無駄な抵抗はやめよう...
2007年5月4日 医療の問題 コメント (2)『 全医学部で地域医療実習 体験重視、医師不足に対応 診療所や中小病院で 文科省がカリキュラム改定
山間部や離島などで医師不足が深刻化する中、文部科学省は2日までに、医学生を各地域の診療所で実地訓練する「地域医療臨床実習」を、国公私立すべての大学医学部で実施するよう、医学教育の指針(モデル・コア・カリキュラム)を改定した。
地域医療で特に重要とされるプライマリーケア(初期診療)や在宅医療などの体験を通じ、各地で求められる医師像を医学生に伝えるのが目的。卒業生が大都市部に集中するのを抑え、過疎地域での医師不足解消につなげる狙いもある。
地域医療臨床実習は大学の付属病院などの大病院ではなく一般の診療所や中小規模の病院、保健所などで実施。初期診療や他の医療機関との連携、各地域での病気予防活動などを体験させる。実施期間や場所などは各大学が決める。
風邪などのよくある病気や軽いけがに対応する医師としての総合的な能力は、診療科が細分された大病院の実習では身につきにくく、文科省の専門家会議も地域医療を学生段階から体験させる必要性を指摘していた。
モデル・コア・カリキュラムは、医学生に教える最低限の教育内容を示す指針で、大学はそれぞれのカリキュラムに盛り込むことが求められている。
厚生労働省が2004年度から義務化した免許取得後2年間の「臨床研修」では、内科、外科、救急・麻酔科、小児科、精神科、産婦人科の各分野に加え地域医療の研修も全員が受けることになっている。
文科省は今回の改定について「より早くから地元の事情を肌で感じることで、各地域に人材が定着するよう促せるのでは」と期待している。』
これは文部科学省が自分の管轄である大学医学部を使って僻地の医師不足の解消へ向けて努力しているというジェスチャーなんだろう.「各地で求められる医師像を医学生に伝えるのが目的」というが,僻地で働く医師たちがそんなことも知らずに働いていたとでも思っているのだろうか.
医学生なら現場での苦労などまだわからないから,理想に燃えて将来地方で働いてくれるとでも考えているのだろうか.研修医が大学を離れ都市部の有名ブランド病院に集中したのをもう忘れたのだろうか.地域医療実習はかえって逆効果になるとは考えもしないのだろうか.
もっとも文部科学省では僻地で働く医師たちの労働条件を改善することができるわけでもないし,診療報酬を決定することもできないから経済的な実効性は期待できない.当の厚生労働省ときたら医師が過労死しても働かせて,労働環境にお金をかける気はまったくないようだから医師の待遇は全国的にさらに悪化している.そのしわ寄せが僻地から顕在化しているだけだろうに,医学生に何が期待できるのだろうか.
文部科学省が僻地の医師不足を本当に改善したいなら他に方法があるのではないだろうか.例えば大学職員の医師の採用基準や大学教授の審査基準に僻地医療への貢献度を取り入れるとか大学職員に派遣枠を設けるとかである.もっとも現在は大学に医師が集まらない時代になってきているから,そんなことをしたら研究業績のほうがおろそかになると心配になるかもしれない.文部科学省の評価は研究業績重視なのだから当然のことである.
新しい研修医制度のおかげで,これからの医師は自由に自分の働く場を選べるようになった.厚生労働省は医局から医師を引きはがしたまでは良かったが,医師の配置を思うようにすることはできなかった.当面は開業医を診療報酬で縛り付けてしのぐつもりかもしれないが,それもどうなるかわからない.
ころころ変わる医療行政につき合わされるのは心身ともに疲れるから,ベテラン医師も考えを改めたほうがいいのかもしれない.もう肩の力を抜いて,無理をせずに,無駄な抵抗はやめて,水のように低いところに流れていくというのも新しい医師の生き方かもしれない.
山間部や離島などで医師不足が深刻化する中、文部科学省は2日までに、医学生を各地域の診療所で実地訓練する「地域医療臨床実習」を、国公私立すべての大学医学部で実施するよう、医学教育の指針(モデル・コア・カリキュラム)を改定した。
地域医療で特に重要とされるプライマリーケア(初期診療)や在宅医療などの体験を通じ、各地で求められる医師像を医学生に伝えるのが目的。卒業生が大都市部に集中するのを抑え、過疎地域での医師不足解消につなげる狙いもある。
地域医療臨床実習は大学の付属病院などの大病院ではなく一般の診療所や中小規模の病院、保健所などで実施。初期診療や他の医療機関との連携、各地域での病気予防活動などを体験させる。実施期間や場所などは各大学が決める。
風邪などのよくある病気や軽いけがに対応する医師としての総合的な能力は、診療科が細分された大病院の実習では身につきにくく、文科省の専門家会議も地域医療を学生段階から体験させる必要性を指摘していた。
モデル・コア・カリキュラムは、医学生に教える最低限の教育内容を示す指針で、大学はそれぞれのカリキュラムに盛り込むことが求められている。
厚生労働省が2004年度から義務化した免許取得後2年間の「臨床研修」では、内科、外科、救急・麻酔科、小児科、精神科、産婦人科の各分野に加え地域医療の研修も全員が受けることになっている。
文科省は今回の改定について「より早くから地元の事情を肌で感じることで、各地域に人材が定着するよう促せるのでは」と期待している。』
これは文部科学省が自分の管轄である大学医学部を使って僻地の医師不足の解消へ向けて努力しているというジェスチャーなんだろう.「各地で求められる医師像を医学生に伝えるのが目的」というが,僻地で働く医師たちがそんなことも知らずに働いていたとでも思っているのだろうか.
医学生なら現場での苦労などまだわからないから,理想に燃えて将来地方で働いてくれるとでも考えているのだろうか.研修医が大学を離れ都市部の有名ブランド病院に集中したのをもう忘れたのだろうか.地域医療実習はかえって逆効果になるとは考えもしないのだろうか.
もっとも文部科学省では僻地で働く医師たちの労働条件を改善することができるわけでもないし,診療報酬を決定することもできないから経済的な実効性は期待できない.当の厚生労働省ときたら医師が過労死しても働かせて,労働環境にお金をかける気はまったくないようだから医師の待遇は全国的にさらに悪化している.そのしわ寄せが僻地から顕在化しているだけだろうに,医学生に何が期待できるのだろうか.
文部科学省が僻地の医師不足を本当に改善したいなら他に方法があるのではないだろうか.例えば大学職員の医師の採用基準や大学教授の審査基準に僻地医療への貢献度を取り入れるとか大学職員に派遣枠を設けるとかである.もっとも現在は大学に医師が集まらない時代になってきているから,そんなことをしたら研究業績のほうがおろそかになると心配になるかもしれない.文部科学省の評価は研究業績重視なのだから当然のことである.
新しい研修医制度のおかげで,これからの医師は自由に自分の働く場を選べるようになった.厚生労働省は医局から医師を引きはがしたまでは良かったが,医師の配置を思うようにすることはできなかった.当面は開業医を診療報酬で縛り付けてしのぐつもりかもしれないが,それもどうなるかわからない.
ころころ変わる医療行政につき合わされるのは心身ともに疲れるから,ベテラン医師も考えを改めたほうがいいのかもしれない.もう肩の力を抜いて,無理をせずに,無駄な抵抗はやめて,水のように低いところに流れていくというのも新しい医師の生き方かもしれない.
コメント
スタッフの側でもいいから仕事したいと思うウチも
病気なんでしょうかねぇ〜。