来シーズンはリレンザが問題になる?
2007年5月15日 医療の問題『 タミフル以外でも異常行動 リレンザなどで計16人
厚生労働省は14日、タミフル以外のインフルエンザ治療薬である「リレンザ」と「アマンタジン」でも、計16人について服用後に異常行動が報告されていたことを明らかにした。うち13人は未成年。
内訳はリレンザが2000年の販売開始から今年4月27日までに10人。アマンタジンは効能にインフルエンザ治療が追加された1998年以降で6人(うち1人はタミフルを併用)。
同省はタミフルとこれらの薬の副作用を比較しながら、異常行動との関係を調べる。』
『 グラクソ・スミスクライン リレンザ 来季の輸入量は数倍-十数倍規模に 医療機関に事前注文を要請
グラクソ・スミスクラインの中山夏樹取締役営業本部長は本紙の取材に応じ、来季(2007-08年)のインフルエンザシーズンに「リレンザ」(一般名=ザナミビル水和物)の国内輸入量を数百万人分に増やす考えを明らかにした。流行規模によって市場規模も変わるため、現時点では最終的に何人分のリレンザを輸入するかは決めていない。同剤は専用ディスクへラーを用いて吸入するため、通常の薬剤より製造に時間がかかる。なるべく早期に来季用の注文を受けておき、夏以降、数度に分けて輸入する方針だ。
05-06年の国内抗インフルエンザウイルス薬処方量は約800万人分だが、市場シェアの大部分は「タミフル」が占めており、リレンザのシェアは1.4%程度にすぎない。リレンザの今季(06-07年シーズン)の出荷量は約40万人分。流行期前に30万人分を輸入したほか、前季の在庫残りとして10万人分があった。
だが、タミフルの副作用報道が相次ぎ、厚生労働省も10歳代患者に対する使用制限措置をとった。また安易に薬剤が使用され過ぎていることや、耐性菌問題なども指摘されるようになっている。これに対して吸入剤のリレンザは、気道の奥で局所的に作用するため、全身への移行性が低く、安全性が高いと考えられており、医療ニーズが急速に高まっている。さらに海外のリレンザ製造ライン拡張工事も完成に近づき、来季用の増産も見通せるようになった。これらの状況を総合的に考慮した結果、従来の輸入量では到底足りないと判断。来季の輸入量を今季の数倍-十数倍規模に増やすことにした。
同社は、全MRが医療機関の問い合わせに対応できるよう、体制を整えておく方針。「製造期間を考慮し、なるべく早期に注文をいただき、将来にわたって安定供給できるようにしたい」としている。
4月末に15万人分を追加輸入、供給を再開
またグラクソ・スミスクラインは4月末から、リレンザの供給を再開した。競合品タミフルに対する副作用報道や、10歳代患者への使用制限措置が講じられた影響で、リレンザの発注が相次ぎ、3月下旬には品切れ状態になっていた。インフルエンザは夏季にも発生するため、同社は4月末に15万人分の緊急輸入を実施。大型連休を挟み、医療機関への出荷を開始している。』
『 服用せず異常行動も11人 2人はリレンザ使用
厚生労働省は25日、タミフルを服用しないで異常行動などがみられた計11人の事例を新たに公表した。うち2人は、タミフルとは別のインフルエンザ治療薬リレンザを使用していた。
厚労省は今月4日、11人のタミフルなしの異常行動事例を公表しており、これで計22人となった。
今回の11人は今月3-17日にかけて医療機関から厚労省に報告された。10代が9人で最も多く、10歳未満と70代が1人ずつ。大半はインフルエンザと診断されており、自宅の窓から飛び降りたり、飛び降りようとするなどの異常行動を取っていた。骨折した人もいたが死亡例はない。
吸入薬であるリレンザを使用した2人は10代男性と10代女性。幻覚症状などが報告された。厚労省安全対策課は「現時点では因果関係はないとみている」としている』
タミフルに比べてリレンザは消費量が格段に少ないので,副作用が問題になっていなかっただけではないだろうか.しかし,これをみると製薬会社の「吸入剤だからより安全」とか,厚労省の「因果関係はない」なんて言葉をまた信じてしまう患者や家族そして医師はきっと多いと思われているのだろう.
インフルエンザの重症化するリスクが少ない患者には投薬しないのが基本だろうが,結局は患者の言いなりに薬を出してしまうことになるのかもしれない.なんといっても患者様のご希望どおりの医療が要求される世の中だから.果たしてリレンザにもタミフルと同様の副作用があるのかないのかは興味があるところではあるが,いずれにしても,結果はきっと来シーズンになればわかるのだろう.
