『 被写体に自殺中2・賞撤回   - 遺族が写真公開「娘誇らしく」

 青森市立中2年の女子生徒(当時13歳)が8月、いじめ被害を訴える書き込みをスマートフォンのアプリに残して自殺した問題で、青森県黒石市の夏祭り「黒石よされ」の写真コンテストで最高賞に内定した写真にこの生徒が写っていたため、内定が取り消されていたことが分かった。生徒の父、葛西剛さん(38)は17日、氏名をりまさんと明らかにしたうえで、「いじめられている子の力になれば」と、受賞予定だった写真を公表した。

 毎日新聞の取材に対し、葛西さんは公表に踏み切った理由について「写真には笑顔の娘が写っている。娘は私たち家族に『笑っていてほしい』と思って会いに来てくれたのではないか。写真を公表することで、いじめられている子に力を与えたり、勇気づけられたりできれば。こんな笑顔の子も、いじめで命を失うという残酷さも伝わってほしい」と話した。

 コンテストは黒石市や黒石観光協会などで構成する実行委員会が主催。約150点の応募作品から今月11日の審査で、青森市のアマチュア写真家が撮影したカラー写真を最高賞の市長賞候補に選んだ。

 実行委担当者らによると、肖像権の確認のため踊りの団体に連絡したところ、りまさんが自殺する10日前の8月15日に撮影された写真と判明。葛西さんも撮影者も了承したため、この写真を市長賞に内定した。

 しかし、後になって審査会内部から異議が出たうえ、高樋憲市長も「そもそも亡くなった方がメインの写真を表彰、展示するのは、よされまつりを盛り上げるというコンテストの趣旨になじまない」と再考を促し、審査員が再協議したうえで13日に内定を取り消したという。

 実行委担当者は「写真を市長賞として発表すれば、写真鑑賞とは違う目的で話題となり、他の出展者に迷惑がかかる。映像が複写され、ネットなどで拡散しかねない」と取り消し理由を説明。17日に今年の市長賞は「該当なし」と発表した。

 実行委は、りまさんの四十九日である12日にいったん授賞の連絡をし、14日になって経緯の説明と合わせ取り消しを知らせたという。

 葛西さんは「賞をもらった娘を誇らしく思った。写真を見て家族で涙を流した」と話し、取り消しについては「面倒に巻き込まれたくないからとも感じたが、一度だけでも選んでもらえて感謝している」と述べた。』

 まあ、確かに「よされまつりを盛り上げるというコンテストの趣旨になじまない」と言えばそうかもしれないが,写真としての価値は亡くなった子が一生懸命祭りを楽しんだ姿を捉えている点でむしろ感動的なものだと思うし,生きるという意味を考えさせられる意味でも貴重なものであるだろう.

 私だったらこの写真には特別賞を作ってでも入選させてあげたいと思うが,ネットなどで拡散されるのが怖くてそれさえもできないのだろうか.お祭り騒ぎが大好きでもっと大切なことには目を向けず,問題になるのを恐れるのを事なかれ主義というのではないのだろうか.

 市長にしてこれだから教育委員会も学校の先生もいじめは無かったことにするという体質なのではないだろうか.黒石市だけではなく全国の首長はもっといじめの問題に正面から向き合う姿勢が必要だと思うのだがどうだろうか.

写真は以下にあります.
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161018-18110127-webtoo-l02

追記:日記を書いた後にニュースを見たらこんなことになってました.

『自殺中2女子の写真、一転してコンテストの最高賞に 批判高まり方針転換 青森・黒石

 青森県黒石市の写真コンテストで、自殺をした女子中学生が被写体だったことを理由に、内定していた最高賞が取り消された問題で、写真コンテストの主催者が19日、一転して最高賞の市長賞を授与すると発表した。賞の撤回に批判が高まり、方針転換した。

 この問題は同市の写真コンテストで、今年8月に自殺した青森市立浪岡中学校2年の葛西りまさん=当時(13)=を被写体として応募された作品が、いったんは市長賞に決定したものの、「賞の趣旨になじまない」などとして入賞が取り消された。

 この問題では、同市役所に全国から抗議や賞の復活を求める電話やメールなどが殺到していた。』

コメント

スミぱん@国会を見よう
2016年10月19日18:25

いじめに関しての「事なかれ主義」なんてウチが小学生の頃からありましたよ。

ブログ脳外科医
2016年10月19日18:28

そう,そして未だにこの調子なのが私には理解できない.いい加減にしろと言いたいです.

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