『インフルエンザが例年より遅れて全国的な流行期に入った。国立感染症研究所(感染研)が15日に発表、流行のピークもやや遅れて2月中になる見込みという。ただ、「流行の規模が小さくなるとは限らない」とし、手洗いやマスクの着用などによる予防を呼びかけている。

 感染研によると、全国約5千カ所の定点医療機関から直近の1週間(4~10日)に報告されたインフルエンザの患者数は1カ所あたり2・02人。流行開始の目安となる「1人」を超えた。12月中に流行期に入らなかったのは2006~07年シーズン以来。

 都道府県別で1カ所あたりの患者数の報告が多いのは沖縄県8・19人、秋田県7・85人、新潟県5・73人、北海道4・84人、千葉県2・49人など。この1週間に全国の医療機関を受診した患者は約13万人と推計されるという。

 直近5週間に検出されたインフルエンザウイルスはA香港型(H3N2)と、09~10年に新型として流行したH1N1型がほぼ同程度で、次いでB型の順という。』

インフルエンザがいよいよ流行期に入ったようだ.私の外来には今のところ感染患者さんは来ていないが,隣の内科外来には時々来ているようだ.

救急隊がたまに発熱で動けなくなった患者さんを脳外科疾患と思って運んでくることがあるが,最近は家族が外来に連れてくることも多くなった.

発熱があったとしてもそのために脱水になり脳梗塞を起こすなんてこともあるかもしれないから頭の検査をしてみるのもいいのだろうが,救急隊にしても家族にしても最近は熱もろくに測らないうちから頭の病気を心配するようになっているようだ.

脳梗塞の後遺障害で手足の麻痺や口のもつれが残っている場合には,発熱や脱水症状で症状が悪化して見えることはよくある話で,食事や水分が取れなくなれば脳神経外科に入院になることも多い.大抵は退院して元の生活には戻れることが多いが,肺炎などを合併するとそれをきっかけに廃用症候群から寝たきりになってしまうこともある.

脳血管障害で入院する人には,高齢者が多く糖尿病などを合併していることも多いからたとえただの風邪でも肺炎を起こしたり,脱水症から腎不全になったりすることもある.ノロウィルス感染では嘔吐もよくありそのために誤嚥性肺炎を起こしてしまうこともある.

脳血管障害の後遺症がある患者さんは,それ自体の再発のリスクもあるが感染症とその合併症のリスクも高いのである.ノロウィルスや風邪のワクチンはないから手洗いするしかないけれど,インフルエンザや肺炎はワクチンがあるからできるだけ接種しておいた方が感染のリスクは下がるだろう.

最近はPM2.5のこともあるのか普段からマスクをしている人をよく見かけるようになったが,よほど高性能なマスクでなければウィルス感染防御は期待できないだろう.結局のところウィルス感染の多くは接触感染なので手洗いをするしかない.特に顔や口を手で触る前に必ずきれいに手を洗うのが一番効果的だろう.


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