『コーヒー1日3杯で脳腫瘍リスク減?過剰摂取は逆効果も

 日本人でコーヒーを1日3杯以上飲む人は、脳腫瘍(しゅよう)を発症するリスクが低いという研究成果を国立がん研究センターの研究チームがまとめた。コーヒーの成分の一部が発がん抑制に関係している可能性があるという。

 国内10地域に住む40~69歳の男女約10万人に、コーヒーを飲む頻度など習慣を聞き、その後約20年にわたり経過をみたところ、157人が脳腫瘍を発症した。

 研究チームは、コーヒーを1日3杯以上、1~2杯、1杯未満と飲む頻度で3グループに分けて、年齢や喫煙歴などの影響を取り除き、脳腫瘍のリスクを調べた。その結果、1日3杯以上飲む人は、1杯未満の人に比べて、脳腫瘍の発症リスクが53%低かった。

 コーヒーに含まれるクロロゲン酸やトリゴネリンという成分には抗酸化作用などの働きがあり、発症を抑えた可能性があるという。一方、海外では1日7杯以上と過剰に飲むと逆にリスクが高まるとの報告もあり、研究チームは、予防効果が出やすい適量があるとみている。緑茶についても同様に調べたが、関連は見られなかった。

 同センターの澤田典絵室長は「脳腫瘍の症例そのものがあまり多くなく、科学的根拠として確立するには、さらなる研究成果の蓄積が必要」と話している。

 研究成果は、国際対がん連合(UICC)が発行するがん専門誌「インターナショナル・ジャーナル・オブ・キャンサー」(電子版)に掲載された。』

 コーヒーが健康に良いらしいという報告は今までにもたくさんあったが,「1日7杯以上と過剰に飲むと逆にリスクが高まるとの報告」というのは初めて聞いた.

 最近はだいたい1日4〜5杯くらいは飲んでいるが,これくらいがちょうどいいのかもしれない.

参考:

心臓病リスク減などの研究結果

(1)コーヒーを毎日3~4杯飲むと、飲まない人に比べ、心臓病で死ぬリスクが36%減、脳内出血・脳梗塞など脳血管病で43%減、肺炎など呼吸器病で40%減(2015年:東京大学と国立がん研究センター)

(2)コーヒーを毎日2杯飲むと、肝硬変になるリスクが43%減、3杯では57%減、4杯だと65%減(2016年:英サウサンプトン大学)

(3)コーヒーを毎日4~6杯飲むと、子宮体がんになるリスクが25%減、前立腺がんになるリスクが18%減(2012年:米ハーバード大学)

(4)1日3~4杯のコーヒーを飲むと、飲まない人に比べ、糖尿病のリスクが男性で27%減、女性で29%減(2014年:フィンランド国立公衆衛生研究所)

(5)1日4杯以上コーヒーを飲むと、うつ病になるリスクが約10%減(2015年:米国立衛生研究所)。1日2~4杯のコーヒーを飲むと、成人の自殺リスクが約50%減(2015年:米ハーバード大学)

(6)1日に飲むコーヒーの量が多いほど、紫外線シミの発生面積が減少(2011年:お茶の水女子大学)

このほか、パーキンソン病、痛風などに改善効果があるという研究も発表されている。

コメント

スミぱん@国会を見よう
2016年11月8日10:07

缶コーヒーとかインスタントコーヒーでも効果はあるのでしょうか?
(町内唯一の自販機が故障してしまったorz)

ブログ脳外科医
2016年11月8日11:04

缶コーヒーとかインスタントコーヒーなどのコーヒー飲料でのデータはないと思います.
コーヒーと言えばドリップコーヒーのことだと思います.

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