コンビニの次は無用ですか
2009年9月21日 医療の問題 コメント (3)『 新型インフル「陰性証明」求め無用受診殺到
新型インフルエンザの流行が広がる中、「感染していない」証明のために簡易検査を求める人の受診が相次ぎ、医療現場で混乱を招いている。
幼稚園や保育園、学校、会社などが、感染の拡大を恐れ、検査を受けるよう求めるためとみられるが、医師らは「少しの発熱で受診して、医療機関で逆に感染したり、重症者の治療が遅れたりする危険もある」として、無用な検査受診をしないよう訴えている。
東京・文京区の森こどもクリニック。新型インフルエンザが増え始めた夏ごろから、「微熱程度でも、幼稚園に行くのには、検査で陰性の証明が必要と言われた」「子どもの発熱がインフルエンザでないという検査結果がないと、夫が出社できない」などの理由で受診する例が増えた。
インフルエンザは高熱やせきなどが特徴だが、症状から明らかに違う人もいる。森蘭子院長は「検査は不要と説明して理解いただくのに時間がかかり他の患者の待ち時間も長くなる」とため息をつく。さいたま市で先月開かれた日本外来小児科学会でも、全国の医師から同様の声が上がった。
同区教育委員会は「季節性インフルエンザなどでも治癒証明書は求めているが、検査結果を必要とはしていない」と話す。文部科学省でも「出席停止などは校長の判断だが、検査は指導していない」としている。
大阪府門真市のばば小児科でも9月に入り、「幼稚園のクラスで感染者が出て、園から検査を求められている」「家族が感染したので、子どもにうつっていないか、保育園に証明を出さなければならない」などの受診が増え、これまでに約30人を検査したという。だが、「簡易検査キットが不足し始めている。出荷を制限せざるを得ないかもしれない」と、検査機器業者に聞かされ、症状がない人の検査は行わないことを決めた。
沖縄県では、検査などを求める受診者の増加が医師の負担につながるとして、先月中旬、「完治証明書などは必要ありません」との県知事メッセージを発表。症状のない人の受診を控えるよう求めている。
そもそも、簡易検査で陰性だからといって、「感染していない」ことの証明にはならない。米疾病対策センター(CDC)によると、感染していても陽性となる確率は10-70%。感染当初は検査しても陰性に出ることも多い。
日本小児科学会長の横田俊平・横浜市立大小児科教授は「このままでは検査キットが足りなくなり、ピーク時に重症の患者の検査に使えなくなる危険もある。必要のない検査は控えてほしい」と呼びかけている。』
まったく馬鹿げた話だが,医師の証明書があれば感染しないとでも思っているのだろうか.そもそも検査が必要かどうかは医師が判断することで希望に従ってするものではないだろう.意味のない検査をして流行時に検査ができなくなってもいいのなら別にかまわないが,その時になって気がついても困るのは自分たちだということは知らないらしい.
癌や心臓病や脳卒中に比べればはるかに死亡率の低く,ほとんど季節性インフルエンザと差がないものに何を大騒ぎしているのだろうか.情報が正確に伝わらないから正常な判断ができないのだろうが,無知ゆえに過剰に反応してしまう人たちにも問題があるのだろう.
先日,我が家にも小学校から印刷物が届き,「熱があったり,風邪のような症状がある場合は病院にかかってください.」みたいなことが書いてあったが,これでは普通の風邪との違いはないわけで,なんでもいいから気になったら病院へ行くように勧めているのと同じように思えた.
もっとも,モンスターペアレントのことも考えたらこんな表現しか出来ないのかもしれないが,結局は親の判断にまかせるしかないわけで,なんとなく心配だから受診し,検査が陰性で安心するという短絡的な思考がまん延することになっているのではないだろうか.
わが国の健康保険は無駄な診療ができるほどの保険料があるわけではないし,医師の数だって十分なわけではないのでコンビニ受診どころか無用受診なんてする余裕はないはずだが,そんなことを言ってもわからない人たちに対しては,いずれ超過サービス分にたいして相応の自己負担をしてもらうようにしてもわなければならなくなるのではないだろうか.
