『左右取り違え開頭手術 血腫除去、40分遅れ 執刀医らが二重ミス 松江赤十字病院 (1)
松江赤十字病院(島根県松江市)で5月、80代の女性患者の左側頭部にできた急性硬膜下血腫の除去手術で、救急外来の医師と執刀した脳神経外科医が二重にミスをし、左右を取り違えて右側を開頭していたことが8日、分かった。
この取り違え事故で、血腫の除去は約40分遅れた。外部有識者でつくる病院の医療行為審議会は「血腫除去の遅れによる人体への影響がないとは言えない」との調査結果をまとめている。
女性は現在も入院中だが、術後の経過は順調という。
病院は女性と家族に謝罪。秦公平(はた・こうへい)院長は「大変申し訳ない。確認作業を徹底し、再発防止に努めたい」と話している。
病院が作成した事故報告書によると、女性は5月23日午後4時ごろ、自宅で車から降りる際に転倒。意識不明で同病院に救急搬送され、コンピューター断層撮影(CT)検査で脳挫傷と左急性硬膜下血腫と診断された。
すぐに左側頭部を開いて血腫を除去することになったが、救急外来の医師が勘違いし、右側頭部の髪をそった。同7時半ごろ、執刀を担当する脳神経外科医は誤りに気付かず、CT検査の結果も十分確認しないまま手術を開始。右側を開頭し、血腫が見つからなかったため取り違えに気付いた。
医師は家族に経緯を説明した上で右側頭部の骨片を戻し、左側をあらためて開頭して血腫を除去。手術は同10時すぎに終わった。
病院は取り違え事故の後、手術部位を実施前に声出し確認することなどを定めた誤認防止マニュアルを新たに作成した。
▽取り違え事故
取り違え事故 医師や看護師が医療行為中に患者を取り違えたり、手術部位を間違えたりする事故。思い込みや連携ミスが原因であることが多い。財団法人日本医療機能評価機構によると、医療事故情報の収集を始めた2004年10月から06年9月までに39件が報告されており、対策として手術部位に印をつけるマーキングや直前の再確認徹底を呼び掛けている。』
『原因は単純ミスが大半 背景に過酷な勤務実態も (2)
松江赤十字病院で発生した頭部の左右取り違え事故は、医師の確認ミスが重なったことが原因だった。取り違え事故に限らず多発する医療事故の原因は単純ミスが大半で、背景にはルールの不徹底のほかに医師不足による過酷な勤務実態もありそうだ。
医療事故情報の収集事業に取り組む財団法人日本医療機能評価機構(東京都)によると、過去3年間で報告された医療事故3000件のうち、頭部の左右取り違えは数件。CTの見間違いなど単純ミスが多く、防げた事故ばかりだった。
取り違えは頭よりも目や手など左右一対の部位が多く、集中的に調べた昨年7-9月だけでも全国で12件発生。機構の担当者は「左右取り違えは全国の病院から定期報告のように来ている。患者自体の取り違えも多く、減る傾向にない」と嘆く。
機構は、対策として(1)手術部位に印をつける(2)手術前の声出し確認(3)執刀医や看護師の手術指示書の熟読?などを挙げ、各病院でルール化し徹底することを求めている。
ルールの不徹底が事故の主な原因とみられるが、医師不足による勤務の過密化がミスを誘発している可能性も。担当者は「医療体制の見直しも含めた検討も必要では」と指摘している。』
救急外来の医師が間違えて,脳外科医は自分で画像の確認をせずに開頭したということでしょうか.これでは対策として手術部位に印をつけるマーキングをしただけではたぶん防げないでしょう.
日本医療機能評価機構の担当者の「左右取り違えは全国の病院から定期報告のように来ている。患者自体の取り違えも多く、減る傾向にない」という言葉は,こういう人的ミスはある一定の確率で起こり避けようが無いということを表しているのかもしれません.
ちょっと賛同できないのは,このような単純ミスの背景を過酷な勤務実態としたところです.疲労の蓄積により起こるミスというのは確かにあるのでしょうが,左右取り違えや患者取り違えというのは.ちょっと違うんじゃないかと思います.
それとも,医師叩きの次は医師不足や過重労働をことさらに取り上げるのが最近のマスコミの手法なのでしょうか.
