『 社保庁長官、天下りで最高3000万円

 厚生労働省は7日、基礎年金制度を導入した85年以降の歴代社会保険庁長官7人が天下り先で受け取った退職金の推計値を公表した。参院厚生労働委員会の質疑の中で明らかにした。最高額は長寿社会開発センター理事長など2団体から退職金を得た元長官で、合計3150万円だった。

 厚労省は「実際の金額は個人情報なので公表できない」として、各団体の現行の規定に基づき、業績評価の要素は除外して算出した。

 7人の中で2番目に多かったのは、厚生年金基金連合会(現・企業年金連合会)理事長を務めた元長官で3050万円。さらに、社会保険健康事業財団理事長など4団体から2350万円を受けた元長官が続く。最も少なかったのは医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(現・医薬品医療機器総合機構)の元理事長で300万円だった。 』

『 <社保庁>長官経験者7人の天下り収入は9億3000万円

 社会保険庁の年金記録不明問題で、85〜04年の社会保険庁長官経験者のうち、7人が天下り先の公益法人などから退職金や月額報酬を総額約9億3000万円得ていたとみられることが分かった。今回の問題は、85年に社保庁が自治体に年金記録台帳の廃棄通知を出したことや、80年前後の電子データ化の際の入力ミスなどが原因と指摘されている。政府・与党内からも、歴代の長官経験者に対する責任追及の声が上がっているだけに、組織トップの多くが退官後も厚遇され続けた実態に批判が集まりそうだ。

 7日の参院厚生労働委員会で、福山哲郎議員(民主)らの質問に、厚生労働省が推計額を明らかにした。

 社保庁は40年以上前から100万件近くの厚生年金記録不明問題を把握していた。しかし、その後も有効な対策を取らず、不明記録は年々増加。自治体への台帳廃棄通知や、電子データ化のほか、97年の基礎年金番号付与の際などにもミスを重ね、現在、約5000万件の年金番号が宙に浮いた状態になっている。

 今回の7人は、いずれもこの期間に社保庁長官を務めた。厚労省の推計によると、4カ所の公益法人などに17年間所属し、退職金、月額報酬の総計約2億1100万円を得たとみられる長官経験者もいる。別の長官経験者は2カ所に天下り、総額約2億800万を受け取ったとみられる。7人の総額は約9億3000万円に上ることになる。

 今回の問題で、安倍首相は5月下旬、「歴代の社会保険庁長官の責任を明らかにする必要がある」との考えを示した。渡辺喜美行政改革担当相は、歴代長官の退職金の返還や、天下りのあっせん禁止などの対策に言及した。』

『 コムスン、譲渡凍結も 厚労省が強く指導

 介護事業所の新規指定や更新を認めない処分を受けた訪問介護最大手のコムスン(東京都港区)が、グループ会社間での事業譲渡を発表した問題で、厚生労働省は7日、同社に対し「グループ会社への譲渡は利用者や国民の理解を得られない」として凍結するよう指導した。これを受け、親会社のグッドウィル・グループは「指導に従って検討を重ねる」とのコメントを発表。事業譲渡凍結を検討する考えを明らかにした。この問題では、事業所の指定権限をもつ都道府県や与野党から「脱法行為だ」との批判が噴出していた。

 厚労省老健局の阿曽沼慎司局長は7日午後6時半、コムスンの樋口公一社長と省内で会談。事業所の指定更新期限が来る08年3月末までコムスンが責任をもって利用者にサービスを提供する、グループの日本シルバーサービスへの事業譲渡は凍結すべき、など4項目について指導した。

 樋口社長は「趣旨は承った。経営の全責任は私にある。努力します。やってみます」と答えたという。世論の批判が強いことなどから、現実的には事業譲渡はきわめて難しい情勢となった。

 その後、阿曽沼局長は省内で記者会見。凍結について「強い行政指導だが拘束力はない」と説明。グループ間の事業譲渡は法的に規制できないとの解釈は変わらないとしつつ、「今回の問題は社会的、倫理的責任もあり、法律論では割り切れない」と同社に強く再考を促したと話した。

 今後の受け皿づくりについて、7月末までに同社側が作成する事業移行計画もふまえ、調整を進めると説明。利用者へのサービスが滞らないことを最優先するとした。

 親会社のグッドウィル・グループが6日に事業譲渡について「厚労省の理解も得ている」とコメントした点について、阿曽沼局長は「心外だ。了解はしていない」と強く否定した。

 厚労省は来週にも都道府県の担当者を集め、今回の処分について説明。さらに、事業者や市町村、有識者らから話を聞く場を設け、早急に再発防止策をまとめる考えも示した。

 この問題で元厚相の丹羽雄哉自民党総務会長は7日、「グループ会社への譲渡という脱法的行為は介護を手がける事業者としてふさわしくない。介護を食い物にしているところには退場していただく」と同社の動きを批判。厚労省にも「認識がはなはだ甘い。(処分を)やり直しすればいい」と注文をつけた。 』

「法的な責任を果たしている」というのは法治国家での必要条件なのは当たり前だが,それだけでは決して十分ではないということがこの国の指導的な立場である大臣や経団連の人たちにはわかっていないらしい.

昔から法的にスレスレのことをやって金儲けをするのはヤクザの類いと相場が決まっていたはずだが,一見善人面をした詐欺師まがいの人間が社会的地位の高い人たちの中に混じっているとはなんとも情けない話だ.そして,その多くは厚顔無恥ときているからさらにたちが悪い.「美しい国」を言うなら彼らにまず「恥」というものを再教育すべきだろう.

社会保険庁が国民に与えた損害の穴埋めを再び私たちの税金で補うのはまさに「盗人に追い銭」で馬鹿げている.関係者全員に国民に対する背任行為とも言える年金問題についてどんな形にせよちゃんと償いをしてもらうことを考えなければ,不良国家公務員は後を絶たないだろう.

以前コムスン社長でグッドウィル・グループ会長の折口雅博という人は防衛大学出身だが任官拒否して企業に就職したそうだ.2004年には経団連理事に就任しているほか,2005年には紺綬褒章を受章しているそうだが,コムスンがやったことを見ればどんな格好で何を言ったとしても,その人となりは誰が見ても明らかだろう.

以前にも書いたが,社会は人間で成り立っているのであって法律は最低限の規範にすぎない.人間には感情というものがある.たとえ厚生労働省が許したとしても,介護を食い物にするようなことは,決して許すべきではないと思うからここでも一般市民にできるささやかな見えない抵抗(ステルス・レジスタンス)を続けるべきだろう.

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