厚生労働省は14日、タミフル以外のインフルエンザ治療薬である「リレンザ」と「アマンタジン」でも、計16人について服用後に異常行動が報告されていたことを明らかにした。うち13人は未成年。
内訳はリレンザが2000年の販売開始から今年4月27日までに10人。アマンタジンは効能にインフルエンザ治療が追加された1998年以降で6人(うち1人はタミフルを併用)。
同省はタミフルとこれらの薬の副作用を比較しながら、異常行動との関係を調べる。』
『 グラクソ・スミスクライン リレンザ 来季の輸入量は数倍-十数倍規模に 医療機関に事前注文を要請
グラクソ・スミスクラインの中山夏樹取締役営業本部長は本紙の取材に応じ、来季(2007-08年)のインフルエンザシーズンに「リレンザ」(一般名=ザナミビル水和物)の国内輸入量を数百万人分に増やす考えを明らかにした。流行規模によって市場規模も変わるため、現時点では最終的に何人分のリレンザを輸入するかは決めていない。同剤は専用ディスクへラーを用いて吸入するため、通常の薬剤より製造に時間がかかる。なるべく早期に来季用の注文を受けておき、夏以降、数度に分けて輸入する方針だ。
05-06年の国内抗インフルエンザウイルス薬処方量は約800万人分だが、市場シェアの大部分は「タミフル」が占めており、リレンザのシェアは1.4%程度にすぎない。リレンザの今季(06-07年シーズン)の出荷量は約40万人分。流行期前に30万人分を輸入したほか、前季の在庫残りとして10万人分があった。
だが、タミフルの副作用報道が相次ぎ、厚生労働省も10歳代患者に対する使用制限措置をとった。また安易に薬剤が使用され過ぎていることや、耐性菌問題なども指摘されるようになっている。これに対して吸入剤のリレンザは、気道の奥で局所的に作用するため、全身への移行性が低く、安全性が高いと考えられており、医療ニーズが急速に高まっている。さらに海外のリレンザ製造ライン拡張工事も完成に近づき、来季用の増産も見通せるようになった。これらの状況を総合的に考慮した結果、従来の輸入量では到底足りないと判断。来季の輸入量を今季の数倍-十数倍規模に増やすことにした。
同社は、全MRが医療機関の問い合わせに対応できるよう、体制を整えておく方針。「製造期間を考慮し、なるべく早期に注文をいただき、将来にわたって安定供給できるようにしたい」としている。
4月末に15万人分を追加輸入、供給を再開
またグラクソ・スミスクラインは4月末から、リレンザの供給を再開した。競合品タミフルに対する副作用報道や、10歳代患者への使用制限措置が講じられた影響で、リレンザの発注が相次ぎ、3月下旬には品切れ状態になっていた。インフルエンザは夏季にも発生するため、同社は4月末に15万人分の緊急輸入を実施。大型連休を挟み、医療機関への出荷を開始している。』
『 服用せず異常行動も11人 2人はリレンザ使用
厚生労働省は25日、タミフルを服用しないで異常行動などがみられた計11人の事例を新たに公表した。うち2人は、タミフルとは別のインフルエンザ治療薬リレンザを使用していた。
厚労省は今月4日、11人のタミフルなしの異常行動事例を公表しており、これで計22人となった。
今回の11人は今月3-17日にかけて医療機関から厚労省に報告された。10代が9人で最も多く、10歳未満と70代が1人ずつ。大半はインフルエンザと診断されており、自宅の窓から飛び降りたり、飛び降りようとするなどの異常行動を取っていた。骨折した人もいたが死亡例はない。
吸入薬であるリレンザを使用した2人は10代男性と10代女性。幻覚症状などが報告された。厚労省安全対策課は「現時点では因果関係はないとみている」としている』
タミフルに比べてリレンザは消費量が格段に少ないので,副作用が問題になっていなかっただけではないだろうか.しかし,これをみると製薬会社の「吸入剤だからより安全」とか,厚労省の「因果関係はない」なんて言葉をまた信じてしまう患者や家族そして医師はきっと多いと思われているのだろう.
インフルエンザの重症化するリスクが少ない患者には投薬しないのが基本だろうが,結局は患者の言いなりに薬を出してしまうことになるのかもしれない.なんといっても患者様のご希望どおりの医療が要求される世の中だから.果たしてリレンザにもタミフルと同様の副作用があるのかないのかは興味があるところではあるが,いずれにしても,結果はきっと来シーズンになればわかるのだろう.
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