『全柔連理事が助成金の不正受給認める 辞任、全額返還へ

 全日本柔道連盟(全柔連)がまた激震に見舞われた。選手の成績に応じて支払われる日本スポーツ振興センター(JSC)からの助成金を、その選手に対して指導実態のない指導者が受け取っていたことが分かった。全柔連の田中裕之理事は22日、不正受給の実態を認めて全額を返還し、理事を辞任する意向を示した。JSCは上村春樹会長に第三者委員会による調査を指示。組織ぐるみの不正受給が事実なら、年間約3億円にも及ぶ全柔連への助成金停止のペナルティーを科すことを示唆した。

 全柔連の現職理事が疑惑を認めた。田中理事は10年に強化委員に就任。全柔連から岐阜県の女性選手を指導するよう指示があったが、東京在住でこの選手とは面識がなかった。3カ月ごとに30万円の助成金を受け取り、このうち10万円を強化委員会に納めていた。

 助成金を受け取るには3カ月に1回、活動の内容を記した報告書を提出する必要がある。同理事は全柔連の事務局から指南を受けてJSCに虚偽の活動報告書を出していたと明言。「内部告発できなかった私に責任がある」と語り、助成金の全額をJSCに返還し、辞任する考えを示した。

 問題となっているのは選手・指導者スポーツ活動助成金。全柔連が一部を徴収していたことが問題視されたばかりのプール金と同じものだ。JSCの規定を満たしたトップ選手の指導者には年間最大120万円が支給される。全柔連では強化委員会からリストアップしたメンバーを割り振っていたが、指導実態のない人物がいるのではという疑惑が持ち上がっていた。

 一方で、疑惑の目を向けられたある理事は「実業団や大学の合同練習会に参加し、強化委員の立場で声も掛けている。実態がないとの指摘には非常に憤慨している」と反論した。JSCの藤原誠理事は「技術以外でも栄養管理やメンタルなど指導の形態はいろいろある」と語り、全柔連の上村会長に第三者委員会による徹底調査を指示。組織ぐるみの実態が明らかになれば、助成金を数年間凍結する可能性を示した。

 今回問題となっている柔道関係者への個人助成は選手、指導者合わせて今年度は約1億2000万円。それに加えて全柔連に対する助成金が約1億5000万円ある。暴力問題のペナルティーとしてJOCから全柔連に対する交付金約2600万円の停止が来年度は決まっており、年間で3億円近い金額が柔道界から消える。暴力、プール金、そして不正受給疑惑。次々に湧き上がる問題は底なし沼になっている。

 ▽日本スポーツ振興センター 国のスポーツ振興基本計画に基づいて助成事業を行う文科省の外郭団体。スポーツ振興くじ(トト)の収益や政府からの出資金の運用益、民間からの寄付などが財源。スポーツ振興くじ助成、スポーツ振興基金助成、競技強化支援事業助成の3種類があり平成24年度は合計で約165億円。スポーツ団体や地方公共団体、大小あわせて約1000の団体に配分されており、全柔連はその約1%にあたる約1億5000万円を個人助成とは別に受け取った。』

『全柔連、大甘の処分ゼロ!上村会長も留任

  全日本柔道連盟(全柔連)は18日、都内で理事会を開き、上村春樹会長(62)を始めとした執行部、理事の幹部全員の留任を決めた。理事会では佐藤宣践副会長(69)が、執行部の責任について動議を出したが、同調者はゼロ。1月29日に女子15選手に対する暴力、パワハラ問題が表面化してから48日。日本柔道界は誰一人、処分を下すことなく、自浄能力のなさを露呈した。

 何も変えない。3時間に及ぶ理事会の末、全柔連幹部は全員の居座りが決まった。上村会長は「スピード感を持って改革を進めることが我々の責任」と続投を宣言。第三者委員会から提言のあった女性理事の登用は人選を6月まで先送り。外部人材の執行部への登用は承認すらせず、身内で固く結束した。

 理事会では、冒頭で講道館名誉館長の嘉納行光氏が「一枚岩になりましょう」と呼びかけた。普段は理事会に出席しない創始者・嘉納治五郎の孫の一声で、流れは決まった。佐藤副会長が、自身も含めた執行部の責任について動議を出したが、他の22人の理事は黙殺。「お金の問題もあり、執行部の責任はあると思う。どういう責任をとるべきか問うたら、皆さん無言だった」。採決をとるまでもなく、現執行部の存続が支持された。

 女子選手に北京五輪後の4年間行われた暴力、パワハラ問題は、日本オリンピック委員会(IOC)によって「不当行為」と認定された。個人助成金から半強制的に徴収して全柔連内部に2000万円以上をプールした問題は、多額の使途不明金が浮上。しかし、暴力問題で園田隆二前監督(39)らが辞任したが、この2つの問題で連盟による処分者はゼロ。上村会長は「今のところ(連盟として)処分を出す考えはない」と語った。助成金問題は「違法でも裏金でもなく、プール金と認識している」と報告。これから金銭の流れを調査する予定で、今後、処分が科される可能性もある。だが、調査を担当するのは全柔連役員の監事3人という“身内”だ。

 結局、理事会で決まったことは、女子新監督と強化副委員長の人事、女子代表3コーチに対する処分撤回、それと暴力根絶宣言を行うことだけ。宣言の内容はこれから考えるという。今後、新たな問題が発覚する可能性を問われた上村会長は「少なくとも私は、存じておりません」と話した。何が起きても自分の知らぬところの話。今後も一切、責任をとるつもりがないかのような口調だった。』

 日本の柔道に泥を塗り続けるこの団体.女子15選手に対する暴力・パワハラ問題でも執行部は誰一人責任を取らなかったので,相当おかしな団体だとは思っていたが,助成金のピンハネを組織的にやっていたから内部告発が怖くてだんまりを決め込んでいたのだろう.

 どうやら全柔連の執行部の人たちは正々堂々と生きるよりは,汚い裏技をかけるのが好きなようだ.もちろん柔道では強いのだろうが,これでは中学・高校で武道の精神なんか教えても無意味だろうし,そんな白々しいことを教える教師も恥ずかしいだろう.これなら護身術でも教えたほうがいいのではないだろうか.

 どうやら全柔連は自力での再生は無理なようだから外部から徹底的に助成金の流れを調査して関係者はすべて処分し,執行部は総入れ替えしない限り二度と信頼を取り戻す事はできないだろう.

 

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