B-CASカード利権の落し穴
2012年6月14日 コンピュータ コメント (1)『「平成の龍馬」に解析された有料CH見放題B-CASカード騒動の波紋
『B-CAS』カードをご存知だろうか? おそらくどこの家庭にも1枚はあるハズ。居間にあるテレビ横(裏)面に差し込まれている赤色や青色のカードだ。
設置の際に差し込んだ後は、ほぼ、お目にかかる機会はない。何のためにあるのかというと、地デジや衛星放送を受信するための著作権保護に利用されているのだが、有料放送をタダで視聴できないのは、このカードが信号を受け取って暗号化しているからである。
ところが先日、ネット上で『平成の龍馬』を名乗る人物が、この有料放送のスクランブル(暗号)を簡単に解除できる方法を紹介。瞬く間にその書き込みは広がって、あちこちに解除方法のまとめサイトが乱立する騒動となった。
「駅の改札でタッチする電子マネーカードと同じように、『B-CAS』カードにはICチップが埋め込まれている。解除には、まず“ICカードリーダー”が必要で、通販サイトには当該商品への注文が殺到。1台2000円程度の商品が軒並み売り切れになり、オークションでは1万円以上のプレミアムがつく事態にまで発展しました」(マニア誌記者)
有料の映画やスポーツを無料で観ることができるというのだから、確かにテレビ好きにはたまらない。数日間はまさに“お祭り状態”だったが、実はここに来て、その盛り上がりは急速にしぼんでいるという。
「赤信号みんなで渡れば怖くない、とばかりに大騒ぎしていた人たちが、一転、見せしめ的に当局に逮捕されるんじゃないかという恐れから、サイトを一斉に閉鎖し始めたからです」(IT関連ライター)
大手マスコミは、一部の新聞が淡々と事実を紹介したのみ。見方を変えれば、有料放送を不正に無料視聴する行為は、放送事業の根幹を揺るがす大問題である。にもかかわらず、あまりにもベタ記事扱いなのは、逆にこれ以上この違法な行為を拡大させてはならないという思惑があるからか。
「そもそも無料の地上波放送も、このカードがないと視聴できないなんていうのは、日本だけのシステムなんです。その裏には、天下り団体や利権に巣食う人々の、いわばウラの思惑が隠されているんですよ」(同)
電波利権というパンドラの箱を開けてしまった『平成の龍馬』。果たして、見せしめの逮捕が待っているのか…。それとも、「ゆるさんぜよ!」の声で時代の寵児となれるのだろうか。』
地デジ対応のテレビを買った時に初めてこのカードの実物を見たのだが,登録はがきを出すのに必要な切手がなかったので,とりあえずそのまま使っていたが地デジを見るには特に問題はなく,2011年4月からはユーザー登録自体が廃止されたらしい.
以前にJASRACのことを調べていた時にB-CAS社の利権のことも少し出て来たので調べてみたら,B-CAS社という会社は従業員が14人なのに取締役が9人もいる不思議な会社であることがわかった.
そして,今回の件でわかったのはB-CASカードはすでに1億5000万枚も出ていて1枚600円前後で1社独占のビジネスになっているらしい.そして,このカードでDRMによる著作権や有料放送の視聴契約を管理することになっているようだ.
カードの販売だけでも膨大な利益を上げてきたのだろうが,実はこの民間会社,筆頭株主はNHKで社長も2代続けてNHKの出身だそうで,カードの発行や運営には総務省系の公益法人が関わっているらしい.何のことはない,すべての地デジ対応テレビに必要な公益性の高いカードで総務省の天下りを養う仕組みのようだ.
総務省が躍起になって地デジを推進したのにはこういう理由もあったらしいが,テレビやチューナーの買い替えだけでも嫌なのに,B-CASカードに対応するためのコストも含まれるなんて何だか無駄なお金を払わされた感じがするのは私だけだろうか.そして,またもやその陰に総務省と国民の受信料で成り立っているはずのNHKがいるというのが私にはどうにも気に食わないのである.
以前にフリーオというDRMを破って録画データーをコピーフリーにするチューナーがインターネット通販で台湾から個人輸入できるという話がありマニアには結構売れていたようだが,今年の始め頃にはBLACKCASカードというのがネットで5万円位で買えるようになりそれを使うと有料放送がただで見れるという話がニュースに出るようになった.
それが,今年の5月頃になると今度はICカードリーダーと書き換え可能なB-CASカードがあると自分でBLACKCASカードのようなものが作れるという話になり,ICカードリーダーが売り切れるというニュースが出て来たので驚いた.カードを書き換えるソフトもネットで手に入ったようだから自分でやってみようという人がたくさん現れるようになったということなのだろう.
本当にそんなことが出来るのかとも思ったが,総務省が5月中旬になり各放送事業者やカード発行会社に断固とした対応を取るよう求めたというニュースが流れたのでどうやら本当だったようだ.対策はカードを新しいものに交換して,以前のものを使えなくするしかないらしい.カードの所有権はB-CAS社に帰属するのでその作業はB-CAS社の責任になるようだが,今流通しているカードの回収や書き換え対策済みカードの配布にはかなりのコストがかかるようだ.
だが,B-CASのユーザー登録をしていない私のような場合,いつどうやってカードを交換するのかとか,交換によって機器に不具合が生じないのかなどと余計なことが気になるし,ちょっと怪しいB-CAS社が交換にかかるコストを全てまかなえるのだろうかという疑いもある.そのコストもまたユーザーに転嫁されるのでは我慢ならない.いままでさんざんあぶく銭を稼いで来たB-CAS社だろうが,ユーザーを納得させられる形で事態を収拾するのはかなり難しいように思うのだが,この問題はどう決着するのか注目している.
