『厚労相また失言? 「労働時間だけ売り物」

 柳沢伯夫厚生労働相は19日午前の衆院予算委員会で、工場労働を「労働時間だけが売り物」とした労働法制に関する自らの発言について、撤回と議事録からの削除を検討する考えを明らかにした。

 柳沢氏の発言は、15日の参院厚生労働委員会で答弁したもの。柳沢氏は事務職の一部を残業代の支払い対象から外すホワイトカラー・エグゼンプションに関連し、「工場労働というか、ベルトコンベヤーの仕事。もう労働時間だけが売り物ですというようなところでなく働いている方々の現実に着目した労働法制をつくることが課題だ」と述べた。

 この発言について、民主党の川内博史氏が19日の衆院予算委で、「現場で一生懸命働いている方に失礼だ」と批判し、柳沢氏自らが議事録からの削除を申し出るよう求めた。これに対し、柳沢氏は「全体を見てもらえば誤解が生じるとは思わないが、『だけ』という表現が、ある人々を傷つけるとの指摘なので、(削除が)可能かどうかを相談したい」と述べた。』

『 月3回は32時間勤務=「休みゼロ」も3割近く−勤務医の労働実態調査・医労連

 月3回は連続32時間勤務、3割近くは1カ月間休日なし−。勤務医の厳しい労働実態が19日、日本医療労働組合連合会(日本医労連)の初の調査で浮き彫りになった。慢性的に疲労を感じる人は6割に上った。
 調査は昨年11月から今年1月にかけて、同労連の加盟組織などを通じ、勤務医に調査票を配布。25道府県約150施設の1036人の回答を集計した。
 前月の宿直回数は平均2.9回。4回以上の人は全体の4分の1を占め、「10回以上」の人もいた。宿直明けの日に勤務がないのはわずか4.2%で、大半の人は宿直時に32時間連続勤務をしていた。
 休憩時間を規定通り取れる人は約2割にとどまる。前月休んだ日数の平均は3.3日で、ゼロの人も27.0%いた。』

 病院の宿直なんて救急患者が来なければ『もう労働時間だけが売り物です』というような仕事だけど,いつどんな救急患者が来るかと思うと非常にストレスを感じる医師は多いはずである.おまけに救急患者はだいたいが夕食後や明け方に来る事が多いから,受け入れる方は食事や睡眠が不規則になるものなのである.だから自分の健康を考えれば宿直なんてまっぴら御免だというのが多くの医師の本音ではないだろうか.

 脳神経外科の場合,多くは2〜3人で宿直あるいは呼び出しの当番をまわすことが多いから,ひと月に多い人で15回以上,少ない人でも7〜8回は救急患者で呼び出されているのではないだろうか.そして医師の場合は宿直明けはそのまま翌日も勤務するのが常識になっているから前日の8時間+宿直16時間+翌日8時間で32時間労働になるわけである.運が悪いと本当に睡眠時間が0のまま緊急手術になることもあるが,たとえ緊急じゃなくとも当直の翌日に定期の手術なんてやりたいわけがないのである.

 『働いている方々の現実に着目した労働法制をつくることが課題』などときれいごとを言うくらいなら,まず勤務医の連続勤務時間と一ヶ月の宿直時間の上限設定くらい厚生労働省でしてくれてもいいような気がするのだがどうだろうか.それとも勤務医はホワイトカラーじゃないから過労死あるいは医療事故で勾留されるまで働き続けなければいけないのだろうか.

コメント

みかん。
みかん。
2007年2月22日0:10

こんばんは。
勤務医の先生は激務なのに、私たち患者のためにがんばってくれているんですよね。
ろくに休むこともできずに診察を続けても、医療事故を起こせばたたかれるし‥。
私の地元の病院でも、何年か前に過労死で亡くなった先生がいました。
宿直あけでもそのまま勤務っていうのがけっこうあり、休みの日でも呼び出しがあったらしく‥。
病院の先生って、激務のわりにたいへんそうで、わりに合わない仕事そうだなーと思っています。
少しでも労働条件が良くなると良いですね。

nophoto
久下貴司
2007年2月22日15:53

柳沢って男はWE法を積極的に推進する等、
労働者の立場というものは頭にないんだな。
まあ財界の意思を体現するために存在しているんだな。
それで安倍も絶対に外そうとはしないんだけど、
国民の目線でものを考える発想は、からきしないから
いろいろ失言というか、実際には本音なんだけど、
平気で人を傷つけてしまうんだな。
まあバブル崩壊後の効率主義が生んだ
日本社会のどうしようもないお荷物なんだな。

nophoto
M・K
2007年4月20日10:45

「連続勤務時間の上限(32時間集中するなどできるはずもなく、当直明けに医療ミスしないのが奇跡のようです。)を決めて欲しい。」と心から思います。
そうしないのは、厚生労働省の怠慢であるとも考えます。週70時間も働くのは、明らかに労働基準法違反です。
医療崩壊と言われますが、今や、医師の自己犠牲や奉仕の精神だけで乗り切れる局面ではありません。「明日こそ辞めよう」と思いながら働いている医師の数は、厚生労働省が考えている以上にいっぱいいるでしょう。

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