もっと自転車に乗りたい
2008年4月15日 社会の問題『自工会:自転車との「共存」対策に本腰 専用道整備など
自動車メーカー14社で構成する業界団体「日本自動車工業会」が、春の全国交通安全運動(15日まで)に合わせ「自転車も車道を走る仲間です」と自転車との共存を打ち出している。国も自転車専用道路の整備を進める。自転車を取り巻く状況は今、どうなっているのか。
--
「私たちが入社したころは、メーカーの競争はいかに車を速く走らせるかで、環境を口にする人はいなかった」。トヨタ自動車幹部は振り返る。「それが最近、入社試験の面接で『環境問題に取り組みたい』という学生が多くなった」
自工会は67年、「自動車工業の健全な発展を図る」ことを目的に設立された。事業内容は自動車の(1)生産、流通などの調査(2)生産の合理化(3)貿易及び国際交流に関する施策−−などで、車が中心だ。
ところが今月、自工会は自転車対策を検討するワーキンググループをつくり、具体的な検討に着手した。自転車が安全通行できる専用道路の整備、車の走行ルールやマナーについて検討する。中山章交通統括部長は「車メーカーは自転車については門外漢だが、車やオートバイを運転する人の視点に立ち、どうすれば対自転車の事故を防げるかということを重点に、検討を進めていきたい」と話す。
--
日本の交通事故死者を歩行中、自転車乗用中、乗用車乗車中などの状態別で分析すると、他国に比べ自転車乗用中が目立って多い。
警察庁によると、07年に起きた自転車の交通事故は17万1018件(06年比1.9%減)で、交通事故全体の約2割を占める。交通事故死者に占める自転車乗用中の割合は14.9%。欧米では▽ドイツ9.5%▽フランス3.8%▽英国4.5%▽米国1.8%(いずれも06年)で、日本は突出している。
自転車対策は国レベルで始まっている。自転車は車道通行が原則だが、13歳未満の児童・生徒、幼児、70歳以上の高齢者、身体障害者は歩道通行を認める改正道路交通法が6月に施行される。
法案の検討過程で「自転車が安全に車道を走れる道路がほしい」と要望が寄せられ、警察庁と国土交通省は、自転車のみの通行を認める自転車道の整備に取り組み始めた。全国98カ所のモデル地区を整備し、東京、新潟市などでは既に供用を開始。「車を気にしなくて走れて安心」と住民などに好評だ。
禁止するはずだった3人乗りは、子ども2人を乗せざるを得ない母親らからの要望で、警察庁は容認を検討している。
--
自転車の「権利」がにわかに注目された背景には、環境保護がある。自転車は排ガスもなく、今後も利用が増えると予想される一方で、専用の走行空間が不十分など、対策が遅れていた。
自工会の自転車対策について、警察庁交通企画課の池田克史交通安全企画官は「車との共存は自転車対策の大きな柱で大変有意義なこと」と話す。交通評論家の角本良平さんは「やっと車中心社会から日本が脱し始めた。自転車道整備はパリなど欧州で進んでおり、世界的な流れになっている」と評価する。』
道路交通法では自転車は車道を走らなければならないそうだが,交通事故死者に占める自転車乗用中の割合が14.9%と聞いては怖くて車道は走れない.自分も車を運転していると自転車ほど邪魔なものはないのもわかるが,自分が自転車で長距離を走るようになり怖い思いを何度かしたら,自転車で走っている人をみると十分に距離をとって避けるようになった.しかし,自転車に乗っていない人には自転車に乗っている人の怖さはきっとわからないだろう.
自転車は路側帯を走るものと思っている人が多いのだろうが,道路交通法にはそんな決まりはないし,路側帯にはゴミや砂がたまっていたり,舗装が悪くてデコボコしていたり,排水のために段差や傾斜があって安定した直進さえ難しいところもたくさんあるのである.
こういう事実があるので,今のままで厳密に自転車が車道を走行することになれば,自転車は交通の妨げになるのは明らかなのである.だから,真面目に自転車に乗ろうと思えば自転車が安全に車道を走れる自転車道が必要なのも当然なのだ.
私の住んでいるあたりには自転車道がないし,道路は交通量が多い上に路上の駐停車も多いからとても車道なんか走れない.だから,子供と自転車に乗る時には歩道を走るしかないのである.13歳未満は歩道通行を認めるって言われても子供だけ歩道を走るなんてことは非現実的だし,私だけ危険な車道を走るのもお断りである.警察庁と国土交通省はそんなことは想定外だったのだろうか.
「禁止するはずだった3人乗りは、子ども2人を乗せざるを得ない母親らからの要望で、警察庁は容認を検討している」というのもおかしな話だ.そもそも自転車の2人乗りや3人乗りを禁止する理由はなんなのだろうか.まず,その辺りの合理的な説明がないと禁止する根拠に欠けるのではないだろうか.子供の危険を避けるというのなら幼児を前後に乗せての3人乗りは転倒すれば確かに危険だろうが,小学生が2人乗りするのとどっちが危険なのかは自転車の耐荷重などの物理的問題も含めてよく考えてみる必要があるのではないだろうか.
自転車は健康に良さそうだし,環境にも良いそうなので,私はもっと自転車に乗りたいのだが,実際には満足に車道を走れないのに法律だけが先行しているのが今の状況である.私の街にも自転車道をたくさん作ってもらいたいものである.
自動車メーカー14社で構成する業界団体「日本自動車工業会」が、春の全国交通安全運動(15日まで)に合わせ「自転車も車道を走る仲間です」と自転車との共存を打ち出している。国も自転車専用道路の整備を進める。自転車を取り巻く状況は今、どうなっているのか。
--
「私たちが入社したころは、メーカーの競争はいかに車を速く走らせるかで、環境を口にする人はいなかった」。トヨタ自動車幹部は振り返る。「それが最近、入社試験の面接で『環境問題に取り組みたい』という学生が多くなった」
自工会は67年、「自動車工業の健全な発展を図る」ことを目的に設立された。事業内容は自動車の(1)生産、流通などの調査(2)生産の合理化(3)貿易及び国際交流に関する施策−−などで、車が中心だ。
ところが今月、自工会は自転車対策を検討するワーキンググループをつくり、具体的な検討に着手した。自転車が安全通行できる専用道路の整備、車の走行ルールやマナーについて検討する。中山章交通統括部長は「車メーカーは自転車については門外漢だが、車やオートバイを運転する人の視点に立ち、どうすれば対自転車の事故を防げるかということを重点に、検討を進めていきたい」と話す。
--
日本の交通事故死者を歩行中、自転車乗用中、乗用車乗車中などの状態別で分析すると、他国に比べ自転車乗用中が目立って多い。
警察庁によると、07年に起きた自転車の交通事故は17万1018件(06年比1.9%減)で、交通事故全体の約2割を占める。交通事故死者に占める自転車乗用中の割合は14.9%。欧米では▽ドイツ9.5%▽フランス3.8%▽英国4.5%▽米国1.8%(いずれも06年)で、日本は突出している。
自転車対策は国レベルで始まっている。自転車は車道通行が原則だが、13歳未満の児童・生徒、幼児、70歳以上の高齢者、身体障害者は歩道通行を認める改正道路交通法が6月に施行される。
法案の検討過程で「自転車が安全に車道を走れる道路がほしい」と要望が寄せられ、警察庁と国土交通省は、自転車のみの通行を認める自転車道の整備に取り組み始めた。全国98カ所のモデル地区を整備し、東京、新潟市などでは既に供用を開始。「車を気にしなくて走れて安心」と住民などに好評だ。
禁止するはずだった3人乗りは、子ども2人を乗せざるを得ない母親らからの要望で、警察庁は容認を検討している。
--
自転車の「権利」がにわかに注目された背景には、環境保護がある。自転車は排ガスもなく、今後も利用が増えると予想される一方で、専用の走行空間が不十分など、対策が遅れていた。
自工会の自転車対策について、警察庁交通企画課の池田克史交通安全企画官は「車との共存は自転車対策の大きな柱で大変有意義なこと」と話す。交通評論家の角本良平さんは「やっと車中心社会から日本が脱し始めた。自転車道整備はパリなど欧州で進んでおり、世界的な流れになっている」と評価する。』
道路交通法では自転車は車道を走らなければならないそうだが,交通事故死者に占める自転車乗用中の割合が14.9%と聞いては怖くて車道は走れない.自分も車を運転していると自転車ほど邪魔なものはないのもわかるが,自分が自転車で長距離を走るようになり怖い思いを何度かしたら,自転車で走っている人をみると十分に距離をとって避けるようになった.しかし,自転車に乗っていない人には自転車に乗っている人の怖さはきっとわからないだろう.
自転車は路側帯を走るものと思っている人が多いのだろうが,道路交通法にはそんな決まりはないし,路側帯にはゴミや砂がたまっていたり,舗装が悪くてデコボコしていたり,排水のために段差や傾斜があって安定した直進さえ難しいところもたくさんあるのである.
こういう事実があるので,今のままで厳密に自転車が車道を走行することになれば,自転車は交通の妨げになるのは明らかなのである.だから,真面目に自転車に乗ろうと思えば自転車が安全に車道を走れる自転車道が必要なのも当然なのだ.
私の住んでいるあたりには自転車道がないし,道路は交通量が多い上に路上の駐停車も多いからとても車道なんか走れない.だから,子供と自転車に乗る時には歩道を走るしかないのである.13歳未満は歩道通行を認めるって言われても子供だけ歩道を走るなんてことは非現実的だし,私だけ危険な車道を走るのもお断りである.警察庁と国土交通省はそんなことは想定外だったのだろうか.
「禁止するはずだった3人乗りは、子ども2人を乗せざるを得ない母親らからの要望で、警察庁は容認を検討している」というのもおかしな話だ.そもそも自転車の2人乗りや3人乗りを禁止する理由はなんなのだろうか.まず,その辺りの合理的な説明がないと禁止する根拠に欠けるのではないだろうか.子供の危険を避けるというのなら幼児を前後に乗せての3人乗りは転倒すれば確かに危険だろうが,小学生が2人乗りするのとどっちが危険なのかは自転車の耐荷重などの物理的問題も含めてよく考えてみる必要があるのではないだろうか.
自転車は健康に良さそうだし,環境にも良いそうなので,私はもっと自転車に乗りたいのだが,実際には満足に車道を走れないのに法律だけが先行しているのが今の状況である.私の街にも自転車道をたくさん作ってもらいたいものである.
コメント