新型インフルエンザの流行が広がる中、「感染していない」証明のために簡易検査を求める人の受診が相次ぎ、医療現場で混乱を招いている。
幼稚園や保育園、学校、会社などが、感染の拡大を恐れ、検査を受けるよう求めるためとみられるが、医師らは「少しの発熱で受診して、医療機関で逆に感染したり、重症者の治療が遅れたりする危険もある」として、無用な検査受診をしないよう訴えている。
東京・文京区の森こどもクリニック。新型インフルエンザが増え始めた夏ごろから、「微熱程度でも、幼稚園に行くのには、検査で陰性の証明が必要と言われた」「子どもの発熱がインフルエンザでないという検査結果がないと、夫が出社できない」などの理由で受診する例が増えた。
インフルエンザは高熱やせきなどが特徴だが、症状から明らかに違う人もいる。森蘭子院長は「検査は不要と説明して理解いただくのに時間がかかり他の患者の待ち時間も長くなる」とため息をつく。さいたま市で先月開かれた日本外来小児科学会でも、全国の医師から同様の声が上がった。
同区教育委員会は「季節性インフルエンザなどでも治癒証明書は求めているが、検査結果を必要とはしていない」と話す。文部科学省でも「出席停止などは校長の判断だが、検査は指導していない」としている。
大阪府門真市のばば小児科でも9月に入り、「幼稚園のクラスで感染者が出て、園から検査を求められている」「家族が感染したので、子どもにうつっていないか、保育園に証明を出さなければならない」などの受診が増え、これまでに約30人を検査したという。だが、「簡易検査キットが不足し始めている。出荷を制限せざるを得ないかもしれない」と、検査機器業者に聞かされ、症状がない人の検査は行わないことを決めた。
沖縄県では、検査などを求める受診者の増加が医師の負担につながるとして、先月中旬、「完治証明書などは必要ありません」との県知事メッセージを発表。症状のない人の受診を控えるよう求めている。
そもそも、簡易検査で陰性だからといって、「感染していない」ことの証明にはならない。米疾病対策センター(CDC)によると、感染していても陽性となる確率は10-70%。感染当初は検査しても陰性に出ることも多い。
日本小児科学会長の横田俊平・横浜市立大小児科教授は「このままでは検査キットが足りなくなり、ピーク時に重症の患者の検査に使えなくなる危険もある。必要のない検査は控えてほしい」と呼びかけている。』
まったく馬鹿げた話だが,医師の証明書があれば感染しないとでも思っているのだろうか.そもそも検査が必要かどうかは医師が判断することで希望に従ってするものではないだろう.意味のない検査をして流行時に検査ができなくなってもいいのなら別にかまわないが,その時になって気がついても困るのは自分たちだということは知らないらしい.
癌や心臓病や脳卒中に比べればはるかに死亡率の低く,ほとんど季節性インフルエンザと差がないものに何を大騒ぎしているのだろうか.情報が正確に伝わらないから正常な判断ができないのだろうが,無知ゆえに過剰に反応してしまう人たちにも問題があるのだろう.
先日,我が家にも小学校から印刷物が届き,「熱があったり,風邪のような症状がある場合は病院にかかってください.」みたいなことが書いてあったが,これでは普通の風邪との違いはないわけで,なんでもいいから気になったら病院へ行くように勧めているのと同じように思えた.
もっとも,モンスターペアレントのことも考えたらこんな表現しか出来ないのかもしれないが,結局は親の判断にまかせるしかないわけで,なんとなく心配だから受診し,検査が陰性で安心するという短絡的な思考がまん延することになっているのではないだろうか.
わが国の健康保険は無駄な診療ができるほどの保険料があるわけではないし,医師の数だって十分なわけではないのでコンビニ受診どころか無用受診なんてする余裕はないはずだが,そんなことを言ってもわからない人たちに対しては,いずれ超過サービス分にたいして相応の自己負担をしてもらうようにしてもわなければならなくなるのではないだろうか.
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