火に油をそそぐつもりか?
2008年5月20日 医療の問題 コメント (3)『ネットで横行、患者中傷 医療事故被害者が標的に 遺族ら実態把握や対策検討 悪質事例は刑事告訴も
医療事故で亡くなった患者や家族らを中傷する内容の書き込みがインターネット上で横行しているとして、事故被害者の遺族らが18日までに、実態把握や防止策の検討に乗り出した。悪質な事例については、刑事告訴も辞さない方針だ。
遺族らは「偏見に満ちた書き込みが、医師専用の掲示板や医師を名乗る人物によるブログに多い。悲しみの中で事故の再発防止を願う患者や遺族の思いを踏みにじる行為で、許し難い」と指摘。
厚生労働省も情報を入手しており、悪質なケースで医師の関与が確認された場合は、医道審議会で行政処分を検討する。
中傷を受けた遺族や支援する弁護士ら約20人は4月、大阪で対策協議会を開催。日弁連人権擁護委員の弁護士も出席した。会場では被害報告が続出し、今後も情報交換を続け、対応を検討することを確認した。
メンバーの1人で高校教諭勝村久司(かつむら・ひさし)さん(46)=京都府=によると、中傷は「事故の責任は医師にはなく、悪いのは患者」といった趣旨が多い。2004年に福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた女性=当時(29)=が死亡した事故で、06年2月に産婦人科医(40)が逮捕された直後から目立ち始めたという。
対策協議会が集めた資料によると、この事故をめぐっては今年1月、医師専用の掲示板に、被害者の家族を攻撃する書き込みがあった。
この掲示板は医師を対象とした会員制。06年10月にも、奈良県内の病院で同年8月に起きた医療事故により死亡した妊婦=当時(32)=の夫への悪質な中傷が載った。県警は書き込んだ医師を特定。奈良区検が侮辱罪でこの医師を略式起訴し、昨年9月に奈良簡裁が科料9000円の略式命令を出した。
掲示板の運営会社(東京)は「奈良の事件後、すべての書き込みをチェックし、不適切と判断したものを削除するなどの対策を取っている」としている。』
福島県立大野病院産科医逮捕事件から学んだことをまとめてみよう.
1.本来,患者が事前に医師を選ぶことができる産科で家族との信頼関係の上で行ったはずの医療行為であっても,結果が悪ければ刑事告訴も辞さない家族がいること.
2.患者さんのために劣悪な労働環境に耐えて働いた実績があっても,警察やマスコミは医師に敬意を払ったりはしてくれないこと.
3.医師専用のはずの掲示板で医師仲間で不満をぶちまけても,それがマスコミを通じて一般社会に流布されてしまうこと.
4.患者が医師の悪口を言うことには寛大な社会も,医師が患者や家族の悪口を言うことは決して許さないであろうこと.
5.医師の高い倫理観や使命感などというものも,今や医師や患者の単なる理想に過ぎなくなり,現実には医療の現場も成果主義になったということ.
あの事件以来,いつ自分が業務上過失致死で逮捕されるかと心配している医師も多いと思われるが,その不安や不満のはけ口となっている医師専用掲示板での発言に対しても刑事告訴も辞さない方針なのだとしたら,溜まったストレスはいったいどこへ向かうのだろうか.
患者も医師もお互いの立場を理解してあげることが必要だと思うのだが,この調子ではそれも無理みたいな感じがする.それとも誰かが患者と医師の対立を煽って医療費抑制あるいは医療崩壊をすすめようとでもしているのだろうか.
なんだかよくわからないが,とりあえず8月20日の判決を待つことにしよう.
医療事故で亡くなった患者や家族らを中傷する内容の書き込みがインターネット上で横行しているとして、事故被害者の遺族らが18日までに、実態把握や防止策の検討に乗り出した。悪質な事例については、刑事告訴も辞さない方針だ。
遺族らは「偏見に満ちた書き込みが、医師専用の掲示板や医師を名乗る人物によるブログに多い。悲しみの中で事故の再発防止を願う患者や遺族の思いを踏みにじる行為で、許し難い」と指摘。
厚生労働省も情報を入手しており、悪質なケースで医師の関与が確認された場合は、医道審議会で行政処分を検討する。
中傷を受けた遺族や支援する弁護士ら約20人は4月、大阪で対策協議会を開催。日弁連人権擁護委員の弁護士も出席した。会場では被害報告が続出し、今後も情報交換を続け、対応を検討することを確認した。
メンバーの1人で高校教諭勝村久司(かつむら・ひさし)さん(46)=京都府=によると、中傷は「事故の責任は医師にはなく、悪いのは患者」といった趣旨が多い。2004年に福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた女性=当時(29)=が死亡した事故で、06年2月に産婦人科医(40)が逮捕された直後から目立ち始めたという。
対策協議会が集めた資料によると、この事故をめぐっては今年1月、医師専用の掲示板に、被害者の家族を攻撃する書き込みがあった。
この掲示板は医師を対象とした会員制。06年10月にも、奈良県内の病院で同年8月に起きた医療事故により死亡した妊婦=当時(32)=の夫への悪質な中傷が載った。県警は書き込んだ医師を特定。奈良区検が侮辱罪でこの医師を略式起訴し、昨年9月に奈良簡裁が科料9000円の略式命令を出した。
掲示板の運営会社(東京)は「奈良の事件後、すべての書き込みをチェックし、不適切と判断したものを削除するなどの対策を取っている」としている。』
福島県立大野病院産科医逮捕事件から学んだことをまとめてみよう.
