『 柳沢厚労相「結婚・子供2人、健全」発言に疑問の声

 柳沢厚生労働相の発言が、また波紋を広げそうだ。野党側が国会運営の正常化に向けて動き始めた矢先。「女は産む機械、装置」発言の波紋が残る中、6日の会見では若者が「結婚し、子どもは2人以上持ちたいという健全な状況にある」などと語った。識者からは改めて疑問の声が上がった。

 コラムニストの天野祐吉さんは「結婚願望とか子どもの数を、統計データを基に、多数派、少数派というならいいが、『健全』という言葉を使うのがおかしい。『産む機械』発言と奥の方でつながっている気がするし、失言というより、彼の人生観、社会観が出たんだろう」とみる。その上で「少子化担当のポストは無理だと思うが、柳沢さんはある意味正直に発言しただけ。政治家だけでなく、多くの人たちの中に無意識に残っているこうした考え方がなくならないと、大臣を代えても問題は解決しないと思う」。

 心理学者の小倉千加子さんも「結婚したい、子供が2人以上ほしい、というのを健全とすること自体、古い道徳観からくる発言で、年齢的な限界を感じる」と言う。「こういう発言が止まらない人が厚生労働大臣をしているから、ピントのずれた政策が続き、少子化が止まらないのだと思う。(夫の発言をメディアでしかった)奥さんはずっとまともな方のようだから、これからは外で何か発言する前に、奥さんにチェックしてもらった方がいい」と話した。

 一方、大日向雅美・恵泉女学園大教授(ジェンダー論)は「発言は適切でないが、これを単なる失言の上塗りと取るべきではない」と指摘。「少子化対策で必要なのは、産みたいと思う人が安心して産める環境整備。その責務は国にあることを厚労相は心にとめて施策に励んでほしい」と言う。

 また、タレントの遙洋子さんは「自民党内で『極めて理知的で温厚』と言われる柳沢大臣ですら、端々に女性を傷つける一連の発言をする価値観にとらわれているのがこの国だ、と知るいい契機になる」と話した。

 社民党の福島瑞穂党首は6日昼、国会内で記者団に「色んな生き方の選択肢があるという問題の本質を理解していない。このような大臣の下で審議はできない。辞任要求を続ける」と述べた。

〈柳沢発言要旨〉

 家庭を営み、子どもを育てるということには、人生の喜びがあるんだという意識の面で、自己実現といった広い範囲で、若い人たちがとらえることが必要だと思う。他方、ご当人の若い人たちは、結婚をしたい、子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいるわけです。そういう若者の健全な希望に、我々がフィットした政策を出していくということが大事だと思っている。 』

 この発想の延長線上に『認知症や寝たきりの老人は家族が看るべきだ』とか『女性は働くより子供を産んで家庭を守るべきだ』という考え方が見え隠れするような気がするのは私だけでしょうか.一連の行動で自分の価値観だけでしか物を考えられないらしいことがよくわかりました.でも,その価値観を国民に押しつけられては迷惑です.

 こういうシンプルかつ無責任な発言でまわりの人に避けられているおじさんが世の中にはたくさんいるのでしょうが,こんな調子でも開き直ればやってられるからきっと政治家は一度当選すると辞められないんでしょうね.

コメント

スミぱん@国会を見よう
スミぱん
2007年2月6日19:19

だんなの親も「子育ては女性の仕事。」と思っていて、
子供が夜泣きした時などは、ウチが子供を車に乗せて、
真夜中にドライブしてましたよ。まあ、それ以外にも
色々あって鬱になったわけですが。

nophoto
ニックネーム無し
2007年2月6日19:45

主婦の友人は最近、3人目の子供を生んでますね。
でも、大学時代の友人(医者)はほとんど、1−2人ですね。
働いていたら、1人でも、かなりの覚悟がいるのに、このおじさんの周りは専業主婦の奥様、専業主婦の嫁、専業主婦の娘だらけなんでしょうね。。。
この先、主婦は増えないと思うのですが。。。
まわりのことがわかってなさそう。

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