『 酸の刺激だけで万能細胞作製 新型「STAP」 理研が成功
弱酸性の刺激を与えるだけの簡単な方法で、あらゆる細胞に分化できる万能細胞を作製することに理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)のチームがマウスで成功した。人工多能性幹細胞(iPS細胞)とは異なる新型の万能細胞で、再生医療の研究に役立つと期待される。29日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
体の細胞を万能細胞に作り替えるには、初期化という作業で受精卵の状態に逆戻りさせる必要がある。iPS細胞は遺伝子を使って初期化するが、今回の方法は酸性の溶液に浸すだけで簡単なのが特徴。開発した小保方(おぼかた)晴子研究ユニットリーダーらは、全く新しい万能細胞として「刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得(STAP=スタップ)細胞」と命名した。
研究チームは生後1週間以内のマウスの脾臓(ひぞう)から、血液細胞の一種であるリンパ球を採取し、水素イオン指数(pH)5・7の希塩酸溶液に約30分浸して刺激。これを培養すると数日で初期化が始まり、STAP細胞に変わった。
作製したSTAP細胞は、神経や筋肉などの細胞に分化する能力があることを確認。実際に別のマウスの受精卵に注入し、仮親に移植して子を生ませると、STAP細胞は全身に広がり、あらゆる細胞に変わることができる万能性を持っていた。
再生医療への応用研究が進むiPS細胞は遺伝子操作に伴うがん化のリスクがあり、初期化の成功率も0・2%未満と低い。これに対しSTAP細胞は、外的な刺激を与えるだけなのでがん化のリスクが低く、初期化成功率も7~9%。成功率が高いのは生後1週間以内のマウスの細胞を使った場合に限定されることなどが課題だが、研究チームはメカニズムを解明し再生医療への応用を目指す。
STAP(スタップ)細胞 あらゆる細胞に分化する能力がある万能細胞の一種。酸性溶液で体の細胞を刺激して作製する。STAPは「stimulus triggered acquisition of pluripotency」(刺激惹起性多能性獲得)の略。』
他にも再生医療への応用として骨髄幹細胞が脊髄損傷や脳梗塞の治療研究が札幌医科大学で行われている.まだ始まったばかりだが,脳外科医としては外傷や脳梗塞で破壊された神経細胞が再生出来るのは夢のような話だ.大脳皮質では運動機能のリモデリングが行われることが確認されたから,幹細胞が生着して神経細胞に分化すれば正常な神経細胞として機能する可能性は高いだろう.
iPS細胞は遺伝子操作に伴うがん化が問題となっていて人体への応用にはリスクがあると考えられているが,STAP細胞は初期化成功率が高くリンパ球から誘導出来るので,将来的には人間の抹消血のリンパ球でも同様のことができる可能性があるのではないかと思う.もし,そうなればiPS細胞や骨髄幹細胞に比べて、極めて簡単な手順で安全に幹細胞が手に入れられる事になるだろう.
最初はまわりの人も信じてくれず,最初にネイチャーに投稿したときは,「過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄している.」と酷評されたそうだから,誰も考えもしなかったほど画期的な手法だったのだろう.発見したのは30歳の女性研究者だそうで研究する時間はまだまだあるだろうから,頑張って臨床応用まで進めてもらいたいものだ.
弱酸性の刺激を与えるだけの簡単な方法で、あらゆる細胞に分化できる万能細胞を作製することに理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)のチームがマウスで成功した。人工多能性幹細胞(iPS細胞)とは異なる新型の万能細胞で、再生医療の研究に役立つと期待される。29日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
体の細胞を万能細胞に作り替えるには、初期化という作業で受精卵の状態に逆戻りさせる必要がある。iPS細胞は遺伝子を使って初期化するが、今回の方法は酸性の溶液に浸すだけで簡単なのが特徴。開発した小保方(おぼかた)晴子研究ユニットリーダーらは、全く新しい万能細胞として「刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得(STAP=スタップ)細胞」と命名した。
研究チームは生後1週間以内のマウスの脾臓(ひぞう)から、血液細胞の一種であるリンパ球を採取し、水素イオン指数(pH)5・7の希塩酸溶液に約30分浸して刺激。これを培養すると数日で初期化が始まり、STAP細胞に変わった。
作製したSTAP細胞は、神経や筋肉などの細胞に分化する能力があることを確認。実際に別のマウスの受精卵に注入し、仮親に移植して子を生ませると、STAP細胞は全身に広がり、あらゆる細胞に変わることができる万能性を持っていた。
再生医療への応用研究が進むiPS細胞は遺伝子操作に伴うがん化のリスクがあり、初期化の成功率も0・2%未満と低い。これに対しSTAP細胞は、外的な刺激を与えるだけなのでがん化のリスクが低く、初期化成功率も7~9%。成功率が高いのは生後1週間以内のマウスの細胞を使った場合に限定されることなどが課題だが、研究チームはメカニズムを解明し再生医療への応用を目指す。
STAP(スタップ)細胞 あらゆる細胞に分化する能力がある万能細胞の一種。酸性溶液で体の細胞を刺激して作製する。STAPは「stimulus triggered acquisition of pluripotency」(刺激惹起性多能性獲得)の略。』
他にも再生医療への応用として骨髄幹細胞が脊髄損傷や脳梗塞の治療研究が札幌医科大学で行われている.まだ始まったばかりだが,脳外科医としては外傷や脳梗塞で破壊された神経細胞が再生出来るのは夢のような話だ.大脳皮質では運動機能のリモデリングが行われることが確認されたから,幹細胞が生着して神経細胞に分化すれば正常な神経細胞として機能する可能性は高いだろう.
iPS細胞は遺伝子操作に伴うがん化が問題となっていて人体への応用にはリスクがあると考えられているが,STAP細胞は初期化成功率が高くリンパ球から誘導出来るので,将来的には人間の抹消血のリンパ球でも同様のことができる可能性があるのではないかと思う.もし,そうなればiPS細胞や骨髄幹細胞に比べて、極めて簡単な手順で安全に幹細胞が手に入れられる事になるだろう.
最初はまわりの人も信じてくれず,最初にネイチャーに投稿したときは,「過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄している.」と酷評されたそうだから,誰も考えもしなかったほど画期的な手法だったのだろう.発見したのは30歳の女性研究者だそうで研究する時間はまだまだあるだろうから,頑張って臨床応用まで進めてもらいたいものだ.
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