『 窒息では回収できず 厚労省など「規制の対象外」 こんにゃくゼリー窒息死

 こんにゃくゼリーによる窒息死事故が相次いでいる問題で、消費者団体などから製品の回収や販売禁止を求める声が高まっている。しかし、食品に衛生上の問題がある場合は厚生労働省が回収などを命じるが、食品衛生法には窒息などの事故に関する規定がなく、同省は回収命令などは不可能との立場。農林水産省や経済産業省も同様の理由で強制力ある措置を取れず、制度上の不備が明らかになっている。

 こんにゃくゼリーによる窒息事故は、商品が普及した90年代半ばから発生。国民生活センターによると、95年以降に約40件発生し、6歳以下の乳幼児5人と60歳以上の高齢者3人、40代の女性1人が死亡した。今年3、4月に7歳の男児2人が相次いで窒息死し、改めて関心が高まった。

 対策強化を求める消費者の声に対し、厚労省監視安全課は「食品衛生法で販売禁止や回収を命令できるのは、食品に腐敗や有害物質含有などの問題がある場合だけ。のどに詰まらせるのは、あめや餅と同じで規制の対象外」と説明する。

 食品表示に関するJAS法を所管する農水省は先月下旬以降、全日本菓子協会など関係3団体に再発防止を求める文書を出したが、「処分できるのは品質表示基準に違反したもの」(表示・規格課)と話す。欧州連合は03年、ゼリーへのこんにゃく使用を禁止したが、同省特産振興課は「グルコマンナンは欧州では食品添加物扱いなので規制できるが日本ではこんにゃくの原材料として使われているため禁止できない」としている。

 消費生活用製品安全法を担う経産省も「食品は農水省や厚労省の分野」と所管外を強調する。

 こうした状況を主婦連合会(兵頭美代子会長)は「今回の事故は行政・業界・企業の取り組みが全く効果のない対症療法的な措置だったことを示している」と批判。食品、日用品などの種類を問わず、すべての消費生活用品を対象とする強制的リコール制度の導入▽官庁や業界の枠を超え一元的に事故防止策を講じる「事故防止センター」の設立----などを求める要望書を、安倍晋三首相らに提出した。

 3月に学童保育のおやつでこんにゃくゼリーを食べ窒息死した三重県伊勢市、村田龍之介君(当時7歳)の母由佳さんは「(こんにゃくゼリーが)10年前になくなっていれば息子の事故はなかった。命を危険にさらす商品はなくなってほしい」と訴えている。』

『 三重・伊勢の遺族、こんにゃくゼリー製造元を提訴 与えた学童側も

 学童保育所のおやつでこんにゃくゼリーを食べた男児が窒息死した事故で、死亡した三重県伊勢市の男児の両親が15日、「こんにゃくゼリーは食品としての安全性を欠き、保育所も安全配慮を怠った」などとして、製造販売元の「エースベーカリー」(本社・愛知県小牧市)と保育所を監督する伊勢市を相手取り、計約7500万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こした。

 死亡したのは伊勢市の会社員、村田昌也さん(45)の長男で小学1年生の龍之介君(当時7歳)。訴状によると、龍之介君は今年3月23日午後4時ごろ、伊勢市が委託運営する学童保育所で、おやつに出た同社製のこんにゃくゼリーを食べて気道に詰まらせた。指導員が掃除機で吸い出そうとしたが除去できず、約3時間後に窒息死した。

 原告側はこんにゃくゼリーについて▽普通のゼリーより約4倍硬く、一口でのどを通すには大きすぎる▽商品の注意書きが小さく不十分▽国内外で販売中止が相次いでいる----などとして「安全な食品ではない」と主張。製造物責任法(PL法)に基づいて提訴した。また、市はおやつの品目に気を配るなどの安全配慮義務を怠ったと主張している。

 代理人の杉浦英樹弁護士は、同社は96年に同社のこんにゃくゼリーを食べた男児(当時6歳)が死亡した事故で責任を認め、示談が成立したことを指摘。「農水省と厚労省は、全メーカーに販売中止と市場の商品回収を指示する行政措置を出すべきだ」と述べた。

 ◇エースベーカリー社の話

 ご遺族におわび申し上げるとともに、該当商品の市場からの回収を実施致します。

 ◇三重県伊勢市の話

 訴状を見ていないのでコメントを差し控えさせていただきます。

 ◇「落とさなくてよい命」

 「素直な子で、私にとって命でした」。提訴後、名古屋市内で会見した龍之介君の母、由佳さん(45)は声を詰まらせ、提訴した理由について「息子は落とさなくてよい命を落とした。二度と同じ悲しい事故が起きないようにすることが、息子のためにできる最後のこと」などと話した。

 由佳さんは事故当時、搬送先の病院で心臓マッサージを受ける龍之介君に「こんなことで死なないで。目を開けて」と呼び掛け、体をさすり続けた。龍之介君の死を「事故」と思うように努めたが、その後、こんにゃくゼリーの危険性を知るにしたがって悔しさがこみ上げたという。

 死亡事故は約10年前に多発しており、由佳さんは「(こんにゃくゼリーが)10年前になくなっていれば息子の事故はなかった。人の命を危険にさらす商品はなくなってほしい」と強く訴えた。』

 食品衛生法がザル法であったとしても法律違反ではないので自分たちの責任ではないというのが官庁の言い分なのだろう.非を認めれば自分たちの責任とされるのだから当然そう言うだろう.

 ましてや年金制度のずさん運営を容認し,医療崩壊を加速させてきた厚生労働省である.法の不備を楯にそれくらいのことを言うのは朝飯前にちがいない.国民の生命を守るのが国の最も重要な仕事であることを自覚していない省庁に税金をつぎ込んだり,財産を預けたりする必要がいったいどこにあるのだろうか.行政改革は,まず,ちゃんと仕事をする気のない質の悪い国家公務員を駆除することからはじめる必要があるだろう.

コメント

nophoto
モンスターペアレント
2010年3月24日21:24

商品のパッケージ見えないんですかね?
学童訴えるのは分かるけど、メーカー訴えるのはお門違いかと。
これでこんにゃくゼリー無くなったりしたらさぞかしこの両親は叩かれるでしょうね。

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