『「花子」の死から1年 ゾウのいない円山動物園 希少動物、コスト高く
札幌市円山動物園の人気者だったアジアゾウの「花子」(雌)が死んで二十八日で一年。同園には今も「ゾウはいないの?」と、寂しそうに尋ねてくる市民がいる。だが、ゾウはワシントン条約で輸入に制限がある上、札幌市では財政事情の厳しさもあって、新しいゾウの導入は難しい。花子がやって来たのは一九五三年。以来、半世紀以上ゾウは市民に親しまれてきた。同園で再びゾウを飼育すべきか。市は花子の一周忌を機に、市民論議を喚起したい考えだ。
花子は昨年一月二十八日朝、獣舎の中で静かに息を引き取った。推定六十歳、人間で言えば百歳を超えていた。死因は老衰。大往生だった。
花子の一生は、円山動物園の歩みとほぼ重なる。戦後の復興期の五一年、同園はオープンした。花子はその二年後、長野県で開かれていた「世界動物博覧会」で同園が購入。以来、巨体に似合わぬ愛らしいしぐさが親しまれ続けた。
その「アイドル」が不在となってもう一年だ。今でも「一日一回はゾウがいなくて寂しかったという声を聞きます」と、同園前で客待ちするタクシー運転手吉田尚司さん(50)は言う。
花子の後継のゾウを迎えるのは容易ではない。理由の一つはワシントン条約。ゾウは世界的に絶滅の恐れがあり、国際取引が規制されているためだ。
さらに、札幌市の台所事情も大きい。日本動物園水族館協会のゾウ管理基準で、種の保存のため、飼育の際は繁殖が期待できる雌雄を一緒に飼わなければならないとされている。このため、獣舎は雄向けの頑丈なものが新たに必要となり、獣舎改修だけでも数億円の費用が必要となる可能性がある。これまでゾウは雌の飼育経験しかない同園にとっては「そうやすやすと支出可能な金額ではない」(同園経営管理課)。
円山動物園は花子の一周忌に合わせて二十六日から二月二十四日まで、追悼イベント「アジアゾウ『花子』を振り返る」を開催。体高約二メートル、体長約四メートルにおよぶ花子の全身骨格標本を初めて公開する。
期間中の同二日には上田文雄市長と市内の大学生がゾウの今後を話し合うシンポジウムを開く予定だ。同園は「札幌にゾウが必要かどうか。市民の考えをこれからも聞いていきたい」と話している。』
獣舎も改築してゾウを入れるとなると10億円ものお金がかかるそうだ.札幌市も財政は厳しいから大人の考えでは無理ということになるのだろう.学生との討論会では賛成と反対が半々だったようだ.
しかし,子供のためにゾウはやっぱり必要だと私は思う.陸上で最も大きくて最も力のある動物はゾウだからと言ったら笑われるだろうか.単純なようだが,とても大きくて,それが生きているということが子供たちに与えるものはお金にはかえられないと思うし,生きることの大切さを忘れているような大人たちにも何かを与えてくれるような気がするのだが,ゾウを入れるいい方法はないものだろうか.
札幌市円山動物園の人気者だったアジアゾウの「花子」(雌)が死んで二十八日で一年。同園には今も「ゾウはいないの?」と、寂しそうに尋ねてくる市民がいる。だが、ゾウはワシントン条約で輸入に制限がある上、札幌市では財政事情の厳しさもあって、新しいゾウの導入は難しい。花子がやって来たのは一九五三年。以来、半世紀以上ゾウは市民に親しまれてきた。同園で再びゾウを飼育すべきか。市は花子の一周忌を機に、市民論議を喚起したい考えだ。
花子は昨年一月二十八日朝、獣舎の中で静かに息を引き取った。推定六十歳、人間で言えば百歳を超えていた。死因は老衰。大往生だった。
花子の一生は、円山動物園の歩みとほぼ重なる。戦後の復興期の五一年、同園はオープンした。花子はその二年後、長野県で開かれていた「世界動物博覧会」で同園が購入。以来、巨体に似合わぬ愛らしいしぐさが親しまれ続けた。
その「アイドル」が不在となってもう一年だ。今でも「一日一回はゾウがいなくて寂しかったという声を聞きます」と、同園前で客待ちするタクシー運転手吉田尚司さん(50)は言う。
花子の後継のゾウを迎えるのは容易ではない。理由の一つはワシントン条約。ゾウは世界的に絶滅の恐れがあり、国際取引が規制されているためだ。
さらに、札幌市の台所事情も大きい。日本動物園水族館協会のゾウ管理基準で、種の保存のため、飼育の際は繁殖が期待できる雌雄を一緒に飼わなければならないとされている。このため、獣舎は雄向けの頑丈なものが新たに必要となり、獣舎改修だけでも数億円の費用が必要となる可能性がある。これまでゾウは雌の飼育経験しかない同園にとっては「そうやすやすと支出可能な金額ではない」(同園経営管理課)。
円山動物園は花子の一周忌に合わせて二十六日から二月二十四日まで、追悼イベント「アジアゾウ『花子』を振り返る」を開催。体高約二メートル、体長約四メートルにおよぶ花子の全身骨格標本を初めて公開する。
期間中の同二日には上田文雄市長と市内の大学生がゾウの今後を話し合うシンポジウムを開く予定だ。同園は「札幌にゾウが必要かどうか。市民の考えをこれからも聞いていきたい」と話している。』
獣舎も改築してゾウを入れるとなると10億円ものお金がかかるそうだ.札幌市も財政は厳しいから大人の考えでは無理ということになるのだろう.学生との討論会では賛成と反対が半々だったようだ.
しかし,子供のためにゾウはやっぱり必要だと私は思う.陸上で最も大きくて最も力のある動物はゾウだからと言ったら笑われるだろうか.単純なようだが,とても大きくて,それが生きているということが子供たちに与えるものはお金にはかえられないと思うし,生きることの大切さを忘れているような大人たちにも何かを与えてくれるような気がするのだが,ゾウを入れるいい方法はないものだろうか.
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