を2回も助けてやったじゃないかと言っても、中国共産党いや習近平はきっと容赦無く日本に核ミサイルを打ってくるに違いない。

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