今夜は20分遅れで追いかけ再生で見ました.

カセットガスの爆発事故で頚動脈を千枚通しが貫通したという設定でなぜ仮性動脈瘤ができたのかがよくわからなかった.前交通動脈の発達が悪くて右→左シャントの血流量が期待できないので,腕上げ法による一時的動脈バイバスを作成して右総頚動脈を遮断し千枚通しを抜いてから頚動脈の血管形成を行うということだったが,これは今ではテレビで言うほど難易度の高い手術ではないだろう.それに難易度が高いという割には番組の都合か手術時間があまりにも短くて,あの手間のかかる手術をこんなに短時間でできたら確かに名医だろうとは思った.

この説明も一般の人には十分すぎるほど難しいとは思うが,今回のセリフはかなり難解でほとんどの人はテレビを見ていてどんな手術なのかまったくわからなかったのではないだろうか.唯一感心したのはガッキーがiPadに図を描きながら家族に説明するシーンだったのだが,あれは実際にやるとiPad proとapple pencilを病院で用意してもらわないとならないし,急いで説明しながらあれだけきれいな図を描くのも私にはかなりハードルが高い仕事のように思えた.

拡張型心筋症の友達が亡くなってしまったということを同じ病気を持つ息子に伝えたシーンは子供の気持ちを考えるとかなり重いシーンだったのだが,その後の息子の物分かりの良さにちょっと違和感を感じたのは私だけだろうか.

脳腫瘍の女の子に手術を勧めるシーンも見ごたえはあったのだが,そもそも手術をしなければ永遠にピアノを弾けるようにはなり得ないのに,手術が成功してリハビリテーションできっと良くなるというような話をする脳外科医なんていないのではないだろうか.ちなみに小脳の血管芽種は組織学的には良性腫瘍だから手術しないという選択肢はまずあり得ないし,画像では小脳半球内に存在していたから脳幹や小脳脚など重要な部分さえ損傷せずに摘出できればリハビリテーションで改善する確率は高いと思う.

相手がまだ子供みたいな女の子だからああいう話になるのかもしれないが,未成年なら最終的には親が決定すべき問題で女の子が自分の意思を直接医師に伝え,さらに執刀を依頼するというのは通常はあり得ない話だと思うのだが,あれでいいのだろうか.

まさにツッコミどころが満載でそういう意味では面白いのだが,ERなど米国の医療ドラマに比べるとどうも嘘くささが目立ってしまうというのが私の視点からの率直な感想だ.

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