『B-CAS』カードをご存知だろうか? おそらくどこの家庭にも1枚はあるハズ。居間にあるテレビ横(裏)面に差し込まれている赤色や青色のカードだ。
設置の際に差し込んだ後は、ほぼ、お目にかかる機会はない。何のためにあるのかというと、地デジや衛星放送を受信するための著作権保護に利用されているのだが、有料放送をタダで視聴できないのは、このカードが信号を受け取って暗号化しているからである。
ところが先日、ネット上で『平成の龍馬』を名乗る人物が、この有料放送のスクランブル(暗号)を簡単に解除できる方法を紹介。瞬く間にその書き込みは広がって、あちこちに解除方法のまとめサイトが乱立する騒動となった。
「駅の改札でタッチする電子マネーカードと同じように、『B-CAS』カードにはICチップが埋め込まれている。解除には、まず“ICカードリーダー”が必要で、通販サイトには当該商品への注文が殺到。1台2000円程度の商品が軒並み売り切れになり、オークションでは1万円以上のプレミアムがつく事態にまで発展しました」(マニア誌記者)
有料の映画やスポーツを無料で観ることができるというのだから、確かにテレビ好きにはたまらない。数日間はまさに“お祭り状態”だったが、実はここに来て、その盛り上がりは急速にしぼんでいるという。
「赤信号みんなで渡れば怖くない、とばかりに大騒ぎしていた人たちが、一転、見せしめ的に当局に逮捕されるんじゃないかという恐れから、サイトを一斉に閉鎖し始めたからです」(IT関連ライター)
大手マスコミは、一部の新聞が淡々と事実を紹介したのみ。見方を変えれば、有料放送を不正に無料視聴する行為は、放送事業の根幹を揺るがす大問題である。にもかかわらず、あまりにもベタ記事扱いなのは、逆にこれ以上この違法な行為を拡大させてはならないという思惑があるからか。
「そもそも無料の地上波放送も、このカードがないと視聴できないなんていうのは、日本だけのシステムなんです。その裏には、天下り団体や利権に巣食う人々の、いわばウラの思惑が隠されているんですよ」(同)
電波利権というパンドラの箱を開けてしまった『平成の龍馬』。果たして、見せしめの逮捕が待っているのか…。それとも、「ゆるさんぜよ!」の声で時代の寵児となれるのだろうか。』
地デジ対応のテレビを買った時に初めてこのカードの実物を見たのだが,登録はがきを出すのに必要な切手がなかったので,とりあえずそのまま使っていたが地デジを見るには特に問題はなく,2011年4月からはユーザー登録自体が廃止されたらしい.
以前にJASRACのことを調べていた時にB-CAS社の利権のことも少し出て来たので調べてみたら,B-CAS社という会社は従業員が14人なのに取締役が9人もいる不思議な会社であることがわかった.
そして,今回の件でわかったのはB-CASカードはすでに1億5000万枚も出ていて1枚600円前後で1社独占のビジネスになっているらしい.そして,このカードでDRMによる著作権や有料放送の視聴契約を管理することになっているようだ.
カードの販売だけでも膨大な利益を上げてきたのだろうが,実はこの民間会社,筆頭株主はNHKで社長も2代続けてNHKの出身だそうで,カードの発行や運営には総務省系の公益法人が関わっているらしい.何のことはない,すべての地デジ対応テレビに必要な公益性の高いカードで総務省の天下りを養う仕組みのようだ.
総務省が躍起になって地デジを推進したのにはこういう理由もあったらしいが,テレビやチューナーの買い替えだけでも嫌なのに,B-CASカードに対応するためのコストも含まれるなんて何だか無駄なお金を払わされた感じがするのは私だけだろうか.そして,またもやその陰に総務省と国民の受信料で成り立っているはずのNHKがいるというのが私にはどうにも気に食わないのである.
以前にフリーオというDRMを破って録画データーをコピーフリーにするチューナーがインターネット通販で台湾から個人輸入できるという話がありマニアには結構売れていたようだが,今年の始め頃にはBLACKCASカードというのがネットで5万円位で買えるようになりそれを使うと有料放送がただで見れるという話がニュースに出るようになった.
それが,今年の5月頃になると今度はICカードリーダーと書き換え可能なB-CASカードがあると自分でBLACKCASカードのようなものが作れるという話になり,ICカードリーダーが売り切れるというニュースが出て来たので驚いた.カードを書き換えるソフトもネットで手に入ったようだから自分でやってみようという人がたくさん現れるようになったということなのだろう.
本当にそんなことが出来るのかとも思ったが,総務省が5月中旬になり各放送事業者やカード発行会社に断固とした対応を取るよう求めたというニュースが流れたのでどうやら本当だったようだ.対策はカードを新しいものに交換して,以前のものを使えなくするしかないらしい.カードの所有権はB-CAS社に帰属するのでその作業はB-CAS社の責任になるようだが,今流通しているカードの回収や書き換え対策済みカードの配布にはかなりのコストがかかるようだ.
だが,B-CASのユーザー登録をしていない私のような場合,いつどうやってカードを交換するのかとか,交換によって機器に不具合が生じないのかなどと余計なことが気になるし,ちょっと怪しいB-CAS社が交換にかかるコストを全てまかなえるのだろうかという疑いもある.そのコストもまたユーザーに転嫁されるのでは我慢ならない.いままでさんざんあぶく銭を稼いで来たB-CAS社だろうが,ユーザーを納得させられる形で事態を収拾するのはかなり難しいように思うのだが,この問題はどう決着するのか注目している.
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