『妊婦の血液でダウン症診断 5施設で9月以降導入 中絶大幅増の懸念も

 妊婦の血液を調べるだけで、胎児にダウン症などの染色体異常があるかどうかがほぼ確実に分かる新しい出生前診断を、国立成育医療研究センター(東京)や昭和大(同)が9月にも導入する方針であることが29日、分かった。

 新しい診断法は、妊婦の腹部に細い針を刺す「羊水穿(せん)刺(し)」で羊水を採取する従来の方法に比べて安全にできるが、簡単な検査のため、異常が発見された際の人工妊娠中絶が大幅に増える懸念もある。米国では昨年から実施されており、国内にも導入の動きがあったことなどから、日本産科婦人科学会は生命の尊厳を尊重したルール作りが必要と判断。専門医やカウンセラーなど体制が整備された医療機関で先行的に行い、検討する必要があるとした。

 導入を検討している病院の医師らは31日に研究組織を立ち上げ、検査を行う際の共通のルールを作る。

 ほかに東京慈恵会医大、東大、横浜市立大などで導入を検討。高齢出産だったり、以前にダウン症の子供を出産していたりするなど、染色体異常のリスクが高い妊婦で検査希望者が対象になる。保険がきかず、費用は20万円程度になる。

 検査は妊娠10週目以降から可能で、妊婦の血液中に含まれるわずかな胎児のDNA型を調べ、99%の精度で異常が分かるという。

 日本産科婦人科学会副理事長の岡井崇昭和大教授は「これまでに比べて検査時のリスクが格段に小さくなるが、乱用されれば問題も出てくる。どう行っていけばいいか、しっかり検討したい」としている。

 一方、日本ダウン症協会の水戸川真由美理事は「出生前診断が胎児のふるい分けとして一般化したり、安易に行われることは断固反対。検査に対する基本的な考え方をしっかりと明示してほしい」と述べた。』

 これで高齢出産のリスクが一つ確実に減ることになるのだろう.いずれ同様に他の遺伝子異常や遺伝病の診断も可能になるのだろうから,これがその始まりになるのは間違いない.

 母体へのリスクがほぼ0で出生前診断ができるのに「乱用されれば問題」とか「安易に行われることは断固反対」という意見が出て来る事が私には理解出来ない.異常があるかないかを知った上で生むか生まないかは妊婦さん自身が決めればいいだけのことだろう.

 そもそも現状でも親の勝手な都合で中絶は行われているのだから,ダウン症がわかったからといって中絶大幅増なんてことが起こるとは考えにくいし,体外受精で他人に子供を産んでもらう人までいるわが国でそんなことを議論するのは馬鹿げているようにさえ思う.

 『「産むことに迷いない」胎児に障害の可能性 東尾理子さんに聞く

 もし、おなかの赤ちゃんに障害の可能性があったら...。誰もが思い悩む重いテーマだ。俳優・石田純一さん(58)の妻で、妊娠中のプロゴルファー東尾理子さん (36)が「胎児にダウン症の可能性がある」と診断されたことを6月にブログで公表した。出産を11月に控え「産むことに迷いはない」と言い切る東尾さんに、不妊治療や出生前診断への思いを聞いた。

 ―不妊治療による待望の妊娠だったそうですね。
 「2009年12月に結婚し、子どもが欲しかったので医師に勧められたタイミング法(予測した排卵日に性交渉する方法)を試しました。それでも授からず、昨年の初めごろから(採取した精子を子宮内に入れる)人工授精を6回、さらに(精子、卵子ともに取り出して、受精させてから子宮内に戻す)体外受精に切り替え、3回目で妊娠しました」
 ―治療中のつらさは。
 「人工授精は平気でしたが、体外受精は排卵誘発剤や抑制剤を毎日自分でおなかやお尻に注射します。おなかはぱんぱんに張って苦しく、痛みで全然動けませんでした」
 ―精神的には。
 「大丈夫でした。できるものはできる、できないものはできない。自分でコントロールできることではなく、怒っても悲しんでも仕方がない。できることを精いっぱいやるだけでした」
 ―3月、妊娠検査薬で陽性と出た結果を直後にブログで公表しました。流産の恐れがまだ残る時期でしたが。
 「実は、流産は15~20%と高い確率で起きるという事実や、初期の流産は母体の責任ではなく受精卵の運命なのだということを、不妊治療を始めてから学びました。知らないのは普段耳にしないから。たとえ流産したとしても『ごく普通にあることだよ』と発信することに意味があると思い、どんな結果も受け止める覚悟で公表しました」
 ―母体から採血し、胎児の染色体異常の可能性を調べる母体血清マーカー検査(クアトロテスト)を受けましたね。なぜ検査を。
 「障害の有無を確かめたかったわけではなく、いろいろある血液検査の一つとの認識でした。検査の結果、82分の1の確率で胎児にダウン症の可能性があると診断されました」
 ―結果を聞いてどうでしたか。
 「年齢の割には高い確率との説明でしたが『この子をおろす選択肢はない。絶対に産む』と強く感じました。検査した時期はつわりで苦しいだけ。でも結果が出たころには胎動も始まり、母になる自覚ができました。どんな赤ちゃんでも幸せ。一緒に暮らしていこうと。(障害の有無が分かる確度が高い)羊水検査は考えませんでした」
 ―6月にブログで結果を公表しました。批判もあったようですが。
 「障害は特別なことではないし、物議を醸すとは思ってもいませんでした。いろんな考えがあると勉強になりました」
 ―若い人たちに伝えたいことは。
 「技術の進歩で『いつでも産める』という間違った安心感が広がっていますが、高齢になれば妊娠率は下がり、流産率や障害の率は上がります。振り返ると避妊の方法は習っても、こうした事実は誰も教えてくれませんでした。仮に私が20代でこの事実を知っていたとしてもゴルフを優先していたでしょう。でも、何を犠牲にして今の人生を歩んでいるか、随分と意味が違ったはずです。時間を無駄にしないためにも、体の仕組みをしっかり理解した上で、人生設計を立ててほしいです」』

まず「技術の進歩で『いつでも産める』という間違った安心感が広がる」ことのないように教育し,生命に対する正しい認識や倫理観を持ってもらう事からはじめるべきだろう.

コメント

マサムネ
2012年8月30日0:20

ダウン症「だから」産まない。というのがスタンダードになると今生きているダウン症の人や家族はどうなるの?とおもいます。命の選別もそうですけど、その前に子供がほしい人は若い時から自分と相手(になるべき人)の生殖能力まで調べるのも良い手だと思います。

僕は妻の身内におとなになってからおたふくにかかり生殖能力がなくなった人がいたのでやんわりと「おたふくをやっているという検査なり証明が欲しい」といわれました。

もちろん病院で簡単に検査できました。かかりつけの医師は「なに?そんなもの欲しいの?」という顔をしていたので事情を話すとなるほどね。という顔をしましたけどね。

命を作るのもその機会を作るのも命がけでやらなければならないのに安易に医療に頼りすぎるのもどうかと思います。

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