1.本来,患者が事前に医師を選ぶことができる産科で家族との信頼関係の上で行ったはずの医療行為であっても,結果が悪ければ刑事告訴も辞さない家族がいること.
2.患者さんのために劣悪な労働環境に耐えて働いた実績があっても,警察やマスコミは医師に敬意を払ったりはしてくれないこと.
3.医師専用のはずの掲示板で医師仲間で不満をぶちまけても,それがマスコミを通じて一般社会に流布されてしまうこと.
4.患者が医師の悪口を言うことには寛大な社会も,医師が患者や家族の悪口を言うことは決して許さないであろうこと.
5.医師の高い倫理観や使命感などというものも,今や医師や患者の単なる理想に過ぎなくなり,現実には医療の現場も成果主義になったということ.
あの事件以来,いつ自分が業務上過失致死で逮捕されるかと心配している医師も多いと思われるが,その不安や不満のはけ口となっている医師専用掲示板での発言に対しても刑事告訴も辞さない方針なのだとしたら,溜まったストレスはいったいどこへ向かうのだろうか.
患者も医師もお互いの立場を理解してあげることが必要だと思うのだが,この調子ではそれも無理みたいな感じがする.それとも誰かが患者と医師の対立を煽って医療費抑制あるいは医療崩壊をすすめようとでもしているのだろうか.
なんだかよくわからないが,とりあえず8月20日の判決を待つことにしよう.
コメント
これついては些か首を傾げたくなりましたが、
それもこれまで続いていた崩壊のダウンスパイラルにおける
弊害の一つなのでしょう。
思うに、マスゴミも一部不心得者の患者も
そろって医者は高給取りの貴族だから、やっかみ半分に多少叩いてもOKという
本当に軽い気持ちでのことではないでしょうか。
軽い気持ち、スナック感覚でのことだけに事態はより深刻ですが。
知人に勤務医がおりましたが、彼の勤務実態を話半分に聞いた限りですら
一般サラリーマンに毛が生えた程度の基本給でしかなく
高給取りである所以はその殺人的にまで長く厳しい拘束時間によるものが大半ではないのかというのが私の率直な感想です。
命のやり取りをして、ミスをすれば即ブタ箱行きともなるリスキーな仕事内容ならば
理想や理念はありこそすれ、誰もが逃げ腰になるのは人情でしょう。
確かにこれまでに一部悪質な医療関係者がいたことも事実ですし、
医療事故の事例の徹底検証と予防策再発防止策は引き続き
行われ続けられなければなりません。
医者といえど人間ですから必ずミスをします。
診療中のちょっとしたジョークですらハラスメントとして
やり玉に上げられる神経症的な気持ち悪い世相です。
性善説でお医者さんを聖人君主か超人か何かと勘違いしている人のなんと多いことか。
その一方で
自身は絶対に傷つかない安全な高いところから一方的に
ステロ的な正義論を振りかざし、
ヒステリックに責め立てる被害者やマスコミには
大いに憤りと不快感を感じますし、自省をしてもらいたいのです。
現に結果として医療関係者を萎縮させ、本来受けられるはずの医療が
段々と受けられ難くなっているのですから。
それと、老婆心ながら
もうネット上での愚痴はミクシ等の閉鎖された間柄でさえ
出来ないものという認識でいたほうが良いのではないでしょうか。
ハゲタカどもは常にエサを求めて徘徊していますし、
裏切り者はどこの世界にでもいるものです。
お医者さんの裏話なんてものは格好の標的なのではないでしょうか。
医師は人間の生死に関わり、普通の人達とより、辛い、哀しい場面に遭遇するでしょうね。でも、死んでも、人体を解剖して、それを、面白、おかしく、ミクシィで公開する輩が、医師になるかもしれないのです。一人の医学生がこのようなことをしたからと、多くの真面目で真摯な医学生、医師達を誹謗するつもりはありませんが。
でも、やはり、このmixyの件を考えると、コワイですね。勉強は出来ても、人間の、人体の尊厳をわきまえない人、身体の弱っている人、患者、その家族の立場を理解しない人が、医師になるのは、どうも。医師であることを、ある意味で特権階級でもあるかもような、驕りが、いつか、大きな間違いを犯すのではないのでしょうか。