待ち人現る?(その2)
 先日,何年も待っていたレンズに出会ったばかりなのに,今度は何度も見かけていたのにあまり気にも留めていなかったカメラに手を出してしまった.今までお高くとまっているように見えて興味がなかったのが,ちょっとしたきっかけで急に親しくなってつき合ってみることにしたという感じである.

 このカメラはRTSシリーズの3代目なのであるが,初代のRTSというのが大学の手術室の顕微鏡に付いていて,手術の前日にフィルムを入れて顕微鏡をガス滅菌するのが新入医局員の仕事だったのである.そして,手術中にフットスイッチでシャッターを切るのも重要な仕事だった.新入医局員は顕微鏡を使う手術なんかできないのでいつか術者になって自分の手術の写真を撮るのが夢だったものである.

 しかし,顕微鏡を使う手術ができるようになった頃にはデジタル化された手術ビデオからの画像キャプチャとデジタルカメラの普及でついに自分の手術のスライドをRTSで撮影する機会はなかったのである.今になって思えばフィルムで残しておきたかったような気もするが,このRTSシリーズも生産中止になってすでに4年になろうとしている.

 使ってみればわかるが,このカメラは性能はいいのだろうがはっきり言って操作性はあまり良くない.だが,これを使わずしてツアイスレンズを語る事はできないという説もあるらしい.でも結局は使う人の技術に依るのだろうが,まあ,趣味なんだから細かい事は気にしないで,大きく重いカメラには大きく立派なレンズが似合うというのを楽しめればいいのである.


コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索