ドン・キホーテ・デ・フテンマ
2010年6月2日 社会の問題『「恐縮ですが幹事長も職をひいて」首相が迫る
「私も職をひきます。幹事長も職をひいていただきたい。」
2日午前、突如、辞任を表明した鳩山首相が明らかにしたのは、小沢一郎幹事長からも、辞任の了解を取り付けたという事実だった。政権交代前から、代表と幹事長という2人のトップを巡る「政治とカネ」の問題で揺れ続けてきた民主党。最近は普天間問題での迷走や社民党の政権離脱などで、支持率がさらに低下し、夏の参院選を前にして「退陣論」には抗しきれなかった。それでも党内には、「ようやくゼロに戻っただけ」「これだけでは選挙は戦えない」などと厳しい声が広がっている。
「残念なことに政権与党のしっかりとした仕事が国民の心に映っていません。」
この日午前10時から国会内で開かれた民主党の両院議員総会。衆参合わせ400人を超える議員を前に、鳩山首相は辞任を決意した理由を語り始めた。
「(普天間飛行場を)沖縄の外に移すため、半年間努力してきたが、残念ながら沖縄にご負担をお願いせざるを得なかった。」
鳩山首相は目を真っ赤にしながら「社民党を厳しい道に追い込んでしまった。その責任は取らなければならない」と述べると、自民党から新党さきがけ、民主党結成に至った経歴を振り返りながら「クリーンな政治」を作ることが、自民党を飛び出した動機だったと切り出した。
そして「自分自身が政治資金規正法違反の秘書を抱えていたなんて想像だにしていなかった」と語り、先月31日と今月1日の2回、小沢幹事長と会談した際、政治とカネの問題を巡って「私もひきます。しかし恐縮ですが、幹事長も職をひいていただきたい」と迫ったことを明らかにした。北海道教職員組合から陣営幹部が違法な資金を受け取っていたとされる小林千代美衆院議員(41)にも「その責めを負っていただきたい」と、壇上から辞職を求めた。
発言は約20分間も続き、鳩山首相は総会終了後、左隣に座っていた小沢幹事長と握手を交わしながら耳元に一言二言ささやき、小沢幹事長も口を真一文字に結んだまま2度小さくうなずいていた。』
宇宙人とか色々な鳥に例えられた鳩山さんだったが,私にはドンキホーテだったように思える.そして,小沢さんがサンチョ・パンサ,ロシナンテが民主党で,風車はもちろん米国である.普天間基地を沖縄から移転できるという妄想に囚われ失敗したのが辞任の直接の原因だろうが,私には鳩山さん自身のコミュニケーション能力不足が首相としての指導力不足につながり選挙を目前に党内で孤立したように見える.
テレビで見ていて興味深かったのは,鳩山さんのおかげであれだけ基地問題が全国的に注目されるようになったのに,沖縄の人たちはまったく評価していなかったことだ.前政権だったらニュースにもならなかった話だろうが,前政権が米国に約束したものを本気で覆せるとでも沖縄の人たちは思っていたのだろうか.私は,風車に立ち向かうように無謀な事だったが,少なくともこの問題を全国民レベルに提起したことは評価していいのではないかと思う.
ただ,やはり米国に相手にされなければ意味がないし,自分で自分の首を絞めるような結果になったのも賢いやり方ではなかっただろう.それに,そんな戦後処理を短時間で解決することにエネルギーをつぎ込むよりも雇用や医療そして教育といった内政面でまだまだやる事があったようにも思う.
鳩山さんなりに政治家としての理念という物があったのは理解できるが,誰が首相になってもそれほど社会の仕組みや人間が急に変化するはずはないのである.基地問題解決の焦りもあったかもしれないが,自分の理念や考え方が国民に浸透するまでもう少し待つ心の余裕は持てなかったのだろうか.私的にはもう少しだけドンキホーテの冒険を見てみたかったような気がするので残念な結末だった.
「私も職をひきます。幹事長も職をひいていただきたい。」
2日午前、突如、辞任を表明した鳩山首相が明らかにしたのは、小沢一郎幹事長からも、辞任の了解を取り付けたという事実だった。政権交代前から、代表と幹事長という2人のトップを巡る「政治とカネ」の問題で揺れ続けてきた民主党。最近は普天間問題での迷走や社民党の政権離脱などで、支持率がさらに低下し、夏の参院選を前にして「退陣論」には抗しきれなかった。それでも党内には、「ようやくゼロに戻っただけ」「これだけでは選挙は戦えない」などと厳しい声が広がっている。
「残念なことに政権与党のしっかりとした仕事が国民の心に映っていません。」
この日午前10時から国会内で開かれた民主党の両院議員総会。衆参合わせ400人を超える議員を前に、鳩山首相は辞任を決意した理由を語り始めた。
「(普天間飛行場を)沖縄の外に移すため、半年間努力してきたが、残念ながら沖縄にご負担をお願いせざるを得なかった。」
鳩山首相は目を真っ赤にしながら「社民党を厳しい道に追い込んでしまった。その責任は取らなければならない」と述べると、自民党から新党さきがけ、民主党結成に至った経歴を振り返りながら「クリーンな政治」を作ることが、自民党を飛び出した動機だったと切り出した。
そして「自分自身が政治資金規正法違反の秘書を抱えていたなんて想像だにしていなかった」と語り、先月31日と今月1日の2回、小沢幹事長と会談した際、政治とカネの問題を巡って「私もひきます。しかし恐縮ですが、幹事長も職をひいていただきたい」と迫ったことを明らかにした。北海道教職員組合から陣営幹部が違法な資金を受け取っていたとされる小林千代美衆院議員(41)にも「その責めを負っていただきたい」と、壇上から辞職を求めた。
発言は約20分間も続き、鳩山首相は総会終了後、左隣に座っていた小沢幹事長と握手を交わしながら耳元に一言二言ささやき、小沢幹事長も口を真一文字に結んだまま2度小さくうなずいていた。』
宇宙人とか色々な鳥に例えられた鳩山さんだったが,私にはドンキホーテだったように思える.そして,小沢さんがサンチョ・パンサ,ロシナンテが民主党で,風車はもちろん米国である.普天間基地を沖縄から移転できるという妄想に囚われ失敗したのが辞任の直接の原因だろうが,私には鳩山さん自身のコミュニケーション能力不足が首相としての指導力不足につながり選挙を目前に党内で孤立したように見える.
テレビで見ていて興味深かったのは,鳩山さんのおかげであれだけ基地問題が全国的に注目されるようになったのに,沖縄の人たちはまったく評価していなかったことだ.前政権だったらニュースにもならなかった話だろうが,前政権が米国に約束したものを本気で覆せるとでも沖縄の人たちは思っていたのだろうか.私は,風車に立ち向かうように無謀な事だったが,少なくともこの問題を全国民レベルに提起したことは評価していいのではないかと思う.
ただ,やはり米国に相手にされなければ意味がないし,自分で自分の首を絞めるような結果になったのも賢いやり方ではなかっただろう.それに,そんな戦後処理を短時間で解決することにエネルギーをつぎ込むよりも雇用や医療そして教育といった内政面でまだまだやる事があったようにも思う.
鳩山さんなりに政治家としての理念という物があったのは理解できるが,誰が首相になってもそれほど社会の仕組みや人間が急に変化するはずはないのである.基地問題解決の焦りもあったかもしれないが,自分の理念や考え方が国民に浸透するまでもう少し待つ心の余裕は持てなかったのだろうか.私的にはもう少しだけドンキホーテの冒険を見てみたかったような気がするので残念な結末だった.
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