『全電源喪失「考慮は不要」、安全委が東電・関電に作文指示
原子力発電所で長時間の全電源喪失を「考慮する必要はない」とした国の安全設計審査指針について、1992年に原子力安全委員会が東京電力と関西電力に対し、改正は不要という報告書案の作成を指示していたことが、4日わかった。安全委は東電案を報告書に採用し、指針改正を見送っていた。
当時、適切に指針を改正して対策を取っていれば、福島第1原発事故を防げた可能性もある。班目春樹委員長は4日に記者会見し「今から考えると不適切なことをやっていた」と当時の安全委の対応を批判した。
指針を見直すかどうかの資料の情報公開請求を受けた安全委は、昨年10月に「全ての文書」と称してホームページに載せたが、東電などに指示した文書は含まれていなかった。国会の事故調査委員会が全資料を公表するよう2度にわたって要求し、安全委は4日に資料を公表した。
安全委事務局は「文書の存在は知っていたが、昨年10月に全部出したと思い込み、公表を失念していた」と説明した。
公表した92年10月の報告書骨子(案)には「原稿担当」として「事務局」「電力」が並び、報告書の章ごとに誰が分担する予定かを記載。安全委が電力会社に送った文書では「中長時間の全電源喪失を考えなくて良い理由を作文して下さい」と指示。東電からの回答文書には「これでOK」との書き込みがあった。』
『全電源喪失、「対策不要」業界に作文指示、指針改定見送り 放射能漏れ
東京電力福島第1原発事故の原因となった長時間の全電源喪失について、国の原子力安全委員会の作業部会が平成4年、対策が不要な理由を文書で作成するよう電力業界側に指示し、東電が作成した文章をほぼ丸写しした報告書をまとめ、安全指針の改定を見送っていたことが3日、分かった。安全委は事実関係を隠蔽(いんぺい)してきたが、国会事故調査委員会が受理した同部会の内部資料で判明。規制当局側が業界側と癒着し、不適切な指針を容認してきた実態が明らかになった。
この作業部会は「全交流電源喪失事象検討ワーキンググループ」。海外で全電源喪失の事例が起きたことを受けて3年に設置され、有識者の専門委員のほか東電、関西電力、日本原子力研究所(当時)の外部関係者が参加した。
長時間の全電源喪失は原発の過酷事故につながる重大事態だが、2年に策定された国の安全設計審査指針は「長時間(30分程度以上)の全電源喪失は考慮する必要はない」としており、作業部会はこの妥当性について非公開の会議を開き検討した。
会議では、全電源喪失対策を指針に盛り込むことについて、関電が「指針への反映は行き過ぎ」、東電が「(過酷事故の)リスクが特に高いとは思われない」と反発。新たに対策が必要になると設備などでコストが増えるためとみられる。
これに応じる形で作業部会は4年10月、当時の安全委事務局だった科学技術庁原子力安全調査室経由で、東電と関電に「今後も長時間の全電源喪失を考えなくて良い理由を作文してください」と文書で指示。規制当局の安全委が、規制方針にかかわる文書作成を業界側に丸投げした格好だ。
これに対し東電は同年11月、「わが国の原発は米国の基準に比べると設計の余裕があり、十分な安全性が確保される」などと回答。報告書案にほぼそのまま盛り込まれ、5年6月に「重大な事態に至る可能性は低い」とする最終報告書が作成され、指針の見直しは見送られた。
安全委は福島第1原発事故を受け昨年7月、作業部会の議事などを公表し、関連資料はすべてホームページで公開したとしていた。しかし、全電源喪失の対策が不備だった経緯を調査している国会事故調が今年に入って、業界側とのやりとりを示す内部資料が隠蔽されている可能性を安全委に指摘、提出を求めていた。
原発の全電源喪失 原発に送電線経由で送られる外部電源と、ディーゼル発電機などの非常用電源がともに失われる緊急事態。国の安全設計審査指針では国内の原発で発生しても30分程度で復旧するとされ、長時間の発生は考慮する必要はないとされていた。しかし、東京電力福島第1原発事故で長期間にわたり発生し、原子炉の冷却機能が失われ炉心溶融などの深刻な事態を招いた。』
またしても隠蔽.そして,『国の原子力安全委員会の作業部会が平成4年、対策が不要な理由を文書で作成するよう電力業界側に指示し、東電が作成した文章をほぼ丸写しした報告書』というのは規制当局側が業界側と癒着していた証拠だろう.
こんな話ばかり続いて呆れるばかりだが,こんなことをしても誰も罪に問われないのだからこれからつくるという原子力規制庁もあまりあてには出来ないだろう.
「今から考えると不適切なことをやっていた」,「文書の存在は知っていたが、昨年10月に全部出したと思い込み、公表を失念していた」というのも何だかいい加減聞き飽きた言い分だ.
見えない所で不正をはたらき,問題は出来る限り隠蔽し,バレると自分のやったことを誤摩化して正当化しようとする.日本がダメなのはこういう不正のツケが溜まってきたからなのだろう.こんな連中にたくさんの税金が使われて,今度はそのツケが国民に回ってきて大増税というのだからこの国の政治は腐り切っていたということだろう.
原子力発電所で長時間の全電源喪失を「考慮する必要はない」とした国の安全設計審査指針について、1992年に原子力安全委員会が東京電力と関西電力に対し、改正は不要という報告書案の作成を指示していたことが、4日わかった。安全委は東電案を報告書に採用し、指針改正を見送っていた。
当時、適切に指針を改正して対策を取っていれば、福島第1原発事故を防げた可能性もある。班目春樹委員長は4日に記者会見し「今から考えると不適切なことをやっていた」と当時の安全委の対応を批判した。
指針を見直すかどうかの資料の情報公開請求を受けた安全委は、昨年10月に「全ての文書」と称してホームページに載せたが、東電などに指示した文書は含まれていなかった。国会の事故調査委員会が全資料を公表するよう2度にわたって要求し、安全委は4日に資料を公表した。
安全委事務局は「文書の存在は知っていたが、昨年10月に全部出したと思い込み、公表を失念していた」と説明した。
公表した92年10月の報告書骨子(案)には「原稿担当」として「事務局」「電力」が並び、報告書の章ごとに誰が分担する予定かを記載。安全委が電力会社に送った文書では「中長時間の全電源喪失を考えなくて良い理由を作文して下さい」と指示。東電からの回答文書には「これでOK」との書き込みがあった。』
『全電源喪失、「対策不要」業界に作文指示、指針改定見送り 放射能漏れ
東京電力福島第1原発事故の原因となった長時間の全電源喪失について、国の原子力安全委員会の作業部会が平成4年、対策が不要な理由を文書で作成するよう電力業界側に指示し、東電が作成した文章をほぼ丸写しした報告書をまとめ、安全指針の改定を見送っていたことが3日、分かった。安全委は事実関係を隠蔽(いんぺい)してきたが、国会事故調査委員会が受理した同部会の内部資料で判明。規制当局側が業界側と癒着し、不適切な指針を容認してきた実態が明らかになった。
この作業部会は「全交流電源喪失事象検討ワーキンググループ」。海外で全電源喪失の事例が起きたことを受けて3年に設置され、有識者の専門委員のほか東電、関西電力、日本原子力研究所(当時)の外部関係者が参加した。
長時間の全電源喪失は原発の過酷事故につながる重大事態だが、2年に策定された国の安全設計審査指針は「長時間(30分程度以上)の全電源喪失は考慮する必要はない」としており、作業部会はこの妥当性について非公開の会議を開き検討した。
会議では、全電源喪失対策を指針に盛り込むことについて、関電が「指針への反映は行き過ぎ」、東電が「(過酷事故の)リスクが特に高いとは思われない」と反発。新たに対策が必要になると設備などでコストが増えるためとみられる。
これに応じる形で作業部会は4年10月、当時の安全委事務局だった科学技術庁原子力安全調査室経由で、東電と関電に「今後も長時間の全電源喪失を考えなくて良い理由を作文してください」と文書で指示。規制当局の安全委が、規制方針にかかわる文書作成を業界側に丸投げした格好だ。
これに対し東電は同年11月、「わが国の原発は米国の基準に比べると設計の余裕があり、十分な安全性が確保される」などと回答。報告書案にほぼそのまま盛り込まれ、5年6月に「重大な事態に至る可能性は低い」とする最終報告書が作成され、指針の見直しは見送られた。
安全委は福島第1原発事故を受け昨年7月、作業部会の議事などを公表し、関連資料はすべてホームページで公開したとしていた。しかし、全電源喪失の対策が不備だった経緯を調査している国会事故調が今年に入って、業界側とのやりとりを示す内部資料が隠蔽されている可能性を安全委に指摘、提出を求めていた。
原発の全電源喪失 原発に送電線経由で送られる外部電源と、ディーゼル発電機などの非常用電源がともに失われる緊急事態。国の安全設計審査指針では国内の原発で発生しても30分程度で復旧するとされ、長時間の発生は考慮する必要はないとされていた。しかし、東京電力福島第1原発事故で長期間にわたり発生し、原子炉の冷却機能が失われ炉心溶融などの深刻な事態を招いた。』
またしても隠蔽.そして,『国の原子力安全委員会の作業部会が平成4年、対策が不要な理由を文書で作成するよう電力業界側に指示し、東電が作成した文章をほぼ丸写しした報告書』というのは規制当局側が業界側と癒着していた証拠だろう.
こんな話ばかり続いて呆れるばかりだが,こんなことをしても誰も罪に問われないのだからこれからつくるという原子力規制庁もあまりあてには出来ないだろう.
「今から考えると不適切なことをやっていた」,「文書の存在は知っていたが、昨年10月に全部出したと思い込み、公表を失念していた」というのも何だかいい加減聞き飽きた言い分だ.
見えない所で不正をはたらき,問題は出来る限り隠蔽し,バレると自分のやったことを誤摩化して正当化しようとする.日本がダメなのはこういう不正のツケが溜まってきたからなのだろう.こんな連中にたくさんの税金が使われて,今度はそのツケが国民に回ってきて大増税というのだからこの国の政治は腐り切っていたということだろう.
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