『麻生副総理「ナチス憲法発言」の要旨

 麻生太郎副総理兼財務相の29日の講演における発言要旨は次の通り。

 日本の国際情勢は憲法ができたころとはまったく違う。護憲と叫んで平和がくると思ったら大間違いだ。改憲の目的は国家の安定と安寧だ。改憲は単なる手段だ。騒々しい中で決めてほしくない。落ち着いて、われわれを取り巻く環境は何なのか、状況をよく見た世論の上に成し遂げられるべきだ。そうしないと間違ったものになりかねない。

 ドイツのヒトラーは、ワイマール憲法という当時ヨーロッパで最も進んだ憲法(の下)で出てきた。憲法が良くても、そういったことはありうる。

 憲法の話を狂騒の中でやってほしくない。靖国神社の話にしても静かに参拝すべきだ。

 「静かにやろうや」ということで、ワイマール憲法はいつの間にか変わっていた。誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうか。僕は民主主義を否定するつもりもまったくない。しかし、けん騒の中で決めないでほしい。』

 口は災いの元というが,よく発言が問題になるのに懲りない人だ.どうやらこの人は過去から学ぶということを知らないらしい.これでは歴史認識なんていうレベルを問うてもしょうがないだろう.

 麻生総理を擁護する橋下氏の発言も聞きようによってはそれ自体がブラックジョークのようにも思える.残念ながら二人とも政治家として話すセンスのなさにはあきれてしまうが,これが現在の日本の政治家の平均的レベルだとしたら韓国の民度を気にしている場合じゃないだろう.

 麻生氏が本当は何を言いたかったのかこの記事を読んでもよくわからないのだが,舌足らずな話にもかかわらず,マスコミの格好の餌食になるであろう「ヒトラー」だの「手口」だの悪い事を連想させるような言葉を使ったのはなぜなのだろうか.

 「口べた」で誤解を招いたのだろうか,それともわざと誤解を招くように使ったのだろうか.もし,後者だとすると実は麻生氏は改憲に反対なのだと考える事もできる.なにせ誰も気がつかない間に静かに変える手口をまねろと言いながら,安倍首相がわざわざ参院選で争点になるのを避けて来た改憲問題にこれほど国民や世界の注目を集めることに成功したのだから.

 自民党が陰でこそこそと日本国憲法を骨抜きにしたい時にこの発言.ひょっとすると麻生氏はカウンターパンチの天才なのではないだろうか.


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