『左右を取り違え開頭手術 松江で、執刀医らがミス

 島根県松江市の松江赤十字病院で5月、80代の女性患者の左側頭部にできた急性硬膜下血腫の除去手術で、救急外来の医師と執刀した脳神経外科医が二重にミスをし、左右を取り違えて右側を開頭していたことが7日、分かった。この取り違え事故で、血腫の除去は約40分遅れた。外部有識者でつくる病院の医療行為審議会は「血腫除去の遅れによる人体への影響がないとは言えない」との調査結果をまとめている。』

 私は,こんな馬鹿げたミスは犯さないように手術室で画像をよく見て確認するようにしている.しかし,例えば手術室のスタッフが画像の裏表を間違えてかけていたりしただけで左右は逆に見えてしまうこともある.このケースの「救急外来の医師と執刀した脳神経外科医が二重にミス」というのはどういうミスだったのだろうか.今後のために興味があるのは私だけだろうか.

 もうひとつ言いたいのは,こういうミスはいつでも誰でも起こす可能性があって医師の技術とか病院の医療レベルとは無関係に起こるということだ.大学病院だろうが市民病院だろうがミスは常に起こりうるものなのである.だから,どこの病院も事故防止委員会をつくって日頃から検討を重ねているのである.

 ついでに言っておくと,こういうニュースが出るとそれに乗じて医師や病院を叩こうとする輩が現れるのが最近の傾向のようだが,そんなことをしても無意味などころか,ますます自己防衛に走ったり救急の現場から逃げ出す医師が増え医療崩壊が進むような気がするのは私だけだろうか.どうせ意見を言うなら悪意のない前向きな発言をしてもらいたいものだ.

コメント

スミぱん@国会を見よう
スミぱん
2007年9月10日3:55

レントゲン写真を裏表にかけたら、患者名も裏表に
なるから気がつくと思うんですけどねー。
医師を叩いても何も得るものがないことを
マスゴミには早く知って欲しいもんです。

ブログ脳外科医
脳外科医
2007年9月10日8:05

名前や左右を記した文字は小さなアルファベットなので,近づいてよく見ないとわかりにくいです.手術ベッドの術者の位置から見るだけでは画像は見えても文字までは読めないものです.それで,私はフィルムの前で自分で指さし確認をするようにしています.

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