脳卒中(くも膜下出血)
2014年3月12日 医療の問題 コメント (1)『 沙保里、訃報に泣き崩れ「何で、何で」
レスリング女子で五輪3連覇を達成した吉田沙保里(31)の父で、日本代表コーチの栄勝(えいかつ)さんが11日、くも膜下出血のため急逝した。61歳だった。
吉田沙保里は東京での合宿に向けて日本女子代表の栄和人監督らと一緒に車で移動中に父、栄勝さんの訃報を聞き、泣き崩れたという。レスリング道場に安置された父の亡きがらと対面すると「お父さん、何で、何で」とおえつをもらしたという。報道陣に対応した兄の栄利さんは「沙保里はパニック状態。遺体に付き添っている」と説明した。』
『 三重県警高速隊によると、栄勝さんは11日午前7時15分ごろ、津市小舟の伊勢自動車道上り線の路肩に止まった車内で、ぐったりした様子で倒れているのを、別の車の運転手が発見。病院に運ばれたが、死亡が確認された。死因はくも膜下出血だった。
車の前方に傷があり、追い越し車線脇の中央分離帯に接触後、300メートル先の走行車線左側のガードレールにぶつかり、路肩に停車したとみられる。高速隊は、運転中に発症した栄勝さんが路肩に車を止めようとし、停車後に意識を失ったとみて調べている。
栄勝さんは、都内でのW杯合宿に参加するため午前6時半ごろ、1人で車に乗り自宅を出た。選手と合流するため愛知県大府市の至学館大に向かう途中だったという。』
脳卒中とは脳血管障害で急激に意識障害や運動麻痺をきたすことの総称である.起きている時でも眠っているときでも時間にかかわらず発症するので,もちろん車の運転中に起きる事もある.
運転中にくも膜下出血になり自分で停車できた患者さんは診た事がないが,タクシーの運転手さんが脳出血や脳梗塞になり意識障害になりながらも路肩に車を停めることができて救急車で運ばれてきたり,電柱にぶつかって交通事故ということで運ばれて来たら脳梗塞による視野障害が原因だったなど何例かは経験したことがある.
くも膜下出血でも出血が少量の場合は,自分で病院まで歩いて来る人もいるくらいだが,死亡する程の出血があったのであれば強烈な頭痛があったはずで,よく路肩に停車することが出来たものだと思う.おそらく停車後まもなく心肺停止になったのではないだろうか.
研修医時代に救急車で運ばれて来た頭痛の患者さんに,頭痛発症時の話を聞こうとしたら急に「先生.頭が痛い,痛い.....。」と叫びながら呼吸が停止し意識もなくなった経験がある.その間,おそらく1分くらいだった.だから,脳動脈瘤が破裂して意識がなくなるまでの時間はたぶんそれ位なのではないかと思う.
頭痛は,くも膜下出血に共通した唯一の症状であるが,教科書的には激しく吐き気を伴う頭痛といわれるものの,実際には痛みに対する感じ方は個人差が大きくて,時に歩いてきた人の出血がひどいのに驚く事もあれば,ひどく痛がっているのに頭部CTで見てもよくわからない程の少量のことがある.
脳卒中としてのくも膜下出血の原因は脳動脈瘤であり,現在は脳ドックで未破裂の脳動脈瘤が見つかって開頭クリッピング術や血管内塞栓術で破裂を予防する事ができるようになった.遺伝子との関連もいわれているが,血縁者に脳動脈瘤がある人に見つかる事はそれほど珍しくないので心配な人は脳ドックくらいは受けたほうがいい.
もっとも,脳ドックを受けて小さな脳動脈瘤が見つかってしまったばかりに,すぐに治療すべきか,それとも大きくなるまで経過をみるかで悩む事になることもあるのだが,破裂のリスクについてはUCAS Japanに詳しいのでそれの結果を参考に担当医と相談するのがいいと思う.
http://jns.umin.ac.jp/public/mem_all/UCAS/ucas.html
レスリング女子で五輪3連覇を達成した吉田沙保里(31)の父で、日本代表コーチの栄勝(えいかつ)さんが11日、くも膜下出血のため急逝した。61歳だった。
吉田沙保里は東京での合宿に向けて日本女子代表の栄和人監督らと一緒に車で移動中に父、栄勝さんの訃報を聞き、泣き崩れたという。レスリング道場に安置された父の亡きがらと対面すると「お父さん、何で、何で」とおえつをもらしたという。報道陣に対応した兄の栄利さんは「沙保里はパニック状態。遺体に付き添っている」と説明した。』
『 三重県警高速隊によると、栄勝さんは11日午前7時15分ごろ、津市小舟の伊勢自動車道上り線の路肩に止まった車内で、ぐったりした様子で倒れているのを、別の車の運転手が発見。病院に運ばれたが、死亡が確認された。死因はくも膜下出血だった。
車の前方に傷があり、追い越し車線脇の中央分離帯に接触後、300メートル先の走行車線左側のガードレールにぶつかり、路肩に停車したとみられる。高速隊は、運転中に発症した栄勝さんが路肩に車を止めようとし、停車後に意識を失ったとみて調べている。
栄勝さんは、都内でのW杯合宿に参加するため午前6時半ごろ、1人で車に乗り自宅を出た。選手と合流するため愛知県大府市の至学館大に向かう途中だったという。』
脳卒中とは脳血管障害で急激に意識障害や運動麻痺をきたすことの総称である.起きている時でも眠っているときでも時間にかかわらず発症するので,もちろん車の運転中に起きる事もある.
運転中にくも膜下出血になり自分で停車できた患者さんは診た事がないが,タクシーの運転手さんが脳出血や脳梗塞になり意識障害になりながらも路肩に車を停めることができて救急車で運ばれてきたり,電柱にぶつかって交通事故ということで運ばれて来たら脳梗塞による視野障害が原因だったなど何例かは経験したことがある.
くも膜下出血でも出血が少量の場合は,自分で病院まで歩いて来る人もいるくらいだが,死亡する程の出血があったのであれば強烈な頭痛があったはずで,よく路肩に停車することが出来たものだと思う.おそらく停車後まもなく心肺停止になったのではないだろうか.
研修医時代に救急車で運ばれて来た頭痛の患者さんに,頭痛発症時の話を聞こうとしたら急に「先生.頭が痛い,痛い.....。」と叫びながら呼吸が停止し意識もなくなった経験がある.その間,おそらく1分くらいだった.だから,脳動脈瘤が破裂して意識がなくなるまでの時間はたぶんそれ位なのではないかと思う.
頭痛は,くも膜下出血に共通した唯一の症状であるが,教科書的には激しく吐き気を伴う頭痛といわれるものの,実際には痛みに対する感じ方は個人差が大きくて,時に歩いてきた人の出血がひどいのに驚く事もあれば,ひどく痛がっているのに頭部CTで見てもよくわからない程の少量のことがある.
脳卒中としてのくも膜下出血の原因は脳動脈瘤であり,現在は脳ドックで未破裂の脳動脈瘤が見つかって開頭クリッピング術や血管内塞栓術で破裂を予防する事ができるようになった.遺伝子との関連もいわれているが,血縁者に脳動脈瘤がある人に見つかる事はそれほど珍しくないので心配な人は脳ドックくらいは受けたほうがいい.
もっとも,脳ドックを受けて小さな脳動脈瘤が見つかってしまったばかりに,すぐに治療すべきか,それとも大きくなるまで経過をみるかで悩む事になることもあるのだが,破裂のリスクについてはUCAS Japanに詳しいのでそれの結果を参考に担当医と相談するのがいいと思う.
http://jns.umin.ac.jp/public/mem_all/UCAS/ucas.html
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