『中国高速鉄道事故:強まる報道規制 当局批判トーンダウン

 200人以上が死傷した中国浙江省温州市の高速鉄道事故をめぐり、中国当局が報道規制をさらに強め、中国メディアの鉄道当局への批判が一気にトーンダウンしてきた。当局の通知を振り切る形で異例の独自報道を展開してきたメディア関係者は、インターネット上で悔しさを吐露している。

 関係者によると、中国共産党中央宣伝部は事故翌日の7月24日、独自報道を控え、国営新華社通信の記事を使うよう国内メディアに通知した。だが、当局の事故対応にネット上で批判が噴出し、中国各紙も背中を押されるように独自報道を続けてきた。

 こうした中、宣伝部が29日夜、「国内外の世論は複雑になってきており、沈静化に努めなければならない」とする新たな通知を出すと状況は一変。多い時には10ページ以上を割いて事故を詳報してきた北京紙「新京報」は30日付の1面トップに北京で7日間連続で大雨が降ったという記事を掲載した。香港メディアは、事故に関する4ページが差し替えられたと伝えた。

 新京報の編集幹部はミニブログで「これは恥であり、憤まんであり、光明の後の暗黒であり、未来に残す歴史だ。すまない。これ以上、どうしようもなかった」と悔しさをにじませた書き込みをし、当局から圧力があったことを示唆した。別の編集担当者は「2000人余りいる従業員の生活を考えなければならない」と苦渋の選択があったことをミニブログで明らかにした。

 現場での取材にも圧力がかかっている。中国紙記者によると、同僚が温州で取材をしていたが、30日になって上層部からの指示で本来の持ち場に戻された。同僚は抵抗したが、聞き入れられなかったという。記者は「社内でも不満が高まっている」と明かす。

 30日には犠牲者を追悼する様子の写真を1面に掲載した北京紙「北京青年報」も、31日は1面から事故関連の記事が消えた。強硬な論調が目立った上海紙「東方早報」は、31日付では賠償交渉で15遺族が合意したとする新華社の記事を掲載しただけだった。鉄道当局批判で報道番組担当プロデューサーの停職処分が伝えられた中央テレビは31日、鉄道当局者の言い分を紹介することに重点を置いた。

 鉄道当局への批判が中国指導部にまで及ぶことを懸念した党宣伝部が、停刊や停職など処分の可能性を示して規制を強化しているとみられる。これに対しネット利用者の間で「こんな報道では真実は隠されてしまう」「この国の期待は最後は外れてしまうものなのか」といった失望の声が広がっている。』


『次官「埋めていない」 証言と食い違い

 中国中央テレビは31日、鉄道省の陸東福次官の高速鉄道事故に関するインタビュー内容を伝えた。陸次官は、現場で事故車両を埋めたと批判されている問題について「救援作業の過程でできた穴には入れたが、埋めてはいない」と釈明した。また、追突された列車は事故当時に徐行しており、停止していなかったことも明かした。

 一方、現場で目撃した中国メディア記者は、先頭車両の運転台を重機で壊していたと指摘。重機で掘った穴に入れた上で一部には土をかぶせていたと証言している。24日午後に本紙記者が現場に入った際も、運転台の原形は残っておらず、粉々になった車両の破片や台車が土中から露出していた。他の車両も重機で転がされ、「証拠物」として扱っている様子はなかった。』


 報道規制で高速鉄道輸出への風評被害を防ぎ,鉄道当局さらには共産党指導部まで批判が及ぶのを避けようというのだろうが,何を今さらという感じだ.まさか,この事故が原因で高速鉄道への批判がこれほどのものになるとは予想していなかったのだろうが,これだけ情報が流れてしまった後では隠蔽しようとするだけ不信感が増大して逆効果のような気がする.

 これで驚いていたら,今度は衝突した先頭車両を破壊して埋めたことまで無かったことにしようとしていると言うのでさらに驚いた.ここまでやるかと思うようなことをするくらいだから,資源のために他国の排他的経済水域を犯すことはきっと何とも思っていないだろうし,歴史を自国の都合の良いように書き変えることぐらいは当たり前なのだろう.

 中国がお金を持った今となっては,これからも「何でもあり」で無理を通そうとするのだろうから,不景気,震災,財政難の3重苦に落ち込んでいるわが国にとってはまったくもって迷惑な話だ.

コメント

スミぱん@国会を見よう
2011年8月1日18:51

電化製品のコピーの方も何でもありです。韓国も以下同文。

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