『 診療情報流出:19病院で転送断られた妊婦遺族が告訴へ

 奈良県大淀町の町立大淀病院で昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった高崎実香さん(当時32歳)=同県五條市=が、県内外の19病院で転送を断られた末に搬送先の病院で出産後に死亡した問題で、高崎さんの診療情報がインターネット上に流出していたことが分かった。遺族は被疑者不詳のまま町個人情報保護条例違反容疑で、5月にも県警に告訴する。
 流出したのは、高崎さんの看護記録や意識を失った時刻、医師と遺族のやりとりなど。ネット上の医師専用の掲示板に書き込まれ、多数のブログなどに転載された。この掲示板は登録者数10万人以上で、問題が報道された昨年10月から書き込みが始まった。
 遺族は「医師専用掲示板には患者の中傷があふれている。診療情報の流出は自分たちだけの問題ではないと思い、告訴に踏み切ることを決めた」と話している。』

『産科医療シンポ:被害者の視点忘れずに…大阪で開催

 被害者の視点を忘れずに産科医療について考えるシンポジウムが28日、大阪市内で開かれた。産婦人科病院「堀病院」(横浜市)と奈良県大淀町の町立大淀病院の医療事故の被害者遺族らが参加。産婦人科医不足の原因に被害者らによる訴訟の多さも理由とする声があることに、「被害者が裁判を起こすのは医師側があまりにも不誠実な場合だ」「医師もなぜ医療事故が起きたかを考え、再発防止に努力してほしい」と訴えた。
 堀病院の被害者遺族は「医師不足は問題だが、事故の被害とは別だ。医療側はまず事故の真相を究明してほしい」と語った。大淀病院の被害者遺族も「(事故が起きた理由など)真実を知りたい。そして二度とこんなことが起きてほしくない」と涙を流しながら話した。』

 m3.comで私も読んだが,他のコメントでは流出情報のソースは遺族が記者会見で公開したカルテのコピーだという話もあり,2006年10月22日の毎日新聞の記事には,『さらに、患者、遺族は「名前と写真が出ても構わない」とおっしゃいました。「新聞、テレビ取材が殺到しますよ」と、私たちが気遣うのも承知の上の勇気ある決断でした。』と奈良支局長の井上朗さんが書かれていたくらいだから,本当に真実を知りたいのなら情報を公開してより多くの医師の意見を聞くほうがいいのではないだろうか.

 裁判で遺族の側に不利になりそうな情報が勝手に医師の間に広まっては困るというのなら理解できないこともないが,もしそういう姿勢なら多くの医師に不信感とやりきれない気持ちだけが残り,患者を受け入れない病院が増えるだけで再発予防にはならないと思うのは私だけだろうか.
 
この件の詳細を知りたい方のためにリンク先を追記させていただきました.
http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/blog-date-20070501.html


 

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