『茉莉子さん救出訴えに署員「ただの友達でしょ」
兵庫県尼崎市の連続変死事件で、同市の民家から遺体で見つかった仲島茉莉子(まりこ)さん(死亡当時26歳)が角田(すみだ)美代子元被告(自殺、当時64歳)らに連れ戻される際、県警明石署に助けを求めた友人女性に対し、県警が23日夜、「同署員が対応しなかったのは不適切だった」と認めて謝罪していたことが、女性への取材でわかった。
女性は茉莉子さんと2年余り、飲食店の同僚で、「私たちの訴えを警察が真剣に聞いてくれれば、茉莉子ちゃんを救えたかもしれない」と悔しがった。
女性によると、茉莉子さんと知り合ったのは2004年8月、大阪府内の飲食店だった。茉莉子さんは約5か月前から働いており、2人はすぐ打ち解け、一緒に買い物へ出掛けたり、神戸市の中華街・南京町などへ遊びに行ったりした。
「家族から逃げてる。連れ戻しに来るかもしれない」。06年12月、思い詰めた表情の茉莉子さんから運転免許証の更新手続きに付き添うよう懇願された。もう一人の友人と「電車ではすぐ逃げられない」とレンタカーを借り、同月18日、兵庫県明石市の運転免許更新センターに3人で行った。
だが、講習室を出た茉莉子さんの前に美代子元被告と妹角田瑠衣(るい)被告(27)(殺人罪などで起訴)、男3人が立ちふさがった。瑠衣被告が以前、警察に「姉が来たら教えてほしい」と頼んでおり、同センター経由で連絡が入ったとみられる。
茉莉子さんは観念したように「内々の話やから帰って」と言い、瑠衣被告らと近くの喫茶店に入った。
女性ら友人2人は近くの明石署へ駆け込み、刑事課で「家族がやくざみたいな人と友達を連れ去ろうとしている。友達はかなりおびえている。今なら間に合うから来てほしい」と涙ながらに訴えた。だが署員は「あなたたちはただの友達でしょ。家族が一緒だから大丈夫じゃないですか。帰ってもらえますか」と言うだけだった。同署から戻る途中、踏切の一時不停止で取り締まられた際も警察官2人に訴えたが、「担当外なので」と対応を拒否された。』
今まで何度も繰り返されて来た悲劇である.ストーカー殺人や児童の虐待死,そしていじめによる自殺など,被害者の訴えからこれから起きる最悪の事態を想像することさえできれば,より正確な現状の把握が必要であることが考えられるはずである.
本来,警察というものは被害者を保護する立場のものであるはずが,こういった想像力の欠如から被害者を保護するどころか加害者の手助けをしてしまっているというのがなんとも間の抜けた対応で情けない話である.
明石署刑事課署員の「あなたたちはただの友達でしょ。家族が一緒だから大丈夫じゃないですか。」などという勝手な思い込みも問題だが,一番問題なのはそんなことを言う前に被害者の話を家族のいないところできちんと聞かなかったことだろう.
面倒な事に巻き込まれたくないという気持ちから雑な対応をすると結局はそれが元で悪い結果になるということは良くあるはずだが,こういうことをしてしまう人たちには最悪の場合に自分の行動が招く結果やそれが自分に返ってくることを想像することもできないのだろう.
不適切な対応をとった署員にペナルティを課すのもいいだろうが,それだけではこれからもまた同じようなことが続くだろう.警察にしても児童保護施設にしても学校にしても,対応にあたる職員の想像力の欠如を補うようなスーパーバイザーを導入して適切な対応がされているかをチェックする体制が必要だろう.
兵庫県尼崎市の連続変死事件で、同市の民家から遺体で見つかった仲島茉莉子(まりこ)さん(死亡当時26歳)が角田(すみだ)美代子元被告(自殺、当時64歳)らに連れ戻される際、県警明石署に助けを求めた友人女性に対し、県警が23日夜、「同署員が対応しなかったのは不適切だった」と認めて謝罪していたことが、女性への取材でわかった。
女性は茉莉子さんと2年余り、飲食店の同僚で、「私たちの訴えを警察が真剣に聞いてくれれば、茉莉子ちゃんを救えたかもしれない」と悔しがった。
女性によると、茉莉子さんと知り合ったのは2004年8月、大阪府内の飲食店だった。茉莉子さんは約5か月前から働いており、2人はすぐ打ち解け、一緒に買い物へ出掛けたり、神戸市の中華街・南京町などへ遊びに行ったりした。
「家族から逃げてる。連れ戻しに来るかもしれない」。06年12月、思い詰めた表情の茉莉子さんから運転免許証の更新手続きに付き添うよう懇願された。もう一人の友人と「電車ではすぐ逃げられない」とレンタカーを借り、同月18日、兵庫県明石市の運転免許更新センターに3人で行った。
だが、講習室を出た茉莉子さんの前に美代子元被告と妹角田瑠衣(るい)被告(27)(殺人罪などで起訴)、男3人が立ちふさがった。瑠衣被告が以前、警察に「姉が来たら教えてほしい」と頼んでおり、同センター経由で連絡が入ったとみられる。
茉莉子さんは観念したように「内々の話やから帰って」と言い、瑠衣被告らと近くの喫茶店に入った。
女性ら友人2人は近くの明石署へ駆け込み、刑事課で「家族がやくざみたいな人と友達を連れ去ろうとしている。友達はかなりおびえている。今なら間に合うから来てほしい」と涙ながらに訴えた。だが署員は「あなたたちはただの友達でしょ。家族が一緒だから大丈夫じゃないですか。帰ってもらえますか」と言うだけだった。同署から戻る途中、踏切の一時不停止で取り締まられた際も警察官2人に訴えたが、「担当外なので」と対応を拒否された。』
今まで何度も繰り返されて来た悲劇である.ストーカー殺人や児童の虐待死,そしていじめによる自殺など,被害者の訴えからこれから起きる最悪の事態を想像することさえできれば,より正確な現状の把握が必要であることが考えられるはずである.
本来,警察というものは被害者を保護する立場のものであるはずが,こういった想像力の欠如から被害者を保護するどころか加害者の手助けをしてしまっているというのがなんとも間の抜けた対応で情けない話である.
明石署刑事課署員の「あなたたちはただの友達でしょ。家族が一緒だから大丈夫じゃないですか。」などという勝手な思い込みも問題だが,一番問題なのはそんなことを言う前に被害者の話を家族のいないところできちんと聞かなかったことだろう.
面倒な事に巻き込まれたくないという気持ちから雑な対応をすると結局はそれが元で悪い結果になるということは良くあるはずだが,こういうことをしてしまう人たちには最悪の場合に自分の行動が招く結果やそれが自分に返ってくることを想像することもできないのだろう.
不適切な対応をとった署員にペナルティを課すのもいいだろうが,それだけではこれからもまた同じようなことが続くだろう.警察にしても児童保護施設にしても学校にしても,対応にあたる職員の想像力の欠如を補うようなスーパーバイザーを導入して適切な対応がされているかをチェックする体制が必要だろう.
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