『映像流出、刑事罰に疑問の声も 「秘密性」立証に難しさ
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件に関する映像がインターネット上に流出した問題で、検察当局が捜査に乗り出した。ただ、映像の一部はすでに国会で明らかにされており、流出させた人物が特定されても刑事罰を科す必要があるのか疑問の声もある。
福岡高検が主体となる捜査班の初めての会議が8日午前10時から最高検であった。その後に勝丸充啓・最高検公安部長が記者会見を開いて、「国家公務員法の守秘義務違反容疑での捜査着手を指示した」と発表。「サイバー犯罪であり、証拠保全の観点から、早期に着手する必要があった」と説明した。
捜査は秘密で進むのが通常で、捜査開始を宣言すること自体が、異例のことだ。捜査を急ぐのは、7日にアジア太平洋経済協力会議(APEC)が開幕したこともあり、対外的に捜査している姿勢を示さなければならない事情もあるようだ。
検察幹部の一人は、「捜査して仮に容疑者を起訴すれば、秘密性をめぐって公判で問題になるだろう」と、難しさを認めている。
最高裁は過去に出した決定で、国家公務員法の守秘義務の対象について、各省庁が「部外秘」などと形式的に秘密扱いしただけではなく、実質的に秘密として保護するに値することを求めている。
今回流出した映像について、勝丸部長は「海保が撮影し、国家公務員が保管しているものだから、秘密にあたる」とだけ説明した。
犯罪捜査という公用で那覇地検に提出されたうえ、刑事訴訟法により公判前の証拠の公開も禁じられていたが、映像の一部は衆参両院の理事らに上映された。「公益上の必要があれば公判前でも証拠を公開できる」とする例外規定が刑事訴訟法にあるためだ。
別の検察幹部は、「国民の目線から見れば、映像が明らかになったのはいいことで、法律家の見方と違う面がある。流出させたのは正当な行為とみることもできるのではないか」と語った。』
『尖閣映像、神戸の漫画喫茶パソコンから投稿
尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡る映像流出事件で、東京地検は9日、動画投稿サイト「ユーチューブ」を運営する検索大手グーグルの日本法人(東京都港区)から、映像を投稿したパソコンのIPアドレス(ネット上の住所)を入手した。
分析の結果、同サイトに投稿された映像は、神戸市内の漫画喫茶のパソコンから送信された可能性が高いことが判明。共同で捜査している警視庁はこの漫画喫茶に捜査員を派遣、捜査への協力を求めた。店の防犯カメラ映像や入店客の情報を入手した上、投稿者の特定を進める。
検察当局は内部調査の結果、映像は石垣海上保安部(沖縄県)か那覇地検の内部から流出した疑いが強まったとして、8日から国家公務員法(守秘義務)違反容疑で捜査に乗り出した。神戸市内から投稿されていた可能性が高いことにより、石垣海保や那覇地検職員以外の第三者が関与した疑いも出てくる。匿名性の高い漫画喫茶から投稿されていたことで、捜査が難航する恐れもある。
ユーチューブに流出した映像は6本、計約44分。4日午後に「sengoku38」のアカウント(登録名)で投稿され、5日午前7時40分頃に、投稿者自身によって削除された。
検察当局は9日、グーグルの日本法人に対する差し押さえ令状を取り、この投稿者が使ったパソコンのIPアドレスなどの情報提供を受けた。民間業者に依頼してIPアドレスを分析した結果、神戸市内の漫画喫茶が浮上したという。一方、9日に警視庁と合同捜査本部を設置した沖縄県警も、那覇市内の複数のネットカフェから、客の入店記録などの提供を求めている。
海上保安庁と検察当局の内部調査で、流出映像は、石垣海保が9月7日の事件直後に内部説明用として作成し、同10日頃、CD―Rに収めて那覇地検に提出したものと同一と判明。内部流出の可能性が強まったが、調査では投稿者を特定できず、海保が今月8日、被疑者不詳のまま、同法違反などの容疑で東京地検と警視庁に刑事告発していた。』
映像さえ手に入れてしまえば,どこからでもネットに流すことは可能だからIPアドレスを分析して神戸市内の漫画喫茶ということになった時点で捜査は行き詰まることだろう.そんな程度のことはちょっとネットに詳しい人なら誰でも考えることだ.捜査を担当している人はどう思って仕事しているのだろうか.
国民の注意をそらすためなのか,犯人探しのニュースが刻々と流れてくるのは面白いというか滑稽な感じだ.しかし,そんなことをしても問題の本質が中国人船長の罪を知りながら無駄に逃がしてしまったことであり,その手伝いをした人が政府内にいることであるということを忘れる国民は一人もいないだろう.
追記
『捜査関係者によると、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件をめぐるビデオ映像が流出した問題で、兵庫県などを管轄する第5管区海上保安本部の職員が「自分が流出させた」と申し出、海保側が事情を聴いているという情報があり、捜査当局が確認を急いでいる』
昼頃,テレビにニュース速報が出ていました.これが本当だとすると石垣海保や那覇地検職員以外の第三者が関与したことになりますが,ビデオの入手経路を知りたいですね.
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件に関する映像がインターネット上に流出した問題で、検察当局が捜査に乗り出した。ただ、映像の一部はすでに国会で明らかにされており、流出させた人物が特定されても刑事罰を科す必要があるのか疑問の声もある。
福岡高検が主体となる捜査班の初めての会議が8日午前10時から最高検であった。その後に勝丸充啓・最高検公安部長が記者会見を開いて、「国家公務員法の守秘義務違反容疑での捜査着手を指示した」と発表。「サイバー犯罪であり、証拠保全の観点から、早期に着手する必要があった」と説明した。
捜査は秘密で進むのが通常で、捜査開始を宣言すること自体が、異例のことだ。捜査を急ぐのは、7日にアジア太平洋経済協力会議(APEC)が開幕したこともあり、対外的に捜査している姿勢を示さなければならない事情もあるようだ。
検察幹部の一人は、「捜査して仮に容疑者を起訴すれば、秘密性をめぐって公判で問題になるだろう」と、難しさを認めている。
最高裁は過去に出した決定で、国家公務員法の守秘義務の対象について、各省庁が「部外秘」などと形式的に秘密扱いしただけではなく、実質的に秘密として保護するに値することを求めている。
今回流出した映像について、勝丸部長は「海保が撮影し、国家公務員が保管しているものだから、秘密にあたる」とだけ説明した。
犯罪捜査という公用で那覇地検に提出されたうえ、刑事訴訟法により公判前の証拠の公開も禁じられていたが、映像の一部は衆参両院の理事らに上映された。「公益上の必要があれば公判前でも証拠を公開できる」とする例外規定が刑事訴訟法にあるためだ。
別の検察幹部は、「国民の目線から見れば、映像が明らかになったのはいいことで、法律家の見方と違う面がある。流出させたのは正当な行為とみることもできるのではないか」と語った。』
『尖閣映像、神戸の漫画喫茶パソコンから投稿
尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡る映像流出事件で、東京地検は9日、動画投稿サイト「ユーチューブ」を運営する検索大手グーグルの日本法人(東京都港区)から、映像を投稿したパソコンのIPアドレス(ネット上の住所)を入手した。
分析の結果、同サイトに投稿された映像は、神戸市内の漫画喫茶のパソコンから送信された可能性が高いことが判明。共同で捜査している警視庁はこの漫画喫茶に捜査員を派遣、捜査への協力を求めた。店の防犯カメラ映像や入店客の情報を入手した上、投稿者の特定を進める。
検察当局は内部調査の結果、映像は石垣海上保安部(沖縄県)か那覇地検の内部から流出した疑いが強まったとして、8日から国家公務員法(守秘義務)違反容疑で捜査に乗り出した。神戸市内から投稿されていた可能性が高いことにより、石垣海保や那覇地検職員以外の第三者が関与した疑いも出てくる。匿名性の高い漫画喫茶から投稿されていたことで、捜査が難航する恐れもある。
ユーチューブに流出した映像は6本、計約44分。4日午後に「sengoku38」のアカウント(登録名)で投稿され、5日午前7時40分頃に、投稿者自身によって削除された。
検察当局は9日、グーグルの日本法人に対する差し押さえ令状を取り、この投稿者が使ったパソコンのIPアドレスなどの情報提供を受けた。民間業者に依頼してIPアドレスを分析した結果、神戸市内の漫画喫茶が浮上したという。一方、9日に警視庁と合同捜査本部を設置した沖縄県警も、那覇市内の複数のネットカフェから、客の入店記録などの提供を求めている。
海上保安庁と検察当局の内部調査で、流出映像は、石垣海保が9月7日の事件直後に内部説明用として作成し、同10日頃、CD―Rに収めて那覇地検に提出したものと同一と判明。内部流出の可能性が強まったが、調査では投稿者を特定できず、海保が今月8日、被疑者不詳のまま、同法違反などの容疑で東京地検と警視庁に刑事告発していた。』
映像さえ手に入れてしまえば,どこからでもネットに流すことは可能だからIPアドレスを分析して神戸市内の漫画喫茶ということになった時点で捜査は行き詰まることだろう.そんな程度のことはちょっとネットに詳しい人なら誰でも考えることだ.捜査を担当している人はどう思って仕事しているのだろうか.
国民の注意をそらすためなのか,犯人探しのニュースが刻々と流れてくるのは面白いというか滑稽な感じだ.しかし,そんなことをしても問題の本質が中国人船長の罪を知りながら無駄に逃がしてしまったことであり,その手伝いをした人が政府内にいることであるということを忘れる国民は一人もいないだろう.
追記
『捜査関係者によると、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件をめぐるビデオ映像が流出した問題で、兵庫県などを管轄する第5管区海上保安本部の職員が「自分が流出させた」と申し出、海保側が事情を聴いているという情報があり、捜査当局が確認を急いでいる』
昼頃,テレビにニュース速報が出ていました.これが本当だとすると石垣海保や那覇地検職員以外の第三者が関与したことになりますが,ビデオの入手経路を知りたいですね.
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