松江赤十字病院(島根県松江市)で5月、80代の女性患者の左側頭部にできた急性硬膜下血腫の除去手術で、救急外来の医師と執刀した脳神経外科医が二重にミスをし、左右を取り違えて右側を開頭していたことが8日、分かった。
この取り違え事故で、血腫の除去は約40分遅れた。外部有識者でつくる病院の医療行為審議会は「血腫除去の遅れによる人体への影響がないとは言えない」との調査結果をまとめている。
女性は現在も入院中だが、術後の経過は順調という。
病院は女性と家族に謝罪。秦公平(はた・こうへい)院長は「大変申し訳ない。確認作業を徹底し、再発防止に努めたい」と話している。
病院が作成した事故報告書によると、女性は5月23日午後4時ごろ、自宅で車から降りる際に転倒。意識不明で同病院に救急搬送され、コンピューター断層撮影(CT)検査で脳挫傷と左急性硬膜下血腫と診断された。
すぐに左側頭部を開いて血腫を除去することになったが、救急外来の医師が勘違いし、右側頭部の髪をそった。同7時半ごろ、執刀を担当する脳神経外科医は誤りに気付かず、CT検査の結果も十分確認しないまま手術を開始。右側を開頭し、血腫が見つからなかったため取り違えに気付いた。
医師は家族に経緯を説明した上で右側頭部の骨片を戻し、左側をあらためて開頭して血腫を除去。手術は同10時すぎに終わった。
病院は取り違え事故の後、手術部位を実施前に声出し確認することなどを定めた誤認防止マニュアルを新たに作成した。
▽取り違え事故
取り違え事故 医師や看護師が医療行為中に患者を取り違えたり、手術部位を間違えたりする事故。思い込みや連携ミスが原因であることが多い。財団法人日本医療機能評価機構によると、医療事故情報の収集を始めた2004年10月から06年9月までに39件が報告されており、対策として手術部位に印をつけるマーキングや直前の再確認徹底を呼び掛けている。』
『原因は単純ミスが大半 背景に過酷な勤務実態も (2)
松江赤十字病院で発生した頭部の左右取り違え事故は、医師の確認ミスが重なったことが原因だった。取り違え事故に限らず多発する医療事故の原因は単純ミスが大半で、背景にはルールの不徹底のほかに医師不足による過酷な勤務実態もありそうだ。
医療事故情報の収集事業に取り組む財団法人日本医療機能評価機構(東京都)によると、過去3年間で報告された医療事故3000件のうち、頭部の左右取り違えは数件。CTの見間違いなど単純ミスが多く、防げた事故ばかりだった。
取り違えは頭よりも目や手など左右一対の部位が多く、集中的に調べた昨年7-9月だけでも全国で12件発生。機構の担当者は「左右取り違えは全国の病院から定期報告のように来ている。患者自体の取り違えも多く、減る傾向にない」と嘆く。
機構は、対策として(1)手術部位に印をつける(2)手術前の声出し確認(3)執刀医や看護師の手術指示書の熟読?などを挙げ、各病院でルール化し徹底することを求めている。
ルールの不徹底が事故の主な原因とみられるが、医師不足による勤務の過密化がミスを誘発している可能性も。担当者は「医療体制の見直しも含めた検討も必要では」と指摘している。』
救急外来の医師が間違えて,脳外科医は自分で画像の確認をせずに開頭したということでしょうか.これでは対策として手術部位に印をつけるマーキングをしただけではたぶん防げないでしょう.
日本医療機能評価機構の担当者の「左右取り違えは全国の病院から定期報告のように来ている。患者自体の取り違えも多く、減る傾向にない」という言葉は,こういう人的ミスはある一定の確率で起こり避けようが無いということを表しているのかもしれません.
ちょっと賛同できないのは,このような単純ミスの背景を過酷な勤務実態としたところです.疲労の蓄積により起こるミスというのは確かにあるのでしょうが,左右取り違えや患者取り違えというのは.ちょっと違うんじゃないかと思います.
それとも,医師叩きの次は医師不足や過重労働をことさらに取り上げるのが最近のマスコミの手法なのでしょうか.
コメント
医療関係は格好のネタになるわけですよ。
視聴者を不安にさせて、後は放っておくから
性質悪いですよ。