電子本時代
『 大日本印刷、国内最大級の電子書店を10月にも開設

 大日本印刷は8日、約10万点のコンテンツを集めた国内最大級の電子書店を10月にも開設すると発表した。子会社のCHIグループが運営する従来の書籍を扱うオンライン書店と連携し、電子書籍の販売に弾みをつける。2015年度に電子書籍販売で500億円の売り上げを目指す。11年中にも取り扱いコンテンツは30万点に増やす。

 電子書籍はパソコンやスマートフォン(多機能携帯電話)のほか、米アマゾンのキンドルなどの電子書籍端末向けに専用サイトで販売する。制作した電子書籍は、グループの電子書籍取次会社を通じて他の電子書店に流通させるなど販売網を増やす。サイト開設やコンテンツ拡充に伴い、11年までに約100億円を投じる。

 また電子書籍制作の体制を整備する。出版社向けに電子書籍の編集から制作、配信までを支援する独自システムを提供して出版社側の制作意欲を促す。凸版印刷はソニーやKDDI、朝日新聞社などと電子書籍の配信サービスを始める予定。

 民間調査会社によると09年度の国内電子書籍市場は前年度比23・7%増の574億円に拡大。携帯電話向けの利用が主流となっているが、14年度には米アップルの多機能携帯端末のように新たな情報端末の利用が伸長して同1300億円に拡大が予想される。ハード開発に加え、書店などソフト面の整備で電子書籍の広がりが加速しそうだ。』

『 電子書籍配信、主導権争い激化 サービス続々、乱立懸念

 電子書籍の普及をにらみ、「書店」に当たる配信サービスに参入する動きが活発になっている。8日には、大日本印刷が10月にインターネット上に電子書籍の専用サイトを開き、米グーグルが来年初めにも日本語の書籍配信を始めると発表した。人気を集めるため、各社は書籍の品ぞろえに力を注いでいる。

 大日本印刷が立ち上げるサイトは配信する書籍を約10万点から始め、2011年には約30万点に増やす計画で、「国内最大級」をねらう。パソコンやスマートフォン(多機能携帯電話)、大ヒットした米アップルの「iPad」など、さまざまな端末機器で読めるようにする。

 電子書籍の価格は未定だが、紙の書籍より安くする見込み。印刷などを通じて出版業界とのつながりが深い同社は、講談社など出版大手に作品などの供給を求めているという。同社の電子書籍事業の売上高は今はわずかだが、5年後には500億円に増やす計画だ。

 グーグルは電子書籍の販売事業「グーグル・エディション」のサービスを今夏に米国で始め、日本では来年初めにも始める。すでに電子書籍の一部を無料で見せるサービス「グーグル・ブックス」を提供しているが、内容の2割までしか見られない。新サービスは有料だが、全部読める。

 また、新サービスの配信に使う基盤技術を他社のサイトにも提供し、電子書籍の普及をねらう。担当者は「本の価格の半分以上は出版社の取り分にする。出版社の反応もいい」と自信をみせる。

 他にも、NTTドコモが電子書籍ビジネスに年内にも参入を検討している。他社のサービスとの提携も含めた事業展開を模索している。ソフトバンクは6月にiPadなど向けに雑誌の配信を始めた。ソニー、KDDI、凸版印刷、朝日新聞社の4社連合は年内の配信開始に向けて準備している。紀伊国屋書店も参入を表明している。

 一方、配信サービスが乱立し、電子データの規格や代金決済の仕組みがバラバラになると、消費者はサイトごとに使い分けが必要になり、面倒に感じる恐れもある。出版業界では「サービスの勝敗を決めるのは、配信するコンテンツの豊富さ。やがて集約に向かうのではないか」(出版社社員)との声が出ている。』

 iPadが売れたからだけではないだろうが,今のところiTuneストアで購入できる日本語の書籍は無いので,互換性を保った電子書籍での市場形成を各社が模索している段階なのだろう.こういうことは以前に楽曲データの時にもあったが,iTuneがWindowsにも対応したらあっさりと決着がついてしまったような記憶がある.

 ポイントは価格と利便性であるのだが,私はどういう形で収束するのかしばらく様子を見るつもりである.しかし,雑誌などはもともと低価格で,何度も読み返すようなこともないだろうから,iTuneストアでなくとも簡単に購入できれば意外に早く普及するのではないだろうか.

 もっとも,私が読む本と言えば仕事関係と趣味関係の月刊誌がほとんどで,一番困っているのはもう保管するための場所が無いということである.しかも,調べ物をする時には手元にないと困るし,たとえ手元にあってもどこで読んだか忘れているのでもう一度バックナンバーの山を読みあさることになり,いつも大変な思いをしているのである.

 だから,私としてはこれらの月刊誌であればたとえ値段が安くならなくとも記事にタグをつけて後で検索できるのなら電子書籍を選ぶことになるだろう.ついでにバックナンバーのデータも揃えてもらえるのなら買い直そうかと思っているくらいだ.読者の利便性ということを考えるなら,こういうアプローチもありではないだろうか.

 とりあえず,毎月送られてくる学会誌なんかは電子書籍をメールに添付して送ってもらえればそれで十分だと思っているのは私だけだろうか.

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