『福島原発3号機、放射性物質含む蒸気を外部に放出 冷却機能喪失で

 東日本大震災の被災地にある東京電力福島第1原発の3号機について、原子力安全・保安院は13日、圧力を下げるため、1号機と同様に、原子炉格納容器内の微量の放射性物質を含む蒸気を外部に放出する弁を開けたと発表した。原子炉の高圧給水系が止まり、冷却機能が失われたため。

 福島第1原発では、1号機で爆発があり、負傷者が4人出ているほか、原子炉圧力容器への海水注入で冷却が行われている。』

『頭下げ「心からおわび」=原子炉状態、あいまい説明−建屋爆発・東電副社長ら
 「心よりおわびする」。

東京電力の藤本孝副社長らは12日夜、東京都千代田区の同社で記者会見。福島第1原発1号機の爆発を陳謝したが、原子炉の詳しい状態については明言せず、情報公開姿勢を問われる場面もあった。

 会見には藤本副社長のほか、原発担当の小森明生常務ら6人が出席。冒頭、「大変心配をお掛けしています」とそろって頭を下げた。

 小森常務らが被害状況を説明したが、原子炉の現在の状況を問われると、「明確でない」「分からない」を連発。炉心溶融の可能性についても、「厳しい状況」とする一方で「そこまで至ってないかもしれない」とも述べるなど、あいまいな説明に終始した。このため、報道陣からは同社の情報提供の在り方を厳しく追及する質問も上がった。

 会見に先立ち、同社本社では広報や原発担当者が断続的に状況を説明。1号機から爆発音があったとテレビで報じられると、記者約70人が集まる会議室は騒然となった。午後5時すぎ、慌てて広報担当者が部屋に入り、説明。矢継ぎ早に質問が飛んだが、「また報告します」と言ったまま、足早に部屋を後にした。

 原子炉建屋の屋根崩落判明後にも、担当者が再度説明。沈痛な表情で「テレビで壁がなくなったことを確認できました」。チェルノブイリ原発事故のように付近では住めなくなるのではとの問いも出たが、「状況を評価しないと分かりません」と繰り返すのみ。13日未明に、避難対象地域の3人が被ばくしたことへのコメントを求められると、「お世話になった地域の方に迷惑を掛け申し訳ない」とだけ答えた。』

 副社長ほか常務ら6人が出席とあるが,社長はいないのだろうか.こんな記者会見では,形だけの謝罪で会社にとって不利な情報を隠していると思われてもしょうがないだろう.その後,3号機も冷却機能を失ったと報告しているということは,この会見の時点でもすでにそうなることがわかっていたのではないだろうか.

 テレビには,なぜか病院の放射線科の技師が出てきて被曝量が人体への影響するほどでないなどと説明しているが,結果としての被曝線量が問題なのではなく爆発の危険があったのに被爆を避ける為の十分な避難が為されなかったということが問題にされるべきだろう.

 化石燃料からの脱却のために原子力発電は重要な技術であると思うが,それを稼働させる企業の管理能力に問題があればこれほど危険な技術もないのである.東京電力の対応をみていると危機管理能力に疑問を感じる.

 原子力発電所という高度に安全管理を要する施設が,地震という自然災害でこうも簡単に馬脚をあらわすとは思っていなかったので,今回の事故には非常に驚いたが,ある意味で東京電力による人災と考えることもできるのではないだろうか.

 無事に冷却処理が済んで,地元の方々が安全に家に帰る事ができるように祈っているが,それで済ます事なく事故原因や管理責任の所在について厳格に対応しなければ今後の原子力発電に大きなマイナスとなることは避けられないだろう.


-- 続報です -- 安定停止した原子炉は11基中3基だけだって!?....

『地震で自動停止の原発、安定停止は3基のみ

 東日本巨大地震では、東京電力福島第一原発1~3号機、同第二原発の全4基、東北電力女川原発の全3基、日本原子力発電東海第二原発の計11基が、強い揺れにより自動停止した。

 経済産業省原子力安全・保安院や各電力会社によると、11基のうち、原子炉内の温度が100度以下で、圧力も大気圧に近い状態で安定した「冷温停止」に至っているのは、福島第二3号機と女川1、3号機の3基だけだ。

 原子炉を停止する場合は、炉内の核分裂反応を抑制する「制御棒」を挿入する。しかし、反応を止めても核燃料は高い余熱を持っているため、安全で安定した状態にするには、さらに冷却を続ける必要がある。

 保安院によると、地震による停電で外部からの電力供給が失われたことや、冷却水をさらに冷やす海水を取り込み、動かすポンプが津波で被害を受けたことなどから、福島第一原発2号機や、同第二原発1、2、4号機などでは、冷温停止までに時間がかかっているという。同3号機は12日正午過ぎ、冷温停止が確認された。

 13日に記者会見した保安院の根井寿規審議官は、自動停止した原発の多くでは炉心の冷却機能が保持されていると説明。「とりあえず給水を継続すれば大丈夫だと認識している」と述べた。

 また、炉心冷却機能を失った福島第一3号機では、通常の原発で使うウラン燃料とは異なり、毒性の強いプルトニウムを混ぜた核燃料を入れていることについては、「冷却する方法に違いがあるわけではない。特別な対応は念頭に置いていない」とした。

 3号機では13日朝から、冷却を促進するホウ酸水を炉内に注入する作業が行われている。1号機では緊急措置として海水も注入したが、今回は原子炉のダメージを抑えて再使用を容易にするため、ホウ酸水のみの注入を選択したとみられる。』

コメント

nophoto
石井 康義
2012年1月4日14:44

危機管理能力がなかったと私も同感です。緊急自動停止装置は動作しており、燃料棒の冷却装置と非常用電源の動作を普段から確認・訓練をしていないことを露見しています。このような会社に原発の稼働をみとめていた、行政と我々国民の未熟さを後悔します。脱原発より危険設備を持つ会社(電力・科学・薬品など)の監視体制をチェックすることが優先されます。この震災と原発事故が、我々日本人の平和ボケに警笛を鳴らしてしていると考え、多くの犠牲者に報いる活動をしたいですねーー。安全な原発を開発されているようですが、最後はそれを使う
人の自覚と教育だと思います。


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