『  祇園の事故、運転手含め8人死亡 11人が重軽傷

 12日午後1時ごろ、京都市東山区の大和大路通四条の交差点に軽ワゴン車が突入し、横断中の歩行者らを次々とはねた。府警東山署によると、歩行者の男女計7人が死亡し、11人が重軽傷を負った。軽ワゴン車は電柱に衝突し、運転していた男も市内の病院に運ばれたが、間もなく死亡が確認された。

 府警は自動車運転過失致死傷容疑で捜査を開始。運転していた同市西京区桂朝日町の会社員、藤崎晋吾容疑者(30)を司法解剖し、死因や当時の体調などを調べる。

 府警によると、軽ワゴン車は大和大路通を北上して四条通りとの交差点に赤信号を無視して突入。計18人をはねながら、北上し、約200メートル先の電柱にぶつかり、大破、停止した。

 事故直前には、交差点から200メートルほど南の路上でタクシーに追突。タクシーの男性運転手(63)によると、後方から藤崎容疑者の車に2回ぶつけられ、テールライトを破損。道路脇にタクシーを止めたが、車はそのまま猛スピードで走り去ったという。

 藤崎容疑者は4年前から、市内の藍染製品販売会社に勤務。12日も通常通り出勤し、午後1時前、市内の取引先に製品を配達するために社用車の軽ワゴン車で出かけていたという。

 現場は同市の繁華街祇園の一角で、八坂神社と歌舞伎の南座を結ぶ四条通りで南座から東に約50メートルの交差点。この日は天候にも恵まれ、花見に訪れた観光客らでにぎわっていた。

 府警によると、死亡したのは藤崎容疑者のほか、男性が千葉県八千代市の小池賢次さん(77)、京都市右京区の奥村昌彦さん(40)の2人で、女性が埼玉県蕨市の鴨下孝子さん(62)、京都市東山区の沢西桃代さん(61)、大阪府守口市の平山節子さん(69)、大阪府豊中市の岸本真砂子さん(68)、50~60歳の氏名不詳の女性の5人。』

『 花見客などでにぎわう祇園に暴走車…7人死亡11人重軽傷

 京都市東山区にある祇園の繁華街で12日午後1時ごろ、観光客らの歩行者の列に軽ワゴン車が突っ込んだ。歩行者のうち男性2人、女性5人が死亡、11人が重軽傷。車は赤信号を無視し、猛スピードで交差点に進入、横断歩道を歩いていた人を次々とはねた。運転手の男も死亡した。花見客などで混雑する中、100メートル以上にわたって複数の人が倒れ、騒然となった。

 現場は鴨川に近く、観光名所の南座から約50メートル東。被害者には千葉県や埼玉県から訪れた観光客もおり、交差点にはハンドバッグや靴、土産の袋などが散乱。はねた衝撃で外れたとみられる軽ワゴン車のバンパーもあった。血まみれの人が路上の至る所で救急措置を受け、泣きながら名前を叫ぶ人もいた。

 京都府警によると、軽ワゴン車は大和大路通を北進し、赤信号を無視して交差点に進入。南側と北側の横断歩道を歩いていた人を次々とはねた。スピードを緩めることなく、目撃者は「時速50~60キロぐらい出ていたのでは」と証言した。

 さらに、市バスとぶつかりそうになりながら交差点を突っ切り、北進。はねた女性2人をルーフに乗せ、数十メートル先で振り落とした。軽トラックやタクシーに接触し、別のタクシーも追い越そうとしたが、よけきれず、自転車の男性を巻き込み、電柱に激突。車体前方が大破し、エアバッグが膨らんだ運転席で意識を失ったスーツ姿の男が口から血を流していた。運転していた京都市西京区の会社員藤崎晋吾容疑者(30)は死亡した。

 目撃者によると、この直前、交差点から約170メートル南の大和大路通上で、タクシーに追突。バックした後、タクシーの横をすり抜けた。追突されたタクシー運転手が「待てコラ」と叫んだが、エンジンを吹かして急加速。目撃した女性は、追突時の藤崎容疑者の様子について「ハンドルを握る両手が震えていた。目が血走っていた」と証言した。軽ワゴン車はそのまま信号待ちの車の横をすり抜けるように北へ進み、交差点に入った。

 藤崎容疑者は仕事で配達の途中だった。姉(34)によると、藤崎容疑者は1月から、てんかんの発作を起こし、病院で治療を受けていた。病院側は車を運転しないよう、本人と家族に何度も通告。姉は「会社にはてんかんの持病があると告げた。今の会社を辞めて、次の会社を探そうということになっていた」と説明。勤務先の経営者は「病気のことは知らない」と話している。藤崎容疑者は先月、運転免許を更新したが、てんかんの持病を申告していなかった。

 府警は自動車運転過失致死傷容疑で捜査。藤崎容疑者を司法解剖し、死因や事故当時の体調などを調べる。

 藤崎容疑者は藍染め製品販売の会社で働き、おとなしい性格で読書が趣味。約10年前にバイク事故を起こし、年明けから家でてんかんによる発作が2、3回続いた。医者は事故の後遺症と診断、通院して薬も飲んでいた。

 姉によると、これまで発作は自宅で起きていたが「運転中に起きたら大変なことになる」と考え、仕事で運転をしなければならないなら転職しようと家族で決め、勤務先と相談。しかし、会社に病気のことを説明すると「事故を起こしても会社の責任ではないと一筆書いてほしい」と言われたという。最近は母も、区役所などに障害認定が下りるかどうか相談しに行っていた。

 父は12日夜、自宅で「(08年6月の)秋葉原の事件とは違うんだから。そんなことする子じゃない」と絞り出すように語った。』

 昨年の4月21日に『てんかん発作の現実』という日記を書いた.
http://nougekai.diarynote.jp/201104211935115223/

 その後,脳梗塞やてんかんで通院している患者さんが,運転免許の更新の際に後遺症やてんかんの既往に関しての証明書類を持ってくることが多くなったので,自己申告する人は確実に増えたのだろうと思うが,すでに仕事で運転している人は自己申告すると仕事を失う可能性があるので免許の更新時や会社への自己申告を敢えてしない人もいるのだろう.

 この事故のニュースでてんかん発作の既往があったことを最初に知った時は,また発作で事故を起こしたのかとも思ったが,「タクシーに追突。バックした後、タクシーの横をすり抜けた。」というのが事実ならば,おそらくてんかん発作で意識を失っていたということはないと私は思う.

 てんかん発作で意識を失う程のものであれば,意識が回復するまでに少なくとも数分間はかかるし,回復してもしばらくは意識がもうろうとしているので逃げたりする事はできないだろう.そう考えると,てんかんの既往があるのにタクシーに衝突したことで気が動転してその場から逃げるために次々と事故を起こしたと考える方がつじつまがあうように思うのだが,警察はどういう判断を下すのだろうか.

 もっとも,前回も書いたようにてんかん発作を繰り返すうちに高次機能が低下して常識的な判断が下せなくなっていた可能性はあるだろう.もしそうであれば病気のせいと言えない事もないだろうが,それでも事故の可能性を認識しながら運転させていた家族や会社の責任は非常に重いだろう.

 一時的に意識を失う状態を一過性意識消失発作と呼ぶが,これにはてんかん発作のほかにも脳梗塞の前駆症状の場合や不整脈の発作のこともあり,その場合運転中に発作を起こせばてんかん発作と同様に事故を起こす可能性がある.

 そう考えると,少なくとも1年以内に意識消失発作を起こしたことがある人は車の運転や転落の危険などのある作業はしないほうがいいと思われるのだが,現実には外来でそう説明しても理解出来ない,あるいは理解する気がない人もいるのである.

 こうなると運転免許を与える際に脳梗塞やてんかんや認知症の検査だけではなく常識的な判断力があるかどうかの判定もしなければならなくなるのだろうが,そんなことまで証明するのは難しいだろうからこれからも運転に不適格な人による事故は減らないのだろう.理由はわかっても解決法が思いつかないとはなんとも不条理な話